2022-05-19

[BfR]「PARC」:化学物質リスク評価に関するEU研究パートナーシップ開始

"PARC": EU research partnership on chemical risk assessment launches

16.05.2022

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2022/18/_parc___eu_research_partnership_on_chemical_risk_assessment_launches-297593.html

欧州連合 (EU)の「PARC」戦略は2022年5月11日にパリで開始され、化学物質評価に関する新境地を切り開いている。PARC は化学物質リスク評価のための欧州パートナーシップを意味する。ヒトの健康と環境をより適切に保護するため、化学物質に関する知識の向上を目指している。このプログラムの今後7年間の資金総額は4億ユーロである。ドイツでは、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) とドイツ環境庁(UBA) が主導的役割を果たす。

多国籍欧州プロジェクトのPARCには28カ国の200近い機関と3つのEU当局が参加している。このパートナーシップは、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)によって調整され、EUの化学物質戦略と、健康や環境に有害な物質を大幅に削減することを目指す 「欧州グリーンディール」を支援することを目的としている。PARCの資金の半分は、欧州研究革新枠組みプログラムであるHorizon Europeを通じてEUから提供されている。残りの半分はそれぞれのパートナー国から提供される。PARCでは、BfRが「毒性」ワークパッケージを、UBAが「モニタリングと暴露」ワークパッケージを主導する。

PARCの主要な目的は、欧州協力を促進し、研究を進め、化学物質リスク評価の知識を深め、関連する方法論的技能を訓練することである。結果として、有害な化学物質が健康と環境にもたらすリスクを低減するための欧州及び各国戦略の着手に役立つだろう。さらに、動物実験を減らし、次世代リスク評価のための戦略を実施するのに役立つだろう。

PARCは、欧州ヒト・バイオモニタリング・イニシアチブ (HBM 4 EU) 、最重要アクションEU-ToxRisk 、動物を使わない化学物質安全性評価クラスター(ASPIS) 及び内分泌攪乱物質同定改善のための欧州クラスター  (EURION) を含み、従来のプロジェクトの体制と知見に基づく。

PARCプログラムには3つの主要な目的がある:

・化学物質評価の研究と革新を促進し、その知見を化学物質の規則に反映させるためのEU全域にわたる学際的ネットワークの更なる発展

・緊急課題に関するEU共同研究プロジェクトを開始 - リスク評価を支援し、新たな課題に対応する

・既存の研究能力を強化する - 同時に、EU全体で学際的なプラットフォームが確立され、化学物質のリスク評価に新たな弾みを与えることを目的とする。

BfRが担当するワークパッケージは、次の目標に重点を置いている:

・潜在的に有害な物質のリスク評価のためのデータギャップを埋めることにより、消費者の健康保護を向上させる

・これらの物質の化学ハザードの同定、リスク評価及び規制則に直接寄与する革新的かつ予測的な方法を開発し、改善する。

・健康と環境を保護するためのリスク評価概念の改善

・動物実験に代わる方法のさらなる開発

・欧州における化学物質のリスク評価への統一的アプローチへの貢献としての毒性学者の欧州全体のネットワークの確立

さらに、BfRは「共通の科学政策アジェンダ」ワークパッケージ に関わっており、PARCで達成された成果が欧州の規制当局の業務に活かされることを保証するための基礎となる。

UBAが担当するワークパッケージは、次の目的に重点を置いている:

・HBM 4 EU研究の継続におけるEU全体の持続可能なヒトバイオモニタリングの確立

・プラネタリーヘルスアプローチによる環境と健康への影響の考慮の統合

・追加の物質群及び混合物を考慮する、既存のモニタリングプログラムのさらなる開発

・有害物質の最初又は更新の認可の手段としてのモニタリング結果の体系的な確立

・低濃度汚染物質を検出するための革新的な分析法の開発

さらに、UBAは 「規制リスク評価におけるイノベーション」ワークパッケージに積極的にかかわっており、化学物質規制の規則をさらに改善するために、既存の評価と知識のギャップを埋めるための新しい革新的な概念を開発している。

 

[CFIA] カナダ政府は食品偽装に引き続き取り組む

Government of Canada continues to tackle food fraud

May 12, 2022

https://www.canada.ca/en/food-inspection-agency/news/2022/05/government-of-canada-continues-to-tackle-food-fraud.html

カナダの法律では、食品の虚偽表示を禁止しており、食品の偽装、不純物混入及び代替品は、虚偽表示として、食品詐欺に該当する可能性がある。カナダ食品検査庁(CFIA)は、食品が適切に表示され、安全に消費でき、企業が公正な競争ができるように支援する。

CFIAが最新の「食品詐欺年次報告書」を発表した:2020年から2021年の蜂蜜、魚、オリーブオイル、その他の高価な油(ゴマ油、グレープシードオイル、ココナッツオイル他)、香辛料の5つの食品の真偽を検査するサーベイランス強化活動の結果を概説する。5品目のうち4品目は87%以上が満度のいく結果を示し、高価な油(オリーブオイル以外)は66%が満度のいく結果であった。この5つの食品は、虚偽表示される可能性が高い製品である。

基本データ

2020年から2021年にかけて、CFIAは合計525のサンプルについて真正性を調査した。強化ターゲットサンプリングにより、以下のような満足のいく結果が得られた:

88.5 % 蜂蜜

91.2% 魚

87.8% オリーブオイル

66.2% その他の高価な油(ゴマ油、グレープシードオイル、ココナツオイル、アーモンドオイルなど)

92.9% 香辛料

CFIAは、カナダの食品業界と協力して法令遵守を推進し、規制要件を満たすのに役立つツールを提供する。産業用ラベリングツール、トレーサビリティインタラクティブツール、自動輸入参照システム及びCFIA 魚類リストが含まれる。

2019年6月に開始された「カナダのための食品政策」の下、カナダ政府は食品詐欺に取り組むCFIAのために5年間で2440万ドルを投資した。この資金により、CFIAは検査、サンプル収集、食品の真正判定、監視活動のより適切な的を絞るための情報収集、調査能力の拡充を行う。また、業界の規制遵守を推進し、情報共有、ベストプラクティスの探求及び食品詐欺と戦う革新的な解決策の検討により、他の管轄区域や他の政府部門との協力も推進する。このような活動により、消費者を詐欺から、企業を不公正な市場競争から保護する。

CFIAはヘルスカナダと緊密に連携し、食品詐欺に関連する健康と安全のリスクに対処することでこうした取り組みを支援し、食品の不純物を検出するための新しい方法の可能性を研究する。

 

[ヘルスカナダ]カルガリーの小売販売のAdult Sourceは、食品医薬品法の違反で3万ドルの罰金と12ヶ月の保護観察処分を受ける

Calgary retail-chain Adult Source receives $30,000 fine and 12-month probation order for offences under the Food and Drugs Act

May 17, 2022

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2022/05/calgary-retail-chain-adult-source-receives-30000-fine-and-12-month-probation-order-for-offences-under-the-food-and-drugs-act.html

ヘルスカナダの調査の結果、Adult Sourceの事業を行うNational Agricultural Corporationは、未承認の男性用性機能強化薬の販売に関する食品医薬品法に基づく罪状を認め、3万ドルの罰金と、医薬品、ナチュラルヘルス製品、医療機器を含むあらゆる健康製品の販売、輸入、包装、製造、流通を禁止する12カ月の保護観察処分を受けた。

 

[FSA]研究プロジェクト

食品事業者:変化する環境による影響

Food Business Operators: Impact of a Changing Landscape

16 May 2022

https://www.food.gov.uk/research/emerging-challenges-and-opportunities/food-business-operators-impact-of-a-changing-landscape

 食品基準庁(FSA)がCOVID-19パンデミックの状況で小規模、零細食品事業者(FBO)の最近の経験を理解するため、イングランド、ウェールズ、北アイルランドの小規模、零細FBO 30 名を対象とした定性調査から得られた知見をまとめた報告書。

 

[FSS]燻製魚と生鮮食品:スコットランド食品基準局は食品事業者がより安全な食品を作るための2つの最新ツールを発表した

Smoked Fish and Fresh Produce: Food Standards Scotland has published two updated tools to help food businesses make safer food

17 MAY 2022

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/smoked-fish-and-fresh-produce-food-standards-scotland-has-published-two-updated-tools-to-help-food-businesses-make-safer-food

 スコットランド食品基準局(FSS)は、生鮮食品生産者が農産物の栽培方法リスクを評価するためのツールと、燻製魚製造業者が魚の燻製方法リスクを評価するためのツールの2つのオンラインツールを更新し、公開した。

 

[FSAI]今後のイベント - 食品組成変更

Upcoming Event - Food Reformulation

Monday, 16 May 2022

https://www.fsai.ie/ReformulationEvent_News_16_05_2022/

「アイルランドにおける食品組成変更 - 食品カテゴリーの定義とベースラインの設定」と題した、食品カテゴリーと食品組成変更の基準値の設定について説明する無料イベントを2022年6月1日(水)にオンラインで開催する。要登録。

 

[FDA]リコール

Mars Wrigley Confectionery US, LLCが、グミに糸状の金属片の混入または袋の緩みの可能性があるため、特定の種類のSKITTLES® Gummies, STARBURST® Gummies, and LIFE SAVERS® Gummiesをリコール。

Mars Wrigley Confectionery US, LLC Issues Voluntary Recall of Specific Varieties of SKITTLES® Gummies, STARBURST® Gummies, and LIFE SAVERS® Gummies Due to Potential Presence of Thin Metal Strand Embedded in Gummies or Loose in the Bag

May 13, 2022

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/mars-wrigley-confectionery-us-llc-issues-voluntary-recall-specific-varieties-skittlesr-gummies

 Mars Wrigley Confectionery US, LLCは、グミに糸状の金属片の混入または袋の緩みの可能性があるため、特定の種類のグミをリコール。製品写真有り。

 

[FDA]プレスリリース

-FDAは乳児用調製乳の供給問題を軽減するための活動に関する最新情報を提供し、Abbott Nutrition社は安全な乳児用調製乳を製造するための施設における是正措置に合意する

FDA Provides New Updates on Activities to Mitigate Infant Formula Supply Challenges, Abbott Nutrition Agrees to Take Corrective Actions at Facility to Produce Safe Infant Formula

May 16, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-provides-new-updates-activities-mitigate-infant-formula-supply-challenges-abbott-nutrition

 米国食品医薬品局(FDA)は、米国における乳児用調製乳の供給と入手を高めるための継続的な取り組みに関する重要な最新情報を発表し、輸入に関する新たな措置を含め、製品の国内供給力を高めることに注力する。

 

-FDAが安全な乳児用調製乳の輸入を奨励、その他の柔軟な対応で入手をさらに拡大する

FDA Encourages Importation of Safe Infant Formula and Other Flexibilities to Further Increase Availability

May 16, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-encourages-importation-safe-infant-formula-and-other-flexibilities-further-increase-availability

 米国食品医薬品局(FDA)は、乳幼児の健康を保護しつつ、全米での乳児用調製乳の入手可能性をさらに高めるために、特定の乳児用調製乳製品の輸入を柔軟に対応することを概説するガイダンスを発表する。他国の特定の調製乳製品の輸入や外国に輸出するために米国で製造した製品の米国内での流通に反対しないプロセスを説明する。

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/guidance-industry-infant-formula-enforcement-discretion-policy

 

[FDA]警告文書

-Evans Farms Feed

APRIL 21, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/evans-farms-feed-625841-04212022

CGMP違反、動物用食品、調理、包装、衛生管理、不純品の問題。検査で、関係する馬の餌に基準値1.0 ppmを超えるフモニシン が検出された。

 

-El Dorado Imports Inc

APRIL 26, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/el-dorado-imports-inc-626870-04262022

「外国供給業者検証プログラム(FSVP)」違反の問題。

 

(以下、FSVP関連)

-Fres Co, LLC

APRIL 18, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/fres-co-llc-627216-04182022

-LECS USA Inc.

MARCH 28, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/lecs-usa-inc-623164-03282022

-Triple J Fresh, LLC

APRIL 25, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/triple-j-fresh-llc-627680-04252022

-Lempira Distribution LLC

NOVEMBER 03, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/lempira-distribution-llc-616514-11032021

 

[HK]ニュースレター

Food Safety Focus

18 May 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf.html

掲載項目

- 植物性ミルクの代替品についてhttps://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_190_01.html

-冷凍で食品を保存する - 冷凍食品の安全な取り扱い方         

- チョコレートに含まれるサルモネラ菌

- CFS「EAT TV」食品安全チャンネル開設https://www.youtube.com/channel/UCMpLk04Hbn2ATOWzCU_jWEQ

 

[HK]法令違反

-未調理のギョーザの皮のサンプルから基準値超過の保存料が検出される

Sample of uncooked dumpling wrapper detected with excessive preservative

Tuesday, May 17, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220517_9485.html

食品安全センター(CFS)は本日(5月17日)、未調理のバラ詰めギョーザの皮のサンプルから、保存料である安息香酸が基準値を超えて検出されたことを発表した。検査の結果、サンプルには安息香酸が6,880 ppm含まれており、基準値1,000 ppmを上回っていた。

 

-豚皮のフライのサンプルから許可されない保存料が検出される

Deep-fried pork skin sample detected with non-permitted preservative

Tuesday, May 17, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220517_9480.html

豚皮のフライのサンプルから許可されない保存料である二酸化硫黄が54 ppm検出された。

 

-マカオでCOVID-19ウイルスが陽性となった包装輸入冷凍エビのサンプルをCFSが追跡調査する

CFS follows up on packaging sample of imported frozen shrimp tested positive for COVID-19 virus in Macao

Monday, May 16, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220516_9479.html

CFSは本日(5月16日)、マカオでインドネシアからの包装輸入冷凍エビのサンプルにCOVID-19ウイルスが検出された件について、フォローアップを行っていると発表した。

 

[フィンランド食品局]シャグマアミガサタケは正しく扱わなければならない

False morels should be handled correctly

May 6/2022

https://www.ruokavirasto.fi/en/private-persons/information-on-food/elintarviketiedotteet/false-morels-should-be-handled-correctly2/

シャグマアミガサタケは生では毒である。中毒を避けるために適切な調理が必要である

(いつもの警告)

 

[EPA]EPAは5つのPFAS化合物をヒト健康と環境を保護するための地域スクリーニングと除去管理レベルリストに追加

EPA Adds Five PFAS Chemicals to List of Regional Screening and Removal Management Levels to Protect Human Health and the Environment

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-adds-five-pfas-chemicals-list-regional-screening-and-removal-management-levels

・ヘキサフルオロプロピレンオキシドダイマー酸及びそのアンモニウム塩(HFPO-DA – しばしば GenX 化合物と呼ばれる)

・パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)

・パーフルオロオクタン酸(PFOA)

・パーフルオロノナン酸(PFNA)

・パーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)

Regional Screening Levels (RSLs) - What's New

https://www.epa.gov/risk/regional-screening-levels-rsls-whats-new

 

[WHO]第75回世界保健総会は回復と再生のために「平和のための健康、健康のための平和」に焦点を定める

Seventy-fifth World Health Assembly to focus on “Health for Peace, Peace for Health” for recovery and renewal

17 May 2022

https://www.who.int/news/item/17-05-2022-seventy-fifth-world-health-assembly-to-focus-on--health-for-peace--peace-for-health--for-recovery-and-renewal

 

論文

-インド アンドラプラデシでの大規模な政府が規制し資金提供した有機農業指導の農薬使用への影響:横断研究

Impact of large-scale, government legislated and funded organic farming training on pesticide use in Andhra Pradesh, India: a cross-sectional study

Lindsay M Jaacks, et al.,

THE LANCET PLANETARY HEALTH VOLUME 6, ISSUE 4, E310-E319, APRIL 01, 2022

https://www.thelancet.com/journals/lanplh/article/PIIS2542-5196(22)00062-6/fulltext

政府の規制と資金提供による有機農業トレーニングが、インドの農家の農薬使用と農薬販売者による販売を減らすかどうかを評価した。

2020年8月11日から11月26日まで、アンドラプラデシのクルヌール地方の農家と農薬小売業者を調査した。アンドラプラデシでは2030年までに100%有機農業に移行するというAPCNF計画が実施されていてその影響を評価した。962の農家に参加を呼びかけ894が同意し、小売業者は47のうち38が同意した。農家は中央値で2年間APCNF計画に参加していた。APCNF農家は慣行栽培農家より農薬の使用は少なかったがどちらも農薬使用は多い。農薬販売に差はない。

結果としては、政府が強力に有機農業を推進しているにも関わらず、農家の半分は農薬を使用し続け地域レベルでの農薬販売に影響は見られなかった

 

この論文の地域からの報告

 

クルヌール(インド)での有機農業の影響:農家は成果の不足と販売経路の無さに不満

Impact of organic farming in Kurnool: Farmers bemoan shortfalls in execution, lack of marketing avenues

G Ram Mohan 5 May 2022

https://www.news9live.com/state/andhra-pradesh/impact-of-organic-farming-in-kurnool-farmers-bemoan-shortfalls-in-execution-lack-of-marketing-avenues-168461

何故有機農業は拡大しないのか?APCNFによる自然農法を実践している耕作地を訪問した。農家は、有機農業に変更したせいで収量が下がったにも関わらず高値で売れない、残留農薬検査に失格となる、等を報告している。有機の資材(動物の糞やニームの葉など)はもともと広い面積に使えるようにはなっていない。労働力が足りない、等

 

-農場から食卓までの多様性を測定する:新しい報告書は地中海10カ国を評価

Measuring diversity from farm to fork: A new report evaluates 10 Mediterranean countries

18-MAY-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/952903

農業生物多様性指標Agrobiodiversity Indexを使って地中海沿岸諸国の農場・市場・食卓での農業生物多様性を調べた。消費における多様性、生産における多様性

 

-帝王切開で生まれることは乳児期の食物アレルギーリスクの増加と関連しない

Caesarean births not linked to increased risk of food allergy during infancy

18-MAY-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/952918

Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practiceに発表されたMURDOCH子ども研究所の研究。オーストラリア

 

-セリアック穀物-研究がオートムギが答えになる可能性を示す

Coeliac cereal – Research shows oats could be the answer

18-MAY-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/953134

Natureに発表されたオートムギのゲノム配列決定

グルテン様配列は少なく、発現量も低く、アレルギーや不耐の引き金にはなりそうにないことが確認された。ベータグルカンは比較的多くコメに類似する。

 

-あなたの皿の微生物を定量する

Quantifying the live microbes on your plate

18-MAY-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/953180

科学者が初めて米国人の食事で摂取されている生きた微生物の大規模推定を行った

Journal of Nutritionに発表されたNHANESを使った研究

ヨーグルトやキムチのような発酵食品を生きた微生物が多い(10^7 cfu/g以上)、生鮮未調理野菜果物を中程度(10^4-10^7 cfu/g)と分類するなどして計算

 

-ワインのエイジングについての最近の進歩

Recent advances in the aging of wine

18-MAY-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/953198

ACS雑誌に最近発表された論文いくつかの紹介

 

-Nature Medicine v28 n4

特集:がん研究の未来

https://www.natureasia.com/ja-jp/nm/28/4

がん治療:プロバイオティクスのサプリはがん免疫療法の奏功を後押しする

がん治療/腸マイクロバイオーム:転移性腎細胞がんでのニボルマブ–イピリムマブ併用療法に対する生菌製剤の併用効果:無作為化第1相試験

(プロバイオティクスってミヤリサン製薬のCBM588(宮入菌)。昔からある(ミヤリサン製薬によると1933年発見1940年医薬品)ものだけどプロバイオティクスのサプリという言い方する?)

 

その他

-欧州レシチン製造業協会ELMA

インド産大豆レシチンにピーナッツタンパク質が存在することについてのELMAの声明

ELMA Statement on the presence of peanut protein in soybean lecithin from India

May 2, 2022

https://www.elma-eu.org/elma-statement-on-the-presence-of-peanut-protein-in-soybean-lecithin-from-india/

RASFFで報告された、インドから輸入した大豆レシチンにピーナッツタンパク質が存在する問題についてELMAは承知し、大いに懸念している。ELMAの会員の行った分析によると、この問題はインド産大豆レシチンに限定される。ELMAはインド産大豆レシチン使用者にリスクアナリシスを行っアレルギーのある消費者にリスクの可能性についてコミュニケートする最善の方法を評価することを強く勧める。

 

-Natureエディトリアル

Nature雑誌は研究における性とジェンダーの報告の水準を上げる

Nature journals raise the bar on sex and gender reporting in research

18 May 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01218-9

著者らに研究デザインで性とジェンダーについてどう検討したかの詳細を要求するだろう

 

-パンデミックの真の健康コスト:COVIDは我々の人生をどれだけ盗んだか?

Natureニュース

The pandemic’s true health cost: how much of our lives has COVID stolen?

18 May 2022  Holly Else

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01341-7

研究者らは傷害と死亡によって何年失われたかを計算しようとしている

DALYs推定の試みについて紹介

(この記事はCOVIDの負担についてのみ記述しているがDALYsは他のあらゆる負担について計算して比較するためのもの。COVID対策によって失われたものとも比較することで真価が発揮される。中国のやりかたの是非とか若年層に脳症をおこすインフルエンザを死亡者数だけでコロナと比べることでインフルを軽視していることとか)