2020-07-06

[EFSA]エディトリアル: EFSAの科学的評価にマイクロバイオームを含める必要性を探る

Editorial: Exploring the need to include microbiomes into EFSA's scientific assessments

EFSA Journal 2020;18(6):e18061 29 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e18061

定義された環境中の微生物群とそのゲノムはマイクロバイオームと総称される(Marchesi and Ravel, 2015)。細菌、古細菌、下等及び高等真核生物、ウイルスの代表が含まれ、土壌、水生生息地、植物・動物・ヒトの表面と特定の内腔などほとんどの環境に存在する。進行中の研究によると、マイクロバイオーム構造や食品システム全体の動力学は、食品の品質、安全性、持続可能性に関する影響に加えて、ヒトや動物の健康に直接及び間接的な影響を与える可能性がある(CNBBSV concept paper, 2019)。さらに、最近の研究プロジェクトは微生物叢と様々な人間の病気との関連や、環境化学物質への暴露を調整する際に起こりうる影響への新しい洞察を提供している。EFSAの主な仕事の1つは食品と飼料の生産に関連する物質に由来するヒトや動物の健康および/または環境へのリスクを評価することなので、健康における微生物叢の役割の理解が深まると、起こりうる健康影響を理解するためにレギュラトリーサイエンスの評価プロセスに予想される役割の解析が必要である。

 

[EFSA]意見等

-新規食品としての植物ステロールエステル類の使用拡大の安全性

Safety of the extension of use of plant sterol esters as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2020;18(6):6135 30 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6135

欧州委員会の要請を受けて、EFSAの栄養、新規食品及び食品アレルゲンに関するパネル(NDA)は、EU規則2015/2283に従って、調理や焼く目的で植物性ファットスプレッドや液体植物性脂肪ベースの乳液に加える際の新規食品「植物ステロールエステル類」の使用拡大の安全性に関する意見を出すよう求められた。加盟国は植物ステロール酸化産物(POP)や非対象集団グループによる摂取に関する懸念を表した。広範な調理実験で特定された植物ステロールの酸化率の中央値(0.5%)及びP90 (2.28%)値と、植物性ファットスプレッドや液体を加え調理することによる植物ステロールの暴露推定量とを共に用いた。亜慢性ラット試験の無毒性量(NOAEL)にデフォルトの不確実係数200を適用してヒトに安全だと考えられる量を導出した(すなわち. 0.64 mg POP/kg 体重(bw) / 日)。P90酸化率を考慮して潜在的な暴露を評価するためにEFSAの包括的食品摂取量データベースを用いると、この安全暴露量は全ての年齢集団のP95で超えるだろう。メジアン酸化率を考慮すると、安全量0.64 mg POP/kg bw/ 日は9歳未満の子供の上位P95摂取推定量で超えるだろう。最大認可使用量3g植物ステロール/ 人/ 日の摂取量と酸化率0.5%と2.28%を考慮すると、体重70kgの成人では一日のPOP摂取量/ kg bwはそれぞれ0.21及び 0.98 mg/kg bw / 日となり、後者の値は0.64 mg/kg bw / 日を超える。パネルは提案した使用条件で植物ステロールエステル類に意図した使用拡大の安全性は確立されていないと結論した。

 

-全ての集団グループの食品に使用する食品添加物として、生後16週間未満の幼児用食品の食品添加物としてのパルミチン酸アスコルビル(E 304i)の再評価とその再評価のフォローアップに関する意見

Opinion on the re‐evaluation of ascorbyl palmitate (E 304i) as a food additive in foods for infants below 16 weeks of age and the follow‐up of its re‐evaluation as a food additive for uses in foods for all population groups

EFSA Journal 2020;18(6):6153 30 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6153

パルミチン酸アスコルビル(E 304i)は以前の食品添加物及び食品に添加する栄養点に関するEFSAのパネル(ANS).によって2015年に再評価された。この評価に対するフォローアップとして食品添加物及び香料に関するパネル(FAF)は、食品分類13.1.1 (乳児用粉ミルク)及び 13.1.5.1 (特別医療目的用乳児用食品及び乳児用特別粉ミルク)に属し、EC規則No 1333/2008セクションBパート5付属文書Ⅲに従って引き継がれた、生後16週間未満の幼児用食品の食品添加物として使用するパルミチン酸アスコルビル(E 304i)の安全性を評価するよう求められた。さらにFAFパネルは、一般用食品に使用される際の食品添加物の再評価中にすでに特定されている問題に対処するよう求められた。リスク評価を完成するために関与する事業者に必要な情報を提供できるように、このプロセスにはデータ要請の公表が含まれている。関与する事業者が提出したデータとパネルの検討に基づいて、パルミチン酸アスコルビル(E 304i)の既存のEU仕様書の改訂が推奨されている。in vitroデータに基づいて、FAFパネルは、パルミチン酸アスコルビルは身体に入る前にアスコルビン酸とパルミチン酸に完全に加水分解すると想定された。パネルは、FC 13.1.1に属する乳児用粉ミルクの、またはFC 13.1.5.1に属する特別医療目的用食品の、食品添加物としてのパルミチン酸アスコルビルのMPLsで、両方の代謝物質の摂取は健康上の懸念を生じないと結論した。

 

-豚、家禽、牛、羊、ヤギ、ウサギ、馬用飼料添加物としてのバーミキュライトの安全性と有効性

Safety and efficacy of vermiculite as a feed additive for pigs, poultry, bovines, sheep, goats, rabbits and horses

EFSA Journal 2020;18(6):6160  30 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6160

 

-全ての動物種用飼料添加物としてのソルビタンモノステアレートの環境への安全性

Safety for the environment of sorbitan monolaurate as a feed additive for all animal species

EFSA Journal 2020;18(6):6162 30 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6162

 

-アミスルブロムの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for amisulbrom according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2020;18(7):6170 2 July 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6170

規制の枠組みに必要な全ての情報が提示され、消費者へのリスクは確認されなかった。

 

-鶏肥育用、産卵鶏及びマイナー家禽種用飼料添加物としてのAxtra® XAP 104 TPT (エンド‐1,4‐キシラナーゼ、プロテアーゼ及びα‐アミラーゼ)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Axtra® XAP 104 TPT (endo‐1,4‐xylanase, protease and alpha‐amylase) as a feed additive for chickens for fattening, laying hens and minor poultry species

EFSA Journal 2020;18(6):6165 29 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6165

 

-全ての動物種用サイレージ添加物としてのLactobacillus buchneri DSM 29026株の安全性と有効性

Safety and efficacy of Lactobacillus buchneri DSM 29026 as a silage additive for all animal species

EFSA Journal 2020;18(6):6159 29 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6159

 

-確証データを踏まえたラムダ-シハロトリンの農薬リスク評価に関する加盟国、申請者、EFSAの協議結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for lambda‐cyhalothrin in light of confirmatory data

26 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1883

スウェーデンが結果をまとめ、EFSAの科学的見解と個別に受け取ったコメントの結論を提示した。

 

-子牛飼育用飼料添加物としてのActisaf® Sc 47 (Saccharomyces cerevisiae CNCM I‐4407)の認可更新申請の評価

Assessment of the application for renewal of the authorisation of Actisaf® Sc 47 (Saccharomyces cerevisiae CNCM I‐4407) as a feed additive for calves for rearing

EFSA Journal 2020;18(6):6167  26 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6167

 

[EU]RASFF Week27-2020

警報通知(Alert Notifications)

産出国不明スペイン経由プラスチックボウルからのメラミンの溶出(7.1 mg/kg)、産出国不明スペイン経由皿からのメラミンの溶出(3.49; 3.95; 2.5 mg/kg)、オーストリア産ベビー用シリアルの多環芳香族炭化水素(2 µg/kg)、マレーシア産ドイツ経由ミニゼリーカップのカラギーナン(E407)未承認、インド産英国経由大豆ボールのアフラトキシン(B1 = 6.9 µg/kg)及びオクラトキシンA (60 µg/kg)、中国産サツマイモのクロルピリホス(0.13 mg/kg)・プロクロラズ(0.97 mg/kg)及び未承認物質カルベンダジム(1.6 mg/kg)、中国産メラミン皿からのメラミンの溶出(6.07 mg/kg)、トルコ産オランダ経由スイスで包装したクミンのピロリジジンアルカロイド(29120 µg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

アルゼンチン産冷凍マツイカのカドミウム(2.3 mg/kg)、フランス産生きたシリアツブリガイ(Bolinus Brandaris)のカドミウム(1.4 mg/kg)、ポーランド産食品サプリメントの未承認物質1,3-ジメチルアミルアミン (DMAA)、イタリア産生きたシリアツブリガイ(Bolinus Brandaris)のカドミウム(最大1.8 mg/kg)、中国産乾燥ハスの実のアフラトキシン(B1 = 12; Tot. = 14 µg/kg)、スウェーデン産緑茶抽出物の没食子酸エピガロカテキン(810 mg/日)、アラブ首長国連邦産ベジタブルギーのグリシジルエステル(3600 µg/kg)、ベトナム産ジャックフルーツチップスのカドミウム(0.062 mg/kg)、英国産ハーブティーの禁止成分エフェドラ、中国産穴あきスプーンからの一級芳香族アミンの溶出(0.045; 0.044 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

オランダ産アルミニウムグリルトレーからのアルミニウムの溶出(85 mg/kg)、英国産様々な食品の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、アイルランド産冷凍ノルウェーロブスター(Nephrops norvegicus)の亜硫酸塩高含有(250 mg/kg)、ドイツ産カロテノイド飼料プレミックスの未承認飼料添加物エトキシキン(E324) (4180 mg/kg)、スペイン産様々な食品の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ドイツ産植物ステアリン酸食品グレード(E570)のダイオキシン(1.25; 1.39 ng/kg)、

通関拒否通知(Border Rejections)

シリア産酢漬けのカブの未承認着色料ローダミンB、ブラジル産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 3 µg/kg)、パキスタン産バスマティ米のアフラトキシン(B1 = 5.6; Tot. = 5.6 µg/kg)、米国産殻をとったアーモンドのアフラトキシン(B1 = 32.6; Tot. = 35.9 µg/kg)、インド産チリパウダーのアフラトキシン(B1 = 9 µg/kg)、トルコ産ペッパーのアセタミプリド(0,842 mg/kg)、トルコ産角切り乾燥イチジクのアフラトキシン(Tot. = 13 µg/kg)、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 6.8; Tot. = 8.2 / B1 = 7.4; Tot. = 8.4 µg/kg)、

 

[HK] 違反等

-台湾政府より‐インドネシアから台湾に輸入された「QTELAQTELA 樹薯脆片-巴拉多風味(QTELA BALADO)」と「QTELAQTELA 樹薯脆片-原味(QTELA ORIGINAL)」 に、台湾の基準に違反する汚染物質の青酸グリコシド、シアン化水素、シアン化水素酸が検出された報告

The authority of Taiwan – Report of a batch of 「QTELAQTELA 樹薯脆片-巴拉多風味(QTELA BALADO)」 and a batch of「QTELAQTELA 樹薯脆片-原味(QTELA ORIGINAL)」 imported from Indonesia to Taiwan was found to contain a contaminant, Cyanogenic glycosides (氰甙) / Hydrogen cyanide (氰化氫) / Hydrocyanic acid (氫氰酸), at a level which is not complying with the Taiwan standard.

2 July 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20200702_1.pdf

 

-缶入り魚繊維フライのサンプルに基準値超過の水銀を検出した

Canned fried fish fibre sample detected with mercury exceeding legal limit

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20200703_8016.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、台湾産魚繊維フライのサンプルに重金属汚染の水銀0.81ppmを検出したと発表した。

 

-CFSは食べられないあるいは毒のあるきのこの種類が混ざっている疑いのあるものは食べないよう市民に注意を呼び掛ける

CFS urges public to stop consuming boletes suspected to contain mixture of species including inedible or poisonous mushrooms

Thursday, July 2, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20200702_8011.html

食品安全センターは食中毒の原因となった疑いのある中国産包装済みヤマドリタケを追跡した。

 

[FSA] 年次報告書

-FSAはウェールズの2019~2020年の年次報告書及び会計報告書を公表

FSA in Wales publishes its Annual Report and Accounts for 2019/20

2 July 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-in-wales-publishes-its-annual-report-and-accounts-for-201920

FSAは本日、ウェールズの昨年の会計年度の年次報告書及び会計報告書を公表した。

 

-FSAは北アイルランドの2019~2020年の年次報告書及び会計報告書を公表

FSA in Northern Ireland publishes its Annual Report and Accounts for 2019/20

2 July 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-in-northern-ireland-publishes-its-annual-report-and-accounts-for-201920

FSAは本日、北アイルランドの昨年の会計年度の年次報告書及び会計報告書を公表した。

 

[FSAI]二枚貝消費によるCOVID-19疾患発症に関する質的リスク評価

Qualitative Risk Assessment on the Development of COVID-19 illness from the Consumption of Bivalve Molluscs

Friday, 3 July 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/COVID19_risk_assessment_03072020.html

FSAIはアイルランド産の二枚貝を食べることでCOVID-19にかかることがあるならば、そのリスクの大きさはどの程度かの質的リスク評価を実施した。結果は、生のあるいは調理した二枚貝を食べることでCOVID-19に感染するリスクは無視できる程度としている。

(微生物)

 

[FDA]リコール。The J. M. Smucker Companyは缶入りキャットフードのNatural Balance® Ultra Premium Chicken & Liver Paté Formulaを自主回収すると発表

The J. M. Smucker Company Issues Voluntary Recall of One Lot of Natural Balance® Ultra Premium Chicken & Liver Paté Formula Canned Cat Food

July 03, 2020

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/j-m-smucker-company-issues-voluntary-recall-one-lot-natural-balancer-ultra-premium-chicken-liver

高濃度の塩化コリンに関連すると思われる健康懸念のため、The J. M. Smucker Companyは缶入りキャットフードのNatural Balance® Ultra Premium Chicken & Liver Paté Formulaを自主回収すると発表。製品写真あり。

 

[MHRA]コロナウイルス(COVID-19)の検出に体温スクリーニング製品に頼らないように、MHRAはいう

Don’t rely on temperature screening products for detection of coronavirus (COVID-19), says MHRA

3 July 2020

https://www.gov.uk/government/news/dont-rely-on-temperature-screening-products-for-detection-of-coronavirus-covid-19-says-mhra

温度カメラのような「体温スクリーニング」製品は、COVID-19のスクリーニング用と直接的宣伝をしているものもあるが、ウイルスを持っているかどうか検出する信頼できる方法ではない

MHRAは製造業者や供給業者にCOVID-19の診断に関連する宣伝をすべきでないと離している

パブやレストランが再開するに当たって、効果の無い体温スクリーニングツールに頼等無いことが重要である。事業者は政府のガイドラインに従うように。

 

[FAO]2020 SOFI発表

LAUNCH OF 2020 SOFI

世界の食糧安全保障と栄養の状態発表:健康的食生活のためにフードシステムを転換する

Launch of the State of Food Security and Nutrition in the World: Transforming Food Systems for Healthy Diets

13.07.2020

http://www.fao.org/webcast/home/en/item/5320/icode/

 

[WHO]塗料中鉛を測定する方法の簡潔なガイド、第2版

Brief guide to analytical methods for measuring lead in paint, 2nd ed

1 July 2020

https://www.who.int/publications/i/item/9789240006058

 

[WHO]WHOはCOVID-19のヒドロキシクロロキンとロピナビル/リトナビル治療群を中止

WHO discontinues hydroxychloroquine and lopinavir/ritonavir treatment arms for COVID-19

4 July 2020

https://www.who.int/news-room/detail/04-07-2020-who-discontinues-hydroxychloroquine-and-lopinavir-ritonavir-trial-arms-for-covid-19

Solidarity試験の中間結果で死亡率削減作用はほとんどあるいは全く観察されない

 

[COT]2020年7月7日の会議の議題

COT Meeting: 7th July 2020

25 June 2020

https://old.food.gov.uk/science/ouradvisors/advisorycommitteepest/cot-meeting-7th-july-2020

ペーパーが掲載された

・英国で挽いて消費された小麦への偶発的大豆汚染のアレルゲンリスク評価

https://old.food.gov.uk/sites/default/files/tox202031soyainflourriskassessmentannexa.pdf

用語

・誘発用量Eliciting dose (ED):アレルギーのある集団にアレルギー反応を誘発すると予想される用量(mg)。ED01は1%, ED05は5%でアレルギーのある人への経口食品負荷試験で導出される

・参照用量Reference dose: ED01や ED05などが選択される

・参照量:通常食べる場合に食べる食品の最大量

・アクションレベル:多くのアレルギーの人にとって問題とならずに食べることのできる食品に存在するタンパク質濃度 (mg/kg)

FSAが2014年に行ったリスク評価では確率論的アプローチを使った文献を根拠に参照量30gに大豆タンパク質7.1mg相当のアクションレベル236 mg/kgとした。しかしその後最終製品の決定論的アレルゲンリスク評価に集団誘発用量(EDp)を使うことが広く受け入れられるようになった。広く使われてきたのはED05の1.0mgであった。そのときED01を導出する十分なデータが無かった。その後EDについての更新データが入手できるようになり大豆タンパク質についてはED01は0.5mg、ED05は10mgと予想される。FSAはED01を適切だと考える

以下曝露量計算等略

 

・母親の健康への食事の影響に関するSACNレビューへの貢献

https://old.food.gov.uk/sites/default/files/tox202032maternalfeedingscopingpaper.pdf

ビタミンA、C、D、E、セレン、カビ毒、アクリルアミド、ヘテロ環状アミン、ダイオキシンおよびダイオキシン様PCB、非ダイオキシン様PCB、油分の多い魚、ビスフェノールA、鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、ヘキサクロロシクロヘキサン、有機塩素系殺虫剤、エンドスルファン、レスベラトロール、カフェイン、植物エストロゲンの妊婦向けの食事助言に関する考察

 

・6ヶ月から5才の子どもの植物ベースの飲料摂取に関する包括的議論

https://old.food.gov.uk/sites/default/files/tox202033overarchingdiscussionpaper.pdf

乳幼児に植物ベースの飲料を与えることについての問い合わせが増加している。豆乳は植物エストロゲン、アーモンドミルクは栄養の少なさとアフラトキシンなどのカビ毒とシアン産生性配糖体、オート麦飲料はオクラトキシン等のカビ毒等問題がありそれぞれ個別に検討されている。最近完全菜食主義協会等が菜食乳幼児の摂取量情報を提供しているため検討する

 

・マイコトキシンの複合暴露によるリスク

https://old.food.gov.uk/sites/default/files/tox202034aggregateexposureofmycotoxins.pdf

(農薬複合暴露よりこちらのほうがリスクも不確実性も大きい)

 

・EFSAのニッケルについての意見案

https://old.food.gov.uk/sites/default/files/tox202035nickelefsaopinion.pdf

EFSAの新しい値を用いると英国の各年齢集団でMOEは0.12-1.2で小さい子どもは1より小さくニッケルに感作されている人にとって健康上の懸念となる

 

論文

-2018年の食道がんと胃がんの組織学と亜部位別世界負担

IARC

Global burden of oesophageal and gastric cancer by histology and subsite in 2018

Arnold M, , et al.,

Gut, Published online 30 June 2020;

https://doi.org/10.1136/gutjnl-2020-321600

食道腺がん、食道扁平上皮がん、胃噴門部がん、非噴門部がんの世界での発生状況推定

 

-一緒にいるべき菌類ではない:椎茸皮膚炎

Not a fungi to be with: Shiitake mushroom flagellate dermatitis.

Heer RS, et al.,

Am J Emerg Med. 2020 Feb;38(2):412.e1-412.e2.

東京で椎茸を食べて英国に帰国してから椎茸皮膚炎を発症した患者の症例報告

 

-代替医療と腫瘍学:早期前立腺がんにハーブサプリメントを使用後の間違った生化学指標

Alternative Medicine and Oncology: Erroneous Biochemical Failure Following Herbal Supplementation in Early-Stage Prostate Cancer.

Abel S, et al.,

J Am Osteopath Assoc. 2019 Nov 1;119(11):763-767

PSAの値がハーブサプリメントによって上昇した症例の報告

 

-動物原性感染症:ヒト-動物-環境の接触面を超えて

Zoonoses: beyond the human–animal–environment interface

The Lancet EDITORIAL| VOLUME 396, ISSUE 10243, P1, JULY 04, 2020

7月6日は世界動物原性感染症デーである。1985年に、少年が世界初の狂犬病ワクチンを接種した日である。

世界の専門家はこれまでワンヘルスアプローチを呼びかけてきた。これまで一部の科学者や専門家の領域だった動物原性感染症はこれからはより広範な構造変化を起こすだろう

(でもまだ中国では生きた鳥が市場に持ち込まれているという写真。)

 

-ロックダウンは平等ではない:コストは世界の貧しい人達に

Lockdown is not egalitarian: the costs fall on the global poor

Alexander Broadbent et al.,

The Lancet VOLUME 396, ISSUE 10243, P21-22, JULY 04, 2020

避けられるはずだったCOVID-19以外の死亡(例えばがん、はしか、出産による女性の)が増加している根拠が増えている。「健康と富を引き換えにすべきではない」という偽りの二分法にがっかりした。豊かな人達は経済から冨を得るのかもしれないが、貧しい人にとってはそれが命である。ロックダウンは途上国の人達の死と引き換えに先進国の寿命を延ばす。

 

その他

-コロナウイルスを排除しようとして本を電子レンジにかけるのは止めて

PSA: Please stop microwaving your books to get rid of coronavirus

By Marika Gerken, CNN

https://www.msn.com/en-us/news/us/psa-please-stop-microwaving-your-books-to-get-rid-of-coronavirus/ar-BB16kmiw

図書館の本にはRFIDタグがついている

図書館はCDCのガイドラインに従って返却されてから72時間隔離されている

 

-何故COVID-19検査を受けたくない人がいるのか

Why some people don't want to take a COVID-19 test

BY JANE WILLIAMS, BRIDGET HAIRE

https://www.sbs.com.au/news/insight/why-some-people-don-t-want-to-take-a-covid-19-test

検査を拒否する理由はある、結論に飛びつく前に対処する必要がある

外国から帰国して検疫中の人とメルボルンの住人に検査を拒否する人がいるという報道に関して。

理由はたくさんある。陽性になった場合のことを考えて、あるいは検査そのものの負担が嫌な場合もある。我々は検査を強制すべきか?強制には反発があるだろう

 

-絶望的なDanは自分を責めるしか無い

Desperate Dan has only himself to blame

By GREG SHERIDAN

https://www.theaustralian.com.au/commentary/desperate-daniel-andrews-has-only-himself-to-blame/news-story/e2b6137d6dcbad3aaf1a2a45d64d6d6f

ビクトリア州知事Daniel AndrewsはCOVID-19管理における最悪のリーダー

(メルボルンの一部でロックダウンになったことについて。失敗というのは外国から帰国した人を隔離するホテルの警備員に専門知識の無い人を使ったこと、らしい

月曜日の症例は127人死亡者1人(国で21番目)

公営住宅9棟は「ハードロックダウン」で警察が監視、でようとした人がトラブルになって逮捕、等)

 

-Covid-19コロナウイルス:もと法務次官Mike Heronがプライバシー侵害を調査する

Covid-19 coronavirus: Ex-solicitor general Mike Heron to probe privacy breach

https://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=12345908

ニュージーランド

コロナウイルス陽性者18人の詳細個人情報がおそらく意図的に流出とのこと

 

-マスクについてのいくつかの神話に穴を空けよう

Let's Puncture Some Myths About Masks

Christopher Labos MD, MSc | 3 Jul 2020

https://mcgill.ca/oss/article/covid-19-health/lets-puncture-some-myths-about-masks

カナダ

ここ数ヶ月でフェイスマスクを取り巻く助言が変わった。今は、マスクはあなたを守らないかもしれないがあなたから他の人を守ることが示された。しかしそれでも使用には反対がある。

ある日山を走っていると、走っているときにマスクをすると肺が爆発する(explode)からしないようにと言われた。マスクそのものが危険だと心配する人達がいる。マスクをすると自分の出したウイルスを深く肺まで吸い込むので病気が重くなるというのが一つ。そんなことはない。咳をしても健康にはならない。酸素不足になるという主張もある。もちろんマスクが問題になる人達もいるし慣れないと不快かもしれない。でもマスクのせいで肺が爆発することはないと確信できる。