[EU]RASFF 2022(0911-0917)
警報通知(Alert Notifications)
ポーランド産有機全粒ライ麦パスタのオクラトキシンA、エチオピア産バジルのジチオカルバメート、タイ産乾燥及び粉末チリのクロルピリホス・トリアゾホス及びエチオン、中国産オランダ経由保存瓶からのノニルフェノールの溶出、少なめのシロップ入りマンダリンオレンジのスズ高含有、インドネシア産RBDパーム油のグリシドール、トルコ産イチゴ味コーティングマシュマロビスケットの3-MCPD及びグリシジルエステル類、アラブ首長国連邦産塩水入りブドウの葉のカルベンダジム、チリ産調理済みイガイのカドミウム、イスラエル産ローズマリーのビフェントリン・ブロモプロピレート・クロルフェナピル・クロルピリホス・クロロタロニル及びトリアジメノール、ケニア産アボカドのクロルピリホス、
注意喚起情報(information for attention)
トルコ産アプリコットカーネルのアフラトキシン、アルバニア産アンチョビフィレのヒスタミン、ペルー産グリーンアスパラガスのカドミウム、ベトナム産切り取り式高密度ポリエチレンブロックシートからの揮発性有機化合物の溶出、ベラルーシ産お菓子のトランス脂肪酸高含有、トルコ産メラミン製カップのホルムアルデヒドの溶出、スペイン産チルドマグロフィレのヒスタミン、ベトナム産エビの串焼きの未承認物質シプロフロキサシン、
通関拒否通知(Border Rejections)
インド産モリンガのアセフェート及びメタミドホス、米国産ピーナッツのアフラトキシンB1(複数あり)、中国産未承認新規食品(サトウキビ蝋)、英国産補助食品の未承認添加物(E171)、トルコ産生鮮ペッパーのアセタミプリド、中国産茶の未承認物質トルフェンピラド及びジノテフラン、北マケドニア共和国産生鮮プラムのクロルピリホス、台湾産紅茶のジノテフラン及びトルフェンピラド、ナイジェリア産ピーナッツのアフラトキシン、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン、中国産ポリアミド製台所用品セットの一級芳香族アミンの溶出、パキスタン産チャプリ・ケバブハーブ/スパイスミックスのアフラトキシン、ロシア産レンズ豆のイマゼタピル、英国産ラディッシュソースの添加物二酸化チタン(E171)、米国産アーモンドのアフラトキシン、フィリピン産ココナッツオイルのPAHs、
[EU]欧州健康共同体:がん検出の新しいEUアプローチ-より多くより良い検診
European Health Union: A new EU approach on cancer detection – screening more and screening better
20 September 2022
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_22_5562
本日、欧州対がん計画のもと、加盟国のがん検診受診増加を支援するために欧州委員会は新しいアプローチを提示した。提案された助言はがんの早期発見のためにより多くの標的集団とより多くのがんをカバーし検診数を増やす。
現在の助言は20年経ったため更新が必要である。乳がん、大腸がん、子宮頸がんの検診を2025年までに対象者の90%に提供することと、検診対象を前立腺がん、肺がん、胃がんに拡大する。より標的を絞った、侵襲性の少ないものにするため、助言では:
・乳がん検診の対象者を現在の50-69才を45-74才の女性に拡大
・HPV検査の推奨対象を、HPVワクチン接種状況を考慮した上で30-65才の女性を5年ごと、にする
・大腸がんのトリアージ検査は便免疫化学検査(潜血ではなく)で50-74才を対象にしフォローアップは大腸内視鏡
さらに
・肺がん検査は50-75才の現在ヘビースモーカー及びもと喫煙者に
・前立腺がん検査は70才までの男性にPSAとMRIで。
・胃がんの有病率と死亡率が高いところではピロリ菌と胃の前がん病変のサーベイランス
Questions and answers: A new EU approach to cancer screening
20 September 2022
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/qanda_22_5584
・肺がん検診の対象になる喫煙歴は30パック年(一日20本のタバコを30年吸うことに相当)
・これ以外のがんについては集団ベースの検診を支持する根拠は無い。複数のがんを一度に調べる血液検査を含む新たな技術はまだルーチン検査には使えない、ただし研究は早くEUは根拠があれば新たな方法の導入に備える必要がある。
(なおアメリカのがんムーンショットについての最近のニュースは
ファクトシート:Biden大統領はケネディ大統領の月探査ロケット打ち上げ計画スピーチの60周年に、がんムーンショットの進捗の詳細と新たなイニシアチブについて語る
FACT SHEET: President Biden Details Cancer Moonshot Progress and New Initiatives on 60th Anniversary of President Kennedy’s Moonshot Address
SEPTEMBER 12, 2022
オバマ政権の副大統領だった時にがんを終わらせると言って始めたがんムーンショット、大統領になったら目標が今後25年で50%削減と現実的になったのはスタッフの質が上がったからだろうか。でも革新的技術にいくら投資しても肥満対策が難題なので)
[FDA]乳児用調整乳対応のFDA評価
FDA Evaluation of Infant Formula Response
September 2022
https://www.fda.gov/media/161689/download
2022年5月22日、 Abbott社のSturgis工場での乳児用調整乳に関する調査に続き、Robert M. Califf FDA長官がSteven M. Solomon CVM部長(筆者)にこの状況の内部レビューを求めた。求められたのはこの乳児用調整乳の供給不足につながった状況の課題の同定とその知見に対応する助言である。
この報告書に記した知見と助言はFDAの職員や関係者に何十回ものインタビューをした結果である。
知見と助言
・FDAには現代的データシステムが必要である
時代遅れのシステムとシステム間の協調性の無さが迅速な関連情報の結びつけを困難にしている、いろいろな経路で入ってくるマル秘情報を含む苦情が適切に担当まで届けられない、検体の輸送が第三者輸送会社を介することで遅れFDAのラボが検体を分析する能力を迅速に拡大できない
・FDAは緊急対応能力を最適化する必要がある
緊急時の役割が明確でない、事故対応の訓練と経験が不足、COVID-19の発生で対面対応が遅れた、混乱を避けるための迅速な関係者関与メカニズムが必要
・FDAは食品人員を強化する必要がある
工場の調査は厳密に行ったものの、乳児用調整乳についての知識があまりなかった。FDAは食品供給の80%を対象にしているのに資金が十分でないために変わり拡大する業界に対応する人員を確保できていない。乳児用調整乳は乳児にとってたった一つの栄養源であるという性質は他の典型的な食品と比べて公衆衛生対応を難しくする。FDAは製品の汚染リスクと必須の製品が入手できなくなるリスクとを量る必要があった
・FDAの監視は業界のアカウンタビリティに集中する必要がある
企業の食品安全文化が十分でなかった。FDAや他の連邦機関はサプライチェーンの問題や必須の食品が不足することについて管理する権限も専門性もなかった
・FDAは関係者と科学的ギャップを埋め、より頑健な規制計画を構築するために協力する必要がある
クロノバクターは国に報告が必要な疾患ではなく、病気に関する知見の不十分さが対応の妨げになった、乳児用調整乳の法令はクロノバクターに関しては特になく、消費者の乳児用調整乳取り扱いに関する教育も不足していた
(一部のみ。FDAが粉ミルクがないと困る人がいることを理解していないというのは信じがたいけれど、WHO事務局長を出していた香港も同じ失敗をしているので母乳礼賛のせいだろうか?FDAの話だけれど日本の方にもっとあてはまるようなことがたくさん。とにかくリソース不足。問題がおこらないと解決しようとしないのだろう、公務員削減は生贄が必要なカルトのようだ。)
[WHO]専門家募集-WHO技術助言グループ-母乳代用品のデジタルマーケティング制限のための規制対策
Call for experts - WHO Technical Advisory Group – Regulatory Measures Aimed at Restricting the Digital Marketing of Breast-milk Substitutes
6 September 2022
2022年9月30日まで
論文
-フロリダ大学の研究者らが、柑橘類から新しい砂糖代用品を発見した、それは食品飲料業界を変える可能性がある
UF researchers find new sugar substitutes in citrus that could change food and beverage industry
20-SEP-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/965273
Journal of Agricultural and Food Chemistry
柑橘類から8つの甘味料あるいは甘味増強化合物を同定した。
そのうち一つは合成化合物としてしか知られていなかったoxime V
-米睡眠医学会は両親に対し、子どもにメラトニンを与える前に医師に相談するよう助言
American Academy of Sleep Medicine advises parents to seek medical advice before giving melatonin to children
20-SEP-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/965373
子どもや青少年のメラトニンの使用が増加し、CDCが小さい子どもの意図しないメラトニン摂取による中毒コントロールセンターへの相談が増加していると報告したことを受けて、米睡眠医学会は両親に対して子どもにメラトニンやその他サプリメントを与える前に医師に相談するよう薦める健康助言を発表した。
Health Advisory: Melatonin Use in Children and Adolescents
Adopted by the AASM Executive Committee on behalf of the Board of Directors: Sept. 9, 2022
-Natureエディトリアル
ファストファッションはどうやってその膨大な環境影響を減らせるか
How fast fashion can cut its staggering environmental impact
16 September 2022
https://www.nature.com/articles/d41586-022-02914-2
テキスタイル業界は循環経済を取り入れるために研究者からの入力を緩急に必要とする
(繊維製品由来が海のマイクロプラスチックの20-35%を占める、との記述もある。普通に考えて、海を漂ってから貝や魚経由で口に入るより、今着ている服や寝具・家具由来のものを吸ったり飲み込んだりする方が多いだろうと思わない?)
その他
-食物アレルギーの人々により大きな安全と健康を保証する
Ensuring Greater Safety and Health for People Living with Food Allergies
By Ignacio Garamendi September 19, 2022
食物アレルギーの安全性向上のために二つの鍵がある-より効果的食品表示とアレルギー反応の重症度と頻度を理解するためのリスク評価である。食品表示改善のためには、科学者はアレルゲンの量とアレルギー反応の関係を決め、主要食物アレルゲンの閾値を設定するリスク評価方法確立のために働いている。国境を越えた世界の主要食物アレルゲンの同定、優先順位決定、リストの標準化はアレルギーのある人がどこにいても守られるのに役立つだろう。
予防的アレルゲン表示(PAL、含むかもしれないといった表示)はほとんど何もわからず極端にひどいアレルギー反応への恐怖が大きかった時期に食物アレルゲンリスクを緩和するために開発された。このキャラクタリゼーションの欠如が複数のアレルギーのある人の食品選択肢をひどく制限した。食品生産者はPALをより正確で効果的で消費者にとって意味のあるものにすべきである
-EU農業大臣は農業部門を強化するために遺伝子技術の推進を繰り返す
EU agri ministers renew push on genetic techniques to bolster sector
By Natasha Foote | EURACTIV.com 2022年9月20日
新しいゲノム技術は、ますます増加する干ばつや気候変動に直面して農業部門に必要だと主張
-農家と産業界は肥料関税停止を巡って分かれる
Farmers, industry diverge over fertiliser tariff suspensions
By Julia Dahm 2022年9月9日
ロシアから欧州へのガスの流れの遮断は肥料輸入税に関する議論を再燃させたが、関税停止が全ての鉱物肥料を含めるかどうかで農家と産業界は分かれたまま
-農業コミッショナーは新しい全EU肥料戦略を支持
Agriculture Commissioner lends support for new EU-wide fertilisers strategy
2022年9月19日
域内生産力を上げてロシア依存を減らす必要がある
-SMC UK
お茶を飲むことと2型糖尿病リスク削減についての論文になっていない学会要旨への専門家の反応
expert reaction to an unpublished conference abstract on drinking tea and reduced risk of type 2 diabetes
SEPTEMBER 17, 2022
欧州糖尿病学会2022年 年次会合で発表された要旨がお茶を飲むことと2型糖尿病リスクについて調べた
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
この時期にはたくさんの学会が開催され、議論される研究知見は重要な可能性のあるものから疑わしいものまであるが学会発表の時点ではそれを区別することはできない。この新しい研究もそうである。
(以下長い解説略)
University College London医療統計学講師Baptiste Laurent博士
Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授
MRC臨床試験ユニット臨床試験と方法論教授Matt Sydes教授
Oxford大学医療統計センターJonathan Cook博士
Aston大学医学部登録栄養士で上級教育助手Duane Mellor博士
Queen’s大学Belfast栄養と予防医学部長で世界食料安全保障学際研究所長 Aedin Cassidy教授
いずれも学会要旨、これまでの観察研究のメタ解析で介入試験はない等を指摘している