2022-08-09

[FDA]FDAは特定のNAC製品の執行裁量に関する最終ガイダンスを発表する

FDA Releases Final Guidance on Enforcement Discretion for Certain NAC Products

August 1, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-releases-draft-guidance-enforcement-discretion-certain-nac-products

(更新部分)

米国食品医薬品局(FDA)は、N-アセチル-L-システイン(NAC)を含有するダイエタリーサプリメントと表示された製品に関するFDAの方針に関する最終ガイダンスを発表した。本ガイダンスは、ダイエタリーサプリメントと表示された特定のNAC含有製品の販売及び流通に関して、FDAが執行裁量権を行使する意図を明確にすることになる。この執行裁量方針は、NACが「ダイエタリーサプリメント」の定義から除外されていなければ合法的に販売されただろうダイエタリーサプリメントで、且つ連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C法)に違反していない製品に適用される。これにより、2022年4月からの本方針に関するガイダンス案を最終化する。

追加情報については、以下、連邦官報で閲覧できる。https://www.federalregister.gov/public-inspection/2022-16499/guidance-policy-regarding-n-acetyl-l-cysteine

 

-業界向けガイダンス:N-アセチル-L-システイン(NAC)製品に関する政策

Guidance for Industry: Policy Regarding N-acetyl-L-cysteine

August 1, 2022

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/guidance-industry-policy-regarding-n-acetyl-l-cysteine

本ガイダンスの目的は、ダイエタリーサプリメント製造業者、販売業者及びその他の関係者に、N-アセチル-L-システイン(NAC)を含み、ダイエタリーサプリメントと表示された特定の製品の販売と流通に関して、FDAが執行裁量を行使する意図を通知することである。執行裁量方針は、NACが「ダイエタリーサプリメント」の定義から除外されていなければ合法的に販売されるだろうダイエタリーサプリメントであり、かつ連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C Act)に違反していない製品に適用される。

米国食品医薬品局(FDA)は、NACはダイエタリーサプリメント又は食品として販売される前に新薬として承認されたため、FD&C法第201条(ff)(3)(B)(i)のダイエタリーサプリメントの定義から除外されると判断している。NACが新薬承認以前にダイエタリーサプリメント又は食品として販売されたという証拠がない。

FDAは2022年3月31日に2件の市民請願に対する最終回答を発表し、両申請を拒否し、NACをダイエタリーサプリメントの定義から除外した。さらに、規則制定開始要請に関する請願についてまだ最終的な決定に至っていないこと、NACのダイエタリーサプリメントへの使用又はダイエタリーサプリメントとしての使用を許可するために、FD&C法第201条(ff)(3)(B)に基づく規則制定を開始していることも説明した。NACの安全性に関するFDAのレビューは現在も進行中であるが、最初のレビューでは、この成分のダイエタリーサプリメントへの使用に関する安全性の懸念は明らかにされていない。又、ダイエタリーサプリメントとして販売されているNAC含有製品は、米国では30年以上前から販売されており、消費者はそのような製品の入手を求めている。従って、NACを含有し、ダイエタリーサプリメントと表示された製品の販売及び流通に関して、FDAは執行裁量を行使する。例えば、ダイエタリーサプリメントと表示されたNAC含有製品の販売に関して、FDAは、ダイエタリーサプリメントの定義から除外されているという理由だけで異議を唱えるつもりはない。その製品が人体の構造又は機能に影響を及ぼすことを意図し、FD&C法第201条(g)(1)(C)に基づく医薬品である、という理由だけで異議を唱えるつもりはない(21 U.S.C. 321)。しかし、この執行裁量方針は、ダイエタリーサプリメントと表示されているが、疾患の診断、治癒、緩和、治療又は予防に使用することを意図しており、FD&C法第201条(g)(1)(B)に基づく医薬品であるNAC含有製品には適用されない。同様に、FD&C法に基づく、不純品又は不正表示のNAC含有製品には、執行裁量方針は適用されない。

 

[FDA]リコール

販売業者RFR, LLCは表示されない成分シルデナフィルの存在のためSangter Energy Supplementを全国自主的リコールする

Distributor RFR, LLC, Voluntary Nationwide Recall of Sangter Energy Supplement Due to Presence of Undeclared Sildenafil

August 02, 2022

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/distributor-rfr-llc-voluntary-nationwide-recall-sangter-energy-supplement-due-presence-undeclared

 販売業者RFR, LLCは、表示されない成分シルデナフィルの存在のためSangter Energy Supplementを自主的にリコールする。

 

[FDA]プレスリリース

-FDAが認定する食品分析試験所認定(LAAF)プログラムの認定機関について

FDA-recognized Accreditation Bodies for the Laboratory Accreditation for Analyses of Foods (LAAF) Program

08/03/2022

https://www.fda.gov/food/food-safety-modernization-act-fsma/fda-recognized-accreditation-bodies-laboratory-accreditation-analyses-foods-laaf-program

 新しいLAAFダッシュボードがFDA Dataダッシュボードに追加され、LAAFプログラムの参加者に関する情報のオンライン公開登録リストとして機能するようになった。

 

-FDAは消費者、健康教育者、医療従事者向けに遺伝子組換え作物に関する新しい教育資料「Feed Your Mind」を発表する

FDA Releases New “Feed Your Mind” Education Materials on GMOs for Consumers, Health Educators, and Health Care Providers

August 4, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-releases-new-feed-your-mind-education-materials-gmos-consumers-health-educators-and-health-care

 米国食品医薬品局(FDA)は、消費者、健康教育者、栄養士、その他の医療専門家に遺伝子組換え生物(GMO)に関する科学的エビデンスに基づく情報を提供するための新しい教材「Feed Your Mind」を発表した、

 

[EU]RASFF 2022(0731-0806)

警報通知(Alert Notifications)

ベトナム産マグロのヒスタミンの疑い、ガンビア産魚の干物の生体アミンの含有量増加

注意喚起情報(information for attention)

トルコ産粉末スマックの未承認着色料スーダンⅣ、中国産トルコから発送した砕いたペッパーの未承認着色料スーダンⅠ及びスーダンⅣ、ポルトガル産梨の未承認物質シハロトリン及びジメトモルフ、ペルー産有機アボカドのカドミウム、タイ産飼料用硫酸銅五水和物のダイオキシン類、メキシコ産丸ナスのフロニカミド、ブルガリア産飼料用綿実粕のアフラトキシン、オランダ産ズッキーニのヘプタクロル、バングラデシュ産マンゴーのクロルピリホス、マレーシア産スターフルーツのカドミウム、

通関拒否通知(Border Rejections)

ジョージア産ヘーゼルナッツカーネルのアフラトキシン、インド産有機茶の2-クロロエタノール、イラン産ピスタチオのアフラトキシン、ベトナム産カレー粉のトリシクラゾール及びクロルピリホス、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン、スリランカ産ゴツコラ(ツボクサ)のフィプロニル及びノバルロン、コートジボワール産目的地フランスのパーム油の未承認着色料スーダンⅠ・Ⅲ及びⅣ、エジプト産生鮮オレンジのイマザリル、米国産ピーナッツのアフラトキシン(複数あり)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(複数あり)、エジプト産酢漬けのブドウの葉のアセタミプリド・アゾキシストロビン・ビフェントリン・ボスカリド・カルベンダジム・クロルピリホス・シペルメトリン・ジフェノコナゾール・ジメトモルフ・イミダクロプリド・ミクロブタニル・ペンコナゾール・プロピコナゾール及びピラクロストロビン、インド産ティッカマサラ調理ソースのエチレンオキシド、米国産トルコ経由ピスタチオのアフラトキシン、インド産甘松抽出物カプセル(食品サプリメント)のエチレンオキシド、インド産米のトリシクラゾール、インド産スパイス(カレー)のエチレンオキシド、バングラデシュ産マンゴーのクロルピリホス、スリランカ産ゴツコラのフィプロニル及びフェノブカルブ、ケニア産豆のアセフェート・プロフェノホス及びメタミドホス(複数あり)、トルコ産乾燥イチジクのオクラトキシンA、

 

[EFSA]意見等

-遺伝子組換えBacillus licheniformis NZYM‐AY株由来食品酵素α-アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme α‐amylase from the genetically modified Bacillus licheniformis strain NZYM‐AY

EFSA Journal 2022;20(8):7467  5 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7467

(科学的意見)

この食品酵素α-アミラーゼ(4‐α‐d‐グルカン グルカノヒドロラーゼ; EC 3.2.1.1)はNovozymes A/S社が遺伝子組換えBacillus licheniformis NZYM‐AY株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素にこの生産生物の生きた細胞やそのDNAはないと考えられている。グルコースシロップや他のデンプン加水分解物の生産のためのデンプン工程や、蒸留アルコール生産に使用することを意図している。総有機固形物の残留量は蒸留やグルコースシロップ生産中に適用される精製段階で除去されるため、食事暴露量推定は必要ないと考えられた。この食品酵素の生産株は安全性評価への安全性適格推定(QPS)アプローチの要件を満たしている。製造工程から生じる他の懸念は確認されていないため、パネルは、この食品酵素の評価に毒性試験は必要ないと考えた。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、1件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件(蒸留アルコール生産以外)で食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、これが生じる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で、安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-Rhizomucor miehei MMR 164株由来食品酵素ケカビペプシンの熱不安定型の安全性評価

Safety evaluation of the thermolabile form of the food enzyme mucorpepsin from Rhizomucor miehei strain MMR 164

EFSA Journal 2022;20(8):7460 5 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7460

(科学的意見)

この食品酵素ケカビペプシン(アスパラギン酸エンドペプチダーゼ, EC 3.4.23.23)は、非遺伝子組換え微生物Rhizomucor miehei MMR 164株で生産した。この酵素は熱不安定型にするためにDuPont Nutrition Biosciences (現在 IFF)社に化学修飾されている。この食品酵素にその生産生物の生きた細胞はない。チーズ生産のミルク加工に使用することを意図している。この食品酵素への食事暴露―総有機固形物(TOS)は欧州人で最大0.98 mg TOS/kg体重 (bw) /日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を調べた最大量1,320 mg TOS/kg bw /日とし、推定食事暴露と比較して、暴露マージンは少なくとも1,300となった。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、5件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件で、この食品酵素への食事暴露上のアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、マスタードタンパク質に感作されている人を除いて低いと考えられる、ただし、このリスクはマスタード摂取のリスクを超えることはない。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-遺伝子組換えAspergillus niger DSM 29546株由来食品酵素キモシンの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme chymosin from the genetically modified Aspergillus niger strain DSM 29546

EFSA Journal 2022;20(8):7465 4 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7465

(科学的意見)

この食品酵素キモシン(EC 3.4.23.4)は、Chr. Hansen社が遺伝子組換えAspergillus niger DSM 29546株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素にはこの生産生物の生きた細胞やそのDNAはない。チーズ生産や発酵乳製品のミルク加工に使用することを意図している。食事暴露は欧州人で最大0.52 mg総有機固形物 (TOS)/kg 体重 (bw) /日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を調べた最大量410 mg TOS/kg bw /日とし、推定食事暴露と比較して、暴露マージンは少なくとも790となった。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、4件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件で、食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は、可能性は低いけれども、特にスギ花粉アレルゲンに感作されている人には除外できないと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-全ての動物種用ローカストビーンガムからなる飼料添加物の安全性と有効性(Dupont Nutrition and Health)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of locust bean gum for all animal species (Dupont Nutrition and Health)

EFSA Journal 2022;20(8):7435 5 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7435

(科学的意見)

 

-全ての動物種用のセルロース(Aspergillus niger CBS 120604株で生産した)、β-グルカナーゼ(Aspergillus neoniger MUCL 39199株で生産した)あるいはキシラナーゼ(Trichoderma citrinoviride MUCL 39203株 あるいはTrichoderma citrinoviride CBS 614.94株で生産した)からなる飼料添加物の安全性と有効性(FEFANA ASBL)

Safety and efficacy of the feed additives containing cellulase (produced by Aspergillus niger CBS 120604), beta‐glucanase (produced by Aspergillus neoniger MUCL 39199), or xylanase (produced by Trichoderma citrinoviride MUCL 39203 or by Trichoderma citrinoviride CBS 614.94) for all animal species (FEFANA ASBL)

EFSA Journal 2022;20(8):7425  4 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7425

(科学的意見)

 

-ネコ用飼料添加物としてのLimosilactobacillus reuteri (以前は Lactobacillus reuteri) DSM 32264株からなる飼料添加物の安全性と有効性(NBF Lanes s.r.l.)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of Limosilactobacillus reuteri (formerly Lactobacillus reuteri) DSM 32264 as a feed additive for cats (NBF Lanes s.r.l.)

EFSA Journal 2022;20(8):7437 4 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7437

(科学的意見)

 

-遺伝子組換えBacillus licheniformis NZYM‐DI株由来食品酵素ホスホイノシチドホスホリパーゼCの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme phosphoinositide phospholipase C from the genetically modified Bacillus licheniformis strain NZYM‐DI

EFSA Journal 2022;20(8):7470  8 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7470

(科学的意見)

この食品酵素ホスホイノシチドホスホリパーゼC(1‐ホスファチジル‐1D‐myo‐イノシトール‐4,5‐ビスリン酸 イノシトールトリスホスホヒドロラーゼ, EC 3.1.4.11)はNovozymes A/S社が遺伝子組換えBacillus licheniformis NZYM‐DI株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じなかった。この生産株は安全性適格推定(QPS)ステータスに適格であることが示されている。この食品酵素にはこの生産生物の生きた細胞やそのDNAはないと考えられた。油脂の脱ガムに使用することを意図している。総有機固形物の残留量は脱ガム中に適用される洗浄及び精製段階で除去されるため、食事暴露は推定されなかった。この生産株B. licheniformis NZYM‐DIは安全性評価に向けたQPSアプローチに適格とされ、その生産工程から懸念は生じないことから、毒性学的データは必要なかった。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、意図した使用条件で、食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除去できないが、これが起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で、安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-遺伝子組換えAspergillus niger DSM 29544株由来食品酵素キモシンの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme chymosin from the genetically modified Aspergillus niger strain DSM 29544

EFSA Journal 2022;20(8):7464  8 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7464

(科学的意見)

この食品酵素キモシン(EC 3.4.23.4)はChr. Hansen社が遺伝子組換えAspergillus niger DSM 29544株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素にはこの生産生物の生きた細胞やそのDNAはないと考えられた。チーズ生産や発酵乳製品のミルクに使用することを意図している。最大使用量に基づき、この食品酵素の総有機固形物(TOS)への食事暴露は欧州人で最大0.09 mg TOS/kg 体重 (bw)/日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を調べた最大量84.1 mg TOS/kg bw /日とし、推定食事暴露と比較して暴露マージンは930となった。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、呼吸器アレルゲンの2件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件で、食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、これが起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルはこの食品酵素は意図した使用条件で、安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-遺伝子組換えKluyveromyces lactis CHY株由来食品酵素キモシンの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme chymosin from the genetically modified Kluyveromyces lactis strain CHY

EFSA Journal 2022;20(8):7462  8 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7462

(科学的意見)

この食品酵素キモシン(EC 3.4.23.4)はDSM Food Specialties B.V社が遺伝子組換えKluyveromyces lactis CHY株で生産した。チーズ生産や発酵乳製品のミルク加工に使用することを意図している。食事暴露は欧州人で最大0.69 mg総有機固形物(TOS)/kg 体重 (bw) /日と推定された。この生産株には既知の抗菌剤耐性遺伝子の複数のコピーが含まれており、その結果、安全性評価に対する安全性適格推定(QPS)アプローチの要件を完全には満たしていない。だが、この食品酵素に生産生物由来の生きた細胞やDNAがないことを考慮して、これはリスクとは見なされない。この微生物源やその後の遺伝子組換え、あるいはその製造工程から生じる他の懸念が確認されていないことから、パネルは、この食品酵素の評価に毒性学的試験は必要ないとみなした。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、4件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件で、食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は、可能性は低いけれども、特にスギ花粉アレルゲンに感作されている人には除外できないと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、意図した使用条件で、この食品酵素は安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-活性物質の認可の承認/更新のためのEFSAのピアレビュープロセスに関連した代表的な植物保護製品製剤に使用される製剤補助剤に関するデータ収集

Data collection on co‐formulants used in representative plant protection product formulations in the context of the EFSA peer review process for approval/renewal of approval of active substances

EFSA Journal 2022;19(8):EN-7547 8 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7547

(技術的報告書)

EFSAはピアレビュープロセス中に入手可能な情報を照合するために、活性物質の承認や更新の申請の一環として、代表的用途の植物保護製品(PPP)製剤に含まれる製剤補助剤に関するデータを収集した。情報は2019年1月~2022年3月に発表されたピアレビューの農薬活性物質文書から引用し、その中に全部で182の製剤補助剤が見つかった。製剤補助剤の同定と物理化学的特性について提出されたデータの多くは規則(EU) 284/2013で必要とされたように全部そろっている。(生態)毒性学的特性に関するデータは、主に個々の製剤補助剤の安全性データシート、入手可能なら規則(EC) 1907/2006 (REACH)の登録文書を参照している。特定されている製剤補助剤の53%はREACHで登録されており、その53%のうちの約80%は、REACHで最も完成されたデータセットを提出するのに登録者に必要とされる、年間1000トン以上で登録されている。残りには、より限定的毒性学的情報が入手できる:EFSAはそれらがREACHの登録免除かどうか調査する予定である。植物保護製品に含まれる製剤補助剤は、殺生物剤、食品/飼料添加物、食品と接触する物質に関する規則など他の欧州法の対象となったり、添加剤や化粧品成分のリストに含まれる可能性もある。この報告書でみられた結果は、EU機関(EFSA, ECHA)と協力して製剤補助剤の評価を統一する上で加盟国のリスク評価者やリスク管理者に役立つだろう。

 

[HK]法令違反

-包装済みニラと豚肉の揚げ餃子のサンプルは、栄養表示規則に違反する

Prepackaged Chives & Pork Pan-fried Dumplings sample not in compliance with nutrition label rules

August, 4 2022 (Thursday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220804_9670.html

中国産の包装済みニラと豚肉の揚げ餃子のサンプルが、糖分が0.8 g/100 g、飽和脂肪酸が1.3 g/100 gという表示のところそれぞれ1.5 g/100 g、2.6 g/100 g検出される。

 

-包装済み蒸豚肉餃子(キャベツ入り)のサンプルが栄養表示規則に違反する

Prepackaged Steamed Pork Dumpling with Cabbage sample not in compliance with nutrition label rules

August, 3 2022 (Wednesday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220803_9668.html

中国産の蒸豚肉餃子(キャベツ入り)のサンプルが、総脂肪が7 g/100 g、飽和脂肪酸が2.1 g/100 gという表示のところそれぞれ11.4 g/100 g、4.7 g/100 g検出される。

 

-フランスRappel Conso-フランスのPurée courgette Pomme de terrebioの硝酸塩濃度が幼児食の最大残留基準値を超えたことによるリコールの通知

Rappel Conso of France – A notice regarding a recall of Purée courgette Pomme de terre bio in France due to nitrate levels exceeding maximum residue levels for infant food.

1 August 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20220801_2.pdf

 

-フランスRappel Conso-フランスのCasinoブランドのChips tortilla BIO,125gのアルカロイドの可能性によるリコールの通知

Rappel Conso of France – A notice regarding a recall of Chips tortilla BIO, 125g, Casino in France due to possible presence of alkaloids.

3 August 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20220803_1.pdf

 

-CFSはエチレンオキシドを含む可能性のあるフランス産の2種類のアイスクリームを消費しないよう呼びかける

CFS urges public not to consume two kinds of ice cream from France with possible contamination with ethylene oxide

Thursday, August 4, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220804_9674.html

食品安全センター(CFS)はエチレンオキシドを含む可能性あるフランス産ハーゲンダッツブランド2種のアイスクリームを消費しないよう注意をよびかける。

 

[SFA]デジタルに移行する:食品ライセンスの取得がより速く

Moving to digital: Getting your food licence just got quicker

04 Aug 2022

https://www.sfa.gov.sg/food-for-thought/article/detail/moving-to-digital-getting-your-food-licence-just-got-quicker

シンガポール食品庁(SFA)はより迅速になった食品ライセンスの取得について紹介する。

 

[BfR]コロナモニター

BfR-Corona-Monitor | 2–3 August 2022

https://www.bfr.bund.de/cm/349/220803-bfr-corona-monitor-en.pdf

経時的には現在の感染者数に関する情報レベルが減っている

現在行っている対策は相当低下

 

[CPSC]CPSCは新しい一酸化炭素報告書を発表し、新たな公共広告(PSA)で発電機安全性を強く求める

CPSC Releases New Report on Carbon Monoxide (CO) Fatalities, Urges Generator Safety in New PSA

August 04, 2022

https://www.cpsc.gov/Newsroom/News-Releases/2022/CPSC-Releases-New-Report-on-Carbon-Monoxide-CO-Fatalities-Urges-Generator-Safety-in-New-PSA

CPSCは「2011-2021年のエンジン駆動発電機その他のエンジン駆動ツールによる一酸化炭素中毒に関連する火事ではない死亡事故」報告書を発表し、米国では毎年85人の消費者がポータブル発電機による一酸化炭素中毒で死亡していると推定している。

新しい公共広告では、一台のポータブル発電機は数百台の自動車と同じ量の一酸化炭素を作り出すことを描き、数分以内で死亡する一酸化炭素中毒のリスクを示す。

ほとんどの死亡は家で、天気に関連して停電した場合におこっている

 

[FSSAI]プレスリリース 2022年8月1日から、全国で食用油脂(構成成分として単一の油)の異物混入、トランス脂肪酸、複数由来食用のチェックキャンペーン

Press Release regarding surveillance drives across the country in a nation-wide campaign that began on 01.08.2022 to check adulteration in edible oils (single oil as a constituent), trans-fatty acids and sale of Multi Source Edible

https://www.fssai.gov.in/recent-whatnew.php

Press Release dated 02nd August 2022

https://www.fssai.gov.in/upload/uploadfiles/files/Press_Release_Adulteration_Oil_02_08_2022.pdf

以下毎日プレスリリース

 

論文

-米国の十代に使われているニコチン製品のうち二番目が新たなフレーバー付きニコチンガム、トローチ、グミ

New flavored nicotine gums, lozenges, and gummies rank second among nicotine products used by U.S. teens

8-AUG-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/961032

Pediatrics

 

-何故男性は女性よりほとんどのタイプのがんリスクが高いのか?

Why do men face a higher risk of most types of cancer than women?

8-AUG-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/960689

CANCERに発表された研究は生物学的性差が答えであることを示唆

喫煙や飲酒などの環境暴露だけでは性差を説明できない

 

-スペインとカタルーニャ地方のデオキシニバレノールの決定論的及び確率論的食事暴露評価

Deterministic and Probabilistic Dietary Exposure Assessment to Deoxynivalenol in Spain and the Catalonia Region.

Gallardo JA, et al.,

Toxins (Basel). 2022 Jul 20;14(7):506.

 

-栄養サプリメント誤用で合併したビタミンD中毒と重症高カルシウム血症

Vitamin D intoxication and severe hypercalcaemia complicating nutritional supplements misuse.

Alkundi A,  et al.,

BMJ Case Rep. 2022 Jul 6;15(7):e250553.

民間栄養士の助言に従って毎日ビタミンD 15000IUを含む20種類以上の成分のサプリメントを使用し、約一ヶ月で12.7kgの体重減少と繰り返す嘔吐、吐き気、下痢などで病院に来た中年男性の症例報告

 

-肉アレルギー:時限爆弾

Meat Allergy: A Ticking Time Bomb.

Shah R, Schwartz RA.

Am J Clin Dermatol. 2022 Jul;23(4):515-521.

レビュー。特有の性質としては、遅延型反応を招く、タンパク質より炭水化物によって誘発される、ダニに刺されることと関連する。

 

-B12補充開始にも関わらず生じた、亜酸化窒素濫用誘発性亜急性連合変性症

Nitrous oxide abuse induced subacute combined degeneration despite patient initiated B12 supplementation.

Temple C, Zane Horowitz B.

Clin Toxicol (Phila). 2022 Jul;60(7):872-875.

慢性の亜酸化窒素濫用による神経毒性患者4人のケースシリーズ。いずれもカートリッジを毎日のように数ヶ月から数年にわたって濫用

 

-食料価格危機から公平な食料システムへ

From food price crisis to an equitable food system

Corinna Hawkes et al.,

THE LANCET COMMENT| VOLUME 400, ISSUE 10350, P413-416, AUGUST 06, 2022

2022年、世界は生活コストの危機を経験している。食料価格は世界的に記録的高さまで上昇し、制限のある状況で生活している人々は食事を抜いたり安価なデンプンの多い穀物や超加工食品を購入せざるを得なくなっている。その結果食生活の不平等は悪化するだろう。既存の不平等に対応するには多くの部門での転換が必要である。変化への障害を乗り越えるには不平等な食料システムの中核にある政治的不平等に取り組む必要がある。そのための4つの方法として、1)女性をリーダーに、2)意思決定に若い人を参加させる、3)不平等の影響を受けている地域の参加、4)大企業の影響を減らす

(一部のみ、Corinna Hawkesは英国の著名なフードシステム専門家。フードシステム転換の主張は大体こんな感じ。こういうところがVandana Shivaのような活動家の温床になりやすい。誰が主張するかによって事実が変わることなどないし、安価な穀物のどこが悪?)

 

-GBD 2019の赤肉の健康リスクの背景にある問題のある想定

Troubling assumptions behind GBD 2019 on the health risks of red meat

Vanessa L Z Gordon-Dseagu et al.,

THE LANCET CORRESPONDENCE| VOLUME 400, ISSUE 10350, P427-428, AUGUST 06, 2022

GBD 2019で赤肉の最小リスクとなる暴露量をゼロにしたことの正当性に疑問を提示

(トランス脂肪の時もそうだったがしっかりした根拠は無い。肉や人工は悪というイデオロギーだと思う)

 

-植物ベースの動物製品代用品は動物製品より健康的で環境持続可能性が高い

Plant-based animal product alternatives are healthier and more environmentally sustainable than animal products

Christopher J.Bryant

Future Foods Volume 6, December 2022, 100174

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666833522000612

(Christopher J.Bryantは菜食推進の社会学者。食品システムの問題点の解決法として、こちらの方向性は加工万歳)

 

SMC UK

肥満成人での初期時間制限食と減量を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at early time-restricted eating and weight loss in obese adults

AUGUST 8, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-early-time-restricted-eating-and-weight-loss-in-obese-adults/

JAMA Internal Medicineに発表された研究が、肥満成人での減量と脂肪の減少のための時間制限食(TRE)の有効性、心代謝健康について調べた

英国栄養財団栄養科学者Simon Steenson博士

最近減量のための間欠絶食がメディアで宣伝されている。この最新研究ではBMI 30から60までの25-75才の90人を1日の8時間以内(午前7時から午後3時まで)にのみ低カロリー食を食べる群と一日中食べる群に無作為に割り付けた。14週間後、時間制限群は対照群に比べて2.3kg余分に減量した。一方今年4月に発表された中国の試験では時間制限食とそうでない場合に有意差はなかった。このような矛盾はこれまで同様で、よりしっかりした根拠を提供するためにはより大規模な試験が必要であることを示す。個人にとって成功する、継続できる減量は、長期的に従うことができる食事法を確保することであろう

Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

この小規模で短期間の試験は興味深いが、ガイドラインの改定にはより長期の試験が必要であろう

Queen Mary University of London 集団健康Wolfson研究所健康とライフスタイル研究ユニット長Peter Hajek教授

これまでの21の時間制限食試験は多くが小規模で短期間で多くが期待できる結果であった。しかし多くの介入が短期的減量は達成でき、問題は継続できるかどうかである。長期フォローアップが必要である。