2022-06-29

[ヘルスカナダ]食品添加物としての二酸化チタン(TiO2):最新科学報告

Titanium dioxide (TiO2) as a food additive: Current science report

2022-06-20

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/reports-publications/titanium-dioxide-food-additive-science-report.html

ヘルスカナダの食品局は、食品添加物としての二酸化チタン(TiO2)に関する「科学の現状」報告書を完成させた。食品グレードのTiO2は、小さな粒子からなる白い粉末で、食品を白くしたり、明るくしたりするための食品添加物として、カナダ及び国際的に長年許可されている。食品グレードのTiO2は、食事の一部として食べる場合、カナダや他の国々で長い間安全であると考えられてきた。

最近の食品グレードのTiO2サンプルの分析により、粒子の相当部分がナノスケールで、大きさが1~100 nmである可能性があることが判明した。1 nmは10億分の1メートルに相当する(一般的な人間の髪の毛の幅は8万~10万 nm)。

ナノ粒子は、小さいため、独特な物理的、化学的特性を持つことがあり、同じ化学組成の大きな物質(バルク物質)とは異なる形で生体系と相互作用する可能性がある。

欧州連合(EU)の食品安全専門家は、最近、食品添加物としてのTiO2(E171)の安全性評価を更新し、TiO2ナノ粒子の毒性研究を考慮した。

EU専門家委員会は、食品添加物として使用されたTiO2に関連する直接的な健康懸念は特定されなかった。しかし、主にTiO2ナノ粒子の安全性に関する不確実性のために、食品添加物(E171)としてのTiO2はもはや安全とはみなされないと結論づけた。

EUの専門家が特定した最も重大な不確実性は、TiO2粒子の遺伝毒性作用に関する懸念であった。遺伝毒性は化学物質が細胞内の遺伝物質(DNA)に直接損傷を与える能力で、特定の状況下で発がんにつながる可能性がある。専門家は、E171に含まれるTiO2粒子が遺伝毒性だと結論していないが、その可能性の懸念を排除することはできなかった。

本報告書では、EU専門家委員会の結論が考慮され、ヘルスカナダ食品局は、利用可能な科学の独自の包括的レビューを実施した。EU専門家委員会が特定した不確実性のいくつかに対処した新しい科学的データの評価も含まれる。

TiO2にはさまざまな形態があるが、食品グレード(食品に添加してもよい)の形態はごくわずかである。遺伝毒性に関する懸念を含め、TiO2の安全性について懸念を示した多くの研究では、食品への使用が許容されない、食品グレードのTiO2とは異なる特性を持つ形態のTiO2が使用されていた。他の研究では、食品グレードのTiO2を使用しているが、通常食品に含まれるものよりも小さな粒子に分解する方法がとられている。

又、TiO2粒子は食事の一部として食べると毒性が軽減する可能性が示唆されている。食事に含まれるタンパク質やその他の分子が、TiO2粒子に結合することで、粒子の物理的、化学的特性が変化し、細胞、組織、臓器との相互作用の仕方に影響を与える。

いくつかの非食事の研究では、食品グレードのTiO2を与えた実験動物の胃腸管に有害影響があることが報告されている。しかし、同じ量又はそれ以上の量の食品等級のTiO2を動物の食事に混ぜて投与した場合、これらと同様の効果は見られなかった。食事に関する研究は、ヒトが食品からどのようにTiO2に暴露するかを最もよく反映しているので、食品局は、科学の現状報告書において、これらの研究結果を最も重視した。

全体として、食品添加物としてのTiO2の食品局の包括的レビューでは、以下が示された:

高濃度の食品グレードTiO2に暴露したマウスやラット(長期又は生涯試験)において、がんやその他の有害影響を示す証拠はない。

様々な動物研究において、DNAに変化はない

妊娠前から成体までのラットの暴露において、生殖、発育、免疫、胃腸や神経系あるいは一般的な健康状態に有害影響はない。   

要約すると、食品添加物であるTiO2がヒトの健康にとって懸念すべきものであるという決定的な科学的証拠はないというのが食品局の見解である。これは、TiO2の食品用途に関連する利用可能な科学データのレビューに基づくが、食品添加物としてのTiO2の安全性に関する新たな科学を監視し続け、新しい科学的情報により見直される可能性がある。

 

[BfR]タトゥーインク成分に必要な規格: BfRの専門家議論

Necessary specifications of tattoo ink ingredients: Expert discussion at the

BfR

16 June 2022

https://www.bfr.bund.de/cm/349/necessary-specifications-of-tattoo-ink-ingredients-expert-discussion-at-the-bfr.pdf

2022年3月3日、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)において、タトゥーインク成分の必要規格に関するテレビ会議が開催され、分析分野、国家監視機関、政府機関、タトゥーインク製造業者、刺青師から専門家が参加した。

(https://www.bfr.bund.de/cm/349/tattoo-inks-minimum-requirements-and-test-methods.pdf)。2020年、BfRは、最小要件からなるタトゥーインクのリスク評価戦略を策定し、2021年10月14日に公表した。(https://www.bfr.bund.de/cm/349/tattoo-inks-minimum-requirements-and-test-methods.pdf)これらの要件は、2021年11月18~19日にベルリンで開催された第2回タトゥー安全性国際会議(https://www.bfr-akademie.de/english/archive/2021/tattoo.html)で発表された。そして、これらの要件の規定のために、専門家が適切な顔料選択、汚染物質と溶出性物質の特性評価及びタトゥーインク成分の分析で優先すべき化合物について議論した。

必要なタトゥーインク規格に重点を置いたBfRの最小要件と試験方法の紹介

REACH規則におけるタトゥーインク中の物質の制限と、リスク低減の枠組みとその関連事項が紹介された。タトゥーインクの成分規格は、物質の特性や純度に関する情報を含む。汚染物質と溶出性物質は定量化が必要であり、保管中や光にあたる場合のインクの均質性と安定性も考慮される。最小毒性要件が示され、皮膚刺激性/腐食性、眼刺激性/傷害性、皮膚感作性、光毒性、光毒性を含む変異原性/遺伝毒性のエンドポイントが考慮される。しかし、タトゥーインクの顔料については、まだ助言はない。分析方法の開発、臨床データの評価、顔料の皮内塗布を再現する毒性学的方法の開発など不足データの収集が必要となる。インク製造業者は自主的に要件を遵守した後、提供情報の完全性をレビューするべきである。

最小要件に関する参加者からのフィードバック

参加者は、必要規格と毒性試験の両方に取り組むべきであるという点で意見が一致した。又、市場の顔料の起源を考慮することが強調され、国際的な標準分析法の開発、試験ガイドラインの実施、REACH 規則の既存の制限の強化が挙げられた。又、分析が必要な不純物のチェックリストの作成が提案されている。専門家は、顔料製造業者からの情報提供不足を懸念した。REACHの規則の基準はほとんどが毒性評価なしにグループでの基準値として設定され、分類されない物質は制限枠に入らない。タトゥーの除去は最小要件で対応されないがタトゥーインクの製造者が照射時の顔料の挙動を考慮する必要がある。

議論:タトゥーにはどの顔料が必須だと思うか?

-どのように適切な顔料を選ぶか?

製造業者は、タトゥーインクの製造工程並びに皮膚に塗布した時の色を顔料の選択基準として最も重要だとした。専門家は、顔料の安全性を重要な基準として挙げる。同じCI(カラーインデックス)番号の顔料が、異なる起源と不純物プロファイルを持つ可能性があり、安全性プロファイルも異なることが問題とされ、特にカーボンブラック系顔料(アセチレンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、ガスブラックなど)が当てはまる。顔料は、2013 年以降の BfR 勧告に準拠することも報告された。(https://mobil.bfr.bund.de/cm/349/requirements-for-tattoo-inks.pdf)顔料の利用可能な毒性学的データは評価中である。顔料は、純度の表示、読み取り、ガイドライン適合試験の有無などの基準に基づき、その品質に応じて選択される。顔料製造業者が持つ製造工程、組成、汚染物質の情報が十分でなく、例えば、フタロシアニン系顔料の硫酸バリウムの添加は表示されていない。安全な顔料選択の主な問題は、顔料自体ではなく、顔料に含まれる不純物で、それらのプロファイルは、製造工程により変化する。又、人体における安定性と代謝の可能性も問題である。耐光性は重要であり、分解生成物も考慮しなければならない。

- アゾ顔料を使わずに色彩をカバーすることはできるか?

アゾ顔料は、タトゥーインクでは避けることができるが、ジアゾ顔料は適切な代替品がないようである。一般的に、タトゥー用のアゾ顔料は減らすことができると考えられる。

- 代表的な試験材料はどのように入手するか?

既知の純度で試験用標準物質を提供するところは、今のところない。

汚染物質と溶出性物質の特性

- ホルムアルデヒドは0.5 ppmで測定可能か?

タトゥーインクのホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの0.5 ppmという基準値に対し、毒性学的な評価を求める声もあった。ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドは保管中に製品中で生成される可能性があり、そのため、分析結果は時間依存になる。市場の多くのインクは、0.5 ppmをわずかに超えるホルムアルデヒドを含んでおり、REACH規則に適合しない。顔料ではなく、液体タトゥーインク成分が原因である。タトゥーインクに含まれるホルムアルデヒドの分析方法は3種類存在するので、標準化が必要である。

- ニッケル測定の定量限界値はどのくらいか?

0.5 ppmのニッケルの定量が可能で、より低い検出限界値も可能である。しかし、製造業者はニッケルが酸化鉄系顔料の主な不純物であり、精製が必要であると述べ、慣例の定量限界値を求める。技術的に達成可能な定量限界値は異なる表示要件になる可能性がある。

- リングトライアル - どのような方法で実施するか?

比較可能な結果を得るためには、標準化された方法が必須条件であるとされた。タトゥーインク成分のREACH規則の実施に関して、金属溶解度の定義が存在しないことと、その分析方法について疑問が呈された。抽出条件はEU全体で取り組む必要がある。又、タトゥーインクは真皮注入なので、総金属含有量も検討された。標準的な方法は、簡単に分析できる物質についてのみ開発されるべきで、物質の優先順位付けが必要である。金属検出はサンプルの調製方法(例、マイクロ波分解、使用温度など)により分析結果が異なる可能性がある。そこで、化粧品の分析方法を採用し、金属については、ICP-MS/OEC による金属総量測定と、銅、亜鉛及びバリウムの可溶性金属画分についての抽出/溶解手順定義のための2種類のリングトライアルが必要と判断した。6価クロムの検出方法は開発された。

タトゥーインク成分の5バッチ分析

- どの化合物を優先させるべきか?

化学的及び技術的な同等性を確保するために、成分規格は5つの異なるバッチで決定される。毒性試験結果は、純度がわかっている物質で実施された場合にのみ考慮される。又、物質の純度や不純度が定義された濃度範囲にある場合、試験結果は許容される。この範囲は、5回の独立した分析と計算された標準偏差から決定される。

顔料のバッチごとに不純物のプロファイルが大きく異なる場合が問題で、この分析には、既存の分析方法によるデータに基づく規格を考慮する必要がある。現在、標準的な分析として、PAHs、重金属、一級芳香族アミン(PAA)及びResAP (2008) に記載の要件があり、未知の不純物のスクリーニングもある。ナノ粒子サイズの平均と中央値及び顔料粒子のサイズ分布のグラフ表示を決定し、凝集挙動を説明し、100 nm以下の粒子の割合を決定しなければならない。複数の手法を組み合わせ、研究用の溶剤を開発する必要がある。

5バッチ分析の重要性は認められているが、適切な方法についての懸念が示された。

結論と次の段階

規格要件、方法の開発及び調和のための戦略は、タトゥーインクの安全性の主要な要素である。今後、毒性学的要件に関する会議が開催される予定であり、要件の実施に向かう。タトゥーインクに関する国際BfR委員会が、今後設立される予定である。

 

[FSAI] リコール

Golden Lilyの乾燥アプリコット種子は高濃度のシアン化水素酸(シアン化物)のため追加リコール

Recall of Additional Batches of Golden Lily Dried Apricot Seeds Due to High Levels of Hydrocyanic Acid (Cyanide).

Friday, 24 June 2022

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/additional_batches_hydrocyanic_acid_golden_lily_apricot_seeds.html

香港産Golden Lilyの乾燥アプリコット種子は、高濃度のシアン化水素酸(シアン化物)のため追加リコール。製品写真有り。

 

[FDA]プレスリリース

-FDAは食品用動物における意図的な低リスクのゲノム改変に関するアニマルバイオテクノロジーウェビナーを発表する

FDA Announces Animal Biotechnology Webinar on Low-Risk Intentional Genomic Alterations in Animals for Food Use

June 27, 2022

https://www.fda.gov/animal-veterinary/cvm-updates/fda-announces-animal-biotechnology-webinar-low-risk-intentional-genomic-alterations-animals-food-use

 本日、米国食品医薬品局動物用医薬品センター(CVM)は、動物における意図的なゲノム改変(IGA)の開発に関心を持つ人のための新しいリソースを発表する。

 

-FDAはJANAACをFSMA-第三者認証計画の認定機関として認定する

FDA Recognizes JANAAC as an Accreditation Body Under FSMA- Accredited Third Party Certification Program

June 24, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-recognizes-janaac-accreditation-body-under-fsma-accredited-third-party-certification-program

 FDAは、Jamaica National Agency for Accreditation(JANAAC)を、第三者認証計画の認定機関として、5年間の認定を行ったことを発表した。

 

-FDA乳児用調製乳情報更新

FDA Infant Formula Update

June 27, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-infant-formula-update-june-27-2022

 FDAは、米国内で入手可能な乳児用調製乳の増加につながる追加措置についての最新情報を提供する。オーストラリア製Bellamy’s Organic社製品が追加対応された。

 

[FDA]リコール

Daily HarvestはFrench Lentil + Leek Crumblesの健康被害の可能性による自主的リコールを発表する

Daily Harvest Issues Voluntary Recall of French Lentil + Leek Crumbles Due to Potential Health Risk

June 23, 2022

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/daily-harvest-issues-voluntary-recall-french-lentil-leek-crumbles-due-potential-health-risk

 Daily Harvestは消化器系疾患及び肝機能の問題の可能性に関する消費者からの報告があり、すべてのFrench Lentil + Leek Crumbles(豆とネギの冷凍製品)を自主的にリコールする。

(参考

Daily Harvest faces its first lawsuit following widespread recall of Lentil + Leek crumbles

By JOY SAHA PUBLISHED JUNE 28, 2022

https://www.salon.com/2022/06/28/daily-harvest-faces-its-first-following-widespread-recall-of-lentil--leek-crumbles/

患者が多いのと、「セレブ御用達の環境に優しい健康的なビーガン食」として通販で販売していて食べる人は頻度が多いこととSNSで騒動になっていることが特徴的

原因として疑われている成分には豆の毒素も含まれる)

 

[ODS]ファクトシート更新

-マルチビタミン/ミネラルサプリメント

Multivitamin/mineral Supplements

Fact Sheet for Consumers

June 22, 2022

https://ods.od.nih.gov/factsheets/MVMS-Consumer/

「マルチビタミン(MVM)の健康への効果にはどのようなものがあるか」の項に、60~65歳以上の男女を対象にした大規模研究で、基本的なMVMを約3.6年間摂取しても、肺がんを除くがんの発症リスクは低くならなかったという文章を追加。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/MVMS-Consumer/#change

 

[NSW]2022冬のFoodwiseニュースレター

Foodwise issue 60, Winter 2022

June 2022

https://www.foodwise.foodauthority.nsw.gov.au/edition60/index.html

1回使用のプラスチックバッグの禁止、NSW食品局の実施した手洗いアクティビティや子どもによるキッチンの清潔さと安全性の評価活動、確立された対策と同レベルの食品安全性を達成することが実証できる管理対策である代替コンプライアンス、ランピースキン病やインドネシアの口蹄疫について、等。

 

[HK]法令違反

-包装されたポークジャーキーのサンプルから許可されない保存料が検出される

Prepackaged pork jerky sample detected with non-permitted preservative

Thursday, June 23, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220623_9571.html

台湾産ポークジャーキーのサンプルから許可されない保存料であるソルビン酸が1400 ppm検出された。

 

-包装されたベトナム春巻きのサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged Vietnamese Spring Roll sample not in compliance with nutrition label rules

June, 24 2022 (Friday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220624_9574.html

ベトナム産春巻きのサンプルの糖分、ナトリウムがそれぞれ1.2 g /100g、192.8 mg/ 100gという表示のところ3.5 g /100g、440 mg/ 100g の検出であった。

 

-乾燥衣笠茸のサンプルに基準値超過の保存料

Preservative exceeds legal limit in dried bamboo fungus sample

Friday, June 24, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220624_9575.html

衣笠茸のサンプルに基準値500 ppmを超える3200 ppmの二酸化硫黄が検出された。

 

[SFA]将来の食糧の途絶に備え、準備と安定性を保つ

Staying ready and steady for future food disruptions

23 Jun 2022

https://www.sfa.gov.sg/food-for-thought/article/detail/staying-ready-and-steady-or-future-food-disruptions

シンガポールの食糧供給における混乱に備え、その影響を最小限に抑える方法についての取り組みを紹介。

・リスクを分散させる-輸入先の多様化

・重要な食品供給ノード(港や流通拠点)の流れと敏捷性を維持する

・将来の攪乱への備え

・消費者にできること 柔軟に適応、必要なもののみを買い買いだめしない、代用品を選ぶ

 

論文

-オピオイド中毒が増加している

Opioid poisoning on the rise

28-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/957272

米国でおこっているオピオイド危機が欧州に拡大している兆候がある。

スイスでは2000年から2019年の間に中毒情報センターへのオピオイド中毒の電話が177%増加し強力なオピオイドの販売が92%増加した

The Lancet Regional Health - Europe

 

-誰がゲノム編集食品を信頼している?新しい研究が人々の受容を測定する

Who trusts gene-edited foods? New study gauges public acceptance

28-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/957334

アイオワ州立大学の新しい研究は、米国住人を代表する2000人のサンプルで人々のゲノム編集食品の受容を測定した。研究者らは市販される食品の増加に伴う変化を追跡するために2年ごとに調査を繰り返す予定である。現時点では多くの人が態度を決めかねている。

ゲノム編集食品を食べるか避けるかは主に彼らの社会的価値観と政府や企業、環境団体への信頼によって駆動されている。

ゲノム編集食品を喜んで食べる傾向があるのは、一般的に社会問題の解決手段は科学技術であると考えていて政府の食品規制機関やバイオテクノロジー企業への信頼は高く食品の生産方法について強い信念をもたない、若い、教育レベルや所得の高い人たち。

一方ゲノム編集食品を避ける可能性が高いのは科学技術を疑っていて食品の生産方法に高い価値をおき政府や企業より自分の信仰や環境団体に頼り、収入が低く、宗教的で、高齢、女性。Frontiers in Food Science and Technology

 

-文化の重さ:社会的個人主義と順応性が世界の肥満の大きな多様性を説明する

The weight of culture: Societal individualism and flexibility explain large global variations in obesity

PlamenAkaliyski et al., Social Science & Medicine

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0277953622004737

国によって肥満率が大きく異なることを文化の違いで説明できるかを検討

男性集団では個人主義が肥満の多さに関連したが女性では関連しない

謙虚、自制、欲望を抑えることを強調する国の文化特性は両性において肥満の強い負の予想因子だった

 

-何故あまりにもたくさんのビタミンが良さそうに思えるのか

Why Too Many Vitamins Feels Just About Right

Ubel PA. JAMA Internal Medicine, June 21, 2022

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2793623

現在米国成人は、ほとんどの根拠に反して健康に良いと思ってビタミンとダイエタリーサプリメントに年に100億ドル以上費やしている。ビタミンは生命にとって必須ではあるがUSPSTFの最近の助言ではビタミンやサプリメントががんや心疾患、死亡を予防する根拠はほとんどない。さらにβカロテンはハイリスク集団の肺がんの可能性を上げる。このような利益の無さにもかかわらず、何故多くの人が不必要なサプリメントを摂取し続けるのか?

 

-がんスクリーニングのための多数がん早期検出検査:行動科学的展望

Multi-cancer early detection tests for cancer screening: a behavioural science perspective

 Laura A V Marlow et al.,

The Lancet Oncology: Vol. 23  Number 7 | Jul 2022

血中腫瘍DNAの同定は複数がんの早期検出の可能性がある。もしそのような検査ががんのアウトカムを改善することが示されたら、一般人に使用できるようにする前にベネフィットと害の可能性を慎重に検討することが必須である。その中には心理学的、行動科学的研究が不可欠である。

 

その他

-AMA

AMAは公衆衛生デマに対応する新しい方針を採用

AMA adopts new policy aimed at addressing public health disinformation

JUN 13, 2022

https://www.ama-assn.org/press-center/press-releases/ama-adopts-new-policy-aimed-addressing-public-health-disinformation

デマの拡大がCOVID-19パンデミック対策に負の影響を与え続ける中、米国医師会(AMA)は本日、専門職による健康関連デマ拡散に対応する方針を採択した。この新しい方針はデマの拡散を止めて公衆衛生を守ることを目的とする