[Codex]プレスリリース
-分析・サンプリング部会によるウェビナーシリーズ
Webinar series underway in Codex Committee on Methods of Analysis and Sampling
26/05/2022
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1514176/
2022年5月25、27日、分析サンプリング部会(CCMAS)の電子作業部会(EWG)による作業の進捗を学ぶための第1回オンラインイベントが開催された。これはCCMAS参加者向けのイベントで、主に下記の課題について説明がなされた。
複数の Type III 分析法から Type II 分析法を選択するための規準
分析・サンプリング法規格(CXS 234-1999)の改訂
サンプリングの一般ガイドライン(CXG 50-2004)及び測定の不確かさのガイドライン(CXG 54-2004)のコンセプトと関連性
-世界食品安全デーに先立ちTom Heilandt氏がFAOに語る
Tom Heilandt speaks to FAO in Brussels ahead of World Food Safety Day
03/06/2022
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1538120/
2022年6月7日、世界食品安全デーを祝し、コーデックス事務局長のTom Heilandt氏が、ブリュッセルのFAO連絡事務局のインタビューを受けて、今年のテーマ「より安全な食品で、より健康に」を説明しCodexの広範な課題について語る。
*Interview with FAO/WHO Codex Alimentarius Commission Chair Tom Heilandt: Safer food, better health
https://www.fao.org/brussels/news/detail/en/c/1534254/
コーデックス事務局長としての役割、今年のテーマの意味と食品安全が重要な理由、消費者の役割、COVID-19による食品安全の課題への影響、CodexとEU及びEU加盟国との関係性、今後の課題などについて。
(以下、今後の課題の部分を紹介)
食品安全の分野で今後の特に重要なテーマは何だと感じているか? 我々が知っておくべき今後の課題はあるか?
植物ベースの原料を用いた培養細胞や3Dプリントの食品を含む新しい食品が登場し、また海藻、クラゲ、昆虫など数世紀にわたり消費してきた食品の新しい市場が開拓されたことにより、増加する人口の食料確保や持続可能な農業・食料システムを得るためであっても、それらの食品の安全性と公平な貿易を確保するための規格が必要になるだろう。我々には、新旧にかかわらず食品に適用できる多くの一般文書があるため(例:食品衛生)、まさに何が有用なのか検討作業を行っている。食品安全に関するCodex作業の根幹である科学が、食品安全上のリスクとベネフィットのバランスを取れるようにするだろう。
気候変動も多角的に食品へ影響を与えており、我々は地上でのカビ毒や海洋のマリントキシンといった食品安全ハザードの予想される影響に警鐘を鳴らす必要がある。食品安全機関は慎重かつ積極的であるべきで、Codex規格は政策決定がタイムリーで有効に機能するために大きな役割をもつ。
抗菌剤耐性も依然として問題であり、無視されている場合も多く、何もなく「沈黙のパンデミック」と呼ばれているわけではない。我々は、抗菌剤耐性への対処を前進させ、最近いくつかの重要なCodexガイダンスを更新したが、ますます多くの抗生物質が効力を失うのを避けるためには協調的なやり方でより多くのことを成す必要がある。
最後に、別のタイプのパンデミックなのが、多くの国での肥満と非感染性疾患(NCD)の罹患率である。製品の組成見直しを促す規格と、特に表示が、消費者教育とともに役立つ可能性がある。我々が思い描く食品表示の方法も、今後数年間で完全に変わるであろう。Codexには表示について完全に系統だった体系があるが、食品のインターネット販売やQRコードといった新しい世界に適用できるようにする必要があるだろう。
ほか世界食品安全デー関連
WORLD FOOD SAFETY DAY - 7 JUNE 2022
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/world-food-safety-day/en/
[RIVM]土壌システム中マイクロプラスチック、発生源から保護目標までの道のり。土壌中マイクロプラスチックについての既知知識
Microplastics in soil systems, from source to path to protection goals. State of knowledge on microplastics in soil
07-06-2022
本文英語
マイクロプラスチックは直径5mm以下の小さなプラスチック粒子である。ますます多くのマイクロプラスチックが環境に行き着いている。土壌中のマイクロプラスチックについての科学文献が増えているがいまだにリスクがあるのかどうか明確ではない。そこでRIVMが既知の情報をまとめた。その結果情報は断片的で、不完全で、時に矛盾し、そのため信頼できるリスク評価はできない。例えばオランダの土壌中マイクロプラスチックを測定した情報は無い。これは主に土壌中のマイクロプラスチックを分析するための信頼できる現実的な標準的技術が存在しないためである。それは開発する必要がある。
マイクロプラスチックの環境リスクを高い信頼性で測るにはさらなる知識が必要である。RIVMはいくつかの助言を提供した
[ASA]ASA裁定
-ASA Ruling on J Sainsbury plc t/a Sainsbury's
08 June 2022
https://www.asa.org.uk/rulings/j-sainsbury-plc-g21-1126780-j-sainsbury-plc.html
背景として
ASAは植物ベースの食事に変更することは一般的に環境負荷を減らすために消費者ができることだということを認める。一般論としてこのことを指摘して、特定の製品の宣伝を含まない広告は許容できる可能性が高い。しかし一部の植物ベースの製品は複雑な加工を経て環境影響の大きいものも含まれる。広告基準では製品の広告クレームは完全ライフサイクルに基づくことを要求している。環境上の利益についてしっかりした客観的根拠がない製品の広告は誤解を招く可能性が高い。
Sainsburyのラジオとテレビの広告で、肉の半分をひよこ豆に交換することで健康と環境により良くなると主張。特定の商品の宣伝ではなく英国食事ガイドの広報活動の一環。これに対してひよこ豆など豆類が海外から輸入されたものなら国産肉より環境影響が大きいという苦情が寄せられ、Sainsburyは完全ライフサイクルデータを紹介。ASAはこの広告が誤解を招くものでは無いと判断。
-ASA Ruling on Tesco Stores Ltd t/a Tesco
08 June 2022
https://www.asa.org.uk/rulings/tesco-stores-ltd-g21-1128264-tesco-stores-ltd.html
Tescoの植物ベースの製品“Plant Chef products”が地球に良いという広告に対して根拠があるのかと問われた。
“Plant Chef products”シリーズの製品を宣伝した広告で製品の全ライフサイクル負荷評価できなかったので広告基準違反
-ASA Ruling on Vegan Friendly UK
08 June 2022
https://www.asa.org.uk/rulings/vegan-friendly-uk-g22-1148327-vegan-friendly-uk.html
動物が残酷に扱われているイメージや血しぶきを使ったテレビ広告が正当な理由無く苦痛を与えるもの、特に16才以下の子どもに、で基準違反
[USDA]世界食品安全デーは世界の健康脅威にスポットライト
World Food Safety Day Spotlights Global Health Threat
Jun 07, 2022
https://www.usda.gov/media/blog/2022/06/07/world-food-safety-day-spotlights-global-health-threat
[MPI]我々の食品を安全に維持している人々を祝う日
A time to celebrate the people who keep our food safe
Date: 07 June 2022
https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/a-time-to-celebrate-the-people-who-keep-our-food-safe/
世界食品安全デーに寄せて
[WHO]イベント
-EPI-WINウェビナー:ミームは何を意味する?
EPI-WIN webinar: What’s in a meme
9 June 2022
COVID-19パンデミックやサル痘アウトブレイクのような緊急時に、視覚言語での表現からオンラインでの物語と健康デマを理解する
公衆衛生緊急事態中に、人々が必要としている情報、彼らの属するコミュニティーで出回っている懸念や物語を理解することは、根拠に基づいたインフォデミック管理の基本である。COVID-19とサル痘の例を用いて、様々な地域やバックグラウンドの専門家が、視覚コミュニケーション、つまり絵文字emoji、画像、動画、がインフォデミックの評価と対応にどう役立つのかを議論する。
-SHIFT枠組み開始:食環境の転換により公平な健康と栄養へシフトする
SHIFT Framework launch: Shifting to equitable health and nutrition through food environment transformations
10 June 2022
[FTC]FTCはGravity DefyerとそのオーナーをFTC命令違反と靴を売るための根拠のない痛みの緩和宣伝に対して訴える
Federal Trade Commission Sues Gravity Defyer and its Owner for Violating FTC Order and Making Baseless Pain-Relief Claims to Market Footwear
June 7, 2022
被告は関節炎や関節痛などの高齢者を標的にした
2001年に詐欺的宣伝をしないよう命令されている
[FSANZ]我々の次回関係者フォーラムに参加しよう-将来に備えた食品基準
Join us for our next stakeholder forum - Future Ready Food Standards
2022年6月29日
登録受付中
[IARC]食道扁平上皮がんと食道腺がんの2020年の発生率と死亡率の世界の光景と2040年予想:GLOBOCAN 2020からの新しい推定
The global landscape of esophageal squamous cell carcinoma and esophageal adenocarcinoma incidence and mortality in 2020 and projections to 2040: new estimates from GLOBOCAN 2020
Gastroenterolに発表
2020年は世界で604000の新たな食道がんとそれによる544000の死亡と推定され、地域により大きな差がある。最も多いのは東アジアとアフリカ南部・東部で、これら地域では扁平上皮がんが多くリスク要因はタバコ、飲酒、熱い飲み物、室内空気汚染である。
北米や欧州では歴史的に発生率は低かったが腺がんが多くこのサブタイプは肥満と関連付けられている
論文
超加工食品は有害?専門家が根拠を量る
Are ultra-processed foods harmful? Experts weigh the evidence
7-JUN-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/954892
The American Journal of Clinical Nutrition (AJCN)に本日発表された二つの論文が、超加工食品の概念を使うことが通常の分類システム以上に食事ガイドラインに役立つかどうかについて賛成と反対の概要を説明する。著者であるサンパウロ大学のCarlos A. Monteiro博士とNovo Nordisk財団のArne Astrup博士はNUTRITION 2022ライブオンラインで6月14日バーチャルディベートする。
これらの論文は「栄養における大きな議論Great Debates in Nutrition」シリーズの一部である
Great Debates in Nutrition
https://academic.oup.com/ajcn/pages/great_debates?login=true
現在の議論は「超加工食品」
これまでの議論は
・「食品依存food addiction」の概念は過食と肥満の理解に役立つか?
・子どもと成人は慢性疾患リスクを減らすために動物食品を避けるべきか?
・公衆衛生ガイドラインは飽和脂肪の摂取を可能な限り減らすべきか
その他
-ヨーロッパのシャンパンのエクスタシー警告拡大;一人死亡
Ecstasy in champagne warning in Europe expanded; one dead
By News Desk on June 8, 2022
https://www.foodsafetynews.com/2022/06/ecstasy-in-champagne-warning-in-europe-expanded-one-dead/
欧州での一人死亡の背景にあるエクスタシー汚染シャンパンの警告が拡大された。最初の警鐘は3ヶ月以上前で、当局は別のロットのMoët and Chandon Ice Imperialが影響されていると考えている。最初の警告はロットLAJ7QAB6780004、今回はLAK5SAA6490005で、オンライン及び実店舗で販売された。2月にドイツで33-52才の8人が病気になり1人死亡した。さらにオランダで4人病気になった。欧州中の機関が警告した。
当局は、コルクが本物と違うため異物混入されたと信じている。中身のシャンパンを空にして純粋なMDMA液を入れたようだ。生産者のMoët Hennessyでは問題はおこっていない。
当局は人々に、疑わしいボトルの味見をしないようにと言っている
AFSCA
UPDATE - L’AFSCA avertit sur la présence de MDMA (ecstasy) dans certaines bouteilles de champagne « Moët & Chandon Imperial Ice 3l» vendues en ligne et dans certains points de vente
03/06/2022
https://www.favv-afsca.be/professionnels/publications/presse/2022/2022-06-03.asp
フランス語
SMC NZ
-He Waka Eke Noaの農場排出に値段をつける案-専門家の反応
He Waka Eke Noa pricing proposal for farm emissions – Expert Reaction
08 June 2022
一次産業部門気候行動協定He Waka Eke Noaが農家に農業に由来する排出にNZ排出権取引制度を使う代わりに支払いをするシステムを推進する
協定は「農場レベルでのガス分離」課税、農場レベルで農業からの排出を計算する、を推奨した。政府は助言を検討して今年末には決定する
AgResearch上級科学者Robyn Dynes博士
Massey大学持続可能なエネルギーと気候緩和Ralph Sims名誉教授
Auckland大学環境学部, Te Pūnaha Matatini主任研究員Troy Baisden名誉教授
-南極の雪から初めてマイクロプラスチックが見つかった-専門家の反応
First microplastics found in Antarctic snow – Expert Reaction
Published: 08 June 2022
世界で初めてニュージーランドの研究が南極のRoss島地域でマイクロプラスチックを確認した。ニュージーランドの研究者が19か所の新雪を分析して、溶けた雪1Lあたり平均29個のマイクロプラスチック粒子濃度だった。これらのマイクロプラスチックは地域の研究ステーションで使われたプラスチック製品由来の可能性が最も高いが、モデル化では最大6千kmの遠方由来の可能性もある
ウェリントンVictoria大学南極研究センター南極氷床コア気候学研究員Holly Winton
AUT大学上級研究員Stephen Archer博士
Waikato大学微生物生態学者Craig Cary教授
環境科学研究所上級科学者Olga Pantos博士
-EPAはホルムアルデヒドについて本当に科学に従っているのか?
Is The EPA Really Following The Science On Formaldehyde?
By Susan Goldhaber MPH — June 7, 2022
https://www.acsh.org/news/2022/06/07/epa-really-following-science-formaldehyde-%C2%A0-16355
4月にEPAがホルムアルデヒドのIRIS毒性学的レビュー案を発表した。
EPAが根拠とした研究では4ppm以上の暴露で鼻咽頭がんが10例観察されている。
鼻咽頭がんは米国では希ながんで、年あたりの診断数は10万人に1人以下である。
仕事でホルムアルデヒドを扱わない人の場合、最も多く暴露されるのは自宅で、カリフォルニアEPAによると普通の家では20 ppb、プレハブ住宅では40 ppb存在する。喫煙により2.3から6.1ppmになる。この研究の参加者が1934年から1958年に雇用された人たちで、当時のアメリカ人の喫煙率が40%であることを考えると喫煙歴を考慮しない暴露量の不確実性は大きい
(一部のみ)
Formaldehyde
CASRN 50-00-0
https://cfpub.epa.gov/ncea/iris_drafts/recordisplay.cfm?deid=248150
(6月13日までパブリックコメント 経口RfD 2E-1mg/kg/day(0.2mg/kg/d)、吸入によるがんリスク E-5 (1 in 100,000) 8E-1 ug/cu.m)
-私のタバコ企業との「個人的」戦い
My “Private” War against the Tobacco Industry
Stephen Barrett, M.D. June 1, 2022
https://quackwatch.org/bio/my-private-war-against-the-tobacco-industry/
1960年代後半からのタバコ対策について。
自分は吸わないけれど自分の診察室を禁煙にしたり灰皿を撤去したり、から始まって本を書いたり医師会を説得したり。
過去50年でアメリカの人々のタバコへの意識は劇的に変化した。それはたくさんの人たちが努力してきたからであり、自分がそのうちの一人であることを誇りに思う
-「ダメ元でしょう?」:絶望的な長期Covid患者が「魔法の治療法」に向かう
‘What do I have to lose?’: desperate long Covid patients turn to ‘miracle cures’
Katie Thornton Thu 2 Jun 2022
長く残る症状のある2300万人のアメリカ人のうち答えを見つけた人はほとんどいない、この危険な空白に代替法提供者やウェルネス企業が産業を築いた
44才のRobert McCannは2020年7月にCovid検査陽性になり、症状は軽く1週間以内になおった。しかしその数ヶ月後に痛み、混乱、激しい疲労になりそれが完全に消失することがない。症状は軽い時から重いときまで変動し、MRIや血液検査などたくさんの検査をして8000ドル以上費やしたがなんの答えも得られなかった。最近ミシガン大学から長期Covid病院の予約を提供されたが11ヶ月も先だった。医療の専門家から答えが得られなかったため彼はオンラインプラットフォームに向かった。そこではたくさんの長期患者がサプリメントや治療法について語っていた。McCannは「魔法の治療法」は疑わしいと思っている。しかし17ヶ月も病気の解決法が医者から手に入らず、絶望的になっていた。「率直に言って、誰かがこれが効いたと言ったらおそらく試してみただろう」
(以下Covidに限らず、各種代替法にたくさんのお金を使った人の話、など)
-食品の植物ベースの未来は必ずしも美味しくない
The plant-based future of food doesn’t always taste that great
By Kenny Torrella May 25, 2022
https://www.vox.com/future-perfect/23065941/vegan-vegetarian-plant-based-food-tech-bad-products
ビーガン食サンプルの4ヶ月から学んだこと
Voxで植物ベースの食品産業について記事を書いたのでたくさんのサンプルをもらった。あるものは美味しく、あるものはまあオーケーで一部は恐ろしく不味く何故これを食べさせるのかと不思議なくらいだった。
今や植物ベースの食品の新興企業は何十もあり何十億ドルもの資金が注がれている。ビーガンゴールドラッシュである。(グラフ。)しかし既に衰退の兆候がある
(一部のみ。200社もあるんだ。レベルの低い会社が参入して全体の評判を落とすフェイズに入った?)
-植物ベースの鶏肉:あなたは切り替えるべき?
Plant-based chicken: should you switch?
By Khala Hurd MAY 18, 2022
https://dirt-to-dinner.com/plant-based-chicken-should-you-switch/
植物ベースのチキンと本物の比較。それは健康的?
Impossible FoodsとBeyond Meatのビーフバーガーはみんな見たことがあり食べてみた人もいるだろう。Chipotleでは植物ベースのチョリソーがあり最近はKFCで植物ベースのチキンを売っている。
まず基本から-プロテイン
-アミノ酸プロファイルの比較
次に栄養比較
-はっきりしたのは普通のチキンが最もタンパク質が多くナトリウムが少ないこと
(製品はSweet Earth、No Evil、Daring、Tofurky)
植物ベースのチキンに関する誤解
-野菜たっぷりという意味ではない
-ノンGMOやオーガニックを宣伝しているものもあるがこれらは健康とは関係なく、GMOチキンなどというものはない
環境影響については
どれを選ぶべき?どれでも