2022-07-04

[EU]査察報告

エルサルバドル―水産物

El Salvador 2021-7169―fishery products

24/06/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4484

2021年10月19~28日に実施した、EU輸出用水産物の管理システム、特に公的証明書に関するエルサルバドルのリモート査察結果。公的管理システムはEU輸出用マグロの全生産チェーンをカバーし、EU要条件の多くに対処し、満足のいく方法で実行されている。にもかかわらず、冷凍工程の遵守を評価する能力や保管温度管理体制に欠陥が見つかり、EU輸出用製品が、船長が証明/申告したEU規則への準拠が確実でないことなど、EU公的証明書の提供する保証にギャップがある。

 

[EU]農薬の持続可能な使用:地球と人々のために化学農薬の使用を50%減らす

The sustainable use of pesticides: Use of chemical pesticides to be cut by 50% for the good of the planet and its people

01/07/2022

https://ec.europa.eu/newsroom/sante/items/750744/en

(自然が農薬を嫌うnature hates pesticide、って。)

 

[SFA]アマメシバ摂取のリスク

Potential Risks of Consuming Cekur Manis

Thursday, June 23, 2022

https://www.sfa.gov.sg/food-information/risk-at-a-glance/cekur-manis

アマメシバ(Sauropus androgynus)の野菜の摂取リスクとの安全な調理方法について紹介。

導入

アマメシバ(Cekur Manis、学名Sauropus androgynus)は、東南アジア原産の人気の葉物野菜である。アマメシバは、Ma Ni Cai (马尼菜)、Sayur Manis、Sabah vegetable、Star Gooseberry、Katukおよび Sweet Leafとしても知られていて、茹でたり炒めたりしてよく食べられている。

だが、野菜は生のままで食べたり適切に加熱調理されないと、非常に深刻な肺疾患を起こす可能性があることを知っていましたか?これは特にアマメシバで懸念されていて、スムージーやジュースにすると知らず知らずに簡単に大量に摂取することになりかねない。

この記事では、アマメシバの安全な調理と摂取のヒントを共有したい。

生の/加熱調理されていないアマメシバの食品安全リスク

生のアマメシバを大量に食べると、肺の小さな気道(細気管支)が炎症した瘢痕組織に塞がれて、閉塞性細気管支炎という永久的な肺疾患になる可能性がある。罹患した人は不可逆的な呼吸困難になり、時間と共に悪化して死に至る可能性がある。この関連性は1990-2000年代に台湾と日本で確認され、複数の女性が閉塞性細気管支炎に罹患し、何人かは肺移植が必要となった。調査後、医師により、罹患した人達は流行のダイエット法として、あるいは妊娠後母乳の分泌を促進するために、スムージー、ジュース、サラダで生のアマメシバを大量に摂取していたことがわかった。

アマメシバが肺疾患の原因となる正確な理由は、まだ科学者による研究中だが、現時点の知見では、アマメシバには肺組織の炎症を誘発し死に至らしめる化学物質が含まれていると考えられている。にもかかわらず、科学者達は、アマメシバは完全に加熱調理すれば安全に摂取できるということを発見した。

アマメシバの安全な調理と摂取に関するヒント

茹でる、蒸す、炒める、焼く、グリルで焼くことによりアマメシバを完全に加熱調理すること

また、サラダの新鮮な葉として、あるいは加熱せずに加工したスムージーなど、どんな形でもアマメシバを生で食べるのは避けること。

アマメシバを適度に摂取し、多様な食生活を確保すること。

アマメシバを生で摂取し、呼吸疾患や、眠気や便秘など他の症状が出た場合は医師の診察を受けること。

 

[SFA]ヒジキ中の無機ヒ素

Inorganic Arsenic in Hijiki Seaweed

Thursday, June 23, 2022

https://www.sfa.gov.sg/food-information/risk-at-a-glance/inorganic-arsenic-in-hijiki-seaweed

無機ヒ素を含むヒジキ(Sargassum fusiforme)の摂取に関して注意を促す。

導入

ヒジキ(学名Sargassum fusiforme)は、日本、韓国、中国の海岸で見つかる茶色がかった緑色の海藻である。ヒジキは収穫後に乾燥させ、茶色がかった黒い小枝のように見える。日本や韓国の食事では、一般的に茹でて、ご飯と一緒に炊いたり、スープやサラダに加えたりして提供される。

ヒジキは天然に、海水から重金属である大量の無機ヒ素を吸収し蓄積する。大量の無機ヒ素を長期摂取すると、がんや皮膚病変などの健康問題を引き起こす可能性がある。

SFAはどのようにして消費者の健康を守っているのか?

SFAは、食品の安全性を確保するために、国際基準を満たし、科学による、リスクに基づいたアプローチをとっている。ヒ素は、米、肉、水産物などの一部の食品に、非常に少ない量で天然に存在している。食品からヒ素を完全に排除することはできない。そのため、食品中のヒ素の基準値は「合理的に達成可能な限り低く(ALARA)」という国際的に認められた原則に基づいて設定されている。SFAの食品安全基準に従わない食品は販売を許可されない。

ヒジキに含まれる無機ヒ素への暴露を削減するために私達にできることは?

SFAには適切な対策があるが、食品安全は共同責任であり、消費者は食品安全を確保するために自分の役割を果たさなければならない。ヒントは次の通り:

・ヒジキを実店舗から購入すること、食品をオンラインで購入したり、海外旅行から持ち帰る際には注意すること。

・使う前におよそ20分間お湯でヒジキを戻すこと。その水は使わずに捨てること。

・ヒジキの摂取は控えめに。

・広く多様な食品を含むバランスのとれた食事をとること。

 

[SFA]カドミウムの存在によるSong Fish Dealer Pte Ltd のザリガニとホタテのリコール

Recall of crayfish and half shell scallop from Song Fish Dealer Pte Ltd due to presence of cadmium

30 June 2022 https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/sfa-media-release---recall-of-crayfish-and-half-shell-scallop-from-song-fish-dealer-pte-ltd.pdf

シンガポール食品庁(SFA)は、Song Fish Dealer Pte Ltdが輸入したザリガニとホタテから、最大基準値を超えるカドミウムを検出した。

 

[SFA]フグ輸入要件改定

REVISED REQUIREMENTS FOR IMPORT OF PUFFERFISH

30 June 2022

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/circulars/2022/2022-06-30_trade-circular-1_pufferfish_final.pdf

2022年8月31日より、SFAは追加的なフグ製品の輸入を許可する。フグの食品安全リスク評価、輸入前管理措置の改訂について通知。

(これまで特定の日本のフグの筋肉だけ輸入できたが養殖の皮、鰭、白子に拡大)

 

[EFSA]意見等

-新規食品としてのベニクスノキタケ(Antrodia camphorate)のフリーズドライ菌糸の安全性

Safety of freeze‐dried mycelia of Antrodia camphorata as a novel food pursuant to regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2022;20(6):7380  29 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7380

(科学的意見)

欧州委員会からの要請を受けて、栄養・新規食品及び食物アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、規則(EU) 2015/2283に従って新規食品(NF)としてベニクスノキタケ(Antrodia camphorata)のフリーズドライ菌糸体に関する意見を出すよう求められた。このNFは真菌ベニクスノキタケ由来の組織培養による固体栽培で生産された。申請者はこのNFを最大用量990 mg/日で食品サプリメントで販売することを意図している。対象集団は一般人である。このNFは主に炭水化物、タンパク質、脂質からなり、β-グルカン、アントロキノノール、トリテルペノイドなど非常に多くの成分を含む。このNFの組成や提案された使用条件を考慮すると、このNFの摂取は栄養的に不利ではない。このNFの遺伝毒性に関する懸念はない。90日間反復投与毒性試験や、このNFで行った出生前発達毒性試験に基づき、パネルは安全量16.5 mg/kg体重/日を導出した。パネルは、このNF、ベニクスノキタケのフリーズドライ菌糸体は、14歳以上の個人に提案された使用量で安全だと結論している。

 

-食品と接触する物質として用いる高密度ポリエチレンとポリプロピレンクレートをリサイクルするのに使用するCajas y Palets en una Economia Circular (CAPEC)プロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Cajas y Palets en una Economia Circular (CAPEC), used to recycle high‐density polyethylene and polypropylene crates for use as food contact materials

EFSA Journal 2022;20(6):7384  29 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7384

(科学的意見)

CAPECプロセスの導入は、食品と接触することを意図している材料や製品だけが使用され、申請者が説明した条件で実行する際に汚染物質が除外できることを確保するようデザインされた、クローズドで管理されたチェーンにある製品ループに由来すると結論した。従ってリサイクルプロセスCAPECは、果物や野菜との接触に使用することを意図したリサイクル高密度ポリエチレン(HDPE)及びポリプロピレン(PP)クレートを生産するのに適している。

 

-遺伝子組換え綿DAS‐24236‐5 × DAS‐21Ø23‐5の新しい配列情報の評価

Assessment of new sequencing information for genetically modified cotton DAS‐24236‐5 × DAS‐21Ø23‐5

EFSA Journal 2022;20(6):7345 27 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7345

(声明)

GMOパネルは、以前に遺伝子組換え(GM)綿DAS‐24236‐5 × DAS‐21Ø23‐5を評価しており、意図した使用に関連したヒトと動物の健康及び環境に関する潜在的な影響について、従来型の比較種や他の適切な参照種と同様に安全だと結論している。2020年11月17日に、欧州委員会はEFSAに綿花DAS‐24236‐5 × DAS‐21Ø23‐5の新しいDNA配列情報及び更新したバイオインフォマティクスデータを評価し、以前に評価した綿DAS‐24236‐5 × DAS‐21Ø23‐5に関するGMOパネルの結論が依然として有効かどうか示すよう要請した。DAS‐24236‐5の新しい配列データは、当初報告された配列と比較して、新たに発現したCry1F (synpro_L620Q)の1つのアミノ酸の置換となる1つのヌクレオチドの変更を示した。GMOパネルは、タンパク質のこのアミノ酸置換は突然変異だと結論した。それにもかかわらず、バイオインフォマティクス解析以外は、綿花DAS‐24236‐5 × DAS‐21Ø23‐5のCry1Fのリスク評価のために実施した研究は依然として有効である。さらに、新しい配列データは、スタック綿DAS‐24236‐5 × DAS‐21Ø23‐5について報告された当初の配列と比較すると、DAS‐21Ø23‐5の5′隣接領域で1つのヌクレオチドの変化を示した。スタックDAS‐24236‐5 × DAS‐21Ø23‐5の新たな配列DAS‐21Ø23‐5イベントのバイオインフォマティクス解析から、ヌクレオチドの違いは5′ジャンクション範囲のORFs外の5′隣接領域にあり、そのため安全性評価ではこれ以上考慮されないことが示されている。提出された情報に基づき、GMOパネルは、修正された配列は安全上の懸念を生じず、従って、綿花DAS‐24236‐5 × DAS‐21Ø23‐5の当初の評価は依然として有効だと結論している。

 

-遺伝子組換えAspergillus niger NZYM‐BE株由来食品酵素グルカン 1,4‐α‐グルコシダーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme glucan 1,4‐α‐glucosidase from the genetically modified Aspergillus niger strain NZYM‐BE

EFSA Journal 2022;20(6):7374  30 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7374

(科学的意見)

この食品酵素グルカン 1,4‐α‐グルコシダーゼ(4‐α‐d‐グルカン グルコヒドロラーゼ EC 3.2.1.3)はNovozymes A/S社が遺伝子組換えAspergillus niger NZYM‐BE株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素にはこの生産生物の生きた細胞やそのDNAはない。この食品酵素は6つの食品製造工程で使用されることを意図している、すなわち、グルコースシロップや他のデンプン加水分解物の生産のデンプン工程、蒸留アルコール生産、醸造工程、焼成工程、シリアルベースの工程、ジュース生産用果物と野菜の加工である。総有機固形物(TOS)の残留量はグルコースシロップ生産に適用される蒸留及び精製段階で除去されるため、食事暴露はこれらの2つの食品加工には算出されなかった。残りの4工程には、この食品酵素への食事暴露–TOSは欧州人で最大7.7 mg TOS/kg 体重 (bw) /日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは、無毒性量を調べた最大量3,795 mg TOS/kg bw /日とし、推定した食事暴露と比較して、暴露マージンは490以上となった。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、1件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件(蒸留アルコール生産以外)で食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、これが起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-EFSAの専門家会議からの最新ニュース:栄養・新規食品及び食物アレルゲン(NDA)

Breaking news from EFSA’s expert meetings: Nutrition, Novel Foods and Food Allergens (NDA)

2022/07/01

https://www.youtube.com/watch?v=B4JlOiJBu2A

YouTube動画

 

-EFSAのガバナンスの強化:新しい運営理事会始動

Strengthening governance at EFSA: new Management Board becomes operational

1 July 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/news/strengthening-governance-efsa-new-management-board-becomes-operational

EFSAの新しい運営理事会は、本日2022年7月1日より運用開始した。全EU加盟国、欧州委員会、欧州議会の代表及び市民社会とフードチェーン関係者の代表で構成されている。

食品安全と食品安全保障が連結している国際状況におおいて、フードチェーンの効果的な機能を確保しやすくするために、EFSAの運営委員会が今や広範囲の代表を含んでいることは重要である」とDG SANTEの食品サステナビリティ副所長のClaire Bury氏は述べた。

以前の運用委員会の構造は、政府、団体、セクターを代表しないフードチェーンに関連する専門知識のある14人のメンバーと欧州委員会の代表で構成されていた。

この新しい運営モデルでは、加盟国、欧州議会、欧州委員会、市民社会及びフードチェーン関係者の代表者がEFSAの運営理事会の代表となる。

この新しいモデルは、2019年に発効し、加盟国の役割やEFSAの作業に関わる全ての団体の関与を高めた透明性規則の要件に答えている。

役割

この運用理事会は、EFSAが効果的・効率的に機能し、設立規則に定められている使命を果たし、欧州や国の機関、関係者、一般人の期待に答えることを保証している。

メンバー

この新しい運用理事会は、加盟国代表者27人(入れ替わりあり)、欧州議会の代表者2人(入れ替わりなし)、欧州委員会の代表者2人(入れ替わりあり)、市民社会とフードチェーン関係者の代表者4人(入れ替わりあり)で構成されている。

さらに、EFTA/EEAの代表2名―ノルウェーとアイスランド―及びEFTA監視機構の代表1名(入れ替わりあり)もEFSAの運用理事会に参加する予定だが、投票権はない。全て合わせると、この運用理事会は38人のメンバーで構成されている。

 

-EFSAとEU加盟国の仕組み

How EFSA works with EU Member States

1 July 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/infographics/how-efsa-works-eu-member-states

アドバイザリーフォーラム、フォーカルポイント、科学ネットワークを通してEU加盟国がEFSAに提供する支援は、EUの食品安全システムの効果的な機能にとって重要である。

透明性規則の遂行に伴い、加盟国は、市民社会、フードチェーン関係者、EU機関の代表者と協力してEFSAの運用理事会を代表する。

任務

この運用理事会はEFSAの管理機関で、EFSAがその使命を果たし、EUの法の枠組みを遵守して実行することを保証する。EFSAが実行する独立した科学的作業には影響を与えない。

年次及び複数年次のEFSAの作業プログラム、年次活動報告書、予算の採択

EFSAの使命を支援する可能性のあるEUの管轄機関のリストの作成

科学委員会と科学パネルのメンバー及びEFSAの事務局長の任命

アドバイザリーフォーラムはEFSAと加盟国が欧州の食品のリスク評価に関係する情報や知識を交換するために集う場所である。このフォーラムはEFSAの作業プログラムや科学的助言の要請の優先順位付けについてEFSAの事務局長に助言する。フォーカルポイントに支えられている。

協力を促進し、努力の重複を避ける。

異なる科学的意見に対処する。

新興リスクを同定し特徴を記す。

フォーカルポイントは情報交換、ネットワーキング、関与のための連結ハブとして機能する。

EFSAの科学的ネットワークは、データ収集、新興リスク、残留農薬モニタリング、リスクコミュニケーションなどの特定分野でEFSAと協力する国の機関からなる。

活動の調整により科学的な協力の枠組みの促進

情報交換

共同プロジェクトの開発と実施

専門知識や最優良事例の交換

リスクコミュニケーション活動の調整

 

誰が参加している?

運用理事会

2022年7月現在、EFSAの運用理事会は、加盟国、欧州議会、欧州委員会、市民社会とフードチェーン関係者、欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国の代表者が含まれている。

アドバイザリーフォーラムとフォーカルポイント

加盟国、アイスランド、ノルウェーの国の食品安全機関の代表者と、スイス、EU加盟候補国、欧州委員会からのオブザーバー

科学ネットワーク

各ネットワークの対象となる分野の専門知識や責任のある加盟国の指定機関からの代表者

 

彼らはどのように任命される?

運用理事会

加盟国の代表は加盟国自身に指名され、欧州議会に任命される。市民社会やフードチェーン関係者の代表者は、欧州委員会が作成したリストから欧州議会と協議し、欧州理事会に任命される。EU機関とEFTA加盟国の代表者はEU機関や国自身によって任命される。

アドバイザリーフォーラムとフォーカルポイント

メンバーは加盟国、アイスランド、ノルウェー及びオブザーバーの国々の国の食品安全機関によって任命される。

科学ネットワーク

科学ネットワークは、アドバイザリーフォーラムとEFSAが提出した提案に基づき、運用理事会が設立する。

 

[FSA] 英国食品基準に関する初の報告書では今後の課題も示す

Inaugural report on UK food standards cautions of challenges ahead

27 June 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/inaugural-report-on-uk-food-standards-cautions-of-challenges-ahead

英国食品基準庁(FSA)とスコットランド食品基準庁(FSS)は、食品基準の詳細なレビューである「Our Food 2021:英国全体の食品基準の年次レビュー」を発表した。この初の年次報告書は、英国のEU離脱、COVID-19パンデミックの重大な影響、ウクライナ戦争による混乱と、食糧システムの2年間の激動に直面したことを受けて作成された。

本報告書では、2021年の全体的な食品安全基準がほぼ維持されていることを示唆しているが、これは慎重な結論である。パンデミックにより、企業の法令遵守を評価するためのデータの量が減少し、消費者の行動パターンも変化し、前途には大きなリスクがある。

報告書では、特に懸念される2つの領域が強調されている。第一に、食品事業者に対する地方自治体の検査レベルが低下していることである。特にカフェやレストランの食品衛生検査では、状況は修復されつつあるが、リソースや資格のある専門家の活用による進展に制約がある。もう一つは、欧州連合(EU)からの食品輸入についてである。食肉、乳製品、卵などリスクの高いEU食品及びEU経由で英国に輸入された食品、飼料の保証レベルを高めるには、2023年末までに管理体制を強化することが不可欠である。

英国は、安全でない食品の持ち込みを防ぎ、変化するリスクを特定し対応する能力を持つことが不可欠である。FSAはこれらの課題を慎重に検討し、他の政府部門と協力して、改善された輸入規制の導入が英国の消費者に高いレベルの保護を提供するよう努める。

 

[HK]CFSは加熱調理済み野菜の保存後の亜硝酸塩含有量の変化に関する研究結果を発表する

CFS announces study results on changes in nitrite levels of cooked vegetables after storage

Friday, June 24, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220624_9573.html

食品環境衛生署の食品安全センター(CFS)は、本日(6月24日)、加熱調理済み野菜の保存後の亜硝酸塩含有量の変化に関する研究結果を発表した。研究結果によると、冷蔵庫で一晩保存した後の加熱調理済み野菜サンプルからは亜硝酸塩が検出されなかった。

CFSの広報担当者は、「冷蔵庫で一晩保存した加熱調理済み野菜の亜硝酸塩含有量が急速に増加するという噂があるため、CFSが研究を行い、一般的に消費されている5種類の野菜(アマランサス、パクチー、ハボタン、白菜及びズッキーニ)を小売店でサンプルとして収集した」と述べた。加熱調理前後の亜硝酸塩含有量を測定した。加熱調理後、各種の加熱調理済み野菜を2つのグループに分け、常温と冷蔵温度(0〜4℃)で別々に保存した。加熱調理後、6、12、24、36、48及び72時間後にその亜硝酸塩濃度を測定した。

その結果、研究は加熱調理した野菜を冷蔵庫で一晩保存しても亜硝酸塩含有量は増加せず、加熱調理した野菜を冷蔵庫で3日間保存しても亜硝酸塩含有量は低いままであることを示した。加熱調理済み野菜の亜硝酸塩含有量の増加に影響を与える主な要因は、保存温度である。冷蔵温度は細菌を不活性化し、亜硝酸塩の生成を遅らせる。

さらに広報担当者は、「新鮮な野菜は、成長のためのタンパク質を作るために土壌から硝酸塩を吸収する。加熱調理された野菜に含まれる硝酸塩は、環境中の細菌によって亜硝酸塩に変換される可能性がある。亜硝酸塩は血液の酸素運搬能力を低下させ、また動物の発がん性のある化学物質、ニトロソアミンを体内で生成する可能性がある。しかし、現在の入手可能な科学的エビデンスは、食事からの硝酸塩及び亜硝酸塩の摂取がヒトの発がんリスクと関連するという結論を裏付けない。世界保健機関は、健康を増進し、非伝染性疾患(NCD)のリスクを最小化するために、1日5皿分の野菜と果物を摂取することを助言する。野菜は抗酸化物質、ファイトケミカル、ビタミン、ミネラル、食物繊維及び植物性たんぱく質を提供する。これらの化合物は、いくつかの慢性的なNCDの発症を予防したり遅らせたりするために相乗的に作用する可能性がある。」と述べた。

また、広報担当者は、ほとんどの有害な細菌が増殖できないにもかかわらず、腐敗細菌は冷蔵温度下でも増殖できることを改めて指摘した。一般市民は、食べ残し(加熱調理済み野菜を含む)の食品安全を確保するために、以下の推奨事項に留意するべきである:

食べ残しを少なくするために、適切な量の食品を調理する;

食べ残しは加熱調理後2時間以内に冷蔵庫に入れ、できるだけ早く食べる;

食べる前に、残った食品は中心温度が75℃になるまで十分に再加熱し、再加熱は1回までとする;

食べ残しの食品は、常温に4時間以上放置したものは食べないこと。

 

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 207-22

1 July 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20207-22.aspx

新規申請と提案

・加工助剤としてのGM Bacillus subtilis由来αアミラーゼ

意見募集

・植物ベースのミルク代用品への新規食品としてのフィトステロール、フィトスタノール及びそれらエステルの追加

2022年8月5日まで

 

Call for comment on plant sterols in plant-based milk alternatives

1/07/2022

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-plant-sterols-in-plant-based-milk-alternatives.aspx

 

 

[FTC]FTCはサプリメント販売者の詐欺的マーケティングを禁止する命令を最終化

FTC Finalizes Order Banning Deceptive Marketing by Supplement Seller

June 30, 2022

https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2022/06/ftc-finalizes-order-banning-deceptive-marketing-supplement-seller

Ultimate Heart Formula, BG18, Black Garlic Botanicals,およびNeupathic Had Historyの宣伝業者は根拠のない健康強調表示をしていた

 

[MPI]松花粉中の植物テストステロンは金脈の可能性

Plant-based testosterone in pine pollen could be a goldmine

30 June 2022

https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/plant-based-testosterone-in-pine-pollen-could-be-a-goldmine/

希な天然の植物テストステロンを含む松の花粉はニュージーランドの森林部門にとって金脈となるかもしれない。Pine Pollen New Zealand社が政府の資金を獲得し産業の礎を築こうとする。

「松花粉は中国、韓国、日本で3000年以上の間健康のために摂取されてきた」とCarl Meyer創設者は言う。

(以下略。知らないなぁ)

 

[USDA]PETAからの請願

Petition Submitted by People for the Ethical Treatment of Animals

Jun 27, 2022 FSIS

https://www.fsis.usda.gov/policy/petitions/petition-submitted-people-ethical-treatment-animals

動物の育て方に関する表示(人道的に育てた、ストレスフリー環境で育てた、自由に動き回れる、等)を検証する手段がなく誤解を招くものなので禁止するような規則を作ることを求める

 

[FSA]FSAはCBD製品の公開リストの更新を公表する

Food Standards Agency publishes updated public list of CBD products

30 June 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/food-standards-agency-publishes-updated-public-list-of-cbd-products

 英国食品基準庁(FSA)は本日(2022年6月30日)、イングランドとウェールズで販売可能なCBD製品の公開リストを更新した。

約6000製品が追加されリスト掲載品は約12000になった。リスト掲載への受付は終了した。

 

[FSA]研究プロジェクト

英国市民と産業界の持続可能性に対する理解に関する迅速エビデンス評価

A rapid evidence assessment of UK citizen and industry understandings of sustainability

30 June 2022

https://www.food.gov.uk/research/a-rapid-evidence-assessment-of-uk-citizen-and-industry-understandings-of-sustainability

 ロンドン大学シティ校の食品政策センターと共同パートナーに委託し、食品の持続可能性に関する英国市民の認識に関する迅速なエビデンス評価 (REA) を実施した報告書。

 

[FDA]プレスリリース

-FDAは食品プログラムの2022年優先ガイダンスの更新を発表した

FDA Releases Update of 2022 Priority Guidance Topics for Foods Program

June 30, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-releases-update-2022-priority-guidance-topics-foods-program

 FDA食品プログラムが2022年中に優先的に完了させるガイダンスに関する更新リストを発表した。タトゥーインク製造、流通施設における不衛生な状況に関するガイダンス案、N-アセチル-L-システインに関するガイダンス方針、食品接触物質に関する市販前申請の準備に関するガイダンス案が追加された。

 

-FDAは5年間の動物用医薬品管理計画の進捗状況を報告し、畜産における抗菌薬の販売、使用、耐性データに関する報告書を発表した

FDA Delivers Progress Update on 5-Year Veterinary Stewardship Plan, Publishes Report about Antimicrobial Sales, Use, and Resistance Data in Animal Agriculture

June 30, 2022

https://www.fda.gov/animal-veterinary/cvm-updates/fda-delivers-progress-update-5-year-veterinary-stewardship-plan-publishes-report-about-antimicrobial

 米国食品医薬品局(FDA)の動物用医薬品センター(CVM)は、獣医領域での抗菌剤の監督管理のサポートをする5ヵ年計画の更新情報と、米国の畜産及び関連フードチェーンにおける抗菌薬の販売、使用、耐性に関するデータの一部の報告書の両方を発表した。

 

-FDA乳児用調製乳情報更新

FDA Infant Formula Update

-June 28, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-infant-formula-update-june-27-2022

 FDAの乳児用調製乳の入手増加につながる措置として、アイルランド製Abbott Nutrition社製品が追加対応された。

-June 30, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-infant-formula-update-june-30-2022

 ニュージーランド製Danone社製品が追加対応された。

 

[FDA]警告文書

-FDA はPlug Heist Trap House EST. 2017の自家製乳児用調整品に警告

FDA Alert on Homemade Infant Formula from Plug Heist Trap House EST. 2017

July 1, 2022

https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/fda-alert-homemade-infant-formula-plug-heist-trap-house-est-2017

乳児用調整乳規制に従っていない

(乳製品フリー/グルテンフリー、手作り、オーガニック、各種ハーブ、大麻入りを宣伝している)

 

-DLG Naturals, Inc.

APRIL 28, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/dlg-naturals-inc-622277-04282022

未承認の医薬品、不正表示の問題。天然オイル製品、シアバター、果実エキスを含む。

 

-Conservas Ortiz S.A.

JUNE 17, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/conservas-ortiz-sa-634440-06172022

水産製品のCGMP、HACCP、不純品、衛生管理の問題。

 

-Nicamex Seafood

JUNE 17, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/nicamex-seafood-633378-06172022

水産製品のCGMP、HACCP、不純品、衛生管理の問題。

 

-Golden Lab LLC

MAY 26, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/golden-lab-llc-625783-05262022

未承認の医薬品、不正表示、ダイエタリーサプリメントCGMP違反の問題。

 

[ヘルスカナダ]食物アレルギーを持つ乳児のための乳児用調製乳の品不足:知っておくべきこと、すべきこと

Shortage of infant formulas for babies with food allergies: what you should know and do

2022-06-29

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/shortage-infant-formulas-babies-food-allergies-what-you-should-know-and-do

食物アレルギーや特定の病状を持つ乳児のための特殊な乳児用調製乳の引き続く全国的な不足に関連する助言。高度加水分解調整乳やアミノ酸ベースの調整乳などが不足しているが通常の調整乳の不足はない。

(米国Abbott社の工場閉鎖による)

 

[ヘルスカナダ]パッケージ前面表示

Front-of-package nutrition labelling

2022-06-30

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2022/06/front-of-package-nutrition-labelling.html

ヘルスカナダは、包装済み食品の新しい栄養表示規則を導入し、パッケージの前面に飽和脂肪、糖、ナトリウムが多いことを示す記号を表示することを義務付ける。この規則は2022年7月20日より施行予定。

シンボルは以下

Front-of-package nutrition labelling

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-labelling-changes/front-package.html

(色は白黒で虫眼鏡で多い成分を強調するイメージ)

 

[TGA]広告規約の適用に関するガイダンス

Guidance on applying the Advertising Code rules

1 July 2022

https://www.tga.gov.au/guidance-applying-advertising-code-rules

2022年7月1日以降、すべての医薬品関連広告が2021年版規約に準拠する必要がある。

 

[TGA]警告文書が求められるAndrographis paniculataを含む指定医薬品

Listed medicines containing Andrographis paniculata requiring warning statements

30 June 2022

https://www.tga.gov.au/listed-medicines-containing-andrographis-paniculata-requiring-warning-statements

ハーブ原料であるセンシンレン(Andrographis paniculata)を含むため、警告文が必要な一部の医薬品について、的を絞ったコンプライアンス・レビューを開始する。

 

[HK]CFSの新たな宣伝カーが稼働する

New broadcast van of the CFS now in service

June 29, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/medialib/new_broadcast_van.html

食品安全センター(CFS)の新しい宣伝カーが稼働し、食の安全や衛生に関するビデオが閲覧でき、「食の安全5か条」など食の安全や栄養について理解を深めることができる。

 

[HK]法令違反

-包装された焼豚肉まんのサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged Barbecue Pork Bun sample not in compliance with nutrition label rules

June 29, 2022 (Wednesday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220629_9588.html

中国産焼豚肉まんのサンプルの総脂肪、飽和脂肪酸がそれぞれ6 g /100g、1.5 g/ 100gという表示のところ9.8 g /100g、2.9 g/ 100g の検出であった。

 

-包装された飲茶のサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged dumpling sample not in compliance with nutrition label rules

June 29, 2022 (Wednesday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220629_9587.html

中国産飲茶のサンプルの糖分がそれぞれ0.5 g /100gという表示のところ0.88 g/ 100g の検出であった。

 

-包装されたキャベツ入り蒸豚飲茶のサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged Steamed Pork Dumpling with Cabbage sample not in compliance with nutrition label rules

June, 28 2022 (Tuesday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220628_9581.html

中国産キャベツ入り蒸豚飲茶のサンプルの総脂肪、飽和脂肪酸がそれぞれ7 g /100g、2.1 g/ 100gという表示のところ10.4 g /100g、3.8 g/ 100g の検出であった。

 

-包装されたニラと豚の揚げ飲茶のサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged Chives & Pork Pan-fried Dumplings sample not in compliance with nutrition label rules

June, 28 2022 (Tuesday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220628_9582.html

中国産ニラと豚の揚げ飲茶のサンプルの砂糖、飽和脂肪がそれぞれ0.8 g /100g、1.3 g/ 100gという表示のところ1.5 g /100g、2.5 g/ 100g の検出であった。

 

-包装された日本の餃子のサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged Japanese Dumpling sample not in compliance with nutrition label rules

June, 28 2022 (Tuesday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220628_9583.html

日本産餃子のサンプルの砂糖が0 g /100gという表示のところ1.8 g /100gの検出であった。

 

論文

-ケトジェニックダイエットはウェルニッケ脳症を誘発するか?

Can the Ketogenic diet lead to Wernicke's encephalopathy?

Javaid S, et al., J Pediatr Rehabil Med. 2022;15(2):335-340

ケトジェニックダイエットで100ポンド減量してウェルニッケ脳症になった16才男性の症例報告

 

-ナトリウムと健康:古い神話と否認に基づく論争

Sodium and Health: Old Myths and a Controversy Based on Denial.

Cappuccio FP, et al., Curr Nutr Rep. 2022 Jun;11(2):172-184.

コンセンサスに逆らって減塩がCVDリスクを減らさないと主張する論文を解析した

 

-ココナツオイルの事例による栄養デマ:オンライン前後研究

Misinformation in nutrition through the case of coconut oil: An online before-and-after study.

Duarte AC, ,et al., Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2022 Jun;32(6):1375-1384.

ココナツオイルの摂取を評価するオンライン質問を実施し、ココナツオイルの健康影響についてのリテラシー向上介入も行った。ココナツオイルを摂取している人のうち82.5%はそれが健康に良いと考えていて、65.4%は一ヶ月以上使っていた。消費者の81.2%は健康効果を観察できなかった。ココナツオイルに健康上の利益はないというメタ解析の結論に晒されてもココナツオイルが健康的だと考える人の73.5%は意見を変えなかった。ブラジル南部の人々での調査。

 

-プロバイオティクスを使用していた潰瘍性結腸炎患者のLactobacillus rhamnosus敗血症、心内膜炎、敗血性塞栓

Lactobacillus rhamnosus sepsis, endocarditis and septic emboli in a patient with ulcerative colitis taking probiotics.

Karime C,et al.,

BMJ Case Rep. 2022 Jun 28;15(6):e249020.

60代男性の症例報告

 

-中等学校学生の電子タバコ使用の特徴と関連要因-中国6地方行政区、2021

CCDC

Characteristics and Associated Factors of E-cigarette Use Among Secondary School Students — 6 PLADs in China, 2021

Zhaobin Qi et al.,

https://weekly.chinacdc.cn/en/article/doi/10.46234/ccdcw2022.126

これまで使ったことがある 14.9%、現在使用している 3.0%。女性より男性、都市部より地方、普通校より職業校で多い

 

SCIENCE VOL. 377, NO. 6601 30 Jun 2022

-エディトリアル

科学、健康、そして真実

SCIENCE, HEALTH, AND TRUTH

WILLIAM L. ROPER

  1. 7

過去2年は世界にとって奇妙で困難な時間だった。COVID-19パンデミックが病気と入院と死をもたらし、米国では人々が何をすべきかだけではなく事実は何かについても分断した。多くの人がデマと陰謀論と反科学の信念に導かれて別世界にいるようだった。健康や医療の主導者たちはこの極端に分かれた人々とつきあいながらどうやって職務を全うできるだろうか?彼らは科学と健康の問題について人々をより効果的に説明・説得しなければならない。それには公衆衛生の決定における科学と政治の役割を明確にする必要がある。

科学者の中には「公衆衛生に政治をもちこむな」という主張がある一方政治家は政策を決めるのは科学者ではないという。実際には公衆衛生が機能するためには科学と政治の両方が必要なのである。

さらに社会は科学的事実がどうやって確立され更新されていくのかについて理解する必要がある

(一部のみ)

 

-ニュースを一目で

News at a glance:

・NCIががん血液検査を研究する

NCIが、患者の血中の微量の腫瘍DNAやタンパク質を検出することで多数のがんを同時に検査できると称する検査を評価する予定である。約24000人の見た目がんのないボランティアに標準のがん検診と実験的血液検査を受けてもらう。予備的試験がうまくいったら45-70才の30万人を7-8年追跡する

・オーストリア、ワクチン義務を破棄

欧州で最初にCOVID-19ワクチンを義務化した国の一つであるオーストリアが先週要求を破棄した。法による強制はワクチン躊躇の人たちを説得することができず、分断が深まった。オーストリアは欧州でも予防接種率が低く、完全接種済みなのは75%より少ない。

 

-レビュー

微生物叢と腸のホメオスタシス

The microbiome and gut homeostasis

BY JEE-YON LEERENÉE M. TSOLISANDREAS J. BÄUMLER 01 JUL 20

ヒトの腸内に住む生物の多様性と膨大さはよく知られていて、ある種の微生物類とヒトの病気との関連のアイディアもあるが、これを治療につなげることはできていない。このレビューではホメオスタシスとディスバイオシスをもっとよく定義できないかを探った

 

Nature

-食品の輸送は膨大な量の二酸化炭素を生成する

Transporting food generates whopping amounts of carbon dioxide

Freda Kreier  01 July 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01766-0

果物や野菜を冷蔵車で運ぶことが特に排出が多い

Nature Foodに発表された

 

-Natureワールドビュー

原子力は民主主義世界がエネルギー自立を達成するに役立つ

Nuclear power can help the democratic world achieve energy independence

Nicolas Mazzucchi

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01733-9

ロシアのウクライナ侵攻はエネルギー安全保障強化の必要性を強調する

(以下新世代原子力発電所展開のススメ、略。

 

その他

-ビタミンについての神話は倒すのが難しい

Myths About Vitamins are Hard to Dislodge

Christopher Labos MD, MSc | 30 Jun 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical/myths-about-vitamins-are-hard-dislodge

ビタミンサプリメントを摂っている人に公衆衛生担当者が止めるように言っても止めない

 

-ハーバードの精神科医は食品の精神疾患と戦うパワーについて誇張する

Harvard Psychiatrist Makes Inflated Claims About Food’s Power to Fight Mental Illness

Jonathan Jarry M.Sc. | 28 Jun 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking-health-and-nutrition/harvard-psychiatrist-makes-inflated-claims-about-foods-power-fight-mental-illness

「This Is Your Brain on Food(訳本タイトルは「脳の不調を治す食べ方」)」は、小規模な予備的研究に基づく誇大宣伝の宝庫

Uma Naidoo博士が2020年8月に発刊した書籍This Is Your Brain on Foodの内容への批判。

 

-なぜ一部の日焼け止めには「珊瑚礁に安全」と表示してあるのか?

Why are some Sunscreens Labelled as “Reef-Safe”?

Cat Wang | 30 Jun 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking-student-contributors-you-asked/why-are-some-sunscreens-labelled-reef-safe

日焼け止めが珊瑚礁を傷つけるという科学的根拠は疑わしい

(本分略)