2022-11-17

[FSAI]リコール

ヨウ素濃度の上昇のためGolden Lily Dried Kelp Seaweedのリコール

Recall of a Batch of Golden Lily Dried Kelp Seaweed Due to an Elevated Level of Iodine

Friday, 11 November 2022

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/Dried_kelp.html

中国産Golden Lily Dried Kelp Seaweed(乾燥昆布)は、ヨウ素濃度の上昇のため、リコール。製品写真あり。

 

[SFA]マレーシア産カイランの輸入制限

IMPORT RESTRICTION OF KAILAN FROM MALAYSIA

11 November 2022

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/circular-on-import-of-kailan-from-malaysia_11-nov-202239e9eb3460474b0b89c680b0da96ea6e.pdf

シンガポール食品庁 (SFA) は、マレーシアから輸入されたカイラン(芥藍)にシペルメトリンの残留を検出した。

 

[SFA]シンガポールと持続可能なフードシステム、他

A sustainable food system for Singapore and beyond

11 Nov 2022

https://www.sfa.gov.sg/food-for-thought/article/detail/a-sustainable-food-system-for-singapore-and-beyond

Asia-Pacific Agri-Food Innovation Summit(アジア太平洋アグリフードイノベーションサミット)において、持続可能な世界の食糧システムのためのシンガポールの国際的なカウンターパートや産業界との協力、農産物産業の変革を紹介。

 

[HK]法令違反

-CFSはカドミウムが過剰に検出された特定の輸入タコを消費しないよう呼びかける

CFS urges public not to consume a kind of imported octopus with excessive cadmium found

2022-11-14

https://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/whatsnew_fa/2022_494.html

食品安全センター(CFS)はRASFF(Rapid Alert System for Food and Feed)よりイタリア産CasaRinaldiブランドの包装済みタコのサンプルから基準値2.00 ppmを超える2.25 ppmのカドミウムが検出されたという通知を受けた。

 

-フィッシュオイル製品のサンプルは栄養表示規則に違反

Prepackaged Fish Oil product sample not in compliance with nutrition label rules

November, 11 2022(Friday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20221111_9931.html

日本産子供向けDHA製品がDHA 60.6 g/100 gという表示のところ、9 g /100 gの検出であった。

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20221111_9932.html

日本産妊娠女性向けDHA製品がDHA 43.7 g/100 gという表示のところ、8.6 g /100 gの検出であった。

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20221111_9933.html

 米国産乳児向け製品がビタミンD3 0.3 mcg/1.5 mL (22.05 µg /100 g)という表示のところ、110 µg/100 gの検出であった。

(注:この日本産のふたつのブランドが日本阪聖となっていて聞いたことがない)

 

[北欧理事会Nordic Council of Ministers]食品偽装 合同北欧脅威評価

Food Fraud

a Joint Nordic Threat Assessment

https://norden.diva-portal.org/smash/get/diva2:1709381/FULLTEXT01.pdf

優先課題として扱っているのは

・動物由来原料

・魚とシーフード

・北欧産と表示

・有機

それぞれについて、

Reputation信用、経済的損失、食品安全、消費者の信頼(安心)、の4点について評価

食品安全上の問題になる可能性があるのは肉や魚の偽装で、産地とオーガニックはもともと安全に関係ないのでリスクは低い。

(イラストがたくさんあっておもしろい)

 

[FSANZ]食品基準通知220-22

Notification Circular 220-22

​​17 November 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20220-22.aspx

新規申請と提案

・食品照射用X線を作るのに使う機会の最大エネルギーレベルを5 MeVから7.5 MeVに増やす

・二枚貝のマリンバイオトキシン基準のハーモナイゼーション

・加工助剤としてのGM Trichoderma reesei 由来α-グルコシダーゼ

 

[EU] SCHEER

-SCHEER -水枠組み指令優先物質の環境基準案についての科学的意見-水銀とその化合物

SCHEER - Scientific Opinion on "Draft Environmental Quality Standards for Priority Substances under the Water Framework Directive" - Mercury and its compounds

15 November 2022

https://health.ec.europa.eu/publications/scheer-scientific-opinion-draft-environmental-quality-standards-priority-substances-under-water-12_en

パブリックコメント募集のための予備的意見、意見は2022年12月13日締め切り

 

-SCHEER -水枠組み指令優先物質の環境基準案についての科学的意見-ヘプタクロルエポキシドを含むヘプタクロル

SCHEER - Scientific Opinion on "Draft Environmental Quality Standards for Priority Substances under the Water Framework Directive"-Heptachlor including heptachlor epoxide

https://health.ec.europa.eu/publications/scheer-scientific-opinion-draft-environmental-quality-standards-priority-substances-under-water-13_en

同上

 

[MFDS]日本産輸入食品の放射能検査の結果

輸入検査管理課

2022.10.28〜2022.11.3

https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43287

2022.10.21〜2022.10.27

https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43286

 

[MFDS]輸入キャンディ・チョコレート類の通関検査の結果、1件不適合

輸入検査管理課2022-10-31

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46776

□ 食品医薬品安全処は10月に輸入量が増加するキャンディ類・チョコレート類に対する安全管理を先制的に強化するため、10月4日から14日まで合計219製品に対する通関段階検査を実施した結果、キャンディ類1件が基準・規格不適合と判定され通関を停止した。

○ 検査対象は、▲キャンディ類(110件)、▲チョコレート類(109件)など34ヶ国から輸入した219製品で、検査項目は許容外タール色素、細菌数、総酸などである。

○ 検査の結果、中国産キャンディ類1件(2,621 kg)が許容外タール色素検出で不適合判定され、食薬処は輸出国に返送または廃棄措置する。

<添付> キャンディ・チョコレート類の輸入現況および通関検査不適合現況

中国産キャンディの赤色102号 0.014g/kg (基準:不検出)

 

[MFDS]食薬処、細胞培養食品など新技術適用食品の認定規定を用意

食品安全政策課 2022-10-31

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46771

□ 食品医薬品安全処は、細胞培養食品など新技術を適用して生産された食品を食品原料として認められる根拠を設けることを主な内容とする「食品衛生法施行規則」の一部改正案を10月31日に立法予告する。

○ 今回の改正案は8月に発表した食医薬規制革新100大課題*推進の一環として、技術発展・消費トレンドなど社会変化に合わせて規制の実効性を高めるために用意された。

* 食薬処は大韓商工会議所、韓国消費者団体協議会とともに国民の健康・安全を最優先に置き、産業発展を支援するための「食医薬規制革新100大課題」発表(’22.8.11)

□ 主な内容は、①細胞培養など新技術を適用して生産する食品を食品原料として認められる根拠、②飲食店でパン屋のパン販売を許可、③飲食店屋外調理行為許容地域拡大、④ルームカフェ形態の一般飲食店施設基準強化などである。

①現在、食品原料認定の対象を農・畜・水産物などに限定しており、新技術を適用して生産された食品は原料として認められるが制約がある。今後は細胞培養食品*など新技術を適用して生産された食品まで食品原料の認定対象に拡大する。

* 動物細胞などの培養により得られる食品

- 今回の改正により新技術適応食品の開発が促進され、消費者により多様な製品が供給できる環境が用意されると期待する。

※(現行)農・畜・水産物、抽出・濃縮・分離食品 →(改定)既存 + 細胞培養など新技術適用食品

②即席販売製造・加工業者と製菓店で生産したパン類・菓子類・餅類は、現在はバイキング型飲食店のみで販売できるが、飲食店や集団給食所でも販売できるように販売範囲を拡大する。

- ただし、今回の規定は製品の衛生・安全を確保するために当日生産した製品を当日販売する場合にのみ許可される。

- パン屋などで生産した製品の販売範囲が拡大すれば飲食店などでより多様な製品を消費者に提供することができ、消費者の選択権が拡大され関連営業も活性化されると期待する。

③現在は住居地域と隣接していない観光特区・観光宿泊施設地域に限り飲食店屋外営業場*での調理行為を許容しているが、今後は自治体長が地域の状況、安全事故発生の可能性などを考慮して一般地域でも営業場と隣接した場所で屋外調理行為を許容できるよう改善する。

* 営業場と隣接して正当な使用権限がある屋外場所として申告された営業場(屋上、テラスなど)

※(現行)観光特区・観光宿泊業 →(改定)一般地域も可能(自治体長に委任)

- 屋外営業調理行為許容地域が拡大すれば食品営業の活性化に役立ち、消費者の利便性も増進されると期待する。

④一般飲食店が類似宿泊業形態で運営されることを防止するため、客室にベッド、浴室を設置することを制限するよう施設基準を強化する。

※(現行)客室ロック装置の設置制限 →(改定)既存 + ベッド・浴室

□ 食薬処は今回の施行規則の改正推進が消費者の選択権拡大はもちろん、飲食店など小商人の営業活性化につながることを期待し、今後も国民の安全を最優先価値として置き、変化する社会環境を反映して制度を合理的に整備するなど積極的行政を実践していく。

 

[MFDS]代替食品の食感を向上させるメチルセルロースの使用基準を拡大

添加物基準課 2022-10-31

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46770

□ 食品医薬品安全処は植物性原料を用いた代替食品製造時に、肉と同様の食感を出す役割をする食品添加物であるメチルセルロースの使用基準を拡大する内容などを盛り込んだ、「食品添加物の基準及び規格」一部改正告示案を10月31日に行政予告する。

○ 今回の改正案は消費者の好みに合う食品を製造するために必要な食品添加物の使用基準を拡大し、食品添加物の使用現実を考慮して合理的に製造基準を改正する一方、誤用の恐れのある食品添加物の使用基準を整備するために用意した。

□ 主な内容は、①メチルセルロースの使用基準の拡大、②酵素剤の製造基準、保存・流通基準、使用基準改正、③合成香料物質の異名追加やアルギン酸ナトリウムなど10品目の試験法整備などである。

①最近、菜食主義の食事を好む人が増え、豆、小麦など植物性原料を利用した多様な代替食品の開発が求められている。

- これにより肉の食感を感じられるように、メチルセルロースの使用基準を現行食品の2%以下から技術的な目的を達成するために必要な最小限の量にまで拡大する。

- ちなみにメチルセルロースは国際的に一日摂取許容量(ADI)を定めないほど安全な食品添加物で、海外でも使用量を制限していない。

②食品を製造する際に食品原料成分の分解等のために使用される酵素剤について、▲固定化酵素剤*製造のための製造準備の新設、▲酵素剤の保存・流通基準の拡大、▲酵素剤を正しく使用するための一般使用基準の用意など規定を整備する。

* 固定化酵素剤:酵素を支持体に固定して連続的に使用できるように製造された形態

-(製造基準)従来の酵素剤よりも使いやすく何度も使用できるメリットのある固定化酵素剤を使用できるように、製造成分などを規定した製造基準を新設する。

-(保存・流通基準)これまで酵素剤は酵素の活性維持のために熱と光を同時に遮断できる「冷暗所」で保存・流通するように基準を設定したが、最近は室温流通可能製品*の生産により、酵素の活性が維持されれば、製造者の提示した条件で流通できるように保存・流通基準を拡大する。

* 酵素の特性に合わせた安定剤添加、粉末化など技術適用

-(使用基準)最近、酵素剤を添加した食品を酵素食品*と誤認して広告する事例があり、酵素剤を食品製造・加工工程で分解など本来の目的に合わせて使用するよう、一般使用基準に明確に規定する。

* 植物性原料に食用微生物を培養して酵素を多量に含有させた食品

③併せて、フェンコール(Fenchol)など合成香料物質4種に対して国際的に通用している他の名称まで追加し、試験法の精度を向上させるためにアルギン酸ナトリウムなど10種の試験法を整備*する。

* 酸性ピロリン酸カルシウム、塩基性アルミニウムリン酸ナトリウムなど試験条件の明確な改善、メチルテトラヒドロ葉酸グルコサミンの定量計算式改善

□ 食薬処は今後も食品製造に使われる食品添加物を安全に管理し、消費者の好みに合った食品を製造するために必要な多様な食品添加物の使用基準を合理的に整備するために最善を尽くす。

 

[MFDS] [部署合同] 政府合同で「食品安全」関連の公益侵害行為に対する集中申告期間を運営

監査担当官 2022-10-31

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46767

□ 国民権益委員会と農林畜産食品部、食品医薬品安全処、海洋水産部は11月1日から30日までの一ヶ月間、国民の食料安全関連公益侵害行為に対する集中申告期間を運営する。

公益侵害行為とは、国民の健康、安全、環境、消費者利益、公正な競争およびこれに準ずる公共の利益を侵害する行為であり、公益侵害行為対象法律の罰則または行政処分の対象となる行為。

□ 国民権益委はCOVID-19事態の長期化でデリバリー食品と家庭簡便食の需要が大幅に増えたことにより、国民の食の安全のために食品安全関連の公益申告対象法律違反行為に対する集中申告期間を運営することにした。

食品関連公益侵害行為の主な事例は、<食品衛生法違反行為>▲流通期限が過ぎた食品の販売、▲営業許可・登録・申告せずに食品製造・加工・調理・販売など、<輸入食品法違反行為>▲無申告輸入食品の流通・販売行為、▲流通期限が過ぎた輸入食品の販売行為、<原産地表示法違反行為>▲原産地偽・混同表示、▲原産地偽装調理・販売提供行為、▲原産地偽装目的・原産地表示損傷・変更保管・陳列、▲原産地が異なる農水産物や加工品混合・調理・販売・提供などである。

□ 公益申告は法律により誰でも行うことができ、申告者の秘密は徹底的に保障される。

申告者は申告によりって発生しうる不利益措置や生命・身体の脅威などに対して、国民権益委から原状回復、身辺保護などの保護措置を受けることができる。

また、申告者が自身の身分を明らかにせずに弁護士を通じて申告できる「非実名代理申告」制度も利用できる。

□ 国民権益委と農林畜産食品部、食品医薬品安全処、海洋水産部などは今回の集中申告期間に積極的な協業を通じて、国民の食生活の安全を脅かす公益侵害行為を根絶できるよう最善を尽くす計画である。

 

[MFDS]輸入農産物単純加工品の残留農薬通関検査の結果、3件不適合

輸入検査管理課 2022-10-28

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46764

□ 食品医薬品安全処は冷凍果実・野菜類、香辛料、茶類など輸入農産物単純加工品の合計187件に対して、9月19日から10月14日まで通関段階で残留農薬検査を集中実施した結果、基準を超過した果・菜加工品など3件を通関停止した。

□ 検査対象は、▲果・菜加工品(81件)、▲焙煎コーヒー(89件)、▲天然香辛料(14件)、▲その他農産加工品(3件)など31カ国の187製品で、検査項目は残留農薬510種である。

○ 検査の結果、冷凍イチゴ・バナナなど果物・野菜加工品2件(38996 kg)、天然香辛料1件(38 kg)が残留農薬基準超過で不適合判定され、食薬処は不適合製品を輸出国に返送または廃棄措置する。

<添付>

1.通関検査の不適合現況

ペルー産冷凍イチゴのメタラキシル 0.083 mg/kg(MRL0.05 mg/kg)

ベトナム産冷凍バナナのイミダクロプリド 0.032 mg/kg (MRL 0.01 mg/kg)

日本産(エスビー食品東松山工場)山椒のクロルフェナピル 1.25 mg/kg(MRL 0.01 mg/kg)

2.国別焙煎コーヒー輸入状況(2019~2021)

 

[WHO]WHOは低体重と早産の赤ちゃんの生存のために直ちに皮膚接触ケアを助言

WHO advises immediate skin to skin care for survival of small and preterm babies

15 November 2022

https://www.who.int/news/item/15-11-2022-who-advises-immediate-skin-to-skin-care-for-survival-of-small-and-preterm-babies

WHOは妊娠37週より前に生まれた早産児あるいは2500g未満の体重の赤ちゃんの生存と健康を改善するために新しいガイドラインを発表した。生後すぐに、保育器に入れることなくかがるーケアを薦める。これは以前のガイドラインから相当な変更で保護者と赤ちゃんを産後離すことなく側におくことの健康上の利益を反映している。

ガイドライン全体で母乳を強く勧めていて、母乳が出ないときには他人の母乳が最良の代用品であり、「未熟児用調整乳」は母乳バンクがないときのみ使えるかもしれない。

(途上国では、なのに何故か高所得国にもあてはまると主張するあたりがいつものWHOの母子保健周辺)

 

[NASEM]肥満の構造的駆動要因対策にコミュニティを参加させる ワークショップの概要

Engaging Communities in Addressing Structural Drivers of Obesity

Proceedings of a Workshop–in Brief

(2022)

https://nap.nationalacademies.org/catalog/26787/engaging-communities-in-addressing-structural-drivers-of-obesity-proceedings-of

2022年7月のワークショップの発表と議論をまとめたもの

(肥満をものすごく複雑なものと定義しなおすべきという主張が肥満の解決に役立つのかは疑問だがアメリカはそうなのだろう。差別等の社会問題が解消されないと肥満が解消されない、と言われたら食事指導とかやる気が減るのでは?)

 

Nature

-ニュース

インドはいつ最初のGM食用作物を認可する?

When will India approve its first GM food crop?

16 November 2022  T.V. Padma

https://www.nature.com/articles/d41586-022-03738-w

インドの最高裁は遺伝子組換えマスタード-調理油の重要な原料-の栽培を認めるかどうか検討している

インドで組換え作物を巡る論争が戻ってきた。10月18日に遺伝子組換え認可委員会(GEAC)がGMマスタードの野外栽培での評価を認めた-商用栽培への重要な一歩である。しかしGM反対派が認可に抗議し、11月17日からインドの最高裁でヒヤリングが始まる。最高裁がGEACの決定を支持すればインドで初めての食用のGM作物になり、間もなく世界一の人口を抱える国の食料安全保障を改善する大きな一歩になるだろう。しかしインドの司法はそのような決断は長期化する歴史がある

(以下マスタードの話等略)

 

-Nature Volume 611 Issue 7936, 17 November 2022

表紙はアフリカの衛星写真

とりあげている論文はNathan Ratledgeらの

電気が手に入ることの生活への影響を評価するのに機械学習を使う

Using machine learning to assess the livelihood impact of electricity access

pages491–495 (2022)

世界の多くの国で、重要な経済的アウトカムについてのデータの欠乏が公共政策を開発し、目標を定め、評価することを困難にしている。衛星画像と機械学習の進化でそうしたデータ不足が間然する可能性を示した。

 

-エディトリアル

農業が世界を食べさせる。我々にはどうすればより良い農業ができるかを知る必要がある

Farming feeds the world. We desperately need to know how to do it better

15 November 2022

農業改良のための介入はしばしばしっかりした根拠を欠く。新しいイニシアチブはそれを変えられる。

英国CABI とインディアナ州Notre Dame 大学とニューヨークの機械学習企業Havos.ai によるJuno Evidence AllianceというネットワークがBill & Melinda Gates財団の出資で人々の需要を満たしていない分野を同定する。さらにFAOは先月隔年で農業食料システム技術革新展望を発行する計画を発表した。

政策決定者にとって、異なる研究の結果を比較することが困難な場合がある。例えば「小規模農家」の意味が研究毎に違う。それは信頼できる答えを見つけるのに苦労することを意味する。

Junoチームは医学のCochraneの経験を学ぶべきだ。しかし農業にはRCTはない

気候、栄養、農業の問題に取り組むには個別にではなく総合的にする必要があるという認識が高まっている。より良い根拠の必要性は高まるばかりだ。

 

その他

-運動量と健康:フィンランドの運動量が違う一卵性双生児からの知見

Physical activity and health: Findings from Finnish monozygotic twin pairs discordant for physical activity

Urho M. Kujala et al.,

Scandinavian Journal of Medicine & Science in SportsVolume 32, Issue 9 p. 1316-1323

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/sms.14205

成人早期の余暇の運動量が違う一卵性双生児17組のデータ。活動量の多いほうは身体的フィットネスは高く、体脂肪・内臓脂肪・肝臓脂肪が少なく、下肢導管動脈の内径が多く負荷のかかる部分の骨ミネラル密度が多く、大きなHDL粒子の数が多い

 

-コンシューマーラボ

コレステロールを下げるためのスタチン対サプリメント

Statin vs. Supplements for Lowering Cholesterol

11/14/2022

https://www.consumerlab.com/answers/which-supplements-can-help-keep-my-heart-healthy/supplements-for-heart-health/#compared-to-statins

Cleveland クリニックでの研究(Laffin, JACC 2022)で、低用量スタチン(アストラゼネカのCrestor、ロスバスタチン5mg)と比べて5つのダイエタリーサプリメントを毎日28日間使用したところ、スタチンではLDLコレステロールが35.2%下がったのにサプリメントはプラセボと差が無かったことを発見した。しかしコンシューマーラボは最近のレビューで使った5製品のうち3製品がコンシューマーラボの検査で失格とされていることが結果を悪い方に歪めたと考える。もっと質の高い適切な製品を使えばサプリメントのベネフィットはもっとあっただろうに。

(Comparative Effects of Low-Dose Rosuvastatin, Placebo and Dietary Supplements on Lipids and Inflammatory Biomarkers

Luke J. Laffin, et al.,J Am Coll Cardiol. Nov 06, 2022. Epublished DOI: 10.1016/j.jacc.2022.10.013

https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2022.10.013

https://uneyama.hatenablog.com/entry/2022/11/08/175039

の件。質の悪いものが流通していることを含めてサプリメントの問題なので消費者にとっては適切な論文だろう)