2022-04-25

[HK]ハイリスク(制限付き)食品のオンラインショッピング

Online Shopping of High-risk (Restricted) Foods

20 Apr 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/whatsnew_fst/whatsnew_fst_Online_Shopping_of_High_risk_Foods.html

ハイリスク食品のオンライン購入

食品のオンラインショッピングは近年さらに人気が高まり、ウェブサイトやモバイルアプリで食品を注文したり食事を配達してもらうのはかなり便利である。しかし消費者は、食品、特にハイリスク(制限付き)食品をオンラインで購入する際には注意を払う必要がある。食品の安全性を確認するために、注文前に食品施設のライセンス/許可の詳細を二重チェックするに越したことはない。

ライセンス/許可のある施設を利用すること

香港では、オンライン、実店舗での販売に関わらず、食品の販売は法律で規制されている。制限付き食品をオンラインで販売する全ての食品事業者は、実店舗を持つかどうかに関わらず、食品環境衛生局(FEHD)から書面の許可を得なければならない。

生牡蠣、寿司、刺身などのリスクの高い食品を含む、制限付き食品をオンライン購入する際には、消費者はライセンス/制限食品許可のある信頼できる店舗やオンラインストアを利用ひいきにする必要がある。そのような店舗やオンラインストアは、ウェブサイト、オンラインプラットフォームのアカウント、印刷された販促資料の情報を提供することが、ライセンス/許可の条件として必要である。

・ライセンス/許可の種類と番号

・販売が許可された制限付き食品の種類

・企業のアドレス

これにより、消費者はFEHDのウェブサイト上で参照・確認しやすい。

FEHDのウェブサイトで確認

消費者はこのウェブサイトを訪れて、ライセンスや許可のある食品施設や、制限付き食品許可 (制限付き食品のオンライン販売) のあるオンラインショップ(実店舗のない)のリストを見ることができる。

食品のオンライン購入における食品の安全性

受け取ったら、消費者はできるだけ早くその食品を食べた方がよい。デリバリー食品をオンラインで注文する際に、適切に冷蔵しないで配達するとリスクが高まるため、特に感受性の高い集団は、生や半調理の食品などのハイリスク食品は避けた方がよい。

 

情報源

パンフレット

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/files/A5_leaflet_eng_6_12_2019.pdf

動画

https://www.youtube.com/watch?v=qCDLHRpd1bI

関連リンク

ハイリスク食品

https://www.cfs.gov.hk/highriskfood/

オンラインショッピングと食品の安全性

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_111_01.html

 

[BfR]第4回ナノテクノロジーについての合同シンポジウム

Fourth Joint Symposium on Nanotechnology

20.04.2022

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2022/14/fourth_joint_symposium_on_nanotechnology-295383.html

BfRとフラウンホーファーFNTは2022年5月の2日間の一連の講義に招待する

ナノテクノロジーは多くの分野で主要技術として利用されている。このシンポジウムの第4回では引き続き機会とリスクに焦点を当てている。2022年5月30日、31日の英語で話すイベントでは、繊維と包装におけるナノテクノロジーの利用、農業での適用、体内でのナノマテリアルの影響、未来志向の評価アプローチなどのテーマの調査結果を専門家が提示する予定である。ナノテクノロジーと共に、消費者保護は多くの分野で新しい科学的分野に拡大している。「問題は、私たちの体が、様々な消費者製品から排出される可能性のあるナノマテリアルにどのように反応するかである。3Dプリンターやナノメートルスペクトルの元素を含む種子(注)から、様々な物質が私たちの体に入り込む可能性もある」、とドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の自然科学者及び医師であるAndreas Luch医学博士は述べた。「そのためBfRは、新素材の健康に関連するリスク評価を進めるために、行動様式の解明、複雑なサンプルの分析、グループ化アプローチの実行など、さまざまなプロジェクトを研究中である。」BfRはナノテクノロジーシンポジウムで、定期的に、多分野にまたがる、部門間の知識の交換を促進している。BfRはフラウンホーファー・ナノテクノロジーFNTテーマ別ネットワークと共に、このハイブリッドイベントへの参加を心からお待ちしています。興味のある方は誰でも、ベルリン-マリエンフェルデのBfRの階段教室や、ライブストリームからデジタルでこのイベントを視聴できる。

登録期限は2022年5月20日。

登録はこちら:

https://www.bfr-akademie.de/english/nano2022.html

プログラムはこちら:

https://www.bfr-akademie.de/media/wysiwyg/2022/nano2022/Nano2022_programme.pdf

ナノマテリアルは現在、化粧品、食品包装、非常に多くの消費者製品など、日常生活の多くの分野で利用されている。いつも消費者に明らかにされているわけではない。食品や化粧品などのいくつかの製品分野では、特定の表示規則が適用されている。

生産量や多様な形態は絶えず増え続け、例えばナノマテリアルが製品から放出されると、消費者の健康問題が増えたり、新しいタイプの健康問題の可能性があることを意味する。ナノマテリアルやそれらを含む製品が消費者に健康リスクをもたらす可能性があるかどうか、一般的な答えはない。そのため、ナノセーフティー研究が、ヒトの健康や環境にとってのナノマテリアルのリスクを扱う。

(注)種子のナノプライミング seed nanopriming:銀ナノ粒子を使って発芽率を上げ初期の成長を促すなどの技術がテーマの一つにある

 

[BfR]動物研究の登録報告は科学-と動物福祉に役立つ

"Reporting registers" for animal studies help science - and animal welfare

22 April 2022

https://www.bfr.bund.de/cm/349/reporting-registers-for-animal-studies-help-science-and-animal-welfare.pdf

科学のために動物を使うことは絶対必要で高い倫理基準を満たした場合に制限されるべきである。無数の代替法開発に成功しているものの、現在の科学技術では医学研究を含む動物実験を無くすことはできない。

科学の質と動物の福祉を確保するための一つの方法が動物実験の登録である。こうした登録3つが専門誌“PNAS Nexus”に共通の要件を発表した。

Declaration of common standards for the preregistration of animal research—speeding up the scientific progress

https://academic.oup.com/pnasnexus/article/1/1/pgac016/6549456

オープンアクセス

 

[EU]RASFF 2022(0417-0423)

警報通知(Alert Notifications)

ドイツ産食品サプリメントのビタミンB6高含有、レバノン産オランダ経由調理済ソラマメの二酸化硫黄非表示、スペイン産カメノテのカドミウム高含有、ドイツ産有機ウコンのエチレンオキシド、フランス産食品サプリメントのエチレンオキシド、ウズベキスタン産リトアニア経由レーズンのオクラトキシンA、

注意喚起情報(information for attention)

ルーマニア産ウマの枝肉のカドミウム、ウズベキスタン産トルコ経由緑豆のカドミウム、バングラデシュ産カニのニトロフラゾン、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産生鮮グレープフルーツリオレッドのクロルピリホス-メチル、トルコ産生鮮ペッパーのアセタミプリド(複数あり)、トルコ産生鮮チリペッパーのアセタミプリド、トルコ産生鮮ペッパーのクロルピリホス-メチル、トルコ産生鮮ペッパーのフロニカミド、インド産スパイスブレンドのエチレンオキシド、トルコ産レモンの未承認物質クロルピリホス-メチル、アルゼンチン産茹でピーナッツカーネルのアフラトキシン、パキスタン産米のアフラトキシン、米国産トルコ経由殻付きピスタチオのアフラトキシン、ケニア産マメのアセフェート及びメタミドホス、トルコ産クミンのピロリジジンアルカロイド、トルコ産殻付きピスタチオのアフラトキシン、

 

[ANSES](季節の過去記事紹介)

-蚊の罠はベクター媒介疾患コントロールのための追加の道具になるか?

Could mosquito traps provide an additional tool for controlling vector-borne diseases?

16/11/2021

https://www.anses.fr/en/content/could-mosquito-traps-provide-additional-tool-controlling-vector-borne-diseases

公共スペースで蚊トラップ(蚊取り器)が使われることが増えている。しかし現在入手できる研究では蚊に刺されて感染する病気の予防に短期的有効性を示すには不十分である。従ってANSESはこれらの使用は蚊の密度が高いときに総合的な対策の一環として主に使うことを薦める。またこれらの製品のマーケティングや使用は規制に従うべきである

製品としては殺虫剤や糊で産卵に来た蚊を捕まえる水の入った容器、二酸化炭素を出して蚊を呼び寄せようとするもの、など。

 

-行列毛虫の刺毛に注意

Beware of stinging hairs from processionary caterpillars!

20/05/2020

https://www.anses.fr/en/content/beware-stinging-hairs-processionary-caterpillars

春に、森や庭で、毛虫が行列しているのを見ることがあるだろう。これらには刺毛があり、動物やヒトに時に重症の炎症反応をおこす。ANSESはいくつかの保護対策を示す。

-近づかない

-長袖長ズボンの服を着る

-歩いているときに目をこすらない

-庭の野菜や果物はよく洗う

-虫のいる木のそばで洗濯物を干さない

-毛虫に暴露されたかなと思ったらシャワーを浴びて服を着替える

-呼吸困難などの命に関わる兆候があったら救急にダイヤル

-症状があったら医師または中毒情報センターに相談

-毛虫に接触したら写真を撮る

-ペットに影響したら獣医に相談

 

[FAO]野生の1ダース:原料として珍重され、脆弱な野生植物が需要の急増に直面

The Wild Dozen: Prized as ingredients, vulnerable wild plants face surging demand

22/04/2022

https://www.fao.org/newsroom/detail/wild-dozen-ingredients-vulnerable-plants-fao/en

あなたは知らないかもしれないが、脆弱な野生の植物でできている製品があなたの家のmわりにも散在する

ブラジルナッツ、アラビアガム、リコリス、シアバター、バオバブ、アルガンオイル、乳香、jatamansiなど。FAOが本日発表した新しい報告書「ワイルドチェック:野生植物原料貿易のリスクと機会を評価する」では12の旗艦種-ワイルドダズン-に光をあてている

 

[WHO]世界予防接種週間

World Immunization Week 2022 - 24 to 30 April

https://www.who.int/campaigns/world-immunization-week/world-immunization-week-2022

今年のテーマは全ての人の長寿をLong Life for All

 

[DGCCRF]Sésame, psyllium, épices et autres produits rappelés comprenant ces ingrédients

22/04/2022

https://www.economie.gouv.fr/dgccrf/sesame-psyllium-epices-et-autres-produits-rappeles-comprenant-ces-ingredients

エチレンオキシド違反リスト更新

 

[NASEM]ヒトの加齢とがん感受性への感受性に与える環境暴露の影響を予想する歩哨としてのコンパニオンアニマル ワークショップの概要

Companion Animals as Sentinels for Predicting Environmental Exposure Effects on Aging and Cancer Susceptibility in Humans

Proceedings of a Workshop (2022)

https://nap.nationalacademies.org/catalog/26547/companion-animals-as-sentinels-for-predicting-environmental-exposure-effects-on-aging-and-cancer-susceptibility-in-humans

ペットの犬猫は飼い主と同じ空気を吸い同じ椅子に座り同じ場所で遊び同じ水を飲みしばしば同じベッドで眠る。環境を共有し、ヒトと同じような加齢に伴う病気に、ヒトより早く罹るため彼らのデータを集めることが新たな知見を提供する可能性がある。その歩哨としてのコンパニオンアニマルの可能性を探るためにワークショップを2021年12月に開催した。その概要。

 

SMC UK

-有機野菜と微生物を調べた学会要旨への専門家の反応

expert reaction to conference abstract looking at organic vegetables and microbes

APRIL 22, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-conference-abstract-looking-at-organic-vegetables-and-microbes/

欧州臨床微生物学と感染症学会(ECCMID)年次会合の発表要旨が有機野菜に存在する微生物について調べた

Imperial College London、 Wellcome Trustと王立協会Henry Dale卿フェロー、グループリーダー(化学微生物学)Matthew Child博士

興味深い可能性はあるがこれは極めて予備的なものである。病原体は病気の原因になるが、常にそうだとは限らないことを覚えておくことが重要である。化学物質と医薬品と同様、病原体についても暴露量が問題になる。

要旨からは実験の詳細は不明でデータを公正に解釈することはできない。そのため私の見解ではプレスリリースは言い過ぎであろう。データはピアレビューされておらず、プレスリリースの「全ての要旨は学会の採択委員会がしっかりピアレビューした」は、正式な論文のピアレビューではないことに注意。

Cranfield大学水研究所客員教授John Fawell教授

この要旨が公衆衛生リスクについての強力な根拠を提示しているとは思わない。レジオネラは懸念ではあるがエアロゾルの吸入の場合である。しかし著者は消費者に生鮮野菜を扱うときの衛生確保の教材としては重要な指摘をしている。アメーバや一部の病原体は自身を守り増殖する能力がある。こうした微生物が生で食べる生鮮野菜にどのくらいいるかを調べることは役に立つだろう。ハザードは示された、次はリスクの大きさを評価して緩和策を提案することである。論文なしにこの研究を判断するのは難しい。

Birmingham大学微生物と感染症研究所長で教授Willem van Schaik教授

野菜は土の上で育てられるので土壌由来微生物がいることはほぼ避けられない。それにはこの研究で議論されているアメーバも含まれる.この報告されている結果はありそうなことだが、詳細がわからないので評価できない。この報告は驚くべきことではないが有機野菜に限ったことではないだろう。全ての葉物野菜は使う前によく洗うように助言するのは良いことだろう。

Edinburgh大学医療微生物学教授Ian Poxton教授

何か新しいの?野菜、特に堆肥を使った土で育った野菜に糞便微生物汚染があるのは昔からわかっていた。研究の詳細が無いので頑健さはわからない

 

-次のパンデミックでは科学はもっと良くコミュニケーションできるか?-SMCがCOVID-19中に学んだこと

Could science be communicated better during the next pandemic? – the lessons the SMC has learned during COVID-19

APRIL 20, 2022  by Fiona Lethbridge

https://www.sciencemediacentre.org/could-science-be-communicated-better-during-the-next-pandemic-the-lessons-the-smc-has-learned-during-covid-19/

SMCは2002年から科学コミュニティと国のニュースメディアの間のギャップを橋渡しするために存在してきた-ジャーナリストが必要な時に科学の専門性にアクセスするのに役立て、その日の大きなニュースで科学と根拠が確実に報道されるようにしようと。

過去20年間、我々はこれを膨大な数の異なる科学トピックや話題についてやってきた-GMからスタチンまで、抗うつ剤から気候変動、フラッキングから電子タバコまで-全てはメディアの科学報道が可能な限り正確で根拠に基づいたものであることを目指して、人々がニュースで見るものが慎重で科学と科学者によって情報提供されたものであることを確実にするために。

2012年にSMCが10周年を迎えたとき、我々は重要な関係者(科学者、ジャーナリスト、報道担当者)に我々のやっていることが有用かどうか、変える必要があるかどうかについて尋ねる戦略的レビューを行った。回答は明確で、我々はまだ必要とされていて彼らがやって欲しいことはこれまで通りであった:ニュースに焦点を合わせ、スピードが大事で、議論が多く厄介な話を優先する。

回答を理解してもともとの業務に従ってきて、2020年にCOVID-19が襲ったときに全力で取り組むことができたのは幸運だった。我々にはテンプレートの準備ができていて、ジャーナリストへの迅速な反応とウイルスについて新たな科学について話してくれるトップ科学者のリストがあった。我々はパンデミック期間中にメディアと一般の人々の関与の重要性を理解する素晴らしい多くの科学者が時間を割いてくれたことに恩恵を受けている。我々は質の高い科学者と健康ジャーナリストが根拠をもって仕事をしてくれたことでも信じられないほどラッキーだった。

2022年に20周年を迎え、我々は運営委員会と資金提供者にこの経験から学んだことや根拠を提供する作業をすべきかどうか尋ねた。我々の理事会は我々にはパンデミック中の化学とメディアの関係について自分たちの立場から言うべきことがあるだろうが大きなプロジェクトにする必要は無いだろうと示唆した。そうではなく、自分たちで上手くいったことや上手くいかなかったと思うことについての簡単な助言を書くことを勧めた。またそれはおそらくCOVID-19に限ったことではなくこれまでも感じていたことだろうと正しく指摘した。

ここに我々はCOVID-19期間中の経験に基づく科学とメディアに関する助言を提示する。パンデミックは確かにこうした多くの点を固定化したり結晶化したりしたが、それは過去の科学報道にもあてはまり、そして疑いようもなく将来もあてはまるだろう。COVID-19が違っていたのは物語の大きさで、ジャーナリストからの要求はかつてなく大きく、長く続くもので、新たに出てくる科学の量は膨大だった。このスケールの緊急事態という性質から、我々はより熱心に、より責任を感じた-パンデミックの行く末が人々の理解と行動にかかっている。たとえばメディアを介して人々にその専門性を共有できる、根拠に近い経験豊富な上級科学者の必要性がかつてないほど大きかった。根拠と自分の専門分野に忠実である科学者がかつてなく重要だった。そして科学と根拠と政治との区別はかつてなく重要だった。

全体的には、英国のCOVID-19メディア報道は非常に良かった-次のパンデミックが来たときにも同様にできるよう求める:トップレベルの科学者がメディアに協力してジャーナリストの質問に答え、それがニュースの見出しになる。しかし我々は最も重要と感じたことは何か、次の緊急時には変えるあるいは明確にできることは何かを示すことに価値があると思う。

 

COVID-19パンデミック中の我々の経験に基づく、SMCの科学とメディアへの助言

助言1:科学者は自分の専門分野が見出しになる危機の際には、そのトピックがどれだけ物議を醸しているかに関わらずメディアに関与することを推奨する。大学、研究機関、資金提供者は、希望者へのメディアトレーニングを含め所属の学者がジャーナリストに話をすることを支援すべきである。

助言2:科学コミュニティと大学はそのコミュニケーションチームが「メディア優先」に研究コミュニケーションをするための専門生徒能力を持つ必要がある

助言3:広報室は科学と健康報道の専門能力を維持し投資すべきである

助言4:科学者は自分の車線に留まり「SCIENCEY(科学者らしく?)」であり続けるべき

・国民全てが安楽椅子疫学者になった時、科学者は意見やイデオロギーではなくデータを引用して根拠について語るべきである

助言5:複数の声や科学的に合意できないことがあることは良い科学の一部である

・政府の科学コミュニケーション専門家はしばしば明確で単一の公衆衛生メッセージを好み、政治家は特定の科学に従っていると言いがちである-しかし科学はしばしば乱雑で落ち着かない、特に新しいウイルスの場合には。

・不確実性や矛盾する見解を取り繕ってシンプルな「メッセージ」を作ることは非科学的であり人々の科学への信頼を毀損するリスクがある

・複数の声は人々にコンセンサスがあることや科学コミュニティの中で異なる見解があることを示し、根拠の重みがどこにあるのか評価するのに役立つ

・複数の声はさらに独立性を示し、デマが入り込むメディアに間隙を作ることを予防できる可能性がある

・人々の関心は、たくさんの質の高い科学者が声を出し、公開の場で不確実性や合意できないことについて徹底的に議論することで最もよく満たされる

助言6:大学や研究所での行われた新しい科学データのコミュニケーションは、政府のコミュニケーションとは分離すべきである。そして新しい科学データの発表は政府のグリッドで行われるべきではない

・科学コミュニティは科学の政治化に抵抗できる

・独立した科学者は、その研究は政府の委託研究であっても、政府とは別にデータについて自由にコミュニケーションできるべきである

・大学や研究所の研究のコミュニケーションは政府の部署ではなく大学や研究所から発表されるべきである

・公的資金による研究は、政府の方針とは独立して公的統計が公開されるときの服務規程が定められているような統計のように扱うべきである

助言7:SAGEに任命された独立した科学者はメディアで科学についての学術能力について話すよう促されるべきである

・政府の委員に任命されたことでメディアから声が失われるのは避けられないが科学については明確なガイダンスのもとでメディアへの関与を勧めるべきである

助言8:科学助言の性質については次の緊急事態より前に、より良く説明され理解されるべきである

助言9:主任科学アドバイザーと医務主任は大臣への説明や助言同様メディアと人々への説明すべきである

 

以下いくつかコメントあり

 

論文

-185カ国の胃がんの現在と将来の有病率と死亡率、2020-2040:集団ベースのモデリング研究

The current and future incidence and mortality of gastric cancer in 185 countries, 2020–40: a population-based modelling study

22 April 2022 IARC

https://www.iarc.who.int/news-events/the-current-and-future-incidence-and-mortality-of-gastric-cancer-in-185-countries-2020-40-a-population-based-modelling-study/

eClinicalMedicine

胃がんの負担が最も高いのは東アジアで、中国、ブータン、カーボベルデ、タジキスタンで最もよくあるがんである。日本、韓国も多い

(胃がんは食事に関連する可能性が高いので、これだけでも日本食が健康にいいなんて断定できないのだけれど)

 

-THE LANCET PUBLIC HEALTH:より厳しいCOVID-19対策はネガティブな精神衛生影響と関連し政府のパンデミック対応への意見を低くする

THE LANCET PUBLIC HEALTH: Stricter COVID-19 measures associated with negative mental health effects and lower opinion of government’s pandemic response, new research suggests

21-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/950363

・メンタルヘルスとより緊密に関連したのは休校や職場、交通機関、イベントのキャンセルなどより身体的距離の制限

・女性と子どものいる女性のメンタルヘルスの低下の方が男性より大きかった

(日本が韓国、オーストラリアなどとともにEliminator根絶戦略をとったことになっている。そうなの?対策の厳しさ指数というのもどういう数値かよくわからない)

 

-腫瘍ゲノムの宝の山はがんの起源に手がかりを提供する

Trove of tumour genomes offers clues to cancer origins

Natureニュース 21 April 2022 Heidi Ledford

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01095-2

過去最大規模の研究ががんの原因を正確に示す可能性のある変異のパターンを明らかにする

Scienceに発表された12000以上の腫瘍のゲノム中の数億の突然変異の解析からパターンを同定した研究について。著者らはこれまで発がんとの関連が明確になっていない他の種類の遺伝的変化、より大きな塊の欠失、挿入、再配列について調べてみたいとも希望している。

 

その他

-不必要な医学検査は資源の無駄

Unnecessary Medical Testing Wastes Resources

Christopher Labos MD, MSc | 20 Apr 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition/unnecessary-medical-testing-wastes-resources

過剰な検査の欠点は、結果を改善することなく医療費を増やすことである。たくさんの犯人のうちの一つがビタミンD検査である

医療の最大の問題の一つは過剰な検査である。検査はすればするほど良いと思いがちだが、実際には症状がないのに定期的に検査するのが役立つ状況は極めて限られる。

アルバータ州保健サービスはビタミンD検査が必要な基準を定めたところ、それまで25万件あった検査が92%減ってたった2万件になり、年400万ドルの節約につながった

(カナダ、患者の自己負担がないから)

 

-有害な衣類

Toxic Clothing

Joe Schwarcz PhD | 21 Apr 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/general-science/toxic-clothes

裸の王様あるいは彼を騙した人は、知らないうちに有害な衣類から身を守っていた

アンデルセンの有名な童話、裸の王様が書かれた1837年、衣類の着色には有毒な色素が使われていた。黄色はクロム酸鉛、シェーレグリーンにはヒ素化合物が含まれ、プルシアンブルーはシアン化物を放出する。フェルトは硝酸第二水銀を使って作られた。着る人にとっても幾分かのリスクとはなるが、主に毒素に晒されたのは繊維労働者である。当時はきれいでない水や汚染された食品などの他のリスクに比べて、衣類の有害色素はあまり心配されなかった。

今や状況は変わり、水や食品がかつてより安全になった世界で、僅かな汚染物質を心配する「贅沢」がある。

(以下衣類の微量のフタル酸類、PFAS、ノニルフェノールエトキシレート類について。ファストファッションの問題と、王様は裸がベストだったかも、で閉める。)

 

-精巣に赤い光をあてる治療法に光をあてる

Shining a Light on Testicular Red Light Therapy

Joe Schwarcz PhD | 20 Apr 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/pseudoscience-general-science/shining-light-testicular-red-light-therapy

タッカー・カールソンのドキュメンタリー「男の終わりThe End of Men」第二シリーズで、精巣に赤色光をあてるとより男らしくなり、現在の社会で増加している男の軟弱化に対抗できるという。ジョークではない。

数年前に私が食についてのテレビドキュメンタリーのホストを務めたとき、ミルクを扱った回で半裸の男が搾乳しているのを見た。それがThe End of Menに出てくるとは。

The End of Menは男性の精子数とテストステロン濃度が減っていて身体的にも精神的にも弱くなっていると主張する。カールソンは大豆製品をたくさん食べることが一つの要因だと主張し解決法はもっと肉を食べることだという。さらに精巣に赤色光を照射するという。何故?赤色光療法の起源は1967年のハンガリーの医師Endre Mesterが実験動物に移植した腫瘍を赤色レーザーで壊そうとした実験に遡る。レーザーが弱く腫瘍には影響がなかったが驚いたことに腫瘍の移植のための傷が早く治癒した。さらに毛も早く生えた。Mesterをこれを「光生体刺激」と呼んだ。以降赤色光の研究が進んだ。いつものように発明家や自称専門家が実際のデータより誇大な宣伝をしてあらゆる問題の解決法として赤色光を宣伝した。テストステロン濃度を増やす、も含まれた。根拠は無い。

カールソンがどうして赤色療法を知ったのかはわからないが、「ブロメオパシーbromeopathy」という初めて聞く用語で紹介している。男らしさを示唆するbroにホメオパシーを組み合わせて作ったようだ。

精子数やテストステロン濃度の減少への懸念があるのは確かで、内分泌攪乱物質のような環境要因が関与している可能性はあるが肥満のほうが犯人の可能性が高いだろう

 

-現実に敬意を払わない:EUの食料安全保障危機戦略

No Respect for Reality: The EU’s Food Security Crisis Strategy

by RISKMONGER on APRIL 24, 2022

https://risk-monger.com/2022/04/24/no-respect-for-reality-the-eus-food-security-crisis-strategy/

世界が多くの地域で飢餓、政治的社会的不安定、経済的崩壊につながる可能性のある複数の食料安全保障危機の瀬戸際で揺れている。ウクライナの戦争、高いエネルギーコスト、肥料の輸出制限、食品価格の上昇、ロジスティックボトルネック、パンデミックによる経済的脆弱、多くの地域での干ばつなどが2022年の収穫前に世界食品市場を脅かしている。

こうした背景で欧州委員会が先月発表した文書「食料安全保障を守るフードシステムの回復力を強化する」ではさらに有機農業を勧め肥料の使用を減らすという。EUは飢餓と市民の苦難と経済崩壊のレシピを提供した。

この報告書を書いたのはお腹いっぱいでイデオロギーの夢を見ている人たちで私は黙っていられなくていくつかの文章にコメントを書いた。

(以下長い記事)

 

-精密発酵の規制:欧州で微生物由来食品を販売する課題と機会

Regulating precision fermentation: Challenges and opportunities in marketing microbially-derived foods in Europe

14-Apr-2022 By Flora Southey

https://www.foodnavigator.com/Article/2022/04/14/regulating-precision-fermentation-challenges-and-opportunities-in-marketing-microbially-derived-foods-in-europe

米国は精密発酵由来食品(肉の代用品)の規制において猛スピードで先んじ、欧州委員会はまだ最初のものを認可していない。この分野の課題は?

新規食品とGMOの規制(と態度)が欧州と米国で異なる