2022-09-06

[EU]RASFF 2022(0826-0903)

警報通知(Alert Notifications)

チェコ共和国産(オランダ産)食品サプリメントのTHC高含有、イスラエル産ミントの未承認物質クロルフェナピル・クロロタロニル・ジメトエート及びオメトエート、ハンガリー産食品サプリメントの未承認物質タダラフィル、オランダ産リンゴソースのパツリン、米国産チョコレートチップクッキーの3-モノクロロ-1,2-プロパンジオール (3-MCPD)、カナダ産飼料用ダイズのブタクサの種子高含有、ベルギー産ジャガイモのホスチアゼート、中国産有機クロレラタブレットの水銀、ドイツ産ヒマワリ油の3-MCPD、

注意喚起情報(information for attention)

ウズベキスタン産レーズンのオクラトキシンA、モロッコ産乾燥ミントのカルベンダジム・シペルメトリン及びラムダ-シハロトリン、ケニア産チリのメタミドホス・アセフェート及びクロルピリホス、エクアドル産ブロッコリーの塩素酸塩、トルコ産サルタナレーズンのマイコトキシン類(オクラトキシンA)、タイ産冷凍塩味雷魚のマラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリーン、セルビア産モモのクロルピリホスエチル、ブルンジ産ナスのアセフェート・ジメトエート・オメトエート・プロフェノホス及びメタミドホス、コソボ産ブルーベリーフルーツジュースの未承認着色料タートラジン(E102)・サンセットイエロー(E110)・アゾルビン(E122)及びポンソー4R/コチニールレッドA(E124)、ポーランド産原料ドイツ産ホウレン草のカドミウム、

通関拒否通知(Border Rejections)

中国産フライパンの 一級芳香族アミンの溶出、インド産バスマティ米のチアメトキサム及びトリシクラゾール(複数あり)、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン、パキスタン産米の未承認物質クロチアニジン・イミダクロプリド及びチアメトキサム、イラン産殻付きピスタチオのアフラトキシン、トルコ産乾燥レモンのクロルピリホス及びブプロフェジン、トルコ産有機乾燥イチジクのオクラトキシンA、ロシア産ヒマワリ種子のクロルピリホス、インド産ナッツクラッカースナックのアフラトキシン、インド産食品サプリメントのエチレンオキシド、

 

[MPI]チーズの製造副産物が糖尿病患者にとってのゲームチェンジャーになる可能性

Cheesemaking waste product potential gamechanger for diabetes sufferers

06 September 2022

https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/cheesemaking-waste-product-potential-gamechanger-for-diabetes-sufferers/

NZの企業がチーズの副産物を使った2型糖尿病患者の薬の開発を目指す

WheyTech Bionics NZがMPIと協力して乳清濾過生成物を抗糖尿病活性のある甘味料に加工するプロジェクトを行う。

既存のドイツの特許は乳清中の高濃度ブドウ糖から抗糖尿病作用のある糖を作れることを示している。NZの乳清で同様のものを製造することを目指す

(乳糖と果糖でショ糖の代用品にする話だろうか?)

 

[RIVM]ドルドレヒト、パペンドレヒト、スリードレヒト、モーレンランデンの自治体の菜園からの菜園作物における PFAS のリスク評価

Risicobeoordeling van PFAS in moestuingewassen uit moestuinen in de gemeenten Dordrecht, Papendrecht, Sliedrecht en Molenlanden

2022-09-05

https://www.rivm.nl/publicaties/risicobeoordeling-pfas-moestuingewassen-dordrecht-papendrecht-sliedrecht-molenlanden

要約は英語 報告書本文オランダ語

PFASを排出しているあるいは過去にPFASを排出していた化学工場近傍の菜園の農作物摂取によるPFAS暴露研究。

第一に、化学工場北東1km以内の菜園の作物からのPFAS摂取量は多すぎるので食べないように助言する。

第二に、工場から南西5-10kmおよび北東15kmの一部の菜園の作物からではPFAS摂取量は高すぎないのでこれらを食べ続けることができる。

第三に、工場から北西、北東、東1-10km、南西2.5kmの6グループについては、高すぎることはないが他よりは高く、これらの作物を食べる人々は店舗から購入したものを含めて多様なものを食べるよう助言する。オランダの人々は他の食品や飲料水からいわゆる健康ベースのガイダンス値より多くのPFASに既に暴露されているので、このように多様な野菜や果物を摂取することは重要である。

測定はLC-MS/MS、 LOD は 1 グラムあたり 0.25 ~ 12.5 ピコグラム (pg) の範囲で、LOQ は1 グラムあたり 0.5 ~ 15 pg、LOC(確認限界) は 1 グラムあたり 1.0 ~ 30 pg

17のPFASについてPFOAを1とした相対力価(PEQ)を設定して計算している

そして4,4 ng PEQ/kg/weekを目安に評価

 

[IARC]北欧諸国男性の携帯電話の使用と神経膠腫の時間的傾向、1979–2016

Time trends in mobile phone use and glioma incidence among males in the Nordic countries, 1979–2016

5 September 2022

https://www.iarc.who.int/news-events/time-trends-in-mobile-phone-use-and-glioma-incidence-among-males-in-the-nordic-countries-1979-2016/

Environment International.に発表されたデンマーク、フィンランド、スウェーデンのデータを使った研究。携帯電話の使用は1990年代から急増している。一方神経膠腫は長期にわたって少しずつ増加していて、その傾向は1979年から2016年の間に変化はない。この観察結果は携帯電話の使用が神経膠腫のリスクに測定可能な影響はないことと一致する。

 

その他

-チリの有権者は圧倒的多数で「エコロジー」憲法を却下

Chilean voters resoundingly reject a new ‘ecological’ constitution

5 SEP 2022 BY RODRIGO PÉREZ ORTEGA

https://www.science.org/content/article/chilean-voters-resoundingly-reject-a-new-ecological-constitution

憲章案は経済政策、気候、環境、研究、先住民の権利に大きな影響を与える

この国を鮮明に左方向に進ませるだろう新しい憲法に、昨日の国民投票で62%が「ノー」と言った。

新しい憲法を支持していたチリのAustral大学の生態学者Olga Barbosaは「まだショックを受けている」という。先月1200人以上の科学者が、自然と感覚のある動物に権利を認めチリ政府に気候変動と生物多様性危機に対策することを求める案を認めるよう呼びかける文書に署名した。

しかし全ての科学者が支持しているわけではない。パタゴニアに本社を置くKura Biotech社の主任科学者Manuel Rozasは、新しい憲法はアカデミックの科学を強化するだろうがその経済や政治改革はあまりにも不確実性が大きく、チリの研究をベースにした産業の成長を担ってきた投資家に避けられたという。

Gabriel Boric大統領は次にどうなるかを議論するために党首達と会合する。

1980年の軍事独裁国家時代の憲法を破棄して新しい憲法を作ることについては2020年に80%近くが賛成だった。それから憲法制定会議が案を作ることになったがその155人の構成員は左派が多かった。そして作られた案はチリを「エコな国」「多民族国家」として確立しようとするものだった。鉱業、農業、エネルギー企業が案に反対した。案の支持者ですら拙速を認めている。

 

-適切なメタデータ無しには、データ共有は要点を外している

Without appropriate metadata, data-sharing mandates are pointless

05 September 2022 Mark A. Musen

https://www.nature.com/articles/d41586-022-02820-7

データをFAIR(見つけられる、アクセスできる、相互利用可能、再利用可能)にするには出資者は適切なメタデータ基準を要求しなければならない

先月米国政府は連邦資金で作られた研究論文やその下になったデータを追加費用無しに公開しなければならないという方針を2025年末までに実施すると発表した。欧州のHorizon Europe研究資金でも既にほぼ全てのデータをFAIRにする義務が課されている。この方針の背景にあるのはデータアクセスをより容易にすることで結果の検証やさらなる解析に他者が使えるようにすることである。しかし単純にデータをオンライン公開しただけでは想定されるメリットが得られない。必要なのはメタデータをオーガナイズするインフラと方針である。

 

-最も悪影響の大きい農産物?オーガニックの、放牧で育てた牛肉と羊肉

The most damaging farm products? Organic, pasture-fed beef and lamb

George Monbiot

https://www.theguardian.com/environment/2022/aug/16/most-damaging-farm-products-organic-pasture-fed-beef-lamb

解析:あなたは答えに驚くかもしれないが、生産される肉と乳に比べて放牧に使われる土地は広大

・英国はどうすれば肉の摂取を減らして温室効果ガス排出を削減できるか?

・イングランドは気候壊滅を避けるために肉の摂取量を減らさなければならない、食の皇帝が言う

George Monbiot著

「復活:地球を破滅させることなく世界を食べさせるRegenesis: Feeding the World Without Devouring the Planet」

Penguin Books (2022/8/2)

の紹介

農業は世界最大の環境破壊で、我々が最も話したくないことの一つである。我々は都市の拡大を批判するが、農業の方が30倍も多くの土地を使う。我々は食べるために森を破壊し野生生物を殺し海や川を汚してきた。それでもなお何百万人もが飢えている

 

-海草はビタミンとミネラルが多い-しかし西洋人がもっと食べるべき理由はそれだけではない

Seaweed is high in vitamins and minerals – but that’s not the only reason westerners should eat more of it

September 5, 2022  Rochelle Embling & Laura Wilkinson (Swansea大学の心理学者)

https://theconversation.com/seaweed-is-high-in-vitamins-and-minerals-but-thats-not-the-only-reason-westerners-should-eat-more-of-it-187752

海草や藻類-あるいは海の野菜-は海の植物のグループである。昆布、ダルス(紅藻類)、わかめ、海ぶどうは海草料理に使われている。アジア諸国では海草を食べることは普通だが、最近各種食品や飲料の成分として人気が高まってきた。特に寿司では海苔が使われている。

我々の研究では、英国の人々は、ほかの西洋諸国同様、海草にはあまり馴染みがない。食品については新しいもの嫌いが消費者の新製品を試そうとすることの妨げになっている。特に海草については、海辺に打ち上げられた海草のイメージとつながると食欲をそそらない。我々の研究の参加者は海草で連想するのは「臭い」「しょっぱい」「ぬるぬるする」である。

しかしながら欧州の国の多くは海草を食べてきた歴史がある。ラバーブレッドlaverbreadやカラギーンプディングcarrageen puddingなど。これらの伝統的海草の摂取は現在では一部のままである。そして寿司を除けば多くの西洋諸国で海草摂取は少ない。

我々の最近の研究では、消費者の海草を食べる可能性を探った。注目すべきは、参加者は既に海草製品をヘルシーで持続可能だと期待していることである。食べてみようとするかどうかは味と親しみやすさが最も大きな要因である

(以下略。昆布の動画があるのだけれど、食べ過ぎだと思う(昆布細切りを料理にふんだんに使っている)。ヨウ素欠乏の国で急にたくさん食べるのはあまり好ましくない)