[EFSA]意見等
-1,4‐ジメチルナフタレンの既存MRLsのレビュー
Review of the existing maximum residue levels for 1,4‐dimethylnaphthalene according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005
EFSA Journal 2021;19(5):6597 21 May 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6597
(理由付き意見)
さらなる検討が必要。
-Bacillus amyloliquefaciens IT‐45株の農薬リスク評価ピアレビュー
Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance Bacillus amyloliquefaciens strain IT‐45
EFSA Journal 2021;19(5):6594 17 May 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6594
(農薬の結論)
情報不足と懸念が確認された。
[EFSA]EuroCigua プロジェクト報告書
「欧州におけるシガテラ中毒のリスクキャラクタリゼーション」
GP/EFSA/AFSCO/2015/03 “Risk characterization of ciguatera food poisoning in Europe”.
最終報告書 (1st of April 2016‐31stOctober2020)
EuroCiguaプロジェクトの主な目的は、いくつかの特定の目的を含む、欧州のシガテラ中毒リスクの特徴を明らかにすることである。つまり、欧州のシガテラのインシデンスや事例の疫学的特徴を究明し、欧州の食品や環境中のシガトキシンの存在を評価し、シガトキシンで汚染された検体の存在を検出、定量化、確認する方法を開発し、検証することである。
以下、4つの外部科学報告書が公表された
・シガトキシンのキャラクタリゼーション
Characterisation of ciguatoxins
EFSA Journal 2021;18(5):EN-6649 19 May 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6649
(外部科学報告書)
・欧州のシガテラ事例のインシデンスと疫学的特徴
Incidence and epidemiological characteristics of ciguatera cases in Europe
EFSA Journal 2021;18(5):EN-6650 19 May 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6650
(外部科学報告書)
・欧州のシガテラ中毒のリスクキャラクタリゼーション
Risk characterisation of ciguatera poisoning in Europe
EFSA Journal 2021;18(5):EN-6647 19 May 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6647
(外部科学報告書)
・欧州の海産物及び環境中のシガトキシンの評価
Evaluation of ciguatoxins in seafood and the environment in Europe
EFSA Journal 2021;18(5):EN-6648 19 May 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6648
(外部科学報告書)
[EU]RASFF 16/05/2021～22/05/2021
警報通知（Alert Notifications）
チェコ共和国産珪藻土入り食品サプリメントの鉛、イタリア産アイスクリームのフィリングと装飾用ペーストのアフラトキシン、英国産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル、スペイン産オレンジのクロルピリホス-メチル、トルコ産未承認着色料ローダミンBで汚染されたカレー、インド産粉末ショウガのエチレンオキシド、トルコ産オレガノの高濃度の混合物及び高濃度のピロリジンアルカロイド、フランス産飼料用有機亜麻仁のシアン化物高含有、
注意喚起情報（information for attention）
スペイン産メカジキの水銀、エジプト産オレンジのクロルピリホス、エクアドル産缶入りツナのカドミウム、モロッコ産冷凍サバのヒスタミン、ウズベキスタン産トルコから発送したレーズンのオクラトキシンA、産出国不明食品サプリメントの未承認新規食品成分アグマチン硫酸及びベルベリン、トルコ産グレープフルーツのクロルピリホス-メチル、米国産食品サプリメントの未承認新規食品成分アグマチン硫酸、キプロス産イタリア経由グレープフルーツのクロルピリホス-メチル、
通関拒否通知（Border Rejections）
トルコ産チリペッパーのアセタミプリド及びピリダベン、トルコ産チリペッパーのアセタミプリド及びエトキサゾール、エチオピア産唐辛子のアフラトキシン、トルコ産生鮮ペッパーのピリダベン及びブプロフェジン、トルコ産生鮮ペッパーのクロルピリホス-メチル、トルコ産生鮮ペッパーのホルメタネート、トルコ産ペッパーのピリダベン、エジプト産オレンジのクロルピリホス-メチル、トルコ産生鮮ホットペッパーのクロルピリホス-メチル、米国産ピーナッツのアフラトキシン、トルコ産ペッパーkapyaのホルメタネート、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、トルコ産乾燥イチジクの認可限度を超えたアフラトキシン含有量、トルコ産アプリコットカーネルのシアン化物高含有、パキスタン産ソースと野菜調理品の亜硫酸塩及び着色料サンセットイエローFCF(E110)の未承認使用、中国産ピーナッツのアフラトキシン、ジョージア産ヘーゼルナッツのアフラトキシン、インド産アーユルベーダ食品サプリメントの鉛高含有及び水銀、トルコ産生鮮ペッパーのアセタミプリド、トルコ産ヘーゼルナッツのアフラトキシン、インド産コリアンダー種子粉末のエチレンオキシド、ウガンダ産チリペッパーのシペルメトリン、
[ヘルスカナダ] ヘルスカナダはネオニコチノイド殺虫剤イミダクロプリドの使用に新しい対策を発表
Health Canada releases decisions on neonicotinoid pesticides for impact on aquatic insects
May 19, 2021
本日、ヘルスカナダはネオニコチノイド系殺虫剤イミダクロプリドのヒトの健康及び環境へのリスクに関する最終的な再評価決定を発表した。この決定は数年にわたるデータ収集、科学評価及び協議の結論を示す。
ヘルスカナダの評価はリスク緩和策の追加で、イミダクロプリド製品の使用の多くがヒトの健康と環境保護に対する現在の基準を満たすと表明した。しかし、一部のイミダクロプリド使用は環境へのリスクが懸念されるためにキャンセルされる。
この使用に関する改訂条件は本日から24ヶ月以内にすべての製品表示で実行されなければならない。例外として、適切な代替製品がない場合はさらに24か月継続になる。
ヘルスカナダはイミダクロプリドの協議過程で国民、農薬登録業者、非政府団体及び州から46,000件を超える意見を受け付けた。このレビューでは科学論文だけでなく、カナダの主要な農業地域のより典型的な多量の最新の水質監視データも考慮した。
公開性と透明性の約束を継続する一環として、ヘルスカナダは科学評価の成果及び今後の対策を含めたこの再評価の決定に関する情報を公表している。
基本データ
・ネオニコチノイドは種子処理を含め様々な農業作物、芝及び観葉植物の病害虫を管理するために使用される農薬の一種である。特にイミダクロプリドは土壌、空中及び種子処理装置を使って、樹幹注入器、餌ステーション及びペット用スポット投与剤に使用される。
・新しい緩和策に従って使用した場合、イミダクロプリドのヒトの健康及び環境に対するリスクは許容できるものと考えられる。
・引き続き登録される製品使用の新たな対策は以下を含む：散布率を減らす、散布回数を減らす、種子処理や緩衝地帯に散布する場合の使用者の防護具（PPE）の変更といった改訂使用方法の表示。一部の使用は環境へのリスクの可能性を最小限にするために中止される。
・カナダで販売使用の認可を得るには、すべての農薬は厳しい科学に基づくレビューを通過しなければならない。ヘルスカナダの病害虫管理規制局はカナダの農薬規制に責任をもつ。
関連情報
・背景：イミダクロプリドの再評価決定（ヒトの健康及び環境）
関連リンク
・特別レビュー決定：水生無脊椎動物に対するクロチアニジンのリスク
・特別レビュー決定：水生無脊椎動物に対するチアメトキサムのリスク
・ヘルスカナダはネオニコチノイド系殺虫剤の最終の授粉媒介者の再評価決定を発表する
[CFIA] CFIAは食品安全、動物及び植物の健康を改善するためにカナダの研究と技術に投資する
The Canadian Food Inspection Agency invests in Canadian research and technology to improve food safety, animal health and plant health
May 19, 2021
Innovative Solutions Canada Programを介し、CFIAはカナダ市民、植物及び動物の健康を改善する活動を開始した。食品由来の病原菌を検出する携帯端末開発、アウトブレイクを予防管理する人工知能を使用したシステムの開発、植物検疫に関する開発を含む。
[TGA]未登録のニコチン吸引製品の基準
Standard for unregistered nicotine vaping products
19 May 2021
https://www.tga.gov.au/standard-unregistered-nicotine-vaping-products
TGAはTGAにより評価されない未登録のニコチン吸引製品の処方の新基準を導入する。新基準では安全性及び品質要件を設定する。
[SFA] タイ料理レストランは豚血液の凝固物を販売したため調査中である
Thai restaurant under investigation for selling pig blood curd
19 May 2021
SFAはタイ料理レストランが動物の血液の凝固物を違法に販売、販売目的で所持したため調査をしている。豚血を含む料理を販売し、包装された豚血も押収された。
シンガポールでは動物の血液製品は禁止されている。細菌が増殖しやすく各種疾患をもっている可能性があるからである
[FSS] FSSの今後5年間の戦略はスコットランド人の食生活を中心に取り組む
Tackling Scottish diet at heart of Food Standards Scotland new 5-year strategy
19 May 2021
FSSは本日今後5年間の戦略を発表した。スコットランド人の食生活の改善や健康影響を新たな視点で重視し、スコットランド人が最も関心のある問題に焦点をあてる。
Covid-19パンデミックはスコットランドの食生活を改善する必要性を強調した。肥満と過体重は健康に悪くCovid-19 リスクを増やす。過去20年全く改善がなく、パンデミックは強い警告になった。もし今対策しないならいつやる？
Healthy, Safe, Sustainable:Driving Scotland’s Food Future
https://www.foodstandards.gov.scot/downloads/FSS_Strategy_2021-2026.pdf
[FDA] FDAは革新的な食品トレーサビリティツールを求め、技術により前進する食品安全関する対話を行う
FDA Seeks Innovative Food Traceability Tools and Opens a Dialogue on Advancing Food Safety with Technology
May 18, 2021
FDAのよりスマートな食品安全の新時代のための食品のトレーサビリティ向上に向けた取り組み、食品安全や技術に関わるポッドキャストに関する食品政策担当の副長官Frank Yiannasの発言。
[FDA] FDLI 年次会議でのFDAコミッショナー代理であるJanet Woodcockの発言
Remarks by FDA Acting Commissioner Janet Woodcock to the FDLI Annual Conference
May 18, 2021
FDLI（食品医薬品法研究協会）の年次会議にて、FDAのCOVID-19への対応、不正製品からの消費者の保護、COVID以外の業務、FDAの今後に関する発言を紹介する。
[FDA]リコール
-Dibar Nutricional S. de R.L. De C.V.はメタノールのためDibar Labs Hand Sanitizerの全国的自主回収の拡大を発表する
Dibar Nutricional S. de R.L. De C.V. Issues Voluntary Nationwide Expanded Recall of Dibar Labs Hand Sanitizer Due to the Presence of Methanol (Wood Alcohol)
May 19, 2021
-Miracle8989は表示されない成分シルデナフィル及びタダラフィルのためPremierZen Gold 7000、PremierZen Platinum 8000及びMaxxZEN Platinum 12000の全国的な自主回収を発表する
Miracle8989 Issues Voluntary Nationwide Recall of PremierZen Gold 7000, PremierZen Platinum 8000 and MaxxZEN Platinum 12000, Due to Presence of Undeclared Sildenafil and Tadalafil
May 19, 2021
-Faribault Foods, Inc. は欠陥ある気密性シールのため、S&Wブランドの Organic Black Beans、O Organic Brand Black Beans及びO Organic Brand Chili Beansの限定的な自主回収を発表する
Faribault Foods, Inc. Announces Extension of Voluntary Recall of a Limited Quantity of S&W Brand Organic Black Beans, and O Organic Brand Black Beans and O Organic Brand Chili Beans Due to Compromised Hermetic Seal
May 17, 2021
[FDA]警告文書
-Bio-Botanica, Inc./Nature’s Answer, Inc.
MAY 05, 2021
ダイエタリーサプリメントの不正表示の問題。製品に塩化セシウムを含む。
-Wismettac Asian Foods, Inc.
APRIL 29, 2021
FSVP違反の問題。
-NeuroHydrate LLC
APRIL 27, 2021
未承認の医薬品、不正表示の問題。
-North American Hirudin Biotech Products Inc.
APRIL 21, 2021
未承認の医薬品、不正表示の問題。
[FAO]健康と農業食料システムの強化は手を携えて行わなければならない
Strengthening health and agri-food systems must go hand-in-hand
21 May 2021,
http://www.fao.org/news/story/en/item/1401695/icode/
FAO事務局長がG20リーダーとともにCOVID-19対応の拡大呼びかけ
バーチャルG20グローバルヘルスサミットにて
[RIVM]予防的保健政策2006-2018。その効果と教訓は？
Preventive health policy 2006-2018. What are its effects and lessons learned?
21-05-2021
https://www.rivm.nl/publicaties/effecten-en-lessen-van-preventief-gezondheidsbeleid-2006-2018
オランダ政府は喫煙者、過剰飲酒者、過体重、糖尿病、鬱の人を減らしもっと運動して欲しい。2006年から2018年にかけて100以上の異なる法令や国の活動がそのために行われた。これらは全て人々が健康的なライフスタイルの重要性をより認識するのに役立った。
特に、禁煙法と運動義務を科す法律のような法的措置が喫煙者と過剰飲酒者を減らすのに役立った。
個々のキャンペーンがどれだけ大きな影響があったのかを正確に知るのは難しい。より多くの異なる種類の対策が実施されていたら予防政策の効果はより大きかったかもしれない。健康へのポジティブな影響を得るには、異なるイニシアチブが長く続くことが重要である。
[ProMED]原因不明の病気－米国：ボトル入り水、肝疾患、致死、リコール
Undiagnosed illness - USA: bottled water, liver disease, fatal, recall
2021-05-23
https://promedmail.org/promed-post/?id=8377404
Date: 21 May 2021 Source: Ohio News Time [edited]
連邦担当官はラスベガスのボトル入り水ブランドReal Waterに完全なリコールと記録提供を命令した。会社の社長Brent Jonesと弁護士は2021年5月21日の米国地方裁判所の命令に関して5月19日に出された電子メールに直ちに反応しなかった。Jonesと会社は命令に異議申し立ても同意もせず、彼と会社の電話番号はもう使われていない。Jonesはもとネバダ州共和党議員。
文書によるとこの水はラスベガス地域の水道水を、濾過して水酸化カリウムと重炭酸カリウムと塩化マグネシウムで処理したもので、独自の「イオン化」装置を使って電流を流し、正と負の電荷をもつ溶液を作ると主張している。
ラスベガスのネバダ南部保険地域はReal Waterに関連すると考えられる肝疾患をさらに5例報告し、60代の女性の死亡も含まれる。この地方でこの製品に関連した非ウイルス性肝炎の患者は16になった。
[ASA]「グリーン」宣伝のためのガイダンスへのCMA（競争マーケティング局）の意見募集：ASAの反応
CMA consults on guidance for ‘green’ claims: ASA response
ASA News 21 May 2021
https://www.asa.org.uk/news/cma-consults-on-guidance-for-green-claims-asa-response.html
本日CMAが「誤解を招く環境クレーム」についてのガイダンス案についてパブリックコメント募集を発表した。
ASAはここ数ヶ月CMAと密接に協力してきて，広告におけるグリーン宣伝規制の専門知識を提供してきた。ASAはこのガイダンス案を歓迎する
Misleading environmental claims
Last updated 21 May 2021
https://www.gov.uk/cma-cases/misleading-environmental-claims
論文
-米国人女性の長期グルテン摂取と認知機能
Long-term Intake of Gluten and Cognitive Function Among US Women
JAMA Netw Open. 2021;4(5)
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2780271
セリアック病でない中年女性13494人の研究から、長期および短期のグルテン摂取と認知機能に何の関連もない
-アフリカの重症患者の過剰なCOVID-19死亡率
Excess COVID-19 mortality among critically ill patients in Africa
Bruce J Kirenga, Pauline Byakika-Kibwika
THE LANCET COMMENT| VOLUME 397, ISSUE 10288, P1860-1861, MAY 22, 2021
2021年3月25日時点で、COVID-19は高所得国では死因の6番目だがサハラ以南のアフリカでは死因の41番目である。
ザンビアの研究が、364人の死者、ほとんどが病院外、のうち70人（19.2%）にCOVID-19を検出した。またLancetに報告されたアフリカの64病院の3140人の重症患者の観察研究ACCCOSでは、重症患者の死亡率は48.2%で世界平均の31.5%より高い。死亡率の高さの誘導因子としてはHIV/AIDSなどの合併症と医療やICUへのアクセスの遅れが指摘されている。この原因として資源不足と資源が使われないことを著者等が指摘している。注目すべきは資源が使われないことで、アフリカでは機器があってもメンテやスキルがないために機能しないことがよくある。2017年の熱帯医療と教育トラストの報告ではアフリカの医療機器の40%は非稼働で、医療機器の80%は寄付で寄付された機器の70-90%は一度も稼働しない、そして医療機器のエンジニア専門職がいるのはアフリカのうち二カ国のみである。ACCCOSはまた医師や看護師が十分いても死亡率が高いことを報告していておそらくスキルが適切ではない
-グローバルヘルスにおける植民地主義への皮肉なガイド
An ironic guide to colonialism in global health
Simukai Chigudu
THE LANCET PERSPECTIVES|BOOK| VOLUME 397, ISSUE 10288, P1874-1875, MAY 22, 2021
グローバルヘルスに根拠に基づいたアプローチをするという考えは自明のようになっている。誰が反論できようか？例えばある集団の人々が飢えていたら最適な栄養素を適切な量最も効率的な方法で提供する必要がある。しかしその飢餓の社会的原因－政治経済や歴史などに深刻に注目することは根拠に基づいた世界的公衆衛生の中に組み込むのは手に負えない。それを社会学者は批判する。
Eugene Richardsonの「エピデミックの幻想：世界公衆衛生の植民地主義性についてEpidemic Illusions: On the Coloniality of Global Public Health」はグローバルヘルスが語られる枠組みである文化的土台への正面攻撃である。Richardsonにとって社会的文脈や政策の重要性を強調するだけでは不十分である。それはあまりにも説明的で不十分に規範的である。彼は不愉快な判断をしたい：グローバルパブリックヘルスはそれ自体が実証主義で権威主義で、医学の問題に知識を系統的にあてはめることでありこのような技術官僚的世界観は「植民地主義性」の文化的表出である。
（長い書評の一部。）
-信頼できない社会科学研究はしっかりした研究より注目される
Scienceニュース
Unreliable social science research gets more attention than solid studies
By Cathleen O’GradyMay. 21, 2021
再現できない社会科学の論文は、再現できた論文より平均すると、153多く引用される。これまで引用数は研究の質の近似として使われてきたが、それには根本的な問題があることを示す
- 有名な欧州研究費はバイアスがある，研究が示唆
Natureニュース
Prestigious European grants might be biased, study suggests
21 MAY 2021 Diana Kwon
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01362-8
パネリストの所属組織が欧州研究評議会の決定を歪めているようだ－特に生命科学の分野で
研究費提供委員会はEUの若手研究費を委員会の誰かの組織にいる申請者に与える可能性が高い、2014年の研究費についての研究が示唆する。分野は生命科学、社会科学、人文科学に限られるようだ
この結果はまだピアレビューされていないが、深刻に受け止める必要がある
-「地雷原」：COVIDワクチンの安全性は特有のコミュニケーションの課題となる
Natureニュース
‘It’s a minefield’: COVID vaccine safety poses unique communication challenge
21 MAY 2021 Ariana Remmel
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01257-8
ワクチン躊躇についての世論調査は、パンデミック中のリスク情報を伝えるのに研究者らが直面する普通でない苦境を明らかにする
米国政府が先月Johnson & Johnson (J&J)の予防接種を一時停止した後、COVID-19ワクチンの安全性への信頼が低下し、予防接種再開後も完全には戻らない。この事件はCOVID-19ワクチンについて公衆衛生当局が歩かなければならないきわどい状況を明らかにする。ワクチンはCOVID-19パンデミックを終わらせ個人を守るための方法だがそれには透明性をもって伝えなければならないリスクがある
一時停止の影響
リスクは数字だけではない
（文脈を正しく伝える、のはともかく受け手個人のリスク認知に応じて、は理想ではあっても現実的には無理なのでは。）
その他
-正しい化学：秋にイチョウの木のそばで臭うのは何？
The Right Chemistry: What's that stink near ginkgo trees in the fall?
May 21, 2021 Joe Schwarcz
酪酸は最も不快な臭いのうちの一つで、イチョウの実の莢が砕けると放出される
The Right Chemistry:"Ginko Biloba Trees and Extracts"
Dr. Joe Schwarcz on ginkgo trees
https://www.youtube.com/watch?v=mRmeq6hMKR4
動画
-あなたのお腹の中のダークマター（暗黒物質）
The Dark Matter Inside Your Gut
Jonathan Jarry M.Sc. | 21 May 2021
https://www.mcgill.ca/oss/article/health/dark-matter-inside-your-gut
世界は細菌ではない細菌に満ちている。我々は培養ではなく遺伝子からそれらがそこにいるのを知っている
我々の消化管にはダークマターのようなものがある。「暗黒物質」とは見られたことはないが物理学者の計算から存在が示唆される宇宙にあるもののことを指す。生物の研究者も固有の暗黒物質に直面している：直接検出できないが間接的に検出される見えない微生物である。彼らはそれを「微生物のダークマター」とよぶ。
腸内細菌については多くの文献がある。微生物の生態系であるマイクロバイオームは我々の健康に重要な役割を果たしている可能性がある。しかし科学者はまだその一部を知り始めたばかりだ。そしてマイクロバイオームは細菌だけでできているわけではない。
あなたは学校で原核生物と真核生物について習ったことを覚えているだろう。しかし1970年代後半から、この白黒二分法は正確ではないことがわかってきた。古細菌Archaeaと呼ばれる三つ目のドメインがある。
古細菌はかつては細菌のようなものだと考えられていた。単細胞で、顕微鏡で見える大きさで、細菌のような見た目だから。しかし研究が進むと細菌とは違って真核生物に似ていることがわかってきた。古細菌はもともとは温泉のような高温や高圧の極端な環境で見つかった。そして人体中にも見つかった。これまでのところ古細菌が寄生虫のように我々に病気をおこしているという根拠はない。
ダークマターの話に戻ると、微生物の同定には実験室で培養できるかどうかが重要になる。しかしこれまで発見された古細菌は培養できず、間接的に16SリボソームRNAによって検出されているだけである
-コンシューマーラボ
製品レビュー 緑茶レビュー：ティーバッグ、抹茶，サプリメント
Green Tea Review: Tea Bags, Loose Tea, Matcha Powders, and Supplements
05/22/2021
https://www.consumerlab.com/reviews/green-tea-review-tea-bags-matcha-supplements/green-tea/
一部の主要ブランド緑茶に不穏な知見。
いくつかの緑茶が検査に不合格
ティーバッグやお茶のEGCG含量は1カップあたり0.64mgから90.8mgと大きく異なる。抹茶は2gあたり100-150mg、サプリメントは26.4mg-250mg
（日本でEGCGを期待して緑茶を飲む人ってそんなにいないのでは。デカフェ緑茶も日本でメジャーにはなっていないような）
-無機肥料、農薬禁止、有機農業の誤謬
Inorganic fertiliser, agrochemicals ban and fallacies of organic agriculture
By Wicky Wickramatunga May 09, 2021
高級官僚からなる聴衆の拍手に迎えられて大統領はスリランカを「守るために」無機肥料の輸入を禁止すると宣言した。それは4月22日だった。内閣は大統領の無機肥料全て輸入禁止の提案を認め、さらに進んで農薬も禁止し、4月26日に即時発効した。大統領は4月29日にそれらの禁止を再確認し、実行のための委員会を任命した。
さらに農家には肥料補助金のもとで有機肥料を提供し有機農業にすることによる作物の損失はお金で保証するとも述べた。今後スリランカの全ての農業が有機農業になるという。
（以下スリランカの問題と今後について）
-再生農業に関する4部シリーズ
Marc Brazeau
パート1―再生農業：包括的持続可能性の利点があると主張して、集約的な、「工業的農業」を追放するための運動
Part 1 — Regenerative agriculture: The movement dedicated to unseating intensive, ‘industrial farming’ by claiming it has comprehensive sustainability advantages
パート2―再生農業提唱者の中核課題：その限定的で一部にだけある利点を「誇大宣伝して」運動を毀損しないこと
Part 2 — The central challenge for regenerative agriculture advocates: Not undermining the movement by ‘overselling’ its limited and targeted advantages
パート3―視点：再生農業の提唱者はその実行可能性についての質問に「科学や事実ではなく防御のための誇大広告で」答える
Part 3 — Viewpoint: Advocates for regenerative agriculture greet questions about its viability ‘not with facts or science but with defensive hype’
パート4―イデオロギーによる柔軟性の無さが再生農業「革命」を活用する努力を阻害している。今後の道は二つ。
final part Ideological rigidity is hampering efforts to leverage the regenerative agriculture ‘revolution’. Here are two paths forward
（オーガニック農業が農薬に集中してその他の指標であまり芳しくないことが学術文献で明らかになってきて，時代は気候変動なので名前と焦点を変えて似たような「運動」をしている、という感じ。）
メモ
-Salmonella Outbreak Linked to Jule’s Cashew Brie
このサルモネラだけではなくいろんな菌が検出されている「チーズ代用品」について
会社のHPをみると
牛乳の代わりにカシューナッツミルクを使って「伝統的チーズ製造法」に則っていると言っている。創設者のJulesがステージ4大腸がんになったので食生活をビーガンでオーガニックにしなければならないと考えそれがミッションだと信じてそうしているとのこと。
しかし原料が違えばリスクは違うので「伝統的」製造方法が何の安全性保証にもならない。植物だから、オーガニックだから、愛があるから、は全て安全性には関係ない。
-食品添加物を不安に思うきっかけ「無添加表示」が第1位 食品安全委員会のリスコミ意識調査で明らかに
2021/5/21
https://www.kenko-media.com/food_devlp/archives/5085
-風呂に料理に…意外に役立つ「身近な野草」 有毒、アレルギーには注意
（読売新聞、2021年5月21日）
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20210516-OYTET50005/
これを「医学」のカテゴリーで出すなんて。「そのへんのもの」は食べない、皮膚に塗らない。
一体何のために安全性試験やってると思ってるんだ？
