2022-07-21

[CDC]2020年は黒人、アメリカ先住民/アラスカ先住民でオーバードーズ死亡率が有意に増加した

Overdose death rates increased significantly for Black, American Indian/Alaska Native people in 2020

MONDAY, JULY 18, 2022

https://www.cdc.gov/media/releases/2022/s0719-overdose-rates-vs.html

最近の死亡の増加は大部分が違法製造されたフェンタニルによる

新しいCDCのバイタルサイン報告

(アジア・太平洋諸島は薬物による死亡が圧倒的に少ない)

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on SmokePops LDN

20 July 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/smokepops-ldn-a22-1142980-smokepops-ldn.html

‘smokepops’(タバコのフィルター部分に挿入して風味を変える砕けるフレーバーボール)の宣伝で、「実験室で検査されたオーガニック成分でできているので安全に使用できる」「健康的なオーガニックエッセンシャルオイル」「健康に最適な成分で作った」などの文言が、無責任で誤解を招くものである。

(喫煙を促すものであり喫煙は健康に有害であるため)

 

[FAO]日本の二カ所がFAO世界農業遺産に指定された

Two new sites in Japan designated FAO Globally Important Agricultural Heritage Systems

18/07/2022

https://www.fao.org/newsroom/detail/two-new-sites-in-japan-designated-fao-globally-important-agricultural-heritage-systems/en

生物多様性と生態系を維持しながら伝統的やり方と知恵を使っている

・Biwa Lake to land integrated system

「森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」

https://www.maff.go.jp/j/nousin/kantai/giahs_3_191.html

・Fruit Cultivation System in Kyoutou Region, Yamanashi

「盆地に適応した山梨の複合的果樹システム」

https://www.maff.go.jp/j/nousin/kantai/giahs_3_111.html

 

[DHSC]意見募集の結果 水のフッ素添加:将来の意見募集プロセスへの見解

Water fluoridation: seeking views on future consultation process

Last updated 20 July 2022

https://www.gov.uk/government/consultations/water-fluoridation-seeking-views-on-future-consultation-process

 

[IARC]アリストロキア酸関連がん:世界的対応が必要な公衆衛生リスク

Aristolochic acid-associated cancers: a public health risk in need of global action

20 July 2022

https://www.iarc.who.int/news-events/aristolochic-acid-associated-cancers-a-public-health-risk-in-need-of-global-action/

Nature Reviews Cancerに発表された論文でIARCの科学者らがアリストロキア酸の最新の根拠をレビューした。アリストロキア酸暴露は重症腎症と尿路、肝胆道、その他のがんの相当なリスク要因であるにも関わらず、アリストロキア酸を含むハーブ医薬品が製造・販売され続けている

 

[ProMED]毒蛇に咬まれた-米国:(コロラド)致死

Venomous snake bite - USA: (CO) fatal

2022-07-20

https://promedmail.org/promed-post/?id=8704530

Date: Sun 17 Jul 2022 Source: USA Today [edited]

6才の少年がガラガラヘビに噛まれて死亡したため、蛇に噛まれたときにどうすべきかの注意が出された。CDCによるとアメリカでは毎年7000-8000人が蛇に噛まれ5人が死亡する

以下注意等略

 

[WHO]インフォデミック管理コミュニティイベント:物語の科学

Infodemic Management community event: The science of storytelling

26 July 2022

https://www.who.int/news-room/events/detail/2022/07/26/default-calendar/infodemic-management-community-event-the-science-of-science-storytelling

学習機会:インフォデミックについてコミュニケーションするための効果的な物語、その影響とインフォデミック管理への貢献のしかた

感情的物語が聴衆に届けるのにどれだけ有効か、物語を拡散させる方法、を理解することによってインフォデミック管理者は同じ方法で効果的管理をすることができる

(洗脳合戦のようになってる。オーディエンスの感情をどれだけ動かせるかのテクニックを磨く、のはなんか違うと思うのだけれど、効果は明確にある。理性の方が堅固だと思いたいけれど。)

 

[EU]2022年7月18日の農業水産業評議会

Agriculture and Fisheries Council, 18 July 2022

https://www.consilium.europa.eu/en/meetings/agrifish/2022/07/18/

主な結果

・協同農業政策(CAP)

新CAPの履行とロシアのウクライナ侵攻の影響について議論

環境、気候、生物多様性目標と、食料安全保障とのバランスのとれた解決法が必要であることを強調

・市場の状況、特にロシアのウクライナ侵攻後

今年の収穫の予想、原材料不足と高値が農業生産に大きな影響を与える。この文脈で規則からの逸脱の明確化を要求

・農薬の持続可能な使用

最近欧州委員会が農薬の使用について野心的提案をしたが、50%目標に対しては懸念を表明。化学農薬に代わる持続可能な代用品無しに削減目標義務を課すと食料安全保障と欧州の農業の競争力が犠牲になることを懸念

・水産その他略

(欧州は都市型の環境活動家によって衰退する道を選んだらしいのだけれど農業部門は一応まだ抵抗している。どうせderogationを乱発するのだろう)

 

[USDA]科学者は侵入生物種を管理するためのゲノム編集を探索する

Scientists Explore Gene Editing to Manage Invasive Species

Posted by Cecilia Sequeira, Jul 20, 2022

https://www.usda.gov/media/blog/2022/07/20/scientists-explore-gene-editing-manage-invasive-species

米国では侵入生物種による環境と経済的コストが年1200億ドルを超えると推定されている。それらから我々の資源を守るために、USDAのAPHISの科学者たちは最新の科学技術を駆使した解決法の開発に協力している。それにはゲノム編集が含まれ、ジーンドライブ技術によって侵入齧歯類が単一の性の子孫しか生まないようにする方法を研究している

 

-科学による解決:新興遺伝子技術を探る

Solutions through Science: Exploring Emerging Genetic Technologies

Jul 20, 2022

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/sa-2022/sts-emerging-genetic-technologies

・齧歯類コントロールのためのジーンドライブ

・病害虫管理計画のためのCRISPR

・小分子干渉RNA

・植物病原体の検出

・規制の近代化

・将来の方向性

・APHISの科学者紹介

 

論文

-レビューが寿命を推定する方法の概要を示す

Review outlines methods to estimate life expectancy

20-JUL-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/959347

Leicesterの研究者らが、寿命と疾病で失われる生命年を計算するための5つの重要な方法を探る

生命表を使った基本的方法から統計モデルを用いた最新の方法までをレビューし、同じデータと質問を用いても方法によって推定YLLが異なることを発見した。Journal of Clinical Epidemiology

 

-OTC製品にはCBD含量誤表示が広く見られる

Study shows widespread mislabeling of CBD content occurs for over-the-counter products

20-JUL-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/959276

100以上の市販の局所用カンナビジオール製品(クリーム、ローション、パッチ等)を検査したところCBD含量が不正確で誤解を招くものである根拠を得た。さらに一部にはTHCを含む。JAMA Network Open,

 

-犬に生肉を与えることは抗生物質耐性菌の存在増加と関連する

Feeding dogs raw meat associated with increased presence of antibiotic-resistant bacteria

20-JUL-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/959258

Journal of Antimicrobial Chemotherapyに発表されたBristol大学の研究

 

-イスラエル中毒情報センターに報告された大麻と合成カンナビノイド暴露:医薬品と娯楽用化合物への暴露の違いを検討する

Cannabis and synthetic cannabinoid exposure reported to the Israel poison information center: Examining differences in exposures to medical and recreational compounds

Sharon R.Sznitman et al.,

International Journal of Drug Policy Volume 77, March 2020, 102711

2007-2018年のイスラエルの三種類のカンナビノイド中毒(医療用、娯楽用、合成)について解析

それぞれパターンが違うが医療用と娯楽用大麻による中毒は近年増加傾向

特に小さい子どもが医療用大麻を誤飲することが増加。

 

Nature

-ニュース特集

スクープ:調査者は有名ながん研究室の盗用とデータ改ざんを発見

Exclusive: investigators found plagiarism and data falsification in work from prominent cancer lab

Richard Van Noorden 20 July 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-02002-5

オハイオ州立大学の調査官は有名ながん研究者Carlo Croceの研究室の二人の科学者による研究不正を同定した。大学はCroceは不正をしていないとしたが管理に問題があったとして懲戒

がんにおける遺伝子の役割を研究しているCarlo Croceは米国科学アカデミー会員であるがここ数年彼のグループの研究に盗用や画像の改ざんなどがあるという申し立てに直面していて、共著の11論文を取り下げ21論文を修正している。CroceのラボのMichela Garofalo とFlavia Pichiorriの二人が複数の研究不正を行っていたことがわかった。

 

-「私は使い捨てされているように感じる」:日本の数千人の科学者の職が危機

‘I feel disposable’: Thousands of scientists’ jobs at risk in Japan

19 July 2022  Tim Hornyak

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01935-1

 

-スリランカが危機に-そして科学者も

Sri Lanka is in crisis — and so are its scientists

15 July 2022  Smriti Mallapaty

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01946-y

免疫学者Neelika Malavigeのデング熱アウトブレイクの研究は燃料不足と停電で阻害されている

 

-如何にして腸内細菌ががん治療を強化できるか

How gut bacteria could boost cancer treatments

19 July 2022  Jeanne Erdmann

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01959-7

糞便移植が一部の人の強力な免疫療法への抵抗性を克服するのに役立つ。現在数十の試験ががん-マイクロバイオーム関係を標的にして行われている

 

SMC UK

-英国の学校給食とパック済みランチの超加工食品含量を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at the ultra-processed food content in school meals and packed lunches in the UK

JULY 20, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-the-ultra-processed-food-content-in-school-meals-and-packed-lunches-in-the-uk/

Nutrientsに発表された研究が、英国の学校給食とパック済みランチの超加工食品(UPF)含量を調べた

英国栄養財団栄養科学者でマネージャーAnnette Creedon博士

「超加工食品」という用語が食事と健康研究で使われることが増えたが、多くの研究は観察研究で「超加工食品」が病気の原因であることを証明できてはいない。超加工食品の定義は栄養ではなく加工のレベルのみに基づき、多様な食品が超加工食品に分類される。それらを全て不健康と単一に扱うのではなく栄養を考慮することが重要である

Aston大学医学部登録栄養士で上級教育フェローDuane Mellor博士

Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授

UPFはよく使われるようになったが非常に曖昧な定義である。例えば著者らは切って揚げただけのフライドポテトを「超加工」に分類し、一方多くの工程を経るチーズやパンを(加工度の低い)「加工」に分類している

この研究の知見は驚くべきものでは無く、ほとんどの人が工場で生産されたパンを食べていて、ランチにサンドイッチはよくある。しかしそのパンが健康に有害であるという根拠は無い。食品加工はフードシステムにとって重要である。食品を悪魔化するのは良い考えではない。UPFは健康的食品を供給するのに重要な役割を果たす。

 

-「鬱のセロトニン説」についてのレビューへの専門家の反応

expert reaction to a review paper on the ‘serotonin theory of depression’

JULY 20, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-a-review-paper-on-the-serotonin-theory-of-depression/

Molecular Psychiatryに発表されたレビューが「鬱のセロトニン説」を検討した

デンマークコペンハーゲン大学病院神経学神経生物学研究ユニット長神経生物学教授Gitte Moos Knudsen教授

著者は、鬱は脳内セロトニンが少ないことが原因だと人々が誤解しているためこのようなレビューが必要だとしている。しかし大きな誤解は、鬱が単一の生化学的欠損による単一の病気であるというものである。鬱は多数の原因による多様な病気であると現在は考えられている・このレビューはセロトニン欠乏に関する既存の根拠を明らかにすることを目指したが、レビューに含まれた研究は実際の質問の代理しか出せない方法を用いている

UCLトランスレーショナル精神医学研究グループ長、UKRI主任臨床研究員、精神科相談医、Michael Bloomfield博士

鬱がセロトニンのバランスの悪さによるという仮説は20世紀半ばには進歩のための重要なステップだった。それ以降、膨大な研究が行われて脳のセロトニン系の重要な役割がわかってきた。このアンブレラレビューの知見は驚くべきものではない。鬱にはたくさんの症状があり、それが全てセロトニンのバランスの悪さが原因だと考える人はいない。ある種のタイプの鬱ではその症状にセロトニン系の変化が寄与しているだろうことは可能性として残ったままである。このレビューの問題は鬱を単一の病気として扱ったために疑問に答えられないということである。

以下6人のコメント略 

(このニュースで患者が抗うつ剤を止めることを危惧しているようだ)

 

-イングランドの子どもたちの1997年から2016年の間の減量の試みの傾向を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at trends in weight loss attempts among children in England children from 1997 to 2016

JULY 18, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-trends-in-weight-loss-attempts-among-children-in-england-children-from-1997-to-2016/

Archives of Disease in Childhoodに発表された研究が、イングランドの子どもたちの減量の試みの傾向を調べた

Reading大学心理学部准教授Paul Jenkins博士

「健康」体重の子どもたちで減量したいと望む数が増えているのは特に懸念である。知見の一部は文脈を考慮する必要がある

Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

全年齢で体重が増加しているため、いろいろな理由で減量しようとする子どもたちが増えるのは驚きではない。残念ながら、豊かでない人たちの間に肥満が多く減量努力もよくあることも驚きではない。この問題については既に成人でNHSが苦労している。何故正常体重の子どもたちの一部が減量しようとするのかを含めて追加研究が緊急に必要である

 

その他

-SMC NZ

Covid-19の死亡数報告方法変更-専門家の反応

Covid-19 death reporting changes – Expert Reaction

19 July 2022

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2022/07/19/covid-19-death-reporting-changes-expert-reaction/

保健省がウイルスが死亡に寄与した死亡を報告し始めることでNZのCovid-19統計はより正確になる。これまでは陽性結果から28日以内の死亡全てと、精査後にCovid-19が原因とされた死亡を記録していた。新しいシステムではウイルスが死亡に寄与したかどうかを示す

専門家のコメント略。より正確になることは歓迎

 

-コンシューマーラボ

製品レビュー 電解質とスポーツドリンクレビュー

Electrolytes & Sports Drinks Review

07/14/2022

https://www.consumerlab.com/reviews/electrolytes-sports-rehydration/electrolytes/

あなたが健康でバランスのとれた食生活をしていて一時間のワークアウトをするなら、回復には水だけで良く、「電解質サプリメント」は必要ない。補充が必要なほど汗から電解質を出すのは長時間の激しい運動をした場合のみである

コンシューマーラボの検査では製品によってナトリウムの量は20倍違い、一部の製品はスポーツ用に不適切であった