2023-01-16

[EFSA]意見等

-哺乳および離乳子豚用、豚肥育用、子牛飼育および肥育用のサッカリンナトリウムからなる飼料添加物の安全性

Safety of a feed additive consisting of sodium saccharin for suckling and weaned piglets, fattening pigs, calves for rearing and for fattening (FEFANA asbl)

EFSA Journal 2023;21(1):7710 13 January 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7710

(科学的意見)

 

[EU]RASFF 2023(0108-0114)

警報通知(Alert Notifications)

中国産ポテトマッシャーからの一級芳香族アミンの溶出、ポーランド産オーストリア経由紅茶のピロリジジンアルカロイド、米国産フードサプリメントのDMAA (ジメチルアミルアミン、メチルヘキサンアミン)の存在、モロッコ産ハーブティーのピロリジジンアルカロイド (PA)、ベルギー産鳥用配合飼料のヨウシュチョウセンアサガオの種子、中国産メキシコのナチョスの3MCPD及びグリシジルエステル類、ボリビア産白ゴマ種子のカドミウム、

注意喚起情報(information for attention)

トルコ産ブルガリア経由レモンのブプロフェジン(複数あり)、中国産ゼリーカップのゲル化剤(E407 & E410)、バングラデシュ産子供用メラミン製ディナーセットからのメラミンの溶出、中国産塩漬豚のケーシングのセミカルバジド、ドイツ産特別医療目的用食品の未承認物質パルミトイルエタノールアミド、チュニジア産チルドヨーロッパキダイの水銀、オンライン販売されているエストニア産フードサプリメントの未承認成分アシュワガンダ(Withania spp)、オランダ産米のトリシクラゾール、

通関拒否通知(Border Rejections)

インド産トルコ経由粉末ナツメグのオクラトキシンA過多及び未承認物質エチレンオキシド、ジョージア産ナッツのアフラトキシン、中国産キッチン用ヘラの一級芳香族アミン(PAA)の溶出、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、トルコ産生鮮ペッパーのフロニカミド、エジプト産ペッパーのフェンプロパトリン(複数あり)、インド産オクラの未承認物質アセフェート及びモノクロトホス、アゼルバイジャン産ヘーゼルナッツカーネルのアフラトキシンB1、エジプト産ネーブルオレンジのジメトエート、パキスタン産米のアフラトキシン、中国産乾燥昆布のヨウ素高含有、インド産トルコ経由ターメリック粉末の未承認残留農薬クロルピリホス及びエチレンオキシド、トルコ産ピスタチオのアフラトキシン、米国原産トルコ産殻付きピスタチオのアフラトキシン、エジプト産オレンジの未承認農薬クロルピリホス、トルコ産レモンのブプロフェジン、ドミニカ共和国産アボカドのカドミウム、米国産フードサプリメントの二酸化チタン(E171)、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン、

 

[Defra]イングランドにおける使い捨てプラスチックの広範囲に及ぶ禁止

Far-reaching ban on single-use plastics in England

14 January 2023

https://www.gov.uk/government/news/far-reaching-ban-on-single-use-plastics-in-england

政府の意見募集を経て2023年10月から一連の汚染源になる使い捨てプラスチックが禁止されるだろう

環境大臣Thérèse Coffeyが、イングランドでは一連の汚染源になる使い捨てプラスチックが禁止されるだろうと本日発表した。

使い捨てプラスチック皿、トレー、ボウル、カトラリー、風船の棒、ある種のポリスチレンカップや食品容器など。2023年10月から、人々はこれらの製品をどんなところでも買うことはできない

包装済み食品のパッケージに使われるトレイやボウルは高いリサイクル目標を設定した製品責任法計画に含まれるためこの禁止対象ではない

 

-通常捨てられる使い捨てプラスチック製品:エビデンス募集

Commonly littered single-use plastic items: call for evidence

Last updated 14 January 2023

https://www.gov.uk/government/consultations/commonly-littered-single-use-plastic-items-call-for-evidence

意見募集の結果

要約と政府の対応

Summary of responses and government response

Updated 14 January 2023

https://www.gov.uk/government/consultations/commonly-littered-single-use-plastic-items-call-for-evidence/outcome/summary-of-responses-and-government-response

2020年にプラスチックスとローや飲み物のかき混ぜ棒と綿棒の供給を制限し2023年10月からは使い捨てプラスチック皿、カトラリー、風船のプラ棒、発泡及び押し出しポリスチレン製食品と飲料の容器の供給を禁止する意向を発表している。2021年11月にさらなる禁止提案とともに、将来の政策のために通常捨てられる問題のあるプラスチックアイテムについての根拠を求めた。特にウェットティッシュ、タバコのフィルター、小袋、使い捨てコップおよび再利用や詰め替えの障害を克服するために政府ができること、に関心がある。

合計2173の意見があり内容は以下。

(ウェットティッシュ禁止に96%賛成で結構な割合で医療用の例外は反対で綿製を洗って使えとか、COVID-19検査キットの小袋すら禁止しろとか、再利用の衛生上の懸念を教育で何とかしろとか。)

 

[ProMED]ネコ汎血球減少症-英国:致死、食品リコール、カビ毒

Feline pancytopenia - UK: fatal, food recall, mycotoxins

2023-01-15

https://promedmail.org/promed-post/?id=8707793

Date: Thu 12 Jan 2023 Source: VIN [edited]

英国のネコの病気のアウトブレイクの犯人はおそらくカビ毒

2021年に少なくとも365匹のネコを殺しさらに数百頭を病気にした汎血球減少症アウトブレイクの犯人として研究者は真菌が作る毒素に狙いをつけた。カビ毒はリコールされたペットフードの3ブランドに使われていたポテトフレークに同定された

Journal of Internal Veterinary Medicineに2023年1月7日発表された研究二つ。

トリコテセンカビ毒、T-2および HT-2が欧州基準を超えていた。またジアセトキシスシルペノールdiacetoxyscirpenolも検出されている。

研究者が注記すべきこととして、問題のあった3ブランドは全て「穀物フリー食」と宣伝されていた

 

An investigation into an outbreak of pancytopenia in cats in the United Kingdom

Barbara Glanemann et al.,

Journal of Veterinary Internal Medicine /Early View

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jvim.16615

 

Clinical and clinicopathological features and outcomes of cats with suspected dietary induced pancytopenia

Barbara Glanemann et al.,

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jvim.16613

オープンアクセス

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 225-23

​​16 January 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notificationcircular225-23.aspx

意見募集

・アルコール飲料へのエネルギー表示

Call for submissions on proposed energy labelling on alcoholic beverages

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-submissions-on-proposed-energy-labelling-on-alcoholic-beverages.aspx

 

改訂

加工助剤としてのGM Bacillus licheniformis 由来αアミラーゼ、植物ベースのミルク代用品への新規食品としての植物ステロール、植物スタノールあるいはそのエステルの添加

 

論文

-アヘン使用と肺がんリスク:イランでの複数センター症例対照研究

Opium use and risk of lung cancer: A multicenter case-control study in Iran

Hamideh Rashidian  et al., Int J Cancer. 2023 Jan 15;152(2):203-213.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36043555/

IARC

最近IARCがアヘンをヒト発がん物質と分類した。627人の症例と3477人の対照でアヘン使用と肺がんの関連を評価した。定期的アヘン使用は全く使用しない人と比べて肺がんリスク3.6倍で、強い用量-反応関連があった

 

-人工肉産業の世界的商品化が直面する課題のレビュー

A Review of the Challenges Facing Global Commercialization of the Artificial Meat Industry

by Weijun Liu et al., Foods 2022, 11(22), 3609

https://www.mdpi.com/2304-8158/11/22/3609

 

-肥満団体が子どもの肥満に関する小児科学会の新しい臨床ガイドラインを支持する声明を発表

Obesity-focused organizations issue statement in support of new AAP clinical guideline on childhood obesity

13-JAN-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/976540

The Obesity Society (TOS) と Obesity Action Coalition (OAC)が小児科学会の新しい臨床ガイドラインを支持

 

-意図せぬ大麻中毒と全原因による中毒での子どもの入院はカナダでの食用大麻製品合法化と販売に関連する

Pediatric Hospitalizations for Unintentional Cannabis Poisonings and All-Cause Poisonings Associated With Edible Cannabis Product Legalization and Sales in Canada

Daniel T. Myran et al.,

JAMA Health Forum. 2023;4(1):e225041

https://jamanetwork.com/journals/jama-health-forum/fullarticle/2800316

カナダは2018年10月に大麻を合法化したが当初は食用は禁止していた。2020年1月から一部の州で食用大麻の市販を認めた。この研究では2015年1月から2021年9月までの4州での0-9才の子どもの全ての入院を対象に調査した。その結果食用大麻を認めたことと子どもの入院の大きな増加に関連があった。食用大麻が合法な州では中毒による子どもの入院の約1/3が大麻が原因である

(お菓子に入れるのを認めるのがおかしい、医薬品でそんなこと考えない)

 

- THE LANCET

COVID-19パンデミック:終わってはいない

The COVID-19 pandemic in 2023: far from over

THE LANCET EDITORIAL| VOLUME 401, ISSUE 10371, P79, JANUARY 14, 2023

中国の突然の方針変更とそれへの海外の対応等

 

オフライン:危険の数学

Offline: The mathematics of danger

P91  Richard Horton

先週Rishi Sunak英国首相が全ての学生が18才まで何らかの形で数学を学ぶようにしたいという野心を発表した。彼は数学を憎む人たちから厳しく批判されたが彼の動機は正当である。イングランドの成人800万人は小学校の子どもの数字の読み書き技術しかない。定量的及び統計を理解する力がますます重要になる世界で、数学の重要性に注目させたことは正しい。しかし数学は万能薬ではない。1年前、「1日20万人の感染」の主張を巡って激しい議論が巻き起こった。これはUKHSAの将来のオミクロン感染可能性についての数で、当時の感染数は6万以下でクリスマスをどうするかが問題になっていて、議員が「ヒステリックな予想だ」と激しく反応した。Daily MailはBoris首相対科学者の戦いと呼んだ。数学モデラーはシナリオは予測ではないと強調して擁護しようとした。1月9日までには制限維持を提案していた科学者は急速に後退した。London School of Hygiene and Tropical Medicineのワクチン学教授Brendan Wrenは1月11日にDaily Mailに「時代遅れのモデル」を使って「欠陥のある予測をした」と指摘する非難記事を書いた。こうした信用できないデータの良くない物語がUKHSAの信頼性を毀損すると示唆した。

医学コミュニティはこの科学的思い上がりのエピソードを忘れたかのように見えるが、数学モデルへの一般の人々の信頼はこれらの出来事によってダメージを受けている。UKHSAのSAGEは最終的にそのシナリオは間違いだったと合意した。2022年1月末には、数週間前にこの世の終わりを提案した同じモデラーがパンデミックの最悪期は終わったと言った。人々がそれを聞いてどう思うか?Kit Yatesのような数理生物学者はモデルの結果を受け止める側が基本的に理解していないことが悪いと非難する。SAGEの科学者はもっとも最悪なシナリオを考えるのが仕事だと主張する。しかしこの議論の現実の帰結はデマの反乱である

著書Escape from Model Landで、Erica Thompsonは数理モデラー自身で公衆衛生政策の場で使われるモデルから学ぼうとする。彼女はモデラー仲間に極めて批判的である。モデルは単なる数学だけの問題ではない。モデルは解決法を示さない。Thompsonの結論は「「科学に従う」という考えは無意味である」。Rishi Sunakと数学モデラーは彼女の本を読むべきである。

 

モデルランドからの脱出:数理モデルが如何にして我々を道に迷わせ、それについてどうすればよいか

Escape from Model Land: How Mathematical Models Can Lead Us Astray and What We Can Do About It

Erica Thompson 2023/11/23

 

その他

-生産者が卵不足と高値に取り組み、ケージフリー卵の増加は停止するだろう

Growth of cage-free eggs may be paused while producers deal with shortages and high prices

By Dan Flynn on January 13, 2023

https://www.foodsafetynews.com/2023/01/growth-of-cage-free-eggs-may-be-paused-while-producers-deal-with-shortages-and-high-prices/

アメリカの卵業界の情報誌によると、約半分の鶏卵生産者は2025年もケージを使い続けるだろう。州の規制や住民投票、食品サービス業からの要請でケージフリー卵への転換が進んでいたが、Walmart や Krogerが100%ケージフリー計画を取り下げるなど卵不足と高値が問題になっている

 

-COVIDの犠牲者は増え続けているが、アメリカ人は深刻に受け止めていない

COVID’s Toll Continues To Rise, But Americans Aren't Taking It Seriously

By Henry I. Miller, MS, MD — January 13, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/01/13/covid%E2%80%99s-toll-continues-rise-americans-arent-taking-it-seriously-16789

XBB.1.5が急速に拡大し12月以降入院患者が急増しているがマスクをしている人はますます少なくブースターワクチンの接種率も低いままである。パンデミックの全体で米国は先進国の中でも最悪の死亡率だった。それを防ぐ安全で有効なツールがあるのに、使っていない。

 

-コンシューマーラボ

丸ごと、挽いた、粉砕した亜麻仁レビュー

Whole, Ground, and Milled Flaxseed Review

01/12/2023

https://www.consumerlab.com/reviews/flaxseed-whole-ground-and-milled/flaxseed-food/

注意:亜麻仁製品から高濃度のカドミウムが検出された

他の製品の4-5倍のカドミウムを含む製品がいくつかあった。原因は品種と土壌による可能性が高いが、表示や見た目で判断できない

 

-デトックスキットに結合剤は不要、デトックスキットが不要

You Don’t Need a Binder in Your Detox Kit, and You Don’t Need a Detox Kit

Jonathan Jarry M.Sc. | 13 Jan 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking-health-and-nutrition/you-dont-need-binder-your-detox-kit-and-you-dont-need-detox-kit

デトックス処方自体が間違った考えだが、最新の目新しいもの、バインダー(結合剤)、を買わないと不完全になった

自称「寄生虫クイーン」Kim Rogersが寄生虫洗浄用キットParaFy kitを売っていてそれに彼女が結合剤と呼ぶシナモンと活性炭の混合物“Cinnabin”が含まれる

重要なメッセージ

-結合剤はウェルネス業界が販売している粘土や活性炭のような天然物で、「毒素」とくっついてあなたの身体がそれを再吸収するのを止めて病気になるのを予防すると主張されている

-デトックスが必要という考えがしっかりした科学に基づくものではない

 

-私たちはトリグリセリドについて心配することを(ほとんど)止められる

We can (mostly) stop worrying about triglycerides

Christopher Labos MD, MSc | 13 Jan 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical/we-can-mostly-stop-worrying-about-triglycerides

トリグリセリド濃度が極めて高い場合には膵炎につながる可能性があるので治療に理がある。しかしそうでない場合には高トリグリセリド血症の治療のエビデンスは薄弱である。目的が心血管系イベントの予防なら、血管を詰まらせるコレステロール粒子に集中した方が役に立つだろう。

 

-お茶にミルクを加えるべきかミルクにお茶を加えるべきか?

Should you add milk to tea, or tea to milk?

Ada McVean M.Sc. | 13 Jan 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/history-you-asked/should-you-add-milk-tea-or-tea-milk

ミルクが先派とお茶が先派はどちらもその方が優れていると主張する。でも正しい?

しっかりした科学的根拠が見つけられなかった。でも将来の研究はISO3103(比較のためのお茶の入れ方)に従って行われるべきだろう

 

-誇大宣伝、希望、レカネマブ

Hype, Hope and Leqembi

Joe Schwarcz PhD | 11 Jan 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical/hype-hope-and-leqembi

新しいアルツハイマー薬が盛大なファンファーレで登場したが、どのくらいの大きさで角笛を鳴らすべきなのだろう?

相当な副作用があり初期のアルツハイマーの一部の患者に最小限の利益があるかもしれない法外な値段の薬は、大躍進とはとても言えない

(長い記事、結論のみ)

 

-動画

Dr. Joe Schwarcz竜涎香について議論する

Dr. Joe Schwarcz discusses ambergris

https://www.youtube.com/watch?v=4Bf5OOLtBV0

現在は香料成分の合成品もあるが。鯨油の話も。

 

Cup o'Joeのナッツについて

Cup o'Joe-Nuts o You

https://www.youtube.com/watch?v=l0Q19Xffpyc

クルミが脳に似ているから脳に良いという説があるが、学生の不安とクルミ摂取の研究紹介