[EU]EUの健康状態:欧州委員会とOECDは「健康を一目で:欧州2022」を発表
State of Health in the EU: The European Commission and the OECD release ‘Health at a Glance: Europe 2022’
5 December 2022
-要約
Executive summary
https://health.ec.europa.eu/system/files/2022-12/2022_healthatglance_sum_en.pdf
パンデミックは欧州と世界の人々の生活に劇的な影響を与えた。EUの2021年の寿命をその前に比べて1年以上短くした-第二次世界大戦以降最大の減少である。2022年10月までに110万以上のCOVID-19死が報告されたがこれは過小推定であろう。超過死亡統計ではさらに直接的間接的に30万の死亡が指摘されている。COVID-19死の90%以上が60才以上である。国による死亡率の差には多くの要因があるだろう
-ファクトシート
factsheet
https://health.ec.europa.eu/system/files/2022-12/2022_healthatglance_factsheet_en_0.pdf
・COVID-19の深刻なヒトコスト
・COVID-19はほぼ全てのEU諸国の寿命を減らした
・パンデミックは若い人々の精神衛生に大きな影響を与えた
・あまりにも多くの若い人たちが必要な精神衛生支援を受けていない
・パンデミックはCOVID-19患者以外の医療を撹乱した
・遠隔診療は対面診療の低下を緩和するのに役立った
-報告書全文
full report
https://health.ec.europa.eu/system/files/2022-12/2022_healthatglance_rep_en.pdf
[EPA]EPAは有害化学物質排出目録へのPFASデータ報告を増やすための規則を提案
EPA Proposes Rule to Enhance Reporting of PFAS Data to the Toxics Release Inventory
December 5, 2022
TRIのデータは毎年EPAに報告されるが、混合物中に僅かに(1%未満、PFOAのみ0.1%未満)含まれる場合無視できる例外があった。PFASを「特別に懸念される化合物」にすることでこの例外を適用できなくすることを提案。
Changes to TRI Reporting Requirements for Per- and Polyfluoroalkyl Substances and to Supplier Notifications for Chemicals of Special Concern
[FSA]FSAの長官が環境衛生協会の年頭会議で講演する
FSA Chief Executive delivers speech to the Chartered Institute of Environmental Health’s Year Ahead Conference
2 December 2022
英国食品基準庁(FSA)長官は Chartered Institute of Environmental Health (環境衛生協会)の年頭会議(Year Ahead Conference)で講演し、英国 CTSI(Chartered Trading Standards Institute)と協力して規制サービスの展望に対する課題を検討しながら重要政策を議論した。
[FSA]Nestlé UKは食品等級のシリカビーズ混入の可能性のためAERO Hot Chocolate 製品をリコールする
Nestlé UK recalls AERO Hot Chocolate products because they may contain small pieces of food-grade silica beads
1 December 2022
https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-61-2022
Nestlé UKは、食品等級の小さなシリカビーズが混入し、食べて安全でない可能性があるため、AERO Hot Chocolate 製品をリコールしている。
[FSA]FSAは食品及び食品包装におけるコロナウイルスの生存に関する新しい研究を発表する
FSA publishes new research on the survival of coronavirus on food and packaging
29 November 2022
https://www.food.gov.uk/research/survival-of-sars-cov-2-on-food-surfaces-abbreviations-and-codes
英国食品基準庁(FSA)は本日、コロナウイルスが食品や包装の表面で生き残ることができる時間の長さに関する研究を発表した。さまざまな種類の食品及び食品包装の表面でのウイルスの不活性化率を測定し、その不確実性を減らした。以下、報告書。
[FSA]英国全土の18の地方で進行中の学校提供食品基準コンプライアンスのパイロット
School Food Standards compliance pilot underway in 18 local authorities across England
29 November 2022
英国食品基準局 (FSA) と教育省 (DfE) は、イギリスの18の参加地方自治体で学校提供食品基準コンプライアンスのパイロットを開始した。
[FSAI]FSAIとヘルシーアイルランドが食品組成変更イベントを主催した
FSAI and Healthy Ireland Host Food Reformulation Event
Friday, 2 December 2022
https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/food_reformulation_02122022.html
アイルランド食品安全局(FSAI)とヘルシーアイルランドのパートナーシップによる食品組成変更タスクフォースは、本日、食品製造業者、小売業者及び家庭外食品部門向けの食品組成変更に関するワークショップを開催した。
[FSAI]プラスチック物質に関する新リサイクル規則
New Recycling Regulation for Plastic Materials
Wednesday, 30 November 2022
https://www.fsai.ie/news_centre/recycling_plastic_materials_30112022.html
2022年9月20日、欧州委員会 (EC) は、食品接触を意図したリサイクルプラスチック材料及び成形品に関する規則 (EU) 2022/1616 を採択し、発行した。新しいリサイクル規則の下で、リサイクル業者は設備と計画をECに登録し、事業体が所在する地域の関連管轄当局に通知する必要がある。
[FDA]Nestlé Purina PetCare Companyはラベル表示の誤りによりPurina Pro Plan Veterinary Diets EN Gastroenteric Low Fat Wet Dog Foodを一部リコール
Nestlé Purina PetCare Company Voluntarily Recalls a Limited Amount of Purina Pro Plan Veterinary Diets EN Gastroenteric Low Fat Wet Dog Food Due to Labeling Error
December 02, 2022
Nestlé Purina PetCare Companyは、ラベル表示の誤りにより、13.4 oz缶のPurina Pro Plan Veterinary Diets EN Gastroenteric Low Fat(胃腸のための低脂肪処方ドッグフード)を一部リコール。
[FDA]食料生産動物におけるバイオマス調整抗菌薬販売及び流通データ:インタラクティブサマリー
Biomass-Adjusted Antimicrobial Sales and Distribution Data in Food-Producing Animals: Interactive Summary
11/29/2022
2016年から2020 年までに米国で食料生産動物 (牛、豚、鶏及び七面鳥)で使用するために、販売又は流通した医学的に重要な抗菌薬の既存の年間抗菌薬販売及び流通データ。
[MPI]Daily OrganicsブランドのKombuchaリコール
Daily Organics brand Kombucha
2 December 2022:
Daily Organics Ltd は高濃度のアルコールの可能性があるため、Kombucha飲料をすべてリコール。製品写真あり。
[HK]法令違反
-タロイモのサンプルで金属汚染が基準値を超える
Metallic Contamination exceeds legal limit in Taro sample
December 5, 2022 (Monday)
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20221205_9989.html
タロイモのサンプルから基準値0.1 ppmを超える0.33 ppmの鉛が検出された。
[ヘルスカナダ]リコール
- TUMS Peppermint Regular Strength tablets:汚染のため一部リコールする
TUMS Peppermint Regular Strength tablets: One lot recalled due to contamination
2022-11-30
GlaxoSmithKline Consumer Healthcare ULCは、一部の錠剤にガラス繊維や紙、アルミホイルなどの他の材料の破片が含まれていることが判明したため、TUMS Peppermint Regular Strength tabletsの1ロットをリコール。
[TGA]Ozempic (セマグルチド)の広告は禁止されている
A warning that advertising Ozempic (semagludtide) is prohibited
30 November 2022
https://www.tga.gov.au/news/news/warning-advertising-ozempic-semagludtide-prohibited
TGA は広告主やソーシャルメディアのインフルエンサーに対し、減量のために Ozempic (セマグルチド) を公に宣伝しないよう警告している。
[HK]FEHDは食品の持ち帰り及び配達に関する実施ガイドを発表する
FEHD releases Practical Guide on Take-away Meal and Meal Delivery Services
Wednesday, November 30, 2022
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20221130_9982.html
食品環境衛生局(FEHD)は、食品の持ち帰り及び配達に関して食品事業者及び消費者への助言。以下、ガイド。
https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/files/5-takeaways.pdf
[WHO]イベント等
-ガイドライン案へのパブリックコメント募集:健康的食生活を推進するための財政政策
Public consultation on the draft guideline: fiscal policies to promote healthy diets
1 December 2022
締め切り2023年2月3日
-WHOガイドライン:多様な肥満の子どもたちの統合的管理
WHO guideline: Integrated management of children in all their diversity with obesity
6 – 7 December 2022
-健康、気候、生物多様性についてのワークショップ:持続可能で健康的フードシステムに生物多様性と気候解決を取り入れる
Workshop on Health, Climate and Biodiversity: Mainstreaming biodiversity and climate solutions for sustainable and healthy food systems
6 – 7 December 2022
その他
-キャンディのような食べられる大麻は子どもに危険
Candy-Like Cannabis Edibles a Danger to Children
Christopher Labos MD, MSc | 2 Dec 2022
https://www.mcgill.ca/oss/article/medical/candy-cannabis-edibles-danger-children
子どもの大麻中毒はまだ比較的希ではあるがますますよく見られるようになっている
大麻が犯罪でなくなった熱狂とともに、しばしば医療上のベネフィットの誇大宣伝とリスクの可能性の過小評価が見られることが懸念である。
-Crispr/CAS9あるいは交雑育種によるカフェインフリーコーヒーの可能性
The Potential for Caffeine-Free Coffee via Crispr/CAS9 or Crossbreeding
Ada McVean M.Sc. | 2 Dec 2022
コーヒー豆からカフェインを除去するのではなく、最初からカフェインを含まない豆を育てることができたら?複雑な交雑育種あるいはCrispr/CAS9ゲノム編集でできるかもしれない
-Healyは新しい衣を纏った古いもの
The Healy Is Old Woo in New Clothes
Jonathan Jarry M.Sc. | 2 Dec 2022
https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking-pseudoscience/healy-old-woo-new-clothes
インスタグラムの「ママ」と「周波数」医療機器が流行しているがそれは既に間違いを指摘された理論の最新版の繰り返しである
「セルフヒーリングママ」Chloe Angelinがインスタグラムで宣伝しているHealyは、バイオレゾナンス、生命エネルギー場理論、ラジオニクスなどの名前で宣伝されていた疑似科学である。
重要メッセージ
・Healyは健康のために周波数を使うと称する一連の高価な製品である
・これはバイオエネルギーフィールドを再調節できると宣伝するRife装置のような、反証されてきたたくさんのガジェットの最新のものである
・疑似科学的ガジェットとサプリメントはしばしばFDAのシールを使ったりして正当なものであるかのように見える
(これ?
チャクラ調整できるヒーリー量子波動器https://saipon.jp/h/healy/)
-私の石けんにヤギの乳?イエス、それは石けん、スープではない
Goat milk in my soap? Yes, that's soap, not soup.
Joe Schwarcz Phd | 30 Nov 2022
https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking/goat-milk-my-soap-yes-thats-soap-not-soup
石けんにヤギの乳を使うことのメリットに関する主張にあまり科学はないが、緊張緩和になることはあるかもしれない
私は石けん一個に20ドルも使ったことはこれまでないが、“Dr. Squatch 深海ヤギ乳”石けんを買ってみた。特別な石けんだと思ったからではなくて、Dr. Squatchの宣伝動画が賢くて面白かったから。
背景として、ビタミンAを含み皮膚のアンチエイジングになる等と宣伝されているヤギ乳石けんについて質問された。私はこの魅力的な宣伝に事実はないと答えた。確かにビタミンAは皮膚に影響があるが石けんに含まれている量はあまりにも少ない。乳酸やαヒドロキシ酸などもそうである。おそらく宣伝の根拠となる試験はない。
そして“Dr. Squatch 深海ヤギ乳”石けんに出会ったのである。私は深海に住むヤギを知らない。しかし深海というのは塩のことでヤギは普通の陸上に住むヤギのことだとわかった。
マーケティングについてであるが(以下略)
-Cup o'Joeがいくつかの軽いナンセンスに光をあてる
Cup o'Joe-Shedding light on some light nonsense
https://www.youtube.com/watch?v=hdIZPFrmt7o
毎朝たった30秒日光浴をするだけでがん予防になるという英国のがん専門医Mohammad Muneeb Khanの主張について
-オフライン:FRENCH-ARRIVE—彼女たちの非難
Offline: FRENCH-ARRIVE—elles accusent
Richard Horton
THE LANCET COMMENT| VOLUME 400, ISSUE 10367, P1911, DECEMBER 03, 2022
助産師Claudine Schalckと Raymonde Gagnonの著書「陣痛の誘発が女性の母性を傷つけるときWhen Inducing Labor Compromises a Woman's Motherhood」 (L’Harmattan, 2022、フランス語の本)に関して。この本は現在進行中の研究への非難・告発である。オリジナルのARRIVE臨床試験は2018年にWilliam GrobmanらがNEJMに発表した、妊娠38週から38週6日までの低リスク未経産女性を陣痛誘発と待機療法に無作為に割り付けて周産期死亡や新生児の合併症、帝王切開などを観察したものである。陣痛誘発群のほうがリスクは低かったが著者のGrobmanらはこれが陣痛誘発では母子の予後が悪いという他の観察報告とは矛盾すると記載している。そして2021年4月にFRENCH-ARRIVE試験が始まり、2023年末に終わる予定である。Schalck とGagnonは陣痛誘発は害のない介入ではなく「産科の暴力」であるといいFRENCH-ARRIVEは出産を純粋に医学的なイベントに格下げするようにみえるという
フランスは慢性的に助産師が不足していてその労働条件はますます悪化している。スウェーデンに比べると母親の死亡率は2倍である。
(助産師界隈の、女性の機能の極端な神聖化にはついていけない。陣痛促進剤を使おうが帝王切開だろうが赤ちゃんが無事に生まれることこそが奇跡だろうに。母親の命を危険にさらしてまで医療を使わないことが至高と考えるから薬を使っただけで「尊厳が傷つく」のだろう)
-Natureニュース
驚くべきオミクロン起源研究は精査される
Surprising Omicron origins study comes under scrutiny
06 December 2022 Smriti Mallapaty
https://www.nature.com/articles/d41586-022-04357-1
西アフリカで循環していたと報告された迅速に広がる変異株の初期型の配列はコンタミの結果の可能性がある
先週Scienceに発表された論文について
-植物の種による胆道閉塞
Biliary obstruction caused by plant seeds.
Gyoten K, et al.,
Clin J Gastroenterol. 2022 Dec;15(6):1158-1163. doi: 10.1007/s12328-022-01712-7.
日本からの症例報告。トマト、アブラナ科植物、柑橘類の種が炎症細胞と胆汁と一緒になって塊を作って胆道閉塞になった初めての報告