[EU]査察報告
-ハンガリー―査察のフォローアップ:査察DG(SANTE)2020-6989の助言に関する履行(又は実施)の評価
Hungary 2022-7480―Follow up audit - evaluate the implementation of actions regarding recommendations of audit DG(SANTE)2020-6989
08/09/2022
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4513
2022年1月18~19日に実施したハンガリーのフォローアップ査察の結果。2020年10月の動物(live animals)と動物製品の残留物と汚染物質の公的管理に関する査察の報告書における6つの助言の内4つの助言に対処するためにとられた是正措置の履行と有効性を評価したものである。2020年と比べて、残留物のモニタリング履行の不十分な点に対する対処に一定の進展が認められた。だが、国立リファレンス研究所(National Reference Laboratory)の分析手段の妥当性、研究所の適切な内部精度管理の履行、他の検査施設への外部委託や指定手続きに重大な問題が残り、ハンガリーにおける残留物管理システムの有効性を弱体化し続けている。今回、これらに対する2つの助言が含まれている。
-ドイツ―アグリフードチェーンにおける不正行為に関する実態調査
Germany 2021-7149―Fact-finding study on fraud along the agri-food chain in accordance with Regulation (EU) 2017/625
14/09/2022
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4511
2021年11月22日~12月3日に実施されたドイツのアグリフードチェーンにおける不正行為の実態調査の結果。ドイツ当局はアグリフードチェーンでの不正行為と戦う体制を整え、何年にもわたり複数の省庁で構成要素を構築してきた。この案件は、消費者保護に関する作業部会の技術会議でも話し合われる。BVLが食品偽装の全国窓口となって国内のモニタリング計画をまとめ、EUや国際レベルで実施される活動/プログラムを調整している。国立食品レファレンスセンター(the National Reference Center for Authentic Food)は、食品の信頼性に関する公的管理を履行し、食品の信頼性を構築するため専門知識の提供や手法の開発を支援している。輸入管理統計に基づく新たなリスクを特定するITツールをバイエルン州が開発し、現在、すべての州で試験的に使用されている。一部の州には食品偽装を専門とする検察官がいて効果的な刑事手続きを支えている。2017年の資産回収に関する法改正により、不正行為による経済的利益が制裁の対象として十分考慮されるようになった。
[EFSA]意見等
-EUの残留農薬の加工係数データベース、初の更新
First update of the EU database of processing factors for pesticide residues
EFSA Journal 2022;19(9):EN-7453 13 September 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7453
(外部科学報告書)
EUの残留農薬の加工係数データベースは2018年に設定され、今回初めて更新された。 1,301の加工試験結果がデータベースに加えられ、倍量以上に拡大した。これら試験はMRL設定手続きや農薬ピアレビューでEFSAに提出されたか、国や地域の認可手続きの枠組みでBfRに提出されたものである。全ての試験はEUデータベースにおいて既に適用されている十分に実証された一連の品質パラメータセットについて徹底的に(再)評価されている。加工係数が導出され、それらの信頼性を判断した。新たに報告された加工工程には、パーム油やパーム核油の生産、サトウキビからの砂糖生産、米からの日本酒生産など代表的な加工工程が記述されている。さらに、幾つかの調理済み野菜類や豆類などの新たな加工基質(matrices)が添付文書とともにデータベースに加えられた。
EUの残留農薬の加工係数のデータベース
https://doi.org/10.5281/zenodo.1488652
-ONE会議2022年―動画を視聴できます
ONE Conference 2022 - video recordings now available
12 September 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/news/one-conference-2022-video-recordings-now-available
6月にブリュッセルで開催されたONE会議の全ての科学会議がEFSAのYouTubeチャンネルで視聴可能になった。
会議のページ
https://www.one2022.eu/programme/all-sessions
サイドイベント
https://www.one2022.eu/side-events
-食品中の有機ヒ素に関する大規模な科学文献検索
Extensive literature search on organic arsenic in food
EFSA Journal 2022;19(9):EN-7565 14 September 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7565
(外部科学報告書)
このプロジェクトの全体的な目的は、有機ヒ素の2つのグループ(a)小さなメチル化種と(b)他の有機ヒ素種(糖類、脂質、炭水化物など)に関する情報収集のための関連科学文献の特定と選択だった。これらの物質のヒトの健康リスク評価のハザードの特定や特性評価の準備作業を支援するために、分析技術と定量化方法、供給源、食品中の存在量に関する情報や、ヒトの暴露と関連する観察された影響に関するデータ、ヒトのバイオモニタリングデータ、トキシコキネティクス、in vivo/in vitro毒性に主な焦点が置かれた。この目的は段階的なプロセスで行われ、最初にオーダーメードの検索戦略を開発した。この戦略には、まず、物質グループと関連する食品中の存在量対象、トキシコキネティクス情報、in vitro、in vivoやヒトで観察された毒性データを特定するためのカギとなる検索用語の特定が含まれている。第2に、オーダーメードの検索文字列での最も適した検索用語の組合わせを各データベースに適合させた。これらのオーダーメードの検索文字列は、3つのデータベースPubMed、Web of Science、Scopusから関連する全ての研究を検索するために使用された。
[ANSES]ヒスタミンとは何か?中毒を防ぐために何ができるか?
What is histamine and what can be done to prevent poisoning?
17/08/2022
https://www.anses.fr/en/content/what-histamine-and-what-can-be-done-prevent-poisoning
ヒスタミン中毒は魚の摂取に関連する食中毒の主な原因の1つである。だが、この中毒は、衛生規則、特にコールドチェーンを遵守することで避けられる。説明しましょう。
ヒスタミンとは何か?どこに存在するのか?
ヒスタミンはヒトや動物中で天然に合成生成される生物学的化合物である。全ての魚に存在し、通常は低レベルだが室温で増加する。魚の皮膚や内臓、海洋環境中の細菌によってアミノ酸のヒスチジンの分解から生成される。
汚染源は何か?
高濃度のヒスタミンのリスクは以下による:
魚が捕獲され、その後調理される時の細菌汚染リスク
販売前後の各保存段階での魚肉中の細菌の増殖リスク
どの食品が関係している?
魚の種類によっては他よりヒスチジンが豊富で、それによりヒスタミンがより多く生産される。主にマグロ、サバ、カツオ、大型の魚などである。イワシ、ニシン、カタクチイワシ、アジ、メカジキ、シイラなどの他種も関係している。
2012年から2021年の間にフランス中毒管理センターに記録されたヒスタミン中毒の85%はマグロの摂取によるもので、サバは7%、イワシは3%だった。
まれな例として、魚以外の食品がヒスタミン中毒の原因となる可能性があることに注意した方がよい。ラビオリ、ムサカ、ミックスサラダなどの混合食品や、エメンタルチーズなどである。
健康影響は?
ヒスタミン中毒はアレルギーと似ていて、以下の症状を引き起こす可能性がある:
・じんましん
・一過性の皮膚の発赤
・頭痛
・かゆみ
・頻脈
・吐き気
・嘔吐 など。
一般的に、最初の症状は食後30分で現れる。
まれに、ヒスタミン中毒で入院が必要な場合があるが、経過は通常良好である。
消費者はどのように暴露を制限できるか?
魚のヒスタミンの形成を促進する可能性のある細菌の増殖を避けるには、以下のように摂取前のコールドチェーンを維持することが不可欠である。
・できるだけ早く魚を冷蔵・冷凍する
・室温や日の当たるところに魚を放置しない
・冷凍した場合、素早く魚を解凍し、直ちに食べる
・解凍した魚は絶対に再冷凍しない。
ヒスタミンは調理・冷凍・缶詰で分解されない。
命を脅かす緊急事態(顔や喉の腫れ、呼吸困難、意識がないなど)の際は、すぐに(フランスでは)15か112番、聴覚障害者は114番に電話すること。
中毒の場合は中毒管理センターに電話するか、医師の診察を受けること。
必要であれば、ヒスタミンや微生物による汚染の分析やスクリーニングのために魚肉の残り物をとっておくこと。
詳細
Vigil'Ansesの記事「ヒスタミン中毒:魚を冷たく保とう!」を読む(フランス語)
https://vigilanses.anses.fr/sites/default/files/VigilAnsesN17_Juin2022_Histamine.pdf
「ヒスタミン」の食品由来生物学的危害データシートを読む
https://www.anses.fr/en/system/files/BIORISK2016SA0270FiEN.pdf
[FSAI]調理指示が誤っていたため、Dunnes Stores Free Range Irish Chickenをリコール
Recall of a Batch of Dunnes Stores Free Range Irish Chicken due to Incorrect Cooking Instructions
Wednesday, 14 September 2022
https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/dunnes_stores_free_range_chicken.html
アイルランド産Dunnes Stores Free Range Irish Chickenは製品重量表示が誤っており、調理指示が正しくないため、リコール。
[FSAI]コロナウイルス
COVID-19 (Coronavirus)
14/9/2022
https://www.fsai.ie/faq/coronavirus.html#reopening
コロナウイルスに関連するFAQについて情報更新。
[FDA]更新情報
-シーフード
Seafood
https://www.fda.gov/food/resources-you-food/seafood
シーフード関連毒素食中毒のアウトブレイク調査の表更新
How to Report Seafood-Related Toxin and Scombrotoxin Fish Poisoning Illnesses
最近の事例はシガテラとヒスタミンが多い
-業界向けガイダンス:輸入食品に関する質問と回答の事前届出(第4版)
Guidance for Industry: Prior Notice of Imported Food Questions and Answers (Edition 4)
09/13/2022
「Prior Notice of Imported Food Questions and Answers; Guidance for Industry(業界向けガイダンス:輸入食品の事前届出に関する質問と回答)」の第4版の案について。
[FDA]警告文書
-Countryside Feed LLC
AUGUST 18, 2022
動物用食品のCGMP、不純品の問題。羊の飼料サンプルから31.0 ppmの銅が検出された。
-Mahi Frozen Foods
AUGUST 15, 2022
食品のCGMP、水産品HACCP、不純品、衛生管理の問題。
-Vlazar Costa Caribe S.A.
AUGUST 15, 2022
食品のCGMP、水産品HACCP、不純品、衛生管理の問題。
-CR Grupo Comercial Alvacora S.A.
AUGUST 15, 2022
食品のCGMP、水産品HACCP、不純品、衛生管理、不正表示の問題。
-Chaur Fong Inc. dba 888 Food Company
JULY 29, 2022
食品のCGMP、水産品HACCP、不純品、衛生管理の問題。
[CFIA]魚のDNAを検査する
Putting fish DNA to the test
2022-08-30
魚などの食品偽装に対するカナダ食品検査庁(CFIA)の取り組みをビデオで紹介。
[HK]CFSは包装済み冷蔵/冷凍餃子と点心の栄養表示に関するターゲットサーベイランスの結果を発表する
CFS announces test results of targeted surveillance on nutrition labelling of prepackaged chilled/frozen dumplings and dim sum
Wednesday, September 14, 2022
https://mirai-ipf.miraitranslator.com/loggedin/translate_text.php
食品安全センター(CFS)は包装済み冷蔵/冷凍餃子と点心の栄養表示に関する、的を絞ったサーベイランス結果を発表した。検査した40のサンプルのうち、12のサンプルで砂糖、ナトリウム、飽和脂肪酸、総脂肪又は炭水化物の含有量が栄養表示と一致していなかった。
[HK]金属異物混入の疑いのあるフランスから輸入したヤギのチーズを消費しないよう注意をよびかける
Not to consume a kind of goat cheese imported from France suspected to be contaminated with metallic foreign bodies
2022-9-13
https://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/whatsnew_fa/2022_487.html
食品安全センター (CFS) はフランス産ヤギのチーズが金属異物混入の可能性があるとして注意をよびかける。
[SFA] Président Sainte Maure Cheese 200gは異物混入のためリコール
Recall of “Président Sainte Maure Cheese 200g” due to presence of foreign matter
14 September 2022
フランス産Président Sainte Maure Cheese 200g は異物混入のためリコール。
[SFA]水産動物保健サービス (AAHS) に関するファクトシート
Factsheet on aquatic animal health services (AAHS)
Sep 14, 2022
https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/sfa-media-factsheet-on-aahs.pdf
シンガポール食品庁(SFA)は、養殖場が病気を予防管理するためのバイオセキュリティーを強化するため、2023年初頭から水産動物衛生サービス(AAHS)を提供する予定である。
[SFA]水耕栽培:神話の根源に迫る
Hydroponics: Getting to the Root of the Myths
Published 15 Sep 2022 By Dr Mandar Godge
https://www.sfa.gov.sg/food-for-thought/article/detail/hydroponics-getting-to-the-root-of-the-myths
シンガポール食品庁(SFA)は水耕栽培に関する神話や誤解について説明する。
水耕栽培は土壌無しで植物を育てるハイテク農法で、シンガポールの食料安全保障を強化する可能性がある。シンガポールは現在食品の90%以上を輸入している。しかし気候変動や極端な天候、世界人口の増加などがますます世界の食品生産とサプライチェーンに影響を与えており、シンガポールの食品供給の脅威となっている。供給の攪乱の影響を緩和するために、シンガポールは輸入もとの多様化と国内農業の効率化を行ってきた。SFAは2030年までに持続可能に必要な栄養の30%を供給できるようにする「30 by 30」目標に着手した。シンガポールは土地や資源が限られるため、課題は資源効率の良い食料生産である。それには技術の利用が必須である。野菜については水耕栽培は選択肢の一つである。
水耕栽培の神話
#1-高価で難しい
#2-化学物質を使い有機ではない
#3-水耕栽培野菜は栄養が少ない
(説明略)
水耕栽培:やってみて、食べてみて。
[TGA]パラセタモール過剰使用の独立レビュー
Independent review of paracetamol overdose
14 September 2022
https://www.tga.gov.au/news/media-releases/independent-review-paracetamol-overdose
TGAは意図的パラセタモール過剰使用による重大な傷害や死亡の頻度を検討した独立専門家レビューを発表し、中毒基準の改正の可能性などを含む助言に広く意見を募集する
[BfR]コロナモニター
BfR-Corona-Monitor | 6–7 September 2022
https://www.bfr.bund.de/cm/349/220906-bfr-corona-monitor-en.pdf
(徐々に変化していく)
[ProMED]原因不明の死亡-ガンビア:子ども、パラセタモールシロップ疑い
Undiagnosed deaths - Gambia: children, paracetamol syrup susp
2022-09-11
https://promedmail.org/promed-post/?id=8705510
Date: Thu 8 Sep 2022 Source: Reuters [edited]
ガンビア政府はここ数ヶ月のうちにパラセタモールシロップと関連して数十人の小さい子どもが腎不全で死亡していることを調査している。5才未満の子どもの腎障害急増が検出されたのは7月後半で、患者が増えるに従って医師が薬の関与を疑い始めた。地元で販売されているパラセタモールシロップを取り始めて3-5日で腎障害になり始める。大腸菌も可能性がある。子どもたちの症状は、排尿困難、熱、嘔吐で、速やかに腎不全につながる。8月初めまでに28人が死んだ。死亡率は90%近い。
子どもたちの使用した薬の検体は検査のためセネガルとガーナの毒性ラボに送られた。結果は来週初めと予想されている
-原因不明の死亡-ガンビア(第2報):子ども、パラセタモールシロップ疑い、情報求む
Undiagnosed deaths - Gambia (02): children, paracetamol syrup susp, RFI
2022-09-12
https://promedmail.org/promed-post/?id=8705536
Date: Sun 11 Sep 2022 Source: International SOS, Medical Information & Analysis Team [edited]
ガンビア保健省がパラセタモールの使用停止を依頼している。彼らはパラセタモール錠剤を砕いて使うことを推奨している。
さらにこの状況に大腸菌が関与する可能性、シロップに汚染の可能性がある
-原因不明の死亡-ガンビア(第3報):子ども、パラセタモールシロップ疑い、可能性のある理由
Undiagnosed deaths - Gambia (03): children, paracetamol syrup susp, poss. Reason
2022-09-13
https://promedmail.org/promed-post/?id=8705552
Date: Sun 11 Sep 2022 Source: Stephen Page
プロピレングリコールがジエチレングリコールに代わっている可能性は考慮したか?
参考文献
[WHO]WHOは生命科学の利益を安全に開放するためのガイドを発表
WHO launches guide to safely unlock benefits of the life sciences
13 September 2022
本日WHOは生命科学の責任ある使用のための世界ガイダンス枠組みを発表した。この枠組みは主導者やその他関係者に、バイオリスクを緩和し、明確な利益があるものの誤用によるヒトや動物、農業、環境に害を与える可能性もある二重用途研究を安全に管理することを求める。
この枠組みは事故や意図的な誤使用予防に関する長期にわたる課題や負の影響を抑制しつつ革新を加速し拡大するためのガバナンスや監視について扱う。
リスク管理に役立てるために、大規模健康データの管理やデマや誤情報の予防についてもカバーした
Global guidance framework for the responsible use of the life sciences: mitigating biorisks and governing dual-use research
13 September 2022
https://www.who.int/publications/i/item/9789240056107
[WHO]WHOはLancet COVID-19委員会に反応する
WHO responds to The Lancet COVID-19 Commission
15 September 2022
https://www.who.int/news/item/15-09-2022-who-responds-to-the-lancet-covid-19-commission
Lancetの提言に、重要なことが無視され報告書の間違った解釈があると長文の反論
The Lancet COVID-19 Commission
Published: September 14, 2022
https://www.thelancet.com/commissions/covid19
[WHO]イベント
-栄養改善のための食品強化にデジタル技術を使う
Using Digital Technologies in Food Fortification for Improved Nutrition Outcomes
19 – 20 September 2022
-ウェビナー-蛇に噛まれて毒を注入されることの予防とコントロールのためのWHO戦略を実施する:進捗と計画
Webinar – Implementing the WHO Strategy for Prevention and Control of Snakebite Envenoming: Progress and plans
19 September 2022
[FAO]じゃがいもは木にならない
Potatoes don’t grow on trees
15/09/2022
https://www.fao.org/fao-stories/article/en/c/1604669/
FAOはガザ地区の食料安全保障強化のためにパレスチナの農家とフードヒーローを支援する
収穫した農作物の保管・保存設備がないことが最大の問題
(加工食品を悪者扱いする人たちは生鮮農産物が年中入手できる贅沢を前提としているので傲慢だと思う。保存・配送のためにインフラと技術が必要で、あなたが新鮮なリンゴを季節を問わず入手可能にするために使われているガスは「食品添加物」なわけ。農作物は一度にたくさん採れるので加工して保存する必要がある。)
論文
-食品中の合成化合物についての最初の英国研究
First UK study of synthetic chemicals found in food
14-SEP-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/964661
約400の食品の、難燃剤として使用されている有機リンエステル類(OPEs)を調べた。検出された量は健康にリスクとなる量より少なかったが、使用者は代用品を探し食品事業者はどこから汚染が入ったのかサプライチェーンを検討するきっかけになるだろう。
Science of the Total Environment
最もよく検出されたのはリン酸トリフェニル (TPHP) とリン酸 2-エチルヘキシルジフェニル (EHDPP)、濃度が高い食品は乳と乳製品、次いで穀物と穀物製品。
全体として英国の食品の汚染は他国で報告されているのと同程度。
-汚れた窓には有害汚染物質がある可能性
Grimy windows could be harbouring toxic pollutants
15-SEP-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/964843
汚い窓には、料理により排出された脂肪酸の保護膜の下に、有害汚染物質がある可能性
Environmental Science: Atmospheres
(強固なフィルムを作る前に掃除しろということだろうか)
-一連のイベントに基づく医療アウトカムの医師による確率推定の解析
Analysis of Physicians’ Probability Estimates of a Medical Outcome Based on a Sequence of Events
Hal R. Arkes et al., JAMA Netw Open. 2022;5(6):e2218804
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2793624
215人の医師を対象にした調査。医師は介入の成功確率を非論理的で数学的に正しくない推定をする(過剰推定に偏る)ことが示唆された。
SCIENCE VOLUME 377|ISSUE 6612|16 SEP 2022
表紙はバングラデシュの田んぼ
-ベンガルの「水マシン」
The “water machine” of Bengal
ADITI MUKHERJI pp. 1258-1259
ベネフィットを最大化するためにはデータを活用して政策の支援を受けた戦略的な帯水層の灌漑への使用が必要
ベンガル水マシン:バングラデシュの淡水保水定量
The Bengal Water Machine: Quantified freshwater capture in Bangladesh
MOHAMMAD SHAMSUDDUHA et al., pp. 1315-1319
-欧州のエネルギー危機が科学に打撃
Europe’s energy crisis hits science
JACKLIN KWAN pp.
スーパーコンピュータと加速器センターがガスと電気の値上げに苦労
Nature
-もっと魚を食べよう:シーフードへの変更が役に立つときと立たない時
Eat more fish: when switching to seafood helps — and when it doesn’t
13 September 2022 Jude Coleman
https://www.nature.com/articles/d41586-022-02928-w
調査は牛肉、豚肉、鶏肉より栄養があって地球に優しいいくつかの種を同定
サバのような小さな魚は栄養価が高く二酸化炭素排出量が少ない
Communications Earth & Environmentに9月8日に発表された研究が、養殖二枚貝(イガイ、アサリ、牡蠣など)と天然の小型漂洋性魚(アンチョビ、サバ、ニシンなど)が牛肉、豚肉、鶏肉より栄養があって温室効果ガス排出量が少ないと示唆
(環境負荷は牛肉が突出していてあとは誤差みたいなもの、という図あり)
-海の「ゴミの塊」はほんの数カ所由来の漁具が占める
Ocean ‘garbage patch’ is filled with fishing gear from just a few places
01 September 2022 Freda Kreier
https://www.nature.com/articles/d41586-022-02788-4
北太平洋のゴミの塊のプラスチックの大部分は漁船がなくしたあるいは捨てたもの
写真は日本語で「よつや」
Scientific Reportsに9月1日に発表された研究によると、海のゴミの塊の大きなプラスチック断片の最大86%が漁船由来。この知見は海洋プラスチックの大部分が川から海に流れたものだという直感に反する
最も多いのが日本35%、中国33%、韓国15%、以下米国台湾その他が数%
(もともとわかっていたはずで、日本が対策すべきはプラスチックストローやレジ袋などではなく漁業。漁業はとにかく問題山積。魚を食べようとか言ってる場合ではない。安全性だって意識が時代遅れで、貝殻や魚の骨のようなものが食べ物に混入しているのは当たり前なのだから怪我をしたくないなら消費者が気をつけるべき、と言う。)
その他
-SMC NZ
Covid-19保護枠組みの終わり-専門家の反応
The end of the Covid-19 Protection Framework – Expert Reaction
12 September 2022
政府はCovid-19保護枠組み、別名信号システムを破棄した。政府のワクチン義務とほとんどのマスク義務はなくなり、家庭内濃厚接触者は最早隔離を要求されない。その代わり家庭内濃厚接触者が公共の場所に行くときにはRAT検査が要求される
専門家のコメント略
(感染症専門家はCovid-19の危険性を訴えて警戒を呼びかける感じ?)
-ブラジルで、有毒原料が犬の死亡に関連
Toxic raw material linked to dog deaths in Brazil
By Joe Whitworth on September 10, 2022
https://www.foodsafetynews.com/2022/09/toxic-raw-material-linked-to-dog-deaths-in-brazil/
ブラジルで多数の犬死亡原因としてペットフードの原料が非難されている。
農業家畜供給省(Mapa)が動物の病気が報告された後、二つのバッチのプロピレングリコールの使用を停止した。プロピレングリコールはヒトと動物の食品に認められている添加物だが、調査の結果有毒なエチレングリコールの混入がわかった。なぜ混入していたのかは不明。
Mapaは先にサンパウロのBassar Indústria e Comércioの操業停止を命令している。
Bassarブランドのスナックを食べた9頭のイヌが死亡していて最大40頭の病気が調査されている
-疑似科学の売り方
How to Sell Pseudoscience
Melanie Trecek-King
From: Skeptical Inquirer Volume 46, No. 5 September/October 2022
https://skepticalinquirer.org/2022/08/how-to-sell-pseudoscience/
我々は面白い時代に生きている。人間の科学的知識は指数関数的に増加し、我々は昔より長くより健康に生きることができるようになった。技術の進歩により、ポケットに入れて運べる装置でほぼ全ての知識にアクセスできるようになった。
それなのに同時に、健康に関する疑似科学は花盛りである。ホメオパシーやレイキや飲尿療法まで、危険な可能性のあるデマがあらゆるところにある。そして残念ながら我々の多くは良い情報と悪い情報を区別する技術を持たない。
疑似科学から身を守るための最初のステップは、その性質を知ることである。彼らのやり方を見てみよう。
よくある疑似科学製品の宣伝を模した絵
「ドクターマジックの魔法の治療法」
売り方
1.関与させよ 無料お試しなどでとにかく使わせその行為が素晴らしいものだと思わせる
2.間違っていると証明するのが困難な宣伝をする
a.曖昧に
b.スピリチュアルにアピール
3.誇大宣伝を恐れるな
4.確信して全てを知っているふりをせよ
5.無意味な専門用語で混乱させる
6.データではなく物語を使え
7.重要な論理的誤謬を使う
a.ナチュラル
b.伝統的
c.みんなが使っている
d.藁人形論法
e.個人攻撃 科学者や企業を悪徳という
8.専門性の幻を作り上げる
a.ドクターや教祖を作り上げる
b.印象的な名前の団体や組織を作る
9. 批判を陰謀だと言って退ける
-EPAの最新PFAS対応にはより堅牢な科学が必要
Stronger science needed in EPA’s latest actions on PFAS
by Peggy Murray, Ph.D.
https://truthinscience.org/stronger-science-needed-in-epas-latest-actions-on-pfas/
EPAがPFOAとPFOSを公式に「有害物質」と指定することを提案した。この発表は驚きではない。PFAS問題はBiden政権の優先課題とされていて既にEPAは飲料水基準を設定する手続きを開始している。またEPAは飲料水中のPFOAとPFOSの安全摂取レベルを70pptからさらに低いPFOAで0.004 pptとPFOSで0.02 pptに引き下げている。
このことが多くの科学者を、どうやって州や地方自治体がそのような微量を検出できるのか不思議がらせた。1pptはオリンピック用水泳プールに1滴程度である。このような規則は執行不可能であることに加えて、我々はPFASのクリーンアップがより簡単で安価で効果的になる技術の進歩に関心がある。
PFAS化合物は我々に革新をもたらし日常生活の必需品になった。それら全てを幅広く禁止することは生活に劇的な影響があるため、異なる化合物の異なる暴露量でのヒト健康影響を決めるためにはさらなる研究が必要であると信じる。まだわからないことが多い。EPA自身も研究に投資すると言っている。EPAが我々の論文を考慮することを望む。
実験研究とin-silicoモデルを利用したPFASリスク評価枠組み
Framework for risk assessment of PFAS utilizing experimental studies and in-silico models
DeepikaDeepika et al.,
Environmental Research Volume 208, 15 May 2022