2022-09-29

[HK]ニュースレター

Food Safety Focus

21 Sep 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/files/FSF194_2022_09_21.pdf

-シガテラ魚中毒

Ciguatera Fish Poisoning

21 Sep 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_194_01.html

2022年8月、魚を摂取してから約5時間後に腹痛、下痢、めまい、手足のしびれを発症したシガトキシン中毒疑いの事例について食品安全センター(CFS)に通知があった。原因となった魚は、Sabah Giant Grouper(タマカイ)10斤(約6 kg)であった。

シガテラ魚中毒とは?

シガテラ魚中毒(CFP)とは、有毒なシガトキシンを含む特定の魚介類(主にサンゴ礁の魚)を食べることで起こる病気である。シガトキシンは、20種類以上の同族体からなる毒素群で、梯子状の化学構造を有する。

シガトキシンの特徴

シガトキシンは脂溶性で熱に強く、無味無臭であり、加熱調理や冷凍に影響されない。主に魚の頭部、肝臓、腸及び卵に蓄積する。シガトキシンはサンゴ礁周辺海域に生息する渦鞭毛藻(Gambierdiscus属及びFukuyoa属)と呼ばれる藻類が起源である。サンゴ礁の魚はこの有毒な藻類を食べることで毒性を発揮する。一般に、高齢で大きい魚ほど、シガトキシンを多く含む。しかし、養殖魚を食べることによるCFPのリスクは、非常に低い。

シガテラ魚中毒の発症について

CFP は口の周りのしびれやピリピリ感、吐き気、嘔吐、下痢、めまいなど、100 以上の消化器系、神経系及び循環器系の症状を引き起こすと報告されている。急性症状は有毒な魚を食べてから30分から24時間後に現れる。ほとんどの症状は他の食中毒症状と似ているが、温冷感覚の逆転現象-冷たいものに触れると熱く感じる-がCFPの典型的な症状である。CFPに対する解毒剤や特別な治療法はない。CFPの既往歴、アルコール飲料、ナッツ類、種子製品の摂取は、CFPの症状を悪化させる可能性がある。数ヶ月から数年にわたり症状が続くこともある。又、特定の食品(例、アルコール、ナッツ、乳製品及び魚)の摂取、行動変化(例、激しい運動)、その他の要因(例、日光浴)が引き金となり、数年にわたり時々、症状が再発することがある。

気候変動はCFPにどのような影響を与えるのか?

CFP は南太平洋、インド洋及びカリブ海地域のサンゴ礁周辺を中心に、北緯 35 度から南緯 35 度にかけての地域で見られる風土病である。しかし、水産物貿易の国際化により輸入魚に由来するものが報告されている。地球温暖化により水温が上昇し、有毒藻類の増殖や拡大に影響を与える可能性がある。水域によっては有毒藻類が生育するには水温が高くなりすぎる可能性もある。海面上昇や降水量の増加など、その他の地球温暖化の影響も、有毒藻類の分布や存在量を変化させる可能性がある。

シガトキシンの安全レベル

食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)はシガトキシンの毒性を評価したが、利用可能なデータに基づいて健康影響に基づく指標値(急性及び慢性)を設定することができなかった。海外の食品安全機関の中には、CFP の症状を引き起こす可能性が低いとして、CTX1Bの最大濃度を魚肉 1 kg あたり 0.01 μgと提示しているところもある 。

消費者への助言

サンゴ礁の、特に、大きい魚、又、頭、皮、内臓(肝臓、腸、卵巣)、卵は避けること。

サンゴ礁の魚を食べる際、アルコール飲料、ナッツ類、豆類を避けること。

CFP の症状が現れた場合は、直ちに医師の診察を受けること。

業界への助言

不明又は疑わしい供給の魚の購入は避け、シガトキシン汚染の危険性がある魚を調達しないこと。

 

-リスク評価からどのように食品リスクを知ることができるか?

How Can Risk Assessment Inform Us of a Food Risk?

21 Sep 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_194_02.html

調査で食品から特定の化学物質が検出され、その化学物質ががんを引き起こす可能性があると報告されることがある。このような報告は、一部の人を不安にさせ、食品の購入の判断や意欲に影響を与えることがある。食品を適切に選択するためには、食品から特定の物質が検出されることと、その物質がもたらすリスクとの関係を理解する必要がある。

ハザードとリスクの違い

ハザードとリスクは大まかに同じとみなされることがあるが、実際には関連性はあっても異なる。ハザードとは、ある物質や状況が持つ、好ましくない影響をもたらす固有の能力のことで、リスクとは、否定的な結果が発生する可能性であり、その確率である。例えば、日常生活では、走行中の車はハザードである。家にいるときは、走行中の車に轢かれるリスクは無視できるか、ゼロに近い。歩道橋や地下鉄、横断歩道などの適切な場所で道路を渡れば、車に轢かれる危険性は低いが、交通ルールを無視したり、斜め横断したりすると、その危険性は高くなる。

食品安全において、ハザードとは、食品中に存在し、消費者に望ましくない健康状態を引き起こす能力又は可能性を持つ生物学的(例:疾患を引き起こす微生物)、化学的(例:重金属)あるいは物理的(例:金属片)な物質のことである。一次生産、収穫、加工、包装、保管、調理、提供とフードチェーンのどの段階でも食品中に混入する可能性がある。

ハザードを持つすべての食品は、許容できない食品安全上のリスクを意味するのか?

必ずしもそうではない。リスクはハザードの存在を意味するが、その食品が消費される可能性、個人又は集団全体による摂取量、特定のハザードへの暴露により生じる健康影響の重大性などが考慮されるべきである。食品安全上のリスクを評価するためには、食品に含まれるリスクと、それが健康にどのような影響を及ぼすかについて理解する必要がある。

例えば、水銀は重金属の一種で、天然及び人為的な発生源から環境中に豊富に存在する。主に食物連鎖の中で、特に魚の中に有機物であるメチル水銀として蓄積される。メチル水銀は、過剰に摂取した場合、ヒトの発達神経系発達に有害影響を及ぼす可能性がある。

サーモンを食べるとメチル水銀による有害影響が出やすいかどうかを判断するために、リスク評価者は、検出されたメチル水銀濃度と食べたサーモンの量に基づいて、サーモンから摂取されると思われるメチル水銀の量を、健康影響に基づく指標値(HBGV)と比較する。HBGVは、あるヒトが健康をに重大なリスクにさらすされることなく長期間にわたって食べることができる物質の量である。FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)などの国際機関は、HBGVを安全な摂取推奨量として、リスクの判断に利用する。

食品安全センター(CFS)が過去に実施した調査では、体重60 kgの人の場合、サーモンを食べることによるメチル水銀への暴露量は、妊婦のHBGVの9.8%、一般人の4.4%を占めるにすぎなかった。よって、サーモン摂取によるメチル水銀の有害影響のリスクは低く、許容範囲であると考えられる。

ゼロリスクは存在しない

食べる限り、リスクを減らすことはできても、食品安全における「ゼロリスク」はおそらく達成できない。ある物質が食品中に存在することと健康被害を引き起こすことは必ずしも一致しないため同じではないので、リスク評価の結果を用いて、食品中の特定の物質の影響を科学的によりよく理解すべきである。

 

-生牡蠣に内在するリスクに注意

 

-船旅と食品の安全性

 

[HK]法令違反

-包装済み朝食シリアルサンプルから基準値超過の酸化防止剤を検出

Antioxidant exceeds legal limit in prepackaged breakfast cereals sample

Thursday, September 22, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220922_9794.html

カナダ産包装済みビスケットシリアルのサンプルから、基準値100 ppmを超える500 ppmのブチル化ヒドロキシトルエンが検出された。

 

-食品安全センターはナマズのサンプルにマラカイトグリーンを検出する

CFS finds malachite green in catfish sample

Thursday, September 22, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220922_9795.html

食品安全センター(CFS)は、定期食品調査にてナマズのサンプルに1.16 ppbのマラカイトグリーンを検出したと発表した。香港ではマラカイトグリーンを含む食品の販売は認められていない。

 

[EU]査察報告

-スペイン―動物と動物製品の残留物と汚染物質

Spain 2022-7483―Residues and contaminants in live animals and animal products

23/09/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4517

2022年4月28日~5月6日まで実施した、動物(live animals)と動物製品、特に家禽、飼育猟獣、水産養殖中の動物用医薬品の残留物、農薬、汚染物質の監視を評価するための査察結果。スペインの残留物モニタリングの計画と実施は、飼育猟獣と水産養殖以外は、ほぼEU要件に合致している。確認された欠点を修正し、実施されている規制措置を強化するための助言が2件含まれている。

 

-ルーマニア―動物と動物製品の残留物と汚染物質

Romania 2022-7482―Residues and contaminants in live animals and animal products

23/09/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4518

2022年3月4~22日に実施された、ヒトと動物への直接または環境を通したリスクを防止、除去あるいは許容できるレベルまで減らすという観点から、動物(live animals)及び動物製品の動物用医薬品残留物、農薬、汚染物質の監視を評価したルーマニアの査察結果。ルーマニアにおける残留物モニタリングの計画と実施は、概ね効果的である。確認された欠点を修正し、実施されている規制措置を強化するための助言が1件含まれている。

 

[EFSA]意見等

グレープフルーツのピリダベンのインポートトレランス設定

Setting of an import tolerance for pyridaben in grapefruits

EFSA Journal 2022;20(9):7553  26 September 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7553

(理由付き意見)

オランダ当局が米国産のグレープフルーツについて残留基準値(MRL)0.5mg/kgを設定した。

 

-EFSAの機密性評価及び機密性を下げる編集

EFSA confidentiality assessment & sanitisation

27 September 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/infographics/efsa-confidentiality-assessment-sanitisation

(インフォグラフィック)

EFSAの機密性評価及び機密性を下げる編集手続きの段階

2021年3月27日以降適用されている規則(EU) 2019/1381(「透明性規則」)により、フードチェーンのリスク評価工程における透明性の原則が強化されている。規制改革の中で、正当な機密データ以外のEFSAが発表した科学的意見の要件を裏付ける全ての情報の積極的な開示が定められている。

このインフォグラフィックでは、機密保持の意思決定や内容の機密性を下げる編集の主な手続きの段階を説明する。

第1段階

申請者

機密保持請求の提出

[任意] EFSAは申請者に説明請求を送る。

第2段階

EFSA

決定案の通知

[任意] 申請者はコメントする。

第3段階

EFSA

最終決定の通知

[任意] 申請者は確認申請を送る。

確認申請が提出されると、EFSAは関連する確認決定の実施を保留する。EFSAが確認申請を決定すると、EUの一般裁判所に異議申し立てができる。あるいは、決定に関する不満は欧州オンブズマンに申し立てできる。

第4段階

EFSA 及び申請者

内容の機密性を下げる編集/ 実行

最終的な機密保持の決定に従って、個人情報を含む科学的データ、試験、他の情報のマスキングまたはマスキング解除する工程。

第5段階

EFSA

新たに機密性を下げて編集されたバージョンの公開

 

EFSAは科学的意見でヒトの健康、動物の健康、環境に予測できる影響が特定された場合にこの決定を見直すことができる。

参照

Confidentiality and sanitisation

https://www.efsa.europa.eu/en/applications/confidentiality-sanitisation

 

[FSA]2022年9月のFSA理事会

September 2022 FSA Board meeting

26 September 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/september-2022-fsa-board-meeting

2022年9月のFSA理事会の議題は、遺伝子工学(精密育種)法案、ビジネスコンプライアンスプログラムの実現、Public Analyst Official Laboratory System:レジリエントシステム構築への取り組み、食品過敏症プログラム等に関してである。

 

[FSAI]Primark社製子ども用プレートの鉛及びホルムアルデヒドの移行可能性によるリコール

Recall of Certain Primark Children’s Plates due to the Possible Migration of Lead and Formaldehyde

Thursday, 22 September 2022

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/primark_plates.htm

Primark社の子ども用プレートから化学物質(鉛とホルムアルデヒド)が食品に移行する可能性があるため追加でリコール。製品写真あり。

 

[FDA]プレスリリース等

-乳児用調製乳の供給を増やすための製造業者への執行裁量

Enforcement Discretion to Manufacturers to Increase Infant Formula Supplies

September 21, 2022

https://www.fda.gov/food/infant-formula-guidance-documents-regulatory-information/enforcement-discretion-manufacturers-increase-infant-formula-supplies

 FDAは、FDAの一時的な執行裁量政策の下で、調製乳の輸入、販売、及び/又は流通を行う企業が、2022年11月以降も米国市場に留まるための道筋を提供することに取り組んでおり、さらなるガイダンスを発行する予定である。

 

-FDAは食品包装材における特定のフタル酸エステル類の使用を制限し、最新の食品接触用途及び安全性データに関する情報提供を求める文書を発行する

FDA Limits the Use of Certain Phthalates in Food Packaging and Issues Request for Information About Current Food Contact Uses and Safety Data

September 26, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-limits-use-certain-phthalates-food-packaging-and-issues-request-information-about-current-food

 情報更新。FDA は、食品接触用途での可塑剤としての使用が許可されている残りのフタル酸エステルについて、利用可能な使用方法と安全性情報を求める情報に関する意見募集を再開した。新たな意見提出期限は2022年12月27日となっている。

 

[ヘルスカナダ]過剰使用危機についての精神衛生依存大臣と保健副大臣からの声明

Statement from the Minister of Mental Health and Addictions and Associate Minister of Health on the Overdose Crisis

September 28, 2022  

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2022/09/statement-from-the-minister-of-mental-health-and-addictions-and-associate-minister-of-health-on-the-overdose-crisis.html

本日発表されたオピオイドと覚醒剤関連害についての全国データは、薬物過剰使用危機がいかに深刻で悲劇的であるか、そして有害な違法薬物の供給がますます多くのカナダ中の家族や地域を破壊し続けているかを描き出す。

死者、入院者あるいは救急サービスを必要とした人の数は高いままで我々はこの複雑な公衆衛生危機に対応するためにできることは全てやり続けなければならない

以下略

最新データ

Opioid- and Stimulant-related Harms in Canada Published:(September 2022)

https://health-infobase.canada.ca/substance-related-harms/opioids-stimulants/

(パンデミックのせいで大麻合法化の影響が評価できないけれどあまり良い影響はなさそう。)

 

[ヘルスカナダ] 修正通知

-Trichoderma reesei RF6199由来ペクチンリアーゼの各種食品への使用を可能とする食品酵素リストの修正通知

Notice of Modification to the List of Permitted Food Enzymes to Enable the Use of Pectin Lyase from Trichoderma reesei RF6199 in Various Foods

2022-09-23

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/notice-modification-list-permitted-food-enzymes-enable-use-pectin-lyase-trichoderma-reesei-various-foods.html

ヘルスカナダの食品局はTrichoderma reesei RF6199 由来のペクチンリアーゼを様々な食品の使用の承認を求める食品添加物申請の市販前安全性評価を完了した。2022年9月23日より、食品酵素許可リストが変更された。

 

-リンゴ酸の蜂蜜酒への使用拡大に伴うpH調整剤、酸性剤及び保湿剤の許可リストの修正通知

Notice of Modification to the List of Permitted pH Adjusting Agents, Acid-Reacting Materials and Water Correcting Agents to Extend the Use of Malic Acid to Honey Wine

2022-09-23

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/notice-modification-list-permitted-ph-adjusting-agents-malic-acid-honey-wine.html

ヘルスカナダの食品局は果実を加えた蜂蜜酒やミードを含む蜂蜜酒へのリンゴ酸の使用の承認を求める食品添加物申請の市販前安全性評価を完了した。2022年9月23日より、pH調整剤、酸性剤及び保湿剤の許可リストが変更された。

 

[ヘルスカナダ]リコール

- Dykstra GreenhousesはDarkest Side of the Moon 2.5 gとして販売した乾燥大麻プレロールを一部リコールする

Dykstra Greenhouses recalls one lot of Darkest Side of the Moon 2.5 g Pre-Rolled Joints Dried Cannabis

2022-09-23

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/dykstra-greenhouses-recalls-one-lot-darkest-side-moon-25g-pre-rolled-joints-dried

 

[TGA]Best Body Industries Pty Ltdがスポーツサプリメントの違法な広告をしたとして約13万ドルの罰金を科す

Best Body Industries Pty Ltd and an executive officer fined almost $130,000 for alleged unlawful advertising of sports supplements

27 September 2022

https://www.tga.gov.au/news/media-releases/best-body-industries-pty-ltd-and-executive-officer-fined-almost-130000-alleged-unlawful-advertising-sports-supplements

 オーストラリアTGAはBest Body Industries Pty Ltdがウェブサイトで未承認のスポーツサプリメント製品を広告した疑いで、同社に対して8件の侵害通知(総額106,560ドル)、同社の執行役員に対して8件の通知(総額21,312ドル)を発出した。

 

[TGA]MDNE Enterprisesとその役員に罰金とニコチン電子タバコ製品の違法な広告の中止を指示する

MDNE Enterprises and an executive officer fined and directed to cease alleged unlawful advertising of nicotine vaping products

27 September 2022

https://www.tga.gov.au/news/media-releases/mdne-enterprises-and-executive-officer-fined-and-directed-cease-alleged-unlawful-advertising-nicotine-vaping-products

 オーストラリアTGAはMDNE Enterprises Pty Ltdとその役員に対し、オーストラリア国民に対するニコチン電子タバコ製品の使用と供給の促進を停止するよう指示し、違法な広告の疑いにより、侵害通知を発出した。

 

[SFA]通知

-食品(改正第二号)規則2022

FOOD (AMENDMENT NO. 2) REGULATIONS 2022

26 September 2022

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/circular-on-food-(amendment-no-2)-regulations-2022_standards-of-identity-(26-sep-2022)9f8e8f13f4914dd09915ee71e0b52a20.pdf

食品(改正第二号)規則2022が2022年10月3日に施行される。改正に同定基準の削除があるが、食品安全を損なうものではない。

 

[SFA]Forum Replies

‐健康リスク・正しく使用すれば安全なプラスチック製食品包装

Health risk・Plastic food packing safe when used correctly

24 September 2022

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/sfa_forumreply_24sep22.pdf

SFAのプラスチック製食品包装に関する回答。

 

‐健康リスク・使い捨てのプラスチック製食品容器は避けるのがよい

Health risk・Best to avoid single-use plastic food containers

16 September 2022

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/sfa_forumreply_24sep22.pdf

SFAの使い捨てプラスチック製食品容器に関する見解。

(環境のため)

 

[RIVM]新たな技術開発により仕事中の電磁場への注意は必要なまま

Attention to electromagnetic fields at work remains necessary due to technological developments

09/26/2022

https://www.rivm.nl/en/news/attention-to-electromagnetic-fields-at-work-remains-necessary-due-to-technological

電磁場への労働者の暴露源:新たな展開

Sources of worker exposure to electromagnetic fields: new developments

2022-09-26

https://www.rivm.nl/publicaties/bronnen-van-blootstelling-van-werknemers-aan-elektromagnetische-velden

労働者は仕事で電磁場に暴露される可能性があり、その強度は時に一般人より多い。労働者を守るため約10年前に政府は規制値を設定し、暴露リスクを評価する必要のある労働環境を概観した。近年相当な技術の進歩があり労働環境が変わっている可能性がある。RIVMはそこで進展を分析した。新たな暴露源として5G, RFIDのような無線通信、エネルギー産生と輸送、溶接、電気自動車のような輸送、及び医学あるいは科学機器が同定された。規制値を超えている可能性があるのは金属産業の電磁パルス溶接、大型の乗り物のワイヤレス充電、電磁場の関与する美容処置など。

 

[RIVM]COVID-19の秋の波が始まっているだろう:予防接種と検査が重要

Autumn wave of COVID-19 may be starting: vaccination and testing are key

09/27/2022

https://www.rivm.nl/en/news/autumn-wave-of-COVID-19-may-be-starting-vaccination-and-testing-are-key

オランダのSARS-CoV-2感染が過去数種感増加していて入院患者も増えている。ICU入院はまだ低い。予想されていた秋の増加が始まった可能性がある。急増を抑えるには予防接種と検査が極めて重要である。

 

[CDC]成人の肥満率の高い州の数が二倍以上になった

Number of States with High Rates of Adult Obesity More Than Doubles

September 27, 2022

https://www.cdc.gov/media/releases/2022/p0927-states-obesity.html

広範な国の肥満格差に緊急対策が必要

CDCのデータによると、19の州と2つの地域が成人の肥満率35%以上で、2018年から2倍以上になった。

2019-2021年のデータを組み合わせると肥満率35%を超える州の数は人種によって大きく異なる。

・アメリカ先住民とアラスカ先住民:31州

・アジア系成人: 0州

・黒人成人: 36州とコロンビア特別区

・ヒスパニック成人 :27州とグアム

・白人成人:10州

Adult Obesity Maps

https://www.cdc.gov/obesity/data/prevalence-maps.html

 

[ProMED]イヌサフラン毒性-日本:(北海道)

AUTUMN CROCUS (COLCHICUM) TOXICITY - JAPAN: (HOKKAIDO)

2022-09-28

https://promedmail.org/promed-post/?id=8705814

Date: Sat 24 Sep 2022 Source: Sankei News [in Japanese, machine trans., edited]

(毒草イヌサフラン食べ死亡 北海道・旭川

https://www.sankei.com/article/20220923-MHVOQG3JE5N3LDU4YPKHJBBAMQ/)

 

[APHA]グレートブリテンの動物と飼料中サルモネラ

Salmonella in animals and feed in Great Britain 2021

September 2022

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1105650/salmonella-animals-feed-gb-2021.pdf

(微生物だが注目ポイントはペットの犬に生肉ベースのペットフードを食べさせることが流行しているせいでペットフードからのサルモネラ検出が過去最高になっていること

「加工は悪、生(自然)がいい」といった考えが世界中でリスクを増やしている)

 

[USDA]飢餓・栄養・健康についてのホワイトハウス会議:私にとっての意味

The White House Conference on Hunger, Nutrition, and Health: What it Means to Me

Posted by Dr. Sara Bleich, Sep 28, 2022

https://www.usda.gov/media/blog/2022/09/28/white-house-conference-hunger-nutrition-and-health-what-it-means-me

50年以上の時を経て歴史的な二回目の飢餓・栄養・健康についてのホワイトハウス会議が開始されたのはエキサイティングだった。私が子どもの頃に恩恵を受けたSNAP、 WIC、学校給食は全て第一回会議の成果だった。現在私たちが目指しているのは2030年までに飢餓を無くし食事関連疾患と不平等を減らすことである。私はあなたにも参加して欲しい。

(会議でのDr. Sara Bleichの発表の動画)

 

[DWI]「飲料水中PFAS濃度決定方法」研究報告書発表

Publication of research report “Method for the  Determination of Concentrations of Perfluoroalkyl Substances (PFAS) in Drinking Water”

27 September 2022

https://www.dwi.gov.uk/publication-of-research-report-method-for-the-determination-of-concentrations-of-perfluoroalkyl-substances-pfas-in-drinking-water/

DWIは飲料水の検査のための20種のPFASの完全定量分析法を2020年に研究開始し、その方法を発表した。このプロジェクトで選択した極めて高感度の分析法開発は困難であった。選択された最小スパイクは個々のPFASの欧州基準の0.5%の0.5ng/Lであった。そのため短鎖PFASについては分析に関する常設委員会の要求する水準に達したが長鎖PFASについては次善でありさらなる方法の開発が検討される。

Method for the Determination of Concentrations of Perfluoroalkyl Substances (PFAS) in Drinking Water.

https://www.dwi.gov.uk/research/completed-research/analysis/method-for-the-determination-of-concentrations-of-perfluoroalkyl-substances-pfas-in-drinking-water/

基本的には飲料水の固相抽出後HPLC-MS

定量限界は0.011 ng/L ~ 0.3 ng/L

 

[DWI]「有機リン難燃剤-イングランドとウェールズの飲料水のリスク」研究報告書発表

Publication of research report “Organophosphorus Flame Retardants – Risk to Drinking Water in England and Wales”

https://www.dwi.gov.uk/opfr/

有機リン難燃剤が飲料水の水源にあるかどうかについて文献レビューとギャップ分析を委託した。データの足りないところと根拠の不足を補うために必要な仕事を同定した。

Organophosphorus Flame Retardants – Risk to Drinking Water in England and Wales

26 September 2022

https://www.dwi.gov.uk/research/completed-research/risk-assessment-chemical/organophosphorus-flame-retardants-risk-to-drinking-water-in-england-and-wales/

有機リン難燃剤(OPFRs)は環境や生体中に広範に検出されていること、いくつかのヒト健康への有害影響が示されていることからDefraとDWIがこの研究を委託した。

OPFRsの生産量

公開されている情報は限られる。ECHAデータベースを介したREACH登録データからは一部のOPFRsが高生産量化合物であることが示されている。TCEPとTCIPPはかつて高生産量だったが今は制限されている。

難燃剤添加物としてのOPFRsは使用される物質に化学結合しているわけではなく、使われている間に徐々に放出される。環境放出経路は消費者製品の環境中への直接廃棄や埋め立てからの溶出、電子機器廃棄物のリサイクル中に大気中に放出されて沈着するなど。

水や環境中の存在

モニタリングデータは限られている

水処理工程での除去

飲料水中OPFRsデータは極めて少ない。一部のOPFRsは水処理で除去されるデータがあるがデータのないものが半分(23物質中13)

暴露ランキング

もっともありそうな化合物はTEP, TCEPおよびTDCPP 、次いでV6 と TMP

 

[WHO]ウェビナーシリーズ:乳児用調整乳産業の問題

Webinar series: the problem with the formula milk industry

29 September 2022

https://www.who.int/news-room/events/detail/2022/09/29/default-calendar/webinar-series-2-the-problem-with-the-formula-milk-industry

WHOとBMJ、PMNCH、 CAP2030共催

医療従事者へのミルク業界の接触に関して。

(赤ちゃん用ミルクをこの世から消し去りたいようだ。完母でも母親に何かあったときのためにミルクの予備くらい持つのは当然だと思うけど、それも否定する人たち。)

 

論文

-気候には過激な行動が必要。つまり我々の科学のやりかたを変える

Radical action is needed for the climate. This means transforming the way we do science

27-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/966177

徐々に変えることでは気候危機の速度を遅くしなかった。

THE ALLIANCE OF BIOVERSITY INTERNATIONAL AND THE INTERNATIONAL CENTER FOR TROPICAL AGRICULTUREがEnvironmental Research: Climateに発表した展望

 

-ヨーク大学の減量研究は、もし最初に失敗しても、何度もやってみることを示す

York U weight-loss study shows if at first you don't succeed, try, try again

27-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/966179

繰り返し体重が元に戻ることは失敗ではなく通常のこととみなすべき

Obesity

 

-医療用大麻を多く処方することがオピオイド危機の解決法か?

Could greater prescription of medical cannabis be a solution to the opioid crisis?

27-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/965729

Substance Use and Misuseに発表された米国の研究。医療用大麻の使用者へのアンケート。

 

-あなたの医療用移植片や食品包装がいつの日かCBD製になるかも

Your medical implant or food wrapper could someday be made of CBD

28-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/966159

麻栽培の合法化によりCBDを含む製品が増えている。ACS Applied Materials & Interfacesに発表された新しい研究はCBDがバイオプラスチックに使える可能性を示唆している。

 

-研究者が青少年の睡眠に関してよくある親や保護者の神話に反論

Researchers refute common sleep myths about adolescents held by parents and caregivers

28-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/966265

Sleep Healthに発表。

・週末の夜更かしと寝坊は問題ない→社会的時差ぼけとして知られるこの現象は睡眠習慣に悪影響を与え睡眠不足を解消しない

・学校の始業時間が遅ければもっと遅くまで起きていられる→研究によると朝起きる時間が遅くなるが寝る時間にはあまり影響しない

・メラトニンサプリメントは安全でナチュラル→医師の指導なしに品質の不明なサプリメントを使用することには懸念がある

 

-科学者が肥満を神経発達疾患と提案

Scientists propose that obesity is a neurodevelopmental disorder

28-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/965474

Baylor 医科大学の研究者らがScience Advancesに提案

食事と運動治療の研究が何十年も行われているのに多くの人が体重管理に苦労し続けている。肥満リスクを決める主要因は人生の初期の脳の発達の重要な時期のエピジェネティックな分子メカニズムであると提唱。DNAメチル化の研究

 

-何故ホメオパシーは疑似科学なのか

Why homoeopathy is pseudoscience

Nikil Mukerji & Edzard Ernst

Synthese volume 200, Article number: 394 (2022)

https://link.springer.com/article/10.1007/s11229-022-03882-w

ホメオパシーは一般に疑似科学と認識されている。しかしながらこの見解を確立する系統的議論はこれまでなかった。この論文では我々はこのギャップを埋めようとする。我々はホメオパシーの性質を説明し、疑似科学の概念を議論し、何故ホメオパシーが疑似科学なのかを示す文献例を提供する。我々の主張には概念的部分と実地経験的部分が含まれる

オープンアクセス

 

-Natureワールドビュー

トランスジェンダー政策を決めるには、根拠を見よ

To set transgender policy, look to the evidence

Paisley Currah  27 September 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-03036-5

トランスジェンダーの人々を巡る政策についての議論は文化戦争に巻き込まれている。政治家ではなくデータと科学に法律を導かせよ。

(トランス女性のスポーツ競技での優位に、女子種目へのトランス女性参加禁止で対応していることなどを巡って。「科学」のほうもバイアスがあるのでどうだろう)

 

-Nature研究ハイライト

ウクライナの戦争による食料危機は荒野を耕作地にする可能性がある

Food crisis driven by Ukraine war could put wild lands to the plough

19 September 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-02991-3

Nature Foodに発表されたモデル研究によると、食料価格の上昇で各国が森や草地を農地に変えて対応する可能性がある。それは生態系気候に悪影響がある。

 

その他

-スポーツ科学への懐疑者のガイド 

懐疑者が知っておくべき10の健康とウェルネスの誤謬

The Skeptic’s Guide to Sports Science

Ten Health and Wellness Fallacies Every Skeptic Should Know

Nick Tiller

September 23, 2022

https://skepticalinquirer.org/exclusive/ten-health-and-wellness-fallacies-every-skeptic-should-know/

私の最近の健康とウェルネスへの懐疑についての仕事を一言でまとめるとすれば、「マーケティング企業は我々のバイアスを我々自身よりよく知っている」だろう。客観的事実をみつけしっかりした判断をするにはそれが基本的教訓である。

カール・セーガンの論理的誤謬20のリストを、健康とウェルネスのマーケティングでよく使われる10にまとめた

1.人気がある、みんなが使っている

2.科学っぽい用語や専門用語で誤魔化す

3.権威を利用する

4.伝統を宣伝

5.都合の良いところだけ選択

6.自然をアピール

7.曖昧な定義

8.因果関係と相関関係を混乱させる

9.偽りの二分法

10.個人の経験を強調

 

-赤ちゃんをカイロプラクターに連れていくのは安全?専門家の言うことを示す

Is it safe to take a baby to a chiropractor? Here’s what experts say.

By Teddy Amenabar September 15, 2022

https://www.washingtonpost.com/wellness/2022/09/15/chiropractor-for-babies-safety/

プラクティショナーや親はカイロで夜泣きや便秘が改善したという、しかし小児科医は「調整(アジャストメント)」は科学的根拠がないという

TikTokでカイロプラクターが赤ちゃんの丸々とした足を伸ばし尾骨をマッサージし小さな脊椎の椎骨をなぞって根拠のない効果を宣伝する。カイロプラクターDustin Juddが生後6日の赤ちゃんを手に持って振動装置で振動させている動画が120万回以上閲覧された。夜泣きを治療するという。指示と疑いのコメントが溢れた。

一部の医師はソーシャルメディアで乳児のカイロプラクティック治療が増殖していることに懸念を表明する。赤ちゃんの骨は柔らかく関節は緩く、リスクとなる可能性がある

(本邦では妊婦の整体とかがよく宣伝されていて骨盤を矯正するだの言っている。かなり怪しい主張が含まれる)

 

-一般教書演説は食料危機へのEUの欠陥のあるアプローチを明らかに

State of the Union address highlights flawed EU approach to food crisis

SEPTEMBER 27, 2022  By Colin Stevens

https://www.eureporter.co/politics/european-commission/2022/09/27/state-of-the-union-address-highlights-flawed-eu-approach-to-food-crisis/

9月14日のUrsula von der Leyen欧州委員会委員長による一般教書演説はEUのウクライナとの連帯を強調した。しかしウクライナとエネルギー危機が主体の演説は他の問題を無視した

エネルギー危機は食料安全保障を悪化させている

EUでは肥料と電気の価格高騰が農業食料部門の生産者に壊滅的影響を与えている。さらに夏の記録的干ばつが重要な農産物の生産を減らした。EUはこれらの部門を支援しなければならない。

EUの食料政策は火遊び中

それにも関わらずEUはF2F戦略に固執している。F2Fの農薬と肥料を減らして有機農業を増やす目標はイデオロギーに基づいた科学的に疑わしい、生産性を減らすものであることがわかっている。議員は最近の会合で厳しく欧州委員会を批判した。

もう一つのF2Fの柱であるNutri-Scoreに基づく包装表面の表示システムがさらに欧州の農家を脅かす。オリーブオイルやパルマハムやロックフォールチーズのような伝統食が低い評価になる。

危機から抜け出すための革新

EUは現在の危機に対応しながら長期的にグリーンに移行するために農業の革新を支援する方針を採用しなければならない。加盟国は新しいゲノム技術の使用を主張するが欧州委員会は動かない。

 

-ブラジルのGMOワタの種がスーダン経由で密輸されてエチオピアの畑を征服

Brazilian GMO cotton seed smuggled via Sudan conquers Ethiopian fields

By: Ashenafi Endale September 10, 2022

https://www.thereporterethiopia.com/26308/

Bt-RR綿の種が現在Afar, Metema, Benishangul Gumuz および Gambella地域で密輸されて栽培されている

The Reporterが農家に訪ねたところ、綿の害虫に耐性があるため密輸された種子が好まれている。また除草が極めて効率が良いことも理由である。Bt-RRの生産性は地元の品種よりわずかに良い程度だが、害虫に強いことと農薬が少なくて済むことで優れている。今やたくさんの農家がBt-RRを増やして種を国中の農家に売っている。政府の認可した種子より密輸した種子が好まれている。