2023-02-16

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 231-23

16 February​ 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20231-23.aspx

意見募集

・アルコール飲料のエネルギー表示

2023年3月20日まで

 

認可と食品閣僚会議通知

・加工助剤としてのGM Aspergillus niger (遺伝子ドナー: Penicillium oxalicum)由来グルコアミラーゼ

・乳児用調整乳の牛ラクトフェリン

 

[Tukes]湿地での鉛の散弾禁止-Tukesは「湿地」の定義を限定する

Lead shot banned in wetlands – Tukes narrows down “wetland” definition

10.2.2023

https://tukes.fi/en/-/lead-shot-banned-in-wetlands-tukes-narrows-down-wetland-definition

2023年2月15日から湿地あるいは視位置緩衝地域での狩猟に散弾は使えない。これは2021年1月の欧州委員会規制に基づくものでEU全体に適用される。Tukesはこの禁止について多くの問い合わせを受けた、特に「湿地」の定義について

湿地は水鳥の住処になる可能性のあるところ

 

[WHO]有害な美白製品から水銀を排除するために各国が協力

Countries unite to remove mercury from hazardous skin lightening products

14 February 2023

https://www.who.int/news/item/14-02-2023-countries-unite-to-remove-mercury-from-hazardous-skin-lightening-products

・ガボン、ジャマイカ、スリランカが美白業界の環境と健康への悪影響を減らすための協力に参加

・美白製品から水銀を排除し、全ての肌の色調の美しさを推奨するための全体的アプローチ支援に1400万米ドル

・多くの美白製品に水銀が含まれていてヒト健康と環境に相当なリスクとなっている

水銀に関する水俣条約では美白製品の水銀に1mg/kgの規制値を設定した。しかし2018年のゼロ水銀作業グループの調査によると22カ国300以上の製品中10%がこの基準を超過し、多くは100倍も含んでいた。

 

[NASEM]米国は退役軍人省と保健福祉省の主導で包括的医療を拡大拡散し連邦全体的健康革新センターを作るべき、と新しい報告書は言う

U.S. Should Scale and Spread Whole Health Care Through VA and HHS Leadership, Create Federal Center for Whole Health Innovation, Says New Report

February 15, 2023

https://www.nationalacademies.org/news/2023/02/u-s-should-scale-and-spread-whole-health-care-through-va-and-hhs-leadership-create-federal-center-for-whole-health-innovation-says-new-report

高所得国の中では米国の寿命は短く健康アウトカムも同等ではないため、退役軍人省と保健福祉省が協力して全体的健康革新のためのナショナルセンターを作るべき、とNASEMの新しい報告書は薦める

 

-全体的健康を達成する 退役軍人と国のための新しいアプローチ

Achieving Whole Health

A New Approach for Veterans and the Nation

(2023)

https://nap.nationalacademies.org/catalog/26854/achieving-whole-health-a-new-approach-for-veterans-and-the

 

[NASEM]構造的変化による肥満解決の進歩を定義する ワークショップの概要

Defining Progress in Obesity Solutions Through Structural Changes

Proceedings of a Workshop–in Brief (2023)

https://nap.nationalacademies.org/catalog/26895/defining-progress-in-obesity-solutions-through-structural-changes-proceedings-of

NASEMの肥満解決円卓会議が2022年10月25日に開催したバーチャルワークショップの概要。肥満の構造的原動力への対応の進捗を評価する方法について。カバーされたトピックスはBMIの科学・強度・限界、政治・経済・環境・医療・社会文化など多様なシステム中の肥満の原動力のレビューなど。

 

論文

-ステビアベースの甘味料はより甘くより環境に優しい砂糖の代用品

Stevia based sweeteners offer a sweeter, more environmentally friendly alternative to sugar

15-FEB-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/979830

ステビア由来甘味料は、同じ甘さを提供するのに砂糖の10%しか温室効果ガスを排出しない。Surrey大学の環境持続可能性センターのHorizon 2020 SWEETプロジェクトの一環の研究。International Journal of Life Cycle Assessment.に発表

(そんな計算ならネオテームの方が「環境に良い」になるのでは?)

 

-木を燃やすストーブからの排出を増やした政府の役割が新しい研究で明らかになった

Government’s role in promoting wood burning stove emissions unveiled in new study

15-FEB-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/979843

British Journal of Criminologyに発表された新しい研究によると英国の煙規制を公式に免除されたストーブの数が2010年から10倍になった。2015年の規制免除法によって都市大気汚染コントロール法の対象から外れたストーブの市場ができた。英国では家庭で固形燃料を燃やすことが粒子状物質(PM2.5)汚染の単一で最大の汚染源である。規制免除によってこの状態を作ったのが政府である。この変更は消費者の選択改善と事業者の障害を取り除くことで正当化された。環境汚染と健康は考慮されなかった

(日本の機能性表示食品と同じ)

 

-COVID-19パンデミック中の子どもたちの画面を見る時間の傾向、2019年7月から2021年8月

Trends in Screen Time Use Among Children During the COVID-19 Pandemic, July 2019 Through August 2021

February 15, 2023

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2801457

4-12才の228人の、画面を見る時間はパンデミック前より2020年12月から2021年4月で1日1.75時間、2021年5月から8月で1.11時間増えた。

パンデミック前は1日4.4 (SD 3.9)時間。パンデミックにより長くなり公衆衛生対策の多くがなくなった後も増えたままである。

(公衆衛生専門家は子どもの画面を見る時間を減らすようずっと言ってきた。)

 

-ラマダンの間絶食する妊娠女性は低体重の子どもを産む傾向があるが、この影響は絶食時間外に高脂肪食を摂取することで減る

Pregnant women who fast during Ramadan tend to give birth to babies with lower weights, but this effect is reduced in women consuming a high fat diet outside of fasting hours

15-FEB-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/979073

PLoS ONE

(妊婦は免除のはずだが実際には周囲にあわせるのだろう)

 

-Nature  Volume 614 Issue 7948, 16 February 2023

研究ハイライト

赤ちゃんは母親に依存するというより自分でウイルスを集める

Babies collect their own viruses rather than relying on Mum’s

赤ちゃんの「ウイローム(体内ウイルス集団)」はおそらく食事、病原体、その他環境要因由来

赤ちゃんの腸や皮膚などの細菌に関する研究は多いがウイルスはそれほどではない。そのためドイツMax Planck研究所のWilliam Waltersらは53組の母子の腸内ウイロームを生後最初の三年にわたって調べた。母子のウイロームは生まれてすぐに差が生じ、赤ちゃんの方がヒトに感染性のあるウイルスの数が多かった。この差は子ども時代を通じて持続した

Cell Host Microbe

 

フリースの衣類が海を汚染するのを予防する方法:小さなブラシを取り入れる

How to stop fleece clothes from fouling the sea: bring in the tiny brushes

ナイロンやポリエステルを洗うと繊維間の摩擦でマイクロ繊維が生じ、そのため繊維の洗濯が水生態系のマイクロプラスチック汚染の最大の汚染源の一つである。これを減らすためにトロント大学のSudip Kumar Lahiriらはナイロン繊維の表面にくっつくシリコーンポリマーの目に見えない滑る層を作った。低摩擦繊維は持続可能な衣類への道を示す。

Nature Sustain. 

 

その他

-正義研究所The Institute for Justice(消費者の権利を主張するNPO法律事務所)

悪いベーキング:手作り食品を売るビジネスを始めるための法的障害

Baking Bad: Legal Barriers for Starting a Business Selling Homemade Food

Nick Sibilla  March 24, 2022

https://ij.org/report/baking-bad-legal-barriers-for-starting-a-business-selling-homemade-food/

各州の手作り食品を売ることに関する規制状況の調査。

(安全性のための規制を自由への障害としか考えていなさそうな弁護士、こわい)

 

-EOFがアシュワガンダのヘロイン汚染を警告

EOF warns of ashwagandha contaminated with heroin

15.02.2023

https://www.ekathimerini.com/news/1204712/eof-warns-of-ashwagandha-contaminated-with-heroin/

ギリシャの医薬品局EOFが、火曜日に消費者に、欧州で販売されているMedicine Garden社のKSM-66アシュワガンダにオピオイドとヘロインが未知の濃度で含まれると警告した

 

-ビーガン産業複合体:動物を食べないことの政治的生態学

The vegan industrial complex: the political ecology of not eating animals

Amy Trauger (University of Georgia)

Journal of Political Ecology 29(1), 639–655

https://journals.librarypublishing.arizona.edu/jpe/article/id/3052/

多くの政治的エコロジストや地理学者が倫理的食生活について研究しているがフードシステムの死、「善行」によって誰を生かし何が殺されるのか、については沈黙している。この論文は食生活の選択によって最も倫理的な消費者が避けたいだろう社会生態学的害がどう生じるかを示そうとする

 

-ダボスのエリートは最も貧しい人々を苦しめる政策を応援する

Davos Elites Cheer the Policies That Would Harm Those With the Least

By Chandre Dharma-wardana(スリランカ生まれの科学者)

https://www.realclearmarkets.com/articles/2023/02/06/davos_elites_cheer_the_policies_that_would_harm_those_with_the_least_879750.html

ダボスの世界経済フォーラムで、キャビアを食べ高級ワインを飲みながら、金持ちのエリートが世界の農業の転換計画について語った。彼らは全員、現在世界を食べさせている慣行農業を破棄してオーガニックスタイルの農業に置き換える必要があるとした。彼らはそれが気候変動対策になり食料システムを堅固にすると主張する。

彼らは「再生」や「持続可能」といったバズワードで語られる有機栽培を推奨することで世界中の6億の小規模農家を助けるという。しかし新し流行は「アグロエコロジー」で、それは現代的農薬や合成肥料とGMOを禁止するだけではなく、機械も使わないように薦める。リーダーの有資格者達は現在飢餓に苦しんでいるスリランカのことを考えないのだろうかと不思議に思う。彼らのスイスの専門家が認め、研究者が確認しているのは有機農業では現在の世界人口の半分すら食べさせられないことなのに?

慣行農業は1948年から2019年の間に農地の生産性を3倍にした。

COP27, COP15, Davos、そしてEUで出現している疑似エコロジーの幽霊はスリランカのような災害に向かわせている。

彼らエリートはヒトと環境を破壊する政策を推進していることに気がつかないまま温室効果ガスを出すジェット機に乗って自国に帰る。

 

-クローン「スーパー乳牛」が輸入頼りを減らすのに役立つかもしれない

Cloned 'super cows' may help reduce reliance on imports

2023-02-06

https://www.chinadaily.com.cn/a/202302/06/WS63e052d5a31057c47ebad0db.html

中国の科学者が年に18トン、生涯100トン以上のミルクを生産する「スーパー乳牛」をクローン化した。極めて生産性の高いDutch Holstein Friesianの体細胞を耳からとって代理母に生ませ、3頭が生まれた。近年中国では動物のクローン化が大きく進歩している