2023-06-05

[EU]RASFF 2023(0528-0603)

警報通知(Alert Notifications)

スペイン産缶入りアンチョビのヒスタミン、中国産ティーポットからのニッケルの溶出、チェコ共和国産飼料添加物の鉛超過、イタリア産有機ココアパウダーのカドミウム限度超過、バングラデシュ産オランダ経由マスタードオイルのエルカ酸高含有、ドイツ産原料フランス製造のフードサプリメントの摂取によるニコチン酸の過剰摂取リスク、ベルギー産ベアルネーズソース及びオニオンコンフィチュールの亜硫酸塩非表示、クロアチア産飼料用トウモロコシのアフラトキシン、シリア産オランダ経由煎った赤いメロン種子のアフラトキシン及び未承認着色料イエローオレンジS(E110)及びコチニールレッドA(E124)、ペルー産油漬けアンチョビフィレのヒスタミン、スペイン産フェンネルシードのクロルピリホス、インド産乾燥ホットマドラススパイスのクロルピリホス及びピリデート、トルコ産クミンシードのアセタミプリド・カルベンダジム・クロルピリホス・リニュロン・チアメトキサム及びトリシクラゾール、インド産クミンのアセタミプリド・カルベンダジム・クロルピリホスエチル・クロチアニジン・イミダクロプリド・ピラクロストロビン及びチアメトキサム、中国産オランダ経由磁器皿からの鉛の溶出、ギリシャ産白い新ジャガイモのオキサミル限度超過、

注意喚起情報(information for attention)

ウズベキスタン産トルコ経由有機サルタナのオクラトキシンA、ベトナム産ドリアンのアセタミプリド・プロフェノホス及びカルベンダジム、香港産ニトリル手袋の法的レベルを超えた総溶出量、インド産ウェブショップのフードサプリメントの未承認物質(ヨヒンビン及びエフェドラ)、ミャンマー産砕け米のアフラトキシン、スペイン産調理済みバナメイエビの亜硫酸塩、英国産イヌネコ用補完飼料の未承認飼料添加物/飼料素材、米国産ウェブショップのフードサプリメントの未承認物質(ヨヒンビン) (複数あり)、英国産ウェブショップのフードサプリメントの未承認物質(ヨヒンビン、DMAA、DMHA)、北アイルランド産羊の成長ホルモンの検出、ウクライナ産飼料用ヒマワリ油かすの塩化クロルメコート、イタリア産原料ケニア産挽いた焙煎コーヒー豆のオクラトキシンA、

通関拒否通知(Border Rejections)

ウクライナ産未精製ヒマワリ油のクロルピリホス(複数あり)、トルコ産乾燥イチジクのオクラトキシンA、イラン産殻付きピスタチオのアフラトキシン、ウガンダ産ペッパーのラムダシハロトリン、中国産英国経由キャンディーの着色料二酸化チタンの未承認使用、トルコ産生鮮ペッパーのアセタミプリド(複数あり)、米国産ピーナッツのアフラトキシンB1、中国産フィルター付きボトルからのアクリロニトリルの溶出及び総溶出量、ペルー産アボカドの未承認農薬(マトリン)、ケニア産緑豆のアセフェート、インド産ササゲのオメトエート、米国産禁止添加物入り各種スナック及び朝食用シリアル、トルコ産生鮮ペッパーのクロルピリホスメチル、トルコ産オーブンラックからのニッケルの溶出(複数あり)、トルコ産アプリコットカーネルのシアン化物高含有、

 

[RIVM]スチレンの変異原性と発がん性についてのデータの概要

An overview of the available data on the mutagenicity and carcinogenicity of styrene

02-06-2023

https://www.rivm.nl/publicaties/overzicht-van-beschikbare-informatie-over-mutageniteit-en-carcinogeniteit-van-stof

スチレンはポリスチレンを作るのに使われる物質である。ポリスチレンはしばしば包装材に使われ、さらに多数のスチレンベースのプラスチックやゴムがある。

オランダ保健評議会の要請によりRIVMはスチレンの変異原性と発がん性についての文献検索を行った。保健評議会はハザード分類を検討中でこの文献検索はスチレン評価に使われる。

変異原性と発がん性のエンドポイントについて、RIVMは動物実験かヒトでのスチレン毒性に関する73の研究をまとめた。

報告書は英語。226ページ

An overview of the available data on the mutagenicity and carcinogenicity of styrene

https://www.rivm.nl/bibliotheek/rapporten/2022-0129.pdf

 

[ProMED]食中毒-ナミビア:致死、有毒おかゆ疑い、情報求む

Foodborne illness - Namibia: fatal, toxic porridge susp, RFI

2023-06-02

https://promedmail.org/promed-post/?id=8710354

[1]Date: Wed 31 May 2023  Source: The South African [edited]

ナミビアでおかゆの食中毒で15人死亡

有毒おかゆ食中毒で15人が死亡し、食中毒疑いの死者として最悪の事例の一つであると2023年5月31日に警察が発表。地元メディアの報道によると、このひどく貧しい家族は、アルコール飲料の醸造に使って残った穀物で作ったおかゆを食べた。調査が始まっていて剖検と検査結果が待たれる。

[2]Date: Wed 31 May 2023 Source: The BBC [edited]

ナミビアの有毒疑い食品を食べた後、 3日にわたって13人が死亡し他に4人が重体で入院。地元メディアによると全員がKayova村の22人の家族のメンバーで死者の多くは子どもで、食料にとても困っていた。

州の放送局NBCは保健大臣がこの家族は唐人稗粉と自家製飲料の発酵沈殿物で作ったおかゆを摂取したと述べたと伝えている。おかゆは検査のために南アフリカに送られた。

(編集者からメタノールの情報。ボンクレキン酸とか?)

 

[ヘルスカナダ]カナダは一本一本のタバコに健康警告を要求する世界で初めての国になる

Canada to become first country in the world to require health warnings on individual cigarettes

May 31, 2023

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2023/05/canada-to-become-first-country-in-the-world-to-require-health-warnings-on-individual-cigarettes.html

世界禁煙デーに、Carolyn Bennett精神衛生と依存大臣及び保健副大臣は、カナダがまもなく個々のタバコに健康警告の印刷を要求するだろうと発表した。

 

[CCDC]コールドチェーン食品と食品包装中のSARS-CoV-2変異株の汚染と感染

Contamination and Transmission of SARS-CoV-2 Variants in Cold-Chain Food and Food Packaging

Jinfang Sun et al., CCDC Weekly / Vol. 5 / No. 22 485

https://weekly.chinacdc.cn/fileCCDCW/journal/article/ccdcw/2023/22/PDF/230053.pdf

全体的な汚染レベルは低い。

中国の検疫では2020年に1,295,692検体を調べて47が陽性(0.35/10,000)

さらに地方などで冷凍食品関連サンプルから5583万のスワブを集め、陽性は1455 (0.26/10,000)。食品の種類別ではシーフードが最も汚染レベルが高かった。

ウイルスが検出されるのは包装の内側より外側、国内産より輸入。

この輸入食品が中国のCOVID-19アウトブレイクを誘発した可能性が高い。

(相変わらず外国起源説)

 

論文

-普通でなく予期せぬ摂取源に由来するビタミンD毒性:2件の症例報告

Vitamin D Toxicity from an Unusual and Unexpected Source: A Report of 2 Cases.

Silva C, et al. Horm Res Paediatr. 2023.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36030768/

高ビタミンD摂取による急性腎障害と高カルシウム血症のカナダの青少年2人の報告。どちらもクレアチンサプリメントを使用していて、その製品にはビタミンDを含むとの記載はなかったが一回あたり425000IU(TDIの100倍)のビタミンDが含まれていた。製造エラーによる。

 

-煙のあるところ肺がんあり:調理のヒュームに暴露されることと非喫煙者の肺がんリスクの関連についての系統的レビュー

Where there are fumes, there may be lung cancer: a systematic review on the association between exposure to cooking fumes and the risk of lung cancer in never-smokers.

Bhurosy T, et al. Cancer Causes Control. 2023.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37031313/

 

-フランスの行った大気圏核実験後のフランス領ポリネシアでの分化甲状腺がんの評価

Assessment of Differentiated Thyroid Carcinomas in French Polynesia After Atmospheric Nuclear Tests Performed by France

Florent de Vathaire et al., JAMA Netw Open. 2023;6(5):e2311908.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2804558

1966年から1974年の間にフランスはフランス領ポリネシアで41回の大気圏核実験を行い、その放射性沈降物が住民の甲状腺がんリスクに与えた影響を評価した。

症例395対照555の症例対照研究で、核実験に関連する真の健康アウトカムの程度は小さいことを示唆する。

(この集団は過剰診断が少ない。フランスは放射線分野ではあまり煽らない。)

 

その他

-Stew Petersの「最後の日」は反科学の悪魔的パニックである

Stew Peters’ Final Days Is an Anti-Science Satanic Panic

Jonathan Jarry M.Sc. | 2 Jun 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-critical-thinking/stew-peters-final-days-anti-science-satanic-panic

映画「突然死Died Suddenly」はCOVIDワクチンがみんなを殺していると主張する。それはウイルスが人工生物兵器であるという想像のスピリチュアルな続編である

COVID-19ワクチンが血栓を作って人々を殺していると主張する「ドキュメンタリー」「Died Suddenly」の制作者が新しい映画「最後の日Final Days」を作った。それは神と悪魔の戦いによる終末の日の物語である。この陰謀論の中核にあるのは普通の人々は科学技術エリートの奴隷になるという恐怖である。科学者は悪魔と契約して人々を操る発明をした。例えばMacintoshコンピュータの最初の値段$666.66は悪魔の数である、等。

(長い記事略。むしろここまで行ったら信じる方がおかしい、になりそうなものだが。)

 

-何故デンマークはアシュワガンダを禁止したのか?

Why did Denmark ban Ashwagandha?

Maya McKeown, B.Sc. | 2 Jun 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking-health-and-nutrition/why-did-denmark-ban-ashwagandha

アシュワガンダは伝統インド医療用ハーブで、多くの病気が治せると人気である。最近デンマークがホルモンへの悪影響と中絶誘発の可能性からアシュワガンダを禁止した。アシュワガンダを心配すべき?

Ashwagandha has enjoyed a boom in popularity in recent years. But with EU member states instigating recalls and risk assessments, could this botanical’s bubble be about to burst?

Kirstin Knight | Apr 20, 2023

https://www.vitafoodsinsights.com/regulation/eu-regulatory-update-ashwagandha

(記事中にデンマーク、ポーランド等の評価書へのリンクあり)

 

-ニセ医薬品、現実の問題

Fake Drugs, Real Problems

Joe Schwarcz PhD | 31 May 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical-critical-thinking/fake-drugs-real-problems

偽造医薬品製造は巨大世界産業であり、患者にとっての懸念で規制担当者の頭痛の種である

我々は詐欺に溺れている。詐欺は通常お金目的で意図的に人を騙すことである。我々は営業目的の自動電話に慣れ、帰国できなくて困っているからお金を下さいというメッセージは無視するように言われる。この手の詐欺は煩わしいものの少なくとも命に関わることはない。しかしニセ薬はそうではない。世界では毎年1000億ドルものニセ薬が販売されている。

あなたがカナダや米国で正規の処方で医薬品を購入する場合、多分正しいものが入手できる。しかしメキシコの薬局で処方なしにバイアグラを買った場合、それは偽物かもしれない。それでもまだ死ぬことはないだろう。しかしアフリカ旅行に行ったときに感染症になって抗生物質を必要としたら?それは命に関わる。

(以下略)

 

-動画

パインマウス症候群

Cup o'Joe-Pine Mouth Syndrome

2023/05/30

https://www.youtube.com/watch?v=GcKP3sF3CAE

松の実の後味、原因はまだ不明

 

牛乳かオートミルクか?

Cup o'Joe-Cow's milk or oat milk?

https://www.youtube.com/watch?v=P8WzllCbwxM

牛乳は悪魔でも天使でもなく、植物ミルクも多様

どちらもほどほどに

 

-金のジュエリーで鉄欠乏がわかる?

Can Your Gold Jewelry Tell You If You're Iron Deficient?

https://www.youtube.com/watch?v=WhG4AfWIUNQ

McGillのOSSのインターンのHaleh Cohnが、金の指輪で鉄欠乏がわかると主張するTikTok動画に答える

 

-減量のためにマクドナルドだけを100日間食べた男性が結果を発表

Man who ate only McDonald’s for 100 days to lose weight shares final results

By Chrissy Callahan June 1, 2023

https://www.today.com/health/man-eating-only-mcdonalds-100-days-final-weight-loss-rcna87220

目標以上に減量

開始時238ポンドだった体重が179.5ポンドになった

やり方は簡単で、毎日三食マクドナルドで食べた、ただし一食分は半分にして飲み物は水だけ、おやつを食べない。栄養もカロリーも計算しなかった。

肥満を抜け出すのに大事なことは食べる量を減らすこと。

 

-EUのテンサイの種まきの遅れは砂糖生産回復を遅くするおそれ

Delays in EU beet sowing threaten to slow sugar output recovery

MAY 31, 2023  By Reuters Staff

https://www.reuters.com/article/europe-sugar/delays-in-eu-beet-sowing-threaten-to-slow-sugar-output-recovery-idUSKBN2XM17F

フランスの湿潤な天候による種まきの遅れと害虫被害の可能性が、高価格で栽培面積を増やしたEUで予想されている砂糖生産量増加を脅かしている。

フランスではテンサイに高価格が約束されたにも関わらず、農家はネオニコチノイドが使えないため作物の被害を恐れて栽培面積を減らした。2023年の面積は7%低下し過去14年で最低。収量も減る恐れがある。

一方ドイツは栽培を増やしEU最大の砂糖生産国になろうとしている。EUの砂糖価格の平均は2月に1トンあたり804ユーロで年83%上がった。