2022-06-14

[EFSA]意見等

-新規食品としてのビタミンDキノコ粉末の安全性

Safety of vitamin D mushroom powder as a Novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283 (NF 2019/1471)

EFSA Journal 2022;20(6):7326 10 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7326

(科学的意見)

欧州委員会からの要請を受けて、栄養・新規食品及び食物アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、規則(EU) 2015/2283に従って新規食品(NF)としてビタミンD2キノコ粉末に関する意見を出すよう求められた。このNFは、プロビタミンD2(エルゴステロール)のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)への変換を誘発するために紫外線(UV)に照射したマッシュルームから生産された。このNFは125–375 µg/gの範囲でビタミンD2の形でビタミンDを含んでいる。このNFの生産工程、組成、規格について提供された情報は、安全上の懸念を生じない。申請者は、消費される食品100 g あるいは100 mLに対してビタミンD2を1.125 または 2.25 µgとなる量で、様々な食品や飲料に成分としてこのNFを添加することを意図している。申請者は、最大10 µgビタミン D2/日で生後7~11ヶ月の乳児用、15 µg ビタミン D2/日で1歳以上の個人用の食品サプリメントに、同様に特定医療目的用食品(FSMPs)や体重管理用完全代替食に、このNFを添加することも意図している。成人集団では、FSMPの最大使用目的量は15 µg ビタミン D2/日で、体重管理用完全代替食では1食あたり5 µgビタミン D2である。パネルはこのNFは提案した使用条件で安全だと結論している。ビタミンD強化食品製品が年々増えていることや、高用量ビタミンDサプリメントの販売を考慮して、パネルは一般集団のビタミンDへの計算された複合暴露に関する不確実性に留意している。 

 

-高密度ポリエチレンボックスパレットを食品と接触する物質にリサイクルするために使用されるKunststof Recycling Nederland (KRN)プロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Kunststof Recycling Nederland (KRN), used to recycle high density polyethylene box pallets for use as food contact materials

EFSA Journal 2022;20(6):7362  10 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7362

(科学的意見)

食品と接触する物質・酵素及び加工助剤に関するEFSAのパネル(CEP)は、リサイクル工程Kunststof Recycling Nederland (KRN) (EU 登録番号 RECYC251)の安全性を評価した。原料は食肉包装用の閉じて管理された製品ループから生じる高密度ポリエチレン(HDPE)でできたボックスパレットである。食品接触用の新しいボックスパレットを生産するのにフレークが使われる。パネルは、投入から最終製品まで完全なトレーサビリティを提供するための管理システムと、原料の委員会規則(EC) No 282/2008遵守を保証することが重要だと考えた。申請者によると、このプロセスKRNのインプットは、食品と接触することを意図している材料だけが使用され、申請者が記載した条件で行った場合に汚染物質が除外できることを保証するようにデザインされた、閉じた管理チェーンの製品ループ由来である。パネルは、このリサイクルプロセスKRNは、冷蔵または冷凍、包装済または包装されていない食肉と接触して使用されることを意図したリサイクルHDPEボックスパレットの製造に適していると結論した。

 

-規則(EU) 2015/2283に従って新規食品としての亜鉛l‐カルノシンの安全性と、食品サプリメントに関する指令2002/46/ECに照らしてこの供給源に由来する亜鉛の生物学的利用能

Safety of zinc l‐carnosine as a Novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283 and the bioavailability of zinc from this source in the context of Directive 2002/46/EC on food supplements

EFSA Journal 2022;20(6):7332  10 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7332

(科学的意見)

欧州委員会からの要請を受けて、栄養・新規食品及び食物アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、規則(EU) 2015/2283に従って新規食品(NF)として、また食品サプリメントに使用する亜鉛源として、亜鉛l-カルノシンに関する意見を出すよう求められた。このNFは化学合成により生産され、亜鉛源として食品サプリメントでの使用が提案されている。申請者が提案する対象集団は妊婦と授乳中の女性を除く12歳以上の個人である。この申請の対象であるこのNFは、Zn2+ と l‐カルノシンの間で形成されたキレート錯体で、単量体と二量体の混合物として存在している。この素材は粒子状の粉末で、中性pHで水に溶けない。申請者は比較種として既存の亜鉛源を用いた関連データを入手できておらず、提案された使用量でこのNFにより提出された亜鉛の実際の生物学的利用能は不明のままである。このNFのナノ粒子を含む小さな粒子の画分の正しいキャラクタリゼーションがないことにより、パネルはこのNF中の成分粒子サイズの規定制限を評価する立場にない。このNFを構成する粒子のサイズ分布や物理化学的特性に関する情報がないため、パネルは申請者が提出したADME試験や毒性学的試験がこのNFの安全性を評価するのに適切かどうかを確認する立場にない。パネルは、このNFは吸収されて亜鉛を提供するが、十分に特性を記されていない粒子状であるため、その安全性は確立されておらず、その生物学的利用能は決定されていないと結論している。

 

-Aspergillus niger由来食品酵素グルカン 1,4‐α‐グルコシダーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme glucan 1,4‐α‐glucosidase from Aspergillus niger

EFSA Journal 2022;20(6):7383  10 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7383

(科学的意見)

この食品酵素グルカン 1,4‐α‐グルコシダーゼ(4‐α‐d‐グルカン グルコヒドロラーゼ, EC 3.2.1.3)はBeijing Shifa Technology & Trade Co., Ltd社がAspergillus nigerの非遺伝子組換え株で生産した。この食品酵素は焼成工程、シリアルベース工程、醸造工程、ジュース生産の果物と野菜の加工、蒸留アルコール生産、グルコースシロップや他のデンプン加水分解物の生産のためのデンプン加工、酵母加工に使用することを意図している。食品酵素の供給源、生産方法、科学的特性評価、潜在的なアレルギー誘発性の特性を記すためのデータが不十分で、毒性学的データの研究報告書がなく、食品製造工程についての情報が不十分なことと相まって、パネルはAspergillus nigerの未知の株由来食品酵素グルカン 1,4‐α‐グルコシダーゼの安全性を評価できなかった。

 

-ジャガイモのセダキサンの既存MRL改訂

Modification of the existing maximum residue level for sedaxane in potatoes

EFSA Journal 2022;20(6):7371 9 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7371

(理由付き意見)

 

[EU]RASFF 2022(0605-0611)

警報通知(Alert Notifications

インド産グルコン酸亜鉛のエチレンオキシド、ドイツ産有機煎った塩味ピーナッツのクロルピリホス、スペイン産食品サプリメントのアロエエモジン及び2種類のヒドロキシアントラセン誘導体、ベラルーシ産シロップ状食品サプリメントのソルビン酸、スロバキア産食品サプリメントのテトラヒドロカンナビノール(THC)高含有、中国産緑茶のアントラキノン、ボリビア産ブラジルナッツのアフラトキシン、

注意喚起情報(information for attention

トルコ産ナスのホルメタネート、ロシア産シロップ状食品サプリメントのソルビン酸及び安息香酸、スペイン産缶入りヒマワリ油漬マグロのヒスタミン、オンライン販売されている食品サプリメントの未承認物質1,3-ジメチルアミルアミン(DMAA)・禁止物質ヨヒンビン塩酸塩及び未承認新規食品成分インドジャボク抽出物、オンライン販売されている食品サプリメントの禁止物質イブタモレン、トルコ産レモンのプロクロラズ、米国産食品サプリメントの2-クロロエタノール、イタリア産セロリの葉のリニュロン及びジチオカルバメート、ベトナム産レッドチリペッパーのクロルピリホスエチル、トルコ産ベルピーマンのクロルピリホスメチル、トルコ産生鮮レモンのメチルパラチオン及びクロルピリホスメチル、中国産ニンニクのトリアジメノール、トルコ産乾燥アプリコットのオクラトキシンA、、トルコ産レモンのプロクロラズ及びプロピコナゾール、

通関拒否通知(Border Rejections

南アフリカ産トマトソースの未承認着色料サンセットイエローFCF(E110)とアゾルビン(E122)及び保存料高含有(E200とE210の合計)、エジプト産殻つきピーナッツのアフラトキシン、イラン産殻つきピスタチオのアフラトキシン、イラン産マレイヤーサルタナノーマルベリーのクロルピリホス、韓国産インスタント麺・調味料ソース及びスパイス粉末のエチレンオキシド、英国産食品サプリメントのエチレンオキシド、トルコ産クミンのピロリジジンアルカロイド、パキスタン産ゼラチンのセミカルバジド(SEM)、トルコ産レモンのクロルピリホスメチル・酸化フェンブタスズ・プロクロラズ及びプロピコナゾール(複数あり)、インドネシア産ナツメグのアフラトキシン、

 

[EU]査察報告

-フランス―オーガニック生産及びオーガニック製品の表示

France 2021-7301―Organic production and labelling of organic products

10/06/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4482

2021年3月8~23日に実施した、オーガニック生産の管理やオーガニック製品の表示を評価するためのフランスの査察結果。フランスにはオーガニック規則の主な要件に従う管理システムが設定されており、管轄機関と管理団体は文書化された手順とITシステムに基づいて管理・認証業務を行っている。追加検査やサンプリングする事業者の選択が適切とは限らないが、必要最小数より多くの追加検査を実施しているため、弱点は軽減されている。だが植物保護製品が検出された際の、管理団体が行うフォローアップや調査、違反事業者に対する措置が管理システムの効果を下げている。深刻な違反の疑い・検出事例を管理団体はすぐに通知しないため、オーガニック農業情報システムを通して委員会や他の加盟国に通知する管轄機関の可能性が制限されている。

 

-韓国―水産物

Korea, Republic of 2021-7167―Fishery products

09/06/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4480

2021年12月6~20日に実施した、韓国のEU輸出用水産物の生産状況がEU法の要件に従っているかどうかを評価するための査察結果。韓国で現在実施されている公的管理システムは、ほぼ必要な保証を提供できている。施設や漁船の公的管理に関する協定は一般に満たされており、EU輸出用水産物の輸出前検査は適切である。特定の関連する汚染物質や、前回の査察の助言の対象だが対処されていなかった生産チェーンの一部を公的管理の範囲から除外していて、管轄機関の能力を弱めている。EU輸出用水産物の生産に使用される輸入原材料の適格性を確保するための対策は、EUの要件から逸脱し国内要件の遵守に基づくものであるため、信頼できる保証を提供できない。

 

[BfR]BfRコロナモニター

BfR-Corona-Monitor | 7–8 June 2022

https://www.bfr.bund.de/cm/349/220609-bfr-corona-monitor-en.pdf

 

[CDC]薬物使用と治療計画で評価された18才以上の成人の特徴-米国、2019年

Characteristics of Adults Aged ≥18 Years Evaluated for Substance Use and Treatment Planning — United States, 2019.

Kacha-Ochana A, et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2022;71:749–756.

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7123a1.htm?s_cid=mm7123a1_w

2019年には6580万人のアメリカ成人が暴飲、3580万人が過去一ヶ月以内の違法薬物あるいは処方鎮痛剤誤用を報告している。薬物使用疾患の人は過剰使用やその他の害のリスクが高い。

2019年に薬物使用治療について評価された成人のうち、過去30日以内にアルコール使用35.8%、複数薬物使用32.6%が最も多く報告された、深刻な問題は複数の生物社会ドメインに渡って報告された(精神的、医学的、家族問題等)。

(組み合わせではアルコールと大麻が最も多い)

 

[ProMED]原因不明の毒素-アルジェリア:(SKIKDA)キャンディ疑い、情報求む

Undiagnosed toxin - Algeria: (SK) candy susp, RFI

2022-06-10

https://promedmail.org/promed-post/?id=8703764

Date: Mon 6 Jun 2022 Source: Al-Chorouk Online [in Arabic, machine trans., edited]

2022年6月5日の早朝から、SkikdaのAbdelkader Natour病院の救急が23才から57才の18人を発熱、下痢、嘔吐の重症中毒症状で受け入れた。患者の発生は散発的で時間が異なる。彼らは同じ費に市の店舗でキャンディとスナックを食べている。保健当局が調査を開始している。他の情報源によると患者は約30人になった

 

[FSAI]未承認農薬であるエチレンオキシド検出のためLucky Me Instant Pancit Canton Noodlesの一部をリコール

Recall of a Batch of Lucky Me Instant Pancit Canton Noodles due to the Presence of the Unauthorised Pesticide Ethylene Oxide

Thursday, 9 June 2022

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/pancit_cantoon_noodles_recall.html

タイ産Lucky Me Instant Pancit Canton Noodles に、未承認の農薬であるエチレンオキシドが含まれていたため、リコール。製品写真あり。

 

[FDA]消費者向け情報

-ホクロやその他の皮膚病変をとり除くと宣伝されている製品は傷害や瘢痕の原因となり得る

Products Marketed for Removing Moles and Other Skin Lesions Can Cause Injuries, Scarring

06/09/2022

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/products-marketed-removing-moles-and-other-skin-lesions-can-cause-injuries-scarring

現在ホクロや脂漏性角化症あるいはスキン・タグ(軟性線維腫)を治療するするためのFDAが認可した処方薬あるいはOTC薬は存在しない。これらをとり除くと宣伝して販売されている製品は危険な可能性がある。

ホクロやスキンタグを美容目的で除去すると宣伝されている製品は通常高濃度のサリチル酸あるいは他の危険な可能性のある物質を含む。これら製品は皮膚病変をとり除かないだけではなく、とり除かれ場合でも周囲の皮膚に永続する瘢痕や脱色を残す場合がある。時にはもとの病変よりさらに目立つことになる。

「ナチュラル」や「オーガニック」は無害を意味しない

 

-乳児用調製乳の供給

Infant Formula Supply

6/11/2022

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/infant-formula-supply

 FDA と政府のパートナーは、乳児用調製乳の供給が正常に戻るまでの間、乳児へミルクを与えるのに役立つ情報リソースを作成した。

 

[FDA]プレスリリース

-FDA乳児用調製乳情報更新:2022年6月10日

FDA Infant Formula Update: June 10, 2022

June 10, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-infant-formula-update-june-10-2022

 米国食品医薬品局(FDA)は、米国内で入手可能な乳児用調製乳の増加につながる追加措置についての最新情報を提供する。スペインAbbott社製品が追加対応された。

 

[ヘルスカナダ]基準改定

- Dacryopinax spathularia MUCL 53181 由来の長鎖糖脂質を各種非アルコール飲料に使用できるよう許可保存料リストの修正通知

Notice of Modification to the List of Permitted Preservatives to Enable the Use of Long-Chain Glycolipids from Dacryopinax spathularia MUCL 53181 in Various Non-Alcoholic Beverages - Reference Number: NOM/ADM-0184

2022-06-10

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/notice-modification-list-permitted-preservatives-long-chain-glycolipids-dacryopinax-spathularia-various-non-alcoholic-beverages.html

ヘルスカナダの食品局はDacryopinax spathulariaa(ツノマタタケ) MUCL 53181由来の長鎖糖脂質を様々な標準化および非標準化非アルコール飲料の保存料として使用することの承認を求める食品添加物の申請に対する市販前安全評価を完了した。2022年6月10日より、許可保存料リストが変更された。

 

-ジェランガムの飲料用ホワイトナーへの使用拡大のための乳化剤、ゲル化剤、安定化剤、増粘剤の許可リストの修正に関する通知

Notice of Modification to the List of Permitted Emulsifying, Gelling, Stabilizing or Thickening Agents to Extend the Use of Gellan Gum to Beverage Whiteners - Reference Number: NOM/ADM-0183

2022-06-03

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/notice-modification-list-permitted-emulsifying-gelling-stabilizing-thickening-agents-gellan-gum-beverage-whiteners.html

ヘルスカナダの食品局は、フレーバーコーヒー用ホワイトナーへのジェランガム使用の承認を求める食品添加物申請の市販前安全性評価を完了した。2022年6月3日より、ジェランガムの使用範囲を拡大した。

 

[ヘルスカナダ]カナダ政府は個々のタバコに健康上の警告を印刷することを提案する

Government of Canada proposes to print health warnings on individual cigarettes

2022-06-10

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2022/06/government-of-canada-proposes-to-print-health-warnings-on-individual-cigarettes.html

カナダ政府は、国民の健康を守り、たばこを吸うことによる健康へのリスクについて常に情報提供するさらなる取り組みのため、たばこやその他のたばこ製品の包装に印刷されている健康に関するメッセージや画像を更新することを提案する。

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2022/06/proposed-tobacco-product-packaging-and-labelling-regulations.html

 

[HK]マカオでCOVID-19ウイルス陽性と判定された輸入冷凍アヒルタンのサンプルを追跡調査する

CFS follows up on imported frozen duck tongue sample tested positive for COVID-19 virus in Macao

Friday, June 10, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220610_9544.html

食品環境衛生署食品安全センター(CFS)はは本日(6月10日)、マカオでCOVID-19ウイルスが検出されたポーランドからの輸入冷凍アヒルタンのサンプルについて、積極的に追跡調査を行っていると発表した。

 

[SFA]エビやキノコ及びその他農場、養殖場を支援

Giving Shrimp, Mushroom, and Other Farms an Added Boost

09 Jun 2022

https://www.sfa.gov.sg/food-for-thought/article/detail/giving-shrimp-mushroom-and-other-farms-an-added-boost

新たに強化されたAgri-food Cluster Transformation (ACT) 資金を活用した、より多くの地元農場が能力、容量、持続可能性を強化するための変革プロジェクトについて紹介。

 

その他

-Science

ニュースを一目で

News at a glance:

・アフリカブタ熱ワクチン

ベトナム農業大臣が先週ASFワクチンを限定的に認可した。60万頭の豚に与えて結果を見てから全国で使うかどうか決める

・低線量放射線の研究を強く求める

科学アカデミーの報告書。資金提供をするかどうかを決めるのは議会

・ミツバチは「魚」として保護される

マルハナバチ4種がカリフォルニアの絶滅危惧種保護法で保護される。これまで昆虫は保護対象ではなかったが魚の定義に穴がありそこに適用された。この判断を保全団体は歓迎しているが農業団体は嘆いている

・コメが鶏を家畜化した

PNASに発表された研究が、コメを栽培していなかったら鶏はいなかっただろうことを示した

・PCBの削減は成績が悪い

 

一連のライフスタイル毎の乳児の腸のマイクロバイオーム組み立ての頑健な多様性

Robust variation in infant gut microbiome assembly across a spectrum of lifestyles

MATTHEW R. OLM  et al.,

SCIENCE 9 Jun 2022 Vol 376, Issue 6598 pp. 1220-1223

乳児のマイクロバイオームの内容については先進工業国でよく研究されているが途上国ではあまりわかっていない。我々はタンザニアのHadza狩猟採集者の便検体を詳細に配列決定し世界的なメタ解析で解析した。乳児のマイクロバイオームはライフスタイルに関連した軌跡で発達し、Hadzaの乳児の腸に検出されたゲノムの20%は新種であった。工業国の乳児はたとえ母乳を与えられていてもBifidobacterium infantisが少ないことが特徴である。ライフスタイル関連分類学的グループ中の系統は母子で共有されていて、ライフスタイルで形作られるマイクロバイオームの人生の初期における遺伝性に一致する。乳児のマイクロバイオーム組成と機能の集団による違いは、マイクロバイオーム研究は先進工業国以外の人々で研究することの重要性を強調する

このような差が子どもの健康や発達に影響するのかどうかはまだ謎である。

 

-THE LANCET

中国の長引くロックダウン後の精神衛生

Mental health after China's prolonged lockdowns

THE LANCET EDITORIAL| VOLUME 399, ISSUE 10342, P2167, JUNE 11, 2022

中国では長い間精神衛生は無視されてきた

The Lancetは中国の精神衛生に関する委員会をつくり、2023年までに報告する予定

 

米国の乳児用調整乳危機がFDAへの精査を強化する

US infant formula crisis increases scrutiny of the FDA

Susan Jaffe

WORLD REPORT| VOLUME 399, ISSUE 10342, P2177-2178, JUNE 11, 2022

母乳代用品不足を受けて、民主党と共和党両方が変化を求める

米国の主要乳児用調整乳製造業者が、4ヶ月の閉鎖を経て6月4日に一部操業を再開したが、供給の正常化にはまだ数週間かかるだろう。FDAがいつ信頼を回復できるかは又別の問題である。

(内部告発の扱いとか環境からの別の系統の菌の検出をどう評価するのか、等、簡単ではないだろうに)

 

-Natureダイジェスト(日本語サイト)

脳スキャンに基づく研究結果の多くは信頼性不足

https://fc3949.cuenote.jp/c/adwkaj4DzF1Vs8cf

 

-SMC NZ

魚を食べると悪性黒色腫のリスクが上がる?-専門家の反応

Could eating more fish raise your melanoma risk? – Expert Reaction

10 June 2022

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2022/06/10/could-eating-more-fish-raise-your-melanoma-risk-expert-reaction/

魚を多く食べる人-1日にツナ缶半分程度-はもっと少なく食べる人より悪性黒色腫のリスクが22%高い、米国の大規模研究の驚くべき結果

研究チームは魚に含まれる水銀などの汚染物質がこの関連を説明する可能性があると想像しているが、それについてはこの研究では検討していない。著者らは悪性黒色腫の重要なリスク要因である日光関連行動などを考慮していないため、この研究のみを根拠に魚を食べる量を減らすことは助言していない。

SMCは専門家に尋ねた

オークランド大学医学部准教授補佐でWaikato地方医療局皮膚科医Amanda Oakley

この研究は予備的なものでニュージーランドの魚食習慣に影響すべきではない。ニュージーランドの悪性黒色腫のほぼ全てが日光の紫外線暴露によるものである。悪性黒色腫の一次予防には日焼けからの保護を強調すべきである。皮膚に見慣れない病変があったら病院に行くこと

ニュージーランド皮膚科学会前会長で皮膚科医Louise Reiche博士

この観察研究は魚の摂取量の多さと悪性黒色腫リスクに統計的関連を示したが多くの確立されている悪性黒色腫リスク要因を考慮していない。ニュージーランド人は皮膚を日光から守り、バランスのとれた食事をするように。

 

-SMC AU

専門家の反応:魚を多く食べることと悪性黒色腫リスクの高さが関連するかもしれない

EXPERT REACTION: Eating more fish may be linked to higher melanoma risk

9 Jun 2022

https://www.scimex.org/newsfeed/eating-more-fish-may-be-linked-to-higher-melanoma-risk

Springer Natureからのプレスリリース

魚を多く食べることは悪性黒色腫リスク増加に関連するかもしれない

(略)

専門家の反応

Newcastle大学運動と栄養優先研究センター所長代理で健康科学部研究部長、NHMRC上級研究フェローClare Collins教授

この結果はコホート研究からのものでつまり観察研究であり因果関係は言えないが虫はできない。いくつかの要因について補正を試みてはいるが紫外線は居住地のみに基づく、などである。汚染物質の役割についての検討が必要である。魚を食べることは健康上の利点があるため、私のオーストラリア人への助言は、近海で獲れた魚を食べよう、である。

オーストラリア悪性黒色腫研究所長Matthew Browne

オーストラリアでは6時間に1人が悪性黒色腫で死亡しているので、予防のためのメッセージを混乱させたり曇らせたりしないことが重要である。科学的根拠は明確である-日光への暴露が単一で最大の悪性黒色腫のリスク要因である。全てのオーストラリア人が悪性黒色腫リスクを減らすために日光安全な制圧をすることが重要である。

(魚はともかく、オーストラリアとニュージーランドに住む白人って原子力発電所事故後の避難指示区域に住んでいるよりがんのリスク高いんだけど、誰も騒がない。)

 

-Foxニュースが炭水化物肥満の原因説を焼き直す

Fox News Rehashes The Carbs-Cause-Obesity Thesis

By Cameron English — June 13, 2022

https://www.acsh.org/news/2022/06/13/fox-news-rehashes-carbs-cause-obesity-thesis-16364

 

肥満を増やしているのは食べ過ぎではない、食事中の多すぎる炭水化物だ、研究者らが言う

Overeating isn’t fueling obesity, it’s too many carbohydrates in our diet, researchers say

June 7, 2022 By Shiv Sudhakar | Fox News

https://www.foxnews.com/health/overeating-obesity-carbohydrates-diet-researchers

American Journal of Clinical Nutritionに発表されたハーバードの内分泌科医David Ludwig博士らの主張についての報道

The carbohydrate-insulin model: a physiological perspective on the obesity pandemic

https://academic.oup.com/ajcn/article/114/6/1873/6369073

 

これについては随分前にカンザス州立大学のMark Haub教授がお菓子だけ食べて痩せる実験をしている

Twinkie diet helps nutrition professor lose 27 pounds

November 8, 2010 By Madison Park, CNN

これをコカコーラが彼の研究の一部にお金を出したから問題だと批判する人たちがいて、それに対してHaub教授は今度はサラダばかり食べて体重を増やしてみせた。エネルギー摂取量が少なければ体重が減り、多ければ増える。

(ハーバードの最新研究がこんな基本を否定するために行われていることが病的だと思うのだが)

 

-アダプトゲン(適応促進剤)の問題

The Problems with Adaptogens

Jonathan Jarry M.Sc | 9 Jun 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-critical-thinking/problems-adaptogens

それらは何でも、長期COVIDですら、治すと宣伝されている。しかしアダプトゲンの科学は極めて失望的である

長期COVIDはインチキを惹きつける磁石である

20世紀半ばにソ連の科学者が提唱したアダプトゲンはいくつかの決まりに従う物質のことである

その安全性は証明されておらず、消費者は注意が必要

根拠はしばしば動物実験でヒトでは少人数の厳密でない研究があるだけである。

 

-パンの中の発がん物質?

A Carcinogen in Bread?

Nancy Liu-Sullivan, PhD | 7 Jun 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/carcinogen-bread

一部の国で使われている添加物がIARCによって「おそらくヒト発がん性」に分類されている。それはパンの中で何をしている?

私はパンデミックが始まった2年前、自分でパンを作ろうとして惨めに失敗した。形のないぐちゃぐちゃなものができた。何が足りなかったのだろう?おそらく臭素酸カリウム!

臭素酸カリウムはグルテンとグルテンをつなぎ合わせる酸化反応を加速する。しかし臭素酸カリウムは「発がん物質」、つまり実験動物でがんの原因となる。EU、英国、カナダ、ブラジル、インド、日本、中国で禁止されているが米国では禁止されていない。少なくともまだ。理由は焼き終わるとほとんど残らないからだ。しかし本当に安全な量はあるのか?米国の消費者は心配すべき?

(いろいろ略)

私は最終製品に残留した無視できる量の臭素酸カリウムの発がん性に納得はできないが、発がん物質については微量でも多すぎる場合がある。パンを臭素酸カリウム無しで作れることを考えるとリスクをとる理由はない。

(アクリルアミドは?)