2023-02-10

[BfR]スペルトでもアレルギーを誘発する可能性がある-スペルトが小麦の一種であることは一般にあまり知られていない

Spelt can also trigger allergies - low level of public knowledge about spelt being a type of wheat

13 January 2023

https://www.bfr.bund.de/cm/349/spelt-can-also-trigger-allergies-low-level-of-public-knowledge-about-spelt-being-a-type-of-wheat.pdf

包装済み食品の場合、アレルギーや食物不耐性の原因となる最も一般的な14種類の食品を常に原材料リストに含めなければならない。これらの原因には、小麦、ライ麦、大麦及びオート麦など、グルテンを多く含む穀物が含まれる。「スペルト」も小麦の一種であり、食品情報実施規則(LMIDV)に従い、「小麦」と表示しなければならない。原材料のリストにスペルトと記載するだけでは十分ではない。

ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、スペルトを小麦の一種として原材料リストに表示することの妥当性を、公衆衛生保護の観点から評価している。また、市販のスペルトが市販の小麦と同程度のアレルゲン性があるか、ある場合、消費者がその事実を認識しているかという問題がある。第二に、スペルトが小麦の一種であることを一般消費者が知っているかどうかという問題がある。

BfRは、市販の小麦と比較してスペルト小麦のアレルゲン性が低いという主張を立証するような、意義のある臨床データは現在までに発表されていないと結論付けた。さらに、スペルトと一般的な小麦は、潜在的なアレルゲン性成分(タンパク質分子)の点で比較的高い相同性があるため、同程度のアレルゲン性を想定することができる。

BfRは、スペルトと小麦に関する一般的な知識の程度に関するデータを得るため、代表的な電話調査を実施した。スペルトが小麦の仲間であることを知っていると回答した人は、全体の半数に過ぎなかった。小麦と比較して、スペルトのアレルゲン性が同等であると想定した回答者は、およそ5人に1人(22%)であった。

スペルトは小麦よりもアレルゲン性が低いとされる報道があり、小麦アレルギー患者が最初に医学的な助言を受けずに、スペルト製品に走ることが考えられる。アレルギー性に関わらず、他の理由で小麦製品を避けたい人は、スペルトが小麦の一種であることを認識する必要がある。

健康リスク評価の観点からも、また一般消費者に適切な情報を提供するためにも、BfRは、適用されるアレルギー表示規則の一部として、スペルトが小麦の一種であることを明確に表示することを推奨する。BfRは、将来的にスペルト小麦粉を「スペルト小麦粉(小麦の一種)」と表示することを推奨している。ただし、その「スペルト小麦粉」という用語については、より一般的な「スペルト」という用語に代わる可能性がある。従って、「スペルト(小麦の一種)」又は「スペルト小麦粉(小麦の一種)」という表示を推奨する。作業部会から提案されていた他の用語「スペルト小麦粉(スペルト小麦)」については、消費者がスペルト小麦が何かを認識していないと考えられるため適切ではないと判断した。

 

[DHSC]意見募集 ストライキの際の最小限のサービスレベル:救急サービス

Minimum service levels in event of strike action: ambulance services

9 February 2023

https://www.gov.uk/government/consultations/minimum-service-levels-in-event-of-strike-action-ambulance-services

2023年5月4日まで

(医療従事者がストライキをする場合の医療サービスを減らすレベルを相談。)

 

[RIVM]自宅から働いている人は健康上の問題がある可能性が高い

People working from home more likely to have health problems

02/09/2023

https://www.rivm.nl/en/news/people-working-from-home-more-likely-to-have-health-problems

COVID-19パンデミック中に自宅から働いていた人は、職場で働く人に比べて身体的愁訴がある可能性が高い。例えば上背部痛、腰痛、腕・首・肩の痛みなど。一部は座っている時間の長さで説明できる。運動を増やし座っている時間を減らすことがこれらの問題の予防に役立つ

・運動は増えた人と減った人がいる

・テレワークの結果社会的に孤立

・テレワークに重要な注意事項

 

[IARC]がんの不平等についてのウェブサイト発表

Launch of website on Cancer Inequalities

9 February 2023

https://www.iarc.who.int/news-events/launch-of-website-on-cancer-inequalities/

 

Cancer Inequalities

https://cancer-inequalities.iarc.who.int/

 

論文

-政府の子ども肥満対策計画は害の方が大きいか?

Is a Government program to tackle childhood obesity doing more harm than good?

8-FEB-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/978910

Critical Public Healthに発表されたイングランドの全国子ども身体測定計画について。身体測定の結果「肥満」または「過体重」と分類された子どもと親の経験に焦点を当てた。家族は子どもの精神衛生に相当な懸念を示した。

(肥満の子どもに客観的事実を伝えるより食品企業を規制せよと主張。)

 

-妊娠中の地中海食の摂取は自主申告による測定より代謝物のほうが良く反映されている

Metabolites better reflect consumption of the Mediterranean diet during pregnancy compared to self-reported dietary measures, study finds

9-FEB-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/979220

Clinical Nutrition.血中の400以上の代謝物から地中海食に関連するいくつかの重要な代謝物を同定した。

 

-カロリー制限は健康な成人の加齢速度を遅くする

Calorie restriction slows pace of aging in healthy adults

9-FEB-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/978845

220人の健康な男女を25%カロリー制限食と通常の食事に無作為に割り付けして2年間、のRCT試験CALERIE™の報告。DNAメチル化や生物学的機能低下を指標にした

Nature Aging

Effect of long-term caloric restriction on DNA methylation measures of biological aging in healthy adults from the CALERIE trial

https://www.nature.com/articles/s43587-022-00357-y

オープンアクセス

(25%削減を指示して実際には11.7%削減、体重は10%減とのこと。)

 

-コクランライブラリー

呼吸器系ウイルスの拡散を断ち切るあるいは減少させるための物理的介入

30 January 2023

https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD006207.pub6/full/ja#CD006207-abs-0006

 

SCIENCE VOLUME 379|ISSUE 6632|10 FEB 2023

-自閉症研究者が言葉を巡って対決

Autism researchers face off over language

BY RACHEL ZAMZOW 09 FEB 2023: 523-524

自閉症の研究者たちの間で長くくすぶってきた議論が噴出した。言葉の問題で、例えば、自閉症を「病気disorder」や「障害disability」と記述するか「相違difference」とするか、その特徴を「症状symptoms」とするか「特性traits」とするか、である。

ネガティブなイメージを避けたい人達と、ネガティブでないとみなされれば治療や補助の必要性が減り資金が得られなくなるという人達で意見が対立

 

-特集

海を離れて

OCEANS AWAY

BY ERIK STOKSTAD 09 FEB 2023: 530-533

サーモンを陸地で養殖することが次の養殖ブームになるか?

 

その他

-SMC UK

健康成人での長期カロリー制限のDNAメチル化でみた生物学的加齢を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at long-term caloric restriction on DNA methylation measures of biological aging in healthy adults

FEBRUARY 9, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-long-term-caloric-restriction-on-dna-methylation-measures-of-biological-aging-in-healthy-adults/

Nature Agingに発表された研究が健康成人でのカロリー制限と生物学的加齢のDNA指標を調べた

Edinburgh大学Roslin研究所免疫病理学個人議長Neil Mabbott博士

この研究は200人の肥満でない成人で2年にわたる25%カロリー制限が血球のDNAの変化を伴うことを示した。このことが寿命の延長にはつながらないことに注意が必要である。

カロリー制限が健康寿命を延ばすかどうかについてさらなる研究が必要である

Aston大学登録栄養士で上級教育助手Duane Mellor博士

この研究のデータの解釈は難しい。興味深いものではあるが、特に高齢者に加齢を遅らせるために食べものを減らすよう薦めないように。

Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

この研究は複雑な指標についての良い研究のようだが、我々はカロリー摂取を減らすことが加齢を遅らせることを証明する必要があるのだろうか?ほとんどの国より痩せている日本人が世界で最も長生きしていることを示す国のデータから明らかではないか?また過剰な砂糖のカロリーを減らす薬物が「細胞の過剰栄養」減衰に役立ち心不全や腎疾患などの彼に関連するアウトカムも減らす試験からも明らかである。全てが同じ方向を示している。

 

-あなたはマグロの水銀をどのくらい心配すべき?

How Worried Should You Be About Mercury in Your Tuna?

By Lauren Kirchner February 9, 2023

https://www.consumerreports.org/health/food-safety/how-worried-should-you-be-about-mercury-in-your-tuna-a5041903086/

CR(コンシューマーレポート)は各種ツナ缶を調べた。妊娠している人と全ての他の人向けの助言

ツナ缶は安くて便利で必須オメガ3脂肪酸とタンパク質を含むので国中で利用されている。2022年11月の2185人の米国人を対象にした国民を代表するCRの調査によると、約1/3のアメリカ人が月に2回以上、約10%の人が少なくとも週一回以上食べている。

しかしツナにはしばしば水銀が含まれている。それは成人にも有害だが特に乳幼児と妊娠中に懸念となる。

そこでCRは代表的な5ブランドのツナ缶の水銀を調べた。CRの専門家は妊娠中はツナを一切食べないのがベストだと示唆する。理由は、ライトツナは比較的平均水銀濃度は低いものの、時に濃度の高いものがあるからである。

(検出濃度やHBGV等の具体的な数値がないのだが例によってFDAより厳しい制限を推奨。平均で低くてもたまにちょっと高いのがあると有害影響があるという根拠は無いと思う。米国人の魚を食べる量が少ないことには言及しているもののリスクを過剰に見積もっているので食べるな、に。)

 

-アメリカ人は記録が存在する間ずっと体重を増やしてきた

Americans have been gaining weight for as long as records exist

Matthew Yglesias Feb 2

https://www.slowboring.com/p/americans-have-been-gaining-weight?utm_source=post-email-title&publication_id=159185&post_id=100006765&isFreemail=true&utm_medium=email

巨大肥満犯人の必要は無い

肥満の原因としてリチウム汚染、種子油、トランス脂肪、公衆衛生助言などいろいろなものが指摘されてきた。しかし私は1980年頃が肥満の変曲点だと想定した犯人捜しが恐らく間違っていると思う。根拠が示しているのはもっと退屈な、長期に渡ってアメリカ人の平均体重は増え続けてきた(大恐慌と戦争時以外は)という話で、つまり非難すべき一つの巨大な悪はなく、食品がより安価に、美味しく、広く入手できるようになったという多くの美徳があるが副作用もある広範な傾向によることを示唆する

(各種グラフあり)

 

-薬物乱用:欧州の沈黙の危機

Drug Abuse: Europe’s Silent Crisis

Posted by RISKMONGER on FEBRUARY 9, 2023

https://risk-monger.com/2023/02/09/drug-abuse-europes-silent-crisis/

欧州の健康NGOは欧州で新興する薬物危機を無視してきた。これは活動家が反資本主義の政治的アジェンダを推進するためにリアルなリスクより意味のないキャンペーンを好む古典的な事例である。欧州委員会は公衆衛生の改善よりイデオロギーを優先する団体への資金提供を止めるべきだ

昨年欧州薬物と薬物依存監視センター(EMCDDA)から「欧州薬物報告2022:傾向と展開」と題した驚くべき報告書が発表された。薬物の使用と濫用がEU、トルコ、ノルウェーのほとんどの国で「あらゆるところに、あらゆるものが、あらゆる人に」増加しているのだ。つまり違法薬物使用がEUの全ての場所で、あらゆる種類、あらゆる使用者でみられるようになっている。報告書は緊急対応を求めている。それなのに欧州委員会はグリーンディールアジェンダの推進と現代農業の去勢に忙しい。この報告書はポストCOVID解析としても興味深い。予防的ロックダウンが深刻な社会的帰結となったことが明らかだ。

重要な知見

・EU内でのメタンフェタミンの製造が規模拡大している。メキシコの犯罪グループがEU国境内での薬物合成に関与し始めている

・大麻樹脂中のTHC濃度が、ハーブの大麻の2倍になっている

・犯罪集団は安価な大麻製品に合成カンナビノイドを加えて強力にしている。重症や死亡例が報告されている

・2012年から2020年の間に50-64才のオーバードーズによる死亡が82%増加した

・クラックコカイン乱用によるEUの薬物治療施設に入る人の数が2016年から3倍になった

・薬物の流れが変わり複雑化している

(以下略)