2022-05-09

[NASEM]GMOでできた食品は特別な健康リスクとはならない

Foods made with GMOs do not pose special health risks

Published on: May 2, 2022

https://www.nationalacademies.org/based-on-science/foods-made-with-gmos-do-not-pose-special-health-risks

主張:GMOを食べるのはあなたにとって悪い

知見:嘘。GMOでできた食品はGMOでない食品より健康的でないという妥当性を検証された根拠は無い

・GMO成分を含む食品を食べることが害があるとの妥当性を検証された根拠は無い

現在世界中で1ダース以上のGM作物が食用に栽培されている。他に試験中の作物がある。これらはトランスジェニック、生命工学、組換えDNAとも呼ばれる。人々は数十年GM作物を食べてきて、多くの研究が健康影響を調べている。

・科学者は遺伝子組換え作物からできた食品の研究を続けている

科学者と安全性の専門家はたった一つの研究から何かを言うことはほとんど無い。リスクがないことを証明することは極めて困難であるが科学者や政府は多くの研究を検討している。

・農業は健康に影響がある

遺伝子組換え作物は殺虫剤の必要性を減らし農業労働者の有害化合物暴露を減らすことで良い影響がある。除草剤に耐性のある作物はグリホサートの使用量を増やしたがこれが農業労働者や消費者に健康リスクとなるかどうかを科学者が調べている。これまでのところグリホサートと消費者のがんに関連の根拠はない。高用量暴露のある農業従事者についての知見は多様であり研究は続いている

・一部のGM作物はヒト健康に利益があるようにデザインされている

アクリルアミドができにくいジャガイモなど

 

[USDA]虫が働く、食品ゴミのリサイクル

Worms at Work, Recycling Food Waste

May 04, 2022

https://www.usda.gov/media/blog/2022/05/04/worms-work-recycling-food-waste

食品廃棄物を有用な土壌改良材に変えるVermicomposting、別名ミミズコンポストを知っている?以下の簡単なやり方をやってみよう。

(ミミズは業者が売っている)

 

[EPA]EPAはアスベストのより包括的な報告を要求する規則を提案し、人々をアスベスト曝露から守る作業を継続する

EPA Proposes Rule to Require More Comprehensive Reporting on Asbestos, Continuing Work to Protect Public from Asbestos Exposure

May 5, 2022

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-proposes-rule-require-more-comprehensive-reporting-asbestos-continuing-work

不純物としてのものを含むアスベスト含有品の情報の報告を要求する等の提案。60日間コメントを受け付ける。

さらにEPAは2021年12月にアスベストのリスク評価の第二部のスコープ案を公表し、2024年12月1日までに最終リスク評価を発表する予定。

アスベストのリスク評価パート2:アスベストの過去の使用と関連する廃棄を含む追加評価

Risk Evaluation for Asbestos Part 2: Supplemental Evaluation Including Legacy Uses and Associated Disposals of Asbestos

https://www.epa.gov/assessing-and-managing-chemicals-under-tsca/risk-evaluation-asbestos-part-2-supplemental-evaluation

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 199-22

6 May 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20199-22.aspx

意見募集

・乳児用調整乳

2022年6月17日まで

 

認可と閣僚会議通知

・干ばつ耐性除草剤耐性小麦系統IND-004127由来食品

・乳児用調整乳用新たなGM源由来2’-FL

 

[NTP]NTPニュースレター

NTP Update May 2022

https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html

「NIEHSでの神経毒性学を近代化する:環境健康科学に応用される技術」ワークショップの紹介、等

 

[EU]2021 EU健康賞-受賞者と最終選考に残った団体

2021 EU Health Award - Winners and shortlisted

https://ec.europa.eu/health/eu-health-policy/interest-groups/eu-health-award/2021-eu-health-award-winners-and-shortlisted_en

子どもや若者のがん予防とCOVID-19の精神衛生への影響を軽減するための地域活動への賞

 

[WHO]くだらない話をする:タバコ業界の「グリーン」広報活動の背後

Talking trash: Behind the tobacco industry's 'green' public relations

https://www.who.int/news-room/events/detail/2022/05/12/default-calendar/talking-trash--behind-the-tobacco-industry-s--green--public-relations

2022年5月12日 世界禁煙デーウェビナー

5月31日の世界禁煙デーを前に、このイベントではタバコ業界の破壊的行為を暴露する

 

[APVMA]プロシミドンの規制決定案

Procymidone proposed regulatory decision

9 May 2022

https://apvma.gov.au/node/100281

各種植物の真菌による病気の管理に使われるプロシミドンの規制案

1.ブロードエーカー(4000m2以上の政府の定める特定の使用目的の土地)園芸と観賞用植物業界にとっての安全で有効な防かび剤であり続ける

2.有効成分認可を確認

3.製品登録とラベル認可を変更・確認

2022年8月9日まで意見募集

 

論文

-臨床的にネフローゼ症候分と明らかにされたカバノアナタケ(シベリア霊芝)誘発性シュウ酸腎症:症例報告

Chaga mushroom-induced oxalate nephropathy that clinically manifested as nephrotic syndrome: A case report.

Kwon O, et al.,

Medicine (Baltimore). 2022 Mar 11;101(10):e28997.

韓国の報告。69才男性が1日10-15gのカバノアナタケ粉末とビタミンC 500mgを3ヶ月摂取して急性腎障害になった。腎尿細管にシュウ酸カルシウム結晶が沈着し間質の線維化と尿細管萎縮がみられた。血液透析と高用量ステロイドで1ヶ月後に腎機能回復。

 

-危険なハーブ調整品がWebショップで販売されている

[Dangerous herbal preparations being sold by web shops].

van de Koppel S, et al.,

Ned Tijdschr Geneeskd. 2022 Mar 9;166:D6591.

オランダファーマコビジランスセンターにインドネシア産ハーブ製品Montalin®を使用した後の副作用報告が4件報告された。分析の結果パラセタモールとメロキシカムが有効量検出された。この製品を販売していた5つのWebショップがNVWAから直ちに取引停止を命令された

本文オランダ語

 

-WHO紀要

WHO Bulletin

Volume 100(5);  2022 May 1

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/issues/406286/

パンデミックによる抗菌剤誤使用の増加、等

 

Science, Vol 376, Issue 6593

-ニュースを一目で

News at a glance

・COVID-19錠剤は予防には失敗

ファイザーのPaxlovidを家族がコロナウイルス陽性になった約3000家庭の接触者で感染予防効果を調べたところプラセボ群と有意差はなかった。

・糖尿病薬が体重を減らす

Eli Lilly & Companyの発表によるとチルゼパチドが16ヶ月で最大22.5%の減量に役立った。セマグルチドは15%だった。一部の専門家はこれら医薬品を肥満の手術に代わる重要な代用手段と呼ぶ。わからないのはその費用を保険会社がカバーするかどうかである、セマグルチドの費用は一ヶ月で1350ドル。

・調査がRaoult研究所を酷評

COVID-19の治療にヒドロキシクロロキンを宣伝したことで悪名高いフランスの微生物学者Didier Raoultの研究所の過去の臨床試験に「重大な倫理違反」が発見された

 

-ドイツが余った実験動物を処分することが犯罪かどうかを推し量る

Germany weighs whether culling excess lab animals is a crime

5 MAY 2022 PMBYHINNERK FELDWISCH-DRENTRUP

動物の権利団体による苦情申し立てを検事が評価

ドイツでアニマルライツ活動家が新しい戦略を採用し、研究基準に合わずに実験に使われなかった動物に標的を定めた

 

-日焼け止めが珊瑚の生存を脅かす

Sunscreens threaten coral survival

COLLEEN M. HANSEL SCIENCE • 5 May 2022 • Vol 376, Issue 6593 • pp. 578-579

日焼け止めに良く使われているUVフィルターであるオキシベンゾンの珊瑚での毒性発現メカニズム

Conversion of oxybenzone sunscreen to phototoxic glucoside conjugates by sea anemones and corals

BY DJORDJE VUCKOVIC et al., 05 MAY 2022: 644-648

 

-書評 シーフードの変わる物語

The changing story of seafood

OLAF P. JENSEN

SCIENCE • 5 May 2022 • Vol 376, Issue 6593 • p. 586

Nicholas P. Sullivan著「青い革命The Blue Revolution」の書評

かつてアメリカの漁業は争って好きなだけ捕っていた。その結果魚は減り規制が厳しくなった。新しい技術、新しいマーケット、より良い政策が水産業を改善している

 

-編集者のブログ

新しい限定ポッドキャストシリーズでは食品の本を特集

Food books come into focus in a new limited podcast series

28 APR 2022BY LENORE NEWMAN

https://www.science.org/content/blog-post/food-books-come-focus-new-limited-podcast-series

我々のフードシステムは生物学と文化の豊かで複雑な混合である。森林、海洋、農場の生物多様性から長く続いた伝統と新しい流行の生きた織物まで、食は地球上の生命の全ての側面に関連する。この多様性は必ずしも農業や文化の文献では扱われてこなかったが、幸い変化がある。食に関する新たな文献が出てきている。Scienceは2022年に限定ポッドキャストシリーズでこのタペストリーをシェアする。5月26日から始める。

紹介する本は以下

・Dan Saladino著Eating to Extinction: The World’s Rarest Foods and Why We Need to Save Them

・Colin Campbell著The Future of Nutrition: An Insider’s Look at the Science, Why We Keep Getting It Wrong, and How to Start Getting It Right

・Nicholas Sullivan著The Blue Revolution: Hunting, Harvesting, and Farming Seafood in the Information Age

・Gordon Conway著Food for All in Africa: Sustainable Intensification for African Farmers

・Jessica Hernandez著Fresh Banana Leaves: Healing Indigenous Landscapes Through Indigenous Science

表面的には食の未来はよくある争いの一つに見えるかもしれない:技術対伝統、ローカル対グローバル。このシリーズは我々に物事はそう単純ではないことを思い出させる。良い料理と同じように、秘訣はしばしばちょうど良いバランスを見つけること。

 

Natureニュース

-牛肉を1/5少なく食べると森林破壊を半分にできる

Eating one-fifth less beef could halve deforestation

04 May 2022  Giorgia Guglielmi

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01238-5

モデルは微生物「肉」にスイッチすることで二酸化炭素排出を削減できることを示唆する

Natureに5月4日発表された研究

 

細胞培養で作られたマイコプロテインはウシより環境上の利益がある

Mycoprotein produced in cell culture has environmental benefits over beef

04 May 2022  Hanna L. Tuomisto

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01125-z

 

Projected environmental benefits of replacing beef with microbial protein

Florian Humpenöder, et al., Nature volume 605, pages90–96 (2022)

https://www.nature.com/articles/s41586-022-04629-w

 

-よくある日焼け止め成分は海で有毒になる-イソギンチャクが何故かを示唆する

A common sunscreen ingredient turns toxic in the sea — anemones suggest why

06 May 2022 Jyoti Madhusoodanan

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01271-4

珊瑚の白化に関連される化合物-オキシベンゾンは海でUVブロック剤から日光によって細胞を傷つけるものに変わる

イソギンチャクはオキシベンゾンに糖を加えて可溶性にする。その結果オキシベンゾンは紫外線を阻止する代わりに日光に当たると活性化されてフリーラジカルを作り出す分子に変える。Scienceに発表

 

その他

-「ジャンクフード」というものはない

There Is No Such Thing as “Junk” Food

BY ANNE HELEN PETERSEN April 20, 2022

https://www.bonappetit.com/story/stop-saying-junk

食品ヒエラルキーは実際のところ選別メカニズムである。「ジャンク」フードを食べてもあなたは悪人になるわけではなく、全粒穀物を食べても良い人になることはない。

実際より価値を低く見積もられている食品群を祝福するコレクション「ジャンクフードの再定義」シリーズの一部

私が小学校の時、食品を毎日食べられるもの、おやつに食べて良いもの、避けるべきもの、に分けるよう指示される宿題があった。リンゴやブロッコリーは毎日食べられるものでスマイルマーク、フレンチフライは誰かの豚の貯金箱を盗むようなものだった。私は中流階級に生まれ育ち、それは90年代のアイダホで食品についてママが言うことと同じだった。最近は「健康的」か「不健康」かで同じような状況になっている。しかしこの宿題は片親で子どもを育てている人がどうやって子どもに食事を与えるかについては考えていない。

 

-肥満否定?LiveStrongが「肥満受容」クールエイドを飲む

Obesity Denial? LiveStrong Drinks 'Fat Acceptance' Kool-Aid

By Cameron English — May 6, 2022

https://www.acsh.org/news/2022/05/06/obesity-denial-livestrong-drinks-fat-acceptance-kool-aid-16301

「肥満受容」が文化的に牽引されるようになり、ますます多くの医療提供者団体や助言提供ウェブサイトが社会運動活動家を鎮めるために肥満の危険性を過小に言うようになっている。LiveStrongがさらなる例である。

「社会正義」の名の下に「肥満」を何も悪いことはないと主張する流行について。

 

-コンシューマーラボ

カルシウムと骨の健康サプリメントレビュー(ビタミンD & K、マグネシウム、ホウ素を含む)

Calcium and Bone Health Supplements Review (Including Vitamins D & K, Magnesium and Boron)

05/03/2022

https://www.consumerlab.com/reviews/bone-supplements-calcium-with-vitamin-d-k-magnesium/calcium/

カルシウムサプリメントにはリスクもある

 

ビタミンKサプリメントレビュー(カルシウム、マグネシウム、ホウ素、ビタミンDを含む)

Vitamin K Supplements Review (Including Calcium, Magnesium, Boron, and Vitamin D)

05/05/2022

https://www.consumerlab.com/reviews/vitamin-k-supplements-review/vitamin-k/

あなたはビタミンKを摂るべきだろうか?表示されている量を含まない製品に注意

検査した2製品が表示量を含まなかった

 

ホウ素サプリメントレビュー(カルシウム、マグネシウム、ビタミンD & Kを含む)

Boron Supplements Review (Including Calcium, Magnesium, and Vitamins D & K)

05/04/2022

https://www.consumerlab.com/reviews/boron-supplements-reviewed/boron/

ホウ素は骨の健康に必要なのか?

 

ビタミンDサプリメントレビュー(カルシウム、マグネシウム、ホウ素、ビタミンKを含む)

Vitamin D Supplements Review (Including Calcium, Magnesium, Boron, and Vitamin K)

05/05/2022

https://www.consumerlab.com/reviews/vitamin-d-supplements-review/vitamin-d/

正しい用量のベストなビタミンDサプリメントを見つける

 

マグネシウムサプリメントレビュー(カルシウム、ホウ素、ビタミンD & Kを含む)

Magnesium Supplements Review (Including Calcium, Boron, and Vitamins D & K)

05/05/2022

https://www.consumerlab.com/reviews/magnesium-supplement-review/magnesium/

マグネシウムとは何で、誰が必要で、どれがお薦めかを見つけよう

 

-ファクトチェック-COVID-19はヘビ毒ではなくウイルスが原因

Fact Check-COVID-19 is caused by a virus, not snake venom

APRIL 22, 2022 By Reuters Fact Check

https://www.reuters.com/article/factcheck-covid19-snake-venom/fact-check-covid-19-is-caused-by-a-virus-not-snake-venom-idUSL2N2WJ244

ソーシャルメディアのユーザーがCOVID-19は飲料水中のヘビ毒によって引き起こされるという陰謀論をオンラインで広めている。さらにCOVID-19ワクチンがヘビ毒を含むとも主張している。

しかしこれらの主張に根拠は無い。COVID-19はウイルスが原因の病気である。

(以下説明略。)

 

-減量薬の特ダネ

The Skinny on Weight Loss Drugs

Christopher Labos MD, MSc | 5 May 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition/skinny-weight-loss-drugs

食事療法と運動に並行して薬物療法により意味のある減量が達成できるという根拠が増えている

魔法の減量法があったらいいのに。もちろんそんなものはない。体重維持は十分困難で減量はさらに困難である。医学は減量薬の開発に何十年も取り組んできてほとんどの初期の試みは失敗に終わった。しかし潮目は変わりつつある。一つはリラグルチド。欠点は費用と毎日注射すること。セマグルチドで注射の回数が減り相当改善された。さらにチルゼパチドは効果が大きそうだ。コストの問題は残る。

 

-ザワークラウトを止めることについてはよく考えて

Think Twice About Opting Out of Sauerkraut

Haleh Cohn, Student Contributor | 6 May 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition/think-twice-about-opting-out-sauerkraut

ザワークラウトはみんなが大好きな食品ではないだろうが、お腹でやっていることを考えると好きになるべき

(キャベツの漬物の適量は10gという記事)