2022-12-07

[EU]EU食品偽装ネットワーク

The EU Food Fraud Network

https://food.ec.europa.eu/safety/agri-food-fraud/eu-food-fraud-network_en

食品偽装ネットワーク(Food Fraud Network)について

Food Fraud Network は欧州委員会、欧州刑事警察機構(Europol)、加盟国が設定する連携機関及び該当する場合は欧州連合の司法機構(Eurojust)で構成するネットワークである。

2013 年以来、EU(欧州連合)加盟国と他のいくつかの欧州諸国 (スイス、ノルウェー、アイスランド) は、情報を交換し、国境を越えた性質のEUアグリフードチェーン法令の違反の問題で協力している。これはEU加盟国及びその他のいくつかの欧州諸国が、公的管理規則に定められた規則に従って活動するのに役立つ。

EU Food Fraud Network は、管轄当局間のコミュニケーションの支援と調整、特に支援要請の送受信を可能にする。連携機関は、EUアグリフードチェーン法令の遵守状況を検証するために必要な情報を、相手国と、又、公的管理の結果、2カ国以上での対応が必要となる場合には、欧州委員会と情報交換することが求められる。

EU Food Fraud Networkは、EUで供給される食品の信頼性と品質に関する研究を含む、食品科学の専門知識を提供するEC Knowledge Center for Food Fraud(食品偽装のためのナレッジセンター)と緊密に連携して活動している。又、Europolと共同で、偽物や基準を満たしていない食品や飲料、偽造農薬を対象とした活動も行っている。

 

-2021年報告書概要

ACN Annual Report 2021

https://food.ec.europa.eu/document/download/e8b14245-1f30-4f2b-bf5c-5e70e525e753_en?filename=acn_annual-report_2021-final.pdf

本年次報告書は、2021年にiRASFF(欧州委員会が管理する独自のオンラインシステム)において、食品・飼料ネットワーク緊急警告システム(RASFF)、行政支援・協力ネットワーク(AAC)又はアグリフード偽装ネットワーク(FFN)の間で共有されるすべての情報を含む。これらは警戒協力ネットワーク(ACN:Alert and Cooperation Network)の一部である。

2021年は、前年と比較して、アラートと協力ネットワークの各部門の通知数が増加した。これはCovid-19パンデミックという状況下ではあるが、加盟国の当局による健康上のリスクの有無や不正行為の疑いにかかわらず、違反を検出し、報告する継続的な取り組みを示す。2021年は、2020年同様、エチレンオキシドに関する通知が多数あった。欧州委員会は、専門知識とIT支援の両方を通じ、加盟国の支援し、情報交換の増加を促進した。

欧州委員会は、通知に関与する第三国、特に通知された製品の原産国に是正措置を求め連携した。ACN内で共有されたデータを基に、欧州委員会はEU への輸入製品に対するEU国境で強化されたチェックに関する措置を適応させた。国境を越えた偽装行為に対して適切な追跡措置、ハーブやスパイスの真正性に関する協調した管理計画など具体的な行動をとり、その結果を2021年に公開した。

 

[EU] Bamboo-zling

(竹の「粉末」で作られたプラスチック食品接触物質(FCM)に対するEU執行行動)

https://food.ec.europa.eu/safety/agri-food-fraud/eu-coordinated-actions/bamboo-zling_en

執行行動について

欧州委員会は、EU Food Fraud Network(食品偽装ネットワーク)と協力して、竹やその他の無許可の植物由来添加物を含む食器などの食品接触物質として販売されるプラスチック製品の違法な輸入、取引、広告に終止符を打つために、税関当局と力を合わせた執行行動を実施することにした。21カ国が1年間のこの協調行動に参加し、違法、不正製品の特定が増加した。参加国は、オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、リトアニア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、マルタ、ポーランド、ポルトガル、スロベニア、スペインである。

行動参加国は、無許可の竹粉を含むプラスチックの食品接触物質に関する748件の事例(事例は、国境通過拒否、管轄当局の市場規制、電子商取引の規制による、製品の破棄、リコール、市場からの撤収)を通知した。748件のうち、644件はEU(欧州連合)市場で発見した製品、104件はEU国境で不合格とした製品で、違法製品の大半は中国製だった。生産者、輸入業者、流通業者は、加盟国の当局から製品の撤収を求められた。

何が問題なのか。

現在、単量体、添加物、ポリマー製造助剤などの900を超える物質が、欧州連合の認可物質リスト(第2章第1節第5条)の下で認可され、規則 (EU) 10/2011に含まれている。しかし、竹やその他の植物由来の添加物が含まれるプラスチック食品接触物質は認可されておらず、関連する食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)の警告とコミュニケーションが増加しているにもかかわらず、違法な販売が続いていた。

しかし、法令遵守と資料がないと、素材の出所の確認ができない。たとえば特定の食器の製造に使用された竹が新品なのか、リサイクル品なのかを理解できない場合がある。

不正表示について

これら製品はしばしば「オーガニック」製品と表示される。植物に基づく食物接触物質で、食品として販売されることを意図して製造されていないものは、規則(EC) No 834/2007の適用範囲外であり、EUのオーガニックロゴを表示することはできない。オーガニック農産物の原料から生産された場合、誤解を与える情報でなければ、製品はオーガニック農産物を指している可能性がある。誤解を招く側面の評価は、事例ごと行わなければならず、主に加盟国の責任である。

今後

EUが調整した行動は終了し、公式報告は行われなくなったが、加盟国の管轄当局は警戒管理を維持している。欧州委員会はこれらの製品がEU市場でもう流通しないようにするためEU諸国をさらに支援する。

 

[EU]RASFF 2022(1127-1203)

警報通知(Alert Notifications)

モロッコ産冷凍イワシフィレのヒスタミン、中国産ドイツ経由フライパンからのコバルト・ニッケル及びマンガンの溶出、スペイン産アロエジュースのアロイン高含有、中国産ガラス容器(グラス)の縁からのカドミウム及び鉛の溶出、イタリア産原料スペイン産アーモンドパウダーのアフラトキシン、スペイン産ベーカリー製品のオクラトキシンA、ポルトガル産ブラックベリーの鉛、英国産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル、ドイツ産食品サプリメントのヒドロキシアントラセン誘導体、スペイン産食品サプリメントのエモジン、違法なビンロウジ(ビンロウの実)の販売及び使用、イタリア産ピスタチオのアフラトキシンB1及び総アフラトキシン、

注意喚起情報(information for attention)

セルビア産せんべいのトランス脂肪酸高含有、中国産グラスのカドミウムと鉛の溶出、カンボジア産グリーンパパイヤの未承認遺伝子組換え体、エジプト産マンゴーの未承認物質オメトエート・シフルトリン及びデルタメトリン、米国産スイートアーモンドのアフラトキシン(B1及び合計)、チリ産イガイのカドミウム、レバノン産生食用ブドウの未承認物質クロルピリホス・ラムダ-シハロトリン・シペルメトリン及びモノクロトホス、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(複数あり)、中国産スプリンクルの未承認添加物(E 127)、パキスタン産米のクロルピリホス、インド産米のチアメトキサム及びトリシクラゾール、バングラデシュ産ウシエビのロイコマラカイトグリーン、トルコ産乾燥イチジクのオクラトキシンA、タイ産タイワンドジョウのマラカイトグリーン、ジョージア産ヘーゼルナッツのアフラトキシン、中国産朝食用メラミン皿からのホルムアルデヒドの溶出、中国産ポリアミド製台所用品セットからの一級芳香族アミンの溶出、中国産ベビー用食器の竹の未承認使用、トルコ産生鮮レモンのイマザリル、メキシコ産未承認新規食品バジョ豆、台湾産茶の未承認残留農薬ジノテフラン、

 

[EU]SCHEER

-水枠組み指令優先物質の環境基準案についての最終科学的意見-イブプロフェン

Final Opinion on "Draft Environmental Quality Standards for Priority Substances under the Water Framework Directive" – Ibuprofen

6 December 2022

https://health.ec.europa.eu/latest-updates/scheer-final-opinion-draft-environmental-quality-standards-priority-substances-under-water-framework-2022-12-06_en

 

-水枠組み指令優先物質の環境基準案についての科学的意見-ジコホル

パブリックコメント募集のための予備的意見

Scientific Opinion on "Draft Environmental Quality Standards for Priority Substances under the Water Framework Directive" – Dicofol

6 December 2022

https://health.ec.europa.eu/publications/scheer-scientific-opinion-draft-environmental-quality-standards-priority-substances-under-water-16_en

2023年1月10日まで

 

[MPI]一般消費者への直接販売を意図しないポピーシードのリコール

Recall of poppy seeds not intended for sale directly to public

29 November 2022

https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/recall-of-poppy-seeds-not-intended-for-sale-directly-to-public/

ニュージーランド食品安全局 (NZFS) は、Davis Trading Companyが、一般消費者向けに直接販売することを意図しない輸入ポピーシード(ケシの実)をリコールするのを支援している。

ニュージーランド食品安全局副局長のVincent Arbuckle氏は、「Davis Trading Companyは、他の食品を作るための原料として製造業者にのみ販売されることを意図していた製品を消費者に直接販売した。この製品の懸念は、高レベルのアルカロイドが含まれていることである。製品が家庭での通常の加熱調理やベーキングに使用するのに安全ではないことを示唆するエビデンスはないが、ポピーシードティーを飲むことを含め、ポピーシードの大量摂取は危険である可能性がある。ポピーシードティーを飲み、異常で重篤な症状のある人は、緊急の医療援助を受けるべきである。リコール製品が手元にある場合は、購入した場所に返品することを勧める。それができない場合は、安全に廃棄することを勧める。」と述べる。対象製品は、以下のブランドや店舗のポピーシード:

Davis Food Ingredients

Attitude Foods

Bin Inn

Essenté

Farm By Nature

Foodfirst

Fresh Line

Icelandic

Wholesale Foods

リコール対象のポピーシードのほとんどは、すでにサプライチェーンから取り除かれている。リコール製品は、ニュージーランド全土の様々なエスニックスーパーマーケット、青果店及び小売店で販売されている。NZFSは製品が棚から取り除かれるように同社と協力している。

 

-ポピーシードティーについて

What is poppy seed tea?

29 NOV 2022

https://www.highalert.org.nz/articles/what-is-poppy-seed-tea/

ポピーシード(ケシの実)は、焼き菓子やサラダドレッシングの少量では無害であるが、洗っていないと高濃度のアヘン剤が含まれているため、リスクが生じる。つまり、お茶など無洗浄のポピーシードを摂取すると、過剰摂取につながる可能性がある。

ポピーシードにはコデイン、モルヒネ及びその他のオピオイドが含まれており、アヘンやヘロインの原料にもなる。人によって体内のプロセスと代謝が異なるため、効果も人によって異なる。

洗っていないポピーシードとは何か?

食品調理用のポピーシードは洗浄され、含まれるアヘン剤の最大 90% が除去される。ポピーシードティー用に販売される「ポピーストロー」は、種子、茎及び鞘は、洗浄していない。つまり、より多くのアヘン剤が残り、精神活性効果につながる可能性がある。

ポピーシードは、オピオイドの濃度が異なる場合があり、1つの作物の種子から作られるお茶の濃度は、別の作物とは全く異なる可能性がある。このため、お茶を飲むときに用量を制御することが難しい。高用量のオピオイドを服用すると、過剰摂取につながる可能性があり、呼吸器系の速度が低下又は停止し、死に至る可能性がある。

ポピーシードティーのリスクは何か?

研究では、家庭で淹れたポピーシードティーで致死量のオピオイドを生成できることが示されている。ケシの鞘や種子の1つの作物に含まれるオピオイドの量を知ることはほとんど不可能であるため、お茶の量を制御することも不可能である。これは過剰摂取のリスクが高まることを意味する。

オピオイドの過剰摂取は、無意識、ゆっくりとした無力な呼吸 (呼吸抑制) によって特徴付けられる。必ずしも致命的ではない過剰摂取でも、健康に永続的な影響をもたらし、後に致命的な過剰摂取を高める可能性がある。

ポピーシードティーを淹れた後、人が意識を失い始めたり、呼吸が遅くなったりした場合は、すぐに 111 番通報すること。ナロキソンは、過剰摂取のリスクを回避するために使用できる。

オピオイドの過剰摂取を認識するのは難しい場合がある。確信が持てない場合は、状況を過剰摂取のように扱うのが最善であり、命を救うことができる。その人を一人にしないことが重要である。

オピオイドの過剰摂取の兆候は以下。

・顔は非常に青白く、触れるとベトベトする。

・体はぐったりする。

・指の爪や唇は、紫又は青色。

・嘔吐したり、ゴボゴボと音を立てたりし始める。

・目覚めることができないか、話すことができない。

・瞳孔が非常に小さくなる。

・呼吸や心拍が遅くなったり、止まったりする。

より安全に過ごす方法

他のオピオイド、アルコール、バルビツール酸塩、ガバペンチノイド、チエノジアゼピン、ベンゾジアゼピン、GHB/GBL(ガンマヒドロキシ酪酸/ガンマブチロノラクトン)及びケタミンなどの鎮痛薬との併用は避けること。オピオイドの危険な効果(呼吸の低下や停止)を高める可能性がある。

 

[EFSA]亜硫酸塩:多量摂取者に安全上の懸念、だがデータ不足

Sulfites: safety concern for high consumers, but data lacking

24 November 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/news/sulfites-safety-concern-high-consumers-data-lacking

EFSAの専門家は、二酸化硫黄(E220)と亜硫酸塩類(E221-228)の更新評価で、亜硫酸塩の食事摂取量は亜硫酸塩を含む食品の多量摂取者に安全上の懸念となる可能性がある、と結論した。毒性学データのギャップにより、特定の有害健康影響の程度は確定できなかった。

亜硫酸塩は私達の身体だけでなく、リンゴ、米、タマネギ、キャベツなどの食品やワインなどの飲料に天然に存在する。

亜硫酸塩は、ドライフルーツや野菜、ジャガイモ加工品、ビールやモルト飲料、ワイン、フルーツジュースなど広範な食品に保存料や酸化防止剤(褐色化を防ぐためなど)として添加されている。ワイン製造工程で進行中の発酵を止めるのにも使用される。

安全性の閾値

食品添加物及び香料に関するEFSAのパネルの議長であるMaged Younes博士は述べた:「入手可能な毒性学データは、許容一日摂取量(ADI)を導出するには不十分だった。その代わりに、食事摂取量や動物実験の神経毒性と関連する用量を考慮して暴露マージン(MOE)を算出した。

「ADIは1日の摂取量が安全だとわかっている値を下回る値である。有害影響の根エビデンスはあるがどのくらいが安全かを確認するには不十分な場合、MOEは現在の摂取量が有害なである可能性があるかどうかを知らせてくれる。」

MOEは、有害影響が見られる最小推定量とその物質の暴露量との割合である。亜硫酸塩の場合、割合が80未満だと安全上の懸念を示す可能性がある。

多量摂取者の暴露

EFSAの二酸化硫黄-亜硫酸塩に関する作業グループの議長であるMatthew Wright博士は述べた:「我々が算出したMOEsは、青年を除く全ての年齢集団の多量摂取者で80未満だった。つまり、これらの摂取者の推定摂取量は、子供(3-10歳)の最大12.5%と成人の最大60%では、安全と判断される量を超えている可能性があるということだ。」

パネルは、刺激に対する神経細胞の遅延反応、神経系の機能障害の初期の兆候など、中枢神経系の有害健康影響のエビデンスを見つけた。

EFSAの科学者は、知見のギャップによる一部の感受性の高い消費者の更なる過敏症や不耐性を調査するよう、以前の助言を再び表明した。

更新意見の背景

EFSAは2016年に、2009年1月20日以前にEUで認可された食品添加物の再評価プログラムの一環で亜硫酸塩の安全性を再評価した。

当時、パネルはその安全性を結論づけるために必要な新たなデータの有用性を待つ間、暫定グループADI 0.7ミリグラム/kg体重を設定した。

欧州委員会はEFSAの以前の再評価で述べられた不確実性に対処するためにデータ要請を開始したが、企業や公開文献で入手可能な情報はADIを設定するには不十分だった。

欧州化学品庁(ECHA)は、特に、ワイン樽の消毒での使用に関してと、保管・輸送中の靴箱の微生物の増殖を防ぐための防腐剤として、EUの殺生物製品規制で別々に二酸化硫黄を評価している。

科学へのリンク

二酸化硫黄(E 220)、亜硫酸ナトリウム(E 221)、亜硫酸水素ナトリウム(E 222)、ピロ亜硫酸ナトリウム(E 223)、ピロ亜硫酸カリウム(E 224)、亜硫酸カルシウム(E 226)、亜硫酸水素カルシウム(E 227)、亜硫酸水素カリウム(E 228)の再評価のフォローアップ

Follow‐up of the re‐evaluation of sulfur dioxide (E 220), sodium sulfite (E 221), sodium bisulfite (E 222), sodium metabisulfite (E 223), potassium metabisulfite (E 224), calcium sulfite (E 226), calcium bisulfite (E 227) and potassium bisulfite (E 228)

Plain language summary | Scientific Opinion

 

平易な言葉による要約

https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/action/downloadSupplement?doi=10.2903%2Fj.efsa.2022.7594&file=efs27594-sup-0009-Annex-I.pdf

科学的意見

二酸化硫黄(E 220)、亜硫酸ナトリウム(E 221)、亜硫酸水素ナトリウム(E 222)、ピロ亜硫酸ナトリウム(E 223)、ピロ亜硫酸カリウム(E 224)、亜硫酸カルシウム(E 226)、亜硫酸水素カルシウム(E 227)、亜硫酸水素カリウム(E 228)の再評価のフォローアップ

Follow‐up of the re‐evaluation of sulfur dioxide (E 220), sodium sulfite (E 221), sodium bisulfite (E 222), sodium metabisulfite (E 223), potassium metabisulfite (E 224), calcium sulfite (E 226), calcium bisulfite (E 227) and potassium bisulfite (E 228)

EFSA Journal 2022;20(11):7594 24 November 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7594

(科学的意見)

二酸化硫黄-亜硫酸塩類(E 220–228)は2016年に再評価され、暫定ADI 0.7 mg SO2 相当/kg bw /日が設定された。欧州委員会のデータ要請を受けて、本フォローアップ意見は関心のある事業者(IBOs)が提出したデータや公開されている文献で特定された追加の根拠を評価している。再評価に記載されたデータのギャップに対処した新しい生物学的あるいは毒性学的データはIBOsから提出されなかった。文献検索から特定されたデータを考慮して、パネルは、再評価で以前に特定された不確実性は大幅に減少しなかったと結論した。そのためパネルは、ADIの導出や現在の暫定グループ許容一日摂取量(ADI)を取り下げるには、入手可能な毒性データベースでは不十分だと判断した。暴露マージン(MOE)アプローチはこれらの食品添加物のリスクを評価するのに適切だと判断された。以前の基準点70 mg SO2相当/kg bw /日より少ない、ベンチマーク用量のより低い信頼限界38 mg SO2 相当/kg bw /日が、視覚誘発電位潜時の延長に基づいて推定された。MoEの評価に評価係数80が適用された。推定食事暴露では、精製暴露シナリオ(データセットD)を用いると、95パーセンタイル範囲の最大量でのMOEsは青年を除くの全ての集団で80未満だった。最大許容量を用いて推定された食事暴露は、平均範囲の最大値では全ての集団で、また95パーセンタイルの範囲の最小及び最大量両方では集団のほとんどで、MOEs 80未満となった。パネルは、これはどちらの食事暴露シナリオにも安全上の懸念をもたらすと結論した。パネルは、IBOsが提出したデータに基づき、二酸化硫黄-亜硫酸塩類(E 220–228)に存在する有害元素のリスク評価も実施し、ヒ素、鉛、水銀のEU規格における最大限度を下げ、カドミウムの最大限度を導入する必要があると結論した。

 

[BfR]「スポットオン」製品:イヌ用寄生虫製品をネコに使用しないこと

"Spot-on" products: Do not use parasite products for dogs on cats

30.11.2022

https://www.bfr.bund.de/cm/349/spot-on-products-do-not-use-parasite-products-for-dogs-on-cats.pdf

ダニやノミからペットを守るための「スポットオン」製品が市販されている。「スポットオン」は通常、寄生虫から守る液体製品である。皮膚に塗るものである。だが、ネコでは症状を悪化させる有効成分を含む可能性があり、適切に使用されない場合、中毒を起こしたり、最悪の場合死に至ることもある。この有効成分名は製品パッケージに掲載されている。ペルメトリン、ピレスロイド、ピレトリン、菊抽出物などの物質は、過剰量ではネコの健康に害を及ぼす可能性がある。

そのため、イヌ用製品をネコに使用しないことが特に重要である。イヌとネコは特定の有効物質に対して異なる反応をする。そのため、製品によってはイヌではよく効くが、ネコでは中毒になるものもある。さらに、パッケージに示された用量に忠実なことが重要である。より多くの用量はより大きな利益をもたらすのではなく有害である。

ネコに十分耐えられない有効成分が含まれる可能性もあるため、動物に直接使用しない製品にも注意が必要である。これは、例えば、動物の周囲に使用されるノミに対する製品にも当てはまる。そのような製品やそれらが使用される場所からネコを遠ざけておく必要がある。

ネコが、治療や接触後に、けいれん、震え、ふらつきなどの調整とバランスの問題、唾液分泌の増加、嘔吐や下痢などを患っていたら、すぐに獣医に相談した方がよい。使用した薬やそのパッケージを提示した方がよい。中毒と診断された場合、獣医またはその動物の所有者は、ドイツ連邦消費者保護・食品安全局に報告書を提出できる。

(https://www.bvl.bund.de/SharedDocs/Downloads/05_Tierarzneimittel/formulare/Formular_zur_Meldung_unerwuenschter_Ereignisse_ausfuellbar.html?nn=11033102)

このようにして、頻繁に中毒になる製品を特定でき、対策を講じることができる。

BfRのウェブサイトでのこの話題に関する詳細情報:

https://www.bfr.bund.de/en/a-z_index/biocides-129802.html#fragment-2

 

[BfR]難しいことではない

It's not rocket science

01.12.2022

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2022/44/its_not_rocket_science-309122.html

ダイオキシンはどうやって牛乳に入るのか?シガテラと呼ばれる魚の中毒とは何か?また、化学物質が健康に有害かどうかはどうすればわかるか? 今回のBfRサイエンス・スラムでは、このような研究内容を取り上げる。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の科学者が、聴衆の支持を得るために競い合いながら、ウィットとユーモアを交えて研究を発表する。映画、写真、小道具すべてが認められ、オリジナルであるほど良い。

20周年を記念して、BfRは2022年12月5日にHeimathafen Neukölln会場で第3回サイエンス・スラムを開催する。プログラムは、BfR の研究分野と同様に多様で、例えば、小麦粉や生地の細菌、魚による中毒、家禽製品の安全性あるいは化学物質による健康リスクの評価などのトピックが含まれる。各講演者は、専門家ではない聴衆向けに彼らの研究について10 分間話す。消費者の健康保護に関する科学的知見と問題を楽しく有益な方法で紹介する。「サイエンスバトル」の勝者は観客の拍手で決まる。

登録は、以下BfRアカデミーのウェブサイトから可能で、入場無料である。

https://www.bfr-akademie.de/english/slam-2022.html?___from_store=deutsch

BfRサイエンス・スラムは、一般の人々が理解できる方法で食品、製品及び化学物質の健康リスクに関する透明性とコミュニケーションを確実にするというBfRの法的義務に端を発す。幅広い聴衆の前で剣闘士のように科学的な交流を行うことで、研究所は通常の日常業務から抜け出し、研究を面白い方法で発表することができる。

BfRのYouTubeチャンネルで、前回2 つのイベントのビデオを見ることができる:

https://www.youtube.com/watch?v=qQozc01crIQ&list=PL4cxeorZOjEPdg_4xZlwv79wh3CalwFpy&index=11

https://www.youtube.com/watch?v=VDTEwOH5uUQ&list=PL4cxeorZOjEPdg_4xZlwv79wh3CalwFpy

 

[ANSES]CheniPRO:刺毛をもつ毛虫への職業暴露を評価する研究

CheniPRO: a study to assess occupational exposure to caterpillars with stinging hairs

06/12/2022

https://www.anses.fr/en/content/chenipro-study-assess-occupational-exposure-caterpillars-stinging-hairs

森や緑地で働く専門職の健康に刺毛をもつ毛虫はどのような影響を与えるか?ANSESとMSAは共同で全国調査CheniPROを行う。

2022年12月に無作為に選んだ5万人の専門家にアンケート調査への回答を呼びかける電子メールを送る

 

[RIVM]年次報告-複合ライフスタイル介入モニター2022

Annual report – Monitor Combined lifestyle intervention 2022. Combined lifestyle intervention progress report

02-12-2022

https://www.rivm.nl/publicaties/jaarrapportage-monitor-gli-2022-stand-van-zaken-gecombineerde-leefstijlinterventie

複合ライフスタイル介入(CLI)は栄養、健康的食生活、運動に関する個々のコーチングと助言からなる。2019年から成人のライフスタイルと行動変容を援助するために提供されている。特定の状態に対して基本的保険でカバーされている。RIVMはCLIをモニターして半年ごとに進捗報告をしている。2022年秋のデータではCLI参加者がさらに増加した。2019年から、48000人がCLI計画に参加した。CLI登録データによると、参加者の健康は開始前は相対的に悪い。660人の参加者の追跡では参加後9ヶ月で平均3.4%の体重減とQOLスコアの58.0 から 65.6絵の改善がみられた。

 

[EPA]EPAは州に有害PFAS汚染を減らすためのガイダンスを発表

EPA Issues Guidance to States to Reduce Harmful PFAS Pollution

December 6, 2022

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-issues-guidance-states-reduce-harmful-pfas-pollution

 

[ProMED]原因不明の死亡-ミャンマー:中毒疑い、情報求む

Undiagnosed deaths - Myanmar: poisoning susp, RFI

2022-12-04

https://promedmail.org/promed-post/?id=8707039

Date: Mon 28 Nov 2022 Source: BNI [edited]

Rakhine州Kyauktaw地区のThet Htin村でMro民族の家族6人が嘔吐、窒息、中毒症状で苦しんだ後死亡した。病院によると最初の調査では彼らがキノコとトウモロコシを食べたことがわかったので中毒とした。胃内容物検体を検査のためヤンゴンに送る

 

[COT]ポジションペーパー

Position papers 2022

Last updated: 28 November 2022

https://cot.food.gov.uk/2022-statementsandpositionpapers

 

-母親の食事中のカドミウムによるリスクの可能性についての声明

Statement on the potential risks from cadmium in the maternal diet (2022)

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-11/Cadmium%20maternal%20diet%20statement%20final%20Acc%20V.pdf

概要

COT statement on the potential risks from cadmium in the maternal diet: Lay Summary (2022)  November 2022

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-11/Cadmium%20maternal%20diet%20-05-22%20lay%20statement%20Acc%20V.pdf

COTは水、土壌、埃中のカドミウム濃度の暴露全体への寄与は小さく、母親の食事中カドミウムは健康上の懸念とはならないようだと結論

 

-食品中PFASの存在に関連するヒト健康リスクについてのEFSAの意見への声明

Statement on the EFSA Opinion on the risks to human health related to the presence of perfluoroalkyl substances (PFASs) in food (2022)

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-11/COT%20PFAS%20%20Statement%20on%20EFSA%20Opinion_2022_04.22%20Acc%20V_0.pdf

概要

Statement on the EFSA Opinion on the risks to human health related to the presence of perfluoroalkyl substances (PFASs) in food: Lay Summary (2022)  November 2022

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-11/COT%20PFAS%20Statement%200422_Lay%20summary_Final%20Acc%20V_3.pdf

COTは現時点ではデータが無いためTWIの代案が提案できないが、EFSAの設定したTWIには暴露推定と比較すると強い警告がある。TWIの導出方法の適切性とその根拠となった反応の生物学的意味に相当な不確実性がある。

 

-過剰なビタミンAの母親の健康への影響についての声明

Statement on the effects of excess Vitamin A on maternal health (2022)

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-10/Vitamin%20A%20in%20the%20maternal%20diet_Draft%20Final%20Statement%202%2BAB_V02%20SW.pdf

概要 Last updated: 16 November 2022

Lay Summary of the Statement on the effects of excess Vitamin A on maternal health.

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-10/Lay%20summary%20of%20Vitamin%20A%20%28Maternal%20Diet%29%20JR%2BAB%2BAB.pdf

どのくらいの量のビタミンAが生まれる前の子どもの奇形をおこすかについては多くの不確実性があるが、妊娠女性や妊娠を計画している女性はビタミンA摂取を制限すべきという現在の英国政府の助言は適切なままである。

 

-妊娠前、妊娠中、授乳中の過剰なヨウ素摂取の影響の可能性についての声明

Statement on the potential effects that excess iodine intake may have during preconception, pregnancy and lactation (2022)

August 2022

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-11/Statment%2002-22%20on%20the%20potential%20effects%20that%20excess%20iodine%20intake%20may%20have%20during%20preconception%20pregnancy%20and%20lactation%20Acc%20V.pdf

ヨウ素は必須である。個人のヨウ素状態は評価が困難で、尿中ヨウ素は良い指標ではない。妊娠中に過剰なヨウ素に暴露されると母親と胎児の甲状腺機能、出生アウトカム、子どもの成長と発育に悪影響を与える可能性がある。EFSAやJECFAが設定したHBGVsは母親の健康にとってリスクとはならないだろう。一般人の暴露レベルでは毒性学的懸念はないが、海藻を多く食べているヒトはリスクとなる可能性がある。現時点では入手可能なデータはHBGVsが妊娠女性にあてはまるかどうか評価するのに十分ではなく妊娠中や授乳中のリスクを評価できる暴露データがない

 

[COT]2022年12月14日の会合

COT Meeting: 14th December 2022

Last updated: 06 December 2022

https://cot.food.gov.uk/COTMeeting14thDecember2022

議題

・英国での缶コーティングの認可要請

・マイクロプラスチック暴露によるリスクの可能性についてのサブ声明:吸入ルート(二次案)

Sub-statement on the potential risk(s) from exposure to microplastics: Inhalation route (Second draft)

https://cot.food.gov.uk/Sub-statement%20on%20the%20potential%20risk(s)%20from%20exposure%20to%20microplastics:%20Inhalation%20route

・航空機の客室の空気-一酸化炭素と二酸化炭素

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-12/TOX-2022-65%20Aircraft%20cabin%20air%20CO2%20and%20CO.pdf

・EFSAの2022年のアクリルアミドの遺伝毒性評価についてのディスカッションペーパー

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-12/TOX-2022-66%20Acrylamde%20Acc%20V%20.pdf

・PFASの健康ベースのガイダンス値の要約

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-12/TOX-2022-67%20PFAS%20HBGVs%20%281%29.pdf

・ターメリックとクルクミンサプリメントのヒト健康リスクの可能性についての二次声明案

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-12/TOX-2022-68%20Turmeric%20supplement%20assessment_22_second%20draft%20statement%20Acc%20V.pdf

・FSA科学助言委員会の作業について

発生している問題

・SETE-COMAEPでの議論の更新

・コーデックスアレルギー報告書

Review of the Codex’s report on food allergen threshold levels

https://cot.food.gov.uk/Review%20of%20the%20Codex%E2%80%99s%20report%20on%20food%20allergen%20threshold%20levels

・タバコ香料再認可

・2023 COTワークショップ

2022年10月25日の会合の議事録

https://cot.food.gov.uk/Draft%20minutes%20of%20the%2025th%20October%202022%20meeting

 

[ASA]ASAと広告は60年で-変わり続ける

At 60, the ASA - and advertising - continues to change

07 Dec 2022

https://www.asa.org.uk/news/at-60-the-asa-and-advertising-continues-to-change.html

ASAは今年設立60年

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on BrewDog plc

07 December 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/brewdog-plc-a22-1162278-brewdog-plc.html

クラフトビールのマーケティングメールで、一日5単位の野菜や果物にカウントできるかのような印象を与えたことが基準違反

 

[Europol]危険な可能性のある馬肉を売った41人逮捕

41 arrests for selling potentially dangerous horse meat

01 DEC 2022

https://www.europol.europa.eu/media-press/newsroom/news/41-arrests-for-selling-potentially-dangerous-horse-meat

Europolとスペイン治安警察 (Guardia Civil)が合同で行った作戦では食用に適さない馬肉の販売を標的とした。この犯罪組織は食品偽装、マネーロンダリング、文書偽造を含む多数の犯罪に関与した。追跡可能でない肉はスペインで販売されたが、ベルギー、ドイツ、イタリアでも販売された

 

[USDA]ARSは初めてUSDA冬のマメ(エンドウ豆)を飼料用としてではなく食用として発表

ARS Releases First USDA Winter Peas for Food, Not Feed

December 6, 2022

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2022/ars-releases-first-usda-winter-peas-for-food-not-feed/

冬か秋に蒔く豆(Pisum sativum)は素晴らしい窒素固定能力をもち、現時点では主に太平洋側北西部でカバー作物や家畜飼料として栽培されている。しかしエンドウ豆にはヒトの食用としてのポテンシャルがあり、新しい3品種を発表した

(?)

 

論文

-ジャガイモのせいではなくあなたのせい:なぜジャガイモは評判が悪いのか

It’s not them, it’s you: Why potatoes don’t deserve their bad reputation

4-DEC-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/973147

じゃがいもは他の野菜のような利点はないかもしれないがそれでも健康的な選択肢である-あなたが正しく調理すれば

近年低炭水化物食が人気で、ジャガイモは人気が無い。実際に文献ではジャガイモの2型糖尿病発症リスク増のような健康への悪影響が示唆されていた。しかし54000人以上の長期にわたるデンマーク食事、がん、健康研究の食事報告の解析から、茹でたジャガイモとマッシュポテト・フライドポテト・ポテトチップスを分けると、茹でたジャガイモには糖尿病リスクとの関連はなくなる。問題は食事パターンである。ジャガイモを最も多く食べるヒトは同時にバター、赤肉、ソフトドリンクの摂取量も多い

Diabetes Care

 

-子どもたちはアルコールを大麻に代えている、米国の20年の研究が245%の増加を示す

Children are ditching alcohol for marijuana, as 20-year national US study shows a 245% increase

5-DEC-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/972855

6-18才の子どもたちの大麻濫用は2000年から245%増加し、一方アルコール濫用は減り続けている。Clinical Toxicology

 

-全ての微量栄養素は同じではない:研究が心血管系健康に利益があるいくつかのサプリメントを同定する

Not all micronutrients created equal: Study identifies some supplements that benefit cardiovascular health

5-DEC-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/973095

884以上の研究のメタ解析が、リスクを減らす微量栄養素としてオメガ3、葉酸、CoQ10を発見

Journal of the American College of Cardiologyに発表された27種の抗酸化サプリメントを評価したRCTの解析。

 

-妊娠中と分娩後の女性の薬物過剰使用死が記録的多数

Record high drug overdose deaths reported among pregnant and postpartum women

6-DEC-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/973396

Journal of Pediatricsに発表された解析。2017年から2020年の間に妊娠関連オーバードーズ死は180%以上増加。ベンゾジアゼピン、ヘロイン、処方オピオイドの関与する死亡は概ね一定だがフェンタニル、メタンフェタミン、コカインが大きく増加。特に2020年はフェンタニルが急増。

 

-BMIと大腸がんの分子サブタイプ

IARC

Body mass index and molecular subtypes of colorectal cancer

5 December 2022

https://www.iarc.who.int/news-events/body-mass-index-and-molecular-subtypes-of-colorectal-cancer/

Journal of the National Cancer Instituteに発表された研究。約12000人の大腸がん患者と11000人以上の対照群のデータを検討し、BMIが高いことは大腸がんリスクの増加と関連するが分子サブタイプによる関連の多様性はみられなかった

 

-見捨てられた ニューロテクノロジー失敗の人的コスト

Nature

Abandoned

The human cost of neurotechnology failure

By Liam Drew | 6 December 2022

https://www.nature.com/immersive/d41586-022-03810-5/index.html

電子埋植機器のメーカーがプロジェクトを放棄した時、その機器に頼っていた人々は全てを失う

 

SMC NZ

-ニュージーランドの科学システムの大改革-専門家の反応

Major makeover for NZ science system – Expert Reaction

07 December 2022

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2022/12/07/major-makeover-for-nz-science-system-expert-reaction/

“Te Ara Paerangi – 将来の道筋”白書を公表し、研究や革新を支えるシステムが総点検される

(コメント略)

 

-ニュージーランドの COVID-19対応についての王立委員会-専門家の反応

Royal Commission on NZ’s COVID-19 response – Expert Reaction

05 December 2022

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2022/12/05/royal-commission-on-nzs-covid-19-response-expert-reaction/

政府がCOVID-19対応について、王立委員会による調査を発表した。調査の目的は将来のパンデミックに備えるための教訓を集めることである。

(コメント略)

 

-輸血の科学の基本-専門家Q&A

The basics of blood transfusion science – Expert Q&A

04 December 2022

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2022/12/04/the-basics-of-blood-transfusion-science-expert-qa/

命に関わる開胸手術が必要な赤ちゃんの両親が、輸血はCOVID-19ワクチンを接種してない人からと要求している。医療を担当するTe Whatu Ora Health New Zealandは裁判所にワクチン接種したヒトの血液がほとんどであろう国の血液サービスの血液を輸血できるように暫定親権停止を求めている。火曜日にオークランド最高裁判所で聴聞が行われる。SMCは輸血とワクチンの血液への影響について専門家に説明を求めた。

(説明略。反ワクチンってこんなことになるのか)

 

その他

-SMC UK

超加工食品摂取と認知低下の関連を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at association of consumption of ultra-processed food and cognitive decline

DECEMBER 5, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-association-of-consumption-of-ultra-processed-food-and-cognitive-decline/

JAMA Neurologyに発表された研究が超加工食品摂取と認知低下の関連を調べた

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

これは超加工食品と各種健康影響についての絶え間なく続く研究の一つである。私の見解では、他の同様の研究と同じように解釈に深刻な困難があるが、この論文に関してはさらに特有の問題がある。

最初に、研究者らが何を言っているのかを明確にすることが重要である。要約では「一日のエネルギー摂取量に占める超加工食品の割合が高いことは多様な人種を含む成人での認知低下と関連する」と述べている。関連であって原因だとは限らない。

そしてさらに研究者らは一日のエネルギー摂取量に占める超加工食品の割合で区別した4つのグループ全てで年齢とともに何らかの認知低下を発見している-それは驚くべきことではなく悲しい人生の真実である。研究者らが見つけたのはその年齢に伴う低下の速度が、超加工食品の割合が一日のエネルギーの1/5以下の集団で他のグループよりほんの少し遅いことである。しかしその差は加齢に伴う全体的認知低下の速度に比べて相当小さい。

研究者が見つけたのは超加工食品を食べる量による違いではなく、超加工食品を最も少なく食べる人たちが他のグループとは違う、ということである。

(以下長い指摘略)

Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授

「超加工食品」は食事と病気との関連を結びつけるファッショナブルな用語になり、多くの研究が関連を示そうとする。ほとんどが観察研究で重大な限界がある:超加工食品摂取量を測定するのは極めて困難である。そのため著者らはたくさんの仮定をする必要がある。パンや肉はしばしば「超加工」に分類されるがしばしば間違っている。この研究もそうで、実質的にどんな結論も下せない。

この研究には幾分かの興味深い知見がある:他の多くの研究とは対照的に、超加工食品の摂取が収入の多さと教育の高さに関連していることで、そのため超加工食品を多く摂取する群で心疾患が少ないようだ。

Aston大学医学部登録栄養士で上級教育助手Duane Mellor博士

この研究はブラジルの大規模研究で、開始時に人々が言ったことと8年後の記憶と認知の関連を調べた。超加工食品という考えは興味深いものの、これらを多く食べるヒトは同時にカロリーも多く摂取していて研究者らが論文に砂糖塩脂肪の摂取に関する情報を含めていないのは恥ずべきことである。この研究では超加工食品と認知の関連は明確でもなく影響も小さい。従ってこれまでの助言を変えるものではない。

 

-PFOA:永遠の化合物についての正しいバランスをとる

Striking The Right Balance On PFOA: Forever Chemicals

By Michael Dourson — December 6, 2022

https://www.acsh.org/news/2022/12/06/striking-right-balance-pfoa-forever-chemicals-16707

EPAは現在米国全体に影響するだろう注目される決定を行う過程にある。EPAが提案する水のPFOAとPFOSの安全量は他の国の機関と甚だしく異なる。

これらの化合物は私たちが普通に食べる脂肪酸に類似するがフッ素化されているため水に強く分解されにくい。そのため日用品に多く使われてきた。

EPAの値は0.004pptと他に比べて非常に低く、たまにこの化合物を含む消火剤を使った消防署のある全米の小さな町や市は訴訟の危険に晒されるだろう。WHOはPFOAとPFOSについては全く違う知見をもつので、 EPAは考え直すべきだろう。WHOはEPAと同様のデータをもとに科学的不確実性が大きすぎて信頼できる安全量を推定できないと結論した。その代わりにリスク管理の判断としてPFOAについては100ppt、全ての関連化合物については500 pptが水中濃度として適切だろうとした。WHOの判断はEPAの現行の値70 pptより僅かに大きい。しかしこの値はオーストラリアの560 pptよりは低い。

Guardianの報道によると100人以上の科学者グループがWHOのPFAS基準は「弱い」と主張している。この騒動を理解するにはいくつか追加の事実が役に立つだろう。

・第一に、EPAの基準案の根拠になっているのは疑わしい影響を報告したたった一つのヒト観察研究で、それはFSANZが採用を却下したものである。

・二つ目は問題になっている100名以上の個人の署名の多くは大学人ではあるが、そのうち私がリスク評価分野で知っているのは一人だけである。多くの人は水の化学物質の安全量を決めることの専門家ではない

・三つ目は、Guardianの記者は知らないのかもしれないが、記事に出てくる人物二人は訴訟関係者である。そのような利害関係は科学の世界では開示することが普通である

私はPFOAとPFOSの安全レベルを開発するための国際協力の一員である。あなたの参加も歓迎する。

ARA( Alliance for Risk Assessment)

Range of the PFOA/S Safe Dose

https://tera.org/Alliance%20for%20Risk/Projects/pfoatwo.html

PFOAとPFASの安全量については世界中で10万倍もの違いがある。このプロジェクトは2022年9月に助言委員会の候補を呼びかけ、現在は選ばれ、今後一連の会合を行って2023年春までに結果を出す予定である。

課題についてはスライド参照

https://tera.org/Alliance%20for%20Risk/Projects/PFOA%20Keynote%20Adelaide.pdf