2022-04-27

[Codex]Codexポルトガル/ CCPとしての成功の鍵は協議と包括性

Codex Portugal / consultation and inclusivity the keys to success as a contact point

20/04/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1505829/

 2022年4月1日、Miguel Cardo氏は、9年間に及ぶポルトガルのCCP(Codex Contact Point)としての任期を終了した。引き継ぎを前に、Miguel氏が自身の経験を語る。

(以下、一部紹介)

役割を成功させる鍵と成功するCCPの運営方法は何か?

 私の考えとしては、CCPの役割として最も重要なのは、全ての利害関係者と協議するための、正式な包括的な体制と、国の見解(national position)を準備するための強力な専門チームの存在である。もちろん、そのためには、消費者、経済事業者、学術関係者、所轄官庁、政治的意思決定者から成る全ての利害関係者が、Codex作業の重要性を認識することが重要である。よって、包括的な啓発キャンペーンや政治的なサポートが成功にとっての重要な要素になる。

あなたから見て、今後のCodexにとってどのような新しい課題がある?

この熟考は非常に重要である。EU加盟国は最近このことを議論し、Codexの規格策定活動において、食品システムに関連する全ての科学的領域について目的に即した考察を促進するためには、食品規格のリスク評価と影響評価の両方について革新的な方法論を検討し採択することがCodexにとって必要であるとの結論を出している。

さらに、食品に関連した全ての規格策定作業の横断的な影響について議論し、関係する国際組織や非政府間組織との協調を促す上でCodexの役割を調整することが最も重要である。

また検討すべき他の分野として、Codexの業務が、決して合意を得ることのできない、不必要で非生産的とも思える提案について際限なく作業を続けるのを避けるためにも、メンバーからの幅広い支持を確保するという視点で作業の優先順位付けのための規準に照らして新規作業の全ての提案を正当に評価する必要がある。

そうは言っても、その他の要因(legitimate factor)や考慮すべき事項に応じて見解の大きな相違が存在する状況に十分に対処する必要性を認めつつ、Codex規格の合意による採択を第一目標とすべきだと私は信じている。これらの困難に直面した場合には、メンバーには、規格の承諾を棄却することが許されるという利用可能な選択肢について共通の理解を得ると言った代替策を模索することも可能である。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 197-22

​27 April 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20197-22.aspx

新規申請と提案

・加工助剤としてのBacillus deramificans由来プルラナーゼ遺伝子を含むGM Bacillus subtilis由来プルラナーゼ

・添加された糖の栄養表示

意見募集

・加工助剤としてのMalbranchea cinnamomea由来セリンエンドペプチダーゼ遺伝子を含むGM Trichoderma reesei 由来セリンエンドペプチダーゼ

Call for comment on a new processing aid from a GM source

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-a-new-processing-aid-from-a-GM-source.aspx

 

改定No.207

・昆虫耐性トウモロコシ系統MON95379​由来食品

 

[WHO]イベント 電磁場についてのウェビナー:動植物への影響

Webinar on Electromagnetic fields: effects on flora and fauna

27 April 2022

https://www.who.int/news-room/events/detail/2022/04/27/default-calendar/electromagnetic-fields-effects-on-flora-and-fauna

人工発生源の電磁場レベルは過去数十年で一貫して増加し、ヒト健康影響についての研究が行われてきたが環境への影響は比較的研究が少ない。電気の需要増と化石燃料から再生エネルギーへの切り替えにより、電磁場発生源となる送電網が再構成と拡大されている。また日常生活の全ての分野で電磁場を出す技術が導入されている。これらの生体影響についての現在の科学的知見をまとめる

 

[USDA]ニンジンとタマネギの栄養を強化する

ARS

Boosting the Nutritional Bounty of Carrots and Onions

April 26, 2022

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2022/boosting-the-nutritional-bounty-of-carrots-and-onions/

ARSの野菜研究ユニットのPhilipp Simon研究リーダーはニンジンとタマネギのβカロテン、アントシアニンその他植物栄養の量を増やす研究を調整している

(写真がきれい)

 

[USDA]CNMIの子どもたちは朝食にスムージーを楽しむことで果物摂取を増やす

Kids in CNMI Consume More Fruit by Enjoying Smoothies at Breakfast

Posted by Mary Kay Gominger  Apr 26, 2022

https://www.usda.gov/media/blog/2022/04/26/kids-cnmi-consume-more-fruit-enjoying-smoothies-breakfast

昔からの疑問-どうやって子どもたちに果物を食べさせるか?北マリアナ諸島(CNMI)の食物栄養専門家は学校でフルーツスムージーを提供することで果物を食べさせている。

(イチゴとバナナとヨーグルトかな?)

 

[CDC]MMWR

-感染誘発性SARS-CoV-2抗体の血清陽性率-米国、2021年9月-2022年2月

Seroprevalence of Infection-Induced SARS-CoV-2 Antibodies — United States, September 2021–February 2022.

Clarke KE, Jones JM, Deng Y, et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2022;71.

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7117e3.htm?s_cid=mm7117e3_x

 

-暫定死亡率データ-米国、2021

Provisional Mortality Data — United States, 2021.

Ahmad FB, Cisewski JA, Anderson RN. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 22 April 2022.

全体としての年齢調整死亡率は2020年から2021年で0.7%増加した。死因トップは心疾患、次いでがん、COVID-19は二回目の三番目。

他に死因として変わったのは肝疾患と肝硬変が2020年は10番以内になかったのに2021年は9番目になったこと。代わりに落ちたのはインフルエンザと肺炎

 

SFA(シンガポール食品局)

https://www.sfa.gov.sg/

2022年4月26日から、客はコーヒーショップや食堂を含む食品や飲料施設でどんな人数でも食事ができる。予防接種別安全管理対策はまだ必要だが、最早施設によるチェックは必要ない。全ての人はこれら店舗で食事をする前に予防接種を完了していること。予防接種をしているか確認のためのスポット検査が行われる

 

論文

-カルシウムサプリメントは心臓弁膜症の高齢者の早期死亡に関連

Calcium supps linked to earlier death in older people with heart valve disease

25-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/950421

Heartに発表された研究によると骨粗鬆症リスクを下げようとして高齢者に与えられているカルシウムサプリメントは、大動脈弁狭窄の人の死亡リスクの高さと関連する。さらにサプリメントは病状を悪化させるようだ

 

-肉代用品:環境は消費の動機にならない

Meat substitutes: Environment does not motivate consumption

26-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/950872

一方動物の福祉と健康は肉代用品を使うことを推進する

Food Quality and Preferenceに発表されたドイツの441人の男女へのオンライン調査

(実際の行動ではなく意向なので)

 

-USPSTFは心血管系疾患予防のためにアスピリンを使うことについての助言を更新

USPSTF updates recommendation on aspirin use to prevent cardiovascular disease

26-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/950454

Aspirin Use to Prevent Cardiovascular Disease

US Preventive Services Task Force Recommendation Statement

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2791399

10年のCVDリスクが10%以上の40-59才の成人の一次予防目的での低用量アスピリンの使用開始は個人による。この集団の総合的メリットは小さい。60才以上の人には勧めない

(いろんな病気は炎症が原因だから炎症を抑えれば病気になりにくくなる、という説がどんどん説得力を失っていく。ビタミン同様サプリ業界は認めないだろうけれど。)

 

その他

-Grays Harbor郡公衆衛生部

恐ろしいボツリヌス症のリスクを避けるために適切な自家製缶詰ガイドラインに従うこと

Follow proper home canning guidelines to avoid risk of deadly botulism

April 25, 2022

https://www.healthygh.org/in-the-news-1/2022/4/25/follow-proper-home-canning-guidelines-to-avoid-risk-of-deadly-botulism

先週末、Grays Harborの55-65才の男性がおそらくボツリヌス症で死亡した。詳細は確認中。

(自家製缶詰または瓶詰めが疑われている。)

 

-Natureニュース特集

COVIDがシカに広まっている。パンデミックにトっての意味は?

COVID is spreading in deer. What does that mean for the pandemic?

Smriti Mallapaty  26 April 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01112-4

北米の数百頭のオジロジカがSARS-CoV-2陽性だった。科学者がパニックにならない理由

欧州ではみつかっていない

 

-Nature書評

如何にして古代のDNAがニュースの見出しになったか

How ancient DNA hit the headlines

26 April 2022  Victoria L. Herridge

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01114-2

古い時代のゲノムの配列を調べた人々の起源、政治学、動機

Elizabeth D. Jones著「古代のDNA:セレブ科学の作り方Ancient DNA: The Making of a Celebrity Science」の書評

「ジュラシックパーク効果」は科学者とメディアの共犯である

最新の映画Jurassic World Dominion(日本版タイトル「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」)は6月公開

(Natureは商業誌である。科学が金儲けを目的にすることはある。それは常に意識しておくべきである。)

 

-Science

トリインフルエンザの再興

Resurgence of avian influenza virus

MICHELLE WILLE AND IAN G. BARR

SCIENCE • 26 Apr 2022 • First Release • DOI: 10.1126/science.abo1232

北米で高病原性トリインフルエンザウイルス(HPAIv)アウトブレイクが前例のない規模でおこっている。H5N1系統で、トリだけではなくヒトにもリスクになる可能性がある

現在流行している理由は複数あると考えられている

野生の鳥での流行は保全上の懸念、家禽への影響は養鶏のコスト増につながる。ヒト感染は現時点では少ないが注意が必要。

鳥へのワクチンは使う国と使わない国がある

(中国はコロナより生きた鶏との接触によるヒトHPAIv感染をゼロにして欲しいのだが。北米はパンデミックで裏庭で鶏を飼う人が増えたことがリスクを増やしているような。オーガニックのせいで戸外での放し飼いも勧めてるし)

 

-ACSH

我々の「食環境」を変えることは肥満を一掃しないだろう

Changing Our 'Food Environment' Doesn't Slash Obesity

By Cameron English — April 25, 2022

https://www.acsh.org/news/2022/04/25/changing-our-food-environment-doesnt-slash-obesity-16266

多くの肥満専門家が食環境を帰ることが減量にとって重要だと主張する。この提案されている解決法はしっかりした根拠に支えられていない

肥満の原因とその解決法についての話には奇妙な断絶がある。肥満の原因について専門家は如何にこの問題が複雑であるかを強調し人によってしばしば理由は異なるという。肥満は最終的には摂取カロリーと消費カロリーの数字の問題だが、遺伝子と環境の組み合わせで影響される。しかしそうしたニュアンスの多くは肥満の解決法の提案で失われる。例えばAHAによると教育介入は肥満を減らさないので「食環境」を変えることが解決法だと言う。AHAが2012年にそう主張してから約10年が過ぎ、自販機制限などの環境変更介入はあまり肥満を減らさなかった。そのような研究を報告した研究者はもっと強力な制限が必要だとしている。

2021年9月に発表された青少年のカロリー摂取量を減らそうとした介入の文献レビューでは、学校のメニュー変更、学校での運動を増やす、テレビ広告の制限、砂糖税のような介入は子どもたちのBMIを一貫して変えることはなかったと結論している。ほとんどの研究で報告されたのは臨床的にはあまり意味の無いごく僅かな減量である。こうした残念な結果の理由はいくつかあるだろう。ただこうした介入に効果がないという可能性を著者らは結論では無視してさらなる介入を勧めている。

この実際のデータと研究者の主張との違いが肥満研究ではよくある。

人々の食習慣を変えるための介入が大きな成功をおさめていないのは明確である。なのに何故肥満の専門家は効果のない政策を推進するのか?結局何が有効なのか?この問題についてはパート2で取り組む。