[FSS] Beat the Squeeze – 健康を維持しながらお金を節約する
Beat the Squeeze - saving money while staying healthy
1 SEPTEMBER 2022
スコットランド食品基準局(FSS)のシニア公衆栄養学アドバイザーであるFiona Comrieが、健康を維持しながらお金を節約する食事についての質問に答える。
[FSAI]影響を受けやすい集団のための安全な食品の選択
Safe Food Choices for Vulnerable Groups
7/9/2022
https://www.fsai.ie/faq/vulnerable_groups.html
影響を受けやすい集団が食中毒にかかるリスクを減らすための安全な食べ物の選択についてPDFで説明。
[FDA]プレスリリース等
-FDAは両親や保育者にMother’s Touch Formulaを購入したり乳児に与えたりしないよう助言する
FDA Advises Parents and Caregivers Not to Buy or Give Mother’s Touch Formula to Infants
September 6, 2022
FDA は、保護者や保育者に、乳児に Mother's Touch Formulaを購入したり与えたりしないよう助言する。この製品は、FDAへの必要な市販前届出を行わずに乳児用調製乳として販売されており、栄養要件である7つの栄養素を満たしていない。
-CVM 医薬品安全性情報:ヒトの皮膚に使用されるフルオロウラシル製剤がペットに重篤な反応を引き起こす可能性がある
CVM Drug Safety Communication: Fluorouracil Products Used on People's Skin Can Cause Serious Reactions in Pets
September 7, 2022
米国食品医薬品局(FDA)は、ペットの飼い主、獣医師、医療従事者、薬剤師に対し、FDAが承認した処方用外用薬である5-フルオロウラシルのチューブをペットが噛んだり、飼い主の皮膚に触れたりすることにより、重病又は死に至る可能性があることを喚起する。
消費者向け情報
フルオロウラシルとペットの安全
Fluorouracil and Pet Safety
09/07/2022
https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/fluorouracil-and-pet-safety
フルオロウラシルとペットの安全に関する情報。
[FDA]警告文書
-Leaf of Life LLC
AUGUST 04, 2022
未承認の医薬品、不正表示の問題。コカリーフパウダー製品を含む。
-Sun Sen Co., Inc.
AUGUST 17, 2022
食品のCGMP違反、製造、包装、表示、保管、不純品の問題。
[NIH]スクープ-2022年秋
The Scoop - Fall 2022
September 7, 2022
https://content.govdelivery.com/accounts/USNIHODS/bulletins/32b8bd0
カルシウムを十分得るには牛乳をどのくらい飲む必要があるか、ニンジンからβ-カロテンをたくさん摂ってもサプリメントと違って肺がんリスクにはならない、米国予防医学専門委員会(USPSTF)のマルチビタミン、心血管疾患及びがんに関する報告書について。
[CFIA]リコール
Mr. Rightブランドはアコニチン汚染のためKeampferia Galanga Powder(サンドジンジャーパウダー)をリコール
Mr. Right brand Keampferia Galanga Powder (sand ginger powder) recalled due to aconitine contamination
2022-09-01
[ヘルスカナダ]ホスファチジルセリン(大豆)を食品の補充成分として使用できるようにするヘルスカナダの提案に関する通知
Notice of Health Canada’s proposal to enable the use of phosphatidylserine (soy) as a supplemental ingredient in foods
September 7, 2022
ヘルスカナダは補充食品規制の枠組みの下で、食品中の補充成分として使用するホスファチジルセリンの詳細な市場前安全性評価を完了した。結果、ホスファチジルセリン(大豆)の使用を可能にする予定である。
[TGA]安全性助言:ペニソールカプセル(アーユルベーダ医薬品)
Safety Advisory: Penisole capsules (ayurvedic medicine)
6 September 2022
https://www.tga.gov.au/news/safety-alerts/safety-advisory-penisole-capsules-ayurvedic-medicine
オーストラリアTGAは、ペニソールという名のアーユルベーダ医薬品から高濃度の鉛及びその他の重金属が検出されたとして、助言を受けた。ペニソールには、鉛、スズ、亜鉛を含むTrivang Bhasmaというアーユルベーダ処方が含まれていると表示がある。
[MPI]警告
-北島西岸の貝類に関する公衆衛生警告の拡大
Public health warning for shellfish extended for West Coast, North Island
02 September 2022
MPI(ニュージーランド一次産業省)は北島西岸の貝の公衆衛生警告をTaranaki地域まで拡大した。麻痺性貝毒のレベルが MPI 設定の安全基準値0.8 mg/kgを上回った。
[SFA]ニュース等
-食品安全・多くの重要な要素が関与する
Food safety • Many important factors are involved
Sep 01, 2022
汚染防止にマスクだけに頼らない食品の安全性確保に関するSFA(シンガポール食品庁)の回答。
-サル痘と食品安全
Monkeypox and Food Safety
Sep 02, 2022
https://www.sfa.gov.sg/monkeypox-and-food-safety
食品を介したサル痘の感染リスク、衛生と食品安全対策について情報提供。
-SFAは安息香酸の含有によりHand Flowerブランドの醤油をリコールする
SFA recalls Hand Flower Brand Soy Sauce due to presence of benzoic acid
2 Sep 2022
シンガポール食品庁(SFA)は、安息香酸が基準値を超えて検出されたため、輸入業者Heng Yoon Trading Pte Ltdにマレーシア産のHand Flowerブランドの醤油のリコールを指示する。現在回収中である。
-食品取扱者のマスク又はマウスシールドの着用に関する注意喚起について
Advisory on Wearing of Masks or Spit Guards by Food Handlers
08 Sep 2022
ウェットマーケットの屋台で食品取扱者がマスク/マウスシールドを着用する要件については、寿司、炙った肉、ベーカリーなどのそのまま喫食可能な食品(RTE)を販売する屋台で食品を取り扱う者にのみ適用されると情報更新。
-変革への道:養豚を終えたシンガポールの養豚家たち
Journeys of Transformation: Singapore's Pig Farmers after Pig Farming
08 Sep 2022
シンガポールの養豚の廃止後の変革について紹介。
1984年にシンガポール政府は養豚業を段階的に廃止すると決定した後、農家は速やかに次の生計手段を探して適応した。これらの農家がどうやって適応できたかを見ることで、この記事では何年にもわたってシンガポールの食料安全保障を向上させるために変革を続ける様子を示す
[NASEM]ウェビナー
-パンデミック中に科学者と医療従事者を黙らせることに関するウェビナーシリーズ
2回目 パンデミック中の検閲と情報への権利
Censorship and the Right to Information during the Pandemic
2022年9月29日
このウェビナーはパンデミックに関する公衆衛生情報を政府が刑法やその他の理由で抑制することに関する世界的懸念を検討する。パネリストはパンデミック中に表現の自由や情報へのアクセスを守りながらデマや誤情報への懸念に対応することの課題について議論する
-回復力を育てるために公衆衛生と生態系の健康を統合する:知識と行動のギャップを橋渡しする研究分野を同定するためのワークショップ
Integrating Public and Ecosystem Health Systems to Foster Resilience: A Workshop to Identify Research to Bridge the Knowledge-To-Action Gap
公衆衛生と自然資源の管理、環境保護研究を統合する知的枠組みを探る
[RIVM]Salvia divinorum(を含むハーブ製品)のリスク評価
Risk assessment of (herbal preparations containing) Salvia divinorum
07-09-2022
https://www.rivm.nl/publicaties/risk-assessment-of-herbal-preparations-containing-salvia-divinorum
オランダでは(オンライン)スマートショップがSalvia divinorumの乾燥葉や抽出物を売っている。Salvia divinorumを含む製品は向精神作用のために使われている。RIVMはそれらがヒト健康に有害かどうか評価した。この評価で、これら製品を使う人は幻覚、落ち着きのなさ、錯乱、心拍数の増加、血圧上昇、精神病に苦しむ可能性があることがわかった。これらの健康影響は推奨されている量でもおこる。RIVMは消費者にSalvia divinorum(を含むハーブ製品)を使用しないよう助言する。また保健福祉スポーツ省に販売の制限や禁止を検討することを助言する。
Salvia divinorumを含む製品は乾燥した葉や抽出物として販売されている。ほとんどの場合吸入する。葉を噛むあるいはお茶にする場合もある。有効成分はサルビノリンAで、どのくらいの人が使っているのかはわからない。
(日本では指定薬物)
[IARC]世界がん報告更新教育ツールキット
Launch of the World Cancer Report Updates Teaching Toolkit
7 September 2022
https://www.iarc.who.int/news-events/launch-of-the-world-cancer-report-updates-teaching-toolkit/
IARCと欧州腫瘍医学会(ESMO)が協力して、がん予防のためのがん研究についての世界がん報告更新教育ツールキットを発表する。この無料のオンライン教育ツールキットはがん予防のためのがん研究の知識とスキルを伝えることを支援する
Cancer Research for Cancer Prevention
TEACHING TOOLKIT
https://learning.iarc.fr/wcr/courses/cancer-research-toolkit/
[FSA]消費者手洗い追跡 2020年4月から2022年1月までの重要な知見
Consumer Handwashing Tracker
Key findings from April 2020 – January 2022
Published: August 2022
Authors: Helen Heard
2020年4月から2022年1月までFSAは消費者の手洗いについて四半期毎の調査を委託した。全体として消費者は石けんとお湯で手を洗うのが最も多かったが、「いつも」「ほとんどの場合」手を洗うと回答した人は時間とともに減少した(79%から68%)
他トイレの後でいつも手を洗う人が87%から80%に減少等
(手洗いは続いて欲しいのに)
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 214-22
8 September 2022
https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20214-22.aspx
改訂No.212
MRLのバリエーション
(Codex準拠で牛の脂肪・腎臓・肝臓・筋肉中ラクトパンMRLが設定されている)
[ASA]毛皮警告:ペットインフルエンサーに適用される規則
Fur warning: the rules that apply to pet influencers
08 Sep 2022
https://www.asa.org.uk/news/fur-warning-the-rules-that-apply-to-pet-influencers.html
ソーシャルメディアページのスターが人間だろうとカリスマペットだろうと、オンライン広告にCAPコードは適用される。インフルエンサーがどんなにもふもふだろうと、広告基準を守る責任がある
・広告であることを確認
企業からお金や商品やサービスの提供を受けたら広告
・広告であることを明示
「いただいた」“spon”、“aff”のようなラベルは十分明確ではない。“Ad(広告)”のように明示すること
・責任ある行動
例えあなたのペットが健康で喜んでいても、他のペットやオーナーが真似したときに危険なことはしない
・宣伝している商品のことを考える
例えば犬に有毒な製品を宣伝するようなことは好ましくない
[USDA]USDAは動物で検出されたSARS-COV-2変異株のデータでダッシュボードを更新
USDA Announces Updated Dashboard with Data on SARS-COV-2 Variants Detected in Animals
Sep 7, 2022
ワンヘルスウェブサイトから
One Health
https://www.aphis.usda.gov/aphis/ourfocus/onehealth/onehealth
論文
-COVID-19感染前の心理的苦悩が長期COVIDリスクを増やす
Psychological distress before COVID-19 infection increases risk of long COVID
7-SEP-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/963741
JAMA Psychiatry
感染より前の鬱、不安、心配、ストレス、孤独のような心理的苦悩が長期COVIDリスク増加と関連する。そのリスクの増加は喫煙や喘息、肥満などの身体的リスクとは独立していてそれらより強い関連がある。この結果は目夏ヘルスの重要性について強調する
-二つの新しい試験がビタミンDとcovid-19リスク削減に関連はないことを発見
Two new trials find no link between vitamin D supplements and reduced risk of covid-19
7-SEP-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/963889
The BMJに本日発表された二つの大規模臨床試験が、SARS-CoV-2パンデミック中に成人のビタミンD濃度を上げることと呼吸器感染やcovid-19からの保護に関連はないことを示した。英国試験とノルウェー試験。これらを合わせて、ビタミンDサプリメントはcovid-19や他の急性呼吸器感染リスクを下げないことが示唆された。関連するエディトリアルで、Peter Bergman教授は予防接種が最も効果的なcovid-19から守る方法であり、性状ビタミンDレベルの健康な人にビタミンDやタラ肝油を提供すべきではないという。
-研究が人工甘味料と心疾患の関連の可能性を示唆
Study suggests possible link between artificial sweeteners and heart disease
7-SEP-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/963879
The BMJに本日発表されたフランスのWebベースのNutriNet-Santé研究で、人工甘味料摂取量の多さと心血管系疾患リスクの関連の可能性が示唆された
(いつものNutriNet-Santéなので)
Nature Volume 609 Issue 7926, 8 September 2022
-「私は喪失感を味わっている」:チリの科学者が新しい憲法が拒否された投票に悲しむ
‘I feel lost’: Chilean researchers saddened by vote to reject new constitution
07 September 2022 Emiliano Rodríguez Mega
https://www.nature.com/articles/d41586-022-02850-1
チリ人の約62%が、科学を強化するはずだった憲法案に反対した
市民主導の会議で1年かけて作られた憲法案は、科学を社会改善の道具とし、気候変動対策を強調していた。Valparaíso大学の数学者のAndrea Vera Gajardoは「とても途方に暮れている。チリの選択が理解できない」という。投票前の世論調査で、却下されるだろうことは示されていた。そのため8月末に科学者たちが賛成票を投じるよう勧める文書に署名した。しかし日曜日の投票では約62%が反対した
案はあまりにも過激だった
チリの人々は変化を望んでいる
-エディトリアル
Liz Trussは科学に価値を置かなければならない、恐れるのではなく
Liz Truss must value science, not fear it
新しい英国政府は科学者や大学と建設的に協力すべき
科学者への脅迫にはゼロトレランス
Zero tolerance for threats against scientists
COVID-19のような議論の多いトピックスについて専門性をシェアする研究者らがあまりにもしばしば虐めの対象にされる。組織は彼らを守り擁護するための対応をしなければならない
-特集
COVIDロックダウンから科学者が学んだこと
What scientists have learnt from COVID lockdowns
Dyani Lewis 07 September 2022
https://www.nature.com/articles/d41586-022-02823-4
社会的接触の制限は病気の拡散をくい止めたが、ロックダウンの最終的コストとベネフィットの検討は難題である
2021年3月、ブラジルの医師Ricardo SavarisがScientific Reportsに発表した研究論文、今は疑わしいとされている、がソーシャルメディアでたくさん引用された。当時はアルファ変異株が増えつつあって再びロックダウンをするかどうかが検討されていた。Savarisらの論文は自宅に長時間いることがCOVID-19死亡率の少なさと関連しないというものだった。この論文はロックダウン懐疑派に取り上げられた。ただ統計手法の選択が間違っていて、一週間のうちにScientific Reportsが「編集注」を加え、それから9ヶ月後論文の間違いを指摘するレターを掲載した。その一週間後に著者の同意なしに論文が取り下げられた。
ロックダウンが命を救うのに失敗したという主張はこの論文だけではない。多くの科学者はロックダウンがCOVID-19死亡を抑制し、2020年初期には政府には他の選択肢はほとんどなかったことに合意する。同時に、ロックダウンが膨大なコストを伴ったことも明確で、その後のロックダウンの有効性については議論がある。休校は教育を攪乱し事業閉鎖は社会経済的困難と精神衛生上の問題と不況に寄与した。「コストとベネフィットがある」と公衆衛生統計学者Samir Bhattはいう。
科学者は将来の危機に情報提供するためにパンデミック中のロックダウンの影響を研究している。いくつかの結論は得たが困難にも直面している。有害影響と利益を比較するのはしばしば科学的計算ではなく価値の判断になる。そのことがロックダウン研究を困難にし、苦い不同意につながる。
トリッキーな計算
COVID-19ロックダウンの影響を解析することの基本的な困難は、ロックダウンがなかったら何が起こったのかを知ることが難しいことである。例えばBhattらは欧州11カ国でロックダウンが300万人以上を救ったという論文を発表しているがその方法論には疑問がありロックダウンのベネフィットを誇大に想定している可能性がある。ロックダウンをしなければ人々の行動変化はないと想定しているがおそらく死者が増加すれば人々の行動は変わるだろう。人々はニュースを見ている。
他の研究者は厳しいロックダウンをした国とそうでない国を比べているがこれもそれほど単純ではない。地域によって政府の支援や法令遵守や人口密度、文化などが異なる。ロックダウンの有効性を推定する最良の方法は明確ではない。個々の対策-休校やステイホーム命令など-のどれが最も有効かを解きほぐすのはさらに困難である
一部の政府は多様な害を考慮しようとした。英国政府の助言委員会ではQALYsを使ってモデル化して議論をしていた。これで全ての害が考慮されるわけではない。
価値の判断
例えば高齢者の命を若い人より少ない価値に割り当てることでロックダウンのベネフィットは全ての命を等しくしたときより減る。この種のコストベネフィット計算は緊急時の意思決定にはふさわしくないだろう。あらゆるものをお金に換算して計算することは意思決定が客観的に行われたような印象を与えるかもしれないが、それは実際に行われた倫理的判断を隠す。政策決定者はコストベネフィットを推し量ることの議論については「科学的」答えがあると示唆するのではなく透明であるべきだ。
将来の脅威はCOVID-19とは全く異なる拡散のしかたをする可能性があり、もし次のパンデミックが小さい子どもに影響するインフルエンザウイルスによるものだったら倫理的選択は異なるものになる可能性がある。
(一部のみ。政策は科学だけで決まるものではない、ましてたった一つの分野の科学だけで決めるものではない。)
SMC UK
人工甘味料と心疾患の関連の可能性を示唆する研究への専門家の反応
expert reaction to study suggesting possible link between artificial sweeteners and heart disease
SEPTEMBER 7, 2022
The BMJに発表された研究が人工甘味料と心血管系疾患のリスクを調べた
Cambridge大学MRC疫学ユニットNita Forouhi教授
著者らはこの研究は介入研究ではなく観察研究であることを認め、よく知られている観察研究の限界を減らそうとしている。関連の大きさはほどほどで交絡は完全には排除できず、因果関係は確立されていない。この研究は公衆衛生政策を作るには決定的ではなくさらなる根拠が必要である。しかし無視すべきではない
英国栄養財団栄養科学者Helena Gibson-Moore
低カロリー甘味料の安全性と健康影響については矛盾するメッセージがあり、消費者は混乱するだろう。その理由は、しばしば総合的根拠に基づいてではなく個々の研究をもとにメッセージが出されるからである。保健当局が添加物の安全性を総合的にレビューして批判的に評価している。この研究は観察研究で、著者らが指摘している限界がある。
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
これは概して良い研究で、適切な統計手法を用いている。この種の研究としては人工甘味料の摂取量の測定は注意して行われている。たとえばよくある研究では研究開始時に一回だけ尋ねているがこの研究では繰り返し記録している。しかし観察研究なので原因を断定することはできない。参加者が多いので例え僅かな差でも統計的有意になる。食事の長期RCTが不可能なので甘味料の健康影響研究は他の観察研究や違うタイプの研究とあわせて考える必要があるだろう。
Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授
このトピックは研究の価値はあるがこの観察研究で答えは出せない。理由は甘味料を摂取する人と全く摂取しない人の間に大きな違いが多数あるためである。どんなに交絡を調整しようとしても残る可能性が極めて高い。事実を明らかにできるのはRCTだけである。さらにこの論文の書き方は根拠の弱さに比較してあまりにも強く因果関係を示唆している。
Aston大学医学部登録栄養士で上級教育助手Duane Mellor博士
Nutri-Net Santeコホートのこれまでの論文と違って、この論文では128343人の全体参加者の中から103388人をどう選択したのかを説明していない。つまり1/5程度を除外した理由が説明されていない。さらに今年3月に同じコホートでがんに関連すると報告したデータをこの解析では組み合わせておらず、全く同じ集団でのデータを複数の論文にサラミをスライスしたように報告するやりかたは公衆衛生政策にとって利用しやすくはない。甘味料の種類によって影響が一貫していないように見えるのは心血管系疾患の数が比較的少ないことの反映かもしれないし他の要因によるかもしれない。
(いずれも長いコメント一部のみ)