2023-04-27

[EFSA]意見等

-香料グループ評価217改訂3 (FGE.217Rev3):FGE.19の化学サブグループ4.1のα,β‐不飽和ケトン類及び前駆体類の遺伝毒性の可能性の考察:ラクトン類

Flavouring Group Evaluation 217 Revision 3 (FGE.217Rev3): consideration of genotoxic potential for α,β‐unsaturated ketones and precursors from chemical subgroup 4.1 of FGE.19: lactones

EFSA Journal 2023;21(4):7967 20 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7967

(科学的意見)

欧州食品安全機関の食品添加物及び香料に関するパネルは、FGE.19のサブグループ4.1の4つの香料物質[FL‐no: 10.023, 10.030, 10.057 及び 13.012]の遺伝毒性の可能性を評価するよう要請された。これらの物質のうち3つ[FL‐no: 10.023, 10.030及び 13.012]は、香料グループ評価217 (FGE.217)の前回の改訂で遺伝毒性の懸念は除外されている。だが、FGE.217Rev2では、遺伝毒性の懸念は3a,4,5,7a‐テトラヒドロ‐3,6‐ジメチルベンゾフラン‐2(3H)‐オン [FL‐no: 10.057]では除外できなかった。FGE.217Rev2の発表後、企業は[FL‐no: 10.057]の追加の遺伝毒性試験を提出し、今回の意見FGE.217Rev3で評価している。香料物質[FL‐no: 10.057]はin vitroで遺伝子変異や数的あるいは構造的な染色体異常を誘発しなかった。これらのデータを基にして、パネルは、 [FL‐no: 10.057]の遺伝毒性の懸念は除外されたと結論した。その結果、評価手順により評価できた。

 

-有効成分の承認審査においてアシベンゾラル-S-メチルの内分泌かく乱特性の評価のために申請者が提案したテスト戦略とスケジュールに関する声明

Statement concerning the testing strategy and timelines proposed by the applicant for the assessment of the endocrine disruption properties of acibenzolar‐S‐methyl in the context of the review of the approval of the active substance

EFSA Journal 2023;21(4):7968 20 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7968

(声明)

2021年7月8日、EFSAは提出した確証データを踏まえた有効成分アシベンゾラル-S-メチルの農薬リスク評価ピアレビューに関する結論を発表した。EFSAは、申請者が提出した確認情報に基づき、内分泌かく乱特性の評価はヒトや非標的生物では最終化できないと結論し、この評価を最終化するのに必要と思われる更なるデータを特定した。その結果、リスク管理者は、意思決定段階でアシベンゾラル-S-メチルが規則(EC) No 1107/2009第4条の承認基準を今もなお満たしていると結論できず、欧州委員会は同規則の第21条に従って既存の承認のレビューを開始することを決め、2022年7月6日に申請者に関連情報を含むEFSAの結論の調査結果に関するコメントを提出するよう呼びかけた。2022年12月14日に、欧州委員会はEFSAに、申請者がEFSAの結論を踏まえて提出した提案を検討し、提案された研究が委員会規則(EU) 2018/605に沿ってその物質の内分泌かく乱特性の評価を完了するのに十分かどうか判断し確認するよう要請した。この声明には、委員会規則EU) 2018/605に沿ったアシベンゾラル-S-メチルの内分泌かく乱特性の評価を完了するために申請者が提案した、追加データ生成の検査戦略と関連スケジュールに関するEFSAの検討が含まれている。

 

-豚の膵臓由来食品用酵素ホスホリパーゼA2の安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme phospholipase A2 from porcine pancreas

EFSA Journal 2023;21(4):7913 18 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7913

(科学的意見)

この食品用酵素ホスホリパーゼA2 (ホスファチジルコリン 2‐アシルヒドロラーゼ, EC 3.1.1.4)はSanyo Fine Co., Ltd.者が豚の脾臓膵臓から得たものである。卵加工、香料生産、酵母加工の3つの食品製造工程で使用することを意図している。食品用酵素の供給源、生産、化学的キャラクタリゼーションの特徴を記す十分なデータが申請者から提出されなかったことと、この食品用酵素が適用される食品製造工程についての情報が不十分であったことから、パネルはこの食品用酵素の安全性を評価できなかった。

 

-ズッキーニ、キュウリ、小キュウリのイマザリルの既存MRLsの改訂

Modification of the existing maximum residue levels for imazalil in courgettes, cucumbers and gherkins

EFSA Journal 2023;21(4):7980 19 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7980

(理由付き科学的意見)

 

-アニス(Pimpinella anisum L.)の果実から得られた飼料添加物の安全性と有効性:家禽と馬に使用するためのアニスオイルと家禽、イヌ、ネコ、馬に使用するためのアニスチンキ(FEFANA asbl)

Safety and efficacy of feed additives obtained from the fruit of Pimpinella anisum L.: anise oil for use in poultry and horses and anise tincture for use in poultry, dogs, cats and horses (FEFANA asbl)

EFSA Journal 2023;21(4):7976 20 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7976

(科学的意見)

 

-全ての動物種用Ensifer adhaerens CGMCC 19596株で発酵して生産したビタミンB12 (シアノコバラミン)からなる飼料添加物の安全性と有効性(Hebei Huarong Pharmaceutical Co. ltd)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of vitamin B12 (cyanocobalamin) produced by fermentation with Ensifer adhaerens CGMCC 19596 for all animal species (Hebei Huarong Pharmaceutical Co. ltd)

EFSA Journal 2023;21(4):7972 20 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7972

(科学的意見)

 

-豚肥育用Komagataella phaffii CGMCC 12056株 (APSA PHYTAFEED® 20,000 GR/L)で生産した6‐フィターゼからなる飼料添加物の有効性

Efficacy of a feed additive consisting of 6‐phytase produced by Komagataella phaffii CGMCC 12056 (APSA PHYTAFEED® 20,000 GR/L) for pigs for fattening (Andrés Pintaluba S.A)

EFSA Journal 2023;21(4):7973 20 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7973

(科学的意見)

 

-馬、豚、反芻動物用Saccharomyces cerevisiae DBVPG 48 SF株 (BioCell®)からなる飼料添加物の安全性と有効性(Mazzoleni S.p.A.)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of Saccharomyces cerevisiae DBVPG 48 SF (BioCell®) for horses, pigs and ruminants (Mazzoleni S.p.A.)

EFSA Journal 2023;21(4):7971 20 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7971

(科学的意見)

 

-馬、ネコ、ペットのウサギ用Lactiplantibacillus plantarum DSM 11520株からなる飼料添加物の安全性と有効性(Animal Probiotics Sweden AB)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of Lactiplantibacillus plantarum DSM 11520 for horses, dogs, cats and pet rabbits (Animal Probiotics Sweden AB)

EFSA Journal 2023;21(4):7974 20 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7974

(科学的意見)

 

-鶏肥育用及び七面鳥肥育用/交配のための育成用の臭化水素酸ハロフジノン(STENOROL®)からなる飼料添加物の安全性と有効性(Huvepharma N.V.)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of halofuginone hydrobromide (STENOROL®) for chickens for fattening and turkeys for fattening/reared for breeding (Huvepharma N.V.)

EFSA Journal 2023;21(4):7978 20 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7978

(科学的意見)

 

-全ての動物種に使用するためのジュニパー(Juniperus communis L.)ベリー由来エッセンシャルオイル及びチンキ(ジュニパーオイル及びジュニパーチンキ)からなる飼料添加物の安全性と有効性(FEFANA asbl)

Safety and efficacy of feed additives consisting of an essential oil and tincture from the berries of Juniperus communis L. (juniper oil and juniper tincture) for use in all animal species (FEFANA asbl)

EFSA Journal 2023;21(4):7977 20 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7977

(科学的意見)

 

-全ての動物種用フェロシアン化ナトリウムとフェロシアン化カリウムからなる飼料添加物の安全性と有効性(Eusalt a.i.s.b.l.)

Safety and efficacy of feed additives consisting of sodium ferrocyanide and potassium ferrocyanide for all animal species (Eusalt a.i.s.b.l.)

EFSA Journal 2023;21(4):7960  19 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7960

(科学的意見)

 

-全ての動物種用Corynebacterium glutamicum KCCM 80185株で生産したl‐イソロイシンからなる飼料添加物中のDNAの存在についての科学的意見

Scientific opinion on the presence of DNA in the feed additive consisting of l‐isoleucine produced by Corynebacterium glutamicum KCCM 80185 for all animal species (CJ Europe GmbH)

EFSA Journal 2023;21(4):7957  17 April 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7957

(科学的意見)

 

[ANSES]オータムクロッカス(イヌサフラン)とワイルドガーリック(ラムソン)の誤認は致命的な中毒を起こす可能性がある

Confusion between autumn crocus and wild garlic can lead to fatal poisoning

19/04/2023

https://www.anses.fr/en/content/actu-en-confusion-between-autumn-crocus-and-wild-garlic

野生植物の採取は食用植物と有毒植物の誤認につながる可能性がある。ANSESと中毒管理センターは、ワイルドガーリックと混同したオータムクロッカスの摂取に関連する中毒に対して再び警告している。2020年~2022年の間にオータムクロッカス中毒による死亡が2件発生した。

中毒は春に発生する

オータムクロッカス(イヌサフラン:Colchicum autumnale)はワイルドガーリック(ラムソン:Allium ursinum)と誤認することがよくあり、多花ニンニク(Allium polyanthum)ともまれに誤認する。これらの3つの植物は全て春に同じ下草の中で生育する。オータムクロッカスの花は、ワイルドガーリックやリークの花とはまるで違って、秋にしか見られず(ワイルドガーリックや多花ニンニクの後)、花が咲く前の春に摘み取られる際には、これら3つの植物の葉を誤認しやすい。

2020年~2022年の間にオータムクロッカスとワイルドガーリックや多花ニンニクとの誤認事例が28件中毒管理センターに登録された。この中毒は、主にグランエストやオーヴェルニュ-ローヌ-アルプ地方で3月~5月に発生し、4月がピークとなる。

中毒を起こした人の半数はバジルソースを作るのに葉を使用していた。残りの半数はサラダで食べたり、いためたり、キッシュに使用していた。

2020年~2022年の間の死亡は2件

中毒を起こした人のうち、半数は顕著なあるいは長期の症状を示し(持続性の下痢や嘔吐)、4人が急性消化器、肝臓や血液疾患などの重篤で致命的な症状を示した。2人が死亡した。

中毒の重症度は、摂取した葉の量、その植物のコルヒチン濃度(大きく異なる)、特定の一般的な薬(マクロライド系抗生物質や抗ビタミンK)と組み合わせるかどうかによるもので、それにより毒性のリスクが著しく高まる可能性がある。

ワイルドガーリックとオータムクロッカスはどのようにして見分けられる?

ワイルドガーリック(ラムソンとしても知られている)は食用の野生植物で、15~40cmに成長し、葉を潰すと特徴的なニンニク臭がある。星形の花と細長い球根はどちらも白い。

茎が細長く楕円形で先のとがった葉は、程度は様々だが光沢がある。この植物は、涼しい下草の中、湿った日陰の谷底や小川沿いに大きなカーペット状で生えることが多い。葉は2月~3月に現れ、花は4月~6月初めに咲く。最初の花が咲くまでに葉を摘む。

オータムクロッカスの葉は硬くて茎がなく、球根は丸くて色が濃い。藤色の花は秋まで咲かず、春には葉だけが見えている。葉は肉厚で先端が丸く、地面からまっすぐ生えているように見える。草の全ての部分が有毒である。

ANSESの助言

ワイルドガーリックを採取する場合は:

・思い込まないこと:自分が採取している植物をよく知っておくこと;

・それぞれの葉を潰してニンニク臭がすることを確認すること

・抱えるほどの葉を採取しないこと:有毒種と食用種が混ざる可能性があるので、異なる種類の植物を一緒に集めておかないこと

・識別に疑問がある場合は食べないこと!

苦味や不快な味がする場合はすぐにその葉を食べるのを止めること;

・中毒になった場合に識別しやすいよう、採取した植物の写真を撮っておくこと。

ワイルドガーリックや多花ニンニクの入った料理を食べた後に疑いを持ったり、食べて数時間以内に消化器症状やその他の症状が出た場合は、すぐに中毒管理センターに連絡をするか、医師の診察を受けること。

致命的な症状(昏睡状態、呼吸困難など)の場合は(フランスでは)15番に電話すること。

 

[EPA]EPAはウエストバージニア州Parkersburg市近傍のWashington Works施設でのPFAS放出に対応するために初めて連邦水質汚染法を執行

EPA takes first-ever federal Clean Water Act enforcement action to address PFAS discharges at Washington Works facility near Parkersburg, W. Va.

April 26, 2023

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-takes-first-ever-federal-clean-water-act-enforcement-action-address-pfas

フルオロポリマーを含むフッ化有機化合物製品を製造している施設の雨水と廃水中のPFAS濃度が水質汚染法許容値を2018年9月から2023年3月の間にたびたび超過したため改善策を講じるように命令した

 

[EU]FAQ: ワンヘルスアプローチでAMRと戦うEUの行動を強化する欧州理事会助言

Frequently Asked Questions: Council Recommendation on stepping up EU actions to combat AMR in a One Health approach

26 April 2023

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/qanda_23_1845

 

[FSAI]食品組成変更

Food Reformulation

13/4/2023

https://www.fsai.ie/food_businesses/reformulation.html

 アイルランドの食事のカロリー、飽和脂肪、砂糖、塩分を減らすことを目的とした食品の組成変更に関する情報更新。

食品組成変更タスクフォース進行状況報告書2022など

 

[FDA]警告文書

-Biloxi Freezing & Processing, Inc.

MARCH 16, 2023

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/biloxi-freezing-processing-inc-648616-03162023

 水産製品のHACCP、食品CGMP、不純品、衛生管理の問題。

 

[ASA]ASA裁定

-ASA Ruling on Chala's Beauty Box

26 April 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/chala-s-beauty-box-a22-1175446-chala-s-beauty-box.html

この裁定はASAの調査に続く硬化療法についての広範な仕事の一環である。

硬化療法は医師の処方のみによる医療で、一般むけに宣伝することは違反

(美容目的で手の甲に浮き出た静脈をきれいにするために行われているようだ。)

 

-ASA Ruling on First Contact Health

26 April 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/first-contact-health-a22-1166814-first-contact-health.html

多血小板血漿(PRP)注射で関節修復、などの宣伝が違反

 

-ASA Ruling on Helen Taylor Aesthetics Ltd t/a Helen Taylor Aesthetics & Wellness Clinic

26 April 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/helen-taylor-aesthetics-ltd-a22-1174565-helen-taylor-aesthetics-ltd.html

高圧酸素療法、レーザー脱毛、エステ注射、脂肪凍結などの施術で「加齢を逆転させ、寿命を延ばす」との宣伝に根拠がない

 

-ASA Ruling on Legacy 369 Ltd

26 April 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/legacy-369-ltd-a23-1187936-legacy-369-ltd.html

CBDが痛みや精神疾患に効果があるという医療宣伝が基準違反

(ビューティーサロンやアンチエイジングクリニックの類いは怪しい宣伝がたくさんある)

 

論文

-長いシエスタ(昼寝)は肥満、メタボリック症候群、高血圧リスクと関連

Longer siestas linked to higher risk of obesity, metabolic syndrome, and high blood pressure

26-APR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/987282

地中海地方の3000人以上の成人のデータから、30分以上昼寝をする人は昼寝をしない人よりBMI、血圧が高く、その他心疾患や糖尿病に関連する症状が多いことを発見した。短時間の昼寝ではそのようなリスク増加は見られない。Obesity.

 

-新しいConcordia大学の研究によると、都市部のミツバチの多さが野生のミツバチ集団に悪影響を与えている

Abundance of urban honeybees adversely impacts wild bee populations, according to new Concordia research

26-APR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/987420

都市での養蜂の爆発的増加が資源を競合する他の種を圧倒している可能性がある

PeerJに発表。モントリオール島周辺の2013年と2020年のデータを比較。ミツバチが最も増えたところで野生のハチが最も少なかった。モントリオール島のミツバチコロニーは2013年には250以下だったが2020年には約3000に膨らんだ。ミツバチはこの地域の土着のものではなく他の種と資源を巡って競合する。

養蜂はリスクのない趣味ではない。趣味の養蜂が生物多様性消失の解決法であるかのようにしばしば間違って宣伝されている。裏庭で鶏を飼っても野生の鳥を救うとは言わないように、養蜂はハチを救わない。

 

-真正面からデマに反論する代わりに、それを「無視」してみよう

Instead of refuting misinformation head-on, try “bypassing” it

26-APR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/987527

Scientific Reportsに発表されたペンシルベニア大学の社会心理学者Dolores Albarracínらの研究。デマに対抗する手法として「修正」と「無視」を比較した。

参加者に新たに開発されたGMトウモロコシは重症アレルギー反応を誘発するというデマを読んでもらう。次にデマを訂正する文章と、デマには触れずGMはミツバチを救ったり世界の飢餓対策になるという文章を読んでもらう。対照群には全く関係ない文章を読んでもらう。その結果、デマ訂正群とデマ無視群ではGM制限への支持は同程度に減った。

我々はデマが野火のように広がる世界に住んでいるので、デマ修正だけではなくデマを無視して利点を広める戦略も活用すべき。

 

-異なる国の食中毒推定は正当に比較できるか?英国とオーストラリア、カナダ、米国の率でのケーススタディ

Can foodborne illness estimates from different countries be legitimately compared?: case study of rates in the UK compared with Australia, Canada and USA

Darren Holland et al., BMJ Open Gastroenterology

https://bmjopengastro.bmj.com/content/10/1/e001009

国により、食中毒推定のために使われている数理モデルが異なるため、食中毒推定の国際比較はできない

(日本は届け出数なので論外)

 

その他

-クロムの腐敗

The Corruption Of Chromium

Susan Goldhaber MPH — April 25, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/04/25/corruption-chromium-17014

EPAが最近6価クロムの健康評価案を完了し、それが科学コミュニティに議論を巻き起こしている、なぜならば飲料水中の6価クロムががんの原因になっている可能性が高いと結論しているから。この結論はEPAのこれまでの評価や学術文献の多く、そしてカナダを含む他国の評価と食い違う

EPAのクロムの毒性評価の相当な変更について、事実と虚構を分けよう。

規制の背景

現在の1991連邦飲料水基準は総クロムについて100 ppbである。これは三価のクロムと六価のクロムの合計についてのものだが、毒性の高い六価クロムをもとに設定された。

最新の6価クロム健康評価の後、EPAは32年前の飲料水基準を改定する予定だと述べた。EPAのIRISのChromium-VIは2022年10月に完了した。

クロムを理解する

人々のクロムについての理解は主に映画“Erin Brockovich”の描写に基づく。クロムには映画で描写されて以上の性質がある。

クロムは環境中には主に三価と六価の二つの形で存在する。

・三価のクロムはヒトの代謝に必須の微量栄養素で天然に多くの野菜や肉、穀物などに存在する。適切な摂取量はIOMが女性25マイクログラム/日、男性35マイクログラム/日としている

・六価のクロムは岩石のクロム鉱床由来のものが天然に環境中に存在し、そして石炭や天然ガスの燃焼や金属産業などで工業的に作られる。

六価のクロムは三価のクロムよりはるかに毒性が高く、飲料水や空気中に存在するのは主に六価である。六価クロムが食品や水から飲み込まれると、60-70%は胃で毒性の低い三価のクロムに変換される。経口摂取した六価クロムががんの原因になるとは考えられていない。一方で高濃度の六価クロムを吸入すると、職業暴露研究で示されているように肺がんの原因になる。

EPAのIRIS評価はこの知見に異議を唱え、六価クロムは経口摂取でヒトがんの原因になると結論した。何を根拠に?

EPAが使ったのは2008年のラットとマウスでのNTP試験である。この2年間試験では、

・三価のクロムに有害影響はなかった

・六価クロムによってラットの口腔(口、舌)とマウスの小腸のがんが増加した

・六価クロムは胃がんを増やさない

多くの動物実験同様、この試験では飲料水中の濃度より何桁も多い量が使われている。

EPAの六価クロムの発がん性の結論にいくつか問題がある。

・EPAはNTPの試験を、がんの種類に関係なく六価クロムがヒトでがんを起こす可能性が高いと全面的な宣言を支持する根拠とした。IRIS評価ではこの違いを考慮せず、全ての種類のがんをまとめて一括解析するという間違った解釈をした。EPAは六価クロムがヒトの胃がんハザードにはならないと結論した最近のメタ解析を軽視した。

・EPAは六価クロムの発がんメカニズムは突然変異誘発だと結論した。これにより安全な閾値はないとみなしより低い許容量を設定することになる

この結論は六価クロムの作用メカニズムが突然変異誘発によるものではないという科学的合意に反する。EPAは変異原性陰性の結果を信頼性が低いとしてほぼ全てその解析から排除した。EPAが発がん性試験では信頼性が高いと見なした2008年NTPの変異原性試験試験の結論すら除外した。EPAはそれを以下のように説明している

-現行の根拠は六価クロムによる突然変異信号を一貫して同定してはいないが、幾分かの示唆があるかもしれないmay be some-

何故この結論が問題なのか

EPAはチェリーピッキングにより結論を出したがそれは飲料水基準の設定根拠となる、つまり相当低い基準が設定されるだろう。最終的には健康には利益がないのに水道料金が高くなるだろう。

 

(日本は2018年に食品安全委員会が清涼飲料水の六価クロムを評価して2020年に飲料水の基準0.02mg/Lに改正。遺伝毒性メカニズムではないと評価している)