2022-08-23

[MFDS]人工知能を活用してハイリスク輸入食品をスマートに探す

デジタル輸入安全企画課 2022-08-05

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46597

□ 食品医薬品安全処はビッグデータ・人工知能など知能情報技術を活用してハイリスク輸入食品などを科学的に選別して集中管理する「リスク予測基盤検査・管理システム」構築を推進する。

○ 今回のシステム構築は最近、食品輸入量が着実に増加*すると同時に食品安全を脅かす要因も複雑・多様化していることに伴い、事前に有害影響を及ぼす懸念がある製品を精密に検査することにより、有害食品の国内流入を効果的に阻止するためのものである。

□ 今回構築を推進するシステムは、①ビッグデータ収集・分析、②輸入食品などリスク予測、③リスク予測に基づく検査・管理システムで構成される。

① 国内外の環境、気象、流通など様々な分野のデータを収集して、輸入食品安全管理の観点から融合・連携して多次元・人工知能分析と視覚化などを支援する。

② 機械学習・ディープラーニングなど人工知能アルゴリズムでビッグデータを学習し、ハイリスク製品や先制的管理が必要な海外製造業者を選別する。

③ 輸入食品安全管理全段階(現地実態調査、通関、流通)で、リスク予測に基づいて意思決定を支援する様々な機能を提供する。

<リスク予測に基づく検査・管理システムの提供機能(例示)>

▶(現地実態調査段階)ハイリスク輸入食品を製造する海外製造業者を対象に現地実態調査を強化、生産時期・地域別リスク発生確率を考慮した製造業者差別管理

▶ (通関検査段階)低リスク予測製品は迅速通関して、ハイリスク予測製品は精密検査を強化

▶ (流通管理段階)流通、SNS分野データを分析して輸入増加が予想される食品と関連流通業者に対する先制的企画監視

□ 食薬処はシステム構築のために2021年から研究事業を実施して食品安全に影響を及ぼす多様な要因を発掘してデータ化し、このデータを学習してハイリスク輸入食品などを選別する人工知能アルゴリズムを開発してきた。

○ また、先月7月14日にはIT専門コンサルティング業者とサービス契約を締結して情報化戦略計画(ISP)策定に着手した。

* 情報化戦略計画(ISP:Information Strategy planning)とは、情報化事業を有効かつ効率的に推進するための戦略的計画を策定するもので、業務および情報化システムに対する現状分析、目標モデル設計、実施計画の策定などを含む計画を意味する

○ 来年からは研究事業結果と情報化戦略計画(ISP)を基に「輸入食品リスク予測基盤検査システム」を段階的に構築する予定であり、今後の輸入食品安全管理業務に活用する計画である。

□ 食薬処は輸入食品リスク予測システム構築が完了すれば客観的データを基にハイリスク輸入食品を精巧に選別するなど集中管理が可能になり、輸入食品安全管理の強化に寄与するものと期待している。

○ 食薬処は今後もデジタル技術を活用して急速に変化する食品消費環境に対応して、輸入食品の安全を強化する努力を継続していく。

 

[MFDS][報道参考] 新しい食品原料認定、1対1オーダーメード型相談、需要調査実施

新素材食品課 2022-08-04

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46593

□ 食品医薬品安全処と食品原料医薬品安全評価院は、新しい原料が速やかに食品原料と認定*されるように、食品原料開発者などを対象に9月19日から「新しい食品原料オーダーメード型技術相談」を本格的に施行する予定で、これに先立ち8月4日から26日まで技術相談需要調査を実施する。

* 新食品原料認定制度:国内で食品として摂取経験がない原料に対して安全性などを評価することで新食品原料として認定されると、食品公典登載前まで一時的に使用が可能(「食品衛生法」第7条第2項)

○ 今回の技術相談は最近、科学技術の発展に伴い新素材食品開発などで食品原料が多様化することにより、食品原料開発者(または業者)の食品原料認定制度に対する理解度を高めて、優れた原料が食品として認定されるよう支援するために用意された。

□ 主な支援内容は、▲新食品原料認定制度の紹介、▲毒性試験資料など提出資料の範囲と細部作成要領の案内などである。

○ 食薬処は今回の需要調査の結果、技術相談支援対象業者の開発水準*により1対1でオーダーメード型相談サービスを提供する。

* ステップ1:原料の探索、ステップ2:毒性試験の未実施、ステップ3:毒性試験の実施

□ 食薬処は今回の技術相談が新しい食品原料認定に関する情報不足で苦労している食品原料開発者などを助け、多様な食品原料が速やかに製品化されるなど国内の食品産業の発展に寄与すると期待している。

※ 事例)新しい食品原料認定は平均1年程度かかるが、オーダーメード型相談を受けた業者の場合は約8ヶ月で認定

○ 今後も専門性と規制科学をベースに、安全で品質が確保された食品が開発されるように積極的に支援する。

<添付>

1.新食品原料オーダーメード型技術相談申込書

2.新食品原料オーダーメード型技術相談の要約(例示)

 

[MFDS]2021年の食品産業生産実績は前年比10.5%の増加

食品安全政策課 2022-07-25

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46560

□ 食品医薬品安全処と食品安全情報院は2021年の国内食品産業*生産実績**が前年(84兆3,267億ウォン)対比10.5%増加(93兆1,580億ウォン)し、最近5年間の年平均増加率(3.6%)より約6.9%高い増加率を示すなど着実な成長傾向だと明らかにした。

* 食品産業:食品製造加工業(酒類・食品照射を含む)、食品添加物製造業、容器・包装製造業、畜産物加工業、食肉包装処理業、健康機能食品製造業

**(‘19)81兆77億ウォン(2.7%↑)→(‘20)84兆3,267億ウォン(4.1%↑)→(‘21)93兆1,580億ウォン(10.5%↑)

○ 2021年の食品産業生産実績は国内総生産(GDP)*対比4.5%、国内製造業総生産(GDP)対比17.8%を占めた。

* 2021年国内総生産(GDP):2,057兆4,482億ウォン(ウォン系列、名目)(出処:韓国銀行経済統計システム、2022.5.)

○ 昨年は食品産業全体の生産実績が最近5年(‘16年~’20年)年平均増加率(3.6%)より約6.9%高かったが、これは食品関連すべての業種が全般的に成長傾向を維持した中で「食品など*」、「畜産物**」の生産実績が最近5年平均増加率に比べて大きく増加したためである。

* 食品製造加工業(酒類、食品照射を含む)、食品添加物製造業を含む

** 畜産物加工業(乳加工、卵加工、食肉加工)、食肉加工場処理業を含む

- 食品などの生産実績は53兆1,155億ウォンで国内食品生産実績の57%を占め、前年(48兆3,987億ウォン)対比9.7%増加して、最近5年間の年平均増加率(3.7%)より約6.0%p高かった。

- 畜産物の生産実績は30兆6,589億ウォンで国内食品生産実績の32.9%を占め、前年(27兆7,026億ウォン)対比10.7%増加して、最近5年間の年平均増加率(3.6%)より約7.1%p高かった。

- 容器・包装類製造業の生産実績は6兆6,716億ウォンで前年(5兆9,612億ウォン)対比11.9%増加して、最近5年間の年平均増加率(-0.08%)に比べて大きく増加した。

- 健康機能食品製造業の生産実績は2兆7,120億ウォンで前年(2兆2,642億ウォン)対比19.8%増加して、最近5年間の年平均増加率(11.4%)より約8.4%p高かった。

○ 昨年、我が国の食品産業市場はCOVID-19と健康を重視する社会変化により関連製品の生産量が増加する特徴を示した。

- 主な特徴は、▲[食品]家庭簡便食・炭酸飲料・植物性油脂類・食用油脂加工品の生産増加、家庭簡便食の中でも簡便調理セットの急成長、▲[容器・包装]合成樹脂製ともに成長、使い捨て弁当容器の需要増加、▲[畜産物]包装肉・味付け肉など食肉製品は変わらず強勢、▲[健康機能食品]前年比19.8%増加、紅参製品の強勢持続、関節健康関連製品に対する高い関心、▲[業者]生産高1兆ウォン以上6社、上位順位変動などである。

■【食品】家庭簡便食・炭酸飲料類・植物性油脂類・食用油脂加工品の生産増加…家庭簡便食の中でも簡便調理セットの急成長

食品などの生産実績は53兆1,155億ウォンで最近5年間の年平均増加率より約6.0%p増加するなど成長傾向が大きかったが、これはCOVID-19流行と一人世帯増加、健康に対する関心増加など社会変化によって関連製品の生産が増加したことによるものと分析された。

○ 家庭簡便食*の生産実績は3兆9,097億ウォンで前年(3兆3,454億ウォン)対比16.8%増加し、即席調理食品(加工ご飯、麺、汁など)は前年比21.4%、即席摂取食品(弁当、のり巻きなど)は9.5%、新鮮便宜食品(サラダ、カットフルーツなど)は3.6%増加して、全体的な生産増加傾向を示した。

* 家庭簡便食(HMR,Home Meal Replacement):即席ご飯・麺・サラダなど、すぐに食べたり簡単に温めて調理・摂取できるように便宜性を付与した家庭食事代用食を総称、即席摂取・便宜食品類(新鮮便宜食品・即席摂取・調理食品、簡便調理セットなど)

- 特に2020年10月に新設された簡便調理セット(ミールキット)は生産実績が大幅に増加し、新鮮便宜食品と即席調理食品も最近3年の年平均成長率がそれぞれ13.6%、17.4%で着実に成長した。

- これはCOVID-19の影響で外食が減り家での食事の需要が増える一方、健康を重視する食品消費傾向が反映されたものと分析される。

○ 即席摂取・簡便食品(家庭簡便食):(‘20)3兆3,454億→(‘21)3兆9,097億(対前年比16.8%↑)

- 即席調理食品:(‘20)1兆7,374億 →(‘21)2兆1,084億(前年比21.4%↑)

- 即席摂取食品:(‘20)1兆4,009億 →(‘21)1兆5,341億(前年比9.5%↑)

- 新鮮便宜食品:(‘20)2,059億 →(‘21)2,134億(前年比3.6%↑)

- 簡便調理セット:(‘20)13億 →(‘21)538億(前年比4,038.5%↑)

○ 炭酸飲料類の2021年の生産実績は1兆6,856億ウォンで前年(1兆3,755億ウォン)対比22.5%増加し、植物性油脂類(パーム油、大豆油など)は1兆6,056億ウォンで前年(1兆1,997億ウォン)対比33.8%、食用油脂加工品(混合食用油、加工油脂など)は9,680億ウォンで前年(7,035億ウォン)対比37.6%増加した。

- 炭酸飲料類:(‘20)1兆3,755億 →(‘21)1兆6,856億(前年比22.5%↑)

- 植物性油脂類:(‘20)1兆1,997億 →(‘21)1兆6,056億(前年比33.8%↑)

- 食用油脂加工品:(‘20)7,035億 →(‘21)9,680億(前年比37.6%↑)

- これはデリバリーの需要増加など社会的な変化を示していると見られる。

■[容器・包装]合成樹脂製ともに成長、使い捨て弁当容器需要増加

○ 昨年の容器・包装類の生産実績は6兆6,716億ウォンで最近5年間の年平均増加率より約11.9%p増加して成長傾向が大きかったが、これは関連製品(ラーメン、炭酸飲料など)の生産実績増加によりともに上昇したと分析された。

- 特に合成樹脂製(ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)など)の生産実績が4兆2,568億ウォンで前年(3兆7,003億ウォン)対比15.0%増加したが、ラーメン・飲料類(炭酸飲料など)の生産増加により、これらの容器・包装であるラーメン包装紙(ポリエチレン)・使い捨てボトル(PET)の生産もともに増加したためである。

- 一方、COVID-19の影響によるデリバリーの増加は使い捨て弁当容器の需要増加につながり、ポリプロピレンの生産増加に影響を及ぼしたことが分かった。

○ 合成樹脂製:3兆7,003億 →(’21)4兆2,568億(前年比15%↑)

√ポリエチレン:(’20)1兆6,163億 →(’21)1兆9,420億(前年比20.2%↑)

→ラーメン(袋麺):(’20)1兆3,028億 →(’21)1兆7,089億(前年比31.2%↑)

√PET:(’20)7,046億 →(’21)7,725億(前年比9.6%↑)

→炭酸飲料類:(’20)1兆3,755億 →(’21)1兆6,856億(前年比22.5%↑)

√ポリプロピレン:(’20)9,298億 →(’21)9,875億(前年比6.2%↑)

■[畜産物]包装肉・味付け肉類など食肉製品は変わらず強勢

○ 畜産物生産実績*は30兆6,589億ウォンで前年(27兆7,026億ウォン)に比べ10.7%増加して、国内食品生産で食肉製品が最近3年間で変らず強勢を見せている。

* 畜産物生産実績:(‘19)25.6兆(1.8%↑)→(‘20)27.7兆(8.4%↑)→(‘21)30.7兆(10.7%↑)

- 昨年、食品別生産実績上位3品目は豚肉包装肉7兆4,016億ウォン(全体の7.9%)、牛肉包装肉6兆6,760億ウォン(全体の7.2%)、味付け肉4兆1,627億ウォン(全体の4.5%)の順で食肉製品が占めた。

■[健康機能食品]前年比19.8%増加、紅参製品強勢持続、関節健康関連製品への高い関心

○ 健康機能食品の生産実績は2兆7,120億ウォンで前年(2兆2,642億ウォン)対比19.8%増加*して、これはCOVID-19で健康管理に対する関心が高まり健康機能食品の需要が増加したと分析された。

 *('19)1兆9,464億ウォン(12.6%↑)→(’20)2兆2,642億ウォン(16.3%↑)→(’21)2兆7,120億ウォン(19.8%↑)

- 最も多く生産された健康機能食品は兔疫力増進に役立つと知られている紅参製品(占有率22.7%、6,153億ウォン)で、生産額は前年(5,988億ウォン)対比2.8%増加した。

- 個別認定型原料*製品のうち紅参に続き生産量が多い品目はプロバイオティクス(3,979億ウォン、25.6%↑)、ビタミンおよびミネラル(2,865億ウォン、6.0%↑)、EPAおよびDHA含有油脂(1,955億ウォン、77.3%↑)の順であった。

* 「健康機能食品の基準及び規格」に掲登録され誰でも使用できる原材料で、栄養(ビタミン、ミネラル)および機能性原材料(人参、紅参など)など96種

- 個別認定型原料*製品のうちボスウェリア抽出物(244億ウォン、2991.2%↑、関節および軟骨の健康に役立つ)の生産量が前年比で大幅に増加した。これは個別認定型原料のMSM**(599億、107.5%↑)製品の成長の勢いとともに、関節健康に対する関心が高まったためと分析される。

* 健康機能食品公典で認定された原料ではなく、個別に食薬処の審査を経て認定された営業者のみが使用できる原料(ʹ21.12.31. 基準262種認定)

** MSM:Methyl sulfonylmethane)

○ 健康機能食品:(’20)2兆2,642億→(’21)2兆7,120億(前年比19.8%↑)

  - 紅参製品:(’20)5,988億→(’21)6,153億(前年比2.8%↑)

  - 個別認定型:(’20)4,796億 →(’21)6,388億(前年比33.2%↑)

  - MSM:(’20)289億→(’21)599億(前年比107.5%↑)

  - ボスウェリア抽出物:(’20)8億→(’21)244億(前年比2,991.2%↑)

■ [業者]生産実績1兆ウォン以上6社、上位順位変動

○ 製造業者別に生産実績1兆ウォン以上の業者は食品製造・加工業者5箇所と畜産物加工業者(乳加工業者)1箇所など計6箇所であった。

- 生産額1兆ウォン以上の業者は昨年より食品製造・加工業者で1箇所追加され、食品産業の成長傾向を示した。

- 1位は前年度と同じく「CJ第一製糖」が占め、前年(2兆1,157億ウォンウォン)対比9.7%増加し、2兆3,217億ウォン相当の生産実績を記録した。

- 2位は炭酸飲料の生産実績増加で前年度4位だった「ロッテ七星飲料」(1兆9,466億ウォン)が占め、3位「農心」(1兆7,317億ウォン)、4位は前年度2位だった「ハイトジンロ」(1兆6,281億ウォン)、5位「オトギ」(1兆4,623億ウォン)、6位「ソウル牛乳協同組合」(1兆4,497億ウォン)の順で続いた。

<添付> 2021年食品・畜産物・健康機能食品の生産実績統計参考資料

 

[MFDS]食薬処、「食品分野規制革新国民大討論会」開催

規制改革法務担当官 2022-07-25

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46561

□ 食品医薬品安全処は7月25日、大韓商工会議所で食品、輸入食品、畜産物、衛生用品など食品分野関連業者・協会・学界・消費者団体が共催した「食品分野規制革新国民大討論会」を開催した。

○ 食薬処はこれまで内部「最終討論」方式の会議を進めて、食品分野産業活性化と国際競争力強化のための規制革新課題を発掘し、今回の討論会は主要規制革新課題について各界の意見を聞くために用意された。

□ 食薬処長は討論会で「最近の食品産業は食品消費トレンドの変化、フードテックなど新技術開発、気候変動による食料安全保障など急変する環境に置かれている」とし、「国内食品産業が活性化され、さらに世界市場を先取りできるようにするには、政府が規制を革新して国民の安全だけでなく食品産業を支援することが何より重要だ」と強調した。

○ 併せて「食薬処は現場で業界と疎通・協力を強化して、変化する環境要因を反映した食品安全政策を積極的に発掘し、合理的規制を設けるなど果敢な規制革新で食品産業の活性化を支援することに最善を尽くす」と述べた。

□ 今回の討論会では、食薬処食品分野担当局長が規制革新課題を発表し、参加者と質疑応答して討論を進めた。

○ 食品分野の主な革新課題は、▲新産業支援、▲民生不便・負担改善、▲国際調和、▲手続き的規制改善4分野20課題で、分野別の主な課題は次のとおり。

1)新産業支援分野

-(オーダーメード型健康機能食品の導入)現在、健康機能食品は完成品の小分販売が禁止されており、個人の生活習慣・健康状態などに応じて様々に組み合わせるオーダーメード型健康機能食品は販売できない。

- これを改善するために、健康機能食品小分業制度を導入してオーダーメード型健康機能食品を製造・販売できる方案について議論した。

-(食品原料認定対象拡大)これまで新しい食品原料を使用するためには一時的基準・規格を認定されなければならず、その対象は農・畜・水産物などに限定されていて、多様に開発される新素材が食品原料として認定されるのに制約があった。

- 今後は細胞培養など新技術を適用した新素材についても一時的基準・規格を受けられるように認定対象を拡大する方案を議論した。

2)民生不便・負担改善分野

-(冷凍食品の小分け後に再冷凍を許容)現在、食品を解凍させた後に再冷凍することを原則的に禁止しているが、冷凍濃縮液・ペーストなどは必要に応じて小分けして使用する現実を考慮して、品質・衛生に影響がない場合に限り解凍後の再冷凍を許容する方案について議論した。

-(食肉即売加工業の販売範囲拡大)食肉即売加工業は現在、最終消費者に直接販売することのみが許容されており多様な消費者に購入アクセスが制限されている。

- これを改善するために、食肉即売加工業者が生産した食肉加工品を飲食店にも供給できるように改善する方案を議論した。

3)国際調和分野

-(原材料無添加表示を許可)現在は食品表示・広告に使用していない原材料を「無添加」、「free」などと表示・広告することが他のメーカー・製品と不当に比較する表現に該当するという理由で禁止されているが、CODEX、アメリカ、カナダなどのように不当な表現がなく、事実に基づいた表現であれば許容する方案について議論した。

- (解凍流通許容対象拡大)現在は冷凍食品を解凍して流通が許容されるのはパン類など一部の食品類型に限り「解凍製品」であることを示す場合のみ許容しており、その他の品目の場合は現場ですぐに使用・取扱いが難しい側面がある。

- 今後、米国、EUなどのように品質・安全に問題がない場合、冷凍食品に対する解凍流通許容対象を徐々に拡大する方案を議論した。

4)手続き的規制改善分野

-(GMP優秀業者差分管理制導入)すべての健康機能食品製造業者は食薬処から年1回のGMP定期評価を受けているが、評価の結果GMP運営優秀業者に対しては1年間定期評価を免除して自己評価を実施できるよう差分管理する方案を議論した

-(同社・同一輸入食品の分類要件の改善)輸入食品(加工食品、畜産物加工品)は同じ海外製造業者の類似製品でも、製品名が変わると新製品に分類して精密検査を受けなければならず、これにともなう検査・物流コストなどが追加発生するなど営業者に負担となる側面がある。

- 今後は同社の同一食品の分類要件のうち食品安全との関連の少ない「製品名」を削除し、同社・同一食品要件を緩和する方案について議論した。

□ 討論会に参加した業界・学界・消費者団体関係者は、食薬処で検討中の主要規制革新課題に対して概ね肯定的に判断したが、一部の懸念の声やその他の改善意見を提示した。

○ 産業界はこれまで小規模企業が継続的に要請した事項に対する改善事項も含まれているなど、食薬処の規制革新事例について肯定的に判断しながら、

- ただし、国民の安全性を確保し国民の安心が保障されれば規制革新のスピードを高め、企業が実感できるようにしてほしいという要請と、一回限りではない持続的な規制革新と業務協議の際、実質的に関連規定に適用された輸入業者も含めた意見を反映してほしいという要請などがあった。

○ 消費団体はグローバルネットワーク、消費トレンドの急激な変化などで規制革新が必要な状況であることを認識しており、食薬処の素早い規制革新の動きに対しては肯定的に判断しながらも、

- 消費者の立場では安全が最優先され、安全が確保された状況から国民、企業が共生できる規制革新をしなければならないと述べた。また、規制改革が悪用されるのを防ぐ方法についても検討する必要があると述べている。

○ 食薬処は討論会で出た規制革新方案に対する意見や追加意見などを反映して、8月中に食・医薬規制革新推進課題を確定・発表する予定である。

<添付> 食品分野の主な規制改革の課題(寸論テーマ)

 

[USDA]学校給食と競合食品中の添加された糖 議会への報告

Added Sugars in School Meals and Competitive Foods

U.S. Department of Agriculture Food and Nutrition Service

A Report to Congress

May 2022

https://fns-prod.azureedge.us/sites/default/files/resource-files/AddedSugarsinSchoolMeals.pdf

背景

・現在学校で提供される食事の砂糖の量についての基準はない。

・2020-2025アメリカ人のための食事ガイドラインでは添加された糖は1日の総カロリーの10%以内に制限することを助言している

・CDCの2011-2016年のデータの解析では5-18才の学生の1日の添加された糖の摂取はカロリーの14%

重要な知見

・学校で提供される朝食の92%は添加された糖がカロリーの10%以上

・ランチは69%が添加された糖がカロリーの10%以上

・学校の昼食と朝食の両方で主な添加糖の摂取源は風味つき無脂肪乳

 

(チョコレートミルク。脂肪の摂取量を減らそうとして無脂肪乳を推奨し、美味しくないので砂糖を加えたことが今は非難されている。添加物嫌いの業界なので低カロリー甘味料も使えない。飽和脂肪が「良い」わけはないので全乳にも戻せない。傍から見ると迷走しているとしか思えないのだが当事者は真剣。)

 

GAO(会計検査院)

健康的食生活:健康的食生活、食品安全、食料安全保障推進の政府全体での解決法

Healthy Eating:

Government-wide Solutions for Promoting Healthy Diets, Food Safety, and Food Security

Jul 19, 2022.

https://www.gao.gov/products/gao-22-106078

健康的食生活の推進には多数の政府機関が役割をもつ。各機関は食事関連慢性疾患を減らし、食品安全法を執行し、人々の食品入手を援助するために働く。これら連邦機関の協調の欠如は重複などの問題につながる可能性がある。

我々は連邦の食生活、食品安全、食料安全保障の努力についてのGAOの仕事をまとめた。この仕事は機関間の連携強化のために政府全体での戦略が必要であることを指摘する

報告書

(2ページ)

GAO Snapshot

Healthy Eating:Government-wide Solutions for Promoting Healthy Diets, Food Safety, and Food Security

https://www.gao.gov/assets/gao-22-106078.pdf

全体像

・食事関連慢性疾患のある人はCOVID-19死亡率が高い

・食料不足

・乳児用調整乳汚染

GAOの仕事が示したこと

食事関連慢性疾患に対応する戦略が必要

食品安全の連邦監視を改善する戦略が必要

緊急時の食料不足への対応戦略が必要

 

 

[NASEM]感染症の自己診断についての迅速専門家審議

Rapid Expert Consultation on Self-Tests for Infectious Diseases

Lessons Learned from COVID-19

(2022)

https://nap.nationalacademies.org/catalog/26694/rapid-expert-consultation-on-self-tests-for-infectious-diseases-lessons

パンデミックの自己診断経験は、開発、製造、規制、配布、採用プロセスの全ての段階での個人の熱心な働きによって一部で大きな成功を示したが、同時に、主に事前に対応する包括的戦略の欠如から来る課題も明らかにした。この迅速専門家協議では、流行する感染症や将来のアウトブレイクの自己診断の開発と使用のためにCOVID-19パンデミックの教訓をまとめた。

 

[SMC UK]非栄養性甘味料のヒトマイクロバイオームと血糖レベルへの影響を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at the effect of non-nutritive sweeteners on human microbiomes and glycaemic levels

AUGUST 19, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-the-effect-of-non-nutritive-sweeteners-on-human-microbiomes-and-glycaemic-levels/

Cell Pressに発表された研究が非栄養性甘味料のヒト耐糖能へのマイクロバイオームを介した影響を調べた

King’s College London上級講師Sarah Berry博士

ヒトマイクロバイオームの組成と機能への甘味料の影響に関する因果関係の根拠はほとんどない。これまでの研究と違ってこの研究では最もよく摂取されている甘味料を現実的な摂取量で、通常甘味料を摂取しないヒトで調べたことが強みである。

この研究はこれまで動物モデルでしか調べられていなかった甘味料の影響のヒトでの根拠を提供することで現在の我々の知識に貢献する。

この研究は甘味料の血糖への影響は人によって異なり、マイクロバイオームがその反応の変動の一部を仲介している可能性を示した。このことがこれまでの甘味料の健康への影響研究が明確でなく矛盾することの説明になるかもしれない。甘味料には「反応する人」と「反応しない人」がいるという知見は、食品の健康影響については集団向けの助言とともに個別のレベルでの検討の必要性を強調する。この研究では過去6ヶ月に甘味料を摂取していないヒトだけを対象にしたため、通常甘味料を摂取しているヒトで同様の影響があるかどうかはわからない。4つの甘味料のうちサッカリンとスクラロースのみが血糖を高くしアスパルテームとステビアはしなかったのは興味深いが、製品の組成を変えたり消費者に助言する前により長期の研究で確認する必要がある。甘味料の長期健康影響はこの研究からは外挿できない。

California大学Davis校医学部研究副学部長で生理学と膜生物学著名教授Kim Barrett教授

この研究は非栄養性甘味料のヒトへの影響を理解する大きな一歩である

英国栄養財団栄養科学者Sarah Coe

この最新の知見はスクラロースとサッカリンが腸内マイクロバイオームに影響して耐糖能異常に影響することを示唆する。これまでの動物に大量に与えた研究とは違ってADI以下で使った。試験中の食事摂取データは集めたものの食事はコントロールしていないので食事要因がマイクロバイオームに影響した可能性はある。この研究は非栄養性甘味料の平均的摂取習慣を変える必要を示したものでは無い

バルセロナVall d’Hebron大学病院消化器系研究部長でもとスペイン微生物叢、プロバイオティクス、プレバイオティクス学会長Francisco Guarner

この研究は決定的なものでも質の高いものでもない。彼らは各20人で、毎日180mgのサッカリンあるいは102mgのスクラロースを2週間摂取した後の経口ブドウ糖負荷試験後の個々の違いを対照群と比べた。全体で120人だが各群の人数は少ない。

ステビアとアスパルテームではネガティブな影響は検出されなかったので、全ての甘味料が負の影響があるとは言えない。

既存の根拠には矛盾が多い。この研究は臨床試験ではなく実験研究で、インスリン抵抗性のヒトは含まれず、甘味料の量は法外である。180mgのサッカリンは毎日50錠あるいは18袋のサッカリンに相当する。私はそれほどの量を使用している人を知らない。

個人的には、受け入れられる結論はたった一つあって、それはある物質が吸収されないからといって活性がないとは言えない。大腸の微生物叢に影響する物質はネガティブにもポジティブにも変化を誘発しうる。

CSIC食品科学と技術と栄養研究所免疫栄養グループ長研究教授Ascensión Marcos

これは良い研究であるが、いつものように欠点がある。EUでは19の甘味料が認可されているがここでは4つしか使われていないのでこの結果を全ての甘味料に当てはめることはできない。栄養状態や病理、地域など条件毎に考えた方が良いだろう、なぜならラテンアメリカでは人々は何年もの間異なる種類の甘味料を摂取してきていて、微生物叢は適応してきた可能性がある。全体として、結論を出すのは困難である。

Aston大学医学部登録栄養士で上級教育助手Duane Mellor博士

4種類の甘味料全てで大腸の細菌に変化があり、その理由は不明である。なぜならアスパルテームはほぼ完全にアミノ酸とメタノールに分解されて吸収されるので。腸内細菌への影響はさらに研究が必要である。この研究では甘味料が不活性ではないことを示唆するがそれはほぼ全ての食品中化合物がそうである。著者は砂糖は代謝健康にとって理想的なものでは無いので水を飲むことを示唆するがこれは食事の楽しみとのバランスで考えるべきである

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

これは複雑な研究である。この研究は甘味料が砂糖より健康に悪いと言っているのではないことを理解するのが重要である。プレスリリースでは代謝健康には「砂糖が最も有害」と言っている

Plymouth大学ヒト栄養講師Kathy Redfern博士

英国で最も良くソフトドリンクに使われている甘味料はアセスルファムKで、それはこの研究では対象になっていない。我々はヒトマイクロバイオームについてはまだたくさんのことを学ぶ必要がある。この研究は二つの甘味料が耐糖能に有意に影響があることを示唆したもののその差は僅かである。現在非栄養性甘味料を含む食品を選んでいる人はパニックになったり、食習慣を変えたりする必要はない。ただ栄養士としては、著者同様に最良の飲料は水である。砂糖だろうと甘味料だろうと、甘い飲料はほどほどに楽しめる。

(長いコメント一部のみ)