2023-03-09

[FSAMZ]食品基準通知

Notification Circular 234-23

9 March 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20ircular%20234-23.aspx

意見募集

・ビール醸造用加工助剤としての Aspergillus niger のα-グルコシダーゼ遺伝子をもつGM Trichoderma reesei 由来α-グルコシダーゼ

2023年4月25日まで

Call for comment on a new use for an enzyme processing aid

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-a-new-use-for-an-enzyme-processing-aid--.aspx

 

[USDA]より健康的な揚げ物…綿実油で

Healthier Frying with…Cottonseed Oil

Posted by Scott Elliott, ARS Office of Communications in Research and Science

Mar 07, 2023

https://www.usda.gov/media/blog/2023/03/07/healthier-frying-withcottonseed-oil

健康的な食事のためには揚げ物はしばしば避けられる。しかし揚げ物が好きな人のために、ARSがより健康的な油を作った。オレイン酸の多い綿実油である。

標準的綿実油は16-18%のオレイン酸、40-50%のリノール酸を含むが新たに開発された綿実油はオレイン酸とリノール酸を両方35%程度含む。現在研究中のものはオレイン酸を50%にまで増やせる。

(オレイン酸はオリーブ油だと75%、高オレイン酸大豆油でもそのくらい、キャノーラ油60%くらい、高オレインキャノーラは80%と、この分野は改良が進んでいる。オリーブ油が良い派はオレイン酸だけではないと主張。地中海食が神話になるかどうか)

 

論文

-CHOP研究者らは子どもたちの致死的オピオイド中毒が13年で2倍以上になったことを発見

CHOP researchers find rate of fatal opioid poisonings among children more than doubled over 13-year span

8-MAR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/981949

暴露を減らす対策がとられているにも関わらず、市販薬が小さい子どもの致死的リスクのまま

フィラデルフィア子ども病院(CHOP)の研究者らがPEDIATRICSに発表

2005年から2018年の間に40州から報告された731例の5才未満の中毒死データの解析

 

-肥料のより良い作り方

A better way to produce fertilizers

8-MAR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/981694

窒素肥料を作れるように作物あるいは共生細菌を設計するのは困難だが、ここ数年科学は相当進歩した

南京農業大学科学アカデミー

窒素固定に関わるニトロゲナーゼ遺伝子の導入研究について。BioDesign Research

(中国でこれがうまくいったら農業のあり方だけではなく政治にも影響しそう)

 

-自然出産でも帝王切開でも、赤ちゃんは母親から必須の微生物をうけとる

Whether born naturally or via cesarean section, babies receive essential microbes from their mothers

8-MAR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/981384

Cell Host & Microbeに発表された120人の臨月のオランダ人とその子どもたちの皮膚、鼻、唾液、母乳など各所のマイクロバイオームを、異なる時期に複数回サンプリングして解析した研究。出産経路にかかわらず、赤ちゃんの微生物叢の約58.5%は母親由来だった。帝王切開の子どもは母親の膣と糞便由来の微生物は少ないが母乳由来の微生物が多く、補っているように見える。

 

-娯楽用大麻の合法化前後の親の人種と民族による新生児の薬物検査と変動

Incidence of Newborn Drug Testing and Variations by Birthing Parent Race and Ethnicity Before and After Recreational Cannabis Legalization

March 8, 2023

Sebastian Schoneich et al., JAMA Netw Open. 2023;6(3):e232058.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2802124

2014年から2020年までの26366出生のコホート研究で、医師は妊娠中に薬物の尿検査が行われていなかった場合、白人(1.9%)に比べて黒人(7.3%)の新生児に薬物検査を指示する可能性が高かった。2018年の合法化後に検査率や人種による不平等に変化はなかったが、テトラヒドロカンナビノール陽性率は増加した。

 

-世界的に糖尿病と肥満が増加している-しかし一部の国でより大きな打撃

Natureニュース

Diabetes and obesity are rising globally — but some nations are hit harder

07 March 2023 Saima May Sidik

https://www.nature.com/articles/d41586-023-00676-z

身体のエネルギー処理システムの障害で引き起こされる2型糖尿病などの病気の率は、一部は変わる食習慣に駆動される

Cell Metabolismに3月7日に発表された研究は糖尿病、高血圧、肥満関連肝疾患の増加を報告している。これらの病気はしばしば併発する。

また肥満のために失われる健康寿命は中から低所得国で増加しているが高から中所得国では率が下がっていることを発見した。

 

-Nature Volume 615 Issue 7951, 9 March 2023

表紙は「濁水」

世界の沿岸の植物プランクトンの大発生が21世紀に悪化していることを地図で示した研究

Coastal phytoplankton blooms expand and intensify in the 21st century

https://www.nature.com/articles/s41586-023-05760-y

オープンアクセス

(日本の北(日本海・北太平洋・オホーツク海)で大発生頻度増加していて貝毒の問題があるので要注視)

 

エディトリアル

「エリート大学」戦略はプロフィールとランキングを上げるかもしれないがそのコストは?

‘Elite university’ strategies might boost profile and rankings — but at what cost?

日本は一握りのトップ大学に毎年2兆ドルを配る計画である。他からの経験でこのやりかたの負の影響はポジティブな影響を上回るだろうと示唆される

Nature Indexで日本特集

 

その他

-ゲノム編集コミュニケーションがGMOsの誤解を解く

Genome Editing communication to clear GMOs misconception

23-02-2023

https://www.africa-press.net/zambia/all-news/genome-editing-communication-to-clear-gmos-misconception

2002年、Levy Mwanawasa大統領がザンビアの最悪の干ばつの援助のために米国から送られたGMOトウモロコシを受け取り拒否して世界にショックを与えた。

その後ザンビアはGMO規制機関をつくり法的枠組みを整備してきた。GMOを巡る議論は激しいままであったがバイオテクノロジーの利用を目指して前進してきた。

最近ザンビアはゲノム編集コミュニケーション戦略を開発中である

(以下略)

 

-ウクライナでの戦争が如何にしてEUの農場から食卓まで戦略を脱線させ-そして何が持続可能な農業なのかについての議論を巻き起こしたか

How the war in Ukraine has derailed the European Union Farm to Fork initiative — and sparked debate about what constitutes sustainable agriculture

Steven Cerier | March 8, 2023

https://geneticliteracyproject.org/2023/03/08/how-the-war-in-ukraine-has-derailed-the-european-union-farm-to-fork-initiative-and-sparked-a-debate-about-what-constitutes-sustainable-agriculture/

2020年3月にEUが農業由来の二酸化炭素排出を減らすための野心的政策であるF2F戦略を発表した。目標を「持続可能なフードシステムへの移行を加速する」とした。その5つの主要成分として以下をあげた:

・環境影響がないあるいはポジティブ

・均衡変動を緩和しその影響に適応

・生物多様性の喪失を反転させる

・食料安全保障、栄養、公衆衛生を確保しだれもが十分で安全で栄養があって持続可能な食品を確実に入手できるようにする

・より公平な経済的リターンを生み出しつつ食品の入手可能性を維持し、EUのサプライ部門の競争力を育み、公正な取引を推進する

この野望は「より持続可能な」農業に始まる。実際それが何を意味するのかや「持続可能」の定義はなされず、議論が続いている。

F2Fは2030年までの目標として化学及び有害農薬の50%カット、肥料の20%カット、家畜用抗菌剤販売の50%カットを設定し、2020年に9.1%だった有機農業土地面積を25%に増やすと提案した。

先見か見当違いか

この戦略への反応は多様だった。一般的に環境活動家は彼らの言うところの合成肥料と農薬を使った破壊的農業からの移行とみなした。Nature Foodに発表された解析はF2Fを賞賛し有機農業団体は勝利を宣言した。

持続可能性の専門家の多くはそれほど楽天的ではなかった。Nature Foodにコメントを寄せたF2F支持者はこの方針はいまだ野心的なものであると注記した。

他の人達は有機農業を持続可能とイコールにすることに疑問を提示した、ライフサイクル研究では有機栽培の面積を増やすことの環境上の利益は二酸化炭素をより多く排出することになると結論していた。

経済学者は厳しい反応だった。F2Fは世界の食料不足を悪化させ、目標は非現実的で、実行すれば食料生産が減り食料価格が上がるだろう、と。

独立した評価

ワーゲニンゲン大学が2021年に発表した規制影響評価ではF2FはEUの作物生産を10-20%減らすだろうと結論している。USDAの研究では12%減ると推定している。

さらにF2Fは世界の食料価格を上げるだろう-もし全ての国がEUモデルに従ったら89%上昇する。その影響は世界で最も食糧が不足している集団に集中するだろう。

ウクライナの戦争の余波

ウクライナの戦争がさらにF2Fへの疑念を深めた。1年以上にわたる紛争で引き起こされた世界の食料の攪乱を考慮してF2Fは考え直すべきかどうかについて現在EU内で議論が進行中である。食品と肥料の価格が上がっていて世界的なインフレ圧力に寄与している。

欧州は少なくとも一時的にF2F計画を遅らせた。支持者は戦争は一時的なものだとして強く反対する。懐疑派は戦争がF2F目標が達成できないことを明らかにしたと主張する。彼らはゲノム編集を含む革新的技術を含めて食品の持続可能性について包括的に評価すべきだという。

競合するビジョン

英国のFinancial Times がF2F目標の再評価を巡る政治力学の概要を説明している。フランスのEmmanuel Macron大統領は食料生産の13%減少は戦争前の推定なので見直すべきだという。EUの農家はF2Fの多くの側面に反対している。農薬カットは現実的ではない。農薬削減計画は昨年秋オーストリア、ブルガリア、エストニア、ハンガリー、マルタ、ポーランド、ルーマニア、スロベニア、スロバキア農業大臣によって見送られた。

環境保護主義者の抵抗

戦争前にF2Fはもう決定したと思っていた環境団体はパニックになっている。グリーンロビー団体にとっては譲歩の余地はない。

EOの文書によるとEU 31カ国でほとんどの遠大な提案は勢いが落ちている。多くの国が2030年末までに農薬半減目標は可能だとは思っていない。

F2Fは現実的は政策ではない;それは細部を欠いた野心である。それは食料生産と農家の収入を減らし食料価格を押し上げる。

そのほとんどは農業部門の意見を聞かずに作ったグリーン活動家の欲しいものリストである。最も最近の独立研究では収量減は44%にもなる。

EUがより持続可能な農業を育てたかったら科学に頼る必要がある。しかしF2Fはグリーン活動家のロビー活動によって技術革新を排除した。

(一部のみ)

 

-植物ベースの食品の汚染物質を研究するコンソーシアム

Consortium to study contaminants in plant-based foods

By News Desk on March 8, 2023

https://www.foodsafetynews.com/2023/03/consortium-to-study-contaminants-in-plant-based-foods/

植物ベースの食品中の微生物汚染による食品安全と品質への問題を調べる官民共同研究対が作られた。このプロジェクトは植物ベースの食品に共通する微生物とその加工時にどれだけ生存するか、植物成分を含む食品中で増殖したり毒素を産生したりするリスクを調べる予定である。

NIZO食品研究所、ワーゲニンゲン大学研究所、HASグリーンアカデミーがRipple Foods, The Coca-Cola Company, SPX Flow, Tetra Pak, Bel, Arla Foodsなどと協力する

 

CONSORTIUM INVESTIGATES RISKS OF MICROBIAL CONTAMINANTS IN NEW PLANT-BASED INGREDIENTS

February 28th 2023

https://www.nizo.com/news/microbial-contaminants-in-new-plant-based-ingredients/

消費者は食生活により多くの植物ベースの食品を取り入れる流行を歓迎している。これらは乳製品や肉の健康的で美味しい代用品となる可能性もあるが、安全で信頼できて質が高くなければならない。新しい植物成分にはしばしば未知のタイプと量の微生物が存在する。そしてこれら微生物汚染のリスクについてはまだ相当知らないことがある

(以下略)

 

-メディアの塩化ビニルのリスク報道がいかに完全に間違っているか

How the Media Got the Vinyl Chloride Risk All Wrong

JOSH BLOOM | 3.7.2023

https://reason.com/2023/03/07/how-the-media-got-the-vinyl-chloride-risk-all-wrong/

オハイオの列車事故は十分恐ろしいものだった。不正確な情報を拡散することはEast Palestineの市民のためにならない

塩化ビニルがまるで死刑に値するもののように描かれ、オハイオ州の住民はほとんど間違った恐ろしい健康リスクの主張に翻弄されている。塩化ビニルはそれほど致死的なものでは無くそのがんリスクは過剰に誇張されている。ある化合物を発がん物質と呼ぶのは簡単だが、その文脈、用量、暴露期間などの情報がないとこの用語はほとんど無意味である

(以下塩化ビニルの毒性の説明)