2023-02-01

[FDA]FDAはベビーフード中の鉛のアクションレベルに関する事業者向けガイダンスを発表

FDA Issues Guidance for Industry on Action Levels for Lead in Baby Foods

January 24, 2023

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-guidance-industry-action-levels-lead-baby-foods

本日、米国食品医薬品局(FDA)は、「Action Levels for Lead Intended for Babies and Young Children: Draft Guidance for Industry(赤ちゃん及び小さい子供向け食品中の鉛のアクションレベル:事業者向けガイダンス案)」を発表し、パブリックコメントを求めた。FDAが「よりゼロに近づける(Closer to Zero)」で概説したように、本ガイダンスと他の活動が、時間をかけて、食品中の鉛の濃度を可能な限り減少させるよう、業界を導くことを期待する。本ガイダンス案は、栄養価の高い食品の入手を維持しつつ、鉛、ヒ素、カドミウム及び水銀への食事暴露とそれに伴う健康への影響を低減するというFDAの目標を支持するものである。

本ガイダンス案の対象となる食品は、瓶、袋、タブ容器、箱などに包装された食品など、特に2歳未満の赤ちゃん及び小さい子供向けと表示又は宣伝された加工食品である。これらの食品の原材料である果物、野菜、穀物及び動物などの農産物は、栄養素を取り込むのと同じように環境中の汚染物質を取り込むため、鉛が存在する可能性がある。これらの食品は子供の成長と発達に不可欠な栄養素を提供すると同時に汚染物質への暴露源となる可能性もある。

環境やフードサプライから鉛を完全に除去することはできないが、食品中の鉛濃度を下げることは可能である。アクションレベルは、一定レベルの汚染物質が避けられない場合、FDAが食品中の化学汚染物質の濃度を下げるために用いる規制ツールの一つであるが、業界が達成すべき最低基準を設定することを意図しているわけではない。「Closer to Zero」計画の下、FDAは赤ちゃん及び小さい子供向け製品中の鉛の濃度を可能な限り低くするために行動をとることを約束している。拘束力はないが、FDAは、特定の事例で執行措置をとるかどうかを検討する際に、他の情報に加え、このアクションレベルを考慮する。アクションレベルの有無にかかわらず、すべての食品について、FDAは鉛の濃度が食品の安全性を損なうと判断した場合、製造業者と協力し、その製品が米国市場に流入又は残留することを防止するなどの措置を講じる。

本ガイダンス案は、消費者への食品の選択の指示を意図するものではない。FDAは、保護者や保育者が、野菜、果物、穀物、乳製品及びタンパク質を含む食品、また本ガイダンス案で取り上げた食品を含め主要な食品群の中で、年齢に応じた様々な栄養密度の高い食品を子供に与えるよう助言している。保育者は、加工食品や包装された赤ちゃん及び小さい子供向けの食品を捨てたり、特定の食品を食べさせることやめたりする必要はない。子供の食事から食品群全体を排除すると、栄養不足や健康状態の悪化を招く恐れがある。

食品の分類に対するアクションレベルを特定するために、FDAは他の要因とともに、食事による暴露がFDAの暫定参照値である2.2 μg/日を超えない範囲の鉛の濃度を考慮した。本ガイダンス案の対象となる食品を食べる赤ちゃん及び小さい子供について、FDAは、これらのアクションレベルにより、これらの食品からの鉛への暴露が24-27%程度減少すると推定する。

FDAは、製造業者が自社製品中の鉛の存在を低減又は排除するために必要な予防的管理を実施していることを確認しつつ、本ガイダンス案で同定された食品中の鉛濃度の低減における業界の進捗をモニターする。さらに、我々は食品中の鉛の量を低減するための科学的進歩と、鉛暴露による健康への影響を低減するために栄養が果たす役割を引き続き評価する。アクションレベルを最終決定する前に、関係者の意見やその他の情報やデータを評価し、さらなる調整が必要かどうかを判断する。FDAは、ガイダンス案の概要を説明し、関係者の質問に答えるためのウェビナーを開催する予定である。本ガイダンス案に関する意見は2023年3月27日まで受け付ける。

 

-赤ちゃん及び小さい子供向け食品中の鉛のアクションレベル:事業者向けガイダンス案

Action Levels for Lead in Food Intended for Babies and Young Children: Draft Guidance for Industry

January 24, 2023

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/draft-guidance-industry-action-levels-lead-food-intended-babies-and-young-children

(一部抜粋)

序論

FDAは食品中の鉛の低減に取り組んでいる。FDAの「よりゼロに近づける(Closer to Zero)」行動計画は、科学的根拠に基づく反復的なアプローチで、アクションレベルの設定を含め、食品中の鉛を含む有害元素を長期的に減少させることを目指すものである。本ガイダンスは事業者に向けて、赤ちゃん及び小さい子供向けの加工食品*1に含まれる鉛に関するFDAのアクションレベルについて、その背景と根拠を紹介するものである。FDAは、本ガイダンスに記載されたアクションレベルについて、鉛を最小限に抑えるための措置を講じれば達成可能であると考えている。アクションレベルはFDAが食品を異物混入(adulterated)とみなす可能性がある濃度であり、特定の事例で執行措置を行うべきかどうかを検討する際に、測定された分析値に対する信頼度などの他の要因に加えて、これらのアクションレベルを考慮する。

一般に、FDAのガイダンス文書は、法的強制力のある責任を確立するものではない。その代わり、あるトピックに関するFDAの現在の考え方を記述するもので、特定の規制又は法的要件が記載されていない限り、推奨事項とみなすべきである。

 

*1:赤ちゃん及び小さい子供向けの加工食品とは、特に2歳未満の赤ちゃん及び小さい子供向けであると説明又は表示された、瓶、袋、タブ型容器、箱などに包装された食品のことである。それらの食品には、そのまま喫食可能な食品(例:ピューレ)だけでなく半調理済み食品も含む(例:乾燥乳児用シリアル)。生鮮農産品や自家製食品(例:家庭で調理された果実ピューレ)は含まれない。本ガイダンスは乳児用調製乳と飲料品(幼児用を含む)には適用しない。ジュース中の鉛については、別途ガイダンス案(下記)を提供している。

Draft Guidance for Industry: Action Levels for Lead in Juice(APRIL 2022)

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/draft-guidance-industry-action-levels-lead-juice

 

赤ちゃん及び小さい子供を対象とした食品中の鉛に対するFDAのアクションレベル

連邦規則21CFR109.6に基づき、2歳未満の赤ちゃん及び小さい子供を対象とした加工食品中の鉛に対する可能なアクションレベルを評価する際、以下のようないくつかの事項を考慮した:

アクションレベルは、消費者が暫定参照値(interim reference levels: IRLs)を超える濃度の鉛に暴露される可能性を最小限に抑えるべきである;

適宜、簡略化のためにアクションレベルは限られた数にすべきである;

アクションレベルは鉛への暴露を低減させるものでなければならない;

鉛濃度がすでに比較的低いベビーフードについては、達成可能性が90-95パーセンタイルとなる範囲でアクションレベルを設定するべきである。

 

これらの考慮点、連邦規則21 CFR 109.6の適用基準、及びデータの解析に基づき、赤ちゃん及び小さい子供向けの加工食品に含まれる鉛のアクションレベルを以下のように特定した:

果物、野菜(根菜類の単一食材の製品を除く)、混合品(穀類と肉を主原料とする混合品を含む)、ヨーグルト、カスタード/プリン、単一食材の肉類:10 ppb

根菜類(単一食材):20 ppb

乾燥乳児用シリアル:20 ppb

 

果物、野菜(根菜類の単一食材の製品を除く)、混合品(穀類と肉を主原料とする混合品を含む)、ヨーグルト、カスタード/プリン、単一食材の肉類の製品は、いずれも鉛濃度が低いため、アクションレベルは10 ppbで設定可能である。達成率は96%であり、赤ちゃん及び小さい子供の鉛への食事暴露量を90パーセンタイル消費レベルで26%低減させる。

この解析に使用されたデータによると、根菜類を単一食材とする製品は他の野菜よりも鉛の濃度が高い。根菜類は他の作物よりも土壌から鉛を吸収しやすい。さらに、アクションレベル10 ppb(本ガイダンスで他の野菜製品に提示されているアクションレベル)では、根菜類の達成率はわずか71%であった。根菜類については、達成可能性を考慮しつつ、アクションレベル20 ppbが、鉛への著しい暴露の可能性を最小化するのに役立つと期待される。アクションレベル20 ppbの場合、根菜類の達成率は88%であり、赤ちゃん及び小さい子供の鉛への食事暴露量を90パーセンタイル消費レベルで27%低減させる。根菜類は赤ちゃん及び小さい子供の成長と発達に重要ないくつかの栄養素の供給源であり、アクションレベルが低いと、赤ちゃん及び小さい子供向けの単一食材の根菜類食品の市場での入手性が低下する可能性がある。したがって、単一食材の根菜類を独自のカテゴリーに分類することが適切であると考えている。

消費者がIRLを超える鉛に暴露される可能性についてのデータを評価する際、特定の製品固有の事項も考慮した。例えば、乾燥乳児用シリアルは幼児に初めて与えられる食品であることが多く、発育の重要な時期に長期間にわたって消費される唯一の固形食品となる可能性がある。これらを考慮し、FDAは乾燥乳児用シリアルについて、十分に健康を保護できるアクションレベルを設定した。20 ppbのアクションレベルでは、乾燥乳児用シリアルの達成率は90%であり、赤ちゃん及び小さい子供の鉛への食事暴露量を90パーセンタイル消費レベルで24%低減させる。

 

-FDAは赤ちゃん及び小さい子供向け食品中の鉛のアクションレベルに関する事業者向けガイダンス草案のウェビナーを開催

FDA to Hold Webinar on the Draft Guidance for Industry on Action Levels for Lead in Food Intended for Babies and Young Children

January 26, 2023

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-hold-webinar-draft-guidance-industry-action-levels-lead-food-intended-babies-and-young-children

FDAは2歳未満向けの食品中の鉛のアクションレベルに関する事業者向けガイダンス草案のウェビナーを2023年3月2日午後1時(東部時間)に開催する。ウェビナーでは、FDAがガイダンス草案の概要を説明し、利害関係者の質問に答える。

*登録URL:https://www.surveymonkey.com/r/C2Z-March-2023

*ウェビナーのスケジュール及び講演者:https://www.fda.gov/food/workshops-meetings-webinars-food-and-dietary-supplements/stakeholder-webinar-action-levels-lead-food-intended-babies-and-young-children-draft-guidance

 

[Codex]プレスリリース

-世界食料農業フォーラム専門家パネル / コーデックスのシステムは未来に適しているか?

GFFA Expert Panel / Is the Codex system fit for the future?

21/01/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1628910/

コーデックスの専門家によるパネルディスカッション「コーデックス制度は将来に適しているか」が2023年1月20日金曜日、ドイツの連邦食料農業省(BMEL)主催の年次世界食料農業フォーラム(GFFA)で開催された。FAOのMaria Helena Semedo事務局次長は農業、環境、ヒト及び動物の健康における相互に関連した課題に対応する必要性について触れ、「より柔軟で機敏、そしてより野心的なコーデックス」が求められると述べた。

パネルディスカッションでは、コーデックスにおける科学の役割、現在のガバナンスと権限が目的に合っているか、また、コーデックスが次の60年を迎えるにあたって、コーデックスの食品安全規格は適切な量と種類を設定しているか、などが話し合われた。

*GFFAサイト:https://gffa-berlin.de/en/

 

-農相会議は科学に基づく規格策定機関の重要な役割を強調する

Agriculture Ministers underline critical role of science-based standard-setting organizations

23/01/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1628943/

2023年1月21日に第15回ベルリン農相会議が開催され、「農業食料システムの変革:複数の危機に対する世界的対応」をテーマに行われた。Tom Heilandtコーデックス事務局長は、世界の食料システムに関する協力を向上させるために、あらゆる国際的な場を活用することの重要性を説き、またコーデックスのような世界的な仕組みが、政策の一貫性を推進し、強化することもできると説明した。

出席した約70カ国が合意した会議の最終共同声明で、コーデックスの役割が強調された:「我々は、ワンヘルス・アプローチに沿った食料システムの変革において、セクター横断的な協力を強化することを約束する。この点で、我々は、コーデックス委員会、国際植物防疫条約(IPPC)、世界動物保健機関(国際獣疫事務局:OIE)などの科学に基づく国際的な規格策定機関の重要な役割に注目する。」

*共同声明全文

https://www.bmel.de/SharedDocs/Downloads/EN/_International-Affairs/gffa-2023-communique-en.html

 

-北米・南西太平洋地域調整部会(CCNASWP)のVinesh KumarがFAO/WHO地域会議が近づく中、フィジーの舞台を設定する

CCNASWP / Vinesh Kumar sets the scene for Fiji as the FAO/WHO regional meeting approaches

26/01/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1629298/

Vinesh Kumarはフィジーの農業事務次官で、2023年1月31日から2月3日までナンディで開催されるFAO/WHO北米・南西太平洋地域調整部会(CCNASWP)の議長を務める。フィジーはカバ規格の進展に関与しており、残留農薬や薬剤耐性などの国内分野でも関心がある。CCNASWPセッションは、食品輸出業者などのグループに、彼らが経験する貿易障壁のいくつかを克服するのに役立つコーデックスの食品安全規格の価値の可能性を知らせる機会になる。コーデックスと国全体の開発の観点から提供できるものを共有したいと考えている。

 

-北米・南西太平洋地域調整部会(CCNASWP)/フィジー会合は再び繋がる絶好の機会

CCNASWP / Fiji meeting an excellent opportunity to reconnect

29/01/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1629550/

FAOのDirk Schulz氏は、セッションの準備が終わりに近づき「2019年に地域として最後に会合した後、今回の第16回CCNASWPは、地域の食品規格と食品管理に関して再び繋がる及び意見交換の絶好の機会を提供する」と述べた。WHOのJessica Kayamori Lopez氏は、「今次会合は、この地域の優先事項を再検討し、パンデミックが課した食品安全システムの調整と適応について加盟国から意見を聴く絶好の機会である。それに基づいて、加盟国が直面している主要な課題に対処するために私たちの行動を調整し支援を相乗効果で発揮できることを願う」と述べた。

*CCNAWP16

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/meetings/detail/en/?meeting=CCNASWP&session=16

 

[UKHSA]HPR volume 17 issue 1: news (30 January 2023)

Published 30 January 2023

https://www.gov.uk/government/publications/health-protection-report-volume-17-2023/hpr-volume-17-issue-1-news-30-january-2023#lead-exposure-in-children-in-england-annual-report-in-summary

・イングランドの子どもたちの鉛曝露:年次報告書要約

2021年始めに子どもの鉛曝露による害のレビューが行われ、介入レベルをそれまでの0.48 μmol/L  (≥10μg/dl相当)から0.24μmol/L (≥5μg/dl相当)に半減するよう助言した。それが2021年7月5日に発効した結果、子どもの鉛曝露サーベイランスで報告される数が有意に増えた。2021年は血中鉛濃度が高いと報告された例は121人で2020年は35人だった。しかし疫学的傾向は前年までと同様であった。典型的症例は貧困地域に住む1-4才の男の子である。

Lead Exposure in Children Surveillance System (LEICSS)

annual report 2022

Summary of 2021 data

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1128326/hpr0123_LEICSS_2021.pdf

 

[UKHSA]予防接種への態度:全国調査

Attitudes to vaccination: national surveys            

Last updated 31 January 2023

https://www.gov.uk/government/collections/parental-attitudes-to-vaccination-in-young-children

両親と小さい子どもにワクチンとそれが守る病気への見解を尋ねる調査

最新が2023年1月31日

Childhood vaccines: parental attitudes survey 2022 findings

https://www.gov.uk/government/publications/childhood-vaccines-parental-attitudes-survey-2022

スライドがダウンロードできる

調査依頼メールを328,542の保護者のアドレスに送って、メールを開いたのが43190で調査用リンクをクリックしたのが2168。リマインダーをあわせて1620が調査を開始、完了したのが1748。

回答者の97%が女性、白人英国人が多い

基本的にはワクチンは安全だと思っているし受けるという人が多い

(反ワクチンの人はUK HSAからの調査には協力しないかも)

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on Not Guilty Food Co Ltd t/a The Skinny Food Co

01 February 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/not-guilty-food-co-ltd-a22-1168734-not-guilty-food-co-ltd.html

ソーシャルメディア(自社サイト)での、Skinny Food Chocaholic Snack Pot(自社の製品)とオレンジ、ブドウ、リンゴなどの各種果物の砂糖含量比較。例えばオレンジには「17gの砂糖」という文章と角砂糖4個と少しの画像を出し、自社製品は果物より砂糖が少ないと宣伝。

栄養強調表示は登録されたもののみが認められていて、栄養比較は同じカテゴリーの食品での違いに関するものでなければならない。この広告はカテゴリーが違う。さらに自社製品は22gあたりなのに果物は100gあたりの値を比べていてそれも広告基準違反である。

 

[EU]SCHEERパブリックコメント募集

Preliminary Opinions open for comments / public consultation

https://ec.europa.eu/newsroom/sante/redirection/item/774897/en/259

水枠組み指令優先物質の環境基準案についての科学的意見

-5-6員環多環芳香族炭化水素(PAHs)

Scientific Opinion on "Draft Environmental Quality Standards for Priority Substances under the Water Framework Directive" - 5-6 rings PolyAromatic Hydrocarbons (PAHs)

https://health.ec.europa.eu/publications/scheer-scientific-opinion-draft-environmental-quality-standards-priority-substances-under-wfd-5-6_en

 

-トリブチルスズ

Scientific Opinion on "Draft Environmental Quality Standards for Priority Substances under the Water Framework Directive" - Tributyltin Compounds

https://health.ec.europa.eu/publications/scheer-scientific-opinion-draft-environmental-quality-standards-priority-substances-under-water-18_en

いずれも2023年1月31日公表、2023年3月1日まで意見募集

 

[RIVM]錫と無機錫化合物の生殖毒性についての入手可能なデータの概要

An overview of the available data on the reproduction toxicity of tin and inorganic tin compounds

31-01-2023

https://www.rivm.nl/publicaties/overview-of-available-data-on-reproduction-toxicity-of-tin-and-inorganic-tin-compounds

本文英語

https://www.rivm.nl/bibliotheek/rapporten/2022-0200.pdf

140頁

 

[COT]2023年2月7日の会合

COT Meeting: 7th February 2023

Last updated: 31 January 2023

https://cot.food.gov.uk/COT%20Meeting%3A%207th%20February%202023

・2022年12月14日の会合の議事録

https://cot.food.gov.uk/Draft%20minutes%20of%20the%2014th%20December%202022%20meeting

食品アレルゲンのリスク評価に関する臨時合同FAO/WHO専門家委員会の報告に関して。

専門家委員会はVITAL 3.0. に基づく惹起用量Eliciting Dose (ED) 05 でのmgタンパク質をRfDとしている。FSAや一部の食品業者の行ったリスク評価はED01に基づく。ED01をED05にするのは相当な変更である可能性があり、COTは以前小麦粉の偶発的大豆混入問題を検討して限度をED05に緩和すべきでないと助言している。そのため食品過敏症制作チームがCodexの閾値に関する報告全文をレビューすることになった。COTに小委員会をつくって外部専門家も検討する。

FSAは2023年にアクリルアミドの完全レビューを予定している

・パンと小麦粉規制における強化ガイダンスレベル見直しについての最初の声明案

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2023-01/TOX_2022_03%20-%20First%20Draft%20statement%20on%20the%20guidance%20levels%20for%20fortificants%20in%20the%20bread%20and%20flour%20regulations%20%28BFR.pdf

・COT年次報告2022

https://cot.food.gov.uk/2022%20Annual%20Report%20of%20the%20COT

・年次報告2022案

https://cot.food.gov.uk/Draft%20Annual%20report%202022%C2%A0

・COTの助言後の対応について更新

https://cot.food.gov.uk/Update%20on%20actions%20taken%20subsequent%20to%20COT%20advice

・ホライゾンスキャン2023

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2023-01/TOX-2023-09%20Horizon%20scanning%202023.pdf

議論の可能性のあるトピックス-リンベースの難燃剤

COCとCOMの補遺

 

論文

-国の主導的肥満ケア団体が肥満に関する合意声明を開発

Country’s leading obesity care organizations develop consensus statement on obesity

31-JAN-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/978180

肥満の全ての人は根拠に基づいた治療を受けられるべきである。

肥満は全ての人で同じではなく、治療への反応も多様である。がんのように、最良の長期治療を達成できる複数様態の治療法を使うアプローチが必要である

 

-大型肉食動物による攻撃の世界的調査は低所得国と高所得国でパターンが異なる

Global survey of attacks by large carnivores reveals distinct patterns in low- and high-income countries

31-JAN-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/977520

高所得国での攻撃は主にレクリエーション中で死亡率が低い

PLOS Biologyに発表された、1970年から2019年の、クマ類、ネコ科、犬科の12種によるヒトの攻撃報告5089の研究。32%が致死。49年以上にわたって攻撃報告は特に低所得国で増加している。死亡が多いのは低所得国で虎とライオンが存在したとき。ヒョウの犠牲者は主に子ども。

(人間は餌?)

 

-COVID休校は子どもたちに1/3年の学習の遅れとなった

COVID school closures cost children one-third of a year’s learning

30 January 2023  Miryam Naddaf

https://www.nature.com/articles/d41586-023-00274-z

失われた技術と知識を回復するために継続的に遅れを取り戻す努力が必要である

Nature Human Behaviourに発表された解析。

 

その他

-事実対恐怖

Fact Vs. Fear

By Susan Goldhaber MPH — January 31, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/01/31/fact-vs-fear-16847

淡水魚中のPFASについてのEWGによる最新の怖がらせがCNNやその他主要ニュースに取り上げられ、事実として提示された。しかしEWGのモデルは結果を歪めている。EWGが結果をできるだけ恐ろしいものにしようとして使った詐欺的手法はほかにもある。

・重要なデータを無視する、今は低くなったため高かった10年前のデータを使う

・望ましい結果を得るためにデータを歪めて不正確な想定を行う

・EWGの明確な利益相反(恐ろしい方が資金が集まる)を隠す

等説明(略)

(注目はNHANESの血中PFAS濃度の経時変化の図。

CDC National report on human exposure to environmental chemicals

https://www.cdc.gov/exposurereport/index.html

PFOSは使用禁止になっているので2000年以降当然ながら減り続けている

それでこの↓ニュースで報道された濃度と比べるとPFOSの平均値は米国人2007-8年くらい?PFASの化合物の割合がちょっとヘン PFHxSが極端に高い

NHK

有害性指摘のPFAS 血液検査で国調査の3倍余検出 国は対策検討

2023年1月30日

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230130/k10013965051000.html)

 

-彼は医師を自称しがんを治すという。批判者は彼はデマで金儲けをしているという。

He calls himself a doctor and promises to cure cancer. Critics say he's profiting from misinformation

Eric Szeto, Jenny Cowley, David Common · CBC News · Posted: Jan 20, 2023

https://www.cbc.ca/news/health/marketplace-darrell-wolfe-investigation-1.6718608

根拠のない害のある治療を宣伝している自称ヘルスプラクティショナー(デトックスドクター)Darrell Wolfeのやりかたについての調査報道

(隠しカメラで撮影とか)

 

-SMC UK

超加工食品と異なるがんリスクを調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at ultra-processed foods and risk of different cancers

JANUARY 31, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-ultra-processed-foods-and-risk-of-different-cancers/

eClinicalMedicineに発表された研究が超加工食品摂取、がんとがん死亡リスクを調べた

King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授

この研究は超加工食品摂取と多数のがんのリスクの関連の可能性を探った探索解析である。大きな弱点は非常にたくさんの数の比較をしているので偶然統計的有意になることである。このやりかたはさらなる調査が必要な新しいリスク要因を探る場合には有用であることがあるが、超加工食品の定義があまりにも曖昧なためどんなものでも因果関係を確立するのは問題である。

この研究の対象者は英国バイオバンクからである。残念ながら最も多く超加工食品を摂取している集団と最も少ない人たちの間に喫煙や肥満、社会経済的地位、運動、教育レベルなどに非常に多数の有意差がある。つまりこれらの関連要因を調整するのはほぼ不可能である。この研究では最も多く超加工食品を摂取している人は肺がんリスクが25%高いことを発見している(肺がんの90%は喫煙関連)。がんリスクの超過分のほとんどが肺がんであるため、全がんリスクの増加を超加工食品のせいにすることの妥当性に疑問がある。

研究の一次統計解析では頭部と頸部のがんのリスクが大きい傾向、口腔がんリスクは低く、卵巣がんは有意ボーダーラインであった。食事と関連することがわかっている消化器がんに関連はない。交絡要因を調整しようとした後で卵巣がんリスクが19%に増えた。

超加工食品が全てのがんのリスク増加に関連するという主張には根拠がない。なぜなら当部、頸部、肺のがんのような喫煙関連がんが超加工食品摂取の多い人で多い。卵巣がんは喫煙には関連がなさそうだが世界がん研究財団のレビューでは成人期の身長との強い関連を発見していて食事要因と言うより肥満の影響だろう。超加工食品ががんリスクを増やすという主張を深刻に受け止める前に他の前向きコホートで再現性を確認する必要がある。

英国栄養財団栄養科学者Simon Steenson博士

この研究の強みは英国バイオバンクの大きなデータを使ったことで解析には34種のがんを含めた。しかし超加工食品との有意な関連があったがん死は卵巣と乳がんだけだった。重要な限界は観察研究であり因果関係の根拠とはならないことである。

超加工食品が多いことは全体としての貧しい食生活の指標である可能性がある。超加工食品の負の関連が食品添加物や加工時に生じる物質、容器包装由来化合物と関連するかもしれないと示唆されているがこれらがどう関与するのかについての十分なデータはない。超加工食品に分類される健康的な、重要な食品もある。

Aston大学登録栄養士で上級教育助手Duane Mellor博士

現在人気の超加工食品というテーマに注目することで、これまでと変わっていない基本的メッセージから気を逸らすことがないよう希望する

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

研究者らは24時間以内に食べたものを記録した質問表に依存しているが、これは食品を超加工に分類するようにはデザインされていない。そのため例えばパンはいつどこで作ったものかによって超加工食品にカウントされたりされなかったりするがそれは子の質問表からは明確ではない

(たくさんある問題のうちの一つのみ)