2023-06-07

[Codex]プレスリリース

-世界食品安全デー-2023年6月7日

WORLD FOOD SAFETY DAY - 7 JUNE 2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/world-food-safety-day/wfsd-homepage/en/

食品の安全性は命を救う。それは食料安全保障にとって重要な要素であるだけでなく、食品媒介性疾患を減らす上でも重要な役割を果たす。毎年、約200種類の食品由来疾患の結果として6億人が病気になっている。 そのような病気の負荷は、貧しい人々と若者に最も重くのしかかり、さらに、食品媒介性疾患は毎年42万人の予防可能な死亡の原因となっている。世界食品安全デーは、次の重要な手段である。

食品安全の問題を認識させる

食品安全を通じた疾病予防を実践する

部門を越えて食品の安全性を向上させるための協働アプローチを議論する

さらなる食品安全を実現するための解決策と方法を促進する

 

-世界食品安全デーまであと1週間 - 2023年6月7日

One week to World Food Safety Day - 7 June 2023

31/05/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1640901/

2023年6月7日に世界中で祝われる第5回世界食品安全デーへのカウントダウンが始まった。世界食品安全デーのウェブページを見ると、メンバー国、コーデックスオブザーバー、産業界、アカデミック、及び多くの消費者グループやその他の団体が協力して、フードチェーン全体で安全な食品の重要性についての認識を高めていることがわかる。2023年の世界食品安全デーのテーマは、コーデックス委員会の60周年に合わせてFAO、WHO、コーデックスによって選ばれた「食品規格がいのちを救う」である。食品規格は、農家と加工業者に衛生的な食品取り扱いに関するガイダンスを提供する。それらは、すべての人が安全に摂取できる添加物、汚染物質、残留農薬、動物用医薬品の最大レベルを定義している。規格はまた、食品を安全に保つために食品の測定、包装、輸送の方法を規定する。栄養やアレルゲンの表示などに規格を適用したことで、消費者は食品が自分に良いかどうかを知ることができる。

 

-フィンランドの食品産業フェアでは、コーデックスは60歳であるが、引退には程遠いことを確認

Finland food industry fair confirms Codex is 60 but far from retirement

04/06/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1641140/

コーデックス委員会が60歳になる世界的な祝賀の一環として、フィンランド政府は2023年5月23日にフィンランドのヘルシンキで開催された毎年恒例の食品産業フェアでセッションを主催した。「コーデックス–引退には程遠い」と題されたこのセッションには、フェアに参加した約550人のうち100人以上の食品専門家が集まった。FAO/WHO欧州地域調整部会(CCEURO)の現議長であるドイツ連邦食糧農業省のAnne Beutling氏は、プレゼンテーションの中で、フィンランドが属するCCEURO地域の52メンバーにおける多様な国内情勢、法的及び制度的枠組み、そして国際食品貿易のさまざまな強さの違いを指摘した。「気候変動が食品安全に与える影響や食品偽装など、世界的規模の問題は、欧州の規制当局にとって最も差し迫った懸念事項の一つである。CCEUROのメンバーは、地域規格ではなく国際規格の策定への参加を通じてこれらの問題に対処しようとしている」と述べた。

セッションの成功に刺激され、フィンランド政府は世界食品安全デーの週にはさまざまなメディアを通じて積極的にメッセージを伝えていく。

 

[BfR]蜂蜜に含まれるグラヤノトキシンについてのQ&A

Selected Questions & Answers on Grayanotoxins in Honey

3 May 2023

https://www.bfr.bund.de/en/selected_questions_und_answers_on_grayanotoxins_in_honey-311010.html

グラヤノトキシンは、一部のシャクナゲに存在する植物毒素である。ハチがこれらの植物の蜜を集めていれば、 これらの物質は花蜜にも含まれている可能性がある。これは主にトルコの黒海地域で発生することが知られている。グラヤノトキシンを含む蜂蜜が中毒症状を引き起こす事例が時折あるため、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)はこのテーマに関して以下の質問に答えている。

グラヤノトキシンとは何か。

グラヤノトキシンはツツジ科(Ericaceae)の様々な属の花粉、花、葉、花蜜に含まれる植物毒素である。グラヤノトキシン産生植物の例は様々なツツジ属に見られる。天然には180種類以上のグラヤノトキシンが存在する。グラヤノトキシンには異なる毒性があり、実験データに基づいてグラヤノトキシンI(GTX I)とグラヤノトキシンIII(GTX III)が最も強い毒性を持つとされている。

グラヤノトキシンが含まれる食品は何か?

グラヤノトキシンを産生する植物の花粉や花蜜に含まれるグラヤノトキシンは蜂蜜に移行する可能性がある。そのため、グラヤノトキシンを含む種類のシャクナゲが広く分布する地域で蜂蜜が得られた場合、グラヤノトキシンを含む可能性がある。主にトルコの黒海沿岸に生息するが、スペインやポルトガルの山岳地帯にも分布するR.luteumやR.ponticum、アルプスの高山地帯に分布するR.ferrugineumなどが含まれる。しかし、天然に存在する180種類以上のグラヤノトキシンのうち、実際に蜂蜜に含まれているのは一部である。グラヤノトキシンを含む蜂蜜は、苦く刺激的な味から「ポンティック・ハニー(Pontic honey)」、「マッド・ハニー(mad honey)」、「ビター・ハニー(bitter honey)」などとも呼ばれる。

グラヤノトキシンの濃度はどれくらいになるか?

2017年から2019年にかけてイタリアのシャクナゲの蜂蜜を分析したところ、サンプルの30%が測定可能な濃度で最高0.10 mg/kgのグラヤノトキシンを含んでいた。2012年から2017年にかけて、トルコで127件の黒海地方産蜂蜜がグラヤノトキシンについて分析され、98のサンプルから最高74 mg/kgのグラヤノトキシンが検出された。2015年に行われたドイツの小売業からの蜂蜜49件の分析では、グラヤノトキシンは検出されなかった。この検査された蜂蜜は、さまざまな欧州連合(EU)及び非EU諸国原産のものであった。

グラヤノトキシンによって誘発される急性毒性作用は何か?

食物を通じて摂取されたグラヤノトキシンは急性中毒症状を引き起こす可能性がある。急性症状は筋肉だけでなく心血管系にも影響を及ぼし、心拍数の低下と血圧の低下が最も一般的である。めまい、麻痺、吐き気、嘔吐、唾液の増加、発汗、下痢などの他の症状も起こることがある。症状は食物の喫食後数分から最大5時間以内に現れ、通常は数日以内に回復する。症状の重篤度は摂取した蜂蜜の量による。ある研究結果によると、降圧薬を服用している心血管疾患の人は、グラヤノトキシンの毒性作用を受けやすいようである。

中毒症状を生じる蜂蜜中のグラヤノトキシンはどの程度の量か?

科学文献によると、グラヤノトキシンを含む蜂蜜が中毒につながる正確な量を示すことはできない。文献のこれに関するデータは5 gから180 gの間である。その理由は、蜂蜜の組成が大きく異なり、グラヤノトキシンの含有量も異なるためである。最悪の場合、グラヤノトキシンを含む蜂蜜をティースプーン1杯飲んだだけでも中毒症状を引き起こす可能性がある。BfRは現在、黒海地方産蜂蜜に含まれるグラヤノトキシンの濃度について、中毒症状と因果関係のある分析データをわずかしか持っていない。

ドイツでグラヤノトキシンによる中毒事例は報告されているか?

BfRの情報によると、ドイツでは2010年以降、グラヤノトキシンを含む蜂蜜を摂取した後に、少なくとも5件の中毒が発生している。2012年には、56歳の男性が黒海地方産蜂蜜をテーブルスプーン2杯摂取した後、心拍数の低下、血圧の低下、循環器系の衰弱、腹痛などの重度の中毒症状を示したが、男性は完全に回復した。2019年には、40歳の男性も黒海地方産蜂蜜を摂取した後、意識混濁と心拍数の低下を伴う重度の症状を示した。BfRに知られている中毒事例はすべて、ドイツで市販されていないか、原産地不明の蜂蜜に関するものであった。

グラヤノトキシンへの長期(慢性)暴露が健康に及ぼす可能性のある影響は何か?

雄マウスを用いた動物試験では、グラヤノトキシンを含む蜂蜜の摂取後に染色体異常のような 遺伝毒性が認められた。遺伝毒性の作用機序に関するデータがないことと、グラヤノトキシンを含む蜂蜜の長期摂取に関するデータがないことから、現在のところ安全な摂取量を導出することはできない。

消費者はグラヤノトキシンの中毒をどのように防ぐことができるか?

BfRは、特に黒海地方のシャクナゲの蜂蜜は有害な濃度のグラヤノトキシンを含む可能性があるため、摂取すべきではないと勧告している。しかし、ドイツの蜂蜜条例は、原産地域や蜂蜜の種類について拘束力のある表示を規定しておらず、原産国(混合蜂蜜の場合は原産各国)についてのみ規定している。複数の国を原産とする蜂蜜については、「欧州委員会(EC)加盟国/非EC諸国の混合蜂蜜」又は「EC諸国と非EC諸国の蜂蜜の混合物」という表示を使用することもできる。グラヤノトキシンを含むドイツの蜂蜜に関する公式な食品モニタリングの体系的データは、現在のところ入手できない。

 

[FDA]FDAはリンゴジュース中の無機ヒ素のアクションレベルに関する最終ガイダンスを業界向けに発表

FDA Issues Final Guidance to Industry on Action Level for Inorganic Arsenic in Apple Juice

June 1, 2023

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-final-guidance-industry-action-level-inorganic-arsenic-apple-juice

本日、FDAは、「リンゴジュース中の無機ヒ素のアクションレベル」と題された業界向けの最終ガイダンスを発表した。最終ガイダンスは業界に対し、2013年に当局によって草案で発行された、リンゴジュース中の無機ヒ素のアクションレベルを10 ppbと特定している。このガイダンスは、乳幼児が一般的に消費する食品からの環境汚染物質への暴露を減らすというFDAの目標をサポートしている

FDAの試験結果は、市場に出回っているリンゴジュース中の無機ヒ素の量の減少傾向を反映しており、3 ppb及び5 ppb未満のサンプルの割合が増加している。しかし、ガイダンス草案の発表以降、無機ヒ素レベルが10 ppbを超えるリンゴジュースのサンプルをいくつか特定した。したがって、10 ppbのアクションレベルを最終決定しているのは、このレベルが適正製造基準を使用することで達成可能であると考えるからである。

FDAは、10 ppbのアクションレベルに拘束力はないが、製造業者がリンゴジュース中の無機ヒ素のレベルを下げることを奨励するのに役立つと期待している。FDAは、リンゴジュースサンプル中のヒ素を監視する現在の慣行を継続し、検査で10 ppbを超えるリンゴジュース中の無機ヒ素が特定された場合、FDAは他の要因に加え、このアクションレベルを考慮して、強制措置を講じるかどうかを決定する。ヒ素レベルが低いほど公衆衛生の保護が強化されるため、FDAの「よりゼロに近づける(Closer to Zero)」行動計画の一環として、このアクションレベルを再検討する予定である。

*Guidance for Industry: Action Level for Inorganic Arsenic in Apple Juice

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/guidance-industry-action-level-inorganic-arsenic-apple-juice

 

[FDA]食品に添加される化学物質をレビューするFDAの新しいアプローチが食品の安全性をどのように強化するか

How FDA’s New Approach to Reviewing Chemicals Added to Food Will Strengthen Food Safety

05/26/2023

https://www.fda.gov/news-events/fda-voices/how-fdas-new-approach-reviewing-chemicals-added-food-will-strengthen-food-safety

<FDAのRobert M. Califf長官と食品安全・応用栄養センター(CIFSAN)のSusan Mayneセンター長が語る>

化学物質は世界のあらゆるものの構成要素である。ヒトも動物も植物もすべて化学物質からなる。化学物質は、食品製造時の食品や食品包装にも使用されており、品質保持、栄養価の付加、保存可能期間の延長、食品を汚染して病気を引き起こす可能性のある病原体からの食品の保護などの有用な目的に使用されている。食品に含まれる化学成分の中には、塩化ナトリウムの「塩」やアスコルビン酸の「ビタミンC」のように、化学物質名とは異なる一般的又は普段の名前でラベルに表示されているものもある。

重要なことは、食品業界に、原材料として直接、又は食品接触物質としての使用によって間接的に食品に添加される化学物質の安全性と規制状況を保証する責任がある。一般に、食品に添加される化学物質は、食品に使用される前に、食品又は着色添加物としての使用が認可されていなければならないが、一部の化学物質は、資格のある専門家によって一般的に安全と認められている(generally recognized as safe:GRAS)、もしくは米国農務省(USDA)又は米国食品医薬品局(FDA)から事前に認められているため、例外として使用できる。FDAは、市販前レビュープログラムを通じて、食品に添加される物質の安全性をレビューし、業界が責任を果たすことを支援し、使用が安全であることを保証している。

さらに、新しい関連データが利用可能になった場合に、食品の成分及び物質の安全性を再評価することは、市販後における食品安全の使命の重要な部分である。時間の経過とともに、科学技術の進歩から化学物質の影響、業界の慣行及び消費者の摂取パターンの変化に関するより多くの情報が提供される可能性があり、それは安全性評価に影響を与える可能性がある。

食品に添加される化学物質の市販後レビュー

新たな情報が利用できるようになっても、食品成分や食品接触物質の安全性を引き続き評価する必要があることを考慮し、FDAは市販後レビューに焦点を当てた化学物質のより近代化された体系的な再評価に着手している。現在、FDAが食品成分として使用する化学物質や、食品と接触する物質を市販後にレビューする方法が2つある。

1つ目は、請願や通知を通じて提出されるデータや情報を介したもので、関係者がFDAに規則の制定や変更、その他の行政措置を執るための方法である。例えば、FDAは現在、食品や医薬品における二酸化チタンと赤色3号の使用に関する規則の撤廃を求める請願をレビューしている。

また、フードサプライの安全性を監督するというFDAの継続的なコミットメントの一環として、FDAは自発的に化学物質を評価する。FDAの科学者が化学物質の安全性に疑問を投げかける新しい研究を特定した場合、FDAは必要に応じて再評価し、行動を起こす。例えば、パー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)がある。特定の食品包装に特定のPFASが使用されていることを示す新たな情報が入手され、懸念を生じた。FDAは、これらの認可を取り消す、あるいは、これらのPFASの使用を段階的に廃止するために製造業者と取り組む措置を講じた。もう1つの例は、臭素化植物油の安全性の再評価を知らせるための研究を実施し、その結果を公表する進行中の作業がある。

豊富なデータへの新しいアプローチの開発とリスクに基づく物質の優先順位付け–強化されたアプローチと新しい枠組み

しかし、我々はさらに多くのことを求めている。現在、ほとんどの化学物質の再評価の実施は、用途や業界の変更によって再申請が必要になった場合や、関係者の請願への対応として、FDAの市販前プログラムを通じて行われている。確立された手続きによるFDAへの申請は、義務付けられた期限があり、公衆衛生上の緊急事態に関連するものを除き、通常はFDA主導の活動よりも優先される。しかし、既存のデータをより効率的に取り出し、リスクに基づいて詳細なレビューを行う物質の優先順位を付けるための新しいアプローチの開発に取り組んでいる。

資金が増えれば、市販後の継続的なモニタリングを通じて、化学物質の定期的な体系的なレビューの枠組みを確立することができる。これと、業界に新しいデータと情報の共有を求める追加の権限を組み合わせることで、FDAはリスクに基づいて優先順位を付け、詳細な市販後レビューが必要と思われる化学物質にリソースを絞ることができる。我々は食品中の化学物質の安全性を規制するための強化されたアプローチ* を概説し、このアプローチの一環として、市販後の化学物質を体系的に再評価するための新しい枠組みを構想している。

この新たに提案された枠組みは、より強固で統一されたヒト用食品プログラム(Human Foods Program)と、組織の将来を支えるためのより強固で効果的なリスク管理の枠組みを構築するためのFDAの仕事に沿ったものである。この提案された枠組みの下では、情報の定期的な調査を通じて、FDAの評価のきっかけとなるであろう新興の安全性情報を早期に検出し、リスクの初期評価に基づいて優先順位を付けることができる。これを成功させるためには、ツールを強化し、毒性と使用に関する正確で信頼できる新しい情報を特定して受け取り、リスク評価を実施するプロセスを確立する必要がある。

この枠組みを完全に構築するためには、新しい職員、規制権限の拡大、消費者擁護団体、規制を受ける業界及び議会からの支援など、我々のビジョンを達成するためのリソースが必要である。また、情報を公開し、公開会議、ウェビナーその他の業務を通じて、枠組みに関するパブリックコメントやその他の関係者フィードバックの機会を含む、関係者の関与によって透明性を高めることを目指している。今後数ヶ月のうちに、我々の計画についてさらに情報共有する予定である。

 

強化されたアプローチ

FDAは、既存の食品化学物質の安全性モニタリングプログラムを補完する対応方針を掲げ、3つの主要な分野における食品化学物質の安全性へのアプローチを強化している。FDAがこれらの方針のいくつかを追求するためには追加のリソースが必要であり、FDAが目標に向けてより着実な進展を確実にするのに役立つであろう。

1. 科学の進歩や技術革新についていくために、食品中の化学物質や食品に接触する物質の安全性レビューや評価を行う際に使用するツールや方法を拡大する。

情報技術(IT)ツールを拡大し、統合する:FDAの目標は、フードサプライと食品成分をモニタリングするための統合情報システムアプローチを開発することである。

化学物質と評価対象物質の優先順位付けのための新しい拡張決定木(Expanded Decision Tree)を開発する:FDAは、構造に基づく一連の質問を使用して化学物質を毒性の可能性によって分類する科学的ツールである拡張決定木の開発を完了予定である。拡張決定木は、オリジナルのCramer分類の決定木ツールの近代化版であり、構造的特徴に基づいて化学物質をスクリーニングするのに使用することができる。拡張決定木の新しい、拡張され、大幅に洗練された質問により、Cramer決定木よりもさらにずっと特異的に化学物質を分類することができる。これは、予測される毒性に基づいて化学物質の安全性を評価するのに役立つ、一貫した体系的で科学に基づくツールを提供することになる。

動物毒性試験の代替法などの新しいアプローチ法(New Approach Methods: NAM)を使用する:FDAの目標は、動物試験を代替、削減、改善(苦痛軽減など)することができる、信頼できる新しい代替法の規制用途への採用を促進することである。これにより、非臨床試験を改善し、FDAが規制する製品の開発を合理化し、安全性を確保しながら、より迅速かつ効率的に米国の消費者に提供することもできるだろう。FDAは、新しい方法論と技術を食品規制に使用する可能性を評価するための包括的な戦略の開発に取り組んでいる。

2. FDAによる化学物質の再評価の正当性を決定するために、新しい進化する情報を特定、評価、優先順位付け及びコミュニケーションするプロセスを更新する

食品への認可された化学物質の使用について市販後の安全性を体系的にレビューする枠組みを確立する:FDAは食品への認可された化学物質の使用の市販後安全性レビューを実施する。この枠組みは、既に実施されている申請の安全性レビューに追加するものであり、安全性レビューのための化学物質を特定し優先順位を付けるための透明性のあるプロセスを含む。

認可された化学物質の市販後の使用に関するより良い情報を業界やその他の関係者から得る方法を探る:FDAは一般的に、自主的に提出される市販後の情報に依存しなければならず、これは安全性の再評価を行うための情報が不完全であることが多いことを意味する。

累積暴露評価の方法を改善する:FDAは、他の政府機関を含む専門家と協力して、累積暴露の評価法の更新と強化を検討する。これには、FDAが食品中の汚染物質の共存と累積暴露をどのように検討するかが含まれる。

3. 食品中の化学物質が公衆衛生上リスクのないレベルで存在することを確実にするため、フードサプライの監視を継続する

業界が法の下での責任を果たしているかどうかを評価し、食品中の化学物質を管理するFDAの規則に従っているかどうかを評価するFDAのコンプライアンス遵守活動を強化する:これは、食品成分としての化学物質、食品に接触する物質、GRAS物質の安全な使用についての要件を含む。これとは別に、FDAは汚染の結果として食品中に存在する化学物質に対処する監視活動も再評価する。

フードサプライの監視を強化する:FDAは、分析法の開発と更新、汚染物質に焦点を当てた調査(サンプリングを含む)の強化、透明性を確保するための必要に応じたサンプリング作業からのデータと分析の共有によって、食品中の汚染物質に対処するための継続的な作業を拡大する。

新興の化学物質の安全性問題の検出を強化する:FDAは、食品に意図的に添加された化学物質及び汚染物質に関する新興の問題に関連する兆候をモニタリングするための枠組みを開発する。FDAは、優先順位付けシステムを開発し、リスク評価、リスクコミュニケーション及びリスク管理の能力を向上させる。

実行可能性と達成可能性を評価するための体系的なアプローチを開発する:化学汚染物質に関連するFDAのガイダンス、規則及び執行措置における一貫性と透明性を高めるために、FDAは、実行可能性と達成可能性(例えば、汚染物質の仮想的な最大基準値を達成する製造業者の能力)を評価し、安全で健全な食品供給を維持しながら食品中の汚染物質のレベルを考慮するための評価を組み込む体系的なアプローチを開発する作業部会を設立した。

規則制定による管理プロセスを更新する:FDAは、効率化のために、食品添加物請願、色素添加物請願及び食品接触通知(Food Contact Notification)プログラムの管理プロセスを更新する規則の公開に向けて引き続き取り組んでいく。

 

*Food Chemical Safety

05/26/2023

https://www.fda.gov/food/food-ingredients-packaging/food-chemical-safety

(食品中の化学物質の安全に関する情報を更新。FDAによる市販前・後の活動、食品化学物質の安全性の評価、近代的な方法やツールの導入、強化されたアプローチについて収載したウェブサイト)

 

[FAO]食品安全:FAOは包括的実用的ツールボックスを発表

Food Safety: FAO launches comprehensive and practical toolbox

06/06/2023

https://www.fao.org/newsroom/detail/FAO-food-safety-toolbox-GHP-HACCP-2023/en

FAOは世界食品安全デーにあわせて、全ての食品部門運営者が国際的食品衛生基準に従うのに役立つツールボックスを発表した。

 

[ASA]ASA裁定

-ASA Ruling on Dochsa Ltd t/a Dochsa

07 June 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/dochsa-ltd-a22-1177091-dochsa-ltd.html

ADHDなどの治療や予防効果を謳う食品サプリメントのウェブ広告が広告基準違反。

 

-ASA Ruling on Novielo London t/a Novielo London

07 June 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/novielo-london-a23-1190963-novielo-london.html

アルコールの過剰摂取を促すような広告及びアルコールに治療効果があるかのような広告は違反

 

[FSANZ]食品基準ニュース

Food Standards News June 2023

https://mailchi.mp/22c9d06b9364/food-standard-news-1300775?e=21527ddb09

・世界食品安全デー2023

・新しいアレルゲン表示要件まもなく発効(2024年2月25日)

 

[WHO]再生可能エネルギーの機会の最中、基本的エネルギーアクセスが後れをとっている、新しい報告書はいう

Basic energy access lags amid renewable opportunities, new report shows

6 June 2023

https://www.who.int/news/item/06-06-2023-basic-energy-access-lags-amid-renewable-opportunities--new-report-shows

世界のエネルギーアクセスギャップは残ったまま:6億7500万人が電気なしで23億人が有害な調理用燃料に頼っている

Tracking SDG 7: The Energy Progress Report 2023年版を発表

重要知見(一部のみ)

・2021年、電気が手に入る人は91%

・2021年にサハラ以南のアフリカで電気が手に入らないのは5億6700万人で世界の80%以上を占める

・2030年までにクリーンな調理を全ての人に、の目標達成が望めない。いまだに最大23億人が料理のために汚染源となる燃料を使っている。また伝統的バイオマスの使用は家庭が週に40時間薪を集めたり料理をするのに費やしていることを意味し、女性の就業や政治参加と子どもたちの就学を妨げている

・2019年のWHO推定によると調理に汚染源となる燃料と技術を使うことにより年に320万人の早期死亡に寄与している

 

その他

-Scienceニュース

ハローキティ、さよなら子猫?遺伝子治療は手術なしで猫を避妊する

Hello kitty, goodbye kittens? Gene therapy spays cats without surgery

6 JUN 2023 BY DAVID GRIMM

https://www.science.org/content/article/hello-kitty-goodbye-kittens-gene-therapy-spays-cats-without-surgery

一回使用避妊薬は最終的には世界中の家のない猫や犬の数を減らすのに役立つ

Nature Communicationsに、雌猫に一回注射するだけで明らかな副作用なしに2年間子どもをうまない遺伝子治療の研究が発表された

 

-FoodDrinkEurope

食品安全文化ガイドライン

Guidelines on food safety culture

May 2023

https://www.fooddrinkeurope.eu/wp-content/uploads/2023/06/06965-guidelines-on-food-safety-culture_WEB.pdf

食品安全文化:理論から実践へ

(価値観や信念を共有、文化を測定する、等。わかりにくいけれど、例えば暫く前に話題になった「手の常在菌でジュース発酵」ホテルは食品安全について間違った文化をもっていたわけでジュースの提供取りやめだけでは問題は解決しない)