2023-05-17

[EFSA]細胞培養由来食品の安全性―科学的評価の準備が整う

The safety of cell culture-derived food – ready for scientific evaluation

10 May 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/news/safety-cell-culture-derived-food-ready-scientific-evaluation

細胞培養、組織工学、精密発酵などの革新的な新技術は、培養細胞から得られる肉や微生物から得られる乳タンパク質など、潜在的な新しい食品の背後にある。

EFSAは明日、2日間にわたる科学討論会を開始し、この非常に話題性のある問題に関心のある、優れた科学者、欧州・国際・国内機関の代表者、技術企業・食品事業者、消費者団体・多くの個人・他の機関から意見や洞察を集める。

EFSAの目的は、これらの新しい食品技術の安全性を評価するための基準の設定において、最新科学とリスク評価の開発をすべて確実に考慮に入れることである。また、生産者やより広い社会と関与したいと考えている。

オンラインライブ配信されるこのイベントの前段階として、関与する科学的問題や社会的経済的背景の一部を説明するために、この分野の専門家と話をした。

組織工学、精密発酵とは何か?

EFSAの討論会のパネリストの1人、Ramiro Alberio氏は、英国ノッティンガム大学の発生生物学の教授である。

Alberio教授は述べた:「細胞・組織工学により、細胞や組織を生物全体とは別に培養できるようになる。例えば、これらの細胞は、筋肉や他の臓器から調達されたほんの少しの細胞から始めて、その臓器の他の部分がなくても管理条件下で増殖できる。

「細胞工学は、組織を再生したり、損傷した細胞または病的な細胞を交換するために、すでに医学の分野で使用されている。この技術は今では進歩しており、農産食品分野など、他の分野で適用される可能性もある。」

いわゆる精密発酵は、タンパク質、ヒトと同一の乳オリゴ糖、ビタミン類、食物繊維などの特定の製品を生産するために微生物を使用する技術である。

Alberio教授は述べた:「精密発酵は、インシュリンなどの医薬品や、チーズ生産における食品用酵素を生産するためにすでに何年も使用されている。この技術の背景にある科学は常に進化し、多数の食品に適用する可能性を増やしている。

これらの技術で生産した食品や食品成分は安全か?

細胞培養や組織工学などの新たな技術に由来するものなど、EUにおける新規食品の安全性を評価するのはEFSAの役割である。

Wolfgang Gelbmann氏は新規食品分野におけるEFSAの上級科学研究員で、討論会の全体報告者である。

彼は述べた:「今のところEFSAは、培養された動物細胞由来食品、人々が「実験室で育てられた肉」と呼ぶものを評価するよう求められていない。だが我々は、機密発酵を通して生産されたいくつかの新規食品成分を評価している。

「ここ数か月や数年の間に、細胞培養由来食品に関する新規食品申請を受け取ることが予想される。そのため、そのような申請が来た時に準備を整えておくよう、科学と歩調を合わせている。」

栄養・新規食品および食物アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA パネル)の専門家、特に新規食品作業グループが、これらの評価を実施する予定である。

「我々の専門家が準備したこの新規食品ガイダンスと、EFSAの他の該当分野を横断するガイダンス文書は、この目的にかなっていると確信している。」とGelbmann医学博士は述べた。実際、我々は近年、これらのガイドラインを用いて、多種多様な新規食品を含む100件以上の申請を評価している。それでもなお、科学と技術の進歩に後れを取らないよう定期的に見直している。

「我々は、技術的な課題や安全面を話し合うために、科学のイベントやワークショップで新規食品について利害関係者と定期的に会合している。討論会は、この継続的な対話の重要な素材である。」

細胞由来食品を市販する準備ができているかどうか誰が決めるのか?

EUにおける細胞培養由来食品の実際の生産は、世界の他の地域と同様に初期段階にあり、急速に成長しているが、申請はまだ受け取っていない。

EFSAは独立した科学諮問機関として、EUの意思決定に異を唱えることはなく、細胞培養由来食品などの新しい食品技術の使用に対して賛成でも反対でもない。我々の評価は、欧州の消費者にこのような製品の安全性についての科学的意見を提供している。

新規食品の市販認可や表示要件に関する決定は、EU規制当局、つまり欧州委員会とEU加盟国によって行われる。消費者の安全性も規制当局の優先事項だが、決定において、経済、動物の福祉、社会的及び/又はその他の側面も考慮する可能性がある。

細胞培養技術は、公平、安全、健康的で環境的に持続可能な食品システムのためのEUの「農場から食卓まで戦略」の目的の達成に寄与する可能性があると委員会は以前述べていた。

技術は進歩しており、生産者がこの製品に未来があると信じるならば、これらの食品の生産・市販能力は高まる可能性がある。最終的には消費者がどうするか決めるだろう。

消費者はどう考えているのか?

Michael Siegrist教授はスイス連邦工科大学チューリッヒ校の食品・消費者行動に関する調査グループを指導し、細胞培養由来食品などの新技術の消費者の認識を研究している。

彼は述べた:「食品の自然さの認識や食品技術は消費者にとって重要な要因である。どちらかが不自然だと認識されると、消費者の受け入れは、通常達成困難になる。

「細胞培養由来肉は良い例である。多くの研究で、ほとんどの参加者が試そうとする意欲さえ低いことが示されている。

「この『自然さ』の信頼は『ヒューリスティック』と呼ばれ、全ての人々が受け取る精神的な近道のことである:「それが自然なものならば、私に害を及ぼすことはできない、実際には自分にいいものに違いない」。自然でないものにはその逆が当てはまる。」

潜在的な社会的・経済的恩恵についてのコミュニケーションは、消費者の新しい食品の受け入れの一因ともなる。例えば、多くの消費者は食肉生産の環境上の影響を知らないが、それにより肉の摂取量を減らしたり代替品を食べることの不本意を説明するのに役立つ可能性がある。

「結局」とSiegrist教授は述べた、「価格と味が多くの消費者の主な推進力である。遙か昔に、トマトやジャガイモ、より最近ではチアシードやキヌアなど、欧州における新規食品は重要な食糧となった。細胞培養由来食品への心理的及び情報のバリアを克服するかどうかはまだわからない。だが、細胞培養由来肉などの製品が従来の代替品と同様においしく、より安い場合には、確かだろう。

EFSAの科学討論会は5月11日9時に開始し、5月12日の12:30に終了する。プログラムの詳細や議論のオンラインでのフォローはこちらから。

https://www.efsa.europa.eu/en/events/efsas-scientific-colloquium-27-cell-culture-derived-foods-and-food-ingredients

 

[VKM]食品サプリメントのヒアルロン酸

Hyaluronic acid in food supplements

Published: 10.05.2023

https://vkm.no/english/riskassessments/allpublications/hyaluronicacidinfoodsupplements.4.57a9b20e186922bca1924ec2.html

ノルウェー食品及び環境に関する科学委員会(VKM)によると、食品サプリメントに一定量のヒアルロン酸を使用するのは安全である。

VKMは、ヒアルロン酸を12ヶ月以上使用するのは安全かどうか、また集団レベルでまれな副作用が起こるかどうかは結論できない。これは、VKMがノルウェー食品安全局のために実施したリスク評価の主要メッセージである。

方法

VKMはヒアルロン酸を150 mg、120 mg、64 mg、48 mg含むダイエタリーサプリメントの日常摂取による有害健康影響のリスクを評価した。

VKMは、食品、化粧品、様々な医療用途など、他のヒアルロン酸供給源による更なる寄与を推定していない。

このリスク評価は、有害健康影響が見られなかった18の動物実験と、合計約1,000人の参加者のうち半数が25~225 mg/日の用量でヒアルロン酸を受けた17のランダム化比較試験による情報に基づいている。最長の試験は、200 mg/日の用量で12ヶ月続いた。

ヒト試験では、変形関節炎や皮膚の状態についてのヒアルロン酸補給のメリットを調べた。程度の差はあっても有害健康影響の可能性が立証・調査されたが、その結果から、動物実験では有害健康影響が示されないことが裏付けられている。

「ヒアルロン酸補給の研究は12ヶ月以上継続しなかったし、合計参加者が比較的少なかったため、VKMはより長期間の影響やまれな副作用を結論できない」とこのプロジェクトグループの議長Johanna Bodin氏は述べた。

ヒアルロン酸について

ヒアルロン酸は「その他物質」として規制されており、栄養学的または生理学的影響のある物質で、ビタミンやミネラルではない。

食品サプリメントに含まれるヒアルロン酸は、雄鶏や鶏のとさかから抽出される、または微生物によって生産される。

体内で生産されるヒアルロン酸は1日当たり約5000 mgである。体重70kgの成人は体内に約15 gのヒアルロン酸があり、そのうち約半分は皮膚に含まれている。動物実験から、ヒアルロン酸は無害な成分に分解されることが示されている。

リスク評価は、栄養・ダイエット製品・新規食品及びアレルギーに関するVKMのパネルが実施している。

 

[FSANZ] 食品基準ニュース

Food Standards News May 2023

https://mailchi.mp/ef6438295cef/food-standard-news-1300748

・2022食品リコール統計

Food recall statistics

Page last updated April 2023

https://www.foodstandards.gov.au/industry/foodrecalls/recallstats/Pages/default.aspx

食品リコールデータを収集する理由

我々は食品業界の傾向や共通の課題を特定し、将来のインシデントを予防する方法を見つける手助けをするためにオーストラリアの食品リコールに関するデータを収集している。

食品リコール統計(2013年1月1日~2022年12月31日)

FSANZは2013年~2022年にかけて、2022年の75件のリコールを含む791件のリコールを整理した。

リコールされた食品の量はオーストラリア市場で入手できる食品と比較するとごくわずかである。ほとんどのリコールは、安全ではない可能性のある食品を流通・販売から確実に除去するために、念のため食品企業が始める。病気や損傷が疑われたり確認されたことに関連するリコールはごく少ない。

食品リコール数の全体的な増加は、このシステムが食品供給を守るために機能していることを示している。時と共に規制の監視が広まり、食品事業者による自己監視が改善され、消費者の警戒が強まることで、問題検出が強化されている。食品技術、分析試験、トレーサビリティの継続的な進歩も食品リコール数に影響を与えることが予想される。

食品リコールは消費者と取引の2種類がある。取引リコールは、卸売業者やケータリング業者に販売される食品など、一般人に直接購入できない食品に実施される。消費者リコールは、小売り販売で入手できる食品に実施される。

2013年~2022年にかけて、消費者リコールは全ての食品リコールの87%を占め、取引リコールは13%だった。リコールの多くは非表示のアレルゲン (44%)、微生物汚染(25%)によるものだった。微生物汚染や非表示のアレルゲンは全体的に増加傾向が示されている。

非表示のアレルゲンによる食品リコール

非表示のアレルゲンによる食品リコールは346件あった。最も一般的なものは牛乳(105件のリコール;30%)、複数のアレルゲン(61 件;18%)、ピーナッツ(51件;15%)だった。

FSANZは2016年に、非表示のアレルゲンのリコールの根本的な原因、問題検出、是正措置に関する情報を収集するために、リコール報告後の質問を追加した。

非表示のアレルゲンによる食品リコールに関連する最も一般的な食品の種類は、混合及び/又は加工食品(104件;30%)だった。 混合及び/又は加工食品は、スナック、カスタードパウダー、冷凍食品などである。2番目は焼菓子(50件;14%)で、パンとベーカリー製品(47件;14%)が続く。

微生物汚染による食品リコール

微生物汚染による食品リコールは194件あった。最も一般的な微生物は、リステリア菌 (70件;36%)、サルモネラ菌(44件;23%)、大腸菌 (E.coli) (38件;20%)だった。

異物による食品リコール

異物によるリコールは92件あった。最も一般的な異物の種類は、プラスチック(30件;33%)、金属 (27 件;29%)、ガラス(19件;21%)だった。

生物毒による食品リコール

生物毒によるリコールは38件あった。最も一般的な生物毒の種類は麻痺性貝毒(24件;63%)だった。

化学物質/汚染物質による食品リコール

化学物質や他の汚染物質のリコールは30件あった。最も一般的な汚染物質は、「その他」の汚染物質(22件;72%)、洗浄/消毒剤(4件;13%)だった。

食品リコールに関連する食品分類

最も一般的にリコールされた食品は混合及び/又は加工食品だった。これは、多くの長期保存包装済食品や複数の成分を含む製造品など、この項目に広範な食品が分類されることによると考えられる。果物、野菜、ハーブが2番目に多くリコールされた食品分類で、乳製品は3番目だった。

・妊娠警告

アルコール飲料の段ボールパッケージへの妊婦向け警告の代替案認可

・乳児用調整乳の基準変更案への意見募集

・世界食品安全デーシンポジウム

6月7日シドニーで

 

[RIVM]深い池や湖でのポリアクリルアミドの分解とアクリルアミドの生成可能性:文献レビュー

Degradation of polyacrylamide and possible formation of acrylamide in deep ponds and lakes: a review of the literature

16-05-2023

https://www.rivm.nl/publicaties/afbraak-van-polyacrylamide-en-mogelijke-vorming-acrylamide-in-diepe-plassen

固形物と水の分離に使われる凝集剤のひとつにポリアクリルアミドがある。汚泥ケーキや濾過ケーキに凝集剤が含まれ、これらを深い池や湖の底上げに使った場合アクリルアミドが生じるかどうか文献をレビューした。結果は情報があまりにも少ないことがわかった。従って池や湖にすむ動植物やそこにすんでいた魚を食べるヒトへのリスクはわからない。ポリアクリルアミドに微量のアクリルアミドが含まれ、ポリアクリルアミドを使用した場合に排出される可能性がある根拠はあった。RIVMはさらなる研究を薦める。

本文オランダ語

 

[USDA]大豆廃棄物のカンペキな使用?

ARS

A Purrr-fect Use for Soy Waste?

May 16, 2022

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2023/a-purrr-fect-use-for-soy-waste/

大豆を収穫した後の殻やその他の農業廃棄物をネコのトイレ砂に

臭いを吸収する。

(purrはネコのゴロゴロのことらしい)

 

[EU] SCCS 化粧品成分の試験と安全性評価のためガイダンス覚え書き-第12改訂

SCCS Notes of guidance for the testing of cosmetic ingredients and their safety evaluation - 12th revision

16 May 2023

https://health.ec.europa.eu/publications/sccs-notes-guidance-testing-cosmetic-ingredients-and-their-safety-evaluation-12th-revision_en

この更新では以下を強調する

・系統的レビューの重要性

・動物実験代替法更新:新アプローチ方法論、急性吸入に導入された変更、皮膚刺激性試験、DALによる眼刺激性試験、DASS(皮膚感作性試験のための確定方式)、遺伝毒性試験の新しいin vitro法(3D皮膚コメット;in vitro小核)

・AOP(有害転帰経路)DAs (確定方式), IATA (試験と評価の統合的アプローチ), BER (生物活性/暴露比)を定義したNGRA (次世代リスク評価), TTC (毒性学的懸念の閾値), iTTC (内部 TTC)の重要性

・in silico予測可能性更新

・暴露データ見直し(モデル、吸入特異的パラメータ、総暴露)

・年齢別の子どもへの異なる化粧品製品暴露

・日焼け止めによる日光からの保護:暴露データの背景にある論拠

・ヒトバイオモニタリングとSCCSのリスク評価アプローチの違い

・CMRs報告要件

・内分泌攪乱物質、非単相性用量反応応答誘発、報告要件

・生理学に基づいたトキシコキネティクスモデル記述とパラメータ妥当性評価及び解析のためのひな形

 

[EU]パブリックコメント募集

サリチル酸メチルへの子どもの暴露

SCCS Scientific Advice – children exposure on Methyl salicylate (methyl 2-hydroxybenzoate)

16 May 2023

https://health.ec.europa.eu/publications/sccs-scientific-advice-children-exposure-methyl-salicylate-methyl-2-hydroxybenzoate_en

6才未満の子どもが練り歯磨きを使った場合の安全性について

シャンプーやシャワーゲル等他の製品由来も含めて総暴露量で評価

2023年6月19日まで

 

[FDA]噂のコントロール

Rumor Control

05/16/2023

https://www.fda.gov/news-events/rumor-control

FDAの事実を学んでシェアして

・事実をみつける

最新のファクトチェックを入手して、偽りの噂がひろまるのを止める手助けをして

科学、医学、FDAについての噂、デマ、意図的デマの拡大は患者や消費者をリスクに晒す。我々は個々で事実を提供する

・騙されないで

動画

デマは事実より6倍速く伝わる

・事実を学ぼう

https://www.fda.gov/news-events/rumor-control#Learn

COVID-19

日焼け止め

ダイエタリーサプリメント

Facts about COVID-19

https://www.fda.gov/news-events/rumor-control/facts-about-covid-19

Facts about Sunscreen

https://www.fda.gov/news-events/rumor-control/facts-about-sunscreen

Facts about Dietary Supplements

https://www.fda.gov/news-events/rumor-control/facts-about-dietary-supplements

・あなたのための健康情報

それは本当に「FDA認可」?

ワクチンは子どもを有害な感染症から守る

消費者注意:偽りの主張に騙されないで

・FDAがあなたのためにしていること

FDAは何をしている?

FDAが規制しているもの

FDAが何故存在するのか?

・事実をシェアしよう

デマを同定して対応する方法を学ぼう

6カ国語で資料ダウンロード

・オンラインデマの報告方法

 

その他

-SMC UK

日本人男性でのビーズの耳鍼での減量を調べた学会ポスターへの専門家の反応

expert reaction to conference poster looking at ear acupuncture with beads and weight loss in Japanese men

MAY 16, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-conference-poster-looking-at-ear-acupuncture-with-beads-and-weight-loss-in-japanese-men/

欧州肥満会議で発表されたポスター(ピアレビューされた論文ではない)が日本人男性での耳つぼ鍼と減量を調べた

王立統計学会統計アンバサダーGraham Wheeler博士

耳つぼ鍼をするときに、研究者は参加者に食事の量を半分にするように依頼している。それで減量するのは不思議ではない。食べる量を減らして耳つぼ鍼をしなかった男性集団との比較は行っていないので、この研究は耳鍼の影響を示したものではない。

引退した臨床研究学者でHealthSense役員Les Rose

法外な主張には法外な根拠が必要である。気や経絡の存在はこれまで妥当性が確認されたことが一度もない法外な主張である。そのためこの研究には最高の質が要求される。なのにこれはピアレビューされておらずほとんどの確立された対照群がない。これは肥満を鍼で治療する根拠を提供しない。

Premier Research生物統計科学専務理事Adam Jacobs博士

この研究は因果関係を証明できない。対照群がなく、食事を減らすよう助言されていて、鍼が減量に関係すると考える理由は何もない。食事を減らしたことが減量の原因だと考える方が遙かにもっともらしい。

著者は鍼が「気の流れを回復する」と言う。しかしこれまで気が証明されたことはなく、どうやって鍼がその流れを回復するのかはさらに示されていない

Cambridge大学統計学名誉教授Sir David Spiegelhalter教授

これは全ての人にとって完全な時間の無駄のようだ。なぜこれが学会で発表され、さらにプレスリリースまでされるのか理解できない

Exeter大学補完医療名誉教授Edzard Ernst教授

耳鍼は科学を無視した想定に基づく。この新しい研究はしっかりした根拠からは遙かに遠い。

問題のプレスリリース

Ear acupuncture with beads may help shed the pounds

16-MAY-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/989297

(何故わざわざ欧州まで行って日本の恥を宣伝するのか

本人 医師なのか

ttps://takahirofujimoto.com/blog/)

 

-恐ろしいキノコ毒に解毒剤ができるかも-CRISPRのおかげで

Natureニュース

Deadly mushroom poison might now have an antidote — with help from CRISPR

16 May 2023  Saima Sidik

https://www.nature.com/articles/d41586-023-01630-9

ゲノム編集技術でついにタマゴテングタケの殺人毒の謎が解けるかも

タマゴテングタケ(Amanita phalloides)は何世紀にもわたって最も多くの人を殺してきた「殺人王」であった。科学者が解毒剤候補を発見した。

Nature Communicationsに報告。

極めて現代的なアプローチ

CRISPR-Cas9ゲノム編集技術を使って異なる遺伝子に変異をもつヒト細胞のプールを作る。それからα-アマニチン暴露でどの変異が生き残るかを調べる。その結果STT3Bという酵素の機能的バージョンを欠く細胞が生き残ることがわかった。この酵素はタンパク質に糖鎖をつける生化学経路の一部である。

次に約3200の化合物からSTT3Bの作用を阻害する物質を探した。そして写真会社コダックが1950年代に開発した色素であるインドシアニングリーンを発見した。インドシアニングリーン処置でマウスのα-アマニチン中毒による死亡が90%から50%に減った。

インドシアニングリーンは医療での画像解析用に既にFDAとEMAで認可されていて安全な投与量がわかっている。対象患者の発見は困難だろうが臨床試験は開始できるだろう

 

-マスクに害はある?

Do Masks Harm?

By Chuck Dinerstein, MD, MBA — May 16, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/05/16/do-masks-harm-17068

先週のCity Journalの記事がマスクの身体的害についての「スコーピングレビュー」について書いていた。少し神話を否定する時期だろう。「長過ぎるから読まない」という人に-嘘を広めるよりそれを訂正するほうがより多くの言葉を必要とする。

(とても長い記事。マスクで二酸化炭素中毒になるとか早産や死産の原因になるとか発達障害になるとかいう主張へのカウンター。)