2023-04-26

[Codex]プレスリリース

-WHO食品安全実践コミュニティが世界食品安全デーを計画するために会合

WHO Food Safety Community of Practice meets to plan for World Food Safety Day

14/04/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1636685/

2023年4月14日、WHO食品安全実践コミュニティは、2023年の第5回世界食品安全デーを祝うためにFAOとWHOによって開発されたリソースを紹介する計画会議を開催している。

計画会議では、世界食品安全デーへの参加方法に関するアイデアを模索し、メンバーは今年のテーマである「食品規格はいのちを救う」ことについて詳しく学び、6月7日とその前後のお祝いについて質問したり計画を共有したりする機会を持つ。WHO食品安全実践コミュニティの詳細、及び世界食品安全デー計画会議への参加については、以下のURLを参照。 www.whofoodsafety.org

 

-CCCF16 /コーデックス汚染物質部会で進行中の技術的作業部会セッション

CCCF16 / technical working group sessions underway at Codex contaminants committee

17/04/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1637175/

2023年4月17日、オランダのユトレヒトに代表者が集まり、4月18日に始まる第16回コーデックス食品汚染物質部会(CCCF16)の全体会合で議題となる、さまざまな技術的トピックスに関する作業部会(WG)に参加した。会合に先立ち、コーデックス事務局は、特定の食品カテゴリーにおける鉛の最大基準値(ML)の設定作業について、作業をけん引するブラジルに話を聞いた。

<鉛のML設定作業について>

部会では、他の食品カテゴリーに鉛の新たなMLを引き続き設定することが広く支持されている。2022年、CCCFは乳幼児用穀類加工品、白砂糖及び精製糖、コーンシロップ及びメープルシロップ、ハチミツ、砂糖類を主原料とする飴菓子の鉛のMLを採択した。今回の部会では、精製されていない糖(ソフトブラウン、粗糖、非遠心糖)及び乳幼児用そのまま喫食可能な食事における鉛のMLについて議論している。2024年のCCCF17に予定している乾燥/生鮮料理用ハーブ及び乾燥スパイスの鉛に関するMLを決定できるようにするために、部会が議論中のMLを採択することを期待している。

<ML等の見直しにおける優先順位付けの規準について>

WGは、優先順位付けの規準を確立することに大きな成功を収めた。現在、ML、ガイドライン値、実施規範の優先順位付けに使用する17の優先順位付け規準がある。CCCF16では、さらに2つの規準が提案され、また、WGが以前に設定した2つの優先順位付け規準の改良が行われる予定である。

既存のコーデックス汚染物質基準の優先順位付けに使用されているアプローチは、3年間の試行期間の2年目に入っている。したがって、今度の会合では、コーデックスの基準を検討するためにこのWGが使用しているアプローチについて引き続き議論し確認すること、また優先順位付け規準の開発を継続することが期待される。

 

-私たちの道には多くの課題がある–食品の未来はCCCFサイドイベントで議論された

There are many challenges coming our way – the future of food is discussed at a CCCF side event

18/04/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1637298/

4月18日にユトレヒトで開催されたコーデックス食品汚染物質部会のサイドイベントにおいて、FAOの予測プログラムによって特定された農業食料システムにおける新興問題がもたらす課題と好機について概説された。

新しい食品と新しい食品生産システムに関するガイダンスを提供する上でコーデックスが果たす役割の可能性が、FAO食品安全担当官のVittorio Fattori氏、FAO動物生産担当官のDaniela Battaglia氏、シンガポール食品庁のOng How Chee氏及び加盟国とコーデックスオブザーバーで構成される聴衆を含むパネルによって議論された。

部会議長のSally Hoffer氏は閉会の挨拶で「私たちの道には多くの課題がある」と述べ、CCCFとコーデックスにとって他の可能性のある問題を認めた。「FAOとWHOから学ぶことは素晴らしいことであり、私たちの議題が将来の目的に適しているかどうかを確認するのは良いことである。今後数年で。この知識を持ち帰って、これらの問題についてあなたの国に反映して欲しい」と述べた。

 

-Codex60 / 汚染物質部会における鉛に関する実施規範の新フォーマットに着手

Codex60 / Launch of new format for code of practice on lead at contaminants committee

19/04/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1637404/

コーデックス事務局は、2022年に、一貫性の確保、FAO及び国際的な出版基準を満たすこと、及び読みやすさの向上を目的として、コーデックス文書のフォーマットとレイアウトの見直しに着手した。このプロジェクトは、コーデックス60周年記念を祝う事務局の取組の一環である。

食品中の鉛汚染の防止及び低減に関する実施規範(CXC 56-2004)は、このプロセスで準備された最初の文書であり、2023年4月20日、ユトレヒトで開催されている食品汚染物質部会で、改訂作業を主導した米国、日本、英国及び北アイルランドのチームに提示された。

 

-CCCF / 食品の安全性と品質に関する国際レベルでの協力

CCCF / cooperation at international level key to safety and quality of food

19/04/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1637377/

2023年4月18~21日にユトレヒトで開催されている食品汚染物質部会(CCCF)の開会式で、オランダ王国の保健福祉スポーツ大臣であるErnst Kuipers氏はビデオメッセージで、「今日の世界的な政治的及び環境問題に照らして、食品の安全性を確保するためのコーデックスメンバーの作業はこれまで以上に重要である」と述べた。また、「国際レベルでのこの種の協力は、世界中の食品の安全性と品質の継続的な保証を提供することに役立つ」とも述べた。

 

 

[FAO]肉、卵、ミルクは必須の栄養源である、特に最も脆弱な集団にとって、新しいFAOの報告書は言う

Meat, eggs and milk essential source of nutrients especially for most vulnerable groups, new FAO report says

25/04/2023

https://www.fao.org/newsroom/detail/meat-eggs-and-milk-essential-source-of-nutrients-new-fao-report-says-250423/en

政府は家畜由来食品のベネフィットを宣伝すべきであるが、環境問題などの畜産に関連する課題にも配慮する

FAOの新しい報告書

栄養と健康改善のための健康的食生活への地上の動物由来食品の寄与

Contribution of terrestrial animal source food to healthy diets for improved nutrition and health outcomes

https://www.fao.org/documents/card/en/c/cc3912en

この報告によると、動物由来食品の摂取は世界中で大きく異なる。コンゴ民主共和国の人は年間平均たった160gしかミルクを消費しないがモンテネグロでは338kgである。卵は南スーダンでは年平均2gだが香港は平均25kgである。ブルンジでは年に3kgの肉を食べるが香港は136kgである。

伝統食、で紹介されているのがカナダ北極圏、モンゴル、マサイ族の食生活

推奨摂取量と供給量の違いのグラフ(Figure C9)

セクションEでは代用肉・培養肉や昆虫食もとりあげている

抜粋

・昆虫は多くの必須栄養素を提供し、栄養アウトカムについての幾分かの根拠もあるが、文化的障壁と個人の嗜好が消費者受容性を抑制している。昆虫をヒトの食品として使うことの環境持続可能性は説得力があるようにみえ、今後需要は増えるかもしれない。しかしながら昆虫を食品や飼料として拡大するためには、食品安全上の懸念を考慮する必要がある。

 

[USDA]学校での朝食:素晴らしい一日への活性剤

School Breakfast: A Jump Start to a Great Day

Posted by Tony Craddock, Jr., Apr 25, 2023

https://www.usda.gov/media/blog/2023/04/25/school-breakfast-jump-start-great-day

朝が一日を決める。学校朝食計画はアメリカの子どもたちのより健康な未来を築くために重要である。しかし現在学校昼食を食べている子どもの約半分しか学校朝食を食べていない。USDAは2023年度の朝食計画拡大資金への申請を受け付けている。

(朝は果物と牛乳がよいというメッセージかな?)

 

[RIVM]地表水のリチウムの環境リスク限度指針

Indicative environmental risk limits for lithium in surface water

25-04-2023

https://www.rivm.nl/publicaties/indicatieve-milieurisicogrenzen-voor-lithium-in-oppervlaktewater

バッテリー需要増によりリチウムの採掘量が増加し、最終的に地表水にいきつく。地表水のリチウムの安全基準はないため、RIVMは環境リスク限度指針を決定した。

11 micrograms per litre

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 238-23

26 April 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20circular%20238-23.aspx

意見募集

・乳児用調整乳:定義や組成、表示などに関する基準の明確化のための改訂

2023年7月7日まで

 

乳児用調整乳基準見直しについて二回目のコメント募集

Second call for comment on review of infant formula standards

26/04/2023

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Second-call-for-comment-on-review-of-infant-formula-standards.aspx

 

[EPA]EPAは気候変動が米国の子どもたちに与える健康影響を示す報告書を発表

EPA Releases Report Showing Health Impacts of Climate Change on Children in the United States

April 25, 2023

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-releases-report-showing-health-impacts-climate-change-children-united-states

地球温暖化により

・空気の質の変化による子ども喘息の増加

・植物の花粉の増加による子どもの喘息関連救急増加

・(ダニによる)ライム病増加

・暑さによる学習時の集中力低下で成績低下、その後の収入減少

・洪水増加による避難や自宅消失

などの影響があると予想

Climate Change and Children’s Health and Well-Being in the United States Report

https://www.epa.gov/cira/climate-change-and-childrens-health-and-well-being-united-states-report

 

[NHS]NHSは2型糖尿病のヒトへのスープとシェイク提供を拡大する

NHS to expand soups and shakes for people with type 2 diabetes

26 April 2023

https://www.england.nhs.uk/2023/04/nhs-to-expand-soups-and-shakes-for-people-with-type-2-diabetes/

減量に有効であることが示されたため。

過去6年間に2型糖尿病と診断されて地元総合診療医から照会された患者に、(1日800kcalの)スープとシェイクダイエットが提供される。

予備的計画では3ヶ月で平均13kg減量し6ヶ月まで維持されていた。また1年では平均11kg減量し最大半分が2型糖尿病の寛解につながる可能性がある。

 

論文

-米国で販売されているメラトニングミ中のメラトニンとCBDの量

Quantity of Melatonin and CBD in Melatonin Gummies Sold in the US

April 25, 2023

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2804077

25製品を分析して1製品はメラトニンが検出されずCBDだけが31.3 mg含まれていた。残りは一回あたりの量が1.3mgから13.1mgで表示の74%から347%だった。±10%以内で正確な量含まれていたのはたった3製品だった。

 

-マイクロプラスチック:工場労働者は見えない脅威からどれだけ守られている?

Microplastics: How safe are factory workers from invisible threats?

By Tarun Sai LomteApr 24 2023

https://www.news-medical.net/news/20230424/Microplastics-How-safe-are-factory-workers-from-invisible-threats.aspx

Science of the Total Environmentに発表された研究で、プラスチック工場の労働者のマイクロプラスチック暴露を検討した。

イランのプラスチック工場の労働者20人の、働く前後で顔、口、髪、手を濾過した水で洗うよう指示しその水の中のマイクロプラスチックを調査した。

日焼け止めを使っている女性とひげのある男性で、顔のマイクロプラスチックの数が仕事の前後で違った。仕事後にマイクロプラスチックが多かったのは髪

Human occupational exposure to microplastics: A cross-sectional study in a plastic products manufacturing plant

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0048969723021952?via%3Dihub

 

-酒付き合いのいい人が多く稼ぐわけではない

Better social drinkers don’t earn more

25-APR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/987026

東大プレスリリース

飲める人が稼ぐって本当?

アルコール耐性と所得の関係

https://www.pp.u-tokyo.ac.jp/news/2023-04-25-42169/

(アルコールの利点とされたものがどんどん否定されていく)

 

-ひもでつないだ犬と歩くことは成人の外傷性脳損傷リスクと関連

Walking a leashed dog associated with risk of traumatic brain injury among adults

25-APR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/987219

Medicine & Science in Sports & Exerciseに発表された米国の研究。

さらに女性と高齢者が深刻な傷害になりがちである。

しかし犬は常に繋いでおく必要がある。

子どもの怪我との関連についても検討中で近い将来発表する。

 

-妊娠中のカンナビノイド暴露は新生児死亡率と呼吸器の問題を増やす

Exposure to cannabinoids in pregnancy increases newborn mortality and respiratory problems

25-APR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/987290

British Journal of Pharmacologyにラットでの実験

(大麻が使いやすくなると実験もしやすくなるのでこの手の研究はこれからもっと出てくる。大麻に害が少ないという主張は単にデータが少なかっただけなので)

 

その他

-Nature

DNAの構造発見にRosalind Franklinが真に貢献したこと

What Rosalind Franklin truly contributed to the discovery of DNA’s structure

25 April 2023  Matthew Cobb & Nathaniel Comfort

https://www.nature.com/articles/d41586-023-01313-5

フランクリンはDNA二重らせん解決の犠牲者ではない。1953年に書かれた見過ごされてきた手紙と未発表のニュース記事が、彼女が互角のプレイヤーだったことを明らかにする

 

エディトリアル

Rosalind Franklin はどのようにDNAの機能不全チームによっておさえられたか

How Rosalind Franklin was let down by DNA’s dysfunctional team

25 April 2023

https://www.nature.com/articles/d41586-023-01390-6

DNAの構造がどうやって発見されたかについての物語は、メンバーが一人だけ排除された許しがたいチーム科学の物語である

70年前の今週、DNA二重らせんの発見論文がNatureに発表された。

 

-遺伝学とAI:シンガポールでイチゴを育てる技術

Genetics and AI: The tech that goes into growing strawberries in Singapore

Chew Hui Min 12 Apr 2023

https://www.channelnewsasia.com/singapore/strawberries-singapore-farm-singrow-bao-shengjie-3400761

Singrowの気候耐性イチゴは農業ゲノミクスと精密農業の試験台である

シンガポールのサイエンスパークの屋内農場で育っているイチゴは、日本の品種由来で高温耐性になるように育種されてきた。SingrowのCEOであり共同創設者のBao Shengjieらのチームの研究成果である。通常イチゴは5-15℃で育つがSingrowのイチゴは20-28℃で育つ、世界初の熱帯イチゴである。また生育も早い。さらに自家受粉できる。それは農業遺伝子工学と生育条件を監視する精密農業技術のおかげである。

Singrowはイチゴの他にコメ、パームオイル、サフロン、チェリートマト、葉物野菜など30の作物を開発している。

 

-BBC Science Focus Magazine

ゲノム編集が本物のスーパーフードの約束を果たす

How gene-editing is about to deliver the promise of genuine superfoods

By Dr Emma Beckett

Published: 23rd April, 2023

https://www.sciencefocus.com/news/gene-editing-promise-superfoods/

最近政府がイングランドでのゲノム編集食品の商用開発を認めたため、より美味しくて栄養がある食品がまもなくスーパーに並ぶかもしれない

健康によいと宣伝される「スーパーフード」は現在高価な外来野菜果物を売るためのマーケティング用の誇大宣伝である。しかしゲノム編集が認められたので変わるかもしれない。

オリーブオイルのような油脂の組成の大豆油や菜種油、ビタミンを多く含むコメやバナナ。

しかし食の複雑さは栄養の多い食品を作って濃度が高いほどベネフィットが大きいと単純に言えないことを意味する