2022-05-16

[EFSA]フタル酸エステル類と他の可塑剤:再評価の優先順位

Phthalates and other plasticisers: priorities for reassessment

12 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/news/phthalates-and-other-plasticisers-priorities-reassessment

2つのパブリックコメント募集で得られた意見は、EFSAの科学者達が食品と接触する物質(FCMs)に使用される可塑剤の再評価の優先順位をつけ、消費者暴露を評価するための手順を定義するのに役立っている。第2段階で完全リスク評価に進む予定である。

欧州委員会はEFSAに、FCMsのフタル酸エステル類、構造的類似物質、フタル酸エステル類の代替物質などの可塑剤による健康リスクを再評価するための準備作業を実施するよう求めた。

私達の科学的意見では、フードチェーン全体(食品加工機器や包装など)の様々な種類のFCMs(プラスチック、ゴム、インクなど)に使用される可塑剤に焦点を当てている。

同定と優先順位付け工程のために、欧州委員会、欧州化学庁(ECHA)及びEU加盟国が提出した情報を検討した。2つのパブリックコメント募集から更なる情報が与えられ、私達が優先順位付けを行う物質などの論理的根拠をより明確にするのに役立った。

EUや国家レベルでFCMsに使用が認可されている物質だけを優先した。最新のリスク評価に基づき、それらをFCM 物質として3グループにランク付けした:「高優先度」-2001年以前に評価されたもの、「中優先度」-2001年から2011年に評価されたもの、「低優先度」-2011年以降に評価されたもの。

優先順位のランク付けを微調整し、リスク評価のための暴露推定量を導出するのに役立てるために、今年の夏前に、食品やFCMs中の優先物質の発生に関するデータの募集を開始する予定である。

この優先物質の暴露評価のための科学的プロトコールは、EFSAの科学者らがデータを検索・選択し、暴露推定量(食事、全体的な暴露、FCMsからの暴露への寄与を含む)の根拠をまとめて分析するために使用する予定の事前のアプローチを透明に詳述している。

私達は、「1物質1評価」アプローチなど、持続可能性のためのEC化学物質戦略の実践を促進する取り組みの水先案内として、この作業をECHAと緊密に協力して実施した。

 

・食品と接触することを意図した物質や素材の可塑剤として使用される可能性のある、フタル酸エステル類、構造的類似物質、代替物質のリスク評価のための同定と優先順位付け

Identification and prioritisation for risk assessment of phthalates, structurally similar substances and replacement substances potentially used as plasticisers in materials and articles intended to come into contact with food

EFSA Journal 2022;20(5):7231  12 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7231

(技術的報告書)

 

・食品と接触することを意図した素材や物質に可塑剤として使用される可能性のある、フタル酸エステル類、構造的類似物質、代替物質のリスク評価の一環としての暴露評価の議定書

Protocol for the exposure assessment as part of the risk assessment of phthalates, structurally similar substances and replacement substances potentially used as plasticisers in materials and articles intended to come into contact with food

EFSA Journal 2022;19(5):EN-7288  12 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7288

(技術的報告書)

 

[EFSA]意見等

-硫酸アンモニウムアルミニウムの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance aluminium ammonium sulfate

EFSA Journal 2022;20(5):7319 13 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7319

(農薬の結論)

情報不足が確認され、最終化されていない評価がリストアップされた。

 

-新規食品としての一部脱脂イエコオロギ(Acheta domesticus) 粉末の安全性

Safety of partially defatted house cricket (Acheta domesticus) powder as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2022;20(5):7258 13 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7258

(科学的意見)

欧州委員会からの要請を受けて、栄養・新規食品及び食物アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は規則(EU) 2015/2283に従って新規食品(NF)としての脱脂イエコオロギ(Acheta domesticus) についての意見を出すよう求められた。このNFは乾燥粉末として提案されている。このNFの主な成分はタンパク質、脂質、食物繊維(キチン)である。パネルはこのNFの汚染物質濃度は昆虫飼料中のこれらの物質の発生量によると言及した。パネルはさらに、このNFは、全保存期間にわたって提案された仕様制限に従った場合、このNFの安定性に関する安全上の懸念はないと言及した。このNFは、タンパク質を多く含んでいるが、キチン由来の非タンパク質窒素の存在により、窒素からタンパク質への変換係数6.25を使用すると、真のタンパク質量は過剰評価されている。申請者はこのNFを多くの食品で食品成分として使用することを提案した。申請者が提案した対象集団は一般集団である。パネルは、このNFの組成や提案された使用条件を考慮すると、このNFの摂取は栄養的に不利ではないと指摘した。パネルは、申請者からこのNFでの遺伝毒性や亜慢性毒性試験は提出されなかったと指摘した。このNFの供給源(A. domesticus)の使用歴から安全上の懸念が生じないことや、昆虫丸ごとと一部脱脂したNFの違いが限られていることを考慮して、パネルは、アレルギー誘発性以外に安全上の懸念は確認されないとした。パネルは、このNFの摂取はA. domesticusタンパク質への一次感作を引き起こし、甲殻類、ダニ、軟体動物にアレルギーのある被験者にアレルギー反応を引き起こす可能性があると考えている。さらに、飼料に由来するアレルゲンがこのNFに行き着く可能性がある。それはさておき、パネルはこのNFは提案されている使用と使用量で安全だと結論した。

 

[EU]RASFF 2022(0508-0514)

警報通知(Alert Notifications)

香港産スパイスミックスのエチレンオキシド、チェコ共和国産イヌ用補完飼料の鉛、英国産クミンのトリシクラゾール・チアメトキサム・クレソキシムメチル・イミダクロプリド・ヘキサコナゾール・クロチアニジン・クロルピリホス・カルベンダジム及びアセタミプリド、スペイン産冷凍メカジキ切り身の水銀、インド産英国経由クミンのトリシクラゾール・チアメトキサム・クレソキシムメチル・クロチアニジン・クロルピリホス・カルベンダジム及びアセタミプリド、トルコ産青いケシのモルヒネ、中国産アザミ抽出物のエチレンオキシド、

注意喚起情報(information for attention)

コロンビア産バナナのイマザリル、カンボジア産ランブータンのシペルメトリン・ブプロフェジン及びラムダ-シハロトリン、スペイン産メカジキの水銀、スリランカ産真空パックメカジキの水銀、チェコ共和国産珪藻土の鉛、イラン産乾燥アプリコットの二酸化硫黄非表示、

通関拒否通知(Border Rejections)

セネガル産キャンディーのポンソー4R/コチニールレッドA(E124)高含有及びサンセットイエローFCF(E110)の未承認使用、ロシア産スムージーパウダーミックスのエチレンオキシド、トルコ産乾燥マンゴーのピロリジジンアルカロイド、中国産キサンタンガムのエチレンオキシド、トルコ産生鮮チリペッパーのアセタミプリド、中国産台所用品の一級芳香族アミン、トルコ産粉末クミンのピロリジジンアルカロイド、エジプト産オレンジのクロルピリホス、インド産クミンのトルフェンピラド・クロルピリホス・禁止物質HCH及びトリシクラゾール、ペルー産有機カカオパウダーのカドミウム、米国産食品サプリメントの未承認及び非表示の照射、

 

[FDA]FDAはTHCを含む食品の子供の摂取事故について消費者に警告する

FDA Warns Consumers About the Accidental Ingestion by Children of Food Products Containing THC

May 13, 2022

https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/fda-warns-consumers-about-accidental-ingestion-children-food-products-containing-thc

問題

テトラヒドロカンナビノール(THC)を含む食用製品は、朝食用シリアル、キャンディー、クッキーなど、一般的に消費される食品と間違われやすく、誤って摂取してしまう可能性がある。

これらの製品の摂取は、特に小児において深刻な有害事象につながる可能性がある。

食用製品の中には、パッケージに類似のブランド名、ロゴまたは写真を使用することで、有名ブランド食品の外観を模倣してデザインされているものがある。これらの模倣品は、子どもの興味を引く、人気のある、よく知られた食品と間違われやすい。

FDAは、Cap'n Crunch、Cocoa Pebbles、Cocoa Puffs、Froot Loops、Fruity Pebbles、Nerds Ropes、Starbursts、Sour Patch Kids、Trixなどに似せて包装された模倣品の報告を認識している。

 

製品の例(写真)

誰が危険にさらされているのか?

米国食品医薬品局(FDA)は、THCを含む食用製品の摂取、特に子供による摂取事故のリスクについて、消費者に助言している。 これらの食用製品の摂取事故は、深刻な有害事象を引き起こす可能性がある。

問題の概要と範囲

一部の製造業者は、THCを含む食用製品を、朝食用シリアル、キャンディー、クッキーなど、一般に消費される食品の人気ブランドに似せて包装及び表示している。これらの製品は子どもの興味を引き、人気のあるよく知られた食品と容易に間違われる可能性がある。

FDAは、THCを含む模倣食用製品を誤って摂取し、有害事象を経験した子どもや大人について述べた複数のメディア報道を認識している。さらに、2021年1月から2022年4月24日までに、FDAはTHCを含む食用製品を摂取した子どもや大人に関する100件を超える有害事象報告を受け取った。これらの食用製品を食べた人の中には、幻覚、心拍数の増加及び嘔吐などの有害事象を経験し、多くは医療介入や入院を必要としたと報告されている。報告のうち7件は、特に食用製品がCocoa Pebbles、Nerds Rope、Skittles、Sour Patch Kids及びStarburstといった人気食品の模倣品であると言及がある。

FDAの対応

FDAは、これらの製品に関する懸念にさらに対処するため、連邦及び州のパートナーと積極的に協力し、有害事象、製品苦情及びその他の懸念の可能性のある新興の大麻由来製品について市場を監視している。

消費者への助言

自分自身や周囲の人がこれらの製品によって深刻な副作用を受けた場合、すぐに9-1-1に電話するか、緊急医療援助を受けること。これらの製品は、常に子どもの手の届かない安全な場所に保管すること。

子どもがこれらの製品を摂取した場合は、地域の中毒管理センター(1-800-222-1222)に電話をすること。症状が出るまで待たずに電話をすること。

自分自身又は周囲の人が最近これらの製品を摂取し、健康上の懸念がある場合は、あなたの医療従事者に連絡すること。

 

[FDA]プレスリリース

-CVM GFI #3 食料生産動物に使用される動物用新薬のヒト用食品安全性評価のための一般原則

CVM GFI #3 General Principles for Evaluating the Human Food Safety of New Animal Drugs Used In Food-Producing Animals

05/10/2022

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/cvm-gfi-3-general-principles-evaluating-human-food-safety-new-animal-drugs-used-food-producing

米国食品医薬品局(FDA)の動物用医薬品センター(CVM)が、食料生産動物に使用される動物用新薬のヒト用食品の安全性に対処するためにスポンサーが提供することを推奨する情報の種類について説明するガイダンス。

 

-魚を食べることについての助言

Advice about Eating Fish

05/03/2022

https://www.fda.gov/food/consumers/advice-about-eating-fish

消費者及び教育向けリソースの情報更新。

(ヒスパニック系及び中国系家庭向けのフォトノベル)

https://www.fda.gov/food/consumers/photonovels-hispanic-american-and-chinese-american-families-advice-about-eating-fish

(妊娠中の女性、胎児及び5歳未満の子供向けの食品安全ブックレット)

https://www.fda.gov/food/people-risk-foodborne-illness/food-safety-booklet-pregnant-women-their-unborn-babies-and-children-under-five

 

[ODS]ファクトシート更新

-リボフラビン

Riboflavin

Fact Sheet for Consumers/ Health Professionals

May 11, 2022

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Riboflavin-Consumer/

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Riboflavin-HealthProfessional/

リボフラビンを含む野菜の種類を明確化した。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Riboflavin-Consumer/#change

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Riboflavin-HealthProfessional/#change

 

-COVID-19の時のダイエタリーサプリメント

Dietary Supplements in the Time of COVID-19

Fact Sheet for Health Professionals

May 13, 2022

https://ods.od.nih.gov/factsheets/COVID19-HealthProfessional/

ビタミンDの項の小規模臨床試験が撤回され、削除。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/COVID19-HealthProfessional/#change

 

[NIH]ODS更新情報-2022春

ODS Update Spring 2022

April 5, 2022

https://content.govdelivery.com/accounts/USNIHODS/bulletins/311353b

2021年ODS(ダイエタリーサプリメント局)年次報告書の公表、一般食品のヨウ素含有量のデータベースの更新、精密プロバイオティクス治療、全米栄養データバンク会議、セミナー情報その他、について。

 

-ヨウ素含量データベース

USDA, FDA and ODS-NIH Database for the Iodine Content of Common Foods

https://www.ars.usda.gov/northeast-area/beltsville-md-bhnrc/beltsville-human-nutrition-research-center/methods-and-application-of-food-composition-laboratory/mafcl-site-pages/iodine/

 

[USDA]USDAは乳児用調整乳不足への緊急対応を継続する

USDA Continues Urgent Actions to Address Infant Formula Shortage

May 13, 2022

https://www.usda.gov/media/press-releases/2022/05/13/usda-continues-urgent-actions-address-infant-formula-shortage

リコールの最中に家族を支援するため柔軟な対応をするよう州に強く呼びかける

Biden-Harris政権の乳児用調整乳不足を終わらせる協調対応の一環として、USDAは各州にWICとして知られる女性・乳幼児のための特別栄養補充計画に与えた柔軟性を利用するよう強く勧めている。

「我々は現在行われているリコールのために多くの両親や保護者がミルクが入手できるかどうか、どうやって赤ちゃんに食べ物を与えるかを心配していることを承知している」とTom Vilsack農務省長官はいう。

リコールが最初に発表された2月以降、USDAはFDAと協力して乳児を安全に維持するために必要な情報を関係者に確実に届けるようにしてきた。またリコールの中心になったアボット社とコミュニケーションをとって企業にアクセス確保の努力を求めている

 

-ミルク不足の中で乳児を安全に

Keeping Infants Safe in Midst of Formula Shortages

May 13, 2022  Posted by Cindy Long

https://www.usda.gov/media/blog/2022/05/13/keeping-infants-safe-midst-formula-shortages

親が子どもたちの健康と安全以上に心配することはほとんどない。現在進行中の乳児用調整乳不足は多くの保護者を不安にさせている。

あなたの乳児用調整乳を安全にするためには以下を推奨

・あなたの赤ちゃんにとって安全な乳児用調整乳の選び方(リンク)についてもっと知る

・医師に相談しないで赤ちゃんに牛乳あるいはその他のミルクを与えない

・乳児用調整乳を手作りしない、水で薄めない

・オンラインで国外から買わない

・乳児用調整乳は製造業者の指示に従って調整して保管すること。薄めないこと

・調乳に使う道具はきれいな清潔なものをつかう

・取り扱いの際には手を洗う

・6ヶ月までに(4ヶ月より早くはしない)離乳食導入について小児科医と相談

 

乳児用調整乳の代用品について助言できる資格があるのは医療専門職のみであることに注意。

 

FDAのサイト

FDA Investigation of Cronobacter Infections: Powdered Infant Formula (February 2022)

https://www.fda.gov/food/outbreaks-foodborne-illness/fda-investigation-cronobacter-infections-powdered-infant-formula-february-2022

(患者数4人2人死亡。CDCは5月12日に調査終了と公表。追加の患者はみつからなかった。FDAのCOREも取り扱い終了、ただインシデント管理グループによる作業は継続。結局患者は2月の最初の報告から変わらず汚染源は同定されずリコールの影響だけが拡大するという状況。こういうのはどう対応するのがベストなのか)

 

[MFDS]日本産輸入食品の放射能検査の結果

輸入検査管理課

2022.4.29〜2022.5.5

https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43261

2022.4.22〜2022.4.28

https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43259

 

[MFDS] [報道参考] 食薬処-自治体協業、食品など不当広告合同点検を実施

サイバー調査チーム 2022-04-27

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46337

□ 食品医薬品安全処はオンラインで食品などを販売する時に消費者を惑わす不当広告や違法行為を予防するために、4月28日から5月3日まで17個の地方自治体とともにオンライン合同点検を実施する。

○ 食薬処はマスコミに製品広報をたくさんして消費者の関心度が高い食品など*を販売するオンライン掲示物約300件余りを対象に、病気予防・治療効能・効果広告、消費者欺瞞広告など不当広告の有無を集中点検する。

*「免疫機能、腸健康、排便活動、肌健康、疲労(血行)改善」標榜食品など

○ 参考に、昨年食薬処と自治体のオンライン不法行為合同点検結果、合計880件を点検し476件の不当広告・違反行為を摘発・措置した。

- 主な違反行為は、▲健康機能食品と誤認・混同させる広告、▲病気予防・治療に対する効能・効果広告、▲消費者を欺瞞する広告である。

□ 食薬処は今後もオンラインで国民の関心が高い製品を対象に不法行為を持続的に点検して、消費者被害予防に最善を尽くす。

 

[MFDS]春期、多消費、輸入農・水産物の通関検査結果

輸入検査管理課 2022-04-26

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46336

□ 食品医薬品安全処は春期、輸入量が増加する輸入農・水産物の先制的安全管理強化のために、3月14日から4月15日まで通関検査を集中実施した結果、農産物7件が残留農薬基準超過で不適合となり通関停止した。

○ 検査対象は最近3年間、春期に年間輸入量の約40%以上を輸入する品目を中心に選定し、対象品目は、▲ブドウ(123件)、▲オレンジ(39件)、▲カボチャ(26件)、▲タマネギ(22件)、▲ニンニク(14件)、▲イイダコ(43件)、▲その他農産物(21件) など10ヶ国*の11品目で合計288件である。

* 中国、チリ、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ニュージーランド、ベトナム、スペイン、タイ、トルコ

○ 検査項目は、▲(農産物)残留農薬(510種)*、▲(水産物)重金属(3種)。

* 同時多分析検査法で残留農薬510件同時分析可能

□ 検査の結果、ブドウ6件(103トン)、タマネギ1件(23トン)は残留農薬基準超過で不適合となり、これを除いた残りの品目(281件)は残留農薬、重金属基準・規格に適合した。

○ ブドウ6件、タマネギ1件は殺虫剤用途で使用される残留農薬項目*で基準を超過し、輸入通関段階で停止するなど事前に流通しないように措置した。

* クロルピリホス、プロチオホス:有機リン系殺虫剤/ チアメトキサム:ネオニコチノイド系殺虫剤

○ 今後、同一製品が輸入される場合は精密検査(5回)を実施して、安全性の確認手続きをさらに強化する。

□ 最近5年間、春期に輸入される農産物の精密(無作為)検査不適合理由*は、残留農薬基準違反が最も多く、重金属(鉛、カドミウム)基準違反、二酸化硫黄基準違反の順であった。

○ 特に2022年の残留農薬基準違反不適合率(1.30%)は、最近5年同期間の平均不適合率(0.83%)に比べて多少高いことが明らかになった。

○ これは国内の残留農薬許容基準強化*、国別農薬の使用基準差などによるもので、営業者は農産物を輸入する前に輸出国で使用した農薬と残留量などが国内の基準規格に適合しているか確認後に輸入する必要がある。

<添付>

1.通関検査不適合現況

2.春期多消費農・水産物の輸入量推移

3.春期多消費農・水産物の輸入現況(2019~2021)

 

[MFDS]食薬処、配達プラットフォーム業者とデリバリー飲食店の安全管理の協力強化

統合食品データ企画課 2022-04-26

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46335

□ 食品医薬品安全処はCOVID-19以後需要が急増しているデリバリー食品の安全管理相互協力をさらに強化するため、配達プラットフォーム業者と4月26日「食品安全情報共有・活用業務協約」を更新する。

○ 今回の協約では最近デリバリー食品の衛生・安全に対して消費者の要求が高まった状況を反映して、既存協力内容である、▲飲食店の食品安全情報共有・活用の他にも、デリバリー飲食店の、▲衛生等級制活性化、▲衛生・安全管理まで協力範囲を拡大する。

□ 食薬処は配達プラットフォーム業者と2017年初めて業務協約を締結して、消費者がデリバリー食品を安全に選択できるように食品安全情報を提供してきた。

○ これまで食薬処は、①デリバリー飲食店の食品安全情報(飲食店許認可情報、衛生等級業者・行政処分情報)を公共データ(Open-API)に提供すると、②配達民族とヨギヨなどの配信業者は共有された情報を配信アプリで消費者に提供し、③消費者はデリバリー食品選択時に提供された安全情報を活用してデリバリー飲食店を選択できるように運営してきた。

□ 食薬処は今回の業務協約の更新で食品安全に対する消費者の知る権利が強化され、デリバリー飲食店の衛生安全レベルがより向上すると期待する。

○ 今後も多様な飲食店配達プラットフォーム・情報サイトと食品安全情報の共有・活用を拡大し、消費者が食品を安心して選択できる環境を作るため積極的に取り組む。

 

[MFDS]食薬処、オンラインで販売される農・水産物の収去検査を実施

農水産物安全政策課 2022-04-22

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46327

□ 食品医薬品安全処はオンラインショッピングモール・デリバリーアプリなどで販売される多消費農・水産物合計430件を対象に、17個の自治体と合同で4月25日から29日まで集中収去検査を実施する。

○ 今回の収去検査はCOVID-19で非対面食品市場が成長*し、オンラインで農・水産物**の販売量が増加することにより、これに対する先制的安全管理を強化するために用意した。

* 食品全体オンラインショッピング額:(’19)16兆9,629億ウォン(前年比24.7%↑)→(’20)25兆8,925億ウォン(52.6%↑)→(’21) 32兆7,989億ウォン(26.7%↑)

** 農・畜・水産物オンライン・ショッピング額:(’19)3兆7,230億ウォン(前年比19.5%↑)→(’20)6兆2,131億ウォン(75.8%↑)→(’21)7兆9,421億ウォン(27.8%↑)

□ 検査対象はインターネットポータルで検索上位ランクの農・水産物と多消費農・水産物を対象に選定し、▲地域特産品オンラインショッピングモールで販売される農・水産物189件、▲大型オンラインショッピングモールで販売される農・水産物112件、▲デリバリーアプリで販売される刺身129件など合計430件。

○ 検査項目は、▲(農産物)残留農薬、重金属、▲(水産物)動物用医薬品、重金属、食中毒菌など有害影響の懸念がある項目に対して集中検査をする予定である。

○ 食薬処は不適合農産物は速かに販売停止・回収・廃棄し、不適合情報は食品安全国に公開して、再発防止のために不適合品目の生産・流通経路別の点検と生産者・営業者を対象とする指導・広報などを実施する計画である。

○ 参考に、食薬処は過去2年間オンラインで販売される農・水産物1,595件に対する収去検査を実施した結果、一部の農・水産物(合計14件)から重金属(カドミウム、鉛)、二酸化硫黄、残留農薬(アセタミプリド、ブプロフェジンなど)、動物用医薬品(フロルフェニコール、オキソリン酸)などが超過検出され、該当製品を廃棄して生産者に対して刑事告発などの措置をした。

□ 食薬処は今後とも国民多消費農・水産物に対して持続的に安全管理を強化して、故意的な違法行為に対しては行政処分など厳正に措置して、安全な食品環境を作るために最善を尽くす。

<添付>

1.収去検査対象農・水産物リスト

2.オンライン販売農・水産物収去検査の不適合現況(’20~’21)

 

[FSS]更新情報:FSS及びFSAは完全精製油が原材料の代替品として使用が増える可能性があるとして、消費者向けガイダンスを提供する

UPDATE – FSS and FSA provide consumer guidance as more fully refined oils may be used as ingredient substitutions

12 MAY 2022

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/update-fss-and-fsa-provide-consumer-guidance-as-more-fully-refined-oils-may-be-used-as-ingredient-substitutions

 スコットランド食品基準庁(FSS)及び英国食品基準庁(FSA)はひまわり油の供給に深刻な影響が続いており、完全精製パーム油、完全精製ココナッツ油、完全精製大豆油が、ラベルに変更を加えず、一部の製品に使用されていることについて消費者に助言し、情報更新する。

 

[HK]食品事故

-フランス「Rappel Conso」-下痢性貝毒の汚染の可能性のためテリン(貝)のリコールに関する通知

Rappel Conso of France – A notice regarding a recall of Tellines in France due to possible contamination with Diarrhetic Shellfish Poisoning toxin.

12 May 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20220512_1.pdf

 リコール対象は、2022年5月3日から5日に出荷されたテリーヌ貝すべて。

 

[BfR]BfRコロナモニター

BfR-Corona-Monitor | 10–12 May 2022

https://www.bfr.bund.de/cm/349/220510-bfr-corona-monitor-en.pdf

 

[DHSC]政府は複数販売とTVとオンラインでの広告への規制を先延ばしする

Government delays restrictions on multibuy deals and advertising on TV and online

14 May 2022

https://www.gov.uk/government/news/government-delays-restrictions-on-multibuy-deals-and-advertising-on-tv-and-online

・前例のない世界経済の状況に照らし、企業に準備期間を与えるため広告制限を先延ばしする

・店舗での不健康な食品の場所を制限する規則は計画通りに10月に発効予定

脂肪塩砂糖の多い(HFSS)食品や飲料を一つ買うと一つ無料、や二つ分買うと三つなどを含む複数購入買い得及びソフトドリンクの無料おかわりの制限を1年延期する。レジや入り口に健康的でない食品をディスプレイすることへの制限は予定通り2022年10月に発効する。午後9時より前のTVでのおよびオンラインのお金を払ったHFSSの広告禁止も1年先延ばしして2024年1月からとする

 

[ASA]広告助言

-コロナウイルスとCOVID-19

Coronavirus and COVID-19

13 May 2022

https://www.asa.org.uk/advice-online/coronavirus-and-covid-19.html

2020年のコロナウイルス健康危機中にASAとCAPは直接的間接的にコロナウイルス/COVID-19トの関係で提供される製品やサービスの広告を見た。広告にはウイルス伝達への物理的保護から免疫強化による病気予防、症状の治療やウイルス抗体の検査まで様々であった。一部の製品は広告内容からMHRAやHSEの管轄になるものがあった。販売業者は規制対象製品についてはMHRAのガイダンスに従うように。

以下カテゴリー別に助言

・ハンドサニタイザーや手洗い用品

・サージカルマスク、医療用マスク、レスピレーター

・布マスクと手作りフェイスカバー

・医薬品

・食品と食品サプリメント

・検査キット

・空気及び表面清浄機器

・恐怖や苦痛と社会的責任

・安全性規則(マスクや距離など)の表現

 

-体重コントロール:名称による主張

Weight control: Claims in names

13 May 2022

https://www.asa.org.uk/advice-online/weight-control-claims-in-names.html

CAPは広告主が主張を立証できないなら通常は製品名としても許容できないと考える

過去の事例には「脂肪磁石」「脂肪ブロッカー」「脂肪アタック」「脂肪トラップ」「瓶の中の運動」「代謝」などがある

 

[ヘルスカナダ]カナダ政府は死の医師による援助(安楽死、MAID) と精神疾患に関する専門家委員会最終報告書を提出

Government of Canada tables the Final Report of the Expert Panel on Medical Assistance in Dying and Mental Illness

May 13, 2022

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2022/05/government-of-canada-tables-the-final-report-of-the-expert-panel-on-medical-assistance-in-dying-and-mental-illness16.html

 

[NASEM]ヒト健康に影響する薬剤耐性真菌発生における植物農業行為の役割:ワークショップシリーズ

The Role of Plant Agricultural Practices on Development of Antimicrobial Resistant Fungi Affecting Human Health: A Workshop Series

https://www.nationalacademies.org/our-work/the-role-of-agricultural-practices-on-development-of-antimicrobial-resistant-microbes-affecting-human-health-a-workshop-series

6月21日、22日、27日開催

 

論文

-遺伝子組換えパパイヤのゲノムの変化を理解する

Understanding the genomic modifications in transgenic papaya

13-MAY-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/952704

1990年代に開発された遺伝子組換えパパイヤ“SunUp”はパパイヤ輪点ウイルス抵抗性で有名である。SunUpのゲノム配列は2008年に同定されたがどのい挿入部分がどう影響したのかは不明だった。Nature Geneticsに発表された新しい研究はそれらを同定した。

(SunUpはウイルスのコートタンパク質遺伝子を含む金粒子の粒子衝撃法で作られた)

 

-有機農業の食品相対収量と土地使用効率-地域研究

Relative yield of food and efficiency of land-use in organic agriculture - A regional study

David J.Connor Agricultural Systems Volume 199, May 2022, 103404

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0308521X22000403?via%3Dihub

・スウェーデンの8つの地域で有機農業と慣行農業による作物や飼料生産の分布を確認した

・両方の農法での地域のヘクタールあたりの穀物と飼料の収量(質量と代謝エネルギー)を計算した

・ミルクの生産はヘクタールあたりの穀物プラスミルクあるいはミル宇の総エネルギーが最大化する餌を与えられた群れで計算した

・ヘクタールあたりのミルクと残りの穀物由来のヒト用食品の地域総収量を、両方の給餌システムで推定した

・ヒト用食品の生産の有機/慣行農法の収量比は地域により0.43 から 0.74で、慣行農法の収量に逆相関した。

 

-The Lancet

中国のゼロCOVID:次は?

Zero COVID in China: what next?

Shawn Yuan

The Lancet WORLD REPORT| VOLUME 399, ISSUE 10338, P1856-1857, MAY 14, 2022

中国がどのように持続不可能なCOVID-19戦略に陥っているのか、そして変更の兆しに乏しい様子をShawn Yuanが報告する

これまで外国に比べて成功したと宣伝し続けていたこと、感染が少なかったこととデマでワクチン接種が進まなかったこと、習政権の継続決定が近いという政治的背景から、ゼロCOVID方針がそうそう変わらないだろうと。

(ワクチンデマは欧米のワクチンの副作用・副反応を中国政府が喜んで広めたせいでもあるような。中国産がいいと言いたかったのだろうけれどワクチン全てへの不信につながっただけ)

 

-Natureニュース

アルツハイマー薬の失敗の後、FDAは医薬品の吟味方法を変えるだろうか?

Will the FDA change how it vets drugs following the Alzheimer's debacle?

13 May 2022  Max Kozlov

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01316-8

アデュカヌマブの迅速承認により米国の立法者がFDAの監視強化を求める

FDAが議論の多いアルツハイマー薬に青信号を与えてから約1年経ち、立法者たちはこうした認可につながったプロセスを変更しようとしている

(近年特に、迅速認可した薬品のできが悪いようにみえるグラフ)

 

その他

-迷走神経周辺の誇大宣伝をリセットする

Resetting the Hype Around the Vagus Nerve

Jonathan Jarry M.Sc | 13 May 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking/resetting-hype-around-vagus-nerve

シンプルな運動で迷走神経をリセットして何でも治せる?インターネットはそう考えているようだ。

(本文略)

持ち帰るべきメッセージ

-迷走神経は最も長い脳神経で、脳から胸部や腹部の多くの臓器へ情報を運び、逆に脳にも伝える

-迷走神経刺激は医療の文脈で不整脈やある種の症状を治療するために電気を使った装置で行われる

-多くのウェルネスインフルエンサーは、目を動かしたりハミングをしたりすると迷走神経を刺激したりリセットできると多様な立証されていない主張をしている

(日本の健康業界では自律神経という単語の方が良く使われるような。どうなると「自律神経が整う」のか定義しないままいろいろなことが主張されている)

 

-Dr. Ozは医学デマを振りまく-しかし彼の政治的地位の上昇は公衆衛生にとっての希望となる?

Dr. Oz peddles medical misinformation — but could his political rise have a silver lining for public health?

By Lev Facher May 12, 2022

https://www.statnews.com/2022/05/12/dr-oz-misinformation-but-silver-lining-for-science/

米国上院議員に立候補してその選挙運動で自分を「世界クラスの外科医」と主張するMehmet Ozは「ヒールアメリカ(アメリカを癒やせ)」をスローガンにする。彼はたくさんの嘘を宣伝してきたが、それでも選挙運動は有効のようだ。

医学デマが蔓延している国で、多くの健康専門家はオズ上院議員の見込みは基本的科学的事実否定の最新の事例に過ぎないとみているが、セレブドクターのキャラクターはもっと複雑だと主張する人もいる。彼は嘘も言うがワクチンやマスクを推奨し中絶の科学を正確に話した。

(以下いろいろ)

Ozの陣営はSTATからのインタビュー要請を却下した。

 

-米国の100万人のCovid死を駆動した「5つのパンデミック」

The ‘five pandemics’ driving 1 million U.S. Covid deaths

By J. Emory Parker  May 10, 2022

https://www.statnews.com/2022/05/10/the-five-pandemics-driving-1-million-u-s-covid-deaths/

ついに米国がCovid死100万人に到達する。

データの解析は今後も続くだろうが、死亡率については5つの異なるパターンがある。

・初期 対 後半

2020年4月初期のNYの死亡率は1週間に10万人あたり約63人だった。それ以降そこまで高かったところはない。Covidはパンデミック初期から死亡率が減った

・高齢者 対 若者(例外あり)

アメリカ人のCovid死亡者の多くは65才以上で、若者では少ない

・予防接種した人 対 していない人

疑いようもなくワクチンは命を救った

・田舎 対 都市部

パンデミックは都市に大きな打撃を与えたが、死亡率は田舎の方が高い

・貧しい人 対 豊かな人

経済的社会的に脆弱な人々が不釣り合いにCovidに影響された

(グラフ各種。人数が多いので解像度が高い)