[TGA]安全性警告

Chapter Plus+ By Backslimカプセル

Chapter Plus+ By Backslim Capsules

31 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/chapter-plus-backslim-capsules

TGA検査により、Chapter Plus+ By Backslimカプセルに表示されない成分シブトラミンを検出した。製品写真あり。

 

-Li Da Weight Loss Capsulesカプセル

Li Da Weight Loss Capsules

31 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/li-da-weight-loss-capsules

TGA検査により、Li Da Weight Lossカプセルに表示されない成分シブトラミンを検出した。製品写真あり。

 

-Sherb Detox カプセル

Sherb Detox capsules

30 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/sherb-detox-capsules

TGA検査により、Sherb Detoxカプセルに表示されない成分ビサコジルを検出した。製品写真あり。

 

-You Slim'xs カプセル

You Slim'xs capsules

30 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/you-slimxs-capsules

TGA検査により、You Slim'xsカプセルに表示されない成分シブトラミンを検出した。製品写真あり。

 

-Mutant YK-11 カプセル

Mutant YK-11 カプセル

29 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/mutant-yk-11-capsules

TGA検査により、Mutant YK-11 カプセルに表示されない成分タダラフィルを検出した。製品写真あり。

 

-Big Penis U.S.A タブレット

Big Penis U.S.A tablets

29 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/big-penis-usa-tablets

TGA検査により、Big Penis U.S.A タブレットに表示されない成分シルデナフィル及びクロラムフェニコールを検出した。製品写真あり。

 

-BFB Be Fast Blockカプセル

BFB Be Fast Block Capsuless

29 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/bfb-be-fast-block-capsules

TGA検査により、BFB Be Fast Block カプセルに表示されない成分クレンブテロールを検出した。製品写真あり。

 

[FDA]警告文書

-Gold Star Distrbution., Inc. 10/19/18

October 19, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm624404.htm

食品のCGMP違反、製造、包装及び衛生管理、不純品の問題。

 

-Lakeview Dairy, LLC 10/19/18

October 19, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm624415.htm

動物組織に違法医薬品の残留、不純品の問題。牛の腎臓から1.508ppmのデスフロイルセフチオフルが検出される。

 

-Casa Pablo's Salsa LLC 10/16/18

October 16, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm624186.htm

酸性化食品基準、CGMP違反、Emergency Permit Control法、不正表示、不純品の問題。

 

-Circle G Farm & Feed Lots Inc 10/16/18

October 16, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm624026.htm

動物組織に違法医薬品の残留、不純品の問題。牛の肝臓から4.785ppmのスルファメタジンが検出される。

 

-Original Living Coconut, LLC 10/10/18

October 10, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm624202.htm

食品ラベル表示、不正表示の問題。

 

[NHS] 完全菜食主義(ビーガン)の食事が「よりよい2型糖尿病管理の役に立つ」

Vegan diet 'helps people better manage type 2 diabetes'

Wednesday October 31 2018

https://www.nhs.uk/news/diabetes/vegan-diet-helps-people-better-manage-type-2-diabetes/

ビーガンになることは「有意に心の健康を改善し、糖尿病を減らし、さらに体重を減らすことができる」とDaily Mirrorは報道する。

研究者は2型糖尿病の成人に対する野菜中心の食事の影響を調べる11の研究結果をまとめた。

研究者は精神健康、生活の質、糖尿病管理及び体重減少の改善のエビデンスを発見したと述べた。しかし、研究者のレビューに含まれた研究はかなり小規模で、全部で433人の参加者しかいなかった。これはエビデンスの強さに疑問を投げかける。対象研究の3つしか精神健康あるいは生活の質を調べていなかった。

ビーガンあるいは野菜中心の食事は人気になりつつある。ビーガンの食事は食事から乳製品や卵を含めすべての動物性食品を除外する一方、野菜中心の食事は1日のカロリーの10%あるいはそれ以下は動物性食品から摂取するものとして定義した。多くの野菜中心の食事は肉や高脂肪乳製品を含む食事よりもカロリーは低いようで、報告された体重減少や改善された糖尿病管理を説明できるだろう。

健康的な食事は糖尿病管理を改善しそうであるが、この研究は、糖尿病患者にとってビーガンの食事がほかの健康的な食事より優れているということを説得力をもって示すものではない。また、食事の質を改善するためにビーガンになる必要はない。

健康的な食事と2型糖尿病についてはこちらで詳しく読むことができる。(https://www.nhs.uk/conditions/type-2-diabetes/food-and-keeping-active/

 

[ヘルスカナダ]Operation Pangea XIの一環として、ヘルスカナダはオンライン上で未承認の健康製品を購入することの危険性に関して市民に再喚起する

Operation Pangea XI reinforces the dangers of buying unauthorized health products online

October 23, 2018

http://www.healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2018/68114a-eng.php

関連リンク多数

 

[ヘルスカナダ]ラドン対応月間

Radon Action Month – November 2018

2018-11-01

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2018/10/radon-action-month--november-2018.html

11月は全国ラドン対応月間。カナダでは毎年3200人以上がラドンによる肺がんで死亡している。ラドンは目に見えず臭いもしないので検査キットで調べること。

 

[EFSA]評価等

-遺伝子組換えクロコウジカビ(NZYMMC系統)由来食品酵素α‐アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme α‐amylase from a genetically modified Aspergillus niger (strain NZYMMC)

EFSA Journal 2018;16(10):5451 31 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5451

食品酵素α-アミラーゼ(4‐α‐d‐グルカン グルカノヒドロラーゼ; EC 3.2.1.1)Novozymes A/S社によるクロコウジカビの遺伝子組換え系統で生産されている。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素には生産生物の生きた細胞や組換えDNAはない。このα-アミラーゼはグルコースシロップ生産、アルコール飲料(蒸留)工程、焼成工程の加工デンプンに使用されることを意図している。総有機固形物(TOS)の残留量は、グルコースシロップの生産中に用いられる蒸留や精製工程で取り除かれ、その結果、食事暴露は産出されなかった。焼成工程には、提案された最大使用量に基づき、食事酵素–TOSへの食事暴露は欧州人では最大3.784 mg TOS/kg 体重/ 日と推定された。遺伝毒性試験では安全上の懸念が生じなかった。全身毒性は齧歯類の90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは最大用量1,400 mg TOS/kg 体重 (bw)/ 日を無毒性量(NOAEL)とした。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似点が調査され、2件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用状況下で、この食品酵素に対する食事暴露におけるアレルギー感作と誘発反応のリスクは除外できないが、そのような反応が起こる可能性は低いだろうと考えた。提出されたデータ、グルコースシロップの生産中のTOSの除去、導出された焼成工程の暴露マージンに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用状況下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-遺伝子組換えクロコウジカビ( NZYMBW系統)由来食品酵素グルカン1,4‐α‐グルコシダーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme glucan 1,4‐α‐glucosidase from a genetically modified Aspergillus niger (strain NZYMBW)

EFSA Journal 2018;16(10):5446  31 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5446

食品酵素グルカン1,4‐α‐グルコシダーゼ(EC 3.2.1.3)Novozymes A/S社により遺伝子組換えクロコウジカビ系統NZYMBWで生産されている。この遺伝子組換えは安全性の懸念は生じない。この食品酵素には生産生物の生きた細胞や組換えDNAはない。グルカン1,4‐α‐グルコシダーゼ食品酵素は蒸留アルコール製造やグルコースシロップの生産の加工デンプンに使用されることを意図している。総有機固形物(TOS)の残留量は、グルコースシロップの生産中に用いられる蒸留や精製工程で取り除かれる(99%近く)。その結果、食事暴露は算出されていない。遺伝毒性試験では安全上の懸念を生じなかった。全身毒性は齧歯類の90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは最大用量1,244 mg TOS/kg 体重 (bw)/ 日を無毒性量(NOAEL)とした。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似点が調査され、1つの一致が見つかった。パネルは、意図した使用状況下で、この食品酵素に対する食事暴露におけるアレルギー感作と誘発反応のリスクは除外できないが、そのような反応が起こる可能性は低いだろうと考えた。提出されたデータと意図した食品生産工程中のTOSの除去に基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用状況下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-新しい毒性情報を受けたイマザリルの既存MRLsの改訂レビュー

Updated review of the existing maximum residue levels for imazalil according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005 following new toxicological information

EFSA Journal 2018;16(10):5453 30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5453

EFSAは欧州委員会からの委託を受けて、この代謝物質の毒性について提出された追加情報R014821 FK772 FK284を考慮して、201795日に発表されたイマザリルの既存最大残留基準(MRLs)のレビューに関する理由付き意見の改訂を提出した。EFSAは、代謝物質R014821(イマザリルの収穫後散布で生じることが予期される)の毒性学的性質の評価が最終化できなかったため、柑橘類、リンゴ、ナシ、ジャガイモ、バナナ、メロンの、報告された収穫後の使用のMRL提案を導出できなかった。リスク管理者は、この代謝物質R014821の遺伝毒性の可能性を除外できないと認識すべきである。これらすべての商品には、信頼できる食事リスク評価を行うことで得られる、リスク評価の残留物の決断を下せなかった。その他の商品には、可能であれば代わりとなる優良農業規範(GAPs)を検討したが、規制の枠組みが必要とする情報が不足していた。そのため、消費者への明らかなリスクは見つからなかったが、消費者リスク評価は暗示的なものに留まり、EFSAが導出したいくつかのMRL提案にはなお、リスク管理者のさらなる検討が必要である。収穫後の散布を伴うGAPsが取り下げられれば、家畜の暴露が誘因値を超えることは予想されなかったので、動物由来商品のMRLは提案しない。しかしながら情報やデータ(特に代謝物質FK772 FK284の毒性に関する)不足も確認されたため家畜製品の執行とリスク評価のための残留物の定義提案ができなかった。

 

-メチオカルブの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance methiocarb

EFSA Journal 2018;16(10):5429 30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5429

殺虫剤やトウモロコシの鳥の忌避剤としての代表的用途を評価した。情報不足と懸念が確認された。

 

-ジメトエートの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance dimethoate

EFSA Journal 2018;16(10):5454  30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5454

小麦とサトウダイコンの殺虫剤としての代表的用途を評価した。情報不足と懸念が確認された。

 

-筋肉機能と身体能力に関する健康強調表示の科学的要件についてのガイダンス案についてのパブリックコメント募集結果

Outcome of a public consultation on the draft guidance on the scientific requirements for health claims related to muscle function and physical performance

30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1495

パブリックコメント募集は2018716日から92日まで開かれていた。EFSA3団体からコメントを受け取った。この報告書はパブリックコメント募集の結果をまとめ、受け取ったコメントの要約や対処法が含まれている。ガイダンスは2018927日のNDA本会議で議論採択され、EFSA Journalで発表される。

 

-筋肉機能と身体能力に関する健康強調表示の科学的要件に関するガイダンス

Guidance on the scientific requirements for health claims related to muscle function and physical performance

EFSA Journal 2018;16(10):5434  30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5434

EFSAは栄養、新規食品、食品アレルギーに関するパネル(NDA)に、2012年に発表された身体能力に関する健康強調表示の科学的要件についてのガイダンスを改訂するよう要請している。このガイダンス案は2018716日から92日までパブリックコメントを募集していた。健康強調表示評価で得た経験に照らして適切にさらなる改訂をする予定である。

 

-鶏肥育用および離乳子豚用飼料添加物としてのBergazym® P100 (エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ)の有効性

Efficacy of Bergazym® P100 (endo1,4‐β‐xylanase) as a feed additive for chickens for fattening and weaned piglets

EFSA Journal 2018;16(10):5457  30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5457

この添加物はコーティングされた顆粒状で、鶏肥育用 (機能グループ:消化増強剤)や、1,500 EPU/kg飼料の用量で離乳子豚用の畜産添加物としての使用を意図している。以前のFEEDAP パネルの評価でこの生産系統及びこの添加物は完全に性質決定された。その評価で、FEEDAPパネルは、この添加物が鶏肥育用、離乳子豚用、豚肥育用に安全であり、飼料添加物としてのこの製品の使用は、これを与えられた動物由来食品の消費者や環境に懸念は生じないと結論した。パネルはこの添加物の有効性を評価し、1,500 EPU/kg 飼料で豚肥育用に有効である可能性があると結論した。しかし、パネルは鶏肥育用と離乳子豚用のこの添加物の有効性に関してはデータや情報が不十分で結論できなかった。申請者はこの添加物の有効性を支持する入手可能な情報を補足するために補足情報を現在提出している。新しく提出された有効性試験と説明で、パネルはこの添加物が1,500 EPU/kg 飼料で鶏肥育用と離乳子豚用に有効である可能性があると結論した。

 

-全ての動物種用サイレージ添加物としてのLactobacillus hilgardii CNCM I4785Lactobacillus buchneri CNCM I4323/NCIMB 40788の安全性と有効性

Safety and efficacy of Lactobacillus hilgardii CNCM I4785 and Lactobacillus buchneri CNCM I4323/NCIMB 40788 as a silage additive for all animal species

EFSA Journal 2018;16(10):5455  30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5455

以前の意見で、この系統の独自性は明確に設定され、抗生物質耐性の懸念は検出されなかった。そのため、この系統のサイレージ添加物としての使用は家畜種、処理されたサイレージを与えられた動物由来製品の消費者、環境に安全だと考えられている。以前の申請では、同じ濃度で合わせて両法の系統を使用した3つの研究が、穀物トウモロコシ全部分の各種乾燥物質含有量のサンプルで行われた。同じ試験がこの申請で提出されている。パネルは、1.5 × 108 CFU of 各活性物質/ kg 新鮮なかいばでのLactobacillus hilgardii CNCM I4785 Lactobacillus buchneri NCIMB 40788/CNCM I4323 は、3 x 108 CFU 全乳酸菌/kgかいばと等しく、サイレージの好気性安定性を著しく改善するという以前の結論を繰り返した。

 

-全ての動物種用飼料香料として使用する際のHumulus lupulus L. flos(ホップの球花)の超臨界二酸化炭素抽出物の安全性と有効性

Safety and efficacy of a super critical carbon dioxide extract of Humulus lupulus L. flos when used as a feed flavouring for all animal species

EFSA Journal 2018;16(10):5462 30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5462

この添加物は40%のベータ酸と0.2%未満のアルファ酸を含むよう規定されている。既知の懸念物質■■■■■は検出されなかった。最大適用量50 mg 添加物/kg 完全飼料で全ての動物種用官能的添加物としての使用を意図している。耐容試験はすべての動物種の申請の根拠として、離乳子豚、鶏肥育用、乳牛、魚で提供された。だが、FEEDAPパネルは、この添加物が最大提案適用量で離乳子豚用、豚肥育用、マイナー育成用豚種にのみ安全だと結論できた。動物の栄養に提案された使用量で、この添加物の使用に消費者の安全性の懸念は確認されなかった。この添加物は水が存在すると皮膚と目腐食性である。この添加物は呼吸と皮膚の感作性光剤の可能性がある。動物生産にこの添加物を使用しても陸生動物や新鮮な水環境にリスクを引き起こすことは予期されない。収穫されたホップとその抽出物は香料食品として認可されており、飼料の機能は食品と基本的に同じなので、有効性の論証はこれ以上必要ないと考えられる。

 

[NTP]携帯電話に使われている高周波の毒性およびがん原性試験についてのNTPテクニカルレポート発表

NTP Technical Reports on the Toxicology and Carcinogenesis Studies of Radio Frequency Radiation Used by Cell Phones are now available

マウス

NTP TECHNICAL REPORT ON THE TOXICOLOGY AND CARCINOGENESIS STUDIES IN B6C3F1/N MICE EXPOSED TO WHOLE-BODY RADIO FREQUENCY RADIATION AT A FREQUENCY (1,900 MHz) AND MODULATIONS (GSM AND CDMA) USED BY CELL PHONES

November 2018

https://www.niehs.nih.gov/ntp-temp/tr596_508.pdf

ラット

NTP TECHNICAL REPORT ON THE TOXICOLOGY AND CARCINOGENESIS STUDIES IN Hsd:SPRAGUE DAWLEY SD RATS EXPOSED TO WHOLE-BODY RADIO FREQUENCY RADIATION AT A FREQUENCY (900 MHz) AND MODULATIONS (GSM AND CDMA) USED BY CELL PHONES

https://www.niehs.nih.gov/ntp-temp/tr595_508.pdf

 

-プレスリリース

高周波への高暴露は雄ラットのがんと関連

High Exposure to Radio Frequency Radiation Associated With Cancer in Male Rats

Thursday, November 1,

https://www.niehs.nih.gov/news/newsroom/releases/2018/november1/index.cfm

NTPは本日発表した最終報告書で、2G3G携帯電話に使われている高周波(RFR)に高度に暴露された雄のラットはがん性心臓腫瘍を発症する明確な根拠があると結論した。また雄ラットでは脳と副腎の腫瘍にも幾分かの根拠がある。雌ラットおよび雌雄マウスでは根拠は曖昧(equivocal)だった。最終報告書は2月に発表された案を外部専門家委員会がレビューしたNTPのコンセンサスである。

NTPの上級科学者John Bucher博士は「この研究で使用された暴露量はヒトが携帯電話を使った場合のものとは直接比較できない」という。「NTPの試験では、ラットとマウスは全身がRFR暴露されている。一方ヒトでは多くの場合携帯電話をもつ場所に近い特定の局所組織が暴露される。さらに暴露された量と時間はヒトが経験するより大きい」

この試験で使用された最低用量が現在携帯電話の使用者に認められている最大局所組織暴露と同程度である。通常の携帯電話の使用でそのような量に暴露されることは滅多にない。この試験での最大暴露量は最大許容レベルの4倍大きい。

Bucherは「我々はRFR暴露と雄ラットの腫瘍の関連は事実であると信じ、外部専門家も合意した」という。

NTPのこの3000万ドルを使った試験は完了まで10年以上かかり、2Gおよび3G携帯電話に使用されている変調のRFRに暴露された動物の健康影響についてのこれまでで最も包括的な評価である。2G3Gは研究計画時の標準的なもので今でも電話や携帯メールに使われている。

この研究の毒性学主任のMichael Wyde博士は「この研究の大きな強みは動物が受けるRFRの量を正確にコントロールできたことである。それはしばしば質問票に依存するヒトでの携帯電話使用を研究するときには不可能である」という。また暴露群の雄ラットで寿命が長くなるという予期せぬ結果についても注意した。「これはしばしば高齢ラットの死因となる慢性腎疾患の減少により説明できるかもしれない」とWyde博士は言う。

動物はこの実験のために特別にデザインして建設されたチャンバーで飼った。RFR暴露はラットでは胎児期から、マウスでは生後5-6週から始めて最大2年間、あるいは自然な生涯のほとんどの時間だった。RFR暴露は間欠的に、10分オン10分オフで毎日合計9時間だった。ラットのRFRレベルは1.5-6ワット/kg、マウスでは2.5-10ワット/kgであった。

この研究ではWi-Fi 5Gで使用されているRFRは調べていない。

5Gは新興技術でまだ定義されていない。現在の知見からは調べたものと劇的に違う可能性がある」

将来の研究のために、NTPは新しい通信技術を何年もかけてではなく数週間や数ヶ月で評価することを容易にするより小さなRFR暴露チャンバーを建設している。それらの研究ではRFRの影響の可能性として測定可能な生理的指標やバイオマーカーに焦点をあわせるだろう。それらにはがんより早く検出できる暴露された組織のDNA傷害のような指標も含まれるだろう。

FDAが携帯電話のRFRNTPの研究対象に指定したのは広く使われていて長期健康影響についての知見が乏しかったからである。NTPはこの結果をFDAと連邦通信委員会に提供し、彼らがRFRの影響についての新しい研究を監視し続けるなかでこの情報をレビューするだろう。

 

-記者会見の音声と議事録、ファクトシート等あり

Cell Phone Radio Frequency Radiation Studies

https://www.niehs.nih.gov/health/materials/cell_phone_radiofrequency_radiation_studies_508.pdf

 

 

[FDA]NTPの高周波暴露報告書についてのFDAの医療機器・放射線保健センター(CDRH)長Jeffrey Shuren医師法務博士の声明

Statement from Jeffrey Shuren, M.D., J.D., Director of the FDA’s Center for Devices and Radiological Health on the National Toxicology Program’s report on radiofrequency energy exposure

November 1, 2018

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm624809.htm

FDAは携帯電話を含む放射線を出す電子機器が一般使用に安全であることを確保する任務がある。携帯電話からの放射については連邦通信委員会(FCC)が暴露基準を設定している。ラジオ周波数エネルギー暴露の最も包括的な評価には何十年にもわたる何百という研究をもとにしている。新しい情報が入手できたら評価を行って継続的に検討している。我々は最近NTPの試験について精査し、その最終報告書の無線周波数エネルギー暴露された齧歯類での発がん性に「明確な根拠」という件については合意しない。

NTPの研究では、齧歯類を極めて高用量の無線周波数に全身暴露させた。これはこの種のハザード同定研究ではよく使われる方法で、現在の携帯電話の安全基準より相当多い暴露量である。このようなことをするのは動物組織への無線周波数エネルギーの影響について既にわかっていることに貢献する意図がある。実際影響が観察され始めるのはFCCの定めた安全基準の50倍以上高いところからのみである。

NTPも声明でこの点を指摘し、「これらの知見はヒトの携帯電話の使用に直接当てはめるべきではない」と言っている。我々もこれらの知見はヒトの携帯電話の使用に適用すべきではないと合意する。

NTP3月にこの研究についてのピアレビュー会議を行ったがFDAは参加しておらず、オブザーバーとして招かれた。15人のピアレビューワーが評価し投票により雄のラットの心臓の悪性神経鞘腫を幾分かのsome根拠から明確なclear根拠に、雄ラットの脳の悪性神経膠腫副腎の良性腫瘍を曖昧equivocalな根拠から幾分かのsome根拠へと引き上げた。投票は新しいデータや知見が見つかったという意味ではないことに注意が必要である。

さらに我々が先に指摘したように、この研究にはいくつか普通でない知見がある;暴露されたラットが何の暴露もされていないラットより長生きした;最高用量で暴露された雄のラットのみが心臓の神経鞘腫の数で統計学的有意になったがこの腫瘍はヒトでは極めて希である。また真の用量反応関連はない。将来ヒトの疫学研究を検討する場合には研究者らは知見の全てを検討する必要がある。

科学者としては我々は新しい研究を歓迎する。このような動物実験は議論に貢献するが、この研究はヒトでの携帯電話の安全性を評価するためにデザインされたものではないことを忘れてはならない。従ってこの研究からヒトの携帯電話の使用に関するリスクについては結論できない。またデータを総合的に検討しなければならず、単一の研究結果で結論するのではなく全体の完全な根拠の文脈で評価する。

我々のこの問題に関する評価に基づき、入手可能な科学的根拠は現在の無線周波数エネルギー暴露基準のもとでの暴露によりヒトで健康影響があるということを支持しないままである。

 

 関連

-SMC UK

携帯電話とラットの研究への専門家の反応

expert reaction to study on mobile phones and rats

November 1, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-on-mobile-phones-and-rats/

NTPの報告について

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

NTPがこの問題を研究したのは良いことだ。しかしこれらの知見は人間が携帯電話を使うことによる健康リスクについて現実的な懸念の理由にはならない。この問題についてはこれまで多くの研究があり、そのほとんどがヒト健康リスクについて何の根拠も発見しておらず、一部は非常に多く使うヒトの小さなリスクに関する限定的根拠しかない。NTPの結果がそれを変えるとは思わないしNTPのデザインはそのようなリスクを調査するためのものでもない。彼らが調べているのは別のものである。それはヒトでない動物(ラットやマウス)を19時間生涯にわたって全身に無線周波数にあてた結果である。それはほとんどの人の携帯電話の使い方ではない。

この結果は何か我々にとって役にたつだろうか?これを根拠に携帯電話の使用を止めようとは思わない。

 

-SMC NZ

Mobile phone cancer link in rats – Expert Reaction

Published: 02 November 2018

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/11/02/mobile-phone-cancer-link-in-rats-expert-reaction/

Massey大学工学先端技術学部上級講師(通信工学とネットワーク)Faraz Hasan博士

このNIEHSの研究は生きた生物へのワイヤレス通信の身体的影響についての幾分かの有用性がある。最悪シナリオのようだ。FDAはこの知見にいくつかの矛盾点を指摘している。放射線の生物影響を調べるには長期間の研究が必要であるが、一方技術の進歩は目覚ましく、長期試験の結果が出た頃には既に違う技術を使用している。NTPが新しい技術を評価するための試験に要する時間を短くしようとしていることは歓迎する。NTPの試験は2/3Gネットワークについてのものだがニュージーランドでは2020年から5Gを展開し始める。5Gではさらに暴露量が増えるだろう、一つは中継基地が増えることと二つ目は政府が3つの別々のネットワークを展開する予定であるため。

オーストラリアSMC

Wollongong大学心理学部保健心理学教授でオーストラリア無線周波生物影響研究センター前所長Rodney Croft

NTPの研究はこれまでの研究と同様、電磁波とがんの関連、あるいは携帯電話の使用が健康に有害であるという根拠を提供しない。NTPのプレスリリースを解釈する時に考慮すべき重要な点がたくさんある。

・無線周波数暴露動物が対照群より有意に長生き

・暴露量は携帯電話の使用状況とは異なる(実験条件はラットの体温を0.5℃以上上げるほどの強さ、しかし携帯電話で体温が上がることはない)

・雄ラットでしか見られず、雌ラットでも、雌雄マウスでもみられない

・統計学的有意差が無く単なる偶然である可能性がある

西オーストラリア大学世界及び集団の健康学部非常勤教授、がんの原因と予防相談医Bruce Armstrong

この研究が加えたものはほんの少しで、現時点ではIARCの分類「ヒト発がん性の可能性がある」が正しいままだと思う

 

 

論文

-マイクロバイオーム管理委員会は世界中の糞便検体を貯蔵する

Microbiome conservancy stores global fecal samples

Tania Rabesandratana

Science  02 Nov 2018: Vol. 362, Issue 6414, pp. 510-511

世界中の異なる人々の腸内細菌を同定し保管しようとする世界マイクロバイオーム管理委員会Global Microbiome Conservancy (GMC)の活動について

予算は2012年までに34ヶ国の人々の検体を集めることを支援する予定。これまで北米から集めた検体中に新しい属は5つしか見つかっていないがアフリカや北極由来の検体からは既に55の未知の属がみつかっている。また9月にドイツで開催されたシンポジウムでは一人の人間の中でいわゆる遺伝子の水平移動が機能を変えるのに十分な頻度でおこっていることの予備的根拠を発見したと発表している

 

-米国への移民は個人のマイクロバイオームが変わる

Immigration to the United States changes a person's microbiome

1-Nov-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-11/cp-itt102518.php

Cell。移民や難民が米国に着くとほとんどすぐに(6-9か月で)もともとあった微生物叢が欧米型に変わる。

 

-我々は皆「健康的な加齢」を望む、しかしそれは実際どんなもの?新しい報告は答えを探す

We all want 'healthy aging,' but what is it, really? New report looks for answers

1-Nov-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-11/ags-waw110118.php

Journal of the American Geriatrics Societyに発表された米国老年医学会による定義

 

-ファーマーズマーケット出店者には食品安全向上のための訓練が必要

Farmers market vendors need training to improve food-safety practices

1-Nov-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-11/ps-fmv102918.php

Food Protection Trendsに発表されたペンシルベニアの産直市場の評価結果。覆面での直接観察、州の衛生担当者の観察、出店者の自主申告調査を評価した。その結果研究者と衛生担当者、自己評価の間に差があることがわかった。研究者と衛生担当者の評価は同じようなものだったが自己評価は大きく異なり、教育訓練が役にたつだろう。多くの場合自己申告では高評価だが実際にはできていない。特によく見られたのは包装されていない(すぐ食べる)食品とお金を同じ手袋で扱っていること。

 

 

その他

危険なほど高濃度の赤潮がブリティッシュコロンビア沿岸の二枚貝に見つかった

Dangerously high levels of Red Tide found in bivalve shellfish on B.C. coast

November 1, 2018

https://globalnews.ca/news/4621644/red-tide-danger-bivalve-shellfish-bc-coast/

サンシャインコーストのほとんどの海域の牡蠣、あさり、ホタテ、イガイ、ナミガイの収穫禁止。

閉鎖の閾値は80 ppmだが検出されたのは1300ppmと極めて高い

 

*購入者は注意:キャンベラ住人にスポーツサプリメントの危険な及び未知の物質に警告

ACT Health(オーストラリア首都特別地域保健省)

Buyers beware: Canberrans warned of dangerous and unknown substances in sport supplements

01 Nov 2018

https://www.health.act.gov.au/node/710

ボディビルや減量目的でスポーツサプリメントを使用しているキャンベラ住人に、危険な物質を含む可能性のあるこれら製品の健康リスクについて警告

ACTの保険担当主任Paul Kelly博士によると健康保護サービスへの苦情が寄せられたため保健省が現在調査中である。

「我々が調査中のスポーツサプリメントには多様な物質が含まれ、中には医師の助言無しに使うと健康への相当な影響があるものもある。製品は主に地元のスポーツサプリメント販売店で売られているため、キャンベラ住人は注意が必要である。特にフィットネスコミュニティーには、少量なら安全だという神話があるが、これらの物質はたとえ少量でも健康リスクがある。我々のメッセージはシンプルで、購入者は注意すること。

これらの物質が禁止された理由は様々である。多くは相当な健康リスクがあり大部分は合法的な医療用使用もされていない。我々はこれらのサプリメントの使用を直ちに止めるよう強く助言する。健康が心配な人は医師に相談するように。」

調査の一環として見つかった製品は選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARMs)、カルダリン、タダラフィル、オキセドリン、メラトニン、フェニビュートなどを含む。

サプリメント販売店がこれらの物質を売るのは違法であるだけではなく一部は人々が処方無しに所有することも違法である

ACT保健省の検査は進行中で、たくさんの検査が現在行われている。

 

-専門家向け情報

https://www.health.act.gov.au/health-professionals/pharmaceutical-services

スポーツサプリメント中の禁止物質

Banned substances in sports supplements

https://www.health.act.gov.au/sites/default/files/2018-10/Banned%20substances%20in%20sports%20supplements%20-%20Consumer%20Information%20Sheet%20V1..._.pdf

 

*[EMA]食品生産用動物で使われる抗生物質の販売はEU全体で低下した

Sales of antibiotics for use in food-producing animals drop across the EU

15/10/2018

https://www.ema.europa.eu/en/news/sales-antibiotics-use-food-producing-animals-drop-across-eu

EMAが発表した報告書によると、2011年から2016年の間に、EU全体での動物用抗生物質の総販売は20%以上減少したことが示された。これは動物への賢明な抗生物質使用に関するEUのガイダンスや各国のキャンペーンが奏功したことを確認する。

抗生物質のクラスごとにみると、ポリミキシン類が約40%低下した。第三及び第四世代セファロスポリンは15.4%、キノロンは13.6%減だった

 

*[FDA]FDAは医薬品の代謝に関連するかもしれない遺伝的変異を検出する最初の、消費者に直接販売される検査を認可

FDA authorizes first direct-to-consumer test for detecting genetic variants that may be associated with medication metabolism

October 31, 2018

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm624753.htm

複数遺伝子の33の変異を検出する試験。消費者が判断するためのものではなく医師と相談する際に参考にする。

 

*[FDA]若者の電子タバコ使用の急増に厳しく対応する現在の方針に関して企業と会合することについてのFDA長官Scott Gottlieb, M.Dの声明

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., on meetings with industry related to the agency’s ongoing policy commitment to firmly address rising epidemic rates in youth e-cigarette use

October 31, 2018

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm624657.htm

現在の若者の使用状況傾向は耐えられない。一年以上前に警告している。そして現在公衆衛生の悲劇が進行していることについての確実なデータがある。この傾向を逆転させるために対応が必要である

JUULが学生に流行しているのが最大の問題なのだろう。成人喫煙者の害の削減を言い訳にして若年層をニコチン依存にした。)

 

*[FDA]FDAは生産物安全性規則ガイダンス案について議論する4回の公開会合を開催する

FDA to Hold Four Public Meetings to Discuss Draft Produce Safety Rule Guidance

October 31, 2018

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm624497.htm

 

*[PHE]ガイダンス 神経剤:事故管理

Nerve agents: incident management

Last updated 31 October 2018

https://www.gov.uk/government/publications/nerve-agents-incident-management

一般的情報と事故時の管理についてのガイダンス更新

 

-マスタードガス

Mustard gas: incident management

Last updated 31 October 2018

https://www.gov.uk/government/publications/mustard-gas-incident-management

 

-CSガス(2-クロロベンジリデンマロノニトリル)

CS gas: incident management

Last updated 31 October 2018

https://www.gov.uk/government/publications/cs-gas-incident-management

 

*[Codex]抗菌剤耐性会議でコーデックスの仕事を説明

Codex work presented at conference on antimicrobial resistance

31/10/2018

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1161586/

OIEの抗菌剤耐性と動物での抗菌剤の賢明な使用に関する第二回世界会議でコーデックスの抗菌剤耐性専門委員会の仕事を説明した。コーデックスが開発中のガイドラインの重要性を強調した

 

-今度のウェビナーでは医薬品入りの飼料について議論する

Upcoming webinar to discuss medicated feed

30/10/2018

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1161465/

 

*[論文] 論文

-欧州のこどもたちの栄養摂取レベルの理解にギャップがある

Gaps in understanding European children's nutrient intake levels

31-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/uol-giu102918.php

国による食事調査に欧州全体での一貫性がないことが子どもの栄養摂取状況のより広い理解を妨げる。Nutrition Research Reviews

子どもや青少年の栄養摂取についてしっかりした報告制度があるのは欧州のうち1/3だけである。このことは栄養政策をデザインし監視するためのデータがないことを意味する。

さらにデータがある国ではWHO推奨摂取量を満たしていない部分が多い。

(鉄、ビタミンD、葉酸は不足、塩、砂糖は多い)

 

-水出しコーヒーよりお湯で淹れたコーヒーの方が抗酸化物質が多い

Hot brew coffee has higher levels of antioxidants than cold brew

31-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/tju-hbc103118.php

Scientific Reports

(みんなコーヒー好きなんだな)

 

*その他

-中国の議会は伝統的中国医薬品(詐欺)の名の下にトラとサイを犠牲にする

China’s State Council to sacrifice tigers and rhinos in the name of TCM-quackery

30 October 2018

https://edzardernst.com/2018/10/chinas-state-council-to-sacrifice-tigers-and-rhinos-in-the-name-of-tcm-quackery/

違法であり倫理にもとる行為でありながら、伝統的中国医薬品(TCM)には今でも動物の部位が使われている。このことは長い間批判されてきた。健康に有用であるという根拠がないだけではなく、絶滅危惧種の生存を脅かしている。これまで中国は保全と根拠について口だけの尊重はしてきた。しかしそれも過去のことになった。中国の国の議会がトラの骨やサイの角の取引を禁止した1993年の法を変更して「医学研究や治療目的で」使えるようにした。これらによって治る病気などないことは関係ないようだ。WWFが深刻な懸念を表明している

 

-猫への餌の与え方についてのコンセンサス声明

American Association of Feline Practitioners(アメリカ猫獣医師学会)

Feline Feeding Programs: Addressing Behavioral Needs to Improve Feline Health and Wellbeing

https://www.catvets.com/guidelines/practice-guidelines/how-to-feed

(栄養の話ではなく、家猫に狩りをさせろ、餌を探させろという。パズルフィーダー推奨)

 

-風疹根絶は「NIP(全国予防接種計画)成功の証」

Rubella elimination a 'testament to success of NIP'

1st November 2018

https://www.pharmacynews.com.au/news/rubella-elimination-testament-success-nip-0

WHOが公式にオーストラリアから風疹が無くなったと言う

(オーストラリアの風疹予防接種は12か月で全ての子どもに1回目、18か月で2回目)

 

-セリアック病ワクチンがグルテンフリー食の必要性を終わらせるかも

Coeliac disease vaccine could end the need for gluten-free diets

Oct 31, 2018

https://www.9news.com.au/2018/10/31/14/40/coeliac-disease-trial-gluten-free-diet-vaccine

Nexvax2ワクチンの有効性を調べる国際試験が進行中である。第1相は終了し第2相試験が始まる。

 

-ヒップスター達が死んだコウモリをハロウィーンの飾りに使っている。CDCが何故それが恐ろしいアイディアであるかを説明する

Hipsters are using dead bats as Halloween decorations. The Center for Disease Control explains why that’s a terrible idea

Wed., Oct. 31, 2018

https://www.thestar.com/news/world/2018/10/31/people-are-decorating-for-halloween-with-dead-bats-officials-concerned.html

本物のコウモリが飾りとしていろいろな形で売られている。野生生物保護局は国際郵便施設で違法な荷物を押収しているがコウモリの人気が最近高まっていて増加している。実際には相当密輸されているだろう。CDCはコウモリは狂犬病やエボラのような感染症を保有している可能性があるため規制対象としている。

 

-ヘルスカナダはIQOSタバコのサインを店頭から外すように命令

Health Canada orders IQOS tobacco storefront to remove its signs

October 31, 2018

https://www.sprucegroveexaminer.com/news/local-news/health-canada-orders-iqos-tobacco-storefront-to-remove-its-signs/wcm/d3da3e87-003e-42fc-a426-5276ed51477a?video_autoplay=true

ヘルスカナダはIQOSはタバコと同じ分類にしているため公共の場での広告は禁止される。

電子タバコはカテゴリーが異なる

 

-植物ベースの、あるいは完全菜食主義の食事と2型糖尿病を調べた研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at plant based or vegan diets and type 2 diabetes

October 31, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-plant-based-or-vegan-diets-and-type-2-diabetes/

BMJ Open Diabetes Research & Careに発表された研究で植物ベースの食事が感情的健康、身体的健康、鬱、QOLや全体的健康などのいくつかの分野での改善と関連することを示した。またHbA1cと体重の改善がみられたことから糖尿病の管理にと主張されている。

Exeter大学糖尿病と肥満上級講師Katarina Kos博士

この、低脂肪完全菜食主義あるいは植物ベースの食事に関する9つの試験の系統的レビューから我々が学ぶことは、減量に有効であることと、それが糖尿病や糖尿病と体重に関連する合併症の改善につながるということである。糖尿病の管理に減量が役にたつことはよくわかっている。食事の介入群と対照群のカロリーはどの試験でもあわせていない。糖尿病の人で菜食が有効だったのはカロリーが少ないためである可能性が高く、菜食ではない低カロリー食でも同じような効果があるだろう。毎週食事指導をしていることと体重減少と関係なく心理学的健康状態について結論するのは不可能である。また介入の全人数が219人で期間が平均23週、実験デザインの多様性などから根拠としては限定的である

King’s College London栄養科学と糖尿病講師Nicola Guess博士

この系統的レビューでは植物ベースの食事が血糖低下や健康状態改善に有用かもしれないと示唆するが、対照群の食事内容が重要である。ほとんどの研究で炭水化物の種類が違う。これは食物繊維の多い食事がインスリン感受性を改善するので重要である。対照群の食事は全ての研究で報告されているわけではなく普通通りに食べるよう指示されているものもある。したがって介入群で体重がより減ったのは驚くべきことではない。さらに盲検は一つもない。

King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授

このレビューの最大の欠点は参加者の数が少ないことと期間が短いことである。特に完全菜食主義でビタミンB12欠乏が出てくるのは3-4年かかる。バランスのとれた完全菜食主義では普通体重が減る。これは2型糖尿病のリスクを減らす。精製炭水化物を多く含む完全菜食主義は多分良いものではないだろう。

 

-ブラジルの新しい大統領は科学への世界的脅威

Natureエディトリアル

Brazil’s new president adds to global threat to science

30 October 2018

https://d.adroll.com/cm/aol/out?advertisable=USYKOWLOFBEXPCZFZ62G6Rhttps://www.nature.com/articles/d41586-018-07236-w

Jair Bolsonaro大統領は研究と環境に悪い

(アマゾンの熱帯雨林を特に心配している)

 

-2018予算 使い捨てプラスチック

Budget 2018 Single-use Plastics

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/752091/Plastics_factsheet_web.pdf

英国政府は製造されるあるいは輸入されるプラスチック包装に新しい税を導入する予定。最低30%のリサイクル素材を含まない全てのプラスチック包装に適用

 

-米国の「グルテンフリー」レストラン食品の1/3はそうではない、研究が発見

One-third of 'gluten-free' restaurant foods in U.S. are not, study finds

October 8, 2018 by Alan Mozes, Healthday Reporter

https://medicalxpress.com/news/2018-10-one-third-gluten-free-restaurant-foods.html

たとえばグルテンフリーを謳っているピザやパスタの半分以上にグルテンが含まれていた。主な理由は交叉汚染だろう。包装済み食品についてはグルテンフリー表示に関する規制があるが、レストランでの宣伝には連邦規制はない。

(ファッションとしてグルテンを避けている人には問題にならないだろうからいいかげんなものでも平気なのだろう。ほんとうに病気の人にしてみたらたまらない)

 

-3-モノクロロプロパンジオール(3-MCPD) 3-MCPDエステルおよびグリシジルエステル

3-monochloropropane diol (3-MCPD), 3-MCPD esters and glycidyl esters

October 2018

https://www.ifst.org/resources-information-statements/3-monochloropropane-diol-3-mcpd-3-mcpd-esters-and-glycidyl-0.

 

-毒入りベビーフード:ドイツ人が殺人未遂で投獄

Poisoned baby food: German jailed for attempted murder

23 October 2018

https://www.bbc.com/news/world-europe-45951642

ドイツで食品にエチレングリコールを入れてスーパーマーケットや小売店を脅迫した54才の男性に12年半の拘留刑。1200万ユーロを払わなければ欧州中の食品に毒を入れるという内容の脅迫メールを送っていた。彼の行為により昨年全国に警告が出された。裁判では境界性人格障害で飲酒と鎮痛剤のせいだと主張したが責任能力があると判断された一週間以内に控訴できる。

 

-ナッツアレルギーでの死亡で持ち帰り店の従業員が殺人罪で有罪

Takeaway workers found guilty of manslaughter after nut allergy death

Fri 26 Oct 2018

https://www.theguardian.com/society/2018/oct/26/takeaway-workers-found-guilty-of-manslaughter-after-nut-allergy-death

ピーナッツアレルギーのMegan Lee 15才はLancashireのレストランから買ったケバブとナンを食べて死亡した。20161230日購入、死亡は201711日。店のオーナーとマネージャーが重大な過失による殺人罪とされた。メニューには成分の表示はなく、アレルギーに関してはスタッフに聞いて下さいと記してあった。注文にはエビとナッツに注意と注記があったが注意されなかったという。

 

 

*[FDA]FDAの植物と動物のバイオテクノロジー革新推進のための新しい計画についてFDA長官Scott Gottlieb, M.D.と長官代理Anna Abramの声明

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., and Deputy Commissioner Anna Abram on the FDA’s new plan to advance plant, animal biotechnology innovation

October 30, 2018

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm624541.htm

植物と動物のバイオテクノロジーは公衆衛生の進歩のために膨大な可能性を提供する。動物と植物のゲノムを編集できる期待できる新しい技術はヒトと動物の健康、動物の福祉、食品の生産性や食糧安全保障を向上させる可能性がある。新しいかたちのバイオテクノロジーは新規医薬品や新しい食品品種あるいは病気に強い作物のような新製品を作り出すために植物や動物のような生きた生物の改変を可能にする。これらは公衆衛生を改善するための新しい機会の幕開けとなる新たな植物と動物のバイオテクノロジーのほんの一部の例にすぎない。

FDAで我々は消費者が使用する製品の安全性を確保しつつこの分野の進歩を育むことに関与している。FDAはこの新興分野の革新を育てる現代的規制を実現するために新たな一歩を踏み出した。本日新しい「植物と動物のバイオテクノロジー革新行動計画」を発表する。この新しい計画は、製品開発者のために科学とリスクに基づいた我々のアプローチを明確化し、植物と動物のバイオテクノロジーにおける将来の革新の不必要な障害を避け、安全性と公衆衛生の任務を進化させるためにFDAが推進する政策の優先課題を前進させる。

我々の行動計画はこうした製品の開発者や公衆衛生に関心のある団体などのバイオテクノロジー関係者から定期的に寄せられている疑問に対応する。新しい計画では三つの重要な分野を優先課題とした:1)製品の革新を促進して現代的で効率のよいリスクに基づいた規制経路を適用してヒトと動物の健康を進化させる;2)革新的植物と動物のバイオテクノロジーへのFDAの対応に関するコミュニケーションと広報を強化する;3)バイオテクノロジー問題に関する国内と国際的関係者の参加を増やす。

我々の行動計画で同定された優先課題の多くは順調に進行中である。来年までの適切な時期にパブリックコメントを募集し、継続的に推進して今後数ヶ月から数年で行動計画の達成に意味のある進歩を期待する。

第一歩として、FDAは遺伝子組換え動物とそれに由来する食品や医薬品を含む動物バイオテクノロジー製品の開発と規制監視の包括的政策枠組みを採用する予定である。この現代的で柔軟な枠組みは、この分野の革新を促進しつつ安全性を確保するFDAの役割を進化させるだろう。我々の共通の目標は、新しい、役にたつ、安全な製品を消費者と動物に可能な限り速やかに安全に導くことである。

このためにFDAは来年二つのガイダンス文書を発表する予定である。

さらにCVM123日に動物のゲノム編集の背景にある科学、期待される使用方法とリスクの可能性、CVMによるリスクに基づいた規制アプローチに関する情報についての公開ウェブセミナーを開催する。CVMはいくつかのよくある誤解についても解説する。このセミナーではFDACBERも異種移植への使用を含むゲノム編集を用いたヒト製品に関する情報を提供する。

また我々は、新規動物用医薬品申請としてFDAの認可を求めている、意図的に遺伝子を改変した(IGA)動物や動物細胞、組織、細胞や組織に基づく製品(ACTPs)の開発者のために新しい動物用製品革新計画(VIP)も試行する。VIPの目的は規制プロセスを確かなものにし、開発研究を薦め、革新的動物製品を販売する道のりを予測可能で確実にすることにより革新的動物製品の進歩と開発を推進することである。

FDA25年以上にわたる世界クラスの植物バイオテクノロジー評価を基盤にして、FDAはヒトと動物の食糧になる植物バイオテクノロジー製品の規制アプローチを明確にするガイダンス文書も発表する予定である。FDA180以上の遺伝子組換え植物品種由来食品の安全性を評価してきた。この多くを毎日アメリカ人が消費している。このガイダンスでは小規模から中規模の企業が安全で革新的製品を販売できるよう規制枠組みの中で要求される責任を理解するのに役立つよう明確化する。

もう一つの重要分野は広範な関係者との共同作業を継続するためにデザインされたしっかりしたコミュニケーションと関与戦略である

そして最後は効率的で協力的規制とレギュラトリーサイエンスの強化のために国内及び国際関係者と協力し続ける

 

*[FDA]FDAはヘアダイへの酢酸鉛の使用認可を取り消す

FDA to Repeal Color Additive Approval for the Use of Lead Acetate in Hair Dyes

October 30, 2018

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm624409.htm

着色料規制を改正して染髪用の化粧品への酢酸鉛の使用を無くす。2017224日に受け付けた申請への対応。鉛については安全な使用量がないという認識に基づく。

(鉛は食品でも課題のひとつ)

 

 

*[CDC]狂犬病に感染した野良猫のノースカロライナからオハイオの狂犬病フリー郡への移動、2017

Translocation of a Stray Cat Infected with Rabies from North Carolina to a Terrestrial Rabies-Free County in Ohio, 2017

Weekly / October 26, 2018 / 67(42);1174–1177

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/67/wr/mm6742a2.htm

オハイオ州とペンシルベニアの州境では毎年アライグマに経口狂犬病ワクチン(餌で投与)を与えて狂犬病の侵入を防ぎ、狂犬病がないと考えられてきた。そのオハイオのSummit郡で家猫に狂犬病陽性結果が報告されたため調査を行った。その結果現地でのアライグマからの感染ではなく、ノースカロライナからヒトの手で猫が運ばれたためであることがわかった

(予防接種をしていない動物を運ぶなという注意喚起。狂犬病は犬だけの病気ではなく、アライグマとコウモリが持っている)

 

*[ヘルスカナダ]ヘルスカナダはタバコ、アルコール、薬物の最新連邦データを発表-結果はカナダ人がより健康な生活を送れるように継続した作業が必要であることを示す

Health Canada Releases Latest Federal Data on Tobacco, Alcohol and Drug Use - Results point to the need for continued work to help Canadians lead healthier lives

October 30, 2018

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2018/10/health-canada-releases-latest-federal-data-on-tobacco-alcohol-and-drug-use---results-point-to-the-need-for-continued-work-to-help-canadians-lead-he.html

カナダ人やその家族、地域の人の人生にとって、問題のある薬物の使用は際めてリアルな影響を与える。タバコはいまだに予防可能な早期死亡の主要原因で、2017年には約4000人がオピオイド関連過剰使用で命を落としている。本日ヘルスカナダは2017年カナダタバコアルコール薬物調査(CTADS)の結果を発表した。CTADS15才以上のカナダ人のタバコ、アルコール、薬物使用一般人調査である。カナダ統計局が16000人以上のカナダ人を20172月から12月までの間にインタビューした。

結果は、25才以上の大麻使用が増加している。さらに喫煙の増加、電子タバコを試した人が増加している。オピオイドとアルコールには2015年から変化はない

 

*[論文]論文

-配置後の米国軍人のエネルギードリンク使用:精神衛生上の問題、攻撃性、疲労との関連

Energy Drink Use in U.S. Service Members After Deployment: Associations With Mental Health Problems, Aggression, and Fatigue

Military Medicine, usy205, https://doi.org/10.1093/milmed/usy205

https://academic.oup.com/milmed/advance-article/doi/10.1093/milmed/usy205/5085551

627人の男性兵役軍人のエネルギードリンク使用状況調査

 

-大麻を止めると記憶と認知が良くなる

Quitting cannabis could lead to better memory and cognition

Tue 30 Oct 2018

https://www.theguardian.com/society/2018/oct/30/quitting-cannabis-can-lead-better-memory-cognition-us-research

週に1回以上大麻を使っている若者が一ヶ月間大麻を止めると記憶能力が向上する。

Journal of Clinical Psychiatry.

(つまり大麻は能力を阻害している)

 

-全死亡及び特定原因による死亡とBMIの関連:英国成人360万人の集団ベースのコホート研究

Association of BMI with overall and cause-specific mortality: a population-based cohort study of 3·6 million adults in the UK

Krishnan Bhaskaran, PhD et al.,THE LANCET Diabetes & Endocrinology

https://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587(18)30288-2/fulltext

オープンアクセス

BMIと全死亡との関連はJ字型で、輸送関連事故を除く全ての死因でBMIと関連があった。ほとんどの場合最もリスクが低いのはBMI21-25J字型だった。精神、行動、神経、輸送以外の事故ではBMI24-27まで死亡率と逆相関になった。

(図を見た方が早い)

 

-研究者が不適切な解析と報告を要求している:米国の生物統計コンサルタント調査

Researcher Requests for Inappropriate Analysis and Reporting: A U.S. Survey of Consulting Biostatisticians

Ann Intern Med. 2018;169(8):554-558

http://annals.org/aim/article-abstract/2706170/researcher-requests-inappropriate-analysis-reporting-u-s-survey-consulting-biostatisticians

生命医学分野での不適切な統計解析と報告が問題であり続けている。522人の米国統計学会会員の生物統計コンサルタントの無作為抽出ウェブ調査。390人が十分な回答を寄せた。その結果研究者が生物統計専門家に頻繁に不適切な要求をしていることがわかった。研究仮説にあうように一部のデータを外すしたり変えたり、統計の結果の解釈を仮説に都合良くしたり、等で若い統計専門家のほうがより頻繁に要求されている

 

*SMC UK

-見出しの前に-ジャーナリスト向け解説

フタル酸への出生前暴露と言葉の発達

Prenatal exposure to phthalates and language development

October 30, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/prenatal-exposure-to-phthalates-and-language-development/

・タイトルと雑誌と出版日

Association of prenatal phthalate exposure with language development in early childhood’ by Carl-Gustaf Bornehag et al.

Monday 29 October 2018 JAMA Pediatrics

・研究の主な主張とそれはデータにより支持されているか

主な主張は一部のフタル酸類への出生前暴露が多いことが小さい子どもの言語発達の遅れに関連するというもの。8つのフタル酸を調べそのうち2つに関連があった。観察研究であり原因かどうかはわからない。他の要因が関与する可能性がある。また測定したのは母親の尿で胎児ではない。従ってこの研究はフタル酸類が子どもの言語の発達遅れの原因であることを示したものではない。

著者らは二つの別々のコホートを解析しそのうち一つのコホートでMBPMBzPという二つのフタル酸類の尿中濃度が二倍になると言語発達の遅れがそれぞれ29%26%高くなることに関連することを発見した。しかし用量相関はなかった。

・強み/限界

方法:言語の発達遅延は30か月時点での語彙が50より少ないと定義している。フタル酸は母親の妊娠初期の一回の尿のみ。

強み:

二つのコホートの結果、言語の発達評価は妥当性を評価された方法、フタル酸の分析は標準法に則る

弱点:

言語の発達を評価したのは一回だけ、フタル酸は母親の尿でそれが胎児の暴露と見なせるかどうかについて議論していない。フタル酸の濃度の差を記載していない。4分割の一番上と下でMBPMBzPについて統計学的有意差を報告しているが用量反応関連はない。データがとれなかったことの問題がある。一つの研究ではデータがない割合を考慮するとあまりにも少数である。著者らのフタル酸類の分類と略語は混乱している。略語に説明がない

 

-出生前フタル酸暴露と子ども初期の言語の発達を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at prenatal phthalate exposure and language development in early childhood

October 30, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-prenatal-phthalate-exposure-and-language-development-in-early-childhood/

オックスフォード大学発達神経心理学教授Dorothy Bishop FRS FMedSci教授

子どもの言語障害の専門家としてコメントする。著者の主張は説得力のあるものではない。スウェーデンとアメリカの二つの独立した集団を含むことと母親の教育レベルや子どもの性などを調整したのは良いところだが、調べた8つの物質のうち6つには影響がなく、残り二つの影響は小さく再現性が明確でない。用量反応もない。さらに関連があったとされる二つのフタル酸は以前デンマークの研究で言語に影響があるとされたものと違う。そしてスウェーデンの検体の濃度は米国の5-10倍高いが言語の遅れの率はどちらも同様である。このトピックについてのさらなる研究は事前に仮説を登録しておくのが役立つだろう

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

この研究からあまり多くを読み取るべきではない。この手の研究の重要な問題は、フタル酸濃度の高い母親は低い母親と多くの点で異なること、そしてその違いは一般的にフタル酸のせいではないということである。従って子どもにみられる何らかの違いはそうした他の要因による可能性がある。いくつかの要因については調整しているが、それが全てではないだろう。特に米国のデータでは、調整すると関連に非常に大きな差がつきそのことが私を疑い深くさせる。いずれにせよ関連の大きさはそんなに大きくない。

Nottingham大学医学部准教授Wayne Carter博士

この研究はフタル酸代謝物と言語発達の遅れに統計学的関連を示唆するが全ての代謝物で観察されているわけではなく用量反応相関もない。母親のサンプリングの時期は一定ではなくコホートのサイズも比較的小さい

 

*その他

-ジェンダー定義米国案に科学的根拠がない

Natureエディトリアル

US proposal for defining gender has no basis in science

30 October 2018

https://www.nature.com/articles/d41586-018-07238-8

人を解剖学や遺伝学をもとに分類する動きは止めるべき

The New York Timesにリークされたメモによると、保健福祉省(HHS)が生まれたときの生殖器のみに基づき誰かを男性又は女性と法的に定義することを提案している。外見でわからないときは遺伝子検査を使うこともできる。メモによるとこれは「明確で科学に基づく客観的なもの」である。しかしこの提案は抹消されるべきである

 

-がんについての世論調査

ASCO 2018 Cancer Opinions Survey

October 2018

https://www.asco.org/sites/new-www.asco.org/files/content-files/research-and-progress/documents/2018-NCOS-Results.pdf

米国腫瘍学会(ASCO)の依頼でHarris Poll者が行ったオンライン調査。18才以上の米国成人、がん患者と家族ががんの人、世話をしている人、そうでない人。

最大のリスク要因がタバコと正しく認識されている。若い人ほどアルコールのリスクを知っている。けれど節酒はしない。携帯電話・カフェイン・人工甘味料ががんの原因だと考えている人がそこそこいる

がん患者の大麻使用は支持、医療費が不安のもと

遺伝子検査は医師が指示したものは信用している

 

関連

半分近くのアメリカ人が代替医療でがんが治せると考えている。治せない。

Nearly Half of Americans Think Alternative Medicine Can Cure Cancer. It Can't.

By Rachael Rettner, Senior Writer   |  October 30, 2018

https://www.livescience.com/63957-americans-cancer-alternative-medicine-survey.html

若い人ほど代替医療でがんが治せると回答している

 

-アレルギー患者にハロウィンをより怖くないものにするための青いパンプキンプロジェクト

Teal Pumpkin Project aims to make Halloween less scary for allergy sufferers

October 30, 2018

https://globalnews.ca/news/4613081/teal-pumpkin-project/

アレルギーの子どもをもつ親にとってハロウィンは恐ろしい時期であるが、「青いパンプキンプロジェクト」は全ての人に安全なハロウィンを目指す。2014年に食物アレルギー研究教育(FARE)によって始められたもので、食品ではなくシールやちょっとしたアクセサリーや光るステッキなどを渡す。参加するには青いパンプキンを掲げてトリックオアトリート中のこどもたちに安全な選択肢があることを伝えるだけでいい。自宅を登録できる地図もある。

 

-あたらしい研究が28のシリアルや他の子どもの食品に除草剤を発見。両親が恐がるべきでない理由

A New Study Found Weedkiller in 28 Cereals and Other Kids' Foods. Why Parents Shouldn't Freak Out Just Yet

By David Meyer

October 25, 2018

http://fortune.com/2018/10/25/glyphosate-weedkiller-kids-cereal-oats/

2か月前にオート麦製品にその団体が「大量」と称するグリホサートが見つかったと主張したときのことを覚えているだろうか?Quaker General Millsは製品中の痕跡程度のグリホサートは規制値より十分低いと主張した。そのEWGは再び別のピアレビューされていない研究を発表した。オーガニック食品企業が出資しているこの政治団体はQuaker General Millsの主張を否定する。「検出された量は我々が安全だと考える量より多い」という。問題は、EWGの基準はEPAの基準の1/187であるということである。オーガニックと慣行栽培についての議論は複雑で多面的である。シンプルな事実は、微量のグリホサートが検出されたという理由で安全ではないという根拠はないということである。保護者は子どもを守るためには危険性が証明されている大気汚染のようなものを恐れた方が良いだろう。

EWG

Roundup for Breakfast, Part 2: In New Tests, Weed Killer Found in All Kids’ Cereals Sampled

https://www.ewg.org/release/roundup-breakfast-part-2-new-tests-weed-killer-found-all-kids-cereals-sampled