AESAN(スペイン食品安全栄養庁)
科学委員会報告書
All Reports
https://www.aesan.gob.es/en/AECOSAN/web/seguridad_alimentaria/subdetalle/todos_informes.htm
本文英語
-スペイン集団のための持続可能な食事と運動助言についての報告書
Report on sustainable dietary and physical activity recommendations for the Spanish population
07/2022
乳製品や卵含む動物食品の摂取を減らすとか肉はトリやウサギにするとか
-スペインの食品安全に関係する化学的ハザード
Report on the prospection of chemical hazards of interest in food safety in Spain- 2
06/2022
アルミ、アンチモン、クロム(IV)、アントラキノン、ヘーゼルナッツのアフラトキシン、メラミン、ビスフェノールA類似体、Aspergillusのカビ毒(ステリグマトシスチン)
-酸化促進につながる可能性のある食品サプリメントの抗酸化ミネラルの不適切摂取のリスク評価報告書:銅、マンガン、セレン、亜鉛
Report on the risk assessment of inadequate intake of antioxidant minerals (metals) in food supplements that can lead to prooxidant effects: copper, manganese, selenium and zinc
06/2022
[FAO]世界水の日
World Water Day, 22 March
https://www.fao.org/world-water-day/en
3月22日は世界水の日
[ヘルスカナダ]ヘルスカナダはカナダでの乳児用調整乳供給について更新
Health Canada provides update on supply of infant formula in Canada
March 21, 2023
ヘルスカナダは乳児用調整乳の供給の混乱はどんなものでも両親や保護者にとって辛いことなのを理解している。我々はカナダで入手できる乳児用調整乳の量とタイプを増やすように製造業者と協力して働き続けているが、特定の製品が入手困難だという報告が続いていることも承知している
(以下略。粉ミルクにクロノバクター・サカザキが存在するかもしれないので予防的にリコール、とかやっているので不足するのだけれど?開封したら雑菌が入ることは避けられないので調乳をちゃんとするように注意したほうが良くない?)
[CDC]CDCはウエストバージニアのMaceに研究施設用に465エーカーの用地を取得
CDC Acquires 465-Acre Site in Mace, West Virginia for Research Facility
March 21, 2023
https://www.cdc.gov/media/releases/2023/p0320-research-facility.html
鉱業に焦点をあわせ、探鉱労働者の安全性と健康を扱う
NIOSH Mining Program
https://www.cdc.gov/niosh/mining/researchprogram/index.html
(いわゆる「日本版CDC」って極めて狭い範囲の感染症しか扱わないのにCDCを名乗るの、ほんとはおかしい)
論文
-食事と運動計画だけでは子どもの肥満に取り組めないだろう
Diet and exercise programs alone won’t tackle childhood obesity
21-MAR-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/983461
BMC Medicineに発表されたシドニー大学の研究
・子どもの肥満は社会経済状態の副産物
・両親の高卒レベルが子どもの肥満の入り口
等
-フランスでの甲状腺がんの経済的コストと過剰診断事例の治療に伴う割合
IARC
The economic cost of thyroid cancer in France and the corresponding share associated with treatment of overdiagnosed cases
20 March 2023
Value in Healthに発表された、過剰診断された甲状腺がんの治療と管理に関連するコストの割合の初めての評価。甲状腺がんの治療と管理にかかる総コストは約2億ユーロで、そのうち6000万から1億1600万ユーロ(29-57%)が過剰診断事例の治療に起因する。フランスでの甲状腺がん管理は臨床及び公衆衛生の問題であるだけではなく重要な経済的負担である。過剰診断が総コストに重要な寄与をしている
-Natureニュース
オハイオ列車脱線:科学者は残存する有害物質を調べる
Ohio train derailment: scientists scan for lingering toxics
20 March 2023 Mariana Lenharo
https://www.nature.com/articles/d41586-023-00820-9
East Palestineの住民は当局に取り残された隙間を埋めるために独立した研究者に頼る
East Palestineの住民は、先月の脱線事故の後、頭痛や呼吸困難などの症状があると訴えている。EPAや地元及び州・連邦機関は水や空気を監視してきたが、住民は化合物の量が少なく安全であるとする公式報告書に満足しない。
そこに何人かの独立した研究者がやってきて測定と解析の手伝いあるいはセカンドオピニオンを求められている。研究チームは当局に取り残されたギャップを埋めるのに役立てると考えている。
(コミュニケーションの問題等。活動家ではなく科学者が援助できるといいのだけれど。とりあえず政府機関の言うことは全て疑わしいという基本姿勢の人が相手だと何かと大変)
COVID起源研究がタヌキと武漢市場を関連付ける:科学者が考えていること
COVID-origins study links raccoon dogs to Wuhan market: what scientists think
21 March 2023 Smriti Mallapaty
https://www.nature.com/articles/d41586-023-00827-2
一部の科学者が解析による新しい根拠がCOVID-19の原因ウイルスの動物由来仮説を支持するという-しかし決定的根拠にはならない
研究レポジトリZenodoに3月20日に投稿された解析で、中国武漢の南海鮮卸売市場から採取したスワブからタヌキ、タケネズミ、ジャコウネコなどの動物のDNAが検出され、スワブは同時にSARS-CoV-2陽性であり、動物由来仮説の根拠であると一部の研究者らが言う。
(市場に迷い込んできただけでは無くてタヌキは食用に生きたままあるいは肉として売られていた)
その他
-編集者への手紙:「Dirty Dozen」には再検討が必要
Letter to the Editor: ‘Dirty Dozen’ requires a second look
By Guest Opinion on March 21, 2023
https://www.foodsafetynews.com/2023/03/letter-to-the-editor-dirty-dozen-requires-a-second-look/
私はDirty Dozenリストに関するあなたの記事を見て、読者向けに追加情報を更新しEWGの主張だけでは無くバランスのとれた展望を提供したことを評価する。
Journal of Toxicologyに発表されたピアレビューされた研究では、Dirty Dozenが推奨する慣行栽培農産物を有機栽培に変更することが消費者にとってはリスク低減にならないことを発見している。慣行栽培の農産物の残留農薬の量が少ないためである。またこの研究ではEWGがこのリストを作るのに科学的に確立されている手法を使っていないことも発見している。
さらにUSDAのPDP計画では99%以上の食品がEPAの設定した安全基準以下の残留農薬濃度で、25%は全く検出されていないことを一貫して確認している。USDAによると「PDPのデータからは、消費者は安心して生鮮野菜や果物の多い食生活ができる」。
EPAは「EPAは子どもたちが食べている野菜や果物はかつて無く安全であることを確信している」と言っている。
Dirty Dozenリストの作成者は、これがリスクを評価したものでは無く毒性学の基本にしたがったものでもないことを認めている。
Nutrition Today に発表された論文でもEWGのような恐怖に基づくメッセージは消費者の野菜や果物の購入を減らす結果になる可能性があることを示している。食と農業同盟の行った調査では、登録栄養士の94%がDirty Dozenのメッセージは野菜や果物をもっと多く食べましょうという助言に悪影響があるとしている。
CDCの報告によると十分な野菜と果物を摂取しているアメリカ人は10人に1人しかいない。特に低所得層で足りない。
From: Teresa Thorne, Alliance for Food and Farming事務局長
(本文中各種リンクあり)
-未殺菌ミルク法案はハワイの議員に健康リスクか食品安全かを選ぶよう求める
Raw milk bill requires Hawaii Legislature to choose between health risks or food security
By Dan Flynn on March 21, 2023
ハワイの下院法案521は殺菌していない牛乳と乳製品、ヤギ乳を消費者に直接販売することを認める。
ハワイにはグレードA酪農場は一カ所しか無く殺菌されたミルクを自給できず主にカリフォルニアから輸入している。この法案は小規模農家が生産・販売できるようにする。
(ハワイは牛には暑そう)
-「恐怖の規制殿堂入り」候補
A Candidate For The 'Terrible-Legislation Hall Of Fame'
By Henry I. Miller, MS, MD — March 21, 2023
https://www.acsh.org/news/2023/03/21/candidate-terrible-legislation-hall-fame-16923
アイダホ州の二人の議員がmRNA技術を用いたワクチンをヒトや動物に提供したり投与したりすることを犯罪とする法案を提出した。これは選挙で選ばれた議員の無責任さと愚かさの極みである。
-SMC UK
スコットランドでの「アルコールの最低ユニット価格政策導入以降のアルコール関連死と入院を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at alcohol-related deaths and hospitalisations in Scotland since the minimum unit pricing for alcohol policy was introduced
MARCH 21, 2023
Lancetに発表された観察研究がスコットランド政府が2018年に導入したアルコールの最低ユニット価格(MUP)以降のアルコール関連死と入院を調べた。
King’s College London客員研究員でアルコール研究所研究部長Sadie Boniface博士
Lancet とスコットランド公衆衛生局 PHSのプレスリリースはどちらも正確でこの重要な研究の知見を反映している…この研究では公的な死亡と入院のデータを用いて、アルコールによる死亡が13%減ったことを発見している。この研究はこの政策の評価の一部として事前に計画されていたものである。
Premier研究所生物統計科学上級部長Adam Jacobs博士
この論文は飲酒による死亡が13.4%減ったと主張しているが私はこの数字には2つの問題があると思う。一つ目はどの死亡が「完全にアルコールによる」かを判断する際の不確実性。二つ目は図1でMUP導入以降死亡率が増加しているようであること。
入院患者の現象は統計的有意に達しなかった。
Glasgow大学公衆衛生教授でMRC調査官Petra Meier教授
Sheffield大学シェフィールドアルコール研究グループ長John Holmes教授
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
おまけ
世界の食品ロス、実は2倍以上多い可能性あり?
井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
3/22(水)
https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20230322-00341782
たまたま目についたので
・Monika van den Bos Verma氏をモニカ氏と書くのはおかしくてもとのプレスリリースでもvan den Bos Verma氏と書いてある。近しいお友達なの?
・世界の生産量の1/3が失われている、のはFood Loss(生産から食品になるまでの間) and Waste(主に消費者レベル)の合計で、この論文は消費者レベルのwasteの話をしている。ところが日本語ではwasteが「食品ロス」。一方Food Lossのことを食料ロスと訳したりwasteを廃棄と訳したりしているので読者は混乱するだろう。
・この記事にふさわしい写真は金持ちの贅を尽くしたパーティーの残り物、のようなものだろう。畑でダメになるものはFood Lossであってwasteではないので。
・こういう細部を疎かにするのは「博士」が泣く