2022-08-02

[EU]査察報告

チェコ共和国―水産物

Czech Republic 2022-7450―Fishery products

01/08/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4501

2022年1月24日~2月8日までチェコ共和国で実施した、水産物の公的管理システムの評価を目的とした査察結果。公的管理システムは生産チェーン全体をカバーし、欠点を特定・是正するために必要な全ての要素を備えている。だが、検査官にHACCPの知識が不足していることや、水産物施設を管理する検査官に特定の指示がないという欠点が見つかった。運用していない承認済施設の管理が不十分で、そのような施設から違反製品が市販される可能性を検出する管轄機関の能力が制限されている。さらに、国の規則はEU法の関連規定に違反しており、FBOsが冷凍製品の保存状態を操作してEU法に違反する製品を提供することになりかねない。

 

[EU]RASFF 2022(0724-0730)

警報通知(Alert Notifications)

アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシンB1、ロシア産ドイツ経由コリアンダー種子の未承認物質塩素酸塩、スペイン産米油のグリシジルエステル及び3-MCPD、ベルギー産有機トルティーヤチップスのトロパンアルカロイド、オランダ経由トウモロコシトルティーヤチップスのトロパンアルカロイド、ベトナム産冷凍ナマズの未承認物質マラカイトグリーン、イスラエル産生鮮バジルのシペルメトリン・フェナミノホス・イミダクロプリド残留物、インド産食品着色料粉末の未承認着色料(アシッドイエロー36, オーラミン, オレンジⅡ)、ハンガリー産ヒマワリ種子のクロルピリホス、

注意喚起情報(information for attention)

米国産食品サプリメントのDMBA、ドミニカ共和国産マンゴーのエテホン、トルコ産グレープフルーツのクロルピリホスメチル、スペイン産チルドマツイカのカドミウム、ポーランド産パセリのクロルピリホス、米国産食品サプリメント ElmiGoneの2-クロロエタノール、

通関拒否通知(Border Rejections)

インド産シナモン抽出物の未承認着色料 (E 128 - レッド 2G, ロクセリン, オレンジ II) 、アルゼンチン産ピーナッツカーネルのアフラトキシン(複数あり)、ウズベキスタン産リンゴチップスのクロルピリホス及びラムダ-シハロトリン、インド産食品着色料粉末の未承認着色料スーダンⅠ、中国産バーガープレスからの一級芳香族アミンの溶出、中国産ウーロン茶のジノテフラン及びクロルピリホス、中国産紅茶のジノテフラン、インド産ピーナッツのアフラトキシン、トルコ産イチジクのアフラトキシン限度量超過、ウガンダ産チリペッパーの未承認物質カルベンダジム、中国産茶のトルフェンピラド、

 

[EFSA]意見等

-鶏肥育用センデュラマイシンナトリウム(Aviax 5%)からなる飼料添加物の安全性(Phibro Animal Health s.a.)

Safety of a feed additive consisting of semduramicin sodium (Aviax 5%) for chickens for fattening (Phibro Animal Health s.a.)

EFSA Journal 2022;20(8):7432 1 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7432

(科学的意見)

 

-全ての動物種用l‐アルギニン (Corynebacterium glutamicum CGMCC 20516によって生産した)からなる飼料添加物の安全性と有効性

Safety and efficacy of a feed additive consisting of l‐arginine (produced by Corynebacterium glutamicum CGMCC 20516) for all animal species (Eppen Europe SAS)

EFSA Journal 2022;20(7):7427  29 July 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7427

(科学的意見)

 

-遺伝子組換えTrichoderma reesei AR‐352株由来食品酵素グルコースオキシダーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme glucose oxidase from the genetically modified Trichoderma reesei strain AR‐352

EFSA Journal 2022;20(7):7372  28 July 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7372

(科学的意見)

この食品酵素グルコースオキシダーゼ(β‐d‐グルコース:オキシゲン 1‐酸化還元酵素; EC 1.1.3.4)はAB Enzymes GmbH社が遺伝子組換えTrichoderma reesei AR‐352株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素にはこの生産生物の生きた細胞はないが、組換えDNAがないことは立証できなかった。この食品酵素は4つの製造工程、つまり、焼成工程、シリアルベースの工程、デンプンとグルテン画分生産のための穀物処理、卵加工での使用を意図している。総有機固形物(TOS)の残留量はデンプンとグルテン生産中の繰り返し洗浄で除去されるため、食事暴露は残りの3工程にのみ算出された。この食品酵素への食事暴露―TOSは欧州人で最大0.13 mg TOS/kg 体重 (bw)/日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を調べた最大量1,000 mg TOS/kg bw/日とし、推定される食事暴露と比較すると暴露マージンは7,800.以上となった。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、1件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件で食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、これが起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-新規食品としてのYarrowia lipolytica 酵母バイオマスの使用拡大の安全性

Safety of an extension of use of Yarrowia lipolytica yeast biomass as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2022;20(7):7450 28 July 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7450

(科学的意見)

欧州委員会からの要請を受けて、栄養・新規食品及び食物アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、規則(EU) 2015/2283に従って新規食品(NF)としてのYarrowia lipolytica 酵母バイオマスの使用拡大の安全性に関する意見を出すよう求められた。この使用拡大は、最大量6 g NF/日で成人の減量用食事代替製品の食品成分としてのこのNFの使用に関するもので、それはこの集団の食品サプリメントにすでに認可されているのと同じ量である。申請者によると、Yarrowia lipolyticaバイオマス(すでに認可されている)入り食品サプリメントは、6 g NF/日を超えないように、食事代替製品と一緒に摂取してはいけない。パネルは、このNFの摂取は提案された使用条件で栄養的に不利ではないとみなした。パネルは、このNF、Yarrowia lipolytica酵母バイオマスは提案された使用条件で安全だと結論している。

 

[FSAI]トロパンアルカロイドのためオーガニックコーンスナックを一部追加リコール

Updated Recall of Batches of Organic Corn Snacks due to the Possible Presence of Tropane Alkaloids

Thursday, 28 July 2022

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/Corn_snacks_1.html

ベルギー産オーガニックトルティーヤチップスのリコールに加え、コーンスナックの一部がリコールの対象となり、対象製品の範囲が拡大された。製品写真あり。

 

[FDA]国際食品保全学会2022(IAFP)年次大会におけるFDA副長官Frank Yiannasの発言

Remarks by FDA Deputy Commissioner Frank Yiannas at the International Association for Food Protection 2022 Annual Meeting

August 1, 2022

https://www.fda.gov/news-events/speeches-fda-officials/remarks-fda-deputy-commissioner-frank-yiannas-international-association-food-protection-2022-annual

食品システムの変化、食品安全の進化、データの活用を含め、FDAの過去の経験と今後の方向性について。

 

[FDA]公示:Honeymoon Exclusive For Men & Womenは表示されない医薬品成分を含む

Honeymoon Exclusive For Men & Women contains hidden drug ingredients

7-28-2022

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-honeymoon-exclusive-men-women-contains-hidden-drug-ingredients

 FDAの研究所分析により、Honeymoon Exclusive For Men & Womenはタダラフィル及びシルデナフィルがそれぞれ含有されていることが確認された。製品写真あり。

 

[ODS]ODS 戦略計画に関する意見の募集

ODS Invites Public Comment on Strategic Plan Draft

July 28, 2022

https://content.govdelivery.com/accounts/USNIHODS/bulletins/3206390

NIH(米国国立衛生研究所)のダイエタリーサプリメント局(ODS)は、2022-26年のODS戦略計画の集大成となる戦略計画プロセスを開始し、戦略計画案への意見を募集する。

 

-ファクトシート更新

-ヨウ素Iodine

Fact Sheet for Consumers

July 28, 2022

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Iodine-Consumer/

「What foods provide iodine?」の項を改訂し、もう一つの良質な摂取源として卵を追加。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Iodine-Consumer/#change

 

[ヘルスカナダ]リコール

NUK First Choiceのガラス製哺乳瓶が鉛含有量許容値超過によりリコールされる

NUK First Choice Glass Baby Bottles Recalled due to Lead in Excess of Allowable Limit

2022-07-28

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/nuk-first-choice-glass-baby-bottles-recalled-due-lead-excess-allowable-limit

NUKブランドのFirst Choiceガラス製哺乳瓶(ASIN B0027SVJ9O)が、哺乳瓶の外側のマークには、「鉛を含む消費者製品規則」で定められた許容限度を超える鉛が含まれる。英国市場向けに製造されたNUKブランドのガラス製哺乳瓶のみがリコール対象。

 

[ヘルスカナダ]緑茶抽出物(EGCG/カテキン)の食品への添加物としての使用を可能にするヘルスカナダの提案に関する通知

Notice of Health Canada’s proposal to enable the use of green tea extract (EGCG/catechins) as a supplemental ingredient in foods

July 28, 2022

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/notice-proposal-enable-use-green-tea-extract-supplemental-ingredient.html

ヘルスカナダは、補充食品規制枠組みの下で、食品中のサプリメント成分として使用する緑茶抽出物の詳細な市販前安全性評価を完了した。エピガロカテキンガレート(EGCG)及び総カテキンの含有量に基づく標準化緑茶エキスの以下の条件での安全性が支持された。

Health Canada’s proposal to enable the use of green tea extract (EGCG/catechins) as a supplemental ingredient in foods

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/notice-proposal-enable-use-green-tea-extract-supplemental-ingredient/document.html

1日あたり摂取量が総カテキンで600 mg、EGCGで300mgを超えず、一回提供分あたり総カテキンで200mg、EGCGで100mgを超えず、表示要件(18才以上のみ、妊娠中や授乳中は勧めない、等)を満たすこと。

 

[TGA]TGA事業計画2022-23

TGA business plan 2022-23

1 August 2022

https://www.tga.gov.au/resource/tga-business-plan-2022-23

2022年-2023年のTGA事業計画が公表される。

 

[HK]法令違反

-包装された餃子(キャベツ豚入り)が栄養表示規則に違反する

Prepackaged cabbage and pork dumpling sample not in compliance with nutrition label rules

July, 28 2022 (Thursday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220728_9657.html

中国産の餃子のサンプルから砂糖が0.6 g/100 gという表示のところ2.2 g/100 g検出される。

 

-包装された餃子(ニラ豚入り)が栄養表示規則に違反する

Prepackaged Leek & Pork dumplings sample not in compliance with nutrition label rules

August 1, 2022 (Monday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220801_9663.html

中国産の餃子のサンプルから砂糖が1 g/100 gという表示のところ1.7 g/100 g検出される。

 

-包装された白菜餃子が栄養表示規則に違反する

Prepackaged Chinese Cabbage Dumpling sample not in compliance with nutrition label rules

August 1, 2022 (Monday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220801_9662.html

香港産の白菜餃子のサンプルから砂糖が0.7 g/100 g、ナトリウムが172.2 mg/100gという表示のところそれぞれ2.3 g/100 g、300 mg/100g検出される。

 

[WHO]長い議論を経て、ブラジルの飲酒運転法が完全に承認された

After lengthy debate, Brazil’s Drink-Driving Law is fully ratified

1 August 2022

https://www.who.int/news/item/01-08-2022-after-lengthy-debate--brazil-s-drink-driving-law-is-fully-ratified

ブラジルの「禁酒法Dry Law」は運転する人の血中アルコール濃度はゼロであるべきと定めている。ブラジルでは交通事故が5-39才の死因のトップ3で、5-14才の死因のトップである。飲酒運転が交通事故死の10%近くを占める。この法律は10年の論争の末承認された。

 

[WHO]世界母乳育児週間にUNICEF事務局長のCatherine RussellとWHO事務局長のDr Tedros Adhanom Ghebreyesusによる共同声明

Joint statement by UNICEF Executive Director Catherine Russell and WHO Director-General Dr Tedros Adhanom Ghebreyesus on the occasion of World Breastfeeding Week

31 July 2022

https://www.who.int/news/item/31-07-2022-joint-statement-by-unicef-executive-director-catherine-russell-and-who-director-general-dr-tedros-adhanom-ghebreyesus-on-the-occasion-of-world-breastfeeding-week

日本ユニセフ協会から訳

https://www.unicef.or.jp/news/2022/0146.html

 

[DGCCRF]繰り返すオリーブオイル偽装

Des fraudes récurrentes relevées sur les huiles d’olive

01/08/2022

https://www.economie.gouv.fr/dgccrf/des-fraudes-recurrentes-relevees-sur-les-huiles-dolive

フランス語

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 210-22

2 August 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20210-22.aspx

意見募集

・加工助剤としてのGM Bacillus licheniformis由来β-アミラーゼ

・加工助剤としてのGM Aspergillus niger由来ホスホリパーゼA1

・加工助剤としてのPenicillium rubens由来グルコースオキシダーゼ

2022年9月13日まで

 

[NASEM]新しい報告書は暴露が多かった人にPFAS検査を拡大し臨床治療助言を提供することを呼びかける

New Report Calls for Expanded PFAS Testing for People With History of Elevated Exposure, Offers Advice for Clinical Treatment

July 28, 2022

https://www.nationalacademies.org/news/2022/07/new-report-calls-for-expanded-pfas-testing-for-people-with-history-of-elevated-exposure-offers-advice-for-clinical-treatment

米国では50の州と2つの地域の2854カ所で何らかのPFAS汚染が記録されているが、全てが健康勧告値を超えているわけではない。この報告書ではCDCが現在モニタリングしているPFASであるMeFOSAA, PFHxS, PFOA, PFDA, PFUnDA, PFOS, および PFNAに焦点を絞った。

PFAS暴露の臨床フォローアップとケア

CDCはPFASのガイダンスを以下を含め更新すべきである:

・これら7種の合計の血清あるいは血漿濃度を使って、2 ng/mL以下なら有害健康影響は予想されない

・2-20 ng/mLの人は、特に妊婦のような感受性の高い人は、有害健康影響の可能性に直面する可能性がありPFAS暴露削減を勧めるべきである。検診にはリスク要因と年齢に応じて脂質異常症と妊娠高血圧、乳がんを優先すべきである

・20 ng/mL以上の人は有害影響の可能性が高い。医師は暴露削減を勧め、ガイダンスに従って脂質異常症の検診を優先するべきである。2-20 ng/mLの人向けのケアに加えて甲状腺機能検査、腎臓と精巣のがん、潰瘍性大腸炎の評価もすべきである

PFAS暴露の健康影響

これまでの研究では特定濃度のPFASとその健康影響についての関係を決定できていない。しかしながらこの報告では多くの濃度のPFAS暴露と関連する健康影響についての研究をレビューし、以下を結論している:

・成人と子どもの抗体応答の減少と成人と子ともの脂質異常症、乳児と胎児の成長阻害、成人の腎臓がんとPFAS暴露が関連する根拠は十分

・成人の乳がん、成人と子どもの肝酵素の変動、妊娠高血圧、成人の精巣がん、成人の甲状腺疾患と機能不全、成人の潰瘍性大腸炎リスクの増加については限定的示唆的根拠

・コレステロール以外の心血管系アウトカムや出生時体重の僅かな減少以外の発達アウトカムなどのような他の多くの健康影響については不適切あるいは不十分な根拠

母乳、子ども、妊娠

PFASは母乳を介して母親から子どもに移行するものの、研究ではPFAS暴露が何年にもわたっていても一貫して母乳を与えることのベネフィットを示している。PFASは乳児用調整乳を作る時の水やパック済み調整乳、ベビーフードにも存在する可能性がある。全体としてPFASへのどの種類のそしてどの量の暴露が子どもの健康と発育に懸念となるのかは明確ではない、と報告書は言う

 

論文

-写真の色はどうやって食品を美味しそうにみせるか?

How color in photos can make food look tastier

1-AUG-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/960451

彩度を上げることで食品はより新鮮に美味しそうに見える。Journal of Business Research.

(今更?あからさまに画像いじったのがわかるのもどうかと)

 

-妊娠中の母親の喫煙と子どもの思春期前の脳の形態

Association of Maternal Tobacco Use During Pregnancy With Preadolescent Brain Morphology Among Offspring

Runyu Zou et al.,

JAMA Netw Open. 2022;5(8):e2224701.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2794811

オランダの研究。妊娠中継続して喫煙することと、9-11才での脳の全体及び一部の容量の少なさと回の乏しいことによる表面積の小ささに関連

 

-米国の妊娠女性の2011年から2020年の暴飲と大量飲酒の傾向

Trends in Binge Drinking and Heavy Alcohol Consumption Among Pregnant Women in the US, 2011 to 2020

Jeffrey T. Howard et al.,

JAMA Netw Open. 2022;5(8):e2224846.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2794816

妊娠女性は妊娠していない女性より暴飲と大量飲酒は少ないがより早く増加傾向

 

-大規模スーパーマーケットチェーンの調理済み食品のカロリー表示後の購入されたカロリーの評価

Assessment of Calories Purchased After Calorie Labeling of Prepared Foods in a Large Supermarket Chain

Joshua Petimar et al.,

JAMA Intern Med. Published online August 1, 2022

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2794650

2015年から2017年の173のスーパーマーケットの縦断研究。ベーカリー製品とデリ製品で購入されたカロリーが低下、主菜とサイドには変化無し。全体としてはカロリー表示は僅かな購入カロリーの減少に関連

 

-子どもの摂食障害の大規模研究が体重、性、思春期の役割を探る

Large-scale study of disordered eating in children explores role of weight, sex and puberty

1-AUG-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/960305

JAMA Pediatricsに発表された9-10才の約12000人を対象にした研究。最初の大きな知見は、過食や体重コントロールのために吐くといった摂食障害の頻度はこれまでより多く、最大5%になるということである。また男女で差はなくBMIの大きい方がリスクが高い

 

その他

-欠陥のあるリスク評価は現実の生活に影響する

Faulty Risk Assessment Has Real-Life Consequences

By Susan Goldhaber MPH — July 28, 2022

https://www.acsh.org/news/2022/07/28/faulty-risk-assessment-has-real-life-consequences-16459

「永遠の化合物」PFASは、欠陥のあるリスク評価が人々の生活を破壊し現実の生活に影響することの完全な例である。それは連邦機関が解析の際に相対リスクを考慮せずその対応に現実世界での影響を無視したときにおこる

最近の記事がメイン州でのある農家でのPFAS汚染検出による、水が飲めなくなり生産物を売れなくなった若い夫婦の悪夢のシナリオを報告した。彼らの有機農場の土地と水には、若い夫婦が購入する何年も前に肥料として使われた都市汚泥に含まれていたPFASが混入していた。このような悪夢はアメリカの地方でますます多く起こるようになっていて、無数の農家とその生産する食品に依存する人たちの生活を脅かしている。

背景

PFASは炭素とフッ素を含む4700ほどの化合物グループのパー及びポリフルオロアルキル化合物、の頭文字である。それらは分解に時間がかかるのでしばしば「永遠の化合物」と称される。PFASは考えられる限りのあらゆる健康問題の原因として非難されていて、メディはがん、腎機能不全、免疫系抑制、低出生体重などと関連させている。しかし科学的データはこうした主張を支持しない。

2022年6月にEPAがPFASのうちの二つ、PFOAとPFOSの飲料水中での安全と考えられる量を、ほとんどの検査室では検出できないほど低い量まで引き下げた。FDAは食品中のPFASの安全量を定めていないため、一部の州では独自の安全量をEPAの飲料水評価をもとに設定した。

健康勧告値

健康勧告値(Health Advisories)はEPAが飲料水中の化学物質について安全量としてのガイダンス値であり、規制値ではない。健康勧告値には主要な規制に要求されるコストベネフィット解析が要求されない。しかしながらメイン州のかわいそうな農家で示されたように、その影響は重大な経済的帰結を与える。2016年のCDCオピオイドガイドラインの影響を思い起こさせるように、各州は健康観告値を執行濃度として採用し、食品や土壌など飲料水以外にも基準値を設定するようになっている。

リスク評価の転覆

EPAは空気、水、土壌中の化合物の安全な量を決めるためにリスク評価を行う。リスク評価はデータによって導かれる科学的方法である。

鉛は子どもの脳と中枢神経系に悪影響があることがわかっている。リスク評価では関連文献を全て検討し、どの量でこうした影響が出るのかを決め、安全マージンを加えて安全な量を設定する。

PFOAとPFOSのリスク評価の問題点は、これらの化合物がヒト健康に有害であるという根拠がないことである。政府の最も詳細な文書である保健福祉省のパーフルオロアルキル類の毒性学的プロファイルによると

「多数の疫学データがパーフルオロアルキル類のヒト健康への有害影響の可能性を調べているが、ほとんどの研究が横断研究で因果関係を確立できない。入手可能な疫学研究はパーフルオロアルキル暴露といくつかの健康アウトカムとの関連を示唆しているが、それらのアウトカムについて因果関係は確立されていない」

問題となっているアウトカムの中には以下が含まれる

・妊娠高血圧

・肝酵素の増加

・コレステロールの増加

・ワクチン接種後の抗体反応の減少

・出生時体重の僅かな減少

EPAはPFOAとPFASについて安全量が最も低い量になるワクチン接種後の抗体反応の減少をもとにリスク評価をすることを選んだ。しかしそれは「因果関係が確立されてはいない」。その研究を見てみよう。

PFOAとPFASの健康勧告値の科学

EPAの選んだ研究はファロー諸島で1997年から2000年に生まれた656人を2008年までフォローアップした研究で、予防接種後の抗体反応と母子の血中PFAS濃度を関連させている。PFAS濃度は妊娠32週で母親の、5才で子どもの血液で測定している。子どもたちは5才でジフテリアと破傷風追加接種を受け、摂取後4週間と7才の時にジフテリアと破傷風の毒素への抗体を測定した。5才と7才の時に血中PFAS濃度が最も高かった子どもの抗体が、PFAS濃度の低い子どもより有意に少なかった。EPAは一連の計算をして「安全な量」の健康勧告値をPFOAで0.004 ng/L、PFOSで0.02ng/Lとした。この値は米国のほとんどの実験室で検出できる最小報告濃度、4 ng/Lの1/100から1/1000である。

この研究では血中PFOAとPFOS濃度の高いこととワクチン接種後の抗体応答の低さが関連したものの、他の研究ではそのような影響は見られなかった。おたふくかぜ、麻疹、インフルエンザ、風疹などの他のワクチンへの抗体反応を調べた研究でもPFOAとPFOS濃度との関連は見られなかった。

我々みんながCOVID-19から学んだように、抗体濃度は個人によって大きく異なり遺伝などのよくわかっていない他の要因に影響されている。少数の子どもの抗体濃度を国の飲料水の安全量を決めるのに用いることは問題がある。さらにもしこのPFOA暴露の影響が他の多くの抗体に一般化できるのなら、PFOA暴露が多いと風邪やその他の病気が多いことに関連することが予想されるがそのようなことはない。HHSによると

「血清PFOAと病気への抵抗力、風邪や熱、感染症による入院を指標にした、の間には一貫した関連はみつかっていない」

アメリカ合衆国最高裁判所、ウエストバージニア、EPA

最高裁判所は最近ウエストバージニアとEPAの裁判で、EPAには大気汚染防止法によって温室効果ガスの排出をコントロールする法定権利はないと判断した。特にこれらの排出をコントロールすることは経済への広範な影響があるからである。この判断が現在EPAの規則やガイダンスを訴える時の基本として引用されている。Chemoursは最近別のPFASであるヘキサフルオロプロピレンオキシムダイマー酸の健康観告値について、欠陥のある科学で経済への相当な影響があるのに飲料水安全法の義務ではない健康勧告値を発行したとして訴えている。

政府がガイダンスや規制を定める場合には、それは現実の影響を示す科学的データに基づかなければならない。PFASではそれがなされなかった。リスクベネフィット解析で経済的帰結を検討することもされなかった。私はこの事例を、このようなことが再び起こらないようにEPAがリスク評価方法を見直すきっかけになることを望む。

 

-如何にしてグリーンイデオロギーがEUを第三世界状態に追いやっているか

How Green Ideologies are Relegating the EU to Third World Status

Posted by RISKMONGER on JULY 31, 2022

https://risk-monger.com/2022/07/31/how-green-ideologies-are-relegating-the-eu-to-third-world-status/

グリーンイデオロギーによって欧州の次世代が辛い長い寒い冬に向かっている

ここ数ヶ月のニュースは、欧州の冨が失われたようなものであった:ドイツで節電のため公共の建物の温水を止め照明を減らしポータブル空調の持ち込みを禁止;ハンガリーの学校でこの冬教室の暖房は木を燃やすストーブを検討;オランダで農家がストライキをして食料が不足した;ベルギーで1970年代以降初めての停電;各地で生活費が上がったためのストライキ 等

私はここフィリピンで、温かいシャワーと明るい夜景と入手可能な食料を手に欧州を見ている。フィリピンは縁故主義のせいで汚職や経済的障害に見舞われているが、グリーンの腐敗もまた経済を破壊する。過去20年、欧州政治は費用のかかる非効率なグリーンドグマによって毀損されてきたためにウクライナ危機によって跪いた。「原子力を廃止せよ!」「農薬と農業技術を禁止し小規模農家による昔ながらの有機農業で食料をまかなえ!」次に来るのは水処理に必要な化学物質禁止によるコレラの流行?

フィリピンは問題の多い貧しい国だが、活動家の圧力に屈せずゴールデンライスを認可した規制レベルでは正しい方向に向かっている

(一部のみ)