2022-07-14

[ANSES]学用品の有害物質の規制改善

Improvements in the regulation of hazardous substances in school supplies

07/07/2022

https://www.anses.fr/en/content/improvements-regulation-hazardous-substances-school-supplies

ANSESは本日発表された専門家評価の中で、学校、家庭、職場で使用する品―ペン、のり、鉛筆、修正テープ、ノート―に数種類の有害物質が存在することを強調している。消費者、特に子供の健康を守るために、ANSESは規制をレビューし、製品の監視を強化する必要性を強調している。

吸入する、飲み込む、皮膚と接触する、いずれにせよ、学用品や事務用品に含まれる一部の化学物質は健康に有害影響がある可能性がある。特に子供は口にものを入れる傾向があり、これに当てはまる。

フタル酸エステル、香料、ホルムアルデヒド、染料など懸念される化学物質の同定

ADEME、デンマークEPA、フランスの消費者団体 60 Millions de Consommateurs、 UFC Que Choisirが行ったいくつかの研究により、様々な化学物質が学用品や事務用品に含まれていたり、それらから放出されていることがわかっている。これらの製品は、特に子供に日常的に使用されているため、ANSESはこの話題に関する現在の知見のレビューを実施することにした。

入手可能な科学的文献、消費者団体と製造業者や流通業者の貿易連盟との意見交換を元にして、ANSESは最も一般的に同定認識されている化学物質クラスを以下のように示した:

・フタル酸エステル類

・ホルムアルデヒド、クロロホルム、トルエンなどの揮発性有機化合物(VOCs)

・ニトロソアミン類

・ベンゼン

・六価クロム、カドミウム、ニッケル、鉛などの重金属

・パーフルオロ化合物(PFAs)

・染料

・ビスフェノールA

・イソチアゾリノンと他の防腐剤

・多環芳香族炭化水素(PAHs)

・香料

おもちゃの安全性に関する規制を学用品に適用

フランスや欧州では、学用品の組成、製造、使用は、その安全性を確保するための特別な規制の対象ではない。

それらの使い方を考慮して、絵の具、マーカーペン、色鉛筆などの特定の学用品はおもちゃと考えられ、つまり発がん性、変異原性、生殖毒性(CMR)のある物質はその製造に使用することはできない。ANSESは全ての学用品に、おもちゃの安全性に関する欧州規制(指令 2009/48/EC)を適用する必要性を強調している。この規制の進展により、現在学用品に含まれている香料、フタル酸エステル、特定の金属、PAHsなどの物質の多くを削減したり、排除できるようになる。

「そのような規制ができるまで、私は消費者に、子どもが噛んだり飲み込んだりして誤用する可能性のある、香料やグリッターなどを含まないものを選ぶよう助言する」

ANSESのこの評価のコーディネータCÉLINE DUBOIS

またANSESは製造販売業者に、規制に関わらずある種の香料や香料クラスは排除するよう呼びかける。さらにこれらの製品は通常の使用条件で規制に従う義務があるが、製造業者は安全確保のため噛んだりするような予見できる行動についても考慮することを勧める。

市販されている製品を監視し定期的にサンプルをとる

ANSESは市販製品の定期的モニタリングの重要性を強調する

 

[RIVM]社会の脆弱集団がCOVID-19パンデミックによってより酷く打撃を受けた

Vulnerable groups in society have been hit harder by the COVID-19 pandemic

07/13/2022

https://www.rivm.nl/en/news/vulnerable-groups-in-society-have-been-hit-harder-by-covid-19-pandemic

オランダ健康サービス研究所による研究で、社会的に脆弱な集団がCOVID-19パンデミックにより脆弱でない集団より激しい打撃を受けたことが確認された。その中には身体的精神的問題を抱える、あるいは低所得家庭の若者(24才未満)が含まれる。

 

[FAO]食品と農業貿易の地理学

THE GEOGRAPHY OF FOOD AND AGRICULTURAL TRADE

https://www.fao.org/interactive/state-of-agricultural-commodity-markets/en/

持続可能な開発のための政策的アプローチ

貿易は我々の日常生活に必須の役割を果たしている。それはフードシステムと人々を結びつけ、消費者に潤沢で多様な栄養のある食品を提供する。また世界中の農家、労働者、取引業者に収入と雇用をもたらす。

 

-農業食料市場の不確実性を減らすには市場の透明性と政策協調が必須、FAO事務局長は言う

Market transparency and policy coordination are critical to reduce uncertainty in agrifood markets, FAO Director-General says

13/07/2022

https://www.fao.org/newsroom/detail/transparency-is-critical-to-reduce-uncertainty-in-agrifood-markets-fao-director-general-says/en

第75回作物問題委員会の開会挨拶。最近発表された農作物市場の現状2022年版を引用

The State of Agricultural Commodity Markets (SOCO) 2022

https://www.fao.org/publications/soco/2022/en/

 

[DWI]飲料水2021発行

Drinking Water 2021 published

13 July 2022

https://www.dwi.gov.uk/drinking-water-2021-published/

イングランドとウェールズの水に関する報告

基準違反や消費者からの苦情等のまとめ

微生物や鉛、硝酸、PFASリスク等

 

[USDA]ARSのオオスズメバチ専門家が国立自然史博物館の新しい展示に

ARS Asian Giant Hornet Specialist Is Part of New Exhibit at the National Museum of Natural History

July 11, 2022

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2022/ars-asian-giant-hornet-specialist-is-part-of-new-exhibit-at-the-national-museum-of-natural-history/

ワシントンDCのスミソニアン国立自然史博物館での新しい展示"我々の場所:人々と自然を結びつけるOur Places: Connecting People and Nature"にARSの昆虫学者Matt Buffingtonが参加している。この展示は人々の自然との経験がどのように刺激を与えるかを探り来訪者に献身的な科学者や地域の人々がどうやって環境を守っているかを学ぶ機会を提供する

展示には2019年10月にオオスズメバチがアジアからワシントン州に到着して最初に巣を作った"Nest Zero"が含まれる。オオスズメバチはしばしばミツバチを食べ人々には恐ろしく痛い針を刺すため懸念である。それが拡散することを抑制するためにARSやAPHISなどが働いている

 

[WHO]WHOの科学評議会はゲノミクスの公平な拡大を呼びかける報告書を発表

WHO’s Science Council launches report calling for equitable expansion of genomics

12 July 2022

https://www.who.int/news/item/12-07-2022-who-s-science-council-launches-report-calling-for-equitable-expansion-of-genomics

WHOの科学評議会はグローバルヘルスのためにゲノミクスへのアクセスを加速するよう呼びかける最初の報告書を発表した。この報告書は、リソースの少ない国がそのようなテクノロジーを利用できるようになるのは豊かな国よりずっと後になることは倫理的・科学的に正当化できないと主張する。

(先進国の科学者はデータが欲しいけれど、ご飯の方が先なのはしかたない)

 

[WHO]AMR対策のために既存ワクチンのより良い利用と新たなワクチン開発の緊急呼びかけ

Urgent call for better use of existing vaccines and development of new vaccines to tackle AMR

12 July 2022

https://www.who.int/news/item/12-07-2022-urgent-call-for-better-use-of-existing-vaccines-and-development-of-new-vaccines-to-tackle-amr

WHOは本日、薬剤耐性病原菌による感染症を予防するために現在開発中のワクチンパイプラインについての初めての報告書を発表した。WHOの解析は開発後半の段階にあるワクチンの試験を加速することと既存のワクチンの最大限の活用の必要性を指摘した。

(ワクチン忌避の人は薬があるから大丈夫って主張してたけどそれが問題)

 

Nature

-ワクチン公平のための急進的計画

The radical plan for vaccine equity

By Amy Maxmen 13 July 2022

https://www.nature.com/immersive/d41586-022-01898-3/index.html

慈善は南の途上国に適切なワクチンを提供することができなかった。今15カ国がオープンサイエンスモデルで危険な依存の遺産を終わらせられるかを見ている

昨年COVID-19ワクチンが豊かな国に行き渡ったとき、みえない分断ができた。地球の一部では予防接種した医師や看護師が安堵し祖父母が孫と抱き合っていた時、一方ではなんの対策もできない患者が病院に溢れた。マラウイでは2021年7月時点でワクチン接種した人はたった1%だった。世界にワクチンを配るのが遅れたことがオミクロン変異への進化を許したと主張されている。そのような不平等は新しいものでは無い。問題の根本は北の先進国の善意に頼っていることである。そこでグローバルサウスの十数カ国とWHOが組んでアフリカ、南米、アジア、東欧にワクチンや医薬品の製造能力を構築する長期計画ができた。

(以下非常に力の入った長い報告)

 

-Natureワールドビュー

私は中絶しなければ科学者になっていなかっただろう

I wouldn’t be a scientist without my abortion

13 July 2022  Jacquelyn Gill

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01896-5

私の将来を決めるためには、不必要な医療への障害を乗り越えなければならなかった

私はメイン大学の古生態学者で中絶経験がある。2001年に,進歩的政策で有名なバーモント州の学生だった時に妊娠した。私はいつかは母親になりたかったがその時その相手とではなかった。中絶は医療でありどんな理由であれいつでも正当化する必要なく受けられるべきである

 

-無色透明ガラス瓶の白ワインが芳香を失う理由

Why white wine in plain-glass bottles loses its bouquet

04 July 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01849-y

白ワインの貯蔵に無色透明ガラス瓶を使うことが増えているがそれは光による芳香の分解を許す

PNASに発表された研究。ワインの揮発性化合物を分析し、70以上の分子が光で分解することを発見した。スーパーの棚の条件で、たった7日間で一部の良い香りは70%も減る。緑の瓶で貯蔵されたワインは50日後でも変化から守られる。

(透明ボトルってそんなにある?)

 

その他

-スリランカの危機は有機農業を巡る議論を再燃させる

The Crisis in Sri Lanka Rekindles Debate Over Organic Farming

TIME BY CHAD DE GUZMAN  JULY 13, 2022

https://time.com/6196570/sri-lanka-crisis-organic-farming/

広範な抗議の中で大統領が逃亡し、スリランカの政治的危機はさらに混迷を深めている。このメルトダウンの中で忘れられそうになるがこの経済的混乱は壊滅的な有機農業へのシフトの帰結である。2200万人の島国は世界初の有機農業国になるはずだった、しかし社会不安の中に沈んだ。モルジブに逃亡したGotabaya Rajapaksa大統領は、約二年前、兄のMahinda首相とともに強力な政治王朝を握り国連サミットで「スリランカは化学肥料と農薬の使用量が増えているため健康と環境に有害影響がおこっていて持続可能ではない」と宣言した。近代の農業は持続可能でなく環境破壊の原因だと広く理解されている。そこで有機農業が人気になり提唱者は伝統的農法は持続可能で安全で現代農業と同じくらい効果的だと主張した。

現在の生活と長期的ハザードとに引き裂かれて、政治家は通常現代農業の問題を慎重に扱う。Rajapaksaは違った。2019年の選挙でスリランカは10年以内に有機農業に移行すると約束した。そしてそれを実行した。200万人以上の農家は混乱の中に放置され政府は有機農薬や有機肥料を提供できなかった。突然の方針転換で作物の収量は急減し,コメは30%の収量減でここ数十年で初めて輸入しなければならなくなった。旅行業界が2019年のテロとパンデミックで打撃を受けている最悪の時期に農業部門を攪乱した。

スリランカの有機農業への支持は相当高かった。しかし調査ではほとんどの農家は有機農業に移行しても良いと回答していたものの多くが有機農業を理解していないことも示されていた。有機農業への完全移行は決して簡単ではない。ブータンは2008年に2020年までに完全に有機農業に移行すると誓ったが今でも多くの農家は農薬を使っている。有機農業を推進しているEUでもGM作物を認めている。

(以下略。TIMEだってずっと有機推進しているくせに)

 

-反GMO団体がスリランカの有機のみ惨劇への非難をそらす

Anti-GMO Groups Deflect Blame For Sri Lanka's Organic-Only Disaster

By Cameron English — July 13, 2022

https://www.acsh.org/news/2022/07/13/anti-gmo-groups-deflect-blame-sri-lankas-organic-only-disaster-16428

反GMO、反農薬団体は悲惨な有機農業政策により悪化したスリランカの政情不安から距離をとろうとしている

スリランカは昨年自国民で邪悪な実験を行った。愚かなオーガニック食品活動家に牛耳られて合成肥料や農薬の輸入を禁止し多くの農家から作物を育てる道具を奪った。当時行われた調査ではほとんどの農家は有機農業のノウハウを知らなかったことがわかっている。

スリランカの実験は予想通り悲劇に終わった。私が昨年9月に予想したとおり、政府は他人のせいにした。

飢餓は人々を過激な行動に走らせる。NBCニュースは1948年の英国から独立して以来最悪の危機、そして日に日に悪化していると報道する

スリランカの政情不安は農業政策だけの問題ではないが、重要な一部である。

オーガニック活動家はその責任から逃れようと必死である。例えば英国のSoil Associationは「スリランカの教訓は、有機が悪いということではない。我々は一夜で変えようなどと主張したことはない」とツイートする。

10年かけようが100年かけようが問題ではない、有機農業で収量が落ちるのは確実である。有機農業では世界を食べさせることができないことは根拠があってスリランカのイベントがある前からわかっていた。ただ無視されていた。スリランカに有機農業をすすめたのは反GMOのロックスターであるVandana Shivaである。彼女はSoil Associationとよく一緒に活動している。

スリランカは、テクノロジーを嫌う活動家が政策を作る時に何が起こるかについての最新の一例に過ぎない。世界はより貧しくなり飢える人が増える。反農薬や反GMO団体はこのカオスから距離をとり続けるだろう、しかし彼らには彼らのイデオロギーを推し進めた結果についての説明責任がある。

農家も人々も農薬を禁止しろと要求はしなかった、Vandana Shivaが要求した。