2022-05-20

[EU]査察報告

-ハンガリー―動物や製品の輸入と国境検査所のEU要件順守の確認

Hungary 2021-7219―Imports of animals and goods and verification of compliance of border control posts with Union requirements

05/05/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4471

2021年5月19日~10月7日まで実施したハンガリーの動物と製品の輸入に関する公的管理システムと国境検査所のEU要件への順守検証の査察。BCPsからEUに入る動物と製品の公的管理の実施方法、伝染病や感染症の入り込みを最小限に抑えているかどうか、輸入や経由に関する公的管理の品質、効果、妥当性、そしてそれらの手順および/または取り決めが公平で一貫しているかどうか、再指定された国境検査所、指定入国地点、第一導入地点のBCPsや検査センターがEU規則や関連する規則の要件に従っているかどうか、を評価した。一部の国境検査所で文書化手順や保管施設の規定に関して小さな欠点が見つかったものの、概してこれらは全体的な管理システムの機能に悪影響はない。

 

-イタリア―飼料の衛生に関する公的管理

Italy 2021-7210―Official controls on feed hygiene

05/05/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4469

2021年11月15~26日に実施した、イタリアの飼料の衛生分野の公的管理を検証するための査察。飼料の公的管理システムの検査計画や十分に機能する多くの側面に、採用されたリスクに基づくアプローチがあるにもかかわらず、査察チームは、管理システムの効果を集合的に損なう管轄機関の業績の多くの側面に欠点を確認した。飼料事業者のHACCP計画、飼料の包括的なトレーサビリティを確保するための事業者の手順、違反やサンプリングを修正するために事業者が対処した完全性の検証、サンプリングの評価が含まれていた。

 

-ドイツ―飼料の衛生に関する公的管理

Germany 2021-7215―Official controls on feed hygiene

05/05/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4470

2021年10月11~21日に実施した、ドイツの飼料の衛生に関する公的管理システムの査察結果。ドイツでは、飼料に関する公的管理計画(検査とサンプリング)については、検査は一般的によく実施され、リスクに基づいていて、事業者が関連する法の要件のほとんどを満たすことを検証できる。 だが、他の加盟国で見られる状況と同様に、事業者のHACCPシステムの表面的な評価や、表示検査実施の不正確さが、その他の点ではよく機能する管理システムの効果を弱めている。

 

-ルーマニア―水産物

Romania 2021-7165―Fishery products

05/05/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4467

2021年9月20日~10月1日まで実施した、水産物に関するEU規則の公的管理を評価するためのルーマニアの査察。設定されている公的管理システムは全生産チェーンをカバーし、チェーンに沿って欠点を特定・修正するのに必要な全ての要素で構成されている。だが、未登録で管理されていない漁船が多く、対象範囲のシステムの有効性に影響を与えている。さらに、公的モニタリングや研究所のシステムはEU規則が求める全ての物質を含んでおらず、特に燻製水産物とその調理品の特定の汚染物質に関するEU基準の遵守についての検証を妨げている。

 

-ポーランド―アグリフードチェーンにおける不正に関する実態調査研究

Poland 2021-7147―Fact-finding study on fraud along the agri-food chain in accordance with Regulation (EU) 2017/625

04/05/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4461

2021年9月6~14日にリモートで実施した、ポーランドのアグリフードチェーンにおける不正の実態調査研究の結果。異物混入リスクのある農産物にリスクに基づいた計画工程を支援するため、入手可能なデータセットや集めた情報を活用するメカニズムが設定されている。植物の健康・種子検査局と税関が行う包括的な管理は、詐欺や違法製品の検出を保証している。管轄機関には異物混入食品や不正・詐欺の植物保護製品を市販した事業者に行政処分を課す権力と規制があるが、ほとんど行政処分に頼っている。食品分野で意図的に違反を繰り返す場合は罰金も課す必要がある。行政支援と協力の協定は、加盟国と欧州委員会とのタイムリーで的を射た情報交換に適していて効果的に実行されている。内部告発者を保護する適切な水準の保証が進行中である。

 

-モルドバ共和国―動物用医薬品の管理を含む生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質

Moldova, Republic of 2021-7237―Residues and contaminants in live animals and animal products including controls on veterinary medicinal products

25/04/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4466

2021年9月27日~10月7日まで実施した、EU輸出用生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質の公的管理の効果を評価するためのモルドバ共和国の査察結果。モルドバ共和国は動物用医薬品の法律の多くをEUのものと統一している。分析結果の信頼性に関する疑問やサンプル件数不足の問題があるにもかかわらず、検出された違反結果の割合が比較的低いことで保証は裏付けられている。全ての研究所は認可を受け満足のいく業績を示しているが、スクリーニング分析法の妥当性や内部品質管理手順実行に欠点があり、分析結果の信頼性や全体的な残留物管理システムの効果の確実性を弱めている。

 

[WHO]第75回 世界保健総会

Seventy-fifth World Health Assembly

https://www.who.int/about/governance/world-health-assembly/seventy-fifth-world-health-assembly

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 201-22

​​​​​​​20 May 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification-Circular-201-22.aspx

意見募集

・加工助剤としてのAspergillus tubingensis由来ポリガラクツロナーゼ遺伝子を含むGM Aspergillus oryzae由来ポリガラクツロナーゼ

・加工助剤としてのAspergillus tubingensis由来ペクチンエステラーゼ遺伝子を含むGM Aspergillus oryzae由来ペクチンエステラーゼ

 

-GM由来の二つの新しい加工助剤に意見募集

Call for comment on two new processing aids from GM sources

20/05/2022

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-two-new-processing-aids-from-GM-sources.aspx

2022年7月1日まで

 

[RIVM]報告書

-植物保護製品の溶出評価のためのオランダ意思決定樹 改訂2022バージョン

The Dutch decision tree for the evaluation of the leaching of plant protection products. Revised 2022 version

18-05-2022

https://www.rivm.nl/publicaties/dutch-decision-tree-for-evaluation-of-leaching-of-plant-protection-products-revised

農薬の地下水への溶出評価のためのツール改訂

英語

 

-電子タバコ用リキッド中の23の香料の健康影響

Health effects of the 23 flavourings in liquids for e-cigarettes

19-05-2022

https://www.rivm.nl/publicaties/gezondheidseffecten-van-23-smaakstoffen-in-vloeistoffen-voor-e-sigaretten

RIVMは電子タバコに使われる可能性のある23物質のリストを提案している。2016年以降、健康に害のない1物質のみが電子タバコに許可されている。

23物質中2物質は発がん性が知られ、もう一つはアレルギーを誘発する。そのような物質について安全な量を決めることはできない。

残り20物質については気道への特異的影響を評価するための情報がない。一部の物質については経口摂取の健康影響情報がある

本文オランダ語

 

-医療用埋め込み機器の6価クロムは健康に害はない

Chromium-6 from medical implants not harmful to health

05/18/2022

https://www.rivm.nl/en/news/chromium-6-from-medical-implants-not-harmful-to-health

股関節や膝のインプラントのような医療用埋植機器由来の6価クロムは重大な健康障害はおこさない。RIVMの文献研究の結論。

インプラントが体液と接触すると6価クロムが放出される可能性はあるがほとんどは害の少ない3価クロムになり、6価クロムはごく一部が血流に乗って全身に広がる。それが健康障害になる兆候はない。

金属アレルギーの可能性は僅かに大きい

本文オランダ語

 

-週刊SARS-CoV-2報告

Weekly coronavirus SARS-CoV-2 figures

17 May 2022

https://www.rivm.nl/en/coronavirus-covid-19/weekly-figures

2022年5月17日からこのページの情報を拡大して陽性者数と病院の占有率に加えて検査陽性率、下水サーベイランス、病原体サーベイランスを加えた

(下水の数字をどう読めばいいのか、他国と比較できるものなのか?)

 

論文

-45才以上の成人でのアルツハイマー病と関連認知症の変更可能なリスク要因-米国2019

Modifiable Risk Factors for Alzheimer Disease and Related Dementias Among Adults Aged ≥45 Years — United States, 2019.

Omura JD, McGuire LC, Patel R, et al.

MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2022;71:680–685.

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7120a2.htm?s_cid=mm7120a2_w

45才以上で主観的認知機能低下(SCD)のある人は、そうでない人に比べて4つ以上のリスク要因を報告する可能性が高い(34.3% 対 13.1%)。全くリスク要因のない成人でのSCDは3.9%だったが、4つ以上のリスク要因のある人は25.0%だった。

*リスク要因:高血圧、運動不足、肥満、糖尿病、鬱、喫煙者、難聴、暴飲

 

-BNT162b2 mRNAワクチン2回接種後の抗SARS-CoV-2抗体濃度に関連する人口学的および臨床的要因

Demographic and Clinical Factors Associated With Anti–SARS-CoV-2 Antibody Levels After 2 BNT162b2 mRNA Vaccine Doses

Su Youn Nam et al.,

JAMA Netw Open. 2022;5(5):e2212996.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2792387

50人の、COVID-19ワクチン接種後2、4、6ヶ月後の抗SARS-CoV-2特異抗体の量は、体重と逆相関した。体重が55kg以下の若年から中年の健康な成人の抗体量は6ヶ月経っても高いままだった。韓国。

(韓国人なので日本人にあてはめやすいかも)

 

Science  20 MAY 2022 • VOL 376 ISSUE

-研究のCOVID化収まる

‘COVID-ization’ of research levels off

BY JEFFREY BRAINARD 19 MAY 2022: 782-7

専門外からこの分野に飛び込んできた研究者はインパクトの低い仕事をした、研究が発見

パンデミック初期にCOVID-19にテーマをシフトした研究者たちがCOVID-19から離れつつある。最近の出版傾向の解析では、パンデミック関連論文数は2020年と2021年に爆発的に増えた後、今年は減少しているようだ。公衆衛生や感染症の専門分野ではCOVID-19論文数は一定になり、パンデミックとは遠い学術分野ではCOVID-19論文は減少している。

パンデミックは膨大な数の研究者を動員し、4月までに50万以上の論文やプレプリントが出た。これは学術論文全体の4%程度であるがこのような論文数の急増は科学史上無比である。一部の分野では特に劇的なシフトが見られ、ウイルス学ではコロナウイルスのシェアが2019年には約3%だったのが2021年は28%になり、感染症分野では1%が23%に増加した。このような数は研究のCOVID化と呼ばれる懸念を引き起こした。あまりにも多くの専門外の研究者が研究に参入し、質の低い研究を生み出す。ある研究によると2020年にCOVID-19に関する論文を少なくとも一報発表した著者の2/3はこれまでに関連トピックスの業績はない。さらに2020年に発表されたCOVID-19論文はCOVID-19以外の論文の平均以下のインパクトで、専門外から参入した研究者の論文のインパクトは低い。

 

-あなたはフェイスマスクが嫌い?希望がある

Do you hate your face mask? There’s hope

BY JON COHEN 19 MAY 2022: 783-784

米国政府のコンテストでより良いフェイスカバーを作るために10社が競争

優勝者は10月に発表される

マスク革新チャレンジ 

MASK INNOVATION CHALLENGE

https://drive.hhs.gov/mask_challenge.html

10種類

 

-レター 良い科学はより良い動物福祉を必要とする

Good science requires better animal welfare

  1. NEVILLE B. LECORPSAND M. MENDL

SCIENCE 19 May 2022 Vol 376, Issue 6595 p.809

生命医学研究の再現性と適用可能性の危機に対応するため、NIHと英国MRCが最近動物実験はデフォルトで雌雄両方を含むものにしか研究費を出さないと発表した。しかしこの努力は実験に使用する動物を減らそうとする試みとは矛盾し、動物の福祉改善の役割を見落としている。

(以下略)

 

その他

-SMC UK

不眠に睡眠錠剤の代わりにアプリを用いた治療‘Sleepio’を使うNICEガイドラインへの専門家の反応

expert reaction to NICE guidance on using the app based treatment ‘Sleepio’ for insomnia instead of sleeping pills

MAY 20, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-nice-guidance-on-using-the-app-based-treatment-sleepio-for-insomnia-instead-of-sleeping-pills/

NICEが不眠の人に睡眠錠剤の代用としてアプリを用いた治療‘Sleepio’を勧めた

King’s College London IoPPN、神経学と睡眠医学教授で神経専門相談医で睡眠臨床指導者Guy Leschziner教授

認知行動療法が医薬品と同程度に有効で、有効性持続期間が長いという根拠もある。さらに一部の医薬品のような副作用のリスクがない。

英国のほとんどの睡眠センターの不眠治療の第一選択は既に認知行動療法であるが、それはリソースを多く費やすので、こうしたデジタルプラットフォームはより多くの人に届けることができるだろう。

 

遺伝子組換え豚を使った豚から脳死した人への腎臓異種移植2症例の結果への専門家の反応

expert reaction to results of two cases of pig-to-brain dead human kidney xenotransplantation using genetically modified pigs

MAY 18, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-results-of-two-cases-of-pig-to-brain-dead-human-kidney-xenotransplantation-using-genetically-modified-pigs/

NEJMに発表された論文が、豚から人への腎臓移植の2症例の結果を報告した

NHS血液と移植の広報担当者

我々は常に将来より多くの患者が移植による利益を受けられるようになるための新たな研究に関心をもっている。ここ数ヶ月でこの異種移植の分野にいくつかの新たな発展があったが、まだ現実になるにはしばらくかかる。研究は続くがその間我々にはまだ臓器提供の決断を皆がして家族に知らせておく必要がある。

 

-SMC NZ

NZの「意図的デマ12傑」が議会抗議でのフェイクニュースを煽った-ニュースから

NZ’s “disinformation dozen” fuel fake news at Parliament protest – In The News

19 May 2022

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2022/05/19/nzs-disinformation-dozen-fuel-fake-news-at-parliament-protest-in-the-news/

NZのデマ研究者の新しい報告によると、議会での抗議活動はこれまでみられなかったものだった

2022年2月の議会占拠を理解するためにデマプロジェクトチームがこのイベント前と後のソーシャルメディアにおけるデマを追跡し、その拡大と速度と規模が11月以降ずっと大きくなっていたことを発見した。デマとの相互作用レベルが最大になったのは2月10日と3月2日、抗議の最終日だった。

「多くの人が主流メディアよりデマアカウントを見ていた」とデマプロジェクトリーダーのKate Hannahが語った。抗議の最終日にはデマネットワークの相互作用の73%がたった12人のデマ屋によって生み出されていた。

同様のデマの動きは2021年1月の米国での国会暴動でも見られた。

抗議が終わっても陰謀論はなくなっていない-NZはこの問題に対処しなければならない

報道リンク多数

報告は以下から

ワーキングペーパー:情報病のざわめき

Working Paper: The murmuration of information disorders

https://thedisinfoproject.org/2022/05/18/working-paper-the-murmuration-of-information-disorders/

ニュージーランドのデマ生態学と議会抗議

(ロシアのデマプロパガンダの影響がNZにも)

 

-コンシューマーラボ

紅麹サプリメントレビュー

Red Yeast Rice Supplements Review

05/19/2022

https://www.consumerlab.com/reviews/red-yeast-rice-supplements-review/red-yeast-rice/

紅麹サプリメントの50%はコンシューマーラボの検査で「認められない」

紅麹は天然にコレステロールを下げる作用のあるロバスタチン化合物を含み、有効だが、サプリメントに含まれる量は必ずしも十分でなく、製品にロバスタチン含量は通常表示されていない。検査したサプリメントのロバスタチン量は一回量あたり全く含まれないから7.5mgまでの範囲であった。コレステロールを下げる用量を含むのは検査した10製品中2製品のみだった。またコンシューマーラボが2018年に調べた時からロバスタチン含量が変わった製品があり、ある製品では91%減っていた。さらに腎毒性の可能性のあるシトリニンが30%の製品から検出され、ある製品のシトリニン量は欧州での許容量の3倍だった。

これらのことから、一貫して安定した用量をより安価に入手できる処方スタチンを使った方が良い。

(紅麹サプリメントはサプリメントの悪いところを煮詰めたような製品で、医薬品行政の敗北のシンボル)