2022-10-17

[FDA]FDAと連邦政府パートナーは子どもの成長と発達における魚介類摂取の役割に関する研究を開始する

FDA and Federal Partners Launch Study on the Role of Seafood Consumption in Child Growth and Development

October 11, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-and-federal-partners-launch-study-role-seafood-consumption-child-growth-and-development

本日、米国食品医薬品局(FDA)は、米国科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による「子どもの成長と発達における魚介類摂取の役割」に関する自主研究の開始を発表した。FDAは、乳幼児が食品から受ける水銀、ヒ素、鉛及びカドミウムへの暴露を減らすためのFDAの「さらにゼロに近づける(Closer to Zero)」行動計画の目標を支援するこの研究を米国海洋大気庁、米国農務省、米国環境保護庁と連携して進めている。

魚介類は健康的な食事の一部であり、妊娠中、授乳中及び幼児期に、子どもの脳、脊髄、免疫系の発達をサポートする重要な栄養素を提供する。しかし、同時に、魚介類は水銀の主要な供給源であり、水銀は自然及び人為的なプロセスによって環境中に拡散している。

水銀は神経系を損傷する可能性があり、乳幼児は水銀の健康への有害影響に対してより脆弱である。また、魚介類は他の天然に存在する及び人為的な汚染物質の暴露源となる可能性がある。NASEMは、魚介類栄養学と毒性学に関する科学文献の体系的レビューを行うために専門家の委員会を招集する予定である;これらのデータは、魚介類の消費が子どもの成長や発達にどのような影響を与えるかを評価するための基礎となる。 

この研究は、魚介類の消費と子供の成長・発達に関する科学的な最新情報を提供することを目的とする。食品からの水銀暴露に関する科学的理解を深めることは、FDAの「Closer to Zero(さらにゼロに近づける)」行動計画における継続的改善のサイクルにおける重要なステップである。また、この調査は、子供や妊娠・授乳の可能性がある人に対する現行の「Advice about Eating Fish」の更新が必要かどうかの判断材料にもなる。

NASEMは、調査終了後、約1年半後に委員会の報告書を公表する予定である。FDAは、報告書の結果を他のデータや情報とともに、子どもの健全な成長と発達を支援する政策やプログラムを推進するために活用する予定である。

この間、FDAは、妊娠中又は妊娠の可能性のある人あるいは幼児の保育者が水銀への暴露を制限するのに適した魚介類の種類を選択する方法に関する情報を引き続き提供する。魚介類中の水銀含有量については、最新の分析方法を用いて新たなデータを収集・分析する予定である。また、健康的な食生活に魚介類を取り入れる方法を家族が考える上で役立つ情報をFDAがどのように提供できるか、消費者を対象とした調査を実施する予定である。

 

-NASEM Study: The Role of Seafood in Child Growth and Development

NASEM 研究:子どもの成長と発達における魚介類の役割

https://www.nationalacademies.org/our-work/the-role-of-seafood-in-child-growth-and-development

全米科学・工学・医学アカデミーは、魚介類摂取と子どもの成長及び発達の関連側面との関連について、栄養学及び毒性学の科学的エビデンスの状況をレビューする研究を実施する予定である。このレビューには、魚介類の摂取量(母親と子ども)と子どもの成長と発達の関連についての研究が含まれる。目標は、食生活全般における魚の摂取に関する科学について最新の理解を得ることである。

内容

全米科学・工学・医学アカデミーの特別委員会が招集され、魚介類の摂取量(母親と子ども)と子どもの成長及び発達の関連性を調査する。具体的には以下のことを行う:

  • スポンサーから提供された食事摂取量と魚介類組成のデータを評価する;
  • 魚介類の摂取と子どもの成長及び発達に関連する魚介類の栄養と毒性に関する科学文献の体系的レビューを実施する;
  • 母親と子どもの魚介類消費と子どもの成長と発達に関する既存のエビデンス資料をレビューする;
  • 科学的エビデンスを統合するためのアプローチを開発し、その戦略を活用して、魚介類消費と子どもの成長と発達の関連についての知見と結論(定量的及び/又は定性的)を作成する。委員会のエビデンス統合のアプローチは、報告書に記載する。

この委員会は、リスクベネフィット分析(RBA)の質と不確実性の評価方法を含むリスク‐ベネフィット要因に関連して、正式なRBAをいつ行うか又は行わないかを評価し、これらの要因に関連してRBAの潜在的結論に対する信頼性を評価するための基盤となる科学情報と原則を提供し、RBAの知見に付加される公正性、多様性、包括及び医療へのアクセスなどの追加の状況及び意思決定者による政策決定に対して伝えることができるあらゆる影響/適用について同定し、コメントする。

委員会は、調査結果、結論、勧告をまとめた報告書を作成し、連邦政府のスポンサーに、健康な成長を支え、子どもが十分に発達するために摂取すべき魚介類の種類(例えば、種や種類、栄養素や汚染物質の組成に基づく)と推奨量に関する科学的エビデンスの現状を伝えるための調査勧告を行う。

 

[EU]パブリックコメント募集のための予備的意見

Preliminary Opinions open for comments / public consultation

https://health.ec.europa.eu/scientific-committees/scientific-committee-health-environmental-and-emerging-risks-scheer/scheer-opinions_en

水枠組み指令優先物質の環境基準案についての科学的意見

フルオランテン

SCHEER - Scientific Opinion on "Draft Environmental Quality Standards for Priority Substances under the Water Framework Directive" – Fluoranthene

https://health.ec.europa.eu/publications/scheer-scientific-opinion-draft-environmental-quality-standards-priority-substances-under-water-10_en

 

ニッケルとその化合物

SCHEER - Scientific Opinion on "Draft Environmental Quality Standards for Priority Substances under the Water Framework Directive" - Nickel and its compounds

https://health.ec.europa.eu/publications/scheer-scientific-opinion-draft-environmental-quality-standards-priority-substances-under-water-9_en

どちらも2022年11月11日まで

 

[ProMED]原因不明の死亡-ガンビア(第5報):子ども、咳シロップ、インド、インドネシア

Undiagnosed deaths - Gambia (05): children, cough syrup susp, India, Indonesia

2022-10-16

https://promedmail.org/promed-post/?id=8706145

[1] Indian pharmaceutical company halts production Date: Wed 12 Oct 2022

Source: Reuters [edited]

インド保健当局が2022年10月12日にニューデリーのMaiden Pharmaceuticals社の全ての製造を中止したと発表。この会社はアフリカに輸出される全てのジェネリック医薬品の45%を供給し「世界の薬局」と呼ばれる。ガンビアの子ども69人の死亡はインド産の医薬品によるこの種の事故では最悪のもののひとつ。

[2] Indonesia Date: Thu 13 Oct 2022 17:36 CST

Source: China Daily HK [edited]

インドネシアは今年ジャカルタで20人以上の子どもたちが急性腎障害で死亡した事例を調査する。

 

[ProMED]汚染された、期限切れメトトレキセート-イエメン:(サナ)致死、院内、子ども、情報求む

Contaminated, exp., methotrexate - Yemen: (SA) fatal, nosocomial, children, RFI

2022-10-16

https://promedmail.org/promed-post/?id=8706163

[1]Date: Fri 14 Oct 2022 Source: Vanguard [edited]

公立クウェート病院で密輸医薬品を投与された後、白血病の子ども少なくとも10人が死亡し9人が重体。保健当局は調査を行う。

AFPによるとイエメンでは病院中で密輸医薬品が使われることはよくある

[2]Date: Fri 14 Oct 2022 Source: AP News [abridged, edited]

期限切れの抗がん剤で少なくとも10人の白血病の子どもが死亡、さらに数十人が重体。イエメンの8年目に入る紛争は世界でも最悪の人道危機をおこしこれまで15万人以上を殺している。食品や医薬品を含む基本的リソースが不足していることから膨大な密輸ネットワークができている

 

[VKM]環境中の薬剤耐性

Antimicrobial resistance in the environment

Published: 13.10.2022

https://vkm.no/english/riskassessments/allpublications/antimicrobialresistanceintheenvironment.4.ad2b36d178c0d9d0afd7c6d.html

微生物生態学

重要メッセージ

我々は環境中の薬剤耐性とそのヒトや動物の健康へのリスクの可能性についてもっと知る必要がある。

そのためには環境中の薬剤耐性モニタリングが役立つだろう

 

[APVMA]動物用医薬品規制ニュースレター

Veterinary Medicines Regulatory Newsletter, October 2022

14 October 2022

https://apvma.gov.au/node/105871

 

その他

-ウォッカをBritaフィルターに通すと本当に味が良くなる?

Does passing vodka through a Brita filter really improve its taste?

Cat Wang, B.Sc. | 14 Oct 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking-you-asked/does-filtering-vodka-through-brita-filter-really-work

安価なウォッカをBritaフィルターに通すと最高級のお酒のようになるという広く拡散しているTikTokのコツは科学とは異なる

このTikTokの‘Brita Hack’は2000年代初期からあり、有名なのでMythBustersが否定している

(背景含め長い記事)

 

-オステオパシー(整骨)に手を貸すには科学が必要

Osteopathy Needs Science to Lend a Hand

Jonathan Jarry M.Sc. | 14 Oct 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical-health-and-nutrition/osteopathy-needs-science-lend-hand

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical-health-and-nutrition/osteopathy-needs-science-lend-hand

オステオパシーは一世紀半近く行われているが研究が乏しいことは恥ずべき

毎年私はオタワ大学で未来の科学コミュニケーターに疑似科学についての講義を行っている。私は疑似科学と科学の間に明確な境界はなく、むしろスペクトルであることを示すためにたくさんの例を使う。オステオパシーはその一つである。それはどこに位置するのか決めるのが難しい。それはフェイクサイエンス?発展途上の科学?科学哲学者Paul Thagardが言うところの“成功の見込みのないプロジェクトunpromising project”?

(長い記事略)

重要ポイント

・オステオパシーは筋肉や骨やその結合構造の動きが悪いために病気になり、整骨医は手を使って適切な動きに回復できるという信念に基づく。

・オステオパシーの分派には内臓オステオパシーや副交感神経オステオパシーなどがありそれらは根拠の無い望外な宣伝をする

・筋骨格系の問題に対するオステオパシーの使用を支持する良い根拠は無い

・オステオパシーは米国で改革されていて整骨医には医師並みの訓練を受けてマニュアルを使っている

 

-水や炭酸飲料のボトルのキャップはリサイクルできる?

Can the plastic caps on water or soda bottles be recycled?

Joe Schwarcz Phd | 14 Oct 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/you-asked/can-plastic-caps-water-or-soda-bottles-be-recycled

我々はブラスチックボトルについては3Rを知っているがキャップについては?

キャップは融点が違うが、現在キャップつきのボトルも処理できる技術はある。しかしどの技術が使われているかは地域によるのでリサイクル用ゴミ収集場所の指示に従うこと。

 

-ある人類学者の地元の町のCOVID-19対策への抵抗

Resistance to COVID-19 controls in an anthropologist's home town

Mary T Bassett

THE LANCET BOOK| VOLUME 400, ISSUE 10360, P1296, OCTOBER 15, 2022

Emily Mendenhall 著「マスクをしない:COVID 、コミュニティ、Okoboji の場合Unmasked: COVID, Community, and the Case of Okoboji」の書評

人類学者Emily Mendenhallがアイオワ州の田舎の小さな町Okobojiで人々へのインタビューやメディアの調査、会合への出席でどうしてマスクや距離をとるなどのCOVID-19対策をしないのかを探った。Okobojiの住人は主に白人で共和党支持、経済は旅行に依存している。アイオワ州政府は初期に短期間のシャットダウンをした後は規制上の決定は地元に任せた。マスクをしない理由として女性は主に子どもに有害だと信じている、男性は個人の自由をあげた。ある人は感染した子どもをマスクをしないでWalmart中を駆け回らせることで地域に免疫を作ると主張した。間違った情報の提供者には医師も含まれた。彼女のアプローチによって、公衆衛生対策への拒否は「悪い人」がそうしたわけではないことが示された。

 

-継続的に農業を強化するための10の規制ステップ

Ten Regulatory Steps for a Sustainable Intensification of Agriculture

Posted by RISKMONGER on OCTOBER 14, 2022

https://risk-monger.com/2022/10/14/ten-regulatory-steps-for-a-sustainable-intensification-of-agriculture/

ブリュッセルの規制担当者らは彼らのごく少数の環境活動家の理想主義的願望への迎合が如何に農家の世界の食料安全保障提供能力に影響するのかを知らずにいるようだ。有機農業が万能の解決策であるかのような物語は気候変動や生物多様性の解決にはならない。

品質と収量と価格の問題からEUの土地のうち有機農業はたった4.2%でそのうち半分は牧草地である。それをFarm2Forkでは25%にするという。どうやって?何故?

それは狂気であり愚かを超えて危険である。

持続可能な強化とは?

1.農業問題にリスクに基づいたアプローチを採用する

2.カバー作物栽培の研究を促進

3.不耕起栽培を普通のことにする

4.フードチェーン統合の為の環境を作る

5.より良い農業の理想に向かって動く

6.重要な農業戦略として種子の交配を支援

7.より包括的農業技術研究を推進

8.農業補助金を量から土壌の質へ

9.土地の管理人としての農家を信頼する

10.生産性の低い農業慣行に課税

 

おまけ

PFOS血中濃度、高い値 全国平均の3倍強も 沖縄6市町村(沖縄)

(朝日新聞、2022年10月16日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S15446707.html

沖縄住民の有機フッ素化合物血中濃度、全国平均の14倍 基地由来か(沖縄)

(毎日新聞、2022年10月15日)

https://mainichi.jp/articles/20221015/k00/00m/040/255000c

沖縄 米軍基地周辺 有害指摘PFAS血中濃度 全国平均の2~4倍に(沖縄)

(NHK、2022年10月15日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221015/k10013859901000.html

(何を何と比較して言っているのかわからないがおもしろい。報道とは)