2023-05-12

[FDA]食品安全に関する国際協力はFDAの最優先課題である

International Collaboration on Food Safety is a Top Priority for the FDA

05/02/2023

https://www.fda.gov/food/conversations-experts-food-topics/international-collaboration-food-safety-top-priority-fda

以下の会話では、食品安全・応用栄養センター(CFSAN)の国際連携部(OIE)の部長であるJulie Moss氏、OIE国際政策アナリストEric Stevens氏、Kelly McCormick氏が、FDAの使命に対して国際組織との関与の重要性について議論している。

CFSANが国際組織と提携する理由は?

Julie Moss氏:米国の安全システムは世界で最も尊敬されるものの1つである。FDAの食品安全・応用栄養センター(CFSAN)では、国の食料供給に関して、安全・衛生的・健全・正直な表示を保証することで公衆衛生を促進するという、1つの目標を念頭に置いている。

CFSANの専門家は多くの重要な理由から国際組織に関与している。我々は、グローバルな食品安全システムを強化し、食品の安全で公平な取引を確保し、科学に基づく食品安全基準の調和を促すために協力している。米国内で消費する輸入食品の量を考えると、この関与がもたらす安全性の向上は特に重要である。

FDAの食品安全・応用栄養センターはどの国際機関と関与している?

Julie Moss氏:言うまでもなく、我々は公衆衛生の使命や関心と合致する組織との提携を重視している。現在、世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)、世界貿易機関の規格及び通商開発機構(WTO STDF)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、食品安全協力フォーラム(FSCF)との取り組みを行っている。これらのグローバルなパートナーシップにより、CFSANは、海外の機関、研究所、企業、学術機関に国際的に認定されている食品安全基準や方法を導入できるよう働きかけることができる。

CFSANの国際機関との関与例を共有していただけますか?

Eric Stevens氏:1つの好例に、世界保健機関(WHO)との関係がある。WHOは国際的な公衆衛生を担当する国連の機関である。WHOの規約はCFSANのグローバルな食品安全の関与と一致しているため、パートナーシップの構築を重視している。我々は協力を通して食品安全システムを強化し、食中毒の脅威を低減する新技術に関する他国の管轄機関の教育を支援している。目下、CFSANはWHOの栄養・食品安全部門(NFS)と4つの主要分野の複数のプロジェクトで連携している。

・食中毒予防と食品安全戦略

・食品科学と技術

・栄養と食糧安全保障

・人畜共通感染症と環境(動物の病気の伝染を低下する)

他の例に、国連食糧農業機関(FAO)との関与がある。FAOは、飢餓撲滅への国際的な取り組みを主導する国連の専門機関である。我々は、全ての人が食糧安全保障を達成し、人々が活発で健康的な生活につながる十分な高品質の食品を日常的に入手できることを確保するという目標を共有している。

CFSANはFAOの2つのグループと緊密に連携している:(1)食品安全と品質ユニット;(2)土地と水ユニット。先進国と発展途上国の食品安全と水質のシステムを支援・改善するために各グループと別々に協力協定を結んでいる。どちらの取り組みも食中毒を削減することを目標としている。

私からの最後の例は、WHOやFAOと緊密に協調しているCodexである。コーデックス委員会(CAC)は、食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)合同食品規格プログラムで、コーデックス規格または「食品規格」を構成する自主的な国際基準、ガイドライン、実践規範を考案している。コーデックスの基準は、消費者の健康を保護し、食品貿易の公平な実践を確保するのに役立つ、独立した国際的なリスク評価機関あるいはFAO と WHOが組織する特別な審議会が提供する健全な科学に基づいている。このガイドラインは任意だが国内法に基づいて機能することが多く、食品安全と動植物の疾病予防を扱う、世界貿易機関の衛生と植物防疫のための措置に関する協定(SPS協定)で特別に参照されている。WTOのメンバーはコーデックスとは異なる基準を設定できるが、貿易摩擦の場合、その措置を科学的に正当化する必要がある。

CFSANは、米国農務省の米国コーデックス事務局と緊密に連携することでCACに参加し、リーダーシップを発揮している。食品衛生(私が共同代理代表を務めている)や栄養及び食品添加物など、CFSANから多数の代理人が様々なコーデックス委員会の一員として働いている。我々は、米国の規制や法律と一致する消費者保護、表示情報、経済的詐欺や欺瞞の予防を提供する、科学に基づく国際的な食品安全、表示、他の基準を推奨するために、他のCACメンバーの国々/機関と定期的に会合している。

Kelly McCormick氏:だが、それだけでは終わらない!CFSANは作業グループに参加し、世界貿易機関 (WTO)の規格及び通商開発機構(STDF)のマルチドナー信託基金に毎年貢献している。STDFは、発展途上国が国際的な衛生と植物防疫のための措置(SPS)の基準を実践し、規制監視システムを改善するための設備拡張を支援するグローバルなパートナーシップである。また、革新的な資金調達、横断的なSPSプロジェクト、開発によって各国が市場へのアクセスを獲得・維持できるよう促進している。STDFは、グローバルな調整プラットフォーム、知識のハブ、SPSの能力強化のためのネットワークとしての役割において、発展途上国と先進国両方を同様に尽くしている。

我々はSTDFを増幅器として考えている。ドナー国とメンバー機関全てが貢献する財源と専門知識があれば―私達ができることをまとめると、個々の国、機関、組織として達成できるであろうことを合わせたものを遙かに超えている。

私は2021年にSTDFの作業グループの副グループ長として、2022年にはグループ長として務めた。海外のパートナーとFDAとの協力を構築・強化するために、米国やFDAを代表して働くことができて大変うれしかった。STDFとの継続的な関与により、科学に基づく基準についての情報共有や教育により大きな結果をもたらしている。

FDAはアジア太平洋経済協力会議(APEC)との関与に長い歴史がある。APECは太平洋に面した21の地域の経済圏に代表される経済フォーラムである。APECの正式な会議やイベントは全て毎年異なる経済圏が主催する。2023年の開催地は米国である。1989年の創設以来、米国がAPECを主催するのは3回目である。APECの経済圏は米国の貿易相手国トップ10のうち7ヶ国を占め、米国の輸出の61%以上、輸入の67%以上を占めるため、米国にとって重要な地域である。APECは様々な分野別の作業委員会やサブグループがあり、政府の技術レベルを通して行政からの関与がある。FDA とCFSANは、2008年の開設以降、APECの食品安全協力フォーラム(FSCF)やパートナーシップ研修機関ネットワーク(PTIN)に積極的に関与してきた。我々は、輸入認証、水産養殖の安全性、食品安全近代化、研究所の能力強化、最大残留基準MRL農薬調和など、様々な一連の作業を支援するために、食品安全に関する専門知識や財源を提供している。

現在はCFSANが、FDAが素晴らしい専門知識を持つ分野―全ゲノムシーケンス:食品由来病原菌の環境検査の研究所の能力構築―でUSDAと共に、APECの一連の作業を主導している。APECでの作業を通して、国際基準の採用を促進し、アウトブレイクの予防、イノベーション、トレーサビリティ、データの共有、デジタル化など、食品安全近代化の重要な分野を優先することができる。

CFSANは国際的な取り組みを進めるために、APECやCACと同様に他の機関とのパートナーシップにも関与している?

Julie Moss氏:そうです!協力が重要です。

米国農務省(USDA)の食品安全検査サービス(FSIS)、USDAの海外農業サービス(FAS)、米国国際開発局(USAID);商務省;米国通商代表部、国務省など、米国の食品供給の安全性を確保することで公衆衛生を保護するために米国政府機関と緊密に協力している。我々は、全て安全な食品を生産し取引するという目標に向けて、世界中の食品安全システムを強化するために、集団で総体的に作業する省庁間のパートナーとの関係に信頼を置いている。

Kelly McCormick氏:省庁間の調整の素晴らしい例は、食料安全保障のための食品安全(FS4FS)構想である。FS4FSは、USAID、USDA、FDA間のパートナーシップである。

このプログラムは、1つには、発展途上国の食品安全、栄養、公衆衛生を改善するためにデザインされている。この構想はグローバルな食品安全の仕事ための情報交換の場や解決策として役立っている。

協力して作業した結果、収穫後の取扱マニュアル;オンライン食品安全遠隔学習モジュール;APECの全ゲノムシーケンス作業のいくつかの段階を通したツールなどの資料を作成することができた。CFSANは発展途上国の食品安全政策や規制環境を促進するためにFS4FSにおける関与を続けていくつもりである。これには、国際基準を満たすための機関、農業従事者、消費者、業界の準備状況などが含まれており、グローバルな食品システムの変容に重要だと考えている。

では、要約すると、今後の国際機関との継続的な関与を想定していますか?

Julie Moss氏:そうですね!既存の及び新たに開発するパートナーシップを維持する恩恵ははかりしれない。CFSANが、国際的な公衆衛生機関、国際的な基準設定団体、海外の規制パートナーと継続的に参加・協力することは、米国や世界中の消費者が安全で栄養価の高い食品をより多く入手できるよう確保するために不可欠である。

 

[FDA]アペタミン―違法に輸入された体重増加、体型増強製品

Apetamin — An Illegally Imported Weight Gain, Figure Augmentation Product

04/28/2023

https://www.fda.gov/consumers/apetamin-illegally-imported-weight-gain-figure-augmentation-product?utm_medium=email&utm_source=govdelivery

FDAは、アペタミンは危険な可能性があり、安全性と有効性が見直されていないと消費者に警告する

FDAは、体重増加や体型増強として違法に販売されているアペタミンの使用に関連した重篤な有害事象のいくつかのインシデントを再調査した。

アペタミンはFDAが認可している製品ではない。海外で製造され、米国に違法に輸入されたものである。FDAはアペタミンの輸入を制限したが、この製品はしばしばオンライン販売や一部の小売店を通して米国市場に引き続き入り込んでいる。アペタミンは、体重を増やしたい人や一定の体格を得たい人を対象に、ソーシャルメディアを通して大々的に宣伝・販売されている。

アペタミンには、米国では医師の処方箋が必要な強力な抗ヒスタミン薬であるシプロヘプタジンが含まれている。

危険な有害影響

消費者は、シプロヘプタジンに関連する重大な有害影響や、アペタミンに含まれるその量に気づかない可能性がある。シプロヘプタジンは、アレルギー症状の治療によく使用される強力な抗ヒスタミン薬であるため、鎮静、認知機能障害、めまい、低血圧を引き起こす可能性がある。抗ヒスタミン薬の過剰摂取は大変危険で、6時間以内に次のような重篤な有害影響が出る可能性がある:

・見当識障害や混乱

・幻覚

・けいれん

・呼吸と心拍数の減少

・昏睡状態

・死亡

アペタミンの使用は精神的覚醒を低下させることもあり、消費者は、車の運転や機械操作など、精神的覚醒や運動調整の必要な活動に従事することについて気をつけなければならない。アペタミンに含まれるシプロヘプタジンのような強力な抗ヒスタミン薬は、アルコールや他の中枢神経系抑制剤(催眠剤、鎮静剤、精神安定剤、抗不安剤など)と一緒に使用すると、相加作用があるかもしれない。

FDAは、FDAの有害事象報告システム(FAERS)や公表文献から、アペタミンを服用し、神経系の障害(めまい、眠気、震えなど)、心臓疾患(不整脈など)、肝臓損傷を経験した青年が関与したいくつか最近の有害事象報告を再調査した。FDAは、報告された事象に加え、過小報告により、有害事象を経験した消費者の実数はより高いのではないかと懸念している。

我々が発表した報告書では、毎日アペタミンを6週間使用した後に自己免疫性肝炎を発症した人について記述している。この種の肝炎は慢性疾患で、生涯にわたる病気を発症する可能性がある。コルチコステロイドや免疫系抑制因子で治療されるが、もし治療しないまま放置すると肝不全を引き起こす可能性がある。

健康を危険にさらさないで―医師の診察を受けよう

消費者、世話をする人、両親は、安全な体重増加治療の選択肢について、医師の助言を受けるべきである。

FDAは、アペタミンや他の類似製品に関連する医学的有害事象を経験したのではないかと疑う人に、FDA のMedWatch有害事象報告プログラムを用いたり、食品安全応用栄養センター有害事象報告システムを用いて、または電話で報告するよう奨励している。

なお、地元の消費者苦情コーディネーターに連絡することもできる。

 

[FDA]プレスリリース

-FDAは乳児用調整乳のリソースページを見直す

FDA Redesigns Infant Formula Resource Page

May 8, 2023

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-redesigns-infant-formula-resource-page

 米国食品医薬品局(FDA)は、乳児用調製乳に関連する内容をより適切に整理するために再設計されたウェブページを公開した。

https://www.fda.gov/food/resources-you-food/infant-formula

 

-FDAは動物バイオテクノロジーに重要なツールを提供するプロジェクトを発表する

FDA Announces Project to Provide Key Tool for Animal Biotechnology

May 10, 2023

https://www.fda.gov/animal-veterinary/cvm-updates/fda-announces-project-provide-key-tool-animal-biotechnology-developers

 FDAは、動物のゲノムを改変し革新的な動物バイオテクノロジー製品を開発する研究者や企業に重要な新しいリソースを提供することを目的とした国立標準技術研究所(NIST)との共同プロジェクトを発表する。特に、ゲノム編集を使用して開発された牛と豚のIGA(意図的なゲノム改変)を特徴付けるための標準測定値を作成することを目的とする。

 

-将来的な公衆衛生上のリスクへの備えと対応

Preparing for and Responding to Future Public Health Risks

MAY 11, 2023

https://www.fda.gov/news-events/congressional-testimony/preparing-and-responding-future-public-health-risks-05112023

2023年のPandemic and All Hazards Preparedness Act(パンデミック及び全ハザード対策促進法)の再授権に向けたFDAまたは当局の取り組みについてのRobert M. Califf長官の証言。

 

-FDA監督パートII:乳児用調製乳不足の責任

FDA Oversight Part II: Responsibility for the Infant Formula Shortage

MAY 11, 2023

https://www.fda.gov/news-events/congressional-testimony/fda-oversight-part-ii-responsibility-infant-formula-shortage-05112023

乳児用調製乳に関するFDAの取り組みについてのRobert M. Califf長官の証言。

 

[FDA]公示

-Phentamene XTは表示されない医薬品成分を含む

Phentamene XT contains hidden drug ingredient

05/05/2023

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/phentamene-xt-contains-hidden-drug-ingredient

 FDAの研究所分析により、減量製品として販売されているPhentamene XTに、DMAA(1,3-ジメチルアミルアミン又はメチルヘキサナミン)の含有が確認された。製品写真あり。

 

-V=GRA GOLD 500mgは表示されない医薬品成分を含む

V=GRA GOLD 500mg contains hidden drug ingredient

05/11/2023

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/vgra-gold-500mg-contains-hidden-drug-ingredient

 FDAの研究所分析により、性的強化製品として販売されているV=GRA GOLD 500 mgに、シルデナフィルの含有が確認された。製品写真あり。

 

-UA-Blockは表示されない医薬品成分を含む

UA-Block contains hidden drug ingredient

5-8-2023

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/ua-block-contains-hidden-drug-ingredient

 FDAの研究所分析により、関節痛と関節炎用製品として販売されているUA-Blockに、インドメタシンの含有が確認された。製品写真あり。

 

-New Fast-Act Rheumatism Capsuleは表示されない医薬品成分を含む

New Fast-Act Rheumatism Capsule contains hidden drug ingredient

5-8-2023

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/new-fast-act-rheumatism-capsule-contains-hidden-drug-ingredient

 FDAの研究所分析により、関節痛と関節炎用製品として販売されているNew Fast-Act Rheumatism Capsuleに、インドメタシンの含有が確認された。製品写真あり。

 

-Fast-Act Rheuma Capsuleは表示されない医薬品成分を含む

Fast-Act Rheuma Capsule contains hidden drug ingredients

5-8-2023

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/fast-act-rheuma-capsule-contains-hidden-drug-ingredients

 FDAの研究所分析により、関節痛と関節炎用製品として販売されているFast-Act Rheuma Capsuleに、21-酢酸プレドニゾン及びピロキシカムの含有が確認された。製品写真あり。

 

[NTP]科学助言委員会予定

Upcoming NTP Board of Scientific Counselors Meetings

https://ntp.niehs.nih.gov/events/bsc/index.cfm

2023年5月16日の議題や資料は5月12日までに掲載される予定

議題には5月4日の公聴会でのフッ素のモノグラフ案についての議論の続きが含まれる予定。ワーキンググループが内外から寄せられたフッ素の神経行動影響についてのコメントへの対応が十分かどうかについて報告していた。

 

[FSAI]公衆衛生栄養戦略

Public Health Nutrition Strategy

9 MAY 2023

https://www.foodstandards.gov.scot/publications-and-research/publications/public-health-nutrition-strategy

公衆衛生栄養戦略として、スコットランド国民の食生活を改善するという法定目標に対処するための改訂されたアプローチを正式に定めた。

食事摂取量調査の強化や食環境改善のための関係者協力強化など

食品業界に対しては販売する食品の規制強化が含まれる

 

[FSAI]FSAIが国際食品機関責任者フォーラムを開催する

FSAI Hosts International Heads of Food Agencies Forum

10 MAY 2023

https://www.fsai.ie/news-and-alerts/latest-news/fsai-hosts-international-heads-of-food-agencies-fo

アイルランド食品安全局(FSAI)は、世界の食品規制当局をダブリンに迎え、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以来初の対面会議となる国際食品機関責任者フォーラムの第4回年次会議を開催した。

 

[ヘルスカナダ]助言

-違法な模倣品の食用大麻製品の誤飲により子どもに深刻な害をもたらす可能性がある

Accidental ingestion of illegal “copycat” edible cannabis products causing serious harm to children

2023-05-10

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/accidental-ingestion-illegal-copycat-edible-cannabis-products-causing-serious-harm

ヘルスカナダは子どもが誤って食用大麻を摂取した場合に重大な害を及ぼす危険があることをカナダ国民に警告する。違法な食用大麻製品は、食料品店、ガソリンスタンド、街角の店舗で一般的に販売されている人気ブランドのキャンディー、スナック、その他の食品のように見えるよう包装化されている場合がある。製品一覧及び製品写真あり。

 

[HK]リコール等

-米国農務省食品安全検査局(FSIS)は、Mitten Gourmet, LLCが米国で製造したそのまま喫食可能な豚のスナック製品が、連邦政府の検査なしに製造されたことによるリコール

The Food Safety and Inspection Service (FSIS) of the United States Department of Agriculture (USDA) issued a notice regarding a recall of ready-to-eat pork rind products in the US by Mitten Gourmet, LLC because the products were produced without the benefit of federal inspection.

11 May 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20230511_6.pdf

 

-Rappel Conso of France-基準値を超えるカドミウムによるSICOLYブランドのMorceaux d'ananas surgelé s en carton de 5 sachets de 1 kgのリコール通知

Rappel Conso of France – A notice regarding a recall of SICOLY brand of Morceaux d'ananas surgelé s en carton de 5 sachets de 1kg pineapple product in France due to presence of cadmium at a level exceeding the relevant standard in France.

11 May 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20230511_4.pdf

基準値を超えるカドミウムによるSICOLYブランドのMorceaux d'ananas surgelé s en carton de 5 sachets de 1 kg(冷凍パイナップルチャンク)のリコール。

(日本のリコールの紹介略)

 

[EU]SCHEER:委員会は科学目的で使用される動物の保護に関する予備的意見にパブリックコメント募集

SCHEER: Commission launches public consultation on the Preliminary Opinion on the protection of animals used for scientific purposes

11/05/2023

https://ec.europa.eu/newsroom/sante/items/787267/en

ゼブラフィッシュやスズメ目の鳥の飼育条件やゼブラフィッシュを殺す方法、などについて。2023年6月12日まで。

 

[COT]2023年5月16日の会議

COT Meeting: 16th May 2023

Last updated: 11 May 2023

https://cot.food.gov.uk/COT%20Meeting%3A%2016th%20May%202023

追加分

-緑茶カテキンの肝毒性についての声明三次案

Third Draft Statement on the Hepatotoxicity of Green Tea Catechins

https://cot.food.gov.uk/%20Third%20Draft%20Statement%20on%20the%20Hepatotoxicity%20of%20Green%20Tea%20Catechins

緑茶誘発性の肝毒性についてはいくつかの新しい研究が入手できたがさらなる研究が必要なようだ。少なくとも一部は個人の特異体質で、遺伝要因や栄養状態、全般的な肝臓の健康状態なども影響する

(お茶は普通に飲むものでサプリや健康食品でたくさんとるものではない、ということと、雑草の多い有機栽培だと毒草が混じるよ、というところが一般向けのポイントか)

 

-経口バイオアベイラビリティを増やすようデザインされた新規サプリメント化合物製剤についてのディスカッションペーパー

Discussion Paper on Novel Formulations of Supplement Compounds Designed to Increase Oral Bioavailability

https://cot.food.gov.uk/Discussion%20Paper%20on%20Novel%20Formulations%20of%20Supplement%20Compounds%20Designed%20to%20Increase%20Oral%20Bioavailability

例としてビタミンC、クルクミノイド、CBDがとりあげられている

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 241-23

12 May 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20circular%20241-23.aspx

新規申請と提案

・除草剤耐性昆虫耐性GMトウモロコシ系統DP915635由来食品

・フザリウムによる立ち枯れ病tropical race 4に耐性のGMバナナ系統QCAV-4由来食品

その他

・BSEリスク状態の評価依頼

 

論文

-改良型調理ストーブは普通のストーブより超微細粒子を多く出す

Improved cookstoves emit more ultrafine particles than conventional stoves

11-MAY-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/988951

Surrey大学の研究者らがScience of The Total Environmentに発表した研究

生活費高騰危機により自宅の暖房や調理に木や石炭、ピートなどのバイオマス燃料を使うことが増えた。バイオマスを使う場合に煙や有害物質を減らし燃料を効果的にする改良型ストーブが先進国では使われていてこれらはPM2.5を最大65%減らすもののさらに細かい粒子PM0.1を二倍にする。アイルランドでは約20%の家庭が木を燃料に使っている。アメリカでは1270万人が木を主な熱源にしている。

 

-大量飲酒は3人に1人のアメリカ人にとってはより大きなリスク

Heavy drinking poses even greater risk for one in three Americans

11-MAY-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/988926

ヘビードリンカー(男性は1日三杯女性は二杯)の中でもメタボリックシンドロームの人は進行肝疾患リスクが2倍以上になる。Annals of Internal Medicine

 

-アフリカのハーブから、古いものと新しい大麻化合物がみつかった

Old and new cannabis compounds are found in an African herb

https://www.nature.com/articles/d41586-023-01462-7

Helichrysum umbraculigerumから、40年前に報告されて再現できなかったカンナビゲロール酸cannabigerolic acid (CBGA)を同定した。さらに大麻草に含まれない酵素を発見し、これまで報告されていないカンナビノイドを作っていることを発見。

Berman, P. et al. Parallel evolution of cannabinoid biosynthesis. Nat. Plants (2023).

 

その他

-コンシューマーラボ

マルチビタミンとマルチミネラルサプリメントレビュー

Multivitamin and Multimineral Supplements Review

Updated April 24, 2023 Published April 25, 2020

https://www.consumerlab.com/reviews/multivitamin-review-comparisons/multivitamins/

2023年ベストマルチビタミン-グミに注意

27製品中8製品(29.6%)が検査失格。問題は表示より含量が少ない、あるいは多い、溶解しない、など。特に注意すべきは耐容上限量以上を摂るよう薦めるものがある。

 

-州は検査室のエラーのためlēf Farmsサラダのリコールを取り消し

State cancels recall of lēf Farms salads because of lab error

By News Desk on May 11, 2023

https://www.foodsafetynews.com/2023/05/state-cancels-recall-of-lef-farms-salads-because-of-lab-error/

ニューハンプシャー保健福祉省は先週のサラダのリコールが実験室での間違いだったことを確認しリコールを取り消した。5月5日に大腸菌O157汚染の可能性があると発表していた。その後全ゲノムシークエンシングを行ったところ、対照群とlēf Farmsの検体がほぼ同一であることがわかり、当初の結果は実験室でのコンタミであることが示された。

保健省はFDAと協力して汚染源を同定しこのようなことが二度と起こらないような必要な手順の変更を行う。

(公務員を減らし待遇を悪くするとこの種の事故は増える)

 

-マスク義務が裁判に

The Mask Mandate Goes To Court

By Barbara Pfeffer Billauer JD MA (Occ. Health) PhD — May 11, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/05/11/mask-mandate-goes-court-17058

2021年2月にCDCが官報で、飛行機などの乗り物で移動する時にマスクをすることを義務とし、一定の医学的例外を設定した。義務の除外対象とならなかった人達がフロリダ地方裁判所にCDCが法的権限を越えていると訴える訴訟をおこした。裁判は原告を支持し、控訴されている。この事例は公衆衛生の危機におけるCDCの権限について真正面から取り組んでいる。

(マスクの話題は続く。それはともかく公衆衛生のための人権制限については文系の人達に真面目に考えて欲しいのだけど。)

 

-ファクトチェック

ワクチンmRNAがGMO植物やワクチン接種した家畜を介して食品供給に入っている?

Has Vaccine mRNA Entered the Food Supply via GMO Plants or Vaccinated Livestock?

Alex Kasprak Published May 3, 2023

https://www.snopes.com/fact-check/mrna-entered-the-food-supply/

こうしたことがおこっているとする動画が出回っているが、そのような主張は事実に基づかず、基本的科学を無視している。

主張:COVID-19ワクチンのmRNAが、それを作るように交配された遺伝子組換え植物を介して、あるいはワクチン接種した家畜を食べることで、食品供給にはいっている

判定:虚偽

TikTokの動画のファクトチェック