2022-06-27

[EU]RASFF 2022(0619-0625)

警報通知(Alert Notifications)

ベトナム産香港経由及びオランダ経由ゴーヤの未承認物質クロルピリホス・イミダクロプリド及びクロルフルアズロン、アラブ首長国連邦産ベジタブルギーのグリシジルエステル類、インド産ゴマ油のグリシジルエステル類、ベルギー産レタスのクロルピリホス、スペイン産冷凍 caella(おそらくヨシキリザメ)の水銀、ペルー産有機アボカドのカドミウム、米国産食品サプリメントFat Bellyのエチレンオキシド、ベルギー産パセリのクロルピリホス、黄色レンズ豆のクロルピリホス、フランス(フランス領ギアナ)産ジャガイモのイマザリル、、スペイン産冷凍メカジキの水銀、ギリシャ産 RoussasフェタチーズのビスフェノールA、

注意喚起情報(information for attention)

中国産缶入りアプリコットのスズ、米国産食品サプリメントのCBD(オイル、ソフトジェル、グミ)、グアテマラ産サヤエンドウのクロロタロニル、チュニジア産トラキヌスの水銀、英国で登録されたウェブサイトからアシュワガンダを含むダイエタリーサプリメント、イラン産レーズンのクロルピリホス・キャプタン・フェンプロパトリン及びプロパルギット、モロッコ産ユメカサゴの水銀、セイシェル産メカジキの水銀、ブラジル産飼料用トウモロコシのクロルピリホス及びビフェントリン、ルーマニア産馬の腎臓のカドミウム、ケニア産ハタの水銀、チリ産イガイのカドミウム、

通関拒否通知(Border Rejections)

パキスタン産バスマティ玄米のアフラトキシン、イラン産ピスタチオカーネルのアフラトキシン、インド産チリのエテホン、中国産メラミンプラスチックラミキンのホルムアルデヒド、トルコ産生鮮レモン(ペッパー?タイトルと詳細で製品名称違う)のクロルピリホスメチル・酸化フェンブタスズ及びプロクロラズ、インド産レッドチリペッパーのアフラトキシンB1、中国産未承認遺伝子組換え米、ガーナ産ピーナッツバターのアフラトキシン、中国産食器の一級芳香族アミンの溶出、中国産メラミンプラスチック竹サイドプレートのホルムアルデヒド、ブラジル産ピーナッツのハロキシホップ(複数あり)、ブラジル産ピーナッツのアフラトキシン、エジプト産酢漬けのブドウの葉のアゾキシストロビン・ボスカリド・カルベンダジム・クロルピリホス・シフルトリン・ラムダ-シハロトリン・ジフェノコナゾール・ジメトモルフ・フェンプロパトリン・フェンプロキシメート・イミダクロプリド・ルフェヌロン・プロピコナゾール及びテブコナゾール、インド産センナ抽出物のエチレンオキシド、

 

論文

-米国の政治環境と死亡率、。2001-2019:集団ベースの横断解析

Political environment and mortality rates in the United States, 2001-19: population based cross sectional analysis

Haider J Warraich  et al., BMJ 2022;377:e069308

https://www.bmj.com/content/377/bmj-2021-069308

この期間に大統領選挙が5回あった。10万人あたりの年齢調整死亡率(AAMRs)は、民主党支持地域では22%、共和党支持地域では11%減少し、差は2008年以降特に拡大した。

 

BMJ エディトリアル

米国の政治と死亡率

Politics and mortality in the United States

BMJ 2022;377:o1308

https://www.bmj.com/content/377/bmj.o1308

積み重なる根拠が、共和党政治と死亡率の高さの関連を示唆している

 

-血液と尿のエクスポソームの再現性-系統的文献レビューとメタ解析

Reproducibility of the blood and urine exposome - a systematic literature review and meta-analysis

Jantje Goerdten et al.,

Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2022 Jun 23;cebp.0090.2022.

2000年から2021年5月までの文献の、血液と尿の代謝物の級内相関係数(ICC)を報告した研究を同定した。359の単一代謝物でICCが報告されていて10の代謝物のICCをメタ解析した。単一代謝物の再現性は乏しい~良好までの範囲で化合物依存性が高い

ビスフェノールA、フタル酸類、パラベン類の再現性は低いから中程度(ICC 中央値: 0.32; レンジ: 0.15-0.49)で、25-ヒドロキシビタミンDは優秀(ICC: 0.95; 95% CI: 0.90, 0.99)だった。

 

-オンラインのがん栄養デマ:がん栄養デマへの暴露による行動変化枠組み

The Online Cancer Nutrition Misinformation: A framework of behavior change based on exposure to cancer nutrition misinformation

Echo L. Warner et al.,

Cancer. 2022 Jul 1;128(13):2540-2548.

がんの患者やその介護者は健康やライフスタイルに関する情報を得ようとますますインターネットを使うようになっているが、オンラインで提供されているレシピや食事や栄養コンテンツは規制されておらず混乱または誤解する可能性がある。我々はPinterestのがん関連栄養と食事に関する情報を記述した。

コンテンツの約半分は製品や治療法を得る金儲け目的で、予防や治療のような強調表示はよくある

 

-幼児の食物アレルギーを予防するための早期食品化移入と皮膚の保湿(PreventADALL):要因、マルチセンター、クラスター無作為化試験

Early food intervention and skin emollients to prevent food allergy in young children (PreventADALL): a factorial, multicentre, cluster-randomised trial

Håvard Ove Skjerven, et al.,

THE LANCET  VOLUME 399, ISSUE 10344, P2398-2411, JUNE 25, 2022

スウェーデン、介入は3ヶ月からピーナッツ、牛乳、小麦、卵。結果としては3ヶ月からのアレルギー源となりやすい食品の導入は食物アレルギー予防のために安全で有効。

 

その他

Naomi Oreskes:科学否定を理解する

Naomi Oreskes: understanding the denial of science

Aarathi Prasad

THE LANCET PERSPECTIVES|PROFILE| VOLUME 399, ISSUE 10344, P2341, JUNE 25, 2022

Harvard大学の地球惑星科学客員教授でHenry Charles Lea科学史教授Naomi Oreskesの主な関心は人間が原因の気候変動への社会の反応と科学の役割である。彼女は学問上の仕事と著述で、確立された科学的知見が何故どうして強烈な否定の対象になったのかを探ってきた。2010年の「疑いの商人Merchants of Doubt」で共著者のErik M Conwayとともに、「気候変動否定は科学の欠点とは関係が無い、それは市場原理主義と自由市場政治学と市場における政府の行動への敵意に関連する」ことを示した。

COVID-19パンデミック中の科学否定は「本当に深刻な問題」である、とOreskesはいう。「科学的助言に従っていれば現在も生きていたであろう人が死んだ。科学への信頼がまさに生死の問題になった」。「全体としての科学への信頼は高いままであるが、重要な分野での科学を否定する一部の人々が公衆衛生にとって大きな帰結をもたらす」「基本的枠組みは政治的、イデオロギー的、経済的理由で意図的に不信を扇動する現象である。このことを科学者が理解することは非常に重要である」

(略)

彼女は現在新しい本「大いなる神話The Big Myth」を執筆中で、それは「疑いの商人」の前編のようなものである。OreskesとConwayは科学否定の動機をより深く掘り下げたい、特に「何故他の面では賢い人たちがこれほど多く、たくさんの根拠があるにもかかわらず反科学の立場になってしまうのか」を理解したい

(Merchants of Doubtは日本語で「世界を騙しつづける科学者たち」というタイトルがつけられているがちょっと違うような)

 

-動画:Joe Schwarcz博士がバターとマーガリンについて語る

Dr. Joe Schwarcz on butter vs. margarine

https://www.youtube.com/watch?v=et19USEZOkI

マーガリンが発明されて、酪農の強い地域ではマーガリンが禁止されたが酪農がなかった地域ではマーガリンが盛んに作られてそこから各地に運ばれた。カナダではニューファンドランド。2008年までマーガリンに黄色い着色は禁止されていた

 

-Europol

欧州全体で49人が逮捕されウナギ流通に大打撃

49 individuals across Europe arrested in major blow to eels trafficking

24 JUN 2022

https://www.europol.europa.eu/media-press/newsroom/news/49-individuals-across-europe-arrested-in-major-blow-to-eels-trafficking

Covid-19旅行制限の緩和によりシラスウナギをスーツケースに入れて運ぶ手口がもどってきた

2021年11月から2022年6月までの欧州24カ国と欧州警察組織、EFCA, OLAF,および欧州委員会 DG SANTEの協調取り締まり Operation Lake VIで27701件の査察で49人の逮捕、190万ユーロ相当の1255kgのシラスウナギを押収した。

ウナギはアジアに到達すると養殖されて販売される。ウナギは多くのアジアの国でご馳走とみなされ、世界で最も影響の大きい野生生物流通の一つである