2022-03-30

[EU]査察報告

-アイルランド―生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質

Ireland 2021-7203―Residues and contaminants in live animals and animal products

24/03/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4458

2021年4月19日~6月25日まで実施された、生きた動物と動物製品の動物用医薬品の残留物、農薬、汚染物質モニタリングを評価するためのアイルランドのリモート査察結果。関連するEU要件を実践するための法的及び行政的措置や管轄機関の実績に焦点を当てた。残留物管理の計画・実践のための協定や違反結果のフォローアップはほぼ法的要件に沿っており、直接あるいは環境を通して残留物から生じるヒトや動物へのリスクを許容可能なレベルまで予防、排除、削減について満足のいく保証を提供している。にもかかわらず、ランダムサンプリングの実施、同じ生産者からの複数のサンプリング、違反結果のフォローアップの矛盾、公的研究所の任命や分析手段の妥当性に関する欠点などで効果が弱められている。

 

-イタリア―非動物由来食品の微生物の安全性に関する公的管理システムの評価

Italy 2021-7175―evaluate the system of official controls relating to microbial safety of food of non-animal origin

24/03/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4455

2021年9月6~17日にイタリアで実施した、非動物由来製品の微生物汚染を予防するための公的管理システムを評価するための査察。非動物由来食品の一次生産や加工業者の登録、スプラウト生産施設の登録と承認のための適切なシステムがある。食品安全要件の実践における欠点を特定し修正することができる。だが、収穫前と収穫中の一次生産(スプラウトの種子を含む)は一般的に微生物リスクに関する公的管理の対象外で、技術的支援(チェックリスト)の提供や職員の教育に関して多くのギャップがある。スプラウトに関する法律は実際には正しく適用されておらず、組織的に施行されていない。

 

-イタリア―非動物由来食品の微生物学的安全性に関する公的管理システムの評価

Italy 2021-7175―evaluate the system of official controls relating to microbial safety of food of non-animal origin

24/03/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4455

2021年9月6~17日にイタリアで実施した、非動物由来食品生産(特に一次生産)で、加工および/または冷凍製品、発芽を目的としたスプラウトや種子の微生物学的汚染を予防する公的管理システムを評価するための査察。非動物由来食品の一次生産者・加工業者の登録およびスプラウト生産施設の登録・承認には適切なシステムがある。だが、収穫前と収穫中の一次生産(スプラウト用の種子を含む)は一般に微生物学的リスクに関する公的管理の対象外で、技術サポート(チェックリスト)や職員の教育に多くのギャップがある。現在設定されているシステムでは、生産の全段階で、非動物由来食品が衛生規則に従って病原体汚染を予防する条件で生産されていることを十分確認できない。スプラウトに関する法律は、実際には正しく適用されておらず、体系的に施行されていない。

 

-アイルランド―生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質

Ireland 2021-7203―Residues and contaminants in live animals and animal products

24/03/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4458

2021年4月19日~6月25日までアイルランドで実施したリモート査察。残留物管理の計画及び実践、違反結果のフォローアップの取り決めはほぼ法的要件に従っており、直接または環境を通して、残留物から生じるヒトや動物への許容できるレベルのリスクを予防、排除あるいは削減に関して満足の行く保証を提供している。サンプリングや違反結果のフォローアップに欠点があり効果を弱めている。5つの助言が提言された。

 

-ハンガリー―動物副産物(ABP)や由来製品(DP)の公的管理

Hungary 2021-7205―Official controls on animal by-products (ABP) and derived products (DP)

24/03/2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4457

2021年11月9~19日にハンガリーで実施した、動物副産物や由来製品の公的管理が法的条件に従って適切かどうかを評価した査察結果。ABPの公的管理システムの構成要素は整っている。だが、ABPの生産や取り扱い条件の根本的な誤解や見落としがあり、それに対する特定や制裁はされていない。概してハンガリーのABP及びDPの生産・流通チェーンの公的管理がEU要件に従っているとはほとんど保証されない。報告書には6つの助言が含まれている。

 

[EU]RASFF 2022(0320-0326)

警報通知(Alert Notifications)

インド産「ツボクサ」製品のエチレンオキシド、中国産オランダ経由台所用品の一級芳香族アミンの溶出、スペイン産イノシシサラミの高濃度の鉛、中国産ギリシャ経由ナイロン製おたまからの一級芳香族アミンの溶出、インド産コリアンダー種子のチアメトキサム及びクロチアニジン、イラン産グリーンレーズンのクロルピリホス及びイプロジオン、フランス産子供用食器セットのメラミン、

注意喚起情報(information for attention)

ポーランド産パセリの根の未承認物質リヌロン、ペルー産アボカドのカドミウム、ペルー産有機マカ粉末のカドミウム、ポーランド産ヘンプティーの未承認物質テトラヒドロカンナビノール及び未承認新規食品、チュニジア産生鮮トマトのイプロジオン、産出国不明未承認CBDオイルの未承認新規食品成分CBD、英国産食品サプリメントのニコチン酸としてのナイアシン(ビタミンB3)、トルコ産生鮮ペッパーのイプロジオン、エクアドル産バナナのクロルピリホス、中国産ナイロン製サービングレードルの一級芳香族アミンの溶出、スペイン産解凍キハダマグロロインの水銀、コソボ産ヨーグルト漬けBabur ペッパーピクルスの二酸化硫黄非表示、トルコ産マルメロのクロルピリホス、

通関拒否通知(Border Rejections)

モロッコ産マハタの水銀、モロッコ産ユメカサゴの水銀(複数あり)、インド産鶏もも肉の未承認物質モノクロトホス、トルコ産オレンジのクロルピリホス-メチル及びフェンバレレート、インド産スパイスミックスの2-クロロエタノール、インド産ササゲのジメトエート、トルコ産生鮮グレープフルーツのクロルピリホス-メチル(複数あり)、トルコ産生鮮オレンジのクロルピリホス、トルコ産生鮮オレンジのクロルピリホス-メチル、トルコ産生鮮ペッパーのアセタミプリド(複数あり)、マダガスカル産黒目豆のクロルピリホス(複数あり)、マダガスカル産黒目豆のカルバリル・クロルピリホス及びフェニトロチオン、インド産シナモンパウダーのエチレンオキシド、インド産スパイスミックスのエチレンオキシド、トルコ産生鮮レモンのクロルピリホス、インド産シナモンスティックのエチレンオキシド、インド産冷凍コツブイイダコのカドミウム、インド産クローブの2-クロロエタノール、トルコ産生鮮グレープフルーツのクロルピリホス、

 

[EFSA]意見等

-アプリコットの既存MRL改訂及び各種作物のシアントラニリプロールの輸入トレランス設定

Modification of the existing maximum residue level for apricots and setting of import tolerances for cyantraniliprole in various crops

EFSA Journal 2022;20(3):7219 28 March 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7219

(理由付き意見)

 

-トリコデルマアトロビリデAGR2株の農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance Trichoderma atroviride strain AGR2

EFSA Journal 2022;20(3):7199 28 March 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7199

(農薬の結論)

 

-ヘプタマロキシログルカンの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance heptamaloxyloglucan

EFSA Journal 2022;20(3):7210  28 March 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7210

(農薬の結論)

 

-提出された確証データを踏まえたチアベンダゾールの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment for the active substance thiabendazole in light of confirmatory data submitted

EFSA Journal 2022;20(3):7212  28 March 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7212

(農薬の結論)

農薬リスク評価ピアレビューは3件とも同じ結論

情報不足と懸念が確認された。

 

[Defra]食品中残留農薬:2021年四半期モニタリング結果

Pesticide residues in food: quarterly monitoring results for 2021

22 March 2022

https://www.gov.uk/government/publications/pesticide-residues-in-food-quarterly-monitoring-results-for-2021

2021年の第三四半期の調査結果概要

2021年7月~9月末に採取した24品目の1,210検体、399の農薬について検査した。1,210検体のうち643検体に残留物が見つかり、そのうち22検体で最大残留基準(MRL)を超過した。検出された残留物の多くは健康上の懸念を生じなかった。HSEは検出された農薬残留物に対し、必要に応じてスクリーニングや詳細リスク評価を行った。また、検出された残留量が安全量を超える可能性のある全ての事例に詳細リスク評価を作成し、健康影響はありそうもない、あるいは予想されないと結論した。英国では認可されていないが輸入食品に検出される、残留農薬の遺伝毒性による健康有害影響を検討し、現在の量でリスクは低いと結論した。詳細考察や基礎情報は、バナナ、ベリー類、ブロッコリー、食用種子、グレープフルーツ、オリーブオイル、米の報告書に含まれている。検出された農薬それぞれの個別商品の長期暴露スクリーニング評価から、長期健康有害影響の可能性は示されなかった。これらのサンプルは英国がEUを離脱した後に集められたため、グレートブリテン(GB)で集めたサンプルと北アイルランド(NI)で集めたサンプルの結果を分けて報告した。

詳細リスク評価があるのはバナナ(クロルピリホス)、ベリー類(ジメトエートとオメトエート)、ブロッコリー(ジメトエート)、グレープフルーツ(イマザリル、チアベンダゾール)、ブドウ(クロルピリホス)、オリーブ油(クロルピリホス)、コメ(クロルピリホス)

複数農薬ではブドウのエテホンとクロルピリホス

遺伝毒性の可能性がある残留物としてオメトエート、遺伝毒性が示唆されるが確実ではない残留物としてジメトエート、クロルピリホス、カルボフランが考察されている

課題として塩素酸塩、DDT、加工係数など

 

[FSA]FSAとFSSは消費者に食品供給の混乱を避けるためのある種の食品の成分の代用について助言

FSA and FSS advise consumers on substitution of ingredients in certain food products to avoid food supply disruption

24 March 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-and-fss-advise-consumers-on-substitution-of-ingredients-in-certain-food-products-to-avoid-food-supply-disruption

英国食品基準庁(FSA)とスコットランド食品基準庁(FSS)は、本日、ひまわり油を含むと表示された一部の食品に、代わりに精製菜種油が含まれている可能性があることを消費者に通知した。これは、ウクライナの紛争により調達が困難になりつつある原料を含む一部の食品供給を維持するために行われる。

英国のヒマワリ油の大半はウクライナ産で、わが国の食品事業者からは、ヒマワリ油の供給が数週間でなくなる可能性があり、すでに厳しい状況にある企業もあると報告している。一部の食品製造業者は、ラベル変更を行う余裕もなく、ヒマワリ油を精製した菜種油に緊急に置き換えた。そのため、ヒマワリ油を含むと表示された食品は、代わりに精製菜種油を使用して製造されている可能性があり、消費者は小売業者や製造業者が提供する追加情報に注意すべきである。

FSAとFSSは、食品供給チェーンに対する最近の困難と、特定の食品(ポテトチップス、パン粉付き魚、冷凍野菜及びフライドポテトなど)の販売を確実に継続するための必要な暫定措置について取り組んでいる。ヒマワリ油を精製菜種油で代用することによる食品安全上のリスク、特に食物アレルギーを持つ人々に対するリスクを調査したが、それは非常に低いものであった。菜種油に対するアレルギー反応は非常に稀であり、発症したとしても軽度である。小売業者は可能な限り早く製品ラベルの変更を検討している;ヒマワリ油がポテトチップスのような主要な原材料である場合、小売業者は既存のラベルに代替油に関する情報を刷り込む予定である。小売業者のカスタマーサービスは、すべての自社ブランド製品に関する質問に対応する予定である。

FSAとFSSは、ヒマワリ油の精製菜種油への代替に関する迅速なリスク評価を発表した。

Rapid risk assessment on the risk of allergic reactions in UK consumers if sunflower oil is substituted with refined rapeseed oil

24 March 2022

https://www.food.gov.uk/research/research-projects/rapid-risk-assessment-on-the-risk-of-allergic-reactions-in-uk-consumers-if-sunflower-oil-is-substituted-with-refined-rapeseed

要約

・精製菜種油へのアレルギー反応の頻度は極めて低い(すなわち非常に希であるが可能性は排除できない)

・精製菜種油へのアレルギー反応に関連する重症度は無視できる程度である

入手可能なデータから、不確実性レベルは中程度(すなわち幾分かの不確実性はあるが完全なデータは入手できない)

 

[FSA]ニュース

-Scratch Meals社がScratch Chicken & Veggie Tikka Masalaの成分に誤りがあったため、リコールする

Scratch Meals recalls Scratch Chicken & Veggie Tikka Masala because it contains incorrect ingredients

26 March 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-20-2022

 Scratch Meals Ltdは、Scratch Chicken & Veggie Tikka Masala with Spiced Brown Riceに表示されていないナイアシン及び亜鉛成分が含まれており、消費者に有害反応を引き起こす可能性があるため、リコールする。

 

-FSAはWonka Barsの偽造品に警告文書を発する

FSA issues warning over counterfeit Wonka Bars

28 March 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-issues-warning-over-counterfeit-wonka-bars

 英国食品基準庁(FSA)は、全国の店舗やオンラインショップで販売されているWonka Barsの偽造品を買ったり食べたりしないよう、一般市民に注意を呼びかける。

 

-FSAはオープン環境から回収されるプラスチックの安全性に関するエビデンスを募集する

FSA issues call for evidence on safety of plastics recovered from the open environment

21 March 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-issues-call-for-evidence-on-safety-of-plastics-recovered-from-the-open-environment

 英国食品基準庁(FSA)は食品接触物質として使用するためにオープン環境(海洋、「オーシャンバウンド」または陸上)から回収されるプラスチックの安全性に関するエビデンスを募集する。2022年9月20日まで。

 

-食品及び飼料用途の9種類の遺伝子組換え生物の申請に関する協議:ステークホルダーの回答の要約

Consultation on applications for nine genetically modified organisms for food and feed uses: summary of stakeholder responses

21 March 2022

https://www.food.gov.uk/other/consultation-on-applications-for-nine-genetically-modified-organisms-for-food-and-feed-uses-summary-of-stakeholder-responses

 残留EU規則1829/2003に基づき、英国での遺伝子組換え生物(GMO)の上市許可を求めて提出された9種類の遺伝子組換え生物の認可に関するステークホルダーの意見の要約に関する報告書。申請のうち4件は認可の更新、5件は新規の申請であった。

 

[FSS] スコットランドに住む家庭のCOVID-19が食生活に与える深刻な影響についての声

Families living in Scotland voice stark impact of COVID-19 on diet

28 MARCH 2022

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/families-living-in-scotland-voice-stark-impact-of-covid-19-on-diet

 スコットランド食品基準局(FSS)の新しい報告書によると、COVID-19の大流行以来、スコットランドの保護者の3分の1(34%)が自身の食生活が不健康になったと報告し、17%が子供の食生活にも悪影響があったと述べていることが明らかになった。

この報告書は、新しいスコットランド健康調査データで約40%の人が2020年3月以降体重が増えたと述べたことが明らかになったことと同時期に発表された。

状況報告書:2020年のCOVID-19パンデミック中のスコットランドの買い物や食行動の変化

Situation Report: Changes to shopping and eating behaviours in Scotland during the COVID-19 pandemic in 2020’

https://www.foodstandards.gov.scot/publications-and-research/publications/situation-report-changes-to-shopping-and-eating-behaviours-in-scotland-during-the-covid-19-pandemic-in-2020

 

[FSS]牛の鉛中毒を防ぐため、農家に今すぐ行動するよう促す

Farmers urged to act now to prevent lead poisoning in cattle

22 March 2022

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/farmers-urged-to-act-now-to-prevent-lead-poisoning-in-cattle

 放牧シーズンを前に、スコットランド食品基準局(FSS)は農家に対し、牛の農場内鉛中毒のリスクに引き続き注意を払うよう促す。2019年以降、400 頭以上が鉛中毒によりフードチェーンから制限されている。

 

[FSAI] プレスリリース

-ウクライナとロシアの危機に起因する食品表示の問題に関するガイダンス

Guidance on Food Labelling Challenges Caused by the Crisis in Ukraine and Russia

Friday, 25 March 2022

https://www.fsai.ie/Labelling_Challenges_25_03_22.html

現在のウクライナ危機とロシア・ベラルーシへの制裁により、食品事業者(FBO)が一部の食品の供給に関して困難に直面しているため、食品表示の柔軟性に関するFBO向けガイダンスをFSAIが作成した。(https://www.fsai.ie/Guidance_Labelling_Challenges/

 

-FSAIはダブリンの食品事業に関する高等法院の判決を歓迎する

FSAI Welcomes High Court Ruling on Dublin Food Business

Friday, 25 March 2022

https://www.fsai.ie/HighCourt_Ruling_25/03/2022.html

アイルランド食品安全局(FSAI)は本日、食品事業者が2020年欧州連合(EU)規則(食品法に関する公的管理)に基づき出された閉鎖命令に従わなかったことに関連する高等法院の訴訟結果を歓迎した。

 

[NSW] リコール

-Revel Brewing Co Pine Lime Sour Ale 375mL

25 Mar 2022

https://www.foodauthority.nsw.gov.au/news/recalls/revel-brewing-co-pine-lime-sour-ale-375ml

Malt Brewing Co PTY LTD t/a Revel Brewing Coはオーストラリア産Pine Lime Sour Ale 375mLが二次発酵の可能性があるため、リコール。

 

[FDA]デルタ-8 テトラヒドロカンナビノールについて知っておくべき5つのこと

5 Things to Know about Delta-8 Tetrahydrocannabinol – Delta-8 THC

03/18/2022

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/5-things-know-about-delta-8-tetrahydrocannabinol-delta-8-thc

デルタ-8 テトラヒドロカンナビノール(デルタ-8 THC)は、Cannabis sativa (大麻草/麻)に含まれる精神活性物質であり、Cannabis sativa にはマリファナとヘンプの 2 種類がある。デルタ-8 THC は、大麻植物が自然に産生する 100 種類以上のカンナビノイドの1 つであるが、それほど多く含まれない。そのため高濃度のデルタ-8 THC は、ヘンプ由来のカンナビジオール(CBD)から製造するのが一般的である。

デルタ-8 THC について知っておくべき 5 つのことを以下に示す。

1.デルタ-8 THC 製品は安全な使用に関する FDA の評価や承認を受けておらず、公衆衛生を危険にさらすような方法で販売されている可能性がある

現在オンラインや店舗で販売されているデルタ-8 THC 製品に関して懸念が高まっている。これらの製品は、いかなる状況においても安全な使用方法がFDAによる評価あるいは承認されていない。これらの製品は製品の配合や製品ラベルのばらつき、他のカンナビノイドやテルペンの含有量、デルタ-8 THC の濃度のばらつきなどの懸念が高まっている。また、これらの製品の中には単に「ヘンプ製品」と表示されたものがあり、「ヘンプ」を「精神活性作用がない」と思っている消費者に誤解を与えている。さらに、FDAの認可なしに、デルタ-8 THC 含有製品が治療用又は医療用として販売されている事例が蔓延している。根拠のない治療効果を強調する未承認の製品を販売することは、連邦法に違反するだけでなく、安全性や効果が証明されていないため、消費者を危険にさらすことになる。根拠のない治療法の宣伝販売は患者や消費者が重大な、致死的な病気の認可された治療法の代わりに使う可能性があることから相当な公衆衛生上の懸念となる。

  1. FDA は、デルタ-8 THC 含有製品に関する有害事象の報告を受けている

FDAは、2020年12月1日から2022年2月28日の間にデルタ-8 THC製品を摂取した患者における有害事象の報告を104件受理した:

77%は成人、8%は18歳未満の小児患者、15%は年齢を報告していない。

55%が介入(例、救急医療サービスによる評価)または入院を必要とした。

66%がデルタ-8THC含有食品(例、ブラウニー、グミ)摂取後の有害事象について記述している。

有害事象には、幻覚、嘔吐、震え、不安、めまい、混乱、意識喪失が含まれるが、これらに限定されない。

全国中毒管理センターは、2021 年 1 月1日から 2022 年 2 月28 日の間に、デルタ-8 THC 製

品の暴露事例を2362 件受け取った。以下、2362 件の暴露について:

58%が成人、41%が18歳未満の小児患者、1%が年齢を報告していない。

40%は意図的でないデルタ-8 THCへの暴露であり、そのうちの82%は小児患者であった。

70%が医療施設での評価を必要とし、そのうち8%が重症患者病棟への入院となった:医療施設での評価を必要とした患者の45%が小児患者であった。

小児患者1例は、死亡という結果であった。

  1. デルタ-8 THC は精神活性作用や中毒作用がある

デルタ-8 THC にはデルタ-9 THC(大麻を使用したときに「ハイ」な状態にする成分)と類似の精神活性作用と中毒作用がある。メディアはデルタ-8 THC 製品が消費者を「ハイ」にすると報道している。FDA はまた、デルタ-8 THC 製品によって消費者が、ヘンプや大麻の抽出物原料に自然に存在するよりもはるかに高い濃度でデルタ-8 THC に暴露される可能性が高いことを懸念している。歴史的な大麻の使用は、これらの製品のヒトにおける安全なレベルを確立する根拠とすることはできない。

  1. デルタ-8 THC 製品は、表示されている濃度のデルタ-8 THC を作り出すために、有害な化学物質を使用している可能性があることが多い

ヘンプに自然に含まれるデルタ-8 THC の量は非常に少なく、CBD のようなヘンプに含まれる他のカンナビノイドをデルタ-8 THC に変換するためには、追加の化学物質が必要となる(つまり、合成変換)。このプロセスでは、以下が懸念される:

この化学合成プロセスに安全性の低い家庭用化学薬品を使用し、色を変えるために、化学物質を追加する製造業者がいる。最終デルタ-8 THC製品には、使用された化学物質に起因する有害な副産物(汚染物質)が含まれている可能性があり、また出発原料の組成に応じて、ほかの汚染物質が存在または生成されるか定かでない。デルタ-8 THC の製造(合成)に使用される化学物質や合成時に発生する副産物を含むこれらの化学物質は、摂取したり吸入したりすると有害となる可能性がある。

デルタ-8 THC 製品の製造は、管理されていない、あるいは非衛生的な環境で行われることがあり、それにより安全でない汚染物質や他の潜在的な有害物質が存在する可能性がある。

  1. ルタ-8 THC 製品は、子供やペットの手が届かないようにすること

製造業者はこれらの製品を子供が興味をもつ形で包装し、表示している(グミ、チョコレート、クッキー、キャンディなど)。製品は、オンラインで購入できるほか、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなど、誰でも買える、年齢制限のない様々な小売店でも購入することができる。上述のように、デルタ-8 THC 製品に暴露した小児患者を含む数多くの中毒管理センターの警告がある。また、動物中毒管理センターが、ペットがこれらの製品に暴露する事故が全体的に急激に増加していると指摘している。

 

なぜFDAはデルタ-8 THCについて通知しているのか?

以下のような、様々な要因が重なり、FDAは消費者にこの情報を提供することになった。

FDAおよび全米中毒管理センターへの有害事象報告の増加。

子供の興味を引くような販売(製品のオンラインマーケティングを含む)。

市販されているデルタ-8 THC製品の製造に使用されている可能性がある製造方法による汚染に関する懸念。

FDAは、これらの製品に関する懸念にさらに対処するために、連邦政府や州政府のパートナーと積極的に協力し、製品に関する苦情、有害事象、その他懸念の可能性のある大麻由来製品の出現について市場を監視する。FDAは、公衆衛生と安全性の問題について消費者に警告し、FDA規制対象製品が法律に違反した場合には、必要に応じて措置を講じる。

 

[FDA]プレスリリース

-FDAは「ヘルシー」シンボルに関する消費者研究の追加手続き通知を発行する

FDA Issues Additional Procedural Notice on Consumer Research on “Healthy” Symbol

March 25, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-additional-procedural-notice-consumer-research-healthy-symbol

米国食品医薬品(FDA)は栄養成分表示「ヘルシー」を定型化したシンボルについて消費者調査を実施し、また製造業者が食品包装で「ヘルシー」の成分表示を使用できる時期を更新する規則案を策定している。定義の更新を伴う規則案を近く発表する予定である。

 

-連邦裁判所はニュージャージー州の動物用生鮮食品製造業者に対しの同意判決に至る

Federal judge enters consent decree against New Jersey raw animal food manufacturer

March 28, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/federal-judge-enters-consent-decree-against-new-jersey-raw-animal-food-manufacturer

 FDAは、ニュージャージー州の動物用食品製造会社であるBravo Packing, Inc.が、生のペットフードの販売、製造、流通を停止し、連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)を遵守することに同意したと発表した。

(微生物だけど。動物は生肉を食べるのが「自然」だという主張は日本でもよく見る。ペットに自然界並みの死亡率など誰が望む?)

 

-FDAは重要な公衆衛生の強化、中核的な食品及び医療製品の安全プログラムへの追加投資のために84億ドルを求める

FDA Seeks $8.4 Billion to Further Investments in Critical Public Health Modernization, Core Food and Medical Product Safety Programs

March 28, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-seeks-84-billion-further-investments-critical-public-health-modernization-core-food-and-medical

 FDAは、2023年度予算要求は34%増、当面の優先事項に重点を置き、パンデミック対策、ヒトと動物の食品安全、医療機器のセキュリティ、電子タバコの監視など、今日の最も緊急なニーズに焦点を当てた予算要求を行う。

 

-FDA はある種の遺伝子組換えキャノーラ種子の不注意による低レベル存在について企業に助言

FDA Advises Companies Regarding Inadvertent Presence of Low Levels of Certain Genetically Engineered Canola Seeds

March 28, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-advises-companies-regarding-inadvertent-presence-low-levels-certain-genetically-engineered

 2021年4月13日の発表に2022年3月28日付で情報更新。FDAは、特定のオメガ3系長鎖脂肪酸を生産するために遺伝子組み換えされた2種類のキャノーラについて、任意の市販前協議を完了した。FDAの回答文書に従い使用した場合、これらのキャノーラ品種からの食品の安全性に疑問の余地はないとした。

 

-FDAはヨーグルトの同定基準を改定

FDA Amends Standard of Identity for Yogurt

March 22, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-amends-standard-identity-yogurt

本日、米国食品医薬品局(FDA)は、2021年6月11日に公表された、ヨーグルトの同定基準最終規則の一部条項の保留を明確にする通知を発表した。国際乳食品協会(IDFA)と Chobaniから反対意見が提出されたためそれへの対応を決定するまで。

 

-FDAは電子タバコの追加製品に関する決定を発表する

FDA Issues Decisions on Additional E-Cigarette Products

March 24, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-issues-decisions-additional-e-cigarette-products

FDAはタバコ風味の特定製品の一部については販売を許可し、その他の製品は許可しなかった。人気商品に関する追加決定が間もなく行われる見込み。

(禁煙用のものは認めている)

 

-栄養改善による食事関連慢性疾患への対応

Improving Nutrition to Turn the Tide on Diet-Related Chronic Disease

03/24/2022

https://www.fda.gov/news-events/fda-voices/improving-nutrition-turn-tide-diet-related-chronic-disease

 3月は全米栄養月間である。栄養状態を改善することで、慢性疾患へ対応することができるため、FDAはナトリウムの削減目標と食品表示、幼児のための健康的な食生活と有害元素について紹介する。

(有害重金属は「栄養」カテゴリー、なんだ)

 

-シーフード関連毒素とヒスタミン魚中毒報告

How to Report Seafood-Related Toxin and Scombrotoxin Fish Poisoning Illnesses

調査された病気とアウトブレイク

Investigated Illnesses and Outbreaks

https://www.fda.gov/food/outbreaks-foodborne-illness/how-report-seafood-related-toxin-and-scombrotoxin-fish-poisoning-illnesses

2022/03/15          22-03-04              CFP      Red Porgy          1            Puerto Rico

更新

 

[FDA]リコール

消費者警告:乾燥「Wife Plum」に表示されない成分亜硫酸塩

Consumer Alert: Undeclared Sulfites in Dried "Wife Plum"

March 24, 2022

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/consumer-alert-undeclared-sulfites-dried-wife-plum

 A&C Best Food Trading Inc.は、「Wife Plum」(乾燥プラム)が表示されない成分亜硫酸塩及び未承認色素E123を含むためリコールする。製品写真有り。

 

[FDA]警告文書

-GW FOOD USA Inc.

MARCH 09, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/gw-food-usa-inc-624967-03092022

「外国供給業者検証プログラム(FSVP)」違反の問題。

 

-Apna Foods Imports Co.

MARCH 08, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/apna-foods-imports-co-622620-03082022

FSVP違反の問題。

 

[FTC]連邦裁判所は、禁煙・減量・性機能補助のために使われた違法な戦略を停止する、FTCに有利な判決を下す

Federal Court Rules in Favor of FTC, Halting Illegal Tactics Used to Promote Smoking Cessation, Weight-Loss, and Sexual-Performance Aids

March 25, 2022

https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2022/03/federal-court-rules-favor-ftc-halting-illegal-tactics-used-promote-smoking-cessation-weight-loss

連邦裁判所は詐欺的健康強調表示とその他広範な詐欺的行為を禁止する

溶解性の口腔ストリップが禁煙、減量、性機能補助に有効だと詐欺的に宣伝販売していた業者Redwood Scientific Technologiesに対して、カリフォルニア連邦地裁はFTCの求めによって違法なやりかたを止めるよう命令した。

ネガティブオプション、偽りの体験談、虚偽の産地、MLMとして虚偽の稼げるという宣伝など16件

 

[ODS] プレスリリース

-2022年ダイエタリーサプリメント研究演習登録開始

Register Now for the 2022 Dietary Supplement Research Practicum

March 23, 2022

https://odspracticum.od.nih.gov/

2022年 5月23~25日に、2022 年Mary Frances Picciano ダイエタリーサプリメント研究演習バーチャル会議が行われる。申し込み受付開始。

 

-ファクトシート更新

ビタミンAとカロテノイド

Vitamin A and Carotenoids

Fact Sheet for Health Professionals

March 23, 2022

https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminA-HealthProfessional/

このファクトシートは包括的にレビューされ、広範囲に改訂された。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminA-HealthProfessional/#change

 

[ヘルスカナダ]助言:未承認の製品は深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある

Unauthorized products may pose serious health risks

2022-3-28

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/unauthorized-products-may-pose-serious-health-risks

ヘルスカナダは精力剤、減量用、活力剤あるいは「ポッパーズ」として販売されている未承認の深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある健康製品に関して市民に助言し、情報を更新している。掲載の製品はCardarine、ダポキセチン、亜硝酸エステル、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)、シルデナフィル、タダラフィル、ヨヒンビンを含む。

 

[ヘルスカナダ]Anoxybacillus caldiproteolyticus TP7由来サーモリシンのパン、小麦粉、全粒粉及び規格外ベーカリー製品への使用拡大に関する許可食品酵素リストの修正通知

Notice of Modification to the List of Permitted Food Enzymes to Extend the Use of Thermolysin from Anoxybacillus caldiproteolyticus TP7 to Bread, Flour, Whole Wheat Flour and Unstandardized Bakery Products

2022-03-24

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/notice-modification-list-permitted-food-enzymes-thermolysin-anoxybacillus-caldiproteolyticus-tp7.html

ヘルスカナダの食品局はパン、小麦粉、全粒粉、規格外ベーカリー製品へのAnoxybacillus caldiproteolyticus TP7由来サーモリシン(プロテアーゼの一種)の使用承認を求める食品添加物申請の市販前安全性評価を完了した。2022年3月24日より、食品酵素許可リストが変更された。

 

[HK]法令違反

-乾燥白菜のサンプルで金属汚染が基準値を超える

Tuesday, March 22, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220322_9376.html

オンラインで販売の乾燥白菜のサンプルから、基準値0.5 ppmを超える1.278 ppmのクロミウムが検出された。

 

-ぶどうのサンプルから基準値超過の残留農薬を検出

Pesticide residue exceeds legal limit in a grape sample

Wednesday, March 23, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220323_9379.html

ぶどうのサンプルから、基準値0.3 ppmを超える1.4 ppmのメソミルが検出された。

 

-包装紫ヤムイモ麺のサンプルから基準値超過の酸化防止剤を検出

Antioxidant exceeds legal limit in prepackaged purple yam noodle sample

Thursday, March 24, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220324_9380.html

中国産包装紫ヤムイモ麺のサンプルから、基準値200 ppmを超える1040 ppmのメソミルが検出された。

 

その他

-THE LANCET

非伝染性疾患:今度は何?

Non-communicable diseases: what now?

EDITORIAL| VOLUME 399, ISSUE 10331, P1201, MARCH 26, 2022

LANCET でDavid WatkinsらがSDG 3.4の目標達成のための方法を検討している。COVID-19の影響からの回復と快復力のある医療システムを作ることが重要

 

新世代持続性殺虫剤処理蚊帳

A new generation of long-lasting insecticidal nets

Simon Kariuki,Luna Kamau

VOLUME 399, ISSUE 10331, P1202-1203, MARCH 26, 2022

マラリア対策には新世代LLINのようなツールの改良のための持続的投資が必要。COVID-19パンデミックで関心が薄れ世界経済が悪化したことが他の感染症への資金提供を危うくしている

 

オープンアクセス

タンザニアにおけるピレスロイドのみの持続性殺虫剤処理蚊帳(LLINs)と比較した場合の3種類の二重有効成分LLINsのマラリアへの有効性と費用対効果:4アームクラスターランダム化試験

Effectiveness and cost-effectiveness against malaria of three types of dual-active-ingredient long-lasting insecticidal nets (LLINs) compared with pyrethroid-only LLINs in Tanzania: a four-arm, cluster-randomised trial

Jacklin F Mosha, et al

ARTICLES| VOLUME 399, ISSUE 10331, P1227-1241, MARCH 26, 2022

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)02499-5/fulltext

 

-フタル酸の恐怖

Phthalate Fears

Joe Schwarcz PhD | 23 Mar 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/general-science/phthalate-fears

アインシュタインが、「計れるものすべてが大事なわけではない、大事なものすべてが計れるわけではない」と言ったとき、何について話しているのかを知っていただろう。フタル酸に関しては、それは覚えておく価値がある

私はアインシュタインが有名な言葉「計れるものすべてが大事なわけではない、大事なものすべてが計れるわけではない」を発したときに化学物質への不安や尿中の化合物の量のことを考えていたとは思わない。しかしこの言葉は現在の化学物質不安については極めて妥当だと思う。活動か団体が我々の暴露されている「試験されていない」化学物質の数についてわめき立て、我々が「知らないうちにモルモットにされている」という「事実」を嘆くことの無い日はない。実際我々は毎日無数の化学物質に暴露されている。カップのコーヒーの香りを嗅ぐだけで1000以上の化合物に暴露される。もちろん、我々が暴露されているほとんどの化合物は天然物だ。しかしそんなことは関係ない。毒性は化合物の由来によるのではない。毒性は適切な研究で決められる。

チキンスープを食べると数百の化学物質があなたの血流に流れ込み、その中にはベンゼン、メタノール、アセトアルデヒド、硫化水素のような「毒性の強い」ものも含まれる。もちろんスープに含まれる量では有害ではない。しかし尿を調べると検出される。誰もそれらが重要だとは思わないので気にしないが。しかしそれがフタル酸になったとたん話が変わる。フタル酸はプラスチックに広く使われている化合物で、多くの製品に使われているため血中や尿中に検出される。問題はそれが健康に意味のある影響を与えるかどうかだ。

最近二つの論文が話題になったが、覚えておくべきことはフタル酸は安全上の問題が提示されているたくさんの化合物のうちのたった一つであるということである。ビスフェノールAやPFASやパラベンや残留農薬もある。でも新鮮な野菜とオーガニックの放し飼いチキンで作ったスープでも尿中にフタル酸同様に検証すべき無数の化合物を氾濫させることを思い出して欲しい。調理によって分解されない発がん物質のソラレンもフタル酸より多い量含まれる。フタル酸の心配が不当だといいたいわけではない、ただ我々が毎日暴露されている無数の天然及び合成化合物の全体の中でものごとを見るべきだ。

 

-我々は本当にストレッチする必要があるのか?

Do We Really Need to Stretch?

Jonathan Jarry M.Sc. | 25 Mar 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking-health-and-nutrition/do-we-really-need-stretch

動かない状態でのストレッチングはしばしばフィットネスの批判を許さない基本とみなされるが、科学文献はそのイメージが相当不釣り合いに引き延ばされてきたことを示す

(長い本文略、まとめのみ)

・ワークアウト前/後のストレッチは通常パフォーマンス向上、筋肉痛やけがの予防、柔軟性向上させると考えられている

・ストレッチの学術論文は完全とはほど遠いが、結果からはストレッチは実際には時にパフォーマンスを悪化させ怪我を予防するわけではないことが示されている

・柔軟性そのものはフィットネスの構成要素に含めるべきではないという主張がある

 

-アルコールが我々にとって良いものであるかのように偽るのはやめよう。そうではない

Let's not pretend alcohol is good for us. It isn't.

Christopher Labos MD, MSc | 23 Mar 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition/lets-not-pretend-alcohol-good-us-it-isnt

付き合い程度に飲む人は別にして、心配なほどたくさんの人がストレスのためにアルコールを飲む

過去2年は特にそうで、中には酷くネガティブな結果を招いた人もいる。我々はしばしばアルコールが良いものでは無いということを忘れる。心血管系に良いというコメントを良く聞くが実際には心臓にもそんなに良くない

アルコールはストレスや問題の解決方法ではない。