2019-05-01

[ProMED]Konzo病-コンゴ共和国:キャッサバ中毒

Konzo disease -Congo DR: cassava poisoning

2019-04-27

http://www.promedmail.org/post/6443887

Date: Wed 24 Apr 2019 Source: Digital Congo [in French, machine trans., edited]

コンゴの南西Feshi地域でここ数ヶ月Konzo病が猛威を振るっている。特に4-18才の子どもや青少年で酷く、たくさんの子どもが麻痺して苦境の中に放置されている。Feshi病院センターはリソース不足で対応できない。Feshiはアクセスが困難な地域である。

Konzoはビターキャッサバを摂取することによる病気で、これらはシアン化物を除去するため通常最低でも4日間は水に晒す必要があるが多くの人がそれを守らない

(編集者からの注記でコンゴが今エボラ対策で注目されていることに言及)

 

[ProMED]生のペットフード-米国:警告

Raw pet food diets - USA: warning

2019-04-27

http://www.promedmail.org/post/6443759

Date: Wed 24 Apr 2019 Source: WKYT [edited]

FDAとCDCが犬猫に生の餌を与えないように助言しているが、ますます流行している。今やペットフード店の売り場に並んでいる 。「自然にかえることが生物学的に適切だと主張されている。狼が缶詰を見つけることはない。」しかし完全生肉は良いものではない。必要な栄養素が不足し細菌がいる。多くの飼い主が完全生を与えるようになって地元の獣医師は困難に見舞われている。「サルモネラで死亡したペットがいる。飼い主にも中毒のリスクがある」

(解説等略)

 

[ProMED]アンモニア中毒-米国(イリノイ)ヒト怪我

Ammonia poisoning - USA: (IL) human injury

2019-04-27

http://www.promedmail.org/post/6443823

Date: Thu 25 Apr 2019 Source: Lemonwire [edited]

シカゴ北部郊外の化学物質流出事故で37人が入院

2019年4月25日の午前5時少し前、Beach Parkに有害物質の流出がありGreen Bay Road と29th Streetの半径1マイルに「危険な化学物質の雲」ができた。流出したのは無水アンモニアのようだ。地域住民は窓を閉めて屋内に留まるように要求された。午前9:20に封じ込めが発表された。

トラックのタンクからの流出の原因は不明。しかし違法薬物製造業者らがタンクを入手しようとしていることはよく知られている。タンクのバルブの細工は開けようとするまでわからないかもしれない

 

[ProMED]毒虫 英国:(イングランド)

Toxic caterpillar - UK: (England)

2019-04-26

http://www.promedmail.org/post/6442706

Date: Thu 25 Apr 2019 Source: MK Citizen [edited]

ひどい発疹と喘息すらおこす毒虫がMilton Keynes周辺でみつかっている

brown-tail moth(_Euproctis chrysorrhoea_)  の幼虫

 

[DWI]消費者の苦情についての企業向けガイダンス

Drinking Water Inspectorate

Guidance to water companies 

Guidance on Consumer Complaints

24 April 2019

http://www.dwi.gov.uk/stakeholders/guidance-and-codes-of-practice/2019_consumer_complaints.pdf

 

 

[WHO]新しい報告書は抗菌剤耐性危機を回避するために緊急対応を要請

New report calls for urgent action to avert antimicrobial resistance crisis

29 April 2019

https://www.who.int/news-room/detail/29-04-2019-new-report-calls-for-urgent-action-to-avert-antimicrobial-resistance-crisis

国連や国際機関が合同で報告書を発表した

 

-もう待てない:薬剤耐性感染から未来を守る

No Time to Wait: Securing the future from drug-resistant infections

https://www.who.int/antimicrobial-resistance/interagency-coordination-group/final-report/en/

 

-FAO

New report calls for urgent action to avert antimicrobial resistance crisis

29 April 2019

http://www.fao.org/news/story/en/item/1191036/icode/

 

[WHO]支援が滞りエボラの事態は悪化

Ebola situation worsening while support lags

30 April 2019

https://www.who.int/news-room/detail/30-04-2019-statement-from-who-high-level-mission-to-butembo-drc-ebola-situation-worsening-while-support-lags

 

[WHO]新しいWHOの研究:欧州は子どもの肥満と戦っている、そして専門家は母乳を与えることが子どもの肥満を予防すると確認

WHO欧州地域事務所

New WHO studies: Europe battles childhood obesity and experts confirm breastfeeding protects against child obesity

http://www.euro.who.int/en/health-topics/noncommunicable-diseases/obesity/news/news/2019/4/new-who-studies-europe-battles-childhood-obesity-and-experts-confirm-breastfeeding-protects-against-child-obesity

今年の欧州肥満学会で発表された二つの研究

10年以上前に設立されたWHO Childhood Obesity Surveillance Initiative(COSI )

(母乳を与えることで肥満が予防できると証明されたわけではなく、母乳を与えられていない群の子ども達の肥満率が高いというだけ。)

 

[COT]2019年5月7日の会合の議題

COT Meeting: 7 May 2019

Last updated: 

24 April 2019

https://cot.food.gov.uk/cot-meetings/cotmeets/2019/cot-meeting-7-may-2019

・新規飼料添加物3-ニトロオキシプロパノール(3-NOP)の雄性生殖毒性

・乳幼児の食事中のマイコトキシンによるリスクのレビュー、フザレノンX、シクロピアゾン酸、パツリン

・乳幼児の食事中の2-MCPD, 3-MCPDおよびグリシドールとその脂肪酸エステルのリスクのレビュー

・乳幼児の食事中の多環芳香族炭化水素のリスクについてのスコーピングペーパー

・リン酸ベースの難燃剤とその神経発達毒性についての声明案

・電子タバコの毒性学的リスク:香料 バニリン、桂皮アルデヒド

 

[FDA]FDAウェブサイト刷新

FDA.gov Website Refresh

04/25/2019

https://www.fda.gov/about-fda/about-website/fdagov-website-refresh

 

[PHE]健康保護報告

HPR volume 13 issue 14: news (26 and 29 April)

https://www.gov.uk/government/publications/health-protection-report-volume-13-2019/hpr-volume-13-issue-14-news-26-and-29-april

・2018親のワクチンへの態度調査

1991年から毎年行っている親のワクチンへの意識調査で2018年は子どもへの予防接種を全て計画通り行っていると自己申告した保護者が91%と過去最高になった。2010年は72%だった。最も信頼できる情報源は医師でソーシャルメディアとインターネットが最も信頼できないものだった。情報源として質が高く入手しやすい印刷物が重要であることが示唆された

・喫煙したことのない人の肺がんの環境要因

英国では毎年6000人の喫煙経験のない人の肺がん死亡があると推定されているが、肺がんは喫煙者だけがなる病気だという誤解がある。そのため非喫煙者でも大気汚染やラドンや受動喫煙でがんになることへの啓発が必要である

 

[FTC]FTCは2014年から2017年の間に「羊膜幹細胞療法」という詐欺的宣伝で販売されたものを購入した消費者に約$515,000を返金

FTC Returns Almost $515,000 to Consumers Who Bought Deceptively Marketed “Amniotic Stem Cell Therapy” Between 2014 and 2017

April 30, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/04/ftc-returns-almost-515000-consumers-who-bought-deceptively

Regenerative Medical Group および Telehealth Medical Groupがパーキンソン病、自閉症、多発性硬化症、心疾患などの重大な病気を治療できると根拠無く宣伝していたもの

 

[EU]予防接種:デマには反対と明言する時!欧州予防接種週間にJyrki Katainen副委員長からの声明

Vaccination: Time to speak out against disinformation! Statement by Vice – President Jyrki Katainen on European Immunisation Week

Brussels, 26 April 2019

http://europa.eu/rapid/press-release_STATEMENT-19-2254_en.htm

ユーロバロメーター調査の結果からは欧州市民の85%は予防接種が感染症予防のため効果的な方法だと信じている。そして大部分は医療の専門家を信頼して相談している。しかし48%が予防接種には重大な副作用がしばしばあると間違って信じていて38%が予防接種が原因でその病気になると考えている。このことはワクチンデマとの戦いがまだまだ終わらないことを示す。

 

-ユーロバロメーター488 欧州人のワクチンへの態度

Special Eurobarometer 488

Europeans’ Attitudes Towards Vaccination – First Special Eurobarometer Published

http://ec.europa.eu/commfrontoffice/publicopinion/index.cfm/survey/getsurveydetail/instruments/special/surveyky/2223

(フランスが反ワクチン強いような)

 

論文

-複数の水道水の汚染物質の複合リスクを評価する新しい方法

A novel method for assessing combined risk of multiple tap water pollutants

30-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/ewg-anm042319.php

カリフォルニアの水道水の一連の汚染物質は15000人のがんの原因になりうる

Environmental Healthに発表されたEWGの計算

Applying a cumulative risk framework to drinking water assessment: a commentary

Environmental Health201918:37

https://ehjournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12940-019-0475-5

(評価というか最大限に悪いことがおこると見積もった値。そのほとんどは天然に存在するヒ素によるもの。EWGはこれは加算だから相乗作用がおこるともっと悪影響があると主張。この計算でのヒ素に比べたら他の合成化合物の影響など無視できるレベルだと知っていて農薬の悪影響を宣伝するのがEWGのひどいところ。)

 

-禁煙は閉経後女性の膀胱がんリスク低下と関連

Quitting smoking is associated with reduced risk of bladder cancer in postmenopausal women

1-May-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/aafc-qsi042919.php

Cancer Prevention Research

 

-購入者は地元産の農作物の質を諦めるか?

Are buyers willing to forgo quality in locally grown produce?

29-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/lu-abw042919.php

Journal of Food Distribution Researchに発表されたブロッコリーでの調査。大手のバイヤーには地元産だからといって質の低い(見た目の悪い)ものが許容されるわけではない。小規模自然食品店のほうが品質については寛容。

 

-食品の包装にある表示は健康についての考えで消費者を誤解させている

Food packaging claims mislead consumers with ideas of health

29-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/i-fpc042919.php

研究が食品ブランドが「健康的」を主張するための4つの方法と、これらが実際の栄養の質に関係ないにもかかわらず、朝食シリアルへの消費者の期待や選択にどう影響するのかを発見

Journal of Public Policy & Marketingに発表されたINSEAD とVanderbilt大学のマーケティング教授らによる研究。633の朝食シリアルのうち460には健康や栄養に関する強調表示があった。それを4つに分類した。

・ポジティブなものを加える-ビタミンやカルシウムが多い、等

・ネガティブなものを排除する-グルテンフリーや低塩等

・ネガティブなものを加えない-合成香料不使用等

・ポジティブなものを排除しない-オールナチュラルやピュアなど

消費者はネガティブなものが存在しないという宣伝よりポジティブなものが加わっているという宣伝によりポジティブな態度を示した。また自家製や保存料不使用などの宣伝は美味しいと信じ低脂肪や低糖は減量に役立つと信じる。

しかし「健康的」という強調表示と実際の栄養の質の間の関連はほぼゼロ(0.04)だった

 

-川の野生生物にコカイン、医薬品、農薬が検出される

New study finds river wildlife contain cocaine, pharmaceuticals and pesticides

30-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/kcl-nsf043019.php

Environment Internationalに発表された英国の川の野生生物(淡水エビ)を対象にした研究

全てからコカインが検出された。他に違法薬物ケタミンや禁止された農薬フェヌロンなどが検出されている。濃度は低い

 

-The Lancet:

はしか根絶:手が届きそうだったのに遠ざかる目標

Measles eradication: a goal within reach, slipping away

The Lancet: Editorial|Volume 393, ISSUE 10182, P1669, April 27, 2019

ワクチン躊躇は単なる個人的問題ではない

 

オフライン:日本-豊かな国、大きな疑問

Offline: Japan—rich nation, big questions

Richard Horton

Comment|Volume 393, ISSUE 10182, P1682, April 27, 2019

令和の時代がbeautiful harmonyとなれるかは人口減で将来予測が暗い中、移民の受け入れ拡大などで世界との協調路線を拡大できるかどうかによる

(柳美里Tokyo Ueno Station (2019)というのは「JR上野駅公園口」の翻訳かな。) 

 

Elisabete Weiderpass:IARCの新たな航路を描く

Elisabete Weiderpass: charting a new course for IARC

Perspectives|Profile|Volume 393, ISSUE 10182, P1689, April 27, 2019

Elisabete Weiderpass長官の経歴

 

その他

-栽培品種にする前の野菜や果物はどうだったか

Here's What Fruits And Vegetables Looked Like Before We Domesticated Them

TANYA LEWIS, BUSINESS INSIDER

 20 SEP 2018

https://www.sciencealert.com/fruits-vegetables-before-domestication-photos-genetically-modified-food-natural

スイカ、バナナ、ナス、ニンジン、トウモロコシ、桃

 

-SMC UK

コメと肥満を調べた学会ポスターへの専門家の反応

expert reaction to conference poster looking at rice and obesity

May 1, 2019

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-conference-poster-looking-at-rice-and-obesity/

欧州肥満学会で発表された研究が一人一日コメ1/4カップを余計食べると世界の肥満レベルが1%減るかもと言う

Reading大学栄養と健康准教授Gunter Kuhnle博士

面白い研究だが単純に二つのことを見てそれに関連があると想定している-それだけではそれが原因なのか他の理由なのかを知ることはできない。

この研究は国連とFAOの質の高いデータを使って標準的手法で解析してコメを多く食べる国の肥満率がコメをあまり食べない国の肥満率より低いことを示した。著者らはいくつかの要因を調整しているものの、国と国を比較したものであって個人ではないこと、GDPのようなもので調整したとしても観察された関連は主に一人あたりのGDPが低いアジアの国によるものであることに注意が必要である。従ってこれが他の集団にあてはまるかどうかには大いに疑問である。関連は少数の国によって生じていて世界的事実ではなくアジア以外にはあてはまらないだろう。

白米は主に炭水化物であり、ジャガイモや穀物由来の炭水化物と肥満への影響が違うと想定する理由はない。さらに白米には微量栄養素が少なく、この文脈では肥満率に影響する他の要因の代理指標である可能性が非常に高い

Exeter大学糖尿病と肥満上級講師Katarina Kos博士

この研究はコメを多く食べる国ではBMIが低いという観察を行った。肥満の定義はBMI30以上とした。しかしBMIが低いことが健康であるとは示せていない。肥満の合併症である糖尿病発症には人種が関係することを忘れることはできない。アジアでは糖尿病発症の閾値はもっと低く、そのことはリスクを評価する際に考慮されている。日本や中国では肥満はBMI28以上でインドでは27以上である。これらの国はコメの摂取量が多い。従ってBMIだけを見て脇道にそれるべきではない。

(日本からの発表で英国人に日本人のことを指摘されるのって恥ずかしくないか?

プレスリリースはこちら。コメを食べると肥満予防と言ってしまっている

International study suggests that eating more rice could be protective against obesity

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/eaft-iss043019.php

同志社女子大学 Professor Tomoko Imai

他にも肥満学会の発表に関するつっこみ記事多数。肥満の「研究」が盛んになればなるほど肥満が増えるんじゃない?)

 

2019-04-26

[EFSA]#EUandMyFood –EUの食品安全性の価値を促進

#EUandMyFood – promoting the value of EU food safety

24 April 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190424

EFSAEU加盟国と欧州委員会は共同で#EUandMyFoodというキャンペーンを開始した。一般食品法で2002年に作られた欧州食品安全性システムから、私達がどのように全ての恩恵を受けているかをEU市民に再認識させることを目的としている。

私達は皆、食品が好きである。食品は家族の健康、文化、伝統、最も良き思い出を与えてくれる。

キャンペーン開始に当たり、EFSAの長官Bernhard Url氏は述べた、「私は欧州の総合プロジェクトの熱烈な信者である。多くの場合、私達は認識していないが、5月の欧州選挙に向けて、EUがいかに私達の日常生活に良い影響を与えているか再認識するいいタイミングである。EU加盟国や欧州委員会でEFSAと私達のパートナーが貢献できるのは、食品の安全性である。

EUandMyFoodは、私達が信頼できる欧州の安全で栄養のある食品についてである。動物の健康を尊敬することや、動物の扱い方についてである。私達や動物がそれぞれ食べる食品や飼料穀物を維持する環境土壌、水、空気に責任を持つことである。」

EU全域のキャンペーン

EUandMyFoodキャンペーンは欧州委員会の健康及び食品の安全性総局の支援を受けてEFSAEU加盟国の国立食品安全性機関が共同で促進している。EU市民がいかに世界で最高の食品の安全性基準から恩恵を受けているかをEUの公用語24全てで要約した、一連のショートフィルム・アニメーション・特別サイトを、私達は共に製作した。

本日開始を記念し、私達は「食品は生命維持に欠かせない―EUと私達の食品」と題した新しいビデオを共有できることをうれしく思う。

私達はみなさんの食品の安全性を保つために、EFSA、加盟国、欧州委員会、他のEU機関と共に歩んでいくつもりである。

背景

全てのEU市成人市民が欧州議会の代表を選ぶ機会である次期欧州選挙は2019523-26日に開催される。#EUandMyFoodは、市民の毎日の生活にEUがもたらす価値を強調するEU機関や政府機関の優先事項の一つである。EU24の全公用語での追加情報は以下参照。

thistimeimvoting.eu

https://www.thistimeimvoting.eu/

EUandMe

https://europa.eu/euandme/frontpage_en

EU Together We Protect

https://europa.eu/euprotects/content/homepage_en

 

 

[EU]RASFF Week16-2019

警報通知(Alert Notifications

キプロス産植物性マーガリンのグリシジルエステル類(1586 µg/kg)、ナイジェリア産英国経由パーム油の未承認着色料スーダン4 (700 µg/kg)、イタリア産チルドニジマスの未承認物質ロイコマカライトグリーン(13.4 µg/kg)、ポーランド産リンゴのクロルピリホス(0.14 mg/kg)、ポルトガル産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル、スペイン産冷凍メカジキの水銀(1.6 mg/kg)、オランダ産有機カカオニブのカドミウム(0.78 mg/kg)、ポーランド産原料リトアニア産天然ヘンプ抽出物の未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (3213 mg/kg)および未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ドイツ産ヘンプ入り塩の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD) (301 mg/kg)

注意喚起情報(information for attention

イスラエル産パセリの未承認物質ジチオカルバメート(61.4 mg/kg)、香港産皿からのホルムアルデヒド(99.76 mg/kg)およびメラミン(25.16; 3.03 mg/kg)の溶出、オランダ産大麻入りビスケット・茶・コーヒー・キャンディ製品の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、シリア産酢漬けのカブの未承認着色料ローダミンB (24.3 mg/kg)、タイ産ジャックフルーツのクロルピリホス(0.05 mg/kg)および未承認物質オメトエート(0.051 mg/kg)

フォローアップ用情報(information for follow-up

オランダ産CBDオイルカプセルの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (603 mg/kg)および未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、イタリア産飼料用ケイ酸アルミニウムナトリウムの鉛高含有(68.5 mg/kg)、スペイン産ヘンプオイルの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ベトナム産ドイツ経由冷凍バサ(ナマズ)のクロルピリホス(0.069 mg/kg)および未承認物質フィプロニル(0.085 mg/kg)、ドイツ産七面鳥用飼料の亜鉛高含有(195 mg/kg)

通関拒否通知(Border Rejections

中国産メラミン製食器からのメラミンの溶出(6.1 mg/kg)、中国産レーズンのオクラトキシンA (15.49 µg/kg)、インド産チリの未承認物質エチオン(0.34 mg/kg)、中国産木炭バーベキューからのニッケルの溶出(0.6; 0.4; 14.9 mg/kg)および高濃度の総溶出量(17; 49 mg/dm²)、イスラエル産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 9.9; Tot. = 10.6 µg/kg)、インド産乾燥ホールレッドチリのアフラトキシン(B1 = 7.0 µg/kg)、ナイジェリア産飼料用殻をとったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 437 µg/kg)、中国産メラミン製箸からのホルムアルデヒドの溶出(15.4 mg/kg)、インド産ナツメグのアフラトキシン、エジプト産チルドハタの水銀(0.64 mg/kg)、中国産メラミン製マグのホルムアルデヒドの溶出(19.9 mg/kg)、トルコ産ピスタチオ粉のアフラトキシン(B1 = 15.3; Tot. = 18.1 µg/kg)

 

[EU]食品中トランス脂肪

Trans fat in food

https://ec.europa.eu/food/safety/labelling_nutrition/trans-fat-food_en

2019424日に欧州委員会が規制を採択

・動物脂肪に天然に存在するものを除き、消費者に提供される及び小売りされる食品の最大トランス脂肪限度は脂肪100gあたり2g

・遵守期限は202141

ファクトシート

Factsheet (2019)

https://ec.europa.eu/food/sites/food/files/safety/docs/fs_labelling-nutrition_transfats_factsheet-2019.pdf

(ファクトシートというかインフォグラフィクスというか)

 

[EU]新規食品申請の要約追加

Summaries of novel food applications added

https://ec.europa.eu/food/safety/novel_food/authorisations/summary-applications-and-notifications_en

定期的に更新

 

[CFIA] 特定食品中ダイオキシン及びダイオキシン様化合物(201241-2014331)

Dioxins and Dioxin-Like Compounds in Selected Foods - April 1, 2012 to March 31, 2014

Food chemistry – Targeted surveys - Final report

2019-04-17

http://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2019-04-17/dioxins-and-dioxin-like-compounds-in-food/eng/1551804364813/1551804419782

要約

ターゲット調査(Targeted survey)は潜在的な食品ハザードに関する情報を提供し、CFIAの定期モニタリング計画を強化する。ターゲット調査は、食品供給の安全性に関するエビデンスを提供し、潜在的な新興ハザードを特定し、また、限られたあるいは存在しない食品カテゴリーへの新しい情報やデータに貢献している。ターゲット調査はしばしば、CFIA がよりリスクが高いと思われる分野への監視を強化するために使用される。この調査はまた、業界がカナダの規制をどのように遵守しているかについて、傾向を把握し、情報を提供することにも役立つ。 

この調査の主な目的は、カナダの小売店で販売されている植物油脂、乳製品を含む食品、乳製品のバター/ラード、チーズ、食事代用食品、プロテインサプリメント及び乳幼児用調製粉乳に含まれるダイオキシン及びダイオキシン様化合物の存在及び濃度に関する情報を作成することである。

総計1096の検体が販売店から採取された。検出可能レベルのダイオキシン及びダイオキシン様化合物は検査された検体の98%から検出された。これは環境における広範囲にわたる存在と残留性、脂肪組織への蓄積性、食品チェーンでの濃縮性及び現在の高感度分析法を考慮すると予測がつくものである。

カナダの食品医薬品法は不純物が混入した食品の販売を禁止し、カナダ食品医薬品規則(FDR)では、魚を除いて塩化ジベンゾパラダイオキシンを含む食品は不純物を含むものとしている。この規制は何年も前に設定されたもので、ヘルスカナダから時代遅れで達成不可能だと考えられている。ヘルスカナダはダイオキシンによって引き起こされる包括的なリスクの再評価を行っており、現在、カナダのガイドラインとして、合同食品添加物専門家会議(JECFA)のダイオキシン及びダイオキシン様化合物の耐容月間摂取量70pg/kg/monthを使用している。

この調査で観察されたダイオキシン及びダイオキシン様化合物の濃度は、消費者にとって有害であるかどうか判断するためにヘルスカナダの化学安全課よってレビューされた。この調査で検出された濃度は、カナダ市民の消費にとって安全であると考えられ、製品回収は全く必要ない。

以下このサイトに過去のデータも含めて検査結果記載

 

[RIVM]衣類由来のマイクロプラスチック汚染への対策

Measures against polluting microplastics from garments

04/24/2019

https://www.rivm.nl/en/news/measures-against-polluting-microplastics-from-garments

化繊の衣類を着ると、使用や洗濯などでマイクロプラスチック繊維が放出される。下水処理施設でこれらの50-90%が除去されるが残りは地表水に放出されそこに棲む生物に悪影響を与える可能性がある。RIVMは衣類から水系に入るマイクロプラスチックの量を減らすための対応の展望を提供する。

地表水からマイクロプラスチック繊維を飲み込んだ生物はそれを食物連鎖でより大きな水棲動物に伝える。繊維は消化を阻害し炎症を誘発し成長を抑制する可能性がある。衣類の生産と使用は大気中へのマイクロプラスチック繊維の放出の原因ともなり、より広範に環境中に拡大する。食品や環境中のマイクロプラスチックの影響はまだよくわかっていないが、すくなくともそこにあるべきものではない。テキスタイルに関係する全ての人がやれることがある:生産者、消費者、洗濯機製造業者、下水処理。これは必要で実行可能である

より少ない繊維

例えば衣類製造業者はマイクロプラスチック繊維の放出が少ない素材を開発して使用することができる。また持続可能な環境に優しい素材を使ってフリースを使わないようにできる。

消費者は衣類の洗濯回数を減らすこと、液体洗剤を使うこと、低温で洗濯することによって環境中マイクロプラスチックを減らせる。また洗濯機や乾燥機のフィルターは洗わずに手や掃除機でゴミをとりゴミ箱に捨てる。使用マニュアルも改訂すべきだろう。

洗濯機製造業者はフィルターを開発できる。政府は欧州規制においてマイクロプラスチックに注目を増やすことができる

世界で生産されるテキスタイルの約70%が合成素材である。

 

[WHO]脂肪、油、食品およびフードサービス業界は2023年までに加工食品から工業由来トランス脂肪を排除する世界的努力に協力すべき

Fats, oils, food and food service industries should join global effort to eliminate industrial trans fat from processed food by 2023

23 April 2019

https://www.who.int/news-room/detail/23-04-2019-fats-oils-food-and-food-service-industries-should-join-global-effort-to-eliminate-industrial-trans-fat-from-processed-food-by-2023

Tedros Adhanom Ghebreyesus事務局長の声明

(目標は食品の油脂100g中トランス脂肪2g未満

ただし飽和脂肪はダメ)

 

[WHO]ワクチンと守る力

Vaccines and the power to protect

https://www.who.int/campaigns/world-immunization-week/world-immunization-week-2019/vaccines-and-the-power-to-protect

世界予防接種週間によせて

ワクチン躊躇についても相当詳しく記述

 

[Codex]オランダとインドネシアがコーデックス汚染物質会議を共同主催する

Netherlands and Indonesia co-host Codex contaminants meeting

25/04/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1191862/

オランダは2017年に汚染物質部会の主催を始め、それから13回の会合のうち5回が海外での共催である。そして2019429日からインドネシアが6つめの場所になるだろう

 

-バングラデシュで、国の基準をコーデックスと調和させる

Harmonizing national standards with Codex in Bangladesh

24/04/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1191645/

バングラデシュ食品安全局(BFSA)の高官、省庁関係者、学術専門家、学生、食品企業代表者、FAOの担当者がコーデックスと国の食品基準の調和について理解するために201944日にバングラデシュのDakarで会合した。

 

その他

-デングの研究者がワクチン失敗で告訴される

Dengue researcher faces charges in vaccine fiasco

Fatima Arkin

Science  26 Apr 2019:Vol. 364, Issue 6438, pp. 320

フィリピンの高名な小児科医で医学研究者のRose Capedingがデング熱に対するワクチンDengvaxiaの導入失敗あるいは早すぎたとして起訴され最大48年の拘留の可能性がある

フィリピンFDA2015年にゴーサインを出したDengvaxia20164月から政府が学校で予防接種計画を始めた。しかしその後デング感染歴のない子どもの症状を悪化させることがわかり政府は予防接種キャンペーンを中止した。2018年にワクチンの関与した可能性のある子どもの死亡19人が報告され「集団ヒステリー」の引き金を引いた。親たちは子供たちがみんな死んでしまうと考えた。

 

-くっつきやすい農薬は害のある流出を予防できる

Sticky pesticide could prevent harmful runoff

Erik Stokstad

Science  26 Apr 2019:Vol. 364, Issue 6438, pp. 318

多くの農薬の弱点である、有効成分が植物に良く粘着しないという問題に研究者が取り組んだ。二つの別々のアミノ酸鎖(ペプチド)をもつ分子を作り、一つは葉のワックス状の表面に埋め込まれて雨にも流れないようにくっつき、もう一つが槍のように微生物害虫を攻撃する。Green Chemistryに発表された実験室での試験では大豆さび病の症状を減らした

 

-The Lancet:ピーナッツアレルギー経口免疫療法は、避けることやプラセボよりアレルギー反応を増やす

The Lancet: Peanut allergy oral immunotherapy increases allergic reactions, compared with avoidance or placebo

25-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/tl-pss042419.php

ピーナッツアレルギーの経口免疫療法は病院では効果的に脱感作を誘導するものの、プラセボや避ける群と比較してアレルギーやアナフィラキシー反応を相当増やすようだ

著者らはより安全な治療アプローチと厳密なRCTが必要だという

現在の経口免疫療法は現実世界での効果を示せていない

 

-個別栄養は入院患者に利益を示す

Individual nutrition shows benefits in hospital patients

25-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/uob-ins042519.php

The Lancetに発表されたBasel大学とAarau Cantonal病院の研究者らによる研究。スイスの8病院2000人以上の患者の参加した初めてのRCT。栄養士が個別の栄養計画を作った群では栄養状態が良かっただけではなく病気治療の結果も一般的に改善し、合併症と死亡率が減った。

 

SMC UK

-ピーナッツアレルギー経口免疫療法とアレルギー反応の研究への専門家の反応

expert reaction to study on peanut allergy oral immunotherapy and allergic reactions

April 25, 2019

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-on-peanut-allergy-oral-immunotherapy-and-allergic-reactions/

The Lancetに発表された研究がピーナッツアレルギー経口免疫療法はアレルギー反応を増やすことを示した

King’s College London小児アレルギー専攻MRC臨床科学者Alexandra Santos博士

これは非常に興味深い研究で、12RCTの系統的レビューとメタ解析である。これまでの研究では経口免疫療法は脱感作を誘発することが示されていた、それは治療中に病院でチャレンジしたときに摂取できる量が増えることである。しかし経口免疫療法で患者が長期的にピーナッツを食べられるようになるという根拠はなかった。この系統的レビューでは管理されていない日常生活でのアレルギー反応は、アレルゲンを避けるという標準的方法の場合より多くなることが示された。これらの知見はピーナッツアレルギーの経口免疫療法が効果的で疾患修飾治療法になるかどうかに疑問を提示する

ロンドンQueen Mary大学免疫学講師で英国免疫学会広報Louisa James博士

経口免疫療法の長期影響はまだ完全にわかっているわけではない。異なるアプローチが検討されているがそれらはRCTによる評価が必要だろう

ケンブリッジ大学病院NHS財団トラストケンブリッジピーナッツアレルギークリニック小児科相談医Andrew Clark博士

経口免疫療法のパイオニアとして我々は独特の知見がある。この論文は免疫療法の一側面のみを提示したものである。さらなる研究が必要なことには合意する

王立国立アレルギー耳鼻咽喉科病院相談医Glenis Scadding博士

Evelina Londonの子どものアレルギー相談医George du Toit教授

(それぞれ重要な指摘があるが略。アレルギーに関して素人療法は厳禁)

 

-食品保存料と代謝とインスリン抵抗性変化を関連させた研究への専門家の反応

expert reaction to study linking a food preservative to altered metabolism and insulin resistance

April 24, 2019

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-linking-a-food-preservative-to-altered-metabolism-and-insulin-resistance/

Science Translational Medicineに発表された研究がプロピオン酸がマウスでの体重増とグルコース生産、人でのインスリン抵抗性を増やすことを示した

オックスフォード大学ヒト代謝名誉教授Keith Frayn教授

著者らは食品添加物E282として知られる、カビの増殖を抑制するのに使用されるプロピオン酸カルシウムを調べた。彼らはそれが血糖値を上げて糖尿病のリスクを増やす可能性があると示唆する。プロピオン酸はヒトの血液中の正常な構成成分である。大腸で食物繊維に細菌が作用して生じる。そして食物繊維の摂取量を増やすことはプロピオン酸やその他揮発性脂肪酸濃度の増加を伴い、それは代謝に有益な作用があるという根拠がある。

従ってこの研究は口から摂ったプロピオン酸が腸内で合成されるものと違う作用があるのかという疑問を提示する。この研究はマウスの部分は質が高いようだがヒトの研究はそれほど説得力がない。著者らは血中プロピオン酸濃度の増加がごく僅かで有害影響を示しているようだが、その増加は食物繊維を多く摂った場合より少ない。このことは、食品添加物としてのプロピオン酸の使用を糾弾する前にヒトでさらなる研究が必要であることを示唆する

 

 

2019-04-25

[NHS]定期的に朝食を抜くことは心疾患と脳卒中のリスク増大と関連がある

Regularly skipping breakfast linked to increased risk of heart disease and stroke

Tuesday April 23 2019

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/regularly-skipping-breakfast-linked-increased-risk-heart-disease-and-stroke/

「朝食を抜くことは心疾患のリスクが87%増加する可能性がある、と研究は発見する」とSunは報道する。これは50歳前後の成人6,500人以上の朝食習慣を調べた米国の研究によるものである。その後、総合的及び特殊な原因による死亡者数を調べた。

その後18年にわたって3分の1の人が死亡したが、朝食を食べることと総合的な死亡リスクにはなんの関連もなかった。研究者が例えば心発作や脳卒中のような心血管系死因を調べると、関連の可能性を発見した。朝食を全く食べないと報告された人は、毎日朝食を食べた人に比べて、心血管系死亡のリスクが87%増大することがわかった。しかし、朝食を食べないことが直接心血管系死亡のリスクを増大させることを証明することはできない。例えば健康的でない食生活や活動的でないことのような、朝食を食べないこととも関係する他の生活習慣が、関連を曖昧にする可能性がある。

全体として、研究は健康的なライフスタイルの一環として朝食を食べることがいいという一般的な理解を裏付けするが、朝食に何を食べるかという質も重要である。健康的な朝食についての助言は以下で読むことができる。

https://www.nhs.uk/live-well/eat-well/healthy-breakfasts-recipes/

 

[BfR]甘味料スクラロースを含む食品を加熱すると有害な化合物ができるかもしれない

Harmful compounds might be formed when foods containing the sweetener Sucralose

are heated

9 April 2019

https://www.bfr.bund.de/cm/349/harmful-compounds-might-be-formed-when-foods-containing-the-sweetener-sucralose-are-heated.pdf

 スクラロースは食品添加物E 955としてEUで認可されている甘味料である。BfRは、高温におけるスクラロースの安定性と、有害な可能性のある塩素化合物の生成に関する現在のデータ状況を評価した。

入手可能なデータによると、スクラロース、特に缶詰野菜や焼き菓子などのスクラロース含有食品を加熱すると、中には発がん性があるかもしれない有害な化合物が発生する可能性があることを示している。スクラロース(E 955)を120℃より高い温度に徐々に加熱し、さらに温度が上昇し続けると、甘味料の分解と脱塩素が起こる。120℃から150℃は食品の工業的な製造及び加工中にありそうな温度であり、またスクラロース含有食品の調理とオーブンなどで焼く過程において、一般家庭でも到達可能である。これは、ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、クロロプロパノールなど、健康を害する可能性のある塩素化有機化合物の形成につながる可能性がある。

しかし、最終的な結論を引き出すには今のところデータが不十分である。スクラロース含有食品を120℃以上の温度に加熱したときに、どの有害反応生成物が生成されるのかの詳細がわからず、それらがどの程度生成されるかも不明である。加えて、リスク評価に含まれる暴露推定には、様々な方法で製造されたスクラロース含有食品における(有害反応生成物の)濃度に関する代表的データが必要である。

EFSAは、規則(EC)No. 1333/2008及び規則(EU)No. 257/2010に従い認可された食品添加物の再評価に伴い、現在スクラロースを取り扱っている。BfRはその他の甘味料より優先的にスクラロースの再評価を行うべきと考える。評価結果はまだ確定していないため、リスク評価の結論が出るまで、BfRは、スクラロースを含む食品を焼く、揚げる、ローストする間に生じる温度(約120℃から250℃)まで加熱しないこと、又は加熱後にのみスクラロースを添加することを推奨する。これは一般消費者及び食品製造業者に同様に適用される。

 現時点でデータ示す、スクラロースを他の食品と組み合わせて加熱した場合に形成される可能性のある重要な化合物の例は次の通り。

         クロロプロパノール類:3-モノクロロ-1,2-プロパンジオール(3-MCPD)、1,3-ジクロロ-2-プロパノール(1,3-DCP)、1,2−ジクロロプロパノール(1,2-DCP)を含む。この群の物質の特徴は、少なくとも1個のヒドロキシル基が塩素原子で置換されている基本構造を有すること。

           PCDD、PCDF同族体及びダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル(dl-PCB):ダイオキシン類の物質群には、塩素化ダイオキシンとフランという化学的に類似した物質が含まれ、全体としてダイオキシンのグループには様々なレベルの毒性を持つおよそ200の化合物が存在する。この中には2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン(TCDD)、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾフラン(TCDF)、2,3,4,7,8-ペンタクロロジベンゾフラン(PeCDF)などが含まれる。

           ポリ塩化ナフタレン(PCN)同族体:この群には、テトラクロロナフタレン(TeCN)、ペンタクロロナフタレン(PeCN)などの化合物が含まれる。

 

BfRリスクプロファイル(Opinion No. 012/2019)

-             影響を受けるグループ: 一般集団

-             スクラロースを含む食品の加熱(>120℃)による健康被害の可能性: 現在利用可能なデータは健康被害の可能性を評価するには不十分

-             スクラロースを含む食品の加熱(>120℃)による健康被害の重篤度: 現在利用可能なデータは健康リスクの可能性を評価するには不十分

-             利用可能なデータの妥当性: 低い(重要なデータがいくつも不足している)

-             消費者によるコントロール可能性: 予防的措置によりコントロール可能

 

[ANSES]ナノ粒子形状の二酸化チタン:ANSESは慢性吸入暴露の毒性参照値(TRV)を決める

Titanium dioxide in nanoparticle form: ANSES defines a toxicity reference value (TRV) for chronic inhalation exposure

02/04/2019

https://www.anses.fr/en/content/titanium-dioxide-nanoparticle-form-anses-defines-toxicity-reference-value-trv-chronic

 ナノ粒子形状の二酸化チタン(TiO2-NP)は、多くの産業及び商業用途で使用されている。ANSESは、健康参照値を策定するという国家的使命の一部として、この物質の毒性参照値(TRV)を決定するよう要請された。入手可能なすべての毒性データを詳細に分析した結果、ANSESは、P25形態のTiO2-NPの吸入暴露による慢性TRVとして0.12 µg / m3を推奨している。この参照値は、フランスの産業用施設および敷地管理の一環として健康リスク評価を実施する際に使用される。 この値はフランスでナノ材料に対して策定された最初のTRVでもある。

 TiO2は、その物理化学的特性に応じて多種多様な形態、特に100 nm未満のナノ粒子形態で生じる。TiO2は紫外線吸収特性とホワイトニングの性質を持ち、多くの産業及び商業用途、例えば食品添加物として、又は化粧品、顔料および塗料で使用される。R-Nanoオンラインデータベース(最小量100gを超えて生産、輸入、または流通されるナノ粒子物質の量が登録されている)に記録されたデータによると、フランスの多くの産業用地でTiO2-NPが使われており、これは労働者および潜在的には地元住民への暴露源である。TRVは、ヒトの健康に対するリスク評価のベンチマークとして使用される毒性学的指標であり、この値を下回ると、当該物質へのばく露は健康リスクをもたらさないと考えられる。

TiO2-NPの毒性学的プロファイル及び重要な影響

専門家らは科学文献及びデータの詳細な解析から、TiO2-NPが吸入曝露後に炎症現象を引き起こすこと、そしてそれは肺細胞の数及び/又は体積の増加を伴う可能性があることを示した。他の実験データからはまた、TiO2-NPが胎児の発育及びその他の臓器、特に心血管系、脳、肝臓、腎臓に影響を与えることが示された。TiO2-NPのTRVは、最も低い暴露レベルで起こる肺への影響に基づいている。

吸入による慢性TRV

ANSESは、これまでの文献で最も確認されている形態であるP25形態(アナターゼ/ルチル80/20; 21 nm)のTiO2-NPに対して慢性TRV 0.12 µg / m3を提案している。ただし現在の知識では、TiO2-P25が呼吸器経路による最も毒性の高い形態のTiO2-NPであるとは言えない。このTRVを他の形態のTiO2-NPに拡張できるかは今後検討する予定である。

さらにANSESは、TiO2-NPが高い表面反応性、高度に酸化する活性酸素類の生成、光触媒反応など、特定の形態に特有の内在的特性を有するため、吸入による発がん性物質として分類する必要性を確認している。TiO2は現在、欧州化学機関(ECHA)のリスク評価委員会によってカテゴリー2の発がん性物質として分類されることが提案されている。

TiO2-NPの利用可能な実験研究のほとんどは肺の影響に関してであったため、ANSESは、肺毒性のみならず全ての生理学的パラメータを考慮に入れて、TiO2-NPの毒性における物理化学的要素の影響を評価する追加の研究の必要性を強調する。

この専門家による評価は、REACh規則の下で進行中の評価プロセスおよびナノ粒子形態の添加物E171の経口暴露(経口摂取)による毒性評価を含む、より幅広い文脈で行われたTiO2に関するANSESの作業の一環であることを補足する。

 

[FDA]FDAは消費者用ハンドサニタイザーの安全性と有効性についての最終規則を発表

FDA issues final rule on safety and effectiveness of consumer hand sanitizers

April 11, 2019

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm635793.htm

 FDA本日、市販用(OTC)のハンドサニタイザーが安全で効果的であることを確保するための最終規則を発表した。この規則では、いくつかの有効成分がFDAのOTC Drug Reviewに基づき販売されている水なしでの使用を目的としたOTCハンドサニタイザー(正式には、消費者向け局所消毒用擦り込み製品topical consumer antiseptic rub products)に使用できないことを規定している。

 FDAの薬物評価研究センター主任Janet Woodcock氏は次のように述べた。「最終規則において、トリクロサンや塩化ベンゼトニウムを含む28種類の有効成分は、消費者向けハンドサニタイザーに使用するためのOTC Drug Reviewに基づく評価には適さないというFDAの前回の決定を確定した。」

 ハンドサニタイザーは、石けんと水で手洗いできない場合に便利な代替手段である。何百万人もの国民が毎日、時には一日に何度も、自分の手の細菌を減らすために消毒剤を使用している。疾病管理予防センター(CDC)は、石けんと流水による手洗いが、病気を防ぎ、他の人に病気を移さないようにする最も重要な行動であるとし、石鹸と水が手に入らない場合にはアルコール濃度が60%以上のハンドサニタイザーの使用を推奨している。

 2016年6月30日に提案された消費者向けハンドサニタイザー製品に関する規則の一部として、FDAは、ハンドサニタイザーに使用される有効成分の安全性と有効性を裏付ける追加の科学的データを要求した。塩化ベンザルコニウム、エチルアルコール及びイソプロピルアルコールの3つの有効成分については、消費者向けOTCハンドサニタイザー製品への使用が一般的に安全かつ有効であると認められる(GRAS/GRAE)のかどうかを決定するのに必要な、継続研究及び追加の安全性・有効性データの提出を待つため、規則策定を延期している。今のところFDAはこれら3つの有効成分を含むハンドサニタイザーを市場から排除するつもりはない。大部分のOTCハンドサニタイザーは有効成分としてエチルアルコールを使用しているため、この最終規則により影響を受ける製品は市場の3%未満と思われる。FDAは、塩化ベンゼトニウムを含むハンドサニタイザーについて数は少ないが販売は続いていること、またトリクロサンを含むハンドサニタイザーの販売は停止されたことを認識している。

 FDAの進行中のOTC消毒用有効成分の見直しにおける一連の規則策定作業は、この最終規則をもって完了する。FDAはすでに、消費者向け消毒洗浄剤(2016年9月)及びヘルスケア消毒剤(2017年12月)に関する最終規則を発表している。

*Safety and Effectiveness of Consumer Antiseptic Rubs; Topical Antimicrobial Drug Products for Over-the-Counter Human Use

A Rule by the Food and Drug Administration on 04/12/2019

https://www.federalregister.gov/documents/2019/04/12/2019-06791/safety-and-effectiveness-of-consumer-antiseptic-rubs-topical-antimicrobial-drug-products-for

 

[FDA]FDAは栄養成分表示にアルロース(プシコース)を表示する際のガイダンス案を発行

FDA Issues Draft Guidance Regarding the Declaration of Allulose on the Nutrition Facts Label

April 17, 2019

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm635882.htm

FDAは本日、栄養成分表示上に甘味料アルロースを含む製品について、炭水化物、総糖質及び添加糖類の表示、また、アルロースのカロリー値の計算に関するFDAの現在の見解を示すガイダンス案を発表した。ガイダンスは製造業者が栄養成分表示要件の遵守に役立つことを目的とする。

ガイダンス案では、FDAは製造業者に、アルロースは総炭水化物量には含めなければならないままだが、栄養成分表示上の総糖質及び添加糖類に含めるべきという要件に関しては法律執行上の自由裁量の行使をすると助言し、アルロースのカロリー計算においても、甘味料グラム当たり4カロリーでなく0.4カロリーのカロリー値を使用することを認めている。

アルロースは低カロリーの甘味料であり、小麦、レーズンや乾燥イチジクのような果物及びブラウンシュガーや糖蜜のような他の甘い糖食品に少量は自然に存在し、製造することもできる。アルロースの化学構造は他の糖類に似ているが、体内で同じようには代謝されず、カロリー値は他の糖類と同等でない。

2016年FDA栄養成分表示規則に従い、アルロースは総炭水化物、総糖質及び添加糖類に含まれ、現在の要件では、甘味料のグラム当たり4カロリーとして計算しなければならないが、FDAは最終規則で、アルロースのこれらの要件からの除外に関しては科学的に考慮する時間が必要であると述べた。FDAは上記に関するいくつかの請願を受け取っており、このガイダンス案はアルロースに関するFDAの現在の考え方を伝えている。2019年6月17日まで意見を募集する。

FDAはまもなく、栄養成分表示要件に関し、蜂蜜、メープルシロップ及び特定クランベリー製品の添加糖類表示に関するガイダンス案を最終化する予定である。

 

[FDA]FDAは化粧品業界のGMPを調べる

FDA To Survey Cosmetics Industry on Current Manufacturing Practices

April 24, 2019

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm636432.htm

 

[RIVM]CleaRはリサイクル工程で懸念となる物質のリスク評価の枠組みを提供する

CleaR delivers framework for risk assessment of substances of concern in the recycling process

04/23/2019

https://www.rivm.nl/en/news/clear-delivers-framework-for-risk-assessment-of-substances-of-concern-in-recycling-process

欧州クリーン素材リサイクルプロジェクトClean Material Recycling project ‘CleaR’の成果紹介

 

[ヘルスカナダ]カナダ政府は気候変動の健康リスクに対応する資金提供を発表

Government of Canada to announce funding to address the health risks of climate change

April 24, 2019

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2019/04/government-of-canada-to-announce-funding-to-address-the-health-risks-of-climate-change.html

25日に発表予定

 

[ヘルスカナダ]保健大臣はカナダの予防接種率向上のためのパートナーシップを発表

Minister of Health announces partnerships to improve vaccination rates in Canada

April 24, 2019

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2019/04/minister-of-health-announces-partnerships-to-improve-vaccination-rates-in-canada.html

新しいプロジェクトは予防接種へのアクセスを改善し接種率を増やすだろう

(助産師団体が関係プロジェクトに入っている)

 

[WHO]健康的に育つには、子供たちは座っている時間を少なくしてもっと遊ぶ必要がある

To grow up healthy, children need to sit less and play more

24 April 2019

https://www.who.int/news-room/detail/24-04-2019-to-grow-up-healthy-children-need-to-sit-less-and-play-more

WHOの新しいガイドラインは5才未満の子どもの運動と静かにしている行動と睡眠について

 

[WHO]世界マラリアデー

World Malaria Day

25 April 2019

https://www.who.int/campaigns/world-malaria-day/world-malaria-day-2019

 

[FSSAI]中国からの乳及び乳製品の輸入禁止に関する文書

Letter related to Ban on import of milk and milk products from China. (Uploaded on: 23.04.2019)

Letter_Import_Milk_Ban_China_23_04_2019.pdf

2008年9月24日に3か月禁止して以降度々延長されてきた中国からの乳及び乳製品の輸入に関して。2018年12月24日の通知で2019年4月23日まで禁止を延期するとしていた。この問題について2019年4月5日の会合で話し合い、輸入される港での全ての検査室がメラミンの最新検査ができるよう更新されるまで輸入禁止を延長するよう助言された。従って「中国産の乳及び乳製品、チョコレートやチョコレート製品やキャンディやお菓子/乳や乳製品を使って作る食品を含む、の輸入禁止は港の全ての検査室がメラミン検査のために適切に更新されるまで延長されるだろう」

(mayを使っていて検査の詳細定義無し)

 

論文

-アメリカ人はどのくらいの時間座っている?

How much time do Americans spend sitting?

23-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/jn-hmt041819.php

2007-2016のNHANESデータの解析により、青少年や成人の一日あたりの座っている時間が約1時間増加している。JAMA

 

-十分運動しない女性の数は多く増加している

Number of women who aren't physically active enough is high and growing

23-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/jhm-now042219.php

JAMA Network Openに発表された研究。特に40-64才

 

-よくある食品成分が糖尿病と肥満リスクをあげる?

Could a popular food ingredient raise the risk for diabetes and obesity?

24-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/htcs-cap042219.php

Science Translational Medicineに発表されたHarvard T.H. Chan School of Public Healthの研究

ヒトとマウスでのプロピオン酸投与研究

(プロピオン酸は短鎖脂肪酸として健康によいと宣伝されていることが多い。ここでは「代謝撹乱物質」と呼ばれている。どっちの説も根拠は適当で、何かの指標が変化した、というものがほとんど。好き嫌いに応じて「だから良い」「だから悪い」と主張。)

 

-若者の薬物過剰使用は増加している

Drug overdoses in young people on the rise

25-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/joso-doi042219.php

Journal of Studies on Alcohol and Drugsに発表されたアメリカの青少年の薬物中毒に関する報告。

 

-車に子どもを乗せたワシントン州のドライバーの7人中1人が最近大麻を使った

One in 7 Washington State drivers with children in the car recently used marijuana

25-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/joso-ois041919.php

Journal of Studies on Alcohol and Drugsに発表されたアメリカの道路脇での調査。14.1%がTHC陽性だった。子どもを乗せてアルコールが検出されているのは僅か0.2%。

 

-リスクと不自然さではEUのGMOに対する厳しい方針は正当化できない

Risk and unnaturalness cannot justify EU's strict policy on GMO

24-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/uoc--rau042419.php

コペンハーゲン大学人文学部とデンマーク工科大学の研究者らがTransgenic Researchに発表した論文。EUの方針はGMOに対して極めて厳しく新たなものが認可されないようになっている。理由はリスクと不自然さだがそれらは正当化できない。さらにGMO植物の使用は有機農業の原則に従う。

 

-大気汚染のリスクを否定するのを止めよ

Natureエディトリアル

Stop denying the risks of air pollution

24 April 2019

https://www.nature.com/articles/d41586-019-01234-2

米国や他の国で微粒子汚染と早期死亡を関連づける研究が攻撃されている

大気汚染はヒトを殺す。世界中の科学者が確信していて、そのために大気汚染規制が強化されてきた。それでもまだ毎年たくさんの人が大気汚染で死亡しているとWHOは推定している。最も問題が急峻なのは米国であるがフランス、ポーランド、インド、ドイツでも懐疑が広がっている。

 

その他

-ナチュロパシーによる予防接種反対

Quackwatch

Naturopathic opposition to immunization.

April 22, 2019 Barrett S.

https://www.quackwatch.org/01QuackeryRelatedTopics/Naturopathy/immu.html

ナチュロパシー(自然療法)が予防接種に反対してきたことの歴史的経緯等解説

 

-予防接種に関するナチュロパシー的ナンセンス:Jim Sensenig自然療法医への反応

Naturowatch

Naturopathic nonsense about immunization: A response to Jim Sensenig, N.D.

April 21, 2019 Stephen Barrett, M.D.

https://www.naturowatch.org/immu/sensenig.shtml

Jim Sensenigはナチュロパシーを教える立場の人。40年ナチュロパシーをやってきて予防接種をうけた「後」で病気になったこどもを何人も見たからワクチンは有害だと信じているとのこと。ホメオパシーとナチュロパシーで免疫がつけられると主張