2019-05-01

[ProMED]Konzo病-コンゴ共和国:キャッサバ中毒

Konzo disease -Congo DR: cassava poisoning

2019-04-27

http://www.promedmail.org/post/6443887

Date: Wed 24 Apr 2019 Source: Digital Congo [in French, machine trans., edited]

コンゴの南西Feshi地域でここ数ヶ月Konzo病が猛威を振るっている。特に4-18才の子どもや青少年で酷く、たくさんの子どもが麻痺して苦境の中に放置されている。Feshi病院センターはリソース不足で対応できない。Feshiはアクセスが困難な地域である。

Konzoはビターキャッサバを摂取することによる病気で、これらはシアン化物を除去するため通常最低でも4日間は水に晒す必要があるが多くの人がそれを守らない

(編集者からの注記でコンゴが今エボラ対策で注目されていることに言及)

 

[ProMED]生のペットフード-米国:警告

Raw pet food diets - USA: warning

2019-04-27

http://www.promedmail.org/post/6443759

Date: Wed 24 Apr 2019 Source: WKYT [edited]

FDAとCDCが犬猫に生の餌を与えないように助言しているが、ますます流行している。今やペットフード店の売り場に並んでいる 。「自然にかえることが生物学的に適切だと主張されている。狼が缶詰を見つけることはない。」しかし完全生肉は良いものではない。必要な栄養素が不足し細菌がいる。多くの飼い主が完全生を与えるようになって地元の獣医師は困難に見舞われている。「サルモネラで死亡したペットがいる。飼い主にも中毒のリスクがある」

(解説等略)

 

[ProMED]アンモニア中毒-米国(イリノイ)ヒト怪我

Ammonia poisoning - USA: (IL) human injury

2019-04-27

http://www.promedmail.org/post/6443823

Date: Thu 25 Apr 2019 Source: Lemonwire [edited]

シカゴ北部郊外の化学物質流出事故で37人が入院

2019年4月25日の午前5時少し前、Beach Parkに有害物質の流出がありGreen Bay Road と29th Streetの半径1マイルに「危険な化学物質の雲」ができた。流出したのは無水アンモニアのようだ。地域住民は窓を閉めて屋内に留まるように要求された。午前9:20に封じ込めが発表された。

トラックのタンクからの流出の原因は不明。しかし違法薬物製造業者らがタンクを入手しようとしていることはよく知られている。タンクのバルブの細工は開けようとするまでわからないかもしれない

 

[ProMED]毒虫 英国:(イングランド)

Toxic caterpillar - UK: (England)

2019-04-26

http://www.promedmail.org/post/6442706

Date: Thu 25 Apr 2019 Source: MK Citizen [edited]

ひどい発疹と喘息すらおこす毒虫がMilton Keynes周辺でみつかっている

brown-tail moth(_Euproctis chrysorrhoea_)  の幼虫

 

[DWI]消費者の苦情についての企業向けガイダンス

Drinking Water Inspectorate

Guidance to water companies 

Guidance on Consumer Complaints

24 April 2019

http://www.dwi.gov.uk/stakeholders/guidance-and-codes-of-practice/2019_consumer_complaints.pdf

 

 

[WHO]新しい報告書は抗菌剤耐性危機を回避するために緊急対応を要請

New report calls for urgent action to avert antimicrobial resistance crisis

29 April 2019

https://www.who.int/news-room/detail/29-04-2019-new-report-calls-for-urgent-action-to-avert-antimicrobial-resistance-crisis

国連や国際機関が合同で報告書を発表した

 

-もう待てない:薬剤耐性感染から未来を守る

No Time to Wait: Securing the future from drug-resistant infections

https://www.who.int/antimicrobial-resistance/interagency-coordination-group/final-report/en/

 

-FAO

New report calls for urgent action to avert antimicrobial resistance crisis

29 April 2019

http://www.fao.org/news/story/en/item/1191036/icode/

 

[WHO]支援が滞りエボラの事態は悪化

Ebola situation worsening while support lags

30 April 2019

https://www.who.int/news-room/detail/30-04-2019-statement-from-who-high-level-mission-to-butembo-drc-ebola-situation-worsening-while-support-lags

 

[WHO]新しいWHOの研究:欧州は子どもの肥満と戦っている、そして専門家は母乳を与えることが子どもの肥満を予防すると確認

WHO欧州地域事務所

New WHO studies: Europe battles childhood obesity and experts confirm breastfeeding protects against child obesity

http://www.euro.who.int/en/health-topics/noncommunicable-diseases/obesity/news/news/2019/4/new-who-studies-europe-battles-childhood-obesity-and-experts-confirm-breastfeeding-protects-against-child-obesity

今年の欧州肥満学会で発表された二つの研究

10年以上前に設立されたWHO Childhood Obesity Surveillance Initiative(COSI )

(母乳を与えることで肥満が予防できると証明されたわけではなく、母乳を与えられていない群の子ども達の肥満率が高いというだけ。)

 

[COT]2019年5月7日の会合の議題

COT Meeting: 7 May 2019

Last updated: 

24 April 2019

https://cot.food.gov.uk/cot-meetings/cotmeets/2019/cot-meeting-7-may-2019

・新規飼料添加物3-ニトロオキシプロパノール(3-NOP)の雄性生殖毒性

・乳幼児の食事中のマイコトキシンによるリスクのレビュー、フザレノンX、シクロピアゾン酸、パツリン

・乳幼児の食事中の2-MCPD, 3-MCPDおよびグリシドールとその脂肪酸エステルのリスクのレビュー

・乳幼児の食事中の多環芳香族炭化水素のリスクについてのスコーピングペーパー

・リン酸ベースの難燃剤とその神経発達毒性についての声明案

・電子タバコの毒性学的リスク:香料 バニリン、桂皮アルデヒド

 

[FDA]FDAウェブサイト刷新

FDA.gov Website Refresh

04/25/2019

https://www.fda.gov/about-fda/about-website/fdagov-website-refresh

 

[PHE]健康保護報告

HPR volume 13 issue 14: news (26 and 29 April)

https://www.gov.uk/government/publications/health-protection-report-volume-13-2019/hpr-volume-13-issue-14-news-26-and-29-april

・2018親のワクチンへの態度調査

1991年から毎年行っている親のワクチンへの意識調査で2018年は子どもへの予防接種を全て計画通り行っていると自己申告した保護者が91%と過去最高になった。2010年は72%だった。最も信頼できる情報源は医師でソーシャルメディアとインターネットが最も信頼できないものだった。情報源として質が高く入手しやすい印刷物が重要であることが示唆された

・喫煙したことのない人の肺がんの環境要因

英国では毎年6000人の喫煙経験のない人の肺がん死亡があると推定されているが、肺がんは喫煙者だけがなる病気だという誤解がある。そのため非喫煙者でも大気汚染やラドンや受動喫煙でがんになることへの啓発が必要である

 

[FTC]FTCは2014年から2017年の間に「羊膜幹細胞療法」という詐欺的宣伝で販売されたものを購入した消費者に約$515,000を返金

FTC Returns Almost $515,000 to Consumers Who Bought Deceptively Marketed “Amniotic Stem Cell Therapy” Between 2014 and 2017

April 30, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/04/ftc-returns-almost-515000-consumers-who-bought-deceptively

Regenerative Medical Group および Telehealth Medical Groupがパーキンソン病、自閉症、多発性硬化症、心疾患などの重大な病気を治療できると根拠無く宣伝していたもの

 

[EU]予防接種:デマには反対と明言する時!欧州予防接種週間にJyrki Katainen副委員長からの声明

Vaccination: Time to speak out against disinformation! Statement by Vice – President Jyrki Katainen on European Immunisation Week

Brussels, 26 April 2019

http://europa.eu/rapid/press-release_STATEMENT-19-2254_en.htm

ユーロバロメーター調査の結果からは欧州市民の85%は予防接種が感染症予防のため効果的な方法だと信じている。そして大部分は医療の専門家を信頼して相談している。しかし48%が予防接種には重大な副作用がしばしばあると間違って信じていて38%が予防接種が原因でその病気になると考えている。このことはワクチンデマとの戦いがまだまだ終わらないことを示す。

 

-ユーロバロメーター488 欧州人のワクチンへの態度

Special Eurobarometer 488

Europeans’ Attitudes Towards Vaccination – First Special Eurobarometer Published

http://ec.europa.eu/commfrontoffice/publicopinion/index.cfm/survey/getsurveydetail/instruments/special/surveyky/2223

(フランスが反ワクチン強いような)

 

論文

-複数の水道水の汚染物質の複合リスクを評価する新しい方法

A novel method for assessing combined risk of multiple tap water pollutants

30-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/ewg-anm042319.php

カリフォルニアの水道水の一連の汚染物質は15000人のがんの原因になりうる

Environmental Healthに発表されたEWGの計算

Applying a cumulative risk framework to drinking water assessment: a commentary

Environmental Health201918:37

https://ehjournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12940-019-0475-5

(評価というか最大限に悪いことがおこると見積もった値。そのほとんどは天然に存在するヒ素によるもの。EWGはこれは加算だから相乗作用がおこるともっと悪影響があると主張。この計算でのヒ素に比べたら他の合成化合物の影響など無視できるレベルだと知っていて農薬の悪影響を宣伝するのがEWGのひどいところ。)

 

-禁煙は閉経後女性の膀胱がんリスク低下と関連

Quitting smoking is associated with reduced risk of bladder cancer in postmenopausal women

1-May-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/aafc-qsi042919.php

Cancer Prevention Research

 

-購入者は地元産の農作物の質を諦めるか?

Are buyers willing to forgo quality in locally grown produce?

29-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/lu-abw042919.php

Journal of Food Distribution Researchに発表されたブロッコリーでの調査。大手のバイヤーには地元産だからといって質の低い(見た目の悪い)ものが許容されるわけではない。小規模自然食品店のほうが品質については寛容。

 

-食品の包装にある表示は健康についての考えで消費者を誤解させている

Food packaging claims mislead consumers with ideas of health

29-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/i-fpc042919.php

研究が食品ブランドが「健康的」を主張するための4つの方法と、これらが実際の栄養の質に関係ないにもかかわらず、朝食シリアルへの消費者の期待や選択にどう影響するのかを発見

Journal of Public Policy & Marketingに発表されたINSEAD とVanderbilt大学のマーケティング教授らによる研究。633の朝食シリアルのうち460には健康や栄養に関する強調表示があった。それを4つに分類した。

・ポジティブなものを加える-ビタミンやカルシウムが多い、等

・ネガティブなものを排除する-グルテンフリーや低塩等

・ネガティブなものを加えない-合成香料不使用等

・ポジティブなものを排除しない-オールナチュラルやピュアなど

消費者はネガティブなものが存在しないという宣伝よりポジティブなものが加わっているという宣伝によりポジティブな態度を示した。また自家製や保存料不使用などの宣伝は美味しいと信じ低脂肪や低糖は減量に役立つと信じる。

しかし「健康的」という強調表示と実際の栄養の質の間の関連はほぼゼロ(0.04)だった

 

-川の野生生物にコカイン、医薬品、農薬が検出される

New study finds river wildlife contain cocaine, pharmaceuticals and pesticides

30-Apr-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/kcl-nsf043019.php

Environment Internationalに発表された英国の川の野生生物(淡水エビ)を対象にした研究

全てからコカインが検出された。他に違法薬物ケタミンや禁止された農薬フェヌロンなどが検出されている。濃度は低い

 

-The Lancet:

はしか根絶:手が届きそうだったのに遠ざかる目標

Measles eradication: a goal within reach, slipping away

The Lancet: Editorial|Volume 393, ISSUE 10182, P1669, April 27, 2019

ワクチン躊躇は単なる個人的問題ではない

 

オフライン:日本-豊かな国、大きな疑問

Offline: Japan—rich nation, big questions

Richard Horton

Comment|Volume 393, ISSUE 10182, P1682, April 27, 2019

令和の時代がbeautiful harmonyとなれるかは人口減で将来予測が暗い中、移民の受け入れ拡大などで世界との協調路線を拡大できるかどうかによる

(柳美里Tokyo Ueno Station (2019)というのは「JR上野駅公園口」の翻訳かな。) 

 

Elisabete Weiderpass:IARCの新たな航路を描く

Elisabete Weiderpass: charting a new course for IARC

Perspectives|Profile|Volume 393, ISSUE 10182, P1689, April 27, 2019

Elisabete Weiderpass長官の経歴

 

その他

-栽培品種にする前の野菜や果物はどうだったか

Here's What Fruits And Vegetables Looked Like Before We Domesticated Them

TANYA LEWIS, BUSINESS INSIDER

 20 SEP 2018

https://www.sciencealert.com/fruits-vegetables-before-domestication-photos-genetically-modified-food-natural

スイカ、バナナ、ナス、ニンジン、トウモロコシ、桃

 

-SMC UK

コメと肥満を調べた学会ポスターへの専門家の反応

expert reaction to conference poster looking at rice and obesity

May 1, 2019

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-conference-poster-looking-at-rice-and-obesity/

欧州肥満学会で発表された研究が一人一日コメ1/4カップを余計食べると世界の肥満レベルが1%減るかもと言う

Reading大学栄養と健康准教授Gunter Kuhnle博士

面白い研究だが単純に二つのことを見てそれに関連があると想定している-それだけではそれが原因なのか他の理由なのかを知ることはできない。

この研究は国連とFAOの質の高いデータを使って標準的手法で解析してコメを多く食べる国の肥満率がコメをあまり食べない国の肥満率より低いことを示した。著者らはいくつかの要因を調整しているものの、国と国を比較したものであって個人ではないこと、GDPのようなもので調整したとしても観察された関連は主に一人あたりのGDPが低いアジアの国によるものであることに注意が必要である。従ってこれが他の集団にあてはまるかどうかには大いに疑問である。関連は少数の国によって生じていて世界的事実ではなくアジア以外にはあてはまらないだろう。

白米は主に炭水化物であり、ジャガイモや穀物由来の炭水化物と肥満への影響が違うと想定する理由はない。さらに白米には微量栄養素が少なく、この文脈では肥満率に影響する他の要因の代理指標である可能性が非常に高い

Exeter大学糖尿病と肥満上級講師Katarina Kos博士

この研究はコメを多く食べる国ではBMIが低いという観察を行った。肥満の定義はBMI30以上とした。しかしBMIが低いことが健康であるとは示せていない。肥満の合併症である糖尿病発症には人種が関係することを忘れることはできない。アジアでは糖尿病発症の閾値はもっと低く、そのことはリスクを評価する際に考慮されている。日本や中国では肥満はBMI28以上でインドでは27以上である。これらの国はコメの摂取量が多い。従ってBMIだけを見て脇道にそれるべきではない。

(日本からの発表で英国人に日本人のことを指摘されるのって恥ずかしくないか?

プレスリリースはこちら。コメを食べると肥満予防と言ってしまっている

International study suggests that eating more rice could be protective against obesity

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/eaft-iss043019.php

同志社女子大学 Professor Tomoko Imai

他にも肥満学会の発表に関するつっこみ記事多数。肥満の「研究」が盛んになればなるほど肥満が増えるんじゃない?)