2022-07-27

[EFSA]意見等

-Aspergillus niger PEC株由来エンド‐ポリガラクツロナーゼ、ペクチンエステラーゼ、 ペクチンリアーゼ、 非還元エンド α‐l‐アラビノース遊離活性を含む食品酵素の安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme containing endo‐polygalacturonase, pectinesterase, pectin lyase and non‐reducing end α‐l‐arabinofuranosidase activities from the Aspergillus niger strain PEC

EFSA Journal 2022;20(7):7376 22 July 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7376

(科学的意見)

この食品酵素には4つの表明されている活性(エンド‐ポリガラクツロナーゼ((1→4)‐α‐d‐ガラクツロナン グリカノヒドロラーゼ (エンド開裂); 3.2.1.15)、ペクチンエステラーゼ (ペクチン ペクチルヒドロラーゼ; 3.1.1.11)、ペクチンリアーゼ ((1→4)‐6‐O‐メチル‐α‐d‐ガラクツロナン リアーゼ; 4.2.2.10)、非還元エンド α‐l‐アラビノフラノシダーゼ (α‐l‐アラビノフラノシダーゼ 非還元エンド α‐l‐アラビノフラノシダーゼ; 3.2.1.55)があり、DSM Food Specialties B.V.社が非遺伝子組換えAspergillus niger PEC株で生産した。この食品酵素にはこの生産生物の生きた細胞はない。この食品酵素はブドウ以外の果物由来アルコール飲料の製造、ジュース生産用の果物と野菜の加工、ワインとワインビネガー生産に使用することを意図している。食事暴露は欧州人で最大0.25 mg TOS/kg 体重 (bw) /日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間経口毒性投与試験で評価された。パネルは、調べた最大量204 mg TOS/kg bw /日を無毒性量とし、推定される食事評価と比べて、暴露マージンは少なくとも800となった。既知のアレルゲンに対する食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、いくつか一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件で、特に数種類の花粉アレルゲンやパパイヤアレルゲンに感作された個人には、食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念は生じないと結論した。

 

-東欧及び南欧を含む欧州40地域の自動撮影カメラで集めたデータ

Data generated by camera trapping in 40 areas in Europe including East and South Europe: report of the field activities (May 2022)

EFSA Journal 2022;19(7):EN-7422 22 July 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7456

EFSAが資金提供したENETWILDプロジェクトの一環として新しくできた欧州野生生物観測所(EOW)は欧州の野生生物集団監視能力強化を目的とする。野生生物密度を推定するための野外活動を準備中で、その一環

 

-複数化合物暴露のリスク評価に関するEFSA国際ワークショップ

EFSA International Workshop on RA of Combined Exposure to Multiple Chemicals

22 July 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7422

(イベント報告書)

2021年5月21日、EFSAの科学委員会は、ハザード主導の基準を用いて評価グループの化学物質をグループ分けするための科学的基準と、暴露主導でリスクベースのアプローチを用いた優先順位方法に関するガイダンス文書案を発表した。2021年10月18、19、20日の午後にオンラインで開催された国際的なワークショップは後者のガイダンスと将来の課題がテーマだった。このイベント報告書は議論の概要、結論、助言を提供している。

 

[HK]ニュースレター

Food Safety Focus

20 Jul 2022

-適切な保存 - 調理済み野菜の亜硝酸塩濃度上昇を最小限に抑える鍵

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_192_04.html

野菜は健康的な食事の重要な要素である。だが、健康に悪い亜硝酸塩を多量に含む可能性があることを懸念して、一晩おいた調理済み野菜をランチとして職場に持って行くのを好まない人もいる。このため、食品安全センターは調理済み野菜の亜硝酸塩量に関するリスク評価試験を実施した。

この研究では、調理前や直後のどの野菜サンプルにも亜硝酸塩は含まれていない。冷蔵温度(0~4°C )で一晩保管したとき、全ての調理済み野菜サンプルに亜硝酸塩は検出されなかった。だが室温で保管すると、12時間保管した後にいくつかのサンプルで亜硝酸塩量が増加し始めた。この試験結果から、保管温度が調理済み野菜の亜硝酸塩の量に重要な役割を果たすことが明らかになった。

一般市民には亜硝酸塩の形成を遅らせるために適切に調理済み野菜を保管するよう助言する。残り物は調理後2時間以内に冷蔵庫に保管し、できるだけ早く食べること。家で詰めた食事やお弁当は、職場に到着後すぐに冷蔵庫で保管した方がよい。食べる前に中心温度が75°Cに達するまで完全に食品を再加熱すること。様々な野菜を含む多様な食事はよりよい健康のために必要である。

 

[BfR]シガテラ:海産魚介類に含まれるシガトキシン(藻類毒素)による中毒例

Ciguatera: cases of poisoning from ciguatoxins (algal toxins) in marine fish and shellfish

BfR FAQ dated 16 May 2022  20.07.2022

https://www.bfr.bund.de/en/ciguatera__cases_of_poisoning_from_ciguatoxins__algal_toxins__in_marine_fish_and_shellfish-303026.html

シガトキシン中毒又は「シガテラ」は、特定の海産魚介類を食べた後に発症することがあり、世界的に最も一般的な非細菌性魚介類中毒の一つとされている。世界的な水産物貿易の拡大に伴い、今後シガテラ症例が増加する可能性がある。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は魚介類に含まれるシガトキシン中毒についてのよくある質問と回答をまとめた。

シガトキシンとは何か?

シガトキシンは、マリンバイオトキシン(藻類毒素)に分類される。これらの毒素は、Gambierdiscus属及びFukuyoa属の渦鞭毛藻(単細胞藻類)により生成され、熱帯・亜熱帯の暖かい海洋によく見られるが、地中海地域でも見られつつある。藻類は海洋性植物プランクトンであり、藻類を栄養源とする様々な海洋動物の餌となる。草食性の若い魚(小さい魚)は、肉食性の長寿の魚(大きい魚)よりもシガトキシンの濃度が低くなる傾向がある。

シガテラとは?

シガテラ(別名:シガトキシン中毒)は、シガトキシンによって引き起こされる多種多様な臨床症状を表す用語である。シガテラに特異的な症状には温感逆転(温感/冷感過敏)や冷たい水に触れた時の痛みなどがある。

摂取されたシガトキシンは体内でどうなるか?

シガトキシン摂取後の毒性は、体内の細胞にあるナトリウムイオンチャンネル(又は単に「ナトリウムチャンネル」)に結合する毒素の能力の結果である。ナトリウムチャネルは、ナトリウムイオンの細胞内への流入を制御し、神経細胞への刺激の伝達に重要な役割を果たす。これらのチャンネルは通常、わずか数ミリ秒しか開かないが、シガトキシンのような物質はより長い時間活性化(開口)させる。それによって細胞内にナトリウムイオンが無秩序に流入し、神経細胞への刺激の伝達を撹乱し、温冷感覚の逆転現象を引き起こす。

シガトキシン中毒(シガテラ)例では、どのような症状が出るのか?

シガテラは魚介類の消費後、数分から48時間で症状が出る。症状は様々で、消化器系(例:吐き気、嘔吐、下痢及び腹痛)、神経系(例:筋肉/関節痛、掻痒症)、循環器系(例:低血圧、稀に不整脈)などがある。典型的な症状には、温冷感覚の逆転現象や冷たい物に触れて生じる痛みがある。症状によっては数ヶ月間続く。症状が治まっても、特定の食品や刺激物(例:アルコール、コーヒー)摂取、その他の環境要因(例:暑い気候、運動)により、症状が再発することがある。免疫はできず、シガトキシンを何度も摂取すると、再び症状が出たときに悪化することがある。

海産魚介類を食べて、シガトキシン中毒の症状が出た。どうしたらよいか?

できるだけ早く医療機関を受診し、シガトキシン中毒(シガテラ)の疑いについて伝えること。可能であれば、食べたものを分析用に保存すること。分析により、食品中のシガトキシンの存在を確認することができる。また、ドイツの各州の中毒情報センターに電話すれば専門家の医療助言を受けることができる。

消費者が魚介類にシガトキシンが含まれているかどうかを見分けることは可能か?

できない。シガトキシンは魚介類の感覚(見た目、におい、風味、硬さ)に変化を与えず、シガトキシンを含むかを見分けることはできない。実験室でのみ検出できる。

シガトキシンは、保存や調理によって分解されるか?

分解されない。シガトキシンは非常に安定で、海の魚介類中のシガトキシン濃度は、加熱(例:煮る、揚げる)又は冷凍に影響を受けず、他の保存、処理あるいは食品調理(例:酢漬け)にも影響されない。

すべての海の魚介類が同じように影響を受けるか?

シガトキシンは、熱帯・亜熱帯漁場、特にサンゴ礁地域で捕獲した特定の魚種に発生しがちである。サンゴ礁に住む魚に高濃度でも近くの魚からは全く検出されないこともある。バラクーダ、サバ、フエダイ及びハタなどの大型捕食魚種は、暖かい沿岸の浅い場所で捕った場合、特に疑わしい。魚の中でも、肝臓、魚卵、頭部は、魚肉よりも高濃度のシガトキシンを含むことがある。北大西洋や北太平洋のような冷たい海域に生息する魚は汚染される可能性は低い。

消費者の中には、シガトキシン中毒のリスクが高いグループがあるか?

一般的な経験則として、海の魚介、魚介製品を食べる人はシガトキシンに暴露する可能性がある。シガトキシンは熱帯・亜熱帯の特定の魚に発生する傾向があるため、これらの製品を食べる人は、全く食べない人よりもシガトキシン中毒のリスクが高い可能性がある。

摂取しても症状が出ない安全なシガトキシンの濃度はあるか?

未確定である。2010年、欧州食品安全機関(EFSA)は、魚介類の摂取後にシガトキシン群の毒素がもたらす健康リスク評価の科学的意見を発表した。利用可能なデータが十分でなく、急性参照量(ARfD)のようなシガトキシンの健康ベースの参照値を決定することができなかった。ARfDはある物質が1日に、1回のあるいは数回の食事で食品と一緒に食べても、健康へのリスクを検出しない推定最大量を規定する。一般的に、魚介類に含まれる非常に低い濃度の毒素でも、ヒトでシガトキシン中毒症状を引き起こす可能性がある。

例えば、休暇でシガテラ被害のある地域に行った場合、どのようにすればシガトキシンにさらされないか?

最も安全な方法は、海の魚介類 - 特に自分で捕った魚介類を全く食べないことである。シガトキシンが頻繁に発生する地域のシェフやレストランのオーナーは、特定の季節に食べても安全な製品について、より詳しい情報を提供してくれる。一般的に、サンゴ礁から遠い外洋(深海)で捕った魚は、海岸近くの魚よりも安全である。シガテラの被害のある地域の海洋魚は一般に避けるべきで、特に過去にシガテラに罹った人は、避けた方がよい。

魚介類、魚製品に含まれるシガトキシンの暴露から消費者を守るために、法律はどのように機能しているか?

EU(欧州連合)では、水産物中のシガトキシンは、欧州委員会施行規則(EU)2019/627(付属書VI、第1章G 3.)及び規則(EC)853/2004(第VIII、第5章E 2.)により規制しており、シガトキシンを含む製品の上市を禁止している。食品事業者、輸入業者及び輸出業者は、製品がEUの法律要件に完全に適合していることを確認する必要がある。

 

[HSA]HSA は安全性と品質基準を満たした健康サプリメント食品と伝統医薬品のローカルデータベースを確立するための自主的な届け出に関する取り組みを開始する

HSA Launches Voluntary Notification Initiative to Establish Local Database of Health Supplements and Traditional Medicines that Meet Safety and Quality Standards

23 Jul 2022

https://www.hsa.gov.sg/announcements/press-release/hsa-voluntary-notification

シンガポール保健科学庁(HSA)は、健康サプリメント食品や伝統医薬品を扱う企業を対象とした自主的な届け出の取り組みを導入する。目的は、消費者が購入時に参照できる、安全で良質な補完的健康製品のローカルデータベースを確立することである。又、安全性や品質に問題があった場合のHSAによるトレーサビリティやフォローアップ対応も改善される。

HSAは2022年8月1日から段階的にこの取り組みを開始し、まずはビタミンやミネラルサプリメントなど一般的に購入される製品や、減量、鎮痛及び男性の活力増進など不純物のリスクが高い製品から開始する。HSAはその後の段階において、徐々に他の製品カテゴリーを含める予定である。

求められる製品の安全性及び品質基準

この取り組みに参加する企業は、製品が必要な安全性、品質基準及び表示要件を満たしていることを証明するための関連書類をHSAに提出する必要がある。これらの基準に適合した製品のみが、HSAのデータベースで公開される。しかしながら、このデータベースへの登録はHSAがその製品を推奨するわけではない。

現在、HSAはステロイドなどの薬効成分の添加を禁止し、健康サプリメント食品と伝統医薬品の両方に含まれる有害重金属に厳しい制限を設けている。又、HSAは、これらの製品が消費者に使用された際に生じる可能性のある安全性の懸念を検出するために、市販後サーベイランスを実施している。健康サプリメント食品と伝統医薬品の要求される安全性と品質基準の詳細については、HSAのウェブサイトで参照できる。

HSAは業界協議を行い、業界の支持を得て、この自主的な届出取り組みを開始する。企業は、2022年8月1日からこれらの製品に関する書類の提出を開始することができる。

提出手続や要件の情報に関しては

HSAのウェブサイトhttps://www.hsa.gov.sg/health-supplements/vnsで入手できる。

又、HSAは企業の参加を促進するためのトレーニングセッションを開催する予定であり、詳細については近日中に業界と共有する予定である。問い合わせ先:HSA_CHP@hsa.gov.sg

 

Regulatory overview of health supplements

https://www.hsa.gov.sg/health-supplements/overview

 

Regulatory overview of traditional medicines

https://www.hsa.gov.sg/traditional-medicines/overview

 

[FSA]FSAが改訂狩猟ガイダンスを発表する

FSA publishes refreshed Wild Game Guidance

25 July 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-publishes-refreshed-wild-game-guidance

 英国食品基準庁(FSA)は野生動物の狩猟と狩猟肉の安全な取り扱い、準備、供給についてのガイダンスを更新。

 

[FSAI]ウクライナ危機がもたらす食品表示の課題に関するガイダンスの更新

Updated Guidance on Food Labelling Challenges Caused by the Crisis in the Ukraine

Friday, 22 July 2022

https://www.fsai.ie/news_centre/labelling_ukraine_crisis_22072022.html

アイルランド食品安全局(FSAI)は、食品事業者が直面している継続的な表示課題の程度を検討するために食品業界に対する調査を実施し、表示の柔軟性に関するガイダンスを見直し、改訂した。

https://www.fsai.ie/Updated_Labelling_Ukraine_210722/

 

[FDA]プレスリリース

-FDAは公衆衛生をより適切に保護するための規制監視ツールの最適なアプローチについて詳述する

FDA Details Optimized Approach for Regulatory Oversight Tools to Better Protect Public Health

July 22, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-details-optimized-approach-regulatory-oversight-tools-better-protect-public-health

 米国食品医薬品局(FDA)は、遠隔規制評価(RRA)の使用拡大に関するガイダンス案「Conducting Remote Regulatory Assessments Questions and Answers(遠隔規制評価実施に関する質問と回答)」を発表し、すべてのFDA規制製品を対象とする予定である。

https://www.fda.gov/media/160173/download

 

-食品施設の2年に1度の登録期間が近づく中、登録と更新方法に関するウェビナー

Food Facilities Invited to Join “How To” Webinar on Registration and Renewal as Biennial Food Facility Registration Period Approaches

July 22, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/food-facilities-invited-join-how-webinar-registration-and-renewal-biennial-food-facility

 FDAは、2022年8月11日午後1時より、食品施設の登録、隔年更新及び許容可能な施設固有識別番号(UFI)の取得について、関係者向けのWebセミナーを開催する。

 

-食品中の天然毒素

Natural Toxins in Food

07/21/2022

https://www.fda.gov/food/chemicals-metals-pesticides-food/natural-toxins-food

 マイコトキシン、アキーフルーツ中のヒポグリシンAなどの食品中の天然毒素に関する情報。

 

-Ultra Supplement LLC はSustango が表示されない成分タダラフィル含有のため全国における自主的リコール。

Ultra Supplement LLC Issues Voluntary Nationwide Recall of Sustango Due to the Presence of Undeclared Tadalafil

July 25, 2022

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/ultra-supplement-llc-issues-voluntary-nationwide-recall-sustango-due-presence-undeclared-tadalafil

 Ultra Supplement LLC は、男性強化のためのダイエタリーサプリメントSustangoが表示されない成分タダラフィルを含んでいるため自主的リコールする。製品写真あり。

 

[ヘルスカナダ]リコール

Vortex Cannabis Inc.は食用大麻「VORTEX 10 SOUR BERRY JELLY DROPS 10X1MG」を一部リコールする。

Vortex Cannabis Inc. recalls one lot of VORTEX 10 SOUR BERRY JELLY DROPS 10X1MG, edible cannabis

2022-07-22

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/vortex-cannabis-inc-recalls-one-lot-vortex-10-sour-berry-jelly-drops-10x1mg-edible

一部の製品には、誤った名称と誤ったカンナビノイド値が表示されており、表示されているテトラヒドロカンナビノール(THC)と総THCの値が実際の値より高くなっている。

 

[ヘルスカナダ]通知

-コーラ系飲料におけるカフェイン及びクエン酸カフェインの使用を見直すため、他の用途が認められている許可食品添加物のリストの修正通知

Notice of Intent to Modify the List of Permitted Food Additives with Other Accepted Uses to Revise the Use of Caffeine and Caffeine Citrate in Cola Type Beverages

July 21, 2022

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/notice-intent-modify-permitted-food-additives-accepted-uses-caffeine-citrate-cola-beverages.html

カナダにおけるサプリメント食品の販売に関する規制の枠組みの結果として、カフェイン及びクエン酸カフェインに関連する「その他の用途で許可された食品添加物のリスト」を修正し、許容量を200 ppmから150 ppmに引き下げる。

 

-非フレーバー抽出物への特定の溶剤の使用を拡大するための許可されたキャリア又は抽出溶剤リストの修正通知

Notice of Modification to the List of Permitted Carrier or Extraction Solvents to Extend the Use of Certain Solvents to Non-flavouring Extracts

July 21, 2022

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/notice-modification-list-permitted-carrier-extraction-solvents-extend-solvents-non-flavouring-extracts.html

ヘルスカナダは「許可されたキャリア又は抽出溶媒のリスト」を修正し、特定の溶媒の使用を、サプリメント食品の成分として使用できる非フレーバー抽出物、カフェイン抽出物、又はその両方の製造に拡大した。2022 年 7 月 21 日より、発効。

 

[MPI]食品に関する苦情に対応する新しいオンラインツール

New online tool to make a food complaint

25 July 2022

https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/new-online-tool-to-make-a-food-complaint/

食品に関する苦情に対応する新しいオンラインツールを発表する。

https://www.mpi.govt.nz/contact-us/make-a-food-complaint/

 

[HK]CFSは食べられないキノコの種類が混入している疑いのあるヤマドリタケを消費しないよう市民に注意を呼び掛ける

CFS urges public to stop consuming boletes suspected to contain mixture of species including inedible mushrooms

Monday, July 25, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220725_9649.html

食品安全センター(CFS)は、食べられないキノコの種類が混入している疑いがあるため、バラ入りヤマドリタケを消費しないよう市民に注意を呼び掛けた。キノコの摂取が原因と思われる食中毒事件を追跡調査中である。

 

[FSANZ]食品基準ニュース

Food Standards News

July 2022 edition

https://mailchi.mp/7cac32d8e20b/food-standard-news-1300416?e=21527ddb09

・将来に備えた食品基準関係者フォーラムに300人以上参加したことに感謝

・口蹄疫と食品安全

・食品規制制度への意見募集受付中

・食品アレルゲン表示

・オーストラリア食品科学技術研究所(AIFST)による企業調査

 

[FAO]より回復力のある農業のための原子力技術

Nuclear technologies for more resilient agriculture

25/07/2022

https://www.fao.org/newsroom/detail/nuclear-technologies-for-more-resilient-agriculture/en

7月25-29日、気候スマート農業のために土地と水を管理することについてのFAO/IAEA国際シンポジウム

 

[FAO]農業食料システム転換のためには科学と革新が重要な加速因子

Science and innovation are key accelerators for transforming agrifood systems

21/07/2022

https://www.fao.org/newsroom/detail/science-and-innovation-are-key-accelerators-for-transforming-agrifood-systems/en

FAO事務局長が、生産性、品質、多様性、効率性、環境持続可能性の新たなレベルに達するために、FAOの初めての科学革新戦略の重要性を強調

FAO Science and Innovation Strategy

https://www.fao.org/3/ni707en/ni707en.pdf

三本の柱

・科学と根拠に基づいた意思決定を強化する

・国レベルで革新と技術を支援する

・FAOの能力補強で加盟国をより良く支援

 

[NASEM]気候スマート農業の影響を育てる

Growing the Impacts of Climate-Smart Agriculture

July 26, 2022  By Sara Frueh

https://www.nationalacademies.org/news/2022/07/growing-the-impacts-of-climate-smart-agriculture

排出を減らし炭素を隔離するやり方の拡大方法を探るセミナー

主要作物の間にカバー作物を植えてCO2を吸収させる、不耕起等の気候スマート‘climate-smart’農業の実践を拡大する方法についてのウェビナーの報告

 

[APVMA]農薬規制ニュースレター

Pesticides Regulatory Newsletter, July 2022

27 July 2022

https://apvma.gov.au/node/103146

・局長から更新情報

・最新パフォーマンス

・農業製品表示基準更新

・新規製品の登録

・農業獣医用製品基準による情報要請

・化学物質レビュー更新 プロシミドンについて意見募集中

・新しい規制

 

論文

-FDAの警告文書後のダイエタリーサプリメントのリコール、入手可能性、内容物

Recalls, Availability, and Content of Dietary Supplements Following FDA Warning Letters

Pieter A. Cohen et al.,

July 26, 2022  JAMA. 2022;328(4):393-395.

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2794578

FDAがβ-メチルフェネチルアミン(BMPEA)、メチルシネフリン、オクトドリン(DMHA)が含まれるダイエタリーサプリメントに警告文書を発行した後、それらの製品がどうなったかを調べた。製品がまだ販売されている場合には購入して内容物を検査した。

FDAが警告文書を発行したのは31サプリメント製品に対してであった。そのうち1製品のみが製造業者によりリコールされた。警告文書から6年後にまだ販売されていた製品は9製品で、そのうち4製品は少なくとも1つの禁止物質をラベルに表示していた。化学分析の結果、9製品中5製品から少なくとも1つの禁止物質を含んでいた。

この研究はFDAの製造業者に確実に法を守らせる対応への疑問を提示する。

 

-有機農業の持続可能な行為は農場のサイズに関連する

Sustainable practices linked to farm size in organic farming

25-JUL-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/959853

コーネル大学のJeffrey Liebertらの研究によると大規模有機農業経営者は慣行農法に近く、小規模有機農場より持続可能なやり方が少ない。Nature Plants

米国の542の有機野菜果物農家の調査。平均すると規模が大きいほど慣行農業に近い。大規模有機農家は有機農産物のアクセス増加と価格の低下に貢献してきたが有機農業の「慣行農業化conventionalization」により有機ラベルの信頼性を減らす可能性がある、と著者は言う。

(USDAの有機ラベルはもともとマーケティングのためであるので「有機」の定義を満たしながら最も効率の良いやりかたをしているだけ。それに対する難癖は、有機ラベルは手間をどれだけかけたかが大事で希少価値を求める消費者の自己満足のためであることを白状している。)

 

-高強度大麻は依存と精神衛生問題に関連

High-strength cannabis linked to addiction and mental health problems

25-JUL-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/959642

大麻製品の強度がここ数年国際的に増加しているため、大麻依存のために治療を受ける率も増加した。The Lancet Psychiatry

 

-食事に補充することで遺伝性のがんを予防できることを証明した初めての試験

First trial to prove a diet supplement can prevent hereditary cancer

25-JUL-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/959650

世界中のリンチ症候群患者約1000人が参加したCAPP2試験で、難消化性デンプンを一定量毎日2年間摂ることで、大腸がんには影響しないが他のがんを半分以上抑制した

Cancer Prevention Research

同じ試験で先にアスピリンが大腸がんを減らすことを報告している

 

-慢性腎疾患の患者は野菜や果物を食べる可能性が低い、研究が発見

Chronic kidney disease patients less likely to eat fruits and veggies, study finds

26-JUL-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/959917

NHANESのデータを用いた解析。Journal of Renal Nutrition

腎機能障害のある人にはカリウム摂取量を減らすよう助言されることがあり、野菜果物の摂取量の少なさは腎疾患の原因なのか結果なのかは不明

 

-食べ物に依存していると感じる?あなたの親の飲酒習慣があなたのリスクに影響する

Feeling addicted to food? Your parents' drinking habits may impact your risk

26-JUL-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/959930

飲酒問題をもつ親がいる人は高度に加工された食品への依存兆候を示すリスクが高い、新しいミシガン大学の研究。Psychology of Addictive Behaviors

(アル中の親に関連する問題なんて他にもたくさんありそうなのにそこを問題にするんだ?)

 

-心血管系疾患リスク要因のない成人の心血管系疾患予防のための健康的食生活と運動を促すための行動カウンセリング介入

USPSTF助言声明

Behavioral Counseling Interventions to Promote a Healthy Diet and Physical Activity for Cardiovascular Disease Prevention in Adults Without Cardiovascular Disease Risk Factors

US Preventive Services Task Force

JAMA. 2022;328(4):367-374.

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2794558

2017年の助言の更新

行動カウンセリング介入は、CVDリスク要因のない成人のCVDリスクに対して少しの総ベネフィットがあることに、中程度の確実性があると結論

医師は行動カウンセリングを提供するかどうかを個別に判断することを勧める

 

-ツイートは人々がパンデミック中により健康的な食品を摂取したことを示唆する

Tweets suggest people consumed healthier foods during the pandemic

26-JUL-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/959964

2020年5月から2021年1月までの間に、健康的食品についてのツイートのシェアがそれ以前に比べて20%増加し、ファストフードとアルコールのツイートは9%と11%減った

ボストン大学公衆衛生学部の研究者らがCellプレスの雑誌Patternsに発表した。

健康的食品として分類された単語:サラダ、リンゴ、チキン、コーン、卵、ピーナッツバター

ファストフード:マクドナルド、タコベル、スターバックス、KFC、Chick-Fil-A、Chipotle

アルコール:テキーラ、ビール、ワイン、ウォッカ、ミモザ

(この手の研究、「健康的」の定義がいつもいいかげんだと思う。単純に外食と外飲みができなかっただけなのでは)

 

-武漢の華南海鮮卸売市場がCOVID-19パンデミック初期の震源地だった

The Huanan Seafood Wholesale Market in Wuhan was the early epicenter of the COVID-19 pandemic

MICHAEL WOROBEY et al., SCIENCE 26 Jul 2022

https://www.science.org/doi/10.1126/science.abp8715

中国における生きた野生生物の売買がSARS-CoV-2の発生源であることを示唆

 

-機械学習は科学における再現性の危機を悪化させるか?

Could machine learning fuel a reproducibility crisis in science?

26 July 2022  Elizabeth Gibney

https://www.nature.com/articles/d41586-022-02035-w

「データ漏れ」が分野を横断して機械学習の信頼性を脅かす、研究者が警告

データに基づいてパターンを予想するツールとして機械学習がますます使われるようになってきたが、そのような研究の多くはおそらく誇大宣伝である、とプリンストン大学の研究者らは言う。ピアレビューする人にAIアルゴリズムを厳密に精査する時間は無く、学術界には現時点で無責任な論文を排除するメカニズムはない。機械学習モデルの力への過剰な楽観視が健康や司法の分野に適用されるとダメージとなる可能性がある

テストでの予測が正確だとしばしば人はそのモデルが「問題の真の構造」だと騙されてしまう。それは心理学における再現性の危機と似た状況である。機械学習の誇大宣伝が研究者はあまりにも簡単に結果を受け入れてしまうことにもつながっている。「予測」という単語そのものにも問題がある。

(一部のみ。AIに限らず、条件を説明しないモデルでの予測なんて報道する価値はないだろうに)

 

-消防士としての職業暴露の発がん性

Carcinogenicity of occupational exposure as a firefighter

Paul A Demers et al.,

The Lancet Oncology VOLUME 23, ISSUE 8, P985-986, AUGUST 01, 2022

https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(22)00390-4/fulltext

2022年6月25日、IARCが消防士としての職業暴露の発がん性評価を最終化した。この評価はIARCモノグラフ132巻に発表される。

消防士としての職業暴露は、ヒトでの十分な根拠に基づき「ヒト発がん性」(グループ1)と分類された。ワーキンググループは、ヒト中皮腫と膀胱がんについて「十分な」根拠、大腸、前立腺、精巣がん、黒色腫、非ホジキンリンパ腫については「限定的」根拠があると結論した。また消防士としての職業暴露に続いて発がん物質に暴露されたヒトが示す重要な特徴:「遺伝毒性」「エピジェネティック変化」「酸化的ストレスの誘導」「慢性炎症の誘発」「受容体仲介効果の変化」、を示す「強い」メカニズム的根拠もある。実験動物モデルの根拠に関しては、実験が入手できなかったので「不十分」とされた。消防士としての職業暴露のグループ1評価は、男女両方を含む全ての消防士(ボランティアを含む)にあてはまる。

 

-たばこ規制の進歩と電子タバコ

Progress on tobacco control and e-cigarettes

The Lancet Oncology EDITORIAL| VOLUME 23, ISSUE 8, P961, AUGUST 01, 2022

https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(22)00454-5/fulltext

電子タバコの使用増加と電子タバコ関連肺疾患の報告を背景にした2019年10月のエディトリアルで、我々は一つの悪習を別の悪習で置き換えることのないよう迅速に対応するよう呼びかけた。その後も多くの国で電子タバコは蔓延したままである。禁煙への役割についてのしっかりした根拠がなく若者での使用が増加していることから、注意することが賢明である。これに合意するいくつかの対策が行われている。

 

その他

-Natureニュース

COVIDはどのくらいの期間感染性?これまで科学者が知っていること

How long is COVID infectious? What scientists know so far

26 July 2022  David Adam

https://www.nature.com/articles/d41586-022-02026-x

SARS-CoV-2陽性者はしばしば数日のみ隔離するように助言される。しかし一部の人はもっと長く感染性が続く根拠が積み上がっている

CDCが12月にCOVID-19患者の隔離期間を5日に半減したとき、それは科学に基づくと言われた。特に、CDCはほとんどの伝染は病気の初期に、症状が出る1-2日前から症状が出て2-3日に、おこると言った。多くの科学者がこの決定に異議を唱え今でも続いている。そのような反論は、症状が出てから二週間後でも感染性がある患者を確認した一連の研究で強められている。隔離期間の短縮は、今や世界中で普通になったが、新たなデータによるのではなく政治によるものだと彼らは言う。

マサチューセッツ総合病院の感染症専門家Amy Barczakは「どのくらいの期間感染性があるのかという事実は変わっていない。10日より短い隔離期間を支持するデータは無い」という。medRxivのプレプリントに投稿した研究でBarczakはSARS-CoV-2オミクロン変異株の感染者の1/4は8日後でも感染性があると示唆する

ナンバーゲーム

質問はシンプルであるが-COVID-19の人はどのくらい長く感染性があるか?-その答えは複雑である、と専門家は注意する。ジュネーブ大学のウイルス学者Benjamin Meyerは「我々はいつも感性がある・なしとまるで白黒二分できるかのように考えるが、実際にはそれは確率の数字の問題である」。そしてその数字は規則とベースラインを変えている。新興変異株、予防接種、これまでの感染による免疫などが全て影響する。人々の行動も。

ほとんどの科学者が確信していることのいくつかにはPCR検査はもう感染性のない人でも陽性になる、ということである。一方迅速抗原検査は感染性についてはより良いガイドになる。バーモント大学の微生物学者で分子遺伝学者Emily Bruceは「簡潔なメッセージとしては、抗原検査陽性なら外出したり感染させたくない人に会ったりしないこと、になるだろう」という。

(以下略。レギュラトリーサイエンスの出番なのに。ALOPをどこに設定するのか、エビデンスの頑健さは規制にみあったものか、なんて考察も科学の一環なのに。コメにヒ素が含まれていてゼロが望ましいとしてもコメを食べないわけにはいかないから社会的に合意できるレベルに基準を作ったりする、のと同じ。それを科学ではないと主張する「科学者」がいるところも同じ。)

 

-食品周期表イニシアチブ

The Periodic Table of Food Initiative (PTFI)

https://foodperiodictable.org/

世界の食品の組成と機能についての参照データベースを作る試み

 

-パンデミック飲酒によるアルコール死は増加すると予想

Alcohol deaths from pandemic drinking are predicted to rise

By Michelle Roberts

https://www.bbc.com/news/health-62291767

パンデミック中に自宅で大量飲酒した人たちがその習慣を続けるとイングランドのアルコール関連死が増加するだろう

 

-輸出への脅威:NZの業界団体がレボメフォレート(活性型葉酸)を表に入れる政府の助言に反対

Exports threat: NZ industry body objects government’s recommendation to schedule levomefolate

26-Jul-2022 By Tingmin Koe

https://www.nutraingredients-asia.com/Article/2022/07/26/nz-industry-body-objects-medsafe-s-recommendation-to-schedule-levomefolate

業界団体ナチュラルヘルス製品ニュージーランド(NHPNZ)が、500マイクログラム以上のレボメフォレートを含む製品は薬局のみで販売できる製品に分類する政府の助言に反対するという。輸出機会を失うからだという。海外では1日1mgまで使われていて、レボメフォレートが表に含まれることはどんな量でもそれを含めば医薬品とみなされる懸念があるという

一方この提案をした医薬品医療機器安全局(Medsafe)の医薬品分類委員会(MCC)は、神経管欠損リスク削減などの治療目的で販売されているレボメフォレートは、分類に関わらず医薬品とみなすべき、という。

(サプリメント業界はどこも同じ。ビタミン剤も使うなら医薬品を選んだ方が良い)