*[FDA]FDAの植物と動物のバイオテクノロジー革新推進のための新しい計画についてFDA長官Scott Gottlieb, M.D.と長官代理Anna Abramの声明

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., and Deputy Commissioner Anna Abram on the FDA’s new plan to advance plant, animal biotechnology innovation

October 30, 2018

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm624541.htm

植物と動物のバイオテクノロジーは公衆衛生の進歩のために膨大な可能性を提供する。動物と植物のゲノムを編集できる期待できる新しい技術はヒトと動物の健康、動物の福祉、食品の生産性や食糧安全保障を向上させる可能性がある。新しいかたちのバイオテクノロジーは新規医薬品や新しい食品品種あるいは病気に強い作物のような新製品を作り出すために植物や動物のような生きた生物の改変を可能にする。これらは公衆衛生を改善するための新しい機会の幕開けとなる新たな植物と動物のバイオテクノロジーのほんの一部の例にすぎない。

FDAで我々は消費者が使用する製品の安全性を確保しつつこの分野の進歩を育むことに関与している。FDAはこの新興分野の革新を育てる現代的規制を実現するために新たな一歩を踏み出した。本日新しい「植物と動物のバイオテクノロジー革新行動計画」を発表する。この新しい計画は、製品開発者のために科学とリスクに基づいた我々のアプローチを明確化し、植物と動物のバイオテクノロジーにおける将来の革新の不必要な障害を避け、安全性と公衆衛生の任務を進化させるためにFDAが推進する政策の優先課題を前進させる。

我々の行動計画はこうした製品の開発者や公衆衛生に関心のある団体などのバイオテクノロジー関係者から定期的に寄せられている疑問に対応する。新しい計画では三つの重要な分野を優先課題とした:1)製品の革新を促進して現代的で効率のよいリスクに基づいた規制経路を適用してヒトと動物の健康を進化させる;2)革新的植物と動物のバイオテクノロジーへのFDAの対応に関するコミュニケーションと広報を強化する;3)バイオテクノロジー問題に関する国内と国際的関係者の参加を増やす。

我々の行動計画で同定された優先課題の多くは順調に進行中である。来年までの適切な時期にパブリックコメントを募集し、継続的に推進して今後数ヶ月から数年で行動計画の達成に意味のある進歩を期待する。

第一歩として、FDAは遺伝子組換え動物とそれに由来する食品や医薬品を含む動物バイオテクノロジー製品の開発と規制監視の包括的政策枠組みを採用する予定である。この現代的で柔軟な枠組みは、この分野の革新を促進しつつ安全性を確保するFDAの役割を進化させるだろう。我々の共通の目標は、新しい、役にたつ、安全な製品を消費者と動物に可能な限り速やかに安全に導くことである。

このためにFDAは来年二つのガイダンス文書を発表する予定である。

さらにCVM123日に動物のゲノム編集の背景にある科学、期待される使用方法とリスクの可能性、CVMによるリスクに基づいた規制アプローチに関する情報についての公開ウェブセミナーを開催する。CVMはいくつかのよくある誤解についても解説する。このセミナーではFDACBERも異種移植への使用を含むゲノム編集を用いたヒト製品に関する情報を提供する。

また我々は、新規動物用医薬品申請としてFDAの認可を求めている、意図的に遺伝子を改変した(IGA)動物や動物細胞、組織、細胞や組織に基づく製品(ACTPs)の開発者のために新しい動物用製品革新計画(VIP)も試行する。VIPの目的は規制プロセスを確かなものにし、開発研究を薦め、革新的動物製品を販売する道のりを予測可能で確実にすることにより革新的動物製品の進歩と開発を推進することである。

FDA25年以上にわたる世界クラスの植物バイオテクノロジー評価を基盤にして、FDAはヒトと動物の食糧になる植物バイオテクノロジー製品の規制アプローチを明確にするガイダンス文書も発表する予定である。FDA180以上の遺伝子組換え植物品種由来食品の安全性を評価してきた。この多くを毎日アメリカ人が消費している。このガイダンスでは小規模から中規模の企業が安全で革新的製品を販売できるよう規制枠組みの中で要求される責任を理解するのに役立つよう明確化する。

もう一つの重要分野は広範な関係者との共同作業を継続するためにデザインされたしっかりしたコミュニケーションと関与戦略である

そして最後は効率的で協力的規制とレギュラトリーサイエンスの強化のために国内及び国際関係者と協力し続ける

 

*[FDA]FDAはヘアダイへの酢酸鉛の使用認可を取り消す

FDA to Repeal Color Additive Approval for the Use of Lead Acetate in Hair Dyes

October 30, 2018

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm624409.htm

着色料規制を改正して染髪用の化粧品への酢酸鉛の使用を無くす。2017224日に受け付けた申請への対応。鉛については安全な使用量がないという認識に基づく。

(鉛は食品でも課題のひとつ)

 

 

*[CDC]狂犬病に感染した野良猫のノースカロライナからオハイオの狂犬病フリー郡への移動、2017

Translocation of a Stray Cat Infected with Rabies from North Carolina to a Terrestrial Rabies-Free County in Ohio, 2017

Weekly / October 26, 2018 / 67(42);1174–1177

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/67/wr/mm6742a2.htm

オハイオ州とペンシルベニアの州境では毎年アライグマに経口狂犬病ワクチン(餌で投与)を与えて狂犬病の侵入を防ぎ、狂犬病がないと考えられてきた。そのオハイオのSummit郡で家猫に狂犬病陽性結果が報告されたため調査を行った。その結果現地でのアライグマからの感染ではなく、ノースカロライナからヒトの手で猫が運ばれたためであることがわかった

(予防接種をしていない動物を運ぶなという注意喚起。狂犬病は犬だけの病気ではなく、アライグマとコウモリが持っている)

 

*[ヘルスカナダ]ヘルスカナダはタバコ、アルコール、薬物の最新連邦データを発表-結果はカナダ人がより健康な生活を送れるように継続した作業が必要であることを示す

Health Canada Releases Latest Federal Data on Tobacco, Alcohol and Drug Use - Results point to the need for continued work to help Canadians lead healthier lives

October 30, 2018

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2018/10/health-canada-releases-latest-federal-data-on-tobacco-alcohol-and-drug-use---results-point-to-the-need-for-continued-work-to-help-canadians-lead-he.html

カナダ人やその家族、地域の人の人生にとって、問題のある薬物の使用は際めてリアルな影響を与える。タバコはいまだに予防可能な早期死亡の主要原因で、2017年には約4000人がオピオイド関連過剰使用で命を落としている。本日ヘルスカナダは2017年カナダタバコアルコール薬物調査(CTADS)の結果を発表した。CTADS15才以上のカナダ人のタバコ、アルコール、薬物使用一般人調査である。カナダ統計局が16000人以上のカナダ人を20172月から12月までの間にインタビューした。

結果は、25才以上の大麻使用が増加している。さらに喫煙の増加、電子タバコを試した人が増加している。オピオイドとアルコールには2015年から変化はない

 

*[論文]論文

-配置後の米国軍人のエネルギードリンク使用:精神衛生上の問題、攻撃性、疲労との関連

Energy Drink Use in U.S. Service Members After Deployment: Associations With Mental Health Problems, Aggression, and Fatigue

Military Medicine, usy205, https://doi.org/10.1093/milmed/usy205

https://academic.oup.com/milmed/advance-article/doi/10.1093/milmed/usy205/5085551

627人の男性兵役軍人のエネルギードリンク使用状況調査

 

-大麻を止めると記憶と認知が良くなる

Quitting cannabis could lead to better memory and cognition

Tue 30 Oct 2018

https://www.theguardian.com/society/2018/oct/30/quitting-cannabis-can-lead-better-memory-cognition-us-research

週に1回以上大麻を使っている若者が一ヶ月間大麻を止めると記憶能力が向上する。

Journal of Clinical Psychiatry.

(つまり大麻は能力を阻害している)

 

-全死亡及び特定原因による死亡とBMIの関連:英国成人360万人の集団ベースのコホート研究

Association of BMI with overall and cause-specific mortality: a population-based cohort study of 3·6 million adults in the UK

Krishnan Bhaskaran, PhD et al.,THE LANCET Diabetes & Endocrinology

https://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587(18)30288-2/fulltext

オープンアクセス

BMIと全死亡との関連はJ字型で、輸送関連事故を除く全ての死因でBMIと関連があった。ほとんどの場合最もリスクが低いのはBMI21-25J字型だった。精神、行動、神経、輸送以外の事故ではBMI24-27まで死亡率と逆相関になった。

(図を見た方が早い)

 

-研究者が不適切な解析と報告を要求している:米国の生物統計コンサルタント調査

Researcher Requests for Inappropriate Analysis and Reporting: A U.S. Survey of Consulting Biostatisticians

Ann Intern Med. 2018;169(8):554-558

http://annals.org/aim/article-abstract/2706170/researcher-requests-inappropriate-analysis-reporting-u-s-survey-consulting-biostatisticians

生命医学分野での不適切な統計解析と報告が問題であり続けている。522人の米国統計学会会員の生物統計コンサルタントの無作為抽出ウェブ調査。390人が十分な回答を寄せた。その結果研究者が生物統計専門家に頻繁に不適切な要求をしていることがわかった。研究仮説にあうように一部のデータを外すしたり変えたり、統計の結果の解釈を仮説に都合良くしたり、等で若い統計専門家のほうがより頻繁に要求されている

 

*SMC UK

-見出しの前に-ジャーナリスト向け解説

フタル酸への出生前暴露と言葉の発達

Prenatal exposure to phthalates and language development

October 30, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/prenatal-exposure-to-phthalates-and-language-development/

・タイトルと雑誌と出版日

Association of prenatal phthalate exposure with language development in early childhood’ by Carl-Gustaf Bornehag et al.

Monday 29 October 2018 JAMA Pediatrics

・研究の主な主張とそれはデータにより支持されているか

主な主張は一部のフタル酸類への出生前暴露が多いことが小さい子どもの言語発達の遅れに関連するというもの。8つのフタル酸を調べそのうち2つに関連があった。観察研究であり原因かどうかはわからない。他の要因が関与する可能性がある。また測定したのは母親の尿で胎児ではない。従ってこの研究はフタル酸類が子どもの言語の発達遅れの原因であることを示したものではない。

著者らは二つの別々のコホートを解析しそのうち一つのコホートでMBPMBzPという二つのフタル酸類の尿中濃度が二倍になると言語発達の遅れがそれぞれ29%26%高くなることに関連することを発見した。しかし用量相関はなかった。

・強み/限界

方法:言語の発達遅延は30か月時点での語彙が50より少ないと定義している。フタル酸は母親の妊娠初期の一回の尿のみ。

強み:

二つのコホートの結果、言語の発達評価は妥当性を評価された方法、フタル酸の分析は標準法に則る

弱点:

言語の発達を評価したのは一回だけ、フタル酸は母親の尿でそれが胎児の暴露と見なせるかどうかについて議論していない。フタル酸の濃度の差を記載していない。4分割の一番上と下でMBPMBzPについて統計学的有意差を報告しているが用量反応関連はない。データがとれなかったことの問題がある。一つの研究ではデータがない割合を考慮するとあまりにも少数である。著者らのフタル酸類の分類と略語は混乱している。略語に説明がない

 

-出生前フタル酸暴露と子ども初期の言語の発達を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at prenatal phthalate exposure and language development in early childhood

October 30, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-prenatal-phthalate-exposure-and-language-development-in-early-childhood/

オックスフォード大学発達神経心理学教授Dorothy Bishop FRS FMedSci教授

子どもの言語障害の専門家としてコメントする。著者の主張は説得力のあるものではない。スウェーデンとアメリカの二つの独立した集団を含むことと母親の教育レベルや子どもの性などを調整したのは良いところだが、調べた8つの物質のうち6つには影響がなく、残り二つの影響は小さく再現性が明確でない。用量反応もない。さらに関連があったとされる二つのフタル酸は以前デンマークの研究で言語に影響があるとされたものと違う。そしてスウェーデンの検体の濃度は米国の5-10倍高いが言語の遅れの率はどちらも同様である。このトピックについてのさらなる研究は事前に仮説を登録しておくのが役立つだろう

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

この研究からあまり多くを読み取るべきではない。この手の研究の重要な問題は、フタル酸濃度の高い母親は低い母親と多くの点で異なること、そしてその違いは一般的にフタル酸のせいではないということである。従って子どもにみられる何らかの違いはそうした他の要因による可能性がある。いくつかの要因については調整しているが、それが全てではないだろう。特に米国のデータでは、調整すると関連に非常に大きな差がつきそのことが私を疑い深くさせる。いずれにせよ関連の大きさはそんなに大きくない。

Nottingham大学医学部准教授Wayne Carter博士

この研究はフタル酸代謝物と言語発達の遅れに統計学的関連を示唆するが全ての代謝物で観察されているわけではなく用量反応相関もない。母親のサンプリングの時期は一定ではなくコホートのサイズも比較的小さい

 

*その他

-ジェンダー定義米国案に科学的根拠がない

Natureエディトリアル

US proposal for defining gender has no basis in science

30 October 2018

https://www.nature.com/articles/d41586-018-07238-8

人を解剖学や遺伝学をもとに分類する動きは止めるべき

The New York Timesにリークされたメモによると、保健福祉省(HHS)が生まれたときの生殖器のみに基づき誰かを男性又は女性と法的に定義することを提案している。外見でわからないときは遺伝子検査を使うこともできる。メモによるとこれは「明確で科学に基づく客観的なもの」である。しかしこの提案は抹消されるべきである

 

-がんについての世論調査

ASCO 2018 Cancer Opinions Survey

October 2018

https://www.asco.org/sites/new-www.asco.org/files/content-files/research-and-progress/documents/2018-NCOS-Results.pdf

米国腫瘍学会(ASCO)の依頼でHarris Poll者が行ったオンライン調査。18才以上の米国成人、がん患者と家族ががんの人、世話をしている人、そうでない人。

最大のリスク要因がタバコと正しく認識されている。若い人ほどアルコールのリスクを知っている。けれど節酒はしない。携帯電話・カフェイン・人工甘味料ががんの原因だと考えている人がそこそこいる

がん患者の大麻使用は支持、医療費が不安のもと

遺伝子検査は医師が指示したものは信用している

 

関連

半分近くのアメリカ人が代替医療でがんが治せると考えている。治せない。

Nearly Half of Americans Think Alternative Medicine Can Cure Cancer. It Can't.

By Rachael Rettner, Senior Writer   |  October 30, 2018

https://www.livescience.com/63957-americans-cancer-alternative-medicine-survey.html

若い人ほど代替医療でがんが治せると回答している

 

-アレルギー患者にハロウィンをより怖くないものにするための青いパンプキンプロジェクト

Teal Pumpkin Project aims to make Halloween less scary for allergy sufferers

October 30, 2018

https://globalnews.ca/news/4613081/teal-pumpkin-project/

アレルギーの子どもをもつ親にとってハロウィンは恐ろしい時期であるが、「青いパンプキンプロジェクト」は全ての人に安全なハロウィンを目指す。2014年に食物アレルギー研究教育(FARE)によって始められたもので、食品ではなくシールやちょっとしたアクセサリーや光るステッキなどを渡す。参加するには青いパンプキンを掲げてトリックオアトリート中のこどもたちに安全な選択肢があることを伝えるだけでいい。自宅を登録できる地図もある。

 

-あたらしい研究が28のシリアルや他の子どもの食品に除草剤を発見。両親が恐がるべきでない理由

A New Study Found Weedkiller in 28 Cereals and Other Kids' Foods. Why Parents Shouldn't Freak Out Just Yet

By David Meyer

October 25, 2018

http://fortune.com/2018/10/25/glyphosate-weedkiller-kids-cereal-oats/

2か月前にオート麦製品にその団体が「大量」と称するグリホサートが見つかったと主張したときのことを覚えているだろうか?Quaker General Millsは製品中の痕跡程度のグリホサートは規制値より十分低いと主張した。そのEWGは再び別のピアレビューされていない研究を発表した。オーガニック食品企業が出資しているこの政治団体はQuaker General Millsの主張を否定する。「検出された量は我々が安全だと考える量より多い」という。問題は、EWGの基準はEPAの基準の1/187であるということである。オーガニックと慣行栽培についての議論は複雑で多面的である。シンプルな事実は、微量のグリホサートが検出されたという理由で安全ではないという根拠はないということである。保護者は子どもを守るためには危険性が証明されている大気汚染のようなものを恐れた方が良いだろう。

EWG

Roundup for Breakfast, Part 2: In New Tests, Weed Killer Found in All Kids’ Cereals Sampled

https://www.ewg.org/release/roundup-breakfast-part-2-new-tests-weed-killer-found-all-kids-cereals-sampled