2022-06-09

[BfR] 現在、オンラインでも:BfR 世界食品安全年鑑

Now also online: The BfR World Food Safety Almanac

07.06.2022

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2022/21/now_also_online__the_bfr_world_food_safety_almanac-299439.html

「Safer food, better health」 - これは2022年6月7日の第4回世界食品安全デーのモットーである。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の世界食品安全年鑑がオンライン化されるには打ってつけの日である。オンライン版BfR世界年鑑は、食品及び飼料の安全性における各国の行政機構の概要を提供する。特に課題は、近年の食品の選択の複雑さである。BfR所長のDr Dr Andreas Hensel教授は、「複雑なグローバルサプライチェーンに沿った我々の食品及び飼料の安全性は、常に保証されなければならない。BfR 世界年鑑は、国際協力をより容易にすることで、この問題に重要な貢献をしている。」と述べる。

この年鑑はまた、既存の手法の統一を支援し、努力の重複を避けることも目的としている。結局、食品と飼料の安全性は、国や組織間の緊密な協力を伴う国際的なアプローチによってのみ保証することができる。

World Food Safety Almanac

https://worldfoodsafetyalmanac.bfr.berlin/index.php?title=Main_Page

現在、37カ国が「世界食品安全年鑑」に掲載されている。このプロジェクトは、今後さらに拡大され、さまざまな大陸の国々が含まれるようになる予定である。オンライン形式のため、各国は自国のプロファイルにアクセスすることができ、常に更新する責任を負う。

国連は、安全な食品の重要性に対する認識を高めるため、2018年に「世界食品安全デー」を開始した。世界保健機関(WHO)によると、毎年、世界の10人に1人が食品由来の疾患で倒れ、最悪の場合、命にかかわり、すべての国に影響を及ぼしている。

「世界食品安全デー」についての詳細は、以下。

https://www.who.int/campaigns/world-food-safety-day/2022

 

[EFSA]遺伝子組換えテンサイH7‐1の新しい配列情報のリスク評価

Risk assessment of new sequencing information for genetically modified sugar beet H7‐1

EFSA Journal 2022;20(6):7354 8 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7354

(声明)

遺伝子組換え生物に関するEFSAのパネル(GMOパネル)は以前、遺伝子組換え(GM)テンサイH7‐1株を評価している。このテンサイは意図した使用状況で、ヒトと動物の健康及び環境への潜在的な影響に関して、従来の同等種や市販のテンサイ品種と同様に安全で栄養があることがわかっている。2021年2月19日、欧州委員会はEFSAに、GMテンサイH7‐1株の新しい核酸シークエンシングデータや更新バイオインフォマティクスデータを分析するよう、また、GMテンサイH7‐1株の安全性に関するGMOパネルの以前の結論が依然として有効かどうか示すよう要請した。この新しい配列データは、申請EFSA‐GMO‐UK‐2004‐08やEFSA‐GMO‐RX‐006で提出された元の配列と比べて7つのヌクレオチドの違いを示した:5’ゲノム隣接領域の5つと挿入T‐DNA 領域の2つのヌクレオチド。もともと提出されたH7‐1イベントの配列とプラスミド配列の間の2つのミスマッチが、新たに得たH7‐1配列で確認された。提出されたデータの分析に基づき、EFSAはこの新たに報告された配列の違いは元々報告されたテンサイH7‐1イベント配列の配列決定時のエラーによる可能性が高いと考えた。この新しいシークエンシングデータや、新しい配列で行ったバイオインフォマティック分析は安全上の問題を生じなかった。従って、EFSAはテンサイH7‐1の元のリスク評価は依然として有効であると結論した。

 

[EFSA]カンナビジオールの新規食品評価、新しいデータが出るまで保留

Cannabidiol novel food evaluations on hold pending new data

7 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/news/cannabidiol-novel-food-evaluations-hold-pending-new-data

EFSAの科学者達は現在、カンナビジオール(CBD)の摂取に関連する潜在的なハザードについてのデータのギャップや不確実性により、新規食品としてのCBDの安全性を立証できない。

カンナビジオールは大麻草から得ることができ、化学的にも合成される物質である。欧州委員会は、CBDが新規食品に関するEU規則の要件を満たしていれば、新規食品として適格だと考えている。新規食品規制の下でCBDの申請が非常に多く提出されたことを受けて、委員会はEFSAにCBDの摂取がヒトに安全かどうかについての意見を述べるよう求めた。

データのギャップと不確実性

栄養・新規食品及び食物アレルゲンに関するEFSAの専門家パネル(NDA)は、新規食品として19件、CBDの申請を受け取っていて、準備中のものがさらにある。

NDAパネルの議長であるDominique Turck教授は述べた:「私達はCBD摂取に関するいくつかのハザードを特定しており、これらの評価を進める前に、これらの健康影響に関する多くのデータのギャップを埋める必要があると判断した。現時点で私達はCBDが食品として安全でないと結論したわけではないことを強調する。」

肝臓、消化管、内分泌系、神経系、人々の精神的な幸福に関するCBDの影響についてのデータが不足している。特に生殖に関する重大な有害影響が動物実験で示されている。これらの影響がヒトでも見られるかどうか判断することが重要である。

申請者への支援

EFSAの栄養及び食品革新の議長であるAna Afonso氏は述べた:「新規食品評価を中断することは、情報不足の場合、珍しいことではない。データのギャップを埋めるのは申請者の責任である。私達は彼らと協力して、不確実性に対処するのに役立つ追加情報の提出方法を説明している。」

フォローアップの一環として、EFSAはこの問題やより広く新規食品に興味のある申請者や他の団体あるいは個人に対して開かれた情報セッションを開催している。このオンラインイベントは6月28日に開催される―参加登録を!

 

・新規食品としてのカンナビジオールの安全性に関する声明:データのギャップと不確実性

Statement on the safety of cannabidiol as a novel food: data gaps and uncertainties

EFSA Journal 2022;20(6):7322  7 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7322

欧州委員会はカンナビジオール(CBD)を新規食品(NF)と見なすことができると判断し、現在19件の申請がEFSAで評価されている。これらを評価するなかで、CBDの安全性に関する結論を出す前に対処する必要のある知識のギャップがあることが明確になった。その結果、EFSAはCBDの摂取の安全性に関する既知の知識を要約し、より多くのデータを必要とする分野を強調するこの声明を発表した。安全上の懸念を特定するために動物とヒト両方の研究の文献検索が実施されている。多くのヒトの研究は、難治性てんかんを治療するために認可されているCBD 医薬品であるEpidyolex®で実施されている。医学的な状況では、利益が有害影響を上回れば有害影響は容認される。だがこれは、CBDをNFと考える際には受け入れられない。さらに、このCBDの申請において言及されているヒトのデータの多くは、治療の用量でEpidyolex (あるいはCBD)の有効性を調査した。これらの研究からNOAELを特定することはできなかった。CBDの受容体と経路の複雑さと重要性を考えると、NFとしてCBDを考える際に相互作用を考慮する必要がある。薬物代謝の影響を明確にする必要がある。様々なマトリックス中でのトキシコキネティクス、半減期、蓄積を調べる必要がある。肝臓、消化管、内分泌系、神経系および精神的機能に関するCBDの影響を明らかにする必要がある。動物実験から重要な生殖毒性が示され、これが一般的にヒトで、特に出産可能年齢の女性で発生する程度を評価する必要がある。重要な不確実性とデータのギャップを考慮して、パネルはNFとしてのCBDの安全性は今のところ立証できないと結論した。

 

・わかりやすい言葉の要約:新規食品としてのカンナビジオールの安全性に関する声明:データのギャップと不確実性

Plain-language summary: Statement on the safety of cannabidiol as a novel food: data gaps and uncertainties

7 June 2022

https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/action/downloadSupplement?doi=10.2903%2Fj.efsa.2022.7322&file=efs27322-sup-0001-Appendix-A.pdf

新規食品としてのカンナビジオールの安全性に関する声明

免責事項

このわかりやすい言葉の要約(PLS)は、EFSAの「新規食品としてのカンナビジオールの安全性に関する声明:データのギャップと不確実性」の簡素化された情報である。

このPLSの目的は、透明性を高め、簡素化された言葉を用いてこの話題に関するEFSAの作業について利害関係者に情報提供することである。

より詳細な評価と分析に関心のある人は、EFSAの声明全文を閲覧する必要がある。

カンナビジオール―概要

カンナビジオール(CBD)は大麻草から得ることができ、化学的に合成もできる物質である。

CBDは通常の医薬品治療に反応しない一部のてんかんを治療するための医薬品として認可されている。

医療環境以外では、欧州委員会(EC)は、CBD はEU規則で新規食品(NF)として適格だと考えている。

医学的な状況では、利益が有害影響を上回れば、CBDの有害影響は容認される。だが、食品では有害影響は受け入れられない。通常の摂取で安全だと立証される必要がある。

ECは欧州食品安全機関(EFSA)にCBDがNFとしてヒトに安全かどうかについての意見を述べるよう求めた。

2022年3月半ば現在、ECはNFとしての150件以上のCBDの申請を受け取っていて、そのうち19件は現在EFSAが評価中である。

EFSAはNDAパネルに何をするよう求めているのか?

自主的委託として、EFSAは栄養・新規食品及び食物アレルゲンに関するパネル(NDA)に、食品成分や食品サプリメントとしてのCBDの安全性について入手可能なデータを評価するよう求めた。

特に、EFSAはNDAパネルに、CBDの使用に関して存在するあらゆる情報のギャップを特定するよう求めた。

EFSAはこの作業をどのように実行したのか?

NDAパネルはNFとしてのCBD使用の安全上の懸念を特定するために動物とヒト両方の研究から得られた情報を分析した。これにはヒトのCBD研究の系統的レビューが含まれている。

NDAパネルはデータを要約し、NFとしてのCBDの安全性に関する結論を引き出すにはデータが不足している、または不十分だと考えられる分野を特定した。

主な結果は?

EFSAに提出されたデータと科学的文献の評価により、NDAパネルは、NFとしてのCBDの安全性に関する結論を出せる前に対処する必要のあるいくつかのデータのギャップと不確実性を特定した。

パネルはCBDの摂取に関連するいくつかのハザードを特定し、実験動物とヒトのデータ両方の欠陥を指摘した。

肝臓、消化管、内分泌系、神経系及び精神的機能に関するCBDの影響についてのデータは不十分で、これらのギャップに対処する必要がある。

動物実験から、特に生殖機能における重大な有害影響が示されている。これらの影響がヒトでも見られるかどうか判断することが重要である。

パネルは、NFとしてのCBDの安全性は現在立証できないと結論した。

現在入手可能なデータの制約は?

検索された研究(動物実験)は化学物質として純粋でないCBDで行われており、交絡データにつながる可能性がある(本来のCBDの影響を不正確に伝えたり不明瞭になる可能性がある)。

いくつかのヒトの研究は、同時に他の医薬品と一緒に、そしてデータに影響を及ぼす可能性のある高い治療の用量で患者に対して行われた。

CBDの申請において言及されているヒトのデータの多くは、時には有害影響が観察される、治療の用量でEpidyolexの有効性を試験した研究からとられている(すなわち、病気を治療するために必要な医薬品の量) 。

CBDの無毒性量はレビューされた研究から特定できなかった。

公衆衛生機関への影響と助言

データと不確実性にあるいくつかのギャップが特定され、更なる研究で対処する必要がある。

安全性評価と認証プロセスの一環でデータのギャップを埋める必要がある。

データのギャップを埋めるためにCBDベースのNFの承認を求めるのは申請者の責任である。

 

・情報セッション:新規食品としてのカンナビジオールの安全性:データのギャップと不確実性

Info-session: The safety of cannabidiol as a novel food: data gaps and uncertainties

https://www.efsa.europa.eu/en/events/information-session-applicants-safety-cannabidiol-novel-food-data-gaps-and-uncertainties

 

[FSA]プレスリリース

-FSAの研究は食費に対する懸念が高まっていることを示す

FSA research shows growing concern around the cost of food

7 June 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-research-shows-growing-concern-around-the-cost-of-food

英国食品基準庁(FSA)が本日発表した調査によると、英国では4人に3人が食費を将来の大きな心配事としていることが示された。

 

-90億ポンドの食中毒の課題に取り組む、新しい英国食品安全ネットワーク

New UK Food Safety Network to tackle £9 billion food poisoning challenge

7 June 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/new-uk-food-safety-network-to-tackle-ps9-billion-food-poisoning-challenge

食中毒は、英国が毎年最大90億ポンドを費やす食中毒問題に取り組むため、FSAとバイオテクノロジー・生物科学研究評議会(BBSRC)は、Quadram Instituteが主催する新しい食品安全ネットワークに160万ポンドを投資する。

 

-2022年6月のFSA理事会ペーパーが発表される

FSA Board meeting papers published for June 2022

6 June 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-board-meeting-papers-published-for-june-2022

FSA理事会の議題とペーパー。ウクライナ紛争によるサプライチェーンの混乱に対するFSAの対応、食品過敏症(FHS)、家計の食糧不安、遺伝子技術(精密育種)法案について等について。

 

[FSA]研究プロジェクト

ヒト食用の代替タンパク質

Alternative Proteins for Human Consumption

7 June 2022

https://www.food.gov.uk/research/research-projects/alternative-proteins-for-human-consumption

代替タンパク質の新興市場、影響の可能性、政策対応の可能性についての分析を示した報告書。

 

[FSAI] 約3分の2が、不適切な食品や劣悪な衛生管理に関する苦情の伝え方を知らない

Almost Two Thirds Unaware How to Make a Complaint about Unfit Food or Poor Hygiene Practices

Tuesday, 7 June 2022

https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/world_food_safety_day_07062022.html

調査により、アイルランドの成人のほぼ3分の2(61%)が、不適当な食品や不衛生な管理について当局への苦情の申し立て方法を知らないことがわかった。アイルランド食品安全局(FSAI)は世界食品安全デーに合わせ、新たなキャンペーン「See Something, Say Something」を開始する。

 

[FDA]プレスリリース

-FDAは世界食品安全デー2022を記念する

FDA Marks World Food Safety Day 2022

June 7, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-marks-world-food-safety-day-2022

 本日6月7日は世界食品安全デーであり、今年のテーマは 「Safer Food, Better Health」である。FDAの世界食品安全デーのページでは、この世界的な取り組みに参加する方法と、食品由来疾病から自分と家族を守る方法に関する情報を提供する。

https://www.fda.gov/food/consumers/world-food-safety-day

 

-2022年世界食品安全デーに世界保健機関(WHO)のヘルストークでのFDA副長官Frank Yiannas氏の発言

Remarks by FDA Deputy Commissioner Frank Yiannas on World Food Safety Day 2022 at the World Health Organization’s Health Talks

JUNE 7, 2022

https://www.fda.gov/news-events/speeches-fda-officials/remarks-fda-deputy-commissioner-frank-yiannas-world-food-safety-day-2022-world-health-organizations

 食品システムのデジタル化の重要性とFDAの取り組みについて、FDA副長官Frank Yiannas氏の発言。

 

-FDAは洪水や悪天候の影響を受けたヒト及び動物用食品生産者のための新しいリソースページを発表

FDA Releases New Resource Page for Human and Animal Food Producers Affected by Flooding and Severe Weather Incidents

June 6, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-releases-new-resource-page-human-and-animal-food-producers-affected-flooding-and-severe-weather

 米国食品医薬品局(FDA)は、ハリケーンや熱帯低気圧などの洪水や悪天候の影響を受けたヒト及び動物用食品生産者のための新しいオンラインリソースページを公開した。

 

[FDA]警告文書

-Valley View Milling LLC

MAY 17, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/valley-view-milling-llc-626198-05172022

薬用飼料のCGMP、不純品の問題。銅が155.6 ppm検出される。

 

-Zhoushan Haichang Co. Ltd

MAY 09, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/zhoushan-haichang-co-ltd-630966-05092022

水産製品のCGMP、不純品、衛生管理の問題。

 

-Hainan Golden Spring Foods Co. Ltd.

MAY 04, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/hainan-golden-spring-foods-co-ltd-629972-05042022

水産製品のCGMP、不純品、衛生管理の問題。

 

[ODS]実習

ODS Practicum

June 2021

https://odspracticum.od.nih.gov/

2022年 5月23~25日に行われたMary Frances Picciano ダイエタリーサプリメント実習のプレゼンテーション。視聴可能。

 

[CFIA] 2022年「世界食品安全デー」Duclos大臣の声明

Statement from Minister Duclos on World Food Safety Day 2022

June 7, 2022

https://www.canada.ca/en/food-inspection-agency/news/2022/06/statement-from-minister-bibeau-and-minister-duclos-on-world-food-safety-day-2022.html

 今年のテーマ「より安全な食品、より良い健康」は、食品の安全を守るために我々全員が果たすべき役割があると、カナダ国民に2022年の世界食品安全デーを呼び掛ける。

 

[MPI]食の安全を守る人々を称える時

A time to celebrate the people who keep our food safe

Date: 07 June 2022

https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/a-time-to-celebrate-the-people-who-keep-our-food-safe/

ニュージーランド食品安全副局長のVincent Arbuckleは世界食品安全デー(2022年6月7日)は、食品の安全を守るために日々努力している何千人ものニュージーランド人を称える良い機会だと、述べた。

 

[HK]CFSはマグロの切り身による食中毒を積極的に追跡調査する

CFS proactively follows up on food poisoning outbreak involving tuna fillet

Tuesday June 7, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220608_9538.html

食品環境衛生局食品安全センター(CFS)は本日(6月8日)、マグロの切り身を原因とする食中毒発生について、当該レストランを検査するなど積極的な追跡調査を行っていることを発表した。採取されたサンプルからは2 600 mg/ kgのヒスタミンが検出された。

 

[HK]2022年「食品安全デー」、食品処理中の手指衛生の維持を市民に呼びかけ(写真付)

Food Safety Day 2022 reminds public to maintain hand hygiene while preparing food (with photo)

Tuesday June 7, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220607_9532.html

CFSは、フードチェーンに沿った感染症の広がりを抑えるために、適切な手指衛生の重要性を食品業界と一般市民に呼びかけ、「食品安全デー2022」キャンペーンを開始した。

 

[HK]法令違反

-菜心のサンプルに基準値超過の残留農薬

Pesticide residue exceeds legal limit in Choisum sample

Tuesday June 7, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220607_9535.html

菜心のサンプルに基準値0.2 ppmを超える0.79 ppmのシハロトリンが検出された。

 

-包装された白パンのサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged White Bread sample not in compliance with nutrition label rules

Jun 7, 2022 (Tuesday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220607_9534.html

香港産の白パンのサンプルの飽和脂肪酸が1.4 g/100 gという表示のところ2.5 g/100 gの検出であった。

 

-新鮮な牛肉のサンプルから二酸化硫黄が検出される

Fresh beef sample found to contain sulphur dioxide

Monday, June 6, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220606_9529.html

CFSは本日(6月6日)、新鮮な牛肉のサンプルから、生肉への使用が許可されていない保存料である二酸化硫黄が110 ppm検出されたことを発表した。

 

[SFA]適正な食品安全実施の遵守に関する通達

CIRCULAR ON OBSERVING GOOD FOOD SAFETY PRACTICES

06 June 2022

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/food-retailing/sfa-food-safety-circular-jun-2022.pdf

シンガポール食品庁(SFA)は消費者に提供される食品が衛生的に調理され、安全に消費されるよう、必要な予防措置を講じるよう、すべての食品事業者に通達する。

 

[CDC]CDCはがんクラスターガイドライン案を公表しパブリックコメントを募集

CDC releases draft cancer cluster guidelines for public comment

May 31, 2022

https://www.cdc.gov/media/releases/2022/a0531-draft-cancer-cluster.html

CDC/ATSDRは「普通でないがんのパターンと環境上の懸念を検討するためのガイドライン」案を公表し、2022年7月25日までパブリックコメントを募集する

2013年のガイドラインからの変更は、より広範な環境上の懸念に対応したことと、暴露の可能性とがんについての評価を進める基準としての統計学的有意差を重要視するのをやめたこと。

詳細は以下から

Cancer Cluster Guidelines

https://www.cdc.gov/nceh/clusters/guidelines.htm

 

[IARC]IARCモノグラフ会合-134巻発表

IARC Monographs Meetings – Volume 134 is announced

https://www.iarc.who.int/news-events/iarc-monographs-meetings-volume-134-is-announced/

2023年6月6-13日

対象はアスパルテーム、メチルオイゲノール、イソオイゲノール

IARC Monographs – Volume 134

https://monographs.iarc.who.int/iarc-monographs-volume-134/

アスパルテーム摂取の健康影響評価

アスパルテームは1980年代からよく使われている人工甘味料で、その健康影響は1981年にJECFAが評価している。IARCによるハザード同定はこれまで行われたことはない。

新たな研究が入手可能になったことから、アスパルテームがIARCとJECFAで評価の優先順位が高いと助言された。両者の評価は補完的である。IARCはアスパルテームの発がん影響の可能性を評価する(ハザード同定)だろう、一方JECFAはADIや食事暴露評価を含むリスク評価を更新するだろう。

IARCのハザード同定は2023年の6月6-13日、JECFAのリスク評価は2023年6月27日から7月6日に予定されている。この一連の評価とIARCモノグラフとJECFA事務局の緊密な協力は、最新の入手可能な根拠に基づいたアスパルテーム摂取の包括的健康影響評価を可能にするだろう。

(微細結晶を鼻から吸入した刺激で発がん性有りと結論するのがIARCだからいまいち信用できない、そもそもJECFAのリスク評価にハザード同定は含まれているのでIARCのがんだけに特化したハザード誇大宣伝はいらない)

 

[HSA]HSA警告:オンラインで販売されていたおむつかぶれ用Starクリームを使って乳児が重大な有害反応で入院

HSA Alert: Infant Hospitalised For Serious Adverse Reaction After Using Star Cream Sold Online For Diaper Rash

https://www.hsa.gov.sg/announcements/press-release/StarCream-infant-hospitalised-for-serious-adverse-reaction

「オールナチュラルハーブ抽出物」「ステロイド無し」と宣伝されていた‘Star Cream (星星膏)’でクッシング症候群。HSAの調査で強力なステロイドであるプロピオン酸クロベタゾールとケトコナゾールが検出された

PDFに製品の写真あり

(皮膚科領域のステロイドの恐怖を煽るデマはどれだけたくさんの被害者を出したことだろう?)

 

論文

-環境化学物質がどうハゲワシに影響しているか?

How are environmental chemicals affecting vultures? 

8-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/954988

ハゲワシは長生きで死体を食べる動物なので慢性的化学物質暴露されやすい。Environmental Toxicology and Chemistry に発表されたレビューが旧世界ハゲワシ集団の化学ハザードをまとめた

Old World Vultures Reflect Effects of Environmental Pollutants Through Human Encroachment

https://setac.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/etc.5358

オープンアクセス

DDT、PCB、有機リン、殺鼠剤、PFAS、動物用医薬品、鉛等の検出について

 

-鶏へのワクチン接種はケニアの子どもたちの栄養と成長に利益を示す

Chicken vaccination shows benefits for nutrition, growth in Kenyan children

8-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/955256

ケニアの地方で農業に依存している家族が家で飼っている鶏に予防接種をすることは卵や肉を入手しやすくし、小さい子どもの成長を促す。PNAS

(そういえば昔、それぞれの家でワクチン接種していた、卵は卵問屋が回収に来た)

 

-電子タバコとタバコの害についての人々の認識が、EVALIの流行とCOVID-19パンデミックの間に急激に変化したことを研究が示す

Study shows public perception of e-cigarettes vs. cigarettes harms changed sharply during EVALI epidemic and COVID-19 pandemic

8-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/955282

American Journal of Preventive Medicineに発表された米国がん学会の研究者らによる研究。米国成人の、電子タバコはタバコより害が大きいと考える人が2019年から2020年に2倍以上になり、電子タバコは害が少ないという認識は2018年から2020年の間に減った。またタバコの使用増加は電子タバコの方がタバコより有害だと考える人に限定されることなども発見した。2019年後半はEVALIの流行、2020年はCOVID-19パンデミックがあった。

 

-金属誘導性エネルギー転移を伴う等方性三次元二重着色超高分解能顕微鏡

Isotropic three-dimensional dual-color super-resolution microscopy with metal-induced energy transfer

JAN CHRISTOPH THIELE, et al., SCIENCE ADVANCES 8 Jun 2022 Vol 8,Issue 23

https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abo2506

細胞内構造の高精細高分解能解析

 

その他

-CCDC週報 

CCDC Weekly Vol. 4 No. 22 June 3, 2022

https://weekly.chinacdc.cn/fileCCDCW/journal/img/cover/c38564e4-e4bb-4bb2-adab-7e46b8f2d2be.pdf

世界食品安全デー特集

・冷凍食品関連検体のSARS-CoV-2汚染のサーベイランス-中国、2020年7月から2021年7月

Surveillance of SARS-CoV-2 Contamination in Frozen Food-Related Samples — China,

July 2020 – July 2021

検査した検体は5583万件以上でそのうち1455件がSARS-CoV-2の核酸陽性。ウイルス陽性検体のうち96.41%の1398件は食品/食品包装からの検出、52件は環境からの検出。食品/食品包装から検出された1398件中1391件は輸入品。1101件が食品の外側の包装。

・Vibrio parahaemolyticus O10:K4: An Emergent Serotype with Pandemic Virulence Traits as Predominant Clone Detected by Whole-Genome Sequence Analysis — Beijing Municipality, China, 2021

・世界食品安全戦略:中国での履行ロードマップ開発の必要性

Global Food Safety Strategies: Need to Develop Roadmap of Implementation in China

Yongning Wu.

China CDC Weekly, 2022, 4(22): 478-482.

・中国での輸入冷凍食品に関連したCOVID-19アウトブレイク:状況と課題

COVID-19 Outbreaks Linked to Imported Frozen Food in China: Status and Challege

輸入冷凍食品の外側の包装のSARS-CoV-2汚染がアウトブレイクの引き金となった事例が7つあると報告(市場労働者や運搬人がインデックスの場合は食品のせいらしい。その人が食品を汚染した可能性は無いんだ)

(食品安全デー特集号の4つの記事のうち2つを新型コロナウイルスが冷凍食品を介して外国から来たという主張に使う。さすが中国。)

 

-SMC UK

魚摂取と悪性黒色腫リスクを調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at the consumption of fish and risk of melanoma

JUNE 9, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-the-consumption-of-fish-and-risk-of-melanoma/

Cancer causes and Controlに発表された研究が魚摂取と悪性黒色腫リスクを調べた

英国栄養財団上級栄養科学者Stacey Lockyer博士

皮膚がんの主な原因は紫外線で、他に臓器移植後の免疫抑制剤やHPVウイルス、特定化学物質への職業暴露などがある。食事とライフスタイルの皮膚がんリスク要因としては2019年のWCRFが飲料水中のヒ素に強い根拠があることを報告している。

このLiらによる研究は多くの人を長期間フォローして、魚の総摂取量の多さと悪性黒色腫のリスクに正の関連を報告した。著者らはPCBのような魚の汚染物質が理由かもしれないと提案しているがこの研究での根拠は無い。これは観察研究で因果関係は確立できない。またいくつかの限界がある。健康的なバランスのとれた食生活には魚を含むべきだ。政府の皮膚がん予防助言は日焼けを避けることである

King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授

この論文は週に1-2食分のほどほどの魚を食べることが米国の悪性黒色腫リスクの僅かな増加と関連することを報告している。悪性黒色腫は特に子どもの頃の紫外線暴露と関連することがよく知られている。この研究では住んでいる地域で紫外線を調整しているが個人の暴露量は調整されていない。娯楽としての魚釣りは紫外線曝露が多く、釣りをする人は魚を多く食べると予想される。著者らは、可能性の低い汚染物質について仮説を述べているがこの釣りとの関連の可能性については議論していない。

ロンドンがん研究所遺伝学と疫学上級研究員Michael Jones博士

この食事と健康大規模米国観察研究はたくさんの論文を出してきていて、491367人の男女を約15年フォローした。悪性黒色腫は5000例以上、melanoma in-situは3200例。

このグループは2011年の初期報告で悪性黒色腫と魚摂取量の多さに関連があることを発見していて今回はそれを拡大したものである。著者らは揚げていない魚とマグロの摂量の多さが悪性黒色腫を関連することを発見した。揚げていない魚とマグロの摂量が多い人に悪性黒色腫のリスクを上げるような他のライフスタイル要因が多い可能性はある。著者らは汚染物質によるかもしれないと仮説をたてているが測定はしていない。どんな研究であっても一つの研究だけで考えるべきではなく他の集団でも再現性があるかどうかの研究は必要である。一般的に魚を含む健康的でバランスのとれた食生活の薦めを変えるべきではない

Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授

この研究は現行の食事助言を変更するものではない

Aston医科大学上級講師Duane Mellor博士

食事摂取は食品頻度質問表でたった1回しか測定されておらず15年で変わった可能性は考慮されていない

Queen Mary University of Londonがん検診教授Stephen Duffy教授

これは人目を引く結果でおそらく答えより質問を多く提示する。推定される魚摂取のリスクは小さく、中央値の摂取量から1200%増えることと悪性黒色腫リスクのたった22%の増加が関連する。釣りやその他レジャーや職業との交絡がある可能性が想定できる。さらに揚げた魚ではリスクが増加せずむしろ下がることに説明が必要であろう。食事と関連するリスクの推定には食事要因と他のリスク要因に多数の関連があり困難に満ちている。

 

-Natureキャリア特集

科学の労働環境での体格差別の棘

The sting of sizeism in the scientific workplace

06 June 2022  Carrie Arnold

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01536-y

体格のいい研究者が体重バイアスがキャリアと福祉を傷つけているという。職場が変わることで烙印が減らせる

(3XLサイズの白衣が準備されていないことが差別、肥満の人は疲れやすいからゲル入りの床材に、医者に食生活の問題を指摘されたのがストレス、等。Nature本気で言ってるのかな。性や肌の色と肥満が同じ?科学者が、全く理由がないのに体重が増えたと主張する。肥満問題がなくならないわけだ。)