[EFSA]#EUandMyFood –EUの食品安全性の価値を促進
#EUandMyFood – promoting the value of EU food safety
24 April 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190424
EFSAとEU加盟国と欧州委員会は共同で#EUandMyFoodというキャンペーンを開始した。一般食品法で2002年に作られた欧州食品安全性システムから、私達がどのように全ての恩恵を受けているかをEU市民に再認識させることを目的としている。
私達は皆、食品が好きである。食品は家族の健康、文化、伝統、最も良き思い出を与えてくれる。
キャンペーン開始に当たり、EFSAの長官Bernhard Url氏は述べた、「私は欧州の総合プロジェクトの熱烈な信者である。多くの場合、私達は認識していないが、5月の欧州選挙に向けて、EUがいかに私達の日常生活に良い影響を与えているか再認識するいいタイミングである。EU加盟国や欧州委員会でEFSAと私達のパートナーが貢献できるのは、食品の安全性である。
EUandMyFoodは、私達が信頼できる欧州の安全で栄養のある食品についてである。動物の健康を尊敬することや、動物の扱い方についてである。私達や動物がそれぞれ食べる食品や飼料穀物を維持する環境―土壌、水、空気―に責任を持つことである。」
EU全域のキャンペーン
EUandMyFoodキャンペーンは欧州委員会の健康及び食品の安全性総局の支援を受けてEFSAとEU加盟国の国立食品安全性機関が共同で促進している。EU市民がいかに世界で最高の食品の安全性基準から恩恵を受けているかをEUの公用語24全てで要約した、一連のショートフィルム・アニメーション・特別サイトを、私達は共に製作した。
本日開始を記念し、私達は「食品は生命維持に欠かせない―EUと私達の食品」と題した新しいビデオを共有できることをうれしく思う。
私達はみなさんの食品の安全性を保つために、EFSA、加盟国、欧州委員会、他のEU機関と共に歩んでいくつもりである。
背景
全てのEU市成人市民が欧州議会の代表を選ぶ機会である次期欧州選挙は2019年5月23-26日に開催される。#EUandMyFoodは、市民の毎日の生活にEUがもたらす価値を強調するEU機関や政府機関の優先事項の一つである。EUの24の全公用語での追加情報は以下参照。
・thistimeimvoting.eu
https://www.thistimeimvoting.eu/
・EUandMe
https://europa.eu/euandme/frontpage_en
・EU Together We Protect
https://europa.eu/euprotects/content/homepage_en
[EU]RASFF Week16-2019
警報通知(Alert Notifications)
キプロス産植物性マーガリンのグリシジルエステル類(1586 µg/kg)、ナイジェリア産英国経由パーム油の未承認着色料スーダン4 (700 µg/kg)、イタリア産チルドニジマスの未承認物質ロイコマカライトグリーン(13.4 µg/kg)、ポーランド産リンゴのクロルピリホス(0.14 mg/kg)、ポルトガル産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル、スペイン産冷凍メカジキの水銀(1.6 mg/kg)、オランダ産有機カカオニブのカドミウム(0.78 mg/kg)、ポーランド産原料リトアニア産天然ヘンプ抽出物の未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (3213 mg/kg)および未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ドイツ産ヘンプ入り塩の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD) (301 mg/kg)、
注意喚起情報(information for attention)
イスラエル産パセリの未承認物質ジチオカルバメート(61.4 mg/kg)、香港産皿からのホルムアルデヒド(99.76 mg/kg)およびメラミン(25.16; 3.03 mg/kg)の溶出、オランダ産大麻入りビスケット・茶・コーヒー・キャンディ製品の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、シリア産酢漬けのカブの未承認着色料ローダミンB (24.3 mg/kg)、タイ産ジャックフルーツのクロルピリホス(0.05 mg/kg)および未承認物質オメトエート(0.051 mg/kg)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
オランダ産CBDオイルカプセルの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (603 mg/kg)および未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、イタリア産飼料用ケイ酸アルミニウムナトリウムの鉛高含有(68.5 mg/kg)、スペイン産ヘンプオイルの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ベトナム産ドイツ経由冷凍バサ(ナマズ)のクロルピリホス(0.069 mg/kg)および未承認物質フィプロニル(0.085 mg/kg)、ドイツ産七面鳥用飼料の亜鉛高含有(195 mg/kg)、
通関拒否通知(Border Rejections)
中国産メラミン製食器からのメラミンの溶出(6.1 mg/kg)、中国産レーズンのオクラトキシンA (15.49 µg/kg)、インド産チリの未承認物質エチオン(0.34 mg/kg)、中国産木炭バーベキューからのニッケルの溶出(0.6; 0.4; 14.9 mg/kg)および高濃度の総溶出量(17; 49 mg/dm²)、イスラエル産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 9.9; Tot. = 10.6 µg/kg)、インド産乾燥ホールレッドチリのアフラトキシン(B1 = 7.0 µg/kg)、ナイジェリア産飼料用殻をとったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 437 µg/kg)、中国産メラミン製箸からのホルムアルデヒドの溶出(15.4 mg/kg)、インド産ナツメグのアフラトキシン、エジプト産チルドハタの水銀(0.64 mg/kg)、中国産メラミン製マグのホルムアルデヒドの溶出(19.9 mg/kg)、トルコ産ピスタチオ粉のアフラトキシン(B1 = 15.3; Tot. = 18.1 µg/kg)、
[EU]食品中トランス脂肪
Trans fat in food
https://ec.europa.eu/food/safety/labelling_nutrition/trans-fat-food_en
2019年4月24日に欧州委員会が規制を採択
・動物脂肪に天然に存在するものを除き、消費者に提供される及び小売りされる食品の最大トランス脂肪限度は脂肪100gあたり2g
・遵守期限は2021年4月1日
ファクトシート
Factsheet (2019)
(ファクトシートというかインフォグラフィクスというか)
[EU]新規食品申請の要約追加
Summaries of novel food applications added
https://ec.europa.eu/food/safety/novel_food/authorisations/summary-applications-and-notifications_en
定期的に更新
[CFIA] 特定食品中ダイオキシン及びダイオキシン様化合物(2012年4月1日-2014年3月31日)
Dioxins and Dioxin-Like Compounds in Selected Foods - April 1, 2012 to March 31, 2014
Food chemistry – Targeted surveys - Final report
2019-04-17
要約
ターゲット調査(Targeted survey)は潜在的な食品ハザードに関する情報を提供し、CFIAの定期モニタリング計画を強化する。ターゲット調査は、食品供給の安全性に関するエビデンスを提供し、潜在的な新興ハザードを特定し、また、限られたあるいは存在しない食品カテゴリーへの新しい情報やデータに貢献している。ターゲット調査はしばしば、CFIA がよりリスクが高いと思われる分野への監視を強化するために使用される。この調査はまた、業界がカナダの規制をどのように遵守しているかについて、傾向を把握し、情報を提供することにも役立つ。
この調査の主な目的は、カナダの小売店で販売されている植物油脂、乳製品を含む食品、乳製品のバター/ラード、チーズ、食事代用食品、プロテインサプリメント及び乳幼児用調製粉乳に含まれるダイオキシン及びダイオキシン様化合物の存在及び濃度に関する情報を作成することである。
総計1096の検体が販売店から採取された。検出可能レベルのダイオキシン及びダイオキシン様化合物は検査された検体の98%から検出された。これは環境における広範囲にわたる存在と残留性、脂肪組織への蓄積性、食品チェーンでの濃縮性及び現在の高感度分析法を考慮すると予測がつくものである。
カナダの食品医薬品法は不純物が混入した食品の販売を禁止し、カナダ食品医薬品規則(FDR)では、魚を除いて塩化ジベンゾパラダイオキシンを含む食品は不純物を含むものとしている。この規制は何年も前に設定されたもので、ヘルスカナダから時代遅れで達成不可能だと考えられている。ヘルスカナダはダイオキシンによって引き起こされる包括的なリスクの再評価を行っており、現在、カナダのガイドラインとして、合同食品添加物専門家会議(JECFA)のダイオキシン及びダイオキシン様化合物の耐容月間摂取量70pg/kg/monthを使用している。
この調査で観察されたダイオキシン及びダイオキシン様化合物の濃度は、消費者にとって有害であるかどうか判断するためにヘルスカナダの化学安全課よってレビューされた。この調査で検出された濃度は、カナダ市民の消費にとって安全であると考えられ、製品回収は全く必要ない。
以下このサイトに過去のデータも含めて検査結果記載
[RIVM]衣類由来のマイクロプラスチック汚染への対策
Measures against polluting microplastics from garments
04/24/2019
https://www.rivm.nl/en/news/measures-against-polluting-microplastics-from-garments
化繊の衣類を着ると、使用や洗濯などでマイクロプラスチック繊維が放出される。下水処理施設でこれらの50-90%が除去されるが残りは地表水に放出されそこに棲む生物に悪影響を与える可能性がある。RIVMは衣類から水系に入るマイクロプラスチックの量を減らすための対応の展望を提供する。
地表水からマイクロプラスチック繊維を飲み込んだ生物はそれを食物連鎖でより大きな水棲動物に伝える。繊維は消化を阻害し炎症を誘発し成長を抑制する可能性がある。衣類の生産と使用は大気中へのマイクロプラスチック繊維の放出の原因ともなり、より広範に環境中に拡大する。食品や環境中のマイクロプラスチックの影響はまだよくわかっていないが、すくなくともそこにあるべきものではない。テキスタイルに関係する全ての人がやれることがある:生産者、消費者、洗濯機製造業者、下水処理。これは必要で実行可能である
より少ない繊維
例えば衣類製造業者はマイクロプラスチック繊維の放出が少ない素材を開発して使用することができる。また持続可能な環境に優しい素材を使ってフリースを使わないようにできる。
消費者は衣類の洗濯回数を減らすこと、液体洗剤を使うこと、低温で洗濯することによって環境中マイクロプラスチックを減らせる。また洗濯機や乾燥機のフィルターは洗わずに手や掃除機でゴミをとりゴミ箱に捨てる。使用マニュアルも改訂すべきだろう。
洗濯機製造業者はフィルターを開発できる。政府は欧州規制においてマイクロプラスチックに注目を増やすことができる
世界で生産されるテキスタイルの約70%が合成素材である。
[WHO]脂肪、油、食品およびフードサービス業界は2023年までに加工食品から工業由来トランス脂肪を排除する世界的努力に協力すべき
Fats, oils, food and food service industries should join global effort to eliminate industrial trans fat from processed food by 2023
23 April 2019
Tedros Adhanom Ghebreyesus事務局長の声明
(目標は食品の油脂100g中トランス脂肪2g未満
ただし飽和脂肪はダメ)
[WHO]ワクチンと守る力
Vaccines and the power to protect
世界予防接種週間によせて
ワクチン躊躇についても相当詳しく記述
[Codex]オランダとインドネシアがコーデックス汚染物質会議を共同主催する
Netherlands and Indonesia co-host Codex contaminants meeting
25/04/2019
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1191862/
オランダは2017年に汚染物質部会の主催を始め、それから13回の会合のうち5回が海外での共催である。そして2019年4月29日からインドネシアが6つめの場所になるだろう
-バングラデシュで、国の基準をコーデックスと調和させる
Harmonizing national standards with Codex in Bangladesh
24/04/2019
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1191645/
バングラデシュ食品安全局(BFSA)の高官、省庁関係者、学術専門家、学生、食品企業代表者、FAOの担当者がコーデックスと国の食品基準の調和について理解するために2019年4月4日にバングラデシュのDakarで会合した。
その他
-デングの研究者がワクチン失敗で告訴される
Dengue researcher faces charges in vaccine fiasco
Fatima Arkin
Science 26 Apr 2019:Vol. 364, Issue 6438, pp. 320
フィリピンの高名な小児科医で医学研究者のRose Capedingがデング熱に対するワクチンDengvaxiaの導入失敗あるいは早すぎたとして起訴され最大48年の拘留の可能性がある
フィリピンFDAが2015年にゴーサインを出したDengvaxiaは2016年4月から政府が学校で予防接種計画を始めた。しかしその後デング感染歴のない子どもの症状を悪化させることがわかり政府は予防接種キャンペーンを中止した。2018年にワクチンの関与した可能性のある子どもの死亡19人が報告され「集団ヒステリー」の引き金を引いた。親たちは子供たちがみんな死んでしまうと考えた。
-くっつきやすい農薬は害のある流出を予防できる
Sticky pesticide could prevent harmful runoff
Erik Stokstad
Science 26 Apr 2019:Vol. 364, Issue 6438, pp. 318
多くの農薬の弱点である、有効成分が植物に良く粘着しないという問題に研究者が取り組んだ。二つの別々のアミノ酸鎖(ペプチド)をもつ分子を作り、一つは葉のワックス状の表面に埋め込まれて雨にも流れないようにくっつき、もう一つが槍のように微生物害虫を攻撃する。Green Chemistryに発表された実験室での試験では大豆さび病の症状を減らした
-The Lancet:ピーナッツアレルギー経口免疫療法は、避けることやプラセボよりアレルギー反応を増やす
The Lancet: Peanut allergy oral immunotherapy increases allergic reactions, compared with avoidance or placebo
25-Apr-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/tl-pss042419.php
ピーナッツアレルギーの経口免疫療法は病院では効果的に脱感作を誘導するものの、プラセボや避ける群と比較してアレルギーやアナフィラキシー反応を相当増やすようだ
著者らはより安全な治療アプローチと厳密なRCTが必要だという
現在の経口免疫療法は現実世界での効果を示せていない
-個別栄養は入院患者に利益を示す
Individual nutrition shows benefits in hospital patients
25-Apr-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/uob-ins042519.php
The Lancetに発表されたBasel大学とAarau Cantonal病院の研究者らによる研究。スイスの8病院2000人以上の患者の参加した初めてのRCT。栄養士が個別の栄養計画を作った群では栄養状態が良かっただけではなく病気治療の結果も一般的に改善し、合併症と死亡率が減った。
SMC UK
-ピーナッツアレルギー経口免疫療法とアレルギー反応の研究への専門家の反応
expert reaction to study on peanut allergy oral immunotherapy and allergic reactions
April 25, 2019
The Lancetに発表された研究がピーナッツアレルギー経口免疫療法はアレルギー反応を増やすことを示した
King’s College London小児アレルギー専攻MRC臨床科学者Alexandra Santos博士
これは非常に興味深い研究で、12のRCTの系統的レビューとメタ解析である。これまでの研究では経口免疫療法は脱感作を誘発することが示されていた、それは治療中に病院でチャレンジしたときに摂取できる量が増えることである。しかし経口免疫療法で患者が長期的にピーナッツを食べられるようになるという根拠はなかった。この系統的レビューでは管理されていない日常生活でのアレルギー反応は、アレルゲンを避けるという標準的方法の場合より多くなることが示された。これらの知見はピーナッツアレルギーの経口免疫療法が効果的で疾患修飾治療法になるかどうかに疑問を提示する
ロンドンQueen Mary大学免疫学講師で英国免疫学会広報Louisa James博士
経口免疫療法の長期影響はまだ完全にわかっているわけではない。異なるアプローチが検討されているがそれらはRCTによる評価が必要だろう
ケンブリッジ大学病院NHS財団トラストケンブリッジピーナッツアレルギークリニック小児科相談医Andrew Clark博士
経口免疫療法のパイオニアとして我々は独特の知見がある。この論文は免疫療法の一側面のみを提示したものである。さらなる研究が必要なことには合意する
王立国立アレルギー耳鼻咽喉科病院相談医Glenis Scadding博士
Evelina Londonの子どものアレルギー相談医George du Toit教授
(それぞれ重要な指摘があるが略。アレルギーに関して素人療法は厳禁)
-食品保存料と代謝とインスリン抵抗性変化を関連させた研究への専門家の反応
expert reaction to study linking a food preservative to altered metabolism and insulin resistance
April 24, 2019
Science Translational Medicineに発表された研究がプロピオン酸がマウスでの体重増とグルコース生産、人でのインスリン抵抗性を増やすことを示した
オックスフォード大学ヒト代謝名誉教授Keith Frayn教授
著者らは食品添加物E282として知られる、カビの増殖を抑制するのに使用されるプロピオン酸カルシウムを調べた。彼らはそれが血糖値を上げて糖尿病のリスクを増やす可能性があると示唆する。プロピオン酸はヒトの血液中の正常な構成成分である。大腸で食物繊維に細菌が作用して生じる。そして食物繊維の摂取量を増やすことはプロピオン酸やその他揮発性脂肪酸濃度の増加を伴い、それは代謝に有益な作用があるという根拠がある。
従ってこの研究は口から摂ったプロピオン酸が腸内で合成されるものと違う作用があるのかという疑問を提示する。この研究はマウスの部分は質が高いようだがヒトの研究はそれほど説得力がない。著者らは血中プロピオン酸濃度の増加がごく僅かで有害影響を示しているようだが、その増加は食物繊維を多く摂った場合より少ない。このことは、食品添加物としてのプロピオン酸の使用を糾弾する前にヒトでさらなる研究が必要であることを示唆する