2020-09-18

[ANSES]ANSES年次報告書

ANSES in Action - Annual report 2019

https://www.anses.fr/en/content/anses-action-annual-report-2019-0

 

[PHE]アスベスト空気の質監視結果の健康リスク評価:Grenfellタワー

Health Risk Assessment of asbestos air quality monitoring results: Grenfell Tower

17 September 2020

https://www.gov.uk/government/publications/health-risk-assessment-of-asbestos-air-quality-monitoring-results-grenfell-tower

2018年11月から2019年6月までのGrenfellタワーサイトでのアスベストエアサンプリングの評価(2017年6月火災)

この時期はタワーの中のものを含むバッグが運び出されクリーニングされた時期。

アスベストには安全な曝露量はなく暴露は可能な限り低くすべき、ではあるものの監視データからはバッグの移動や保管による公衆へのリスクは低いと考えられる。監視からはこの場所のアスベスト繊維のリスクは環境から予想されるものと区別できないことを示す。

 

[FAO]ブルキナファソ、南スーダン、イエメンの飢饉リスクを避けるため緊急対応が必要、FAO事務局長が国連安全保障理事会に訴える

Urgent action needed to avert the risk of famine in Burkina Faso, South Sudan and Yemen, FAO Director-General tells UN Security Council

17 September 2020

http://www.fao.org/news/story/en/item/1308236/icode/

 

[CDC]新しいCDCのデータは成人の肥満が増えていることを発見

New CDC data finds adult obesity is increasing

September 17, 2020

https://www.cdc.gov/media/releases/2020/s0917-adult-obesity-increasing.html

2019成人肥満有病率地図は、12州で成人肥満率35%以上でこれは2018年の9州2017年の6州から増加していることを示す

肥満はCOVID-19のアウトカムを悪化させ重症化、入院、死亡リスクを増やす

Adult Obesity Maps

https://www.cdc.gov/obesity/data/prevalence-maps.html

(まだ太れるんだ)

 

[ProMED]麻痺性貝毒(第2報):フィリピン(サマル島)イガイ、致死

Paralytic shellfish poisoning (02): Philippines (SM) mussels, fatal

2020-09-17

https://promedmail.org/promed-post/?id=7788622

Date: Wed 16 Sep 2020  Source: Manila Bulletin

サマル島Daramの町で麻痺性貝毒中毒の疑いで2人の子ども死亡、他に4人の家族が病気になった

2020年9月15日に昼食にミドリイガイを食べた後食中毒症状が出て8才と3才の兄弟が死亡した。

(第一報がみつからないのだが))

 

[FSA]FSA理事会: 2020年9月16日

FSA Board meeting: 16 September 2020

15 September 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-board-meeting-16-september-2020-1

FSAの過敏症に対する科学委員会チームの取り組み、FSAのリスク評価過程に関して、食品及び飼料の安全性と衛生の共通の枠組みについて、国家食品犯罪ユニット戦略評価等

議題とペーパー

Agenda and papers

https://www.food.gov.uk/about-us/fsa-board-meeting-september-2020

・リスクアナリシスプロセスについて

EU離脱後の食品安全基準と消費者保護確保を維持するための国内プロセスフローチャート

https://www.food.gov.uk/sites/default/files/media/document/fsa-20-09-05-risk-analysis-infographic.pdf

・食品過敏について

この分野の研究を再びFSAの課題にすべきと報告。明確な戦略と期限とアウトプット最大化等を求める

 

-FSA理事会は、食品過敏症の人に「長期にわたるポジティブな影響があるだろう」計画を支持する

FSA Board backs programme which ‘will have long-lasting and positive impact’ for people with food hypersensitivities

17 September 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-board-backs-programme-which-will-have-long-lasting-and-positive-impact-for-people-with-food-hypersensitivities

2020年9月16日の理事会で科学評議会のPaul Turner博士が理事会委員に対してFSAの食品過敏症(FHS)を食物アレルギーと食品不耐に組み込む研究計画の進行状況について説明した。FSAはFSHについての戦略を、最良の科学と根拠を入手し、食品安全向上と消費者の選択の幅を広げるための適切で効果的な対応を支持できるように見直し中である。

 

[FTC]FTCはStimTein関節痛緩和錠剤を購入した消費者に$110,000以上を返金

FTC Refunds More Than $110,000 to Consumers Who Bought StimTein Joint Pain Relief Pills

September 17, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/09/ftc-refunds-more-110000-consumers-who-bought-stimtein-joint-pain

FTCは関節痛緩和に有効だとされる錠剤を購入した消費者に、総額$110,000以上の12219の小切手を郵送している。2020年2月のFTCの苦情申し立てによる

(コンドロイチンやグルコサミンより良い骨活性化タンパク質Bone Activating Proteinを含むサプリメントと宣伝していた)

 

[RIVM]オランダ全国下水中コロナウイルスモニタリング研究

Coronavirus monitoring in sewage research throughout the Netherlands

09/17/2020

https://www.rivm.nl/en/news/coronavirus-monitoring-sewage-research-throughout-netherlands

オランダ全国の300箇所のサンプリングポイントの、1700万人の下水中コロナウイルスを調べている。細菌一部の地域でウイルス粒子が増加しているが他の地域では増加していない

ダッシュボードのデータは毎週更新される

 

論文

-健康的な食事は肥満の悪影響に対抗できるか?

Does a healthy diet counter the ill-effects of obesity?

17-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/p-dah091520.php

PLOS Medicineに発表されたスウェーデンのUppsala大学の研究によると、地中海様の健康的質の高い食生活は肥満と心疾患死亡率の関連を一部改変する。スウェーデンのコホート研究に参加している79003人の成人の食生活を地中海様食生活に近いかどうかでスコア化し、21年フォローアップ。過体重の人の中では地中海食スコアの高い人のほうが全原因による死亡のハザード比が小さかった。しかし完全にBMIの高さによる悪影響を打ち消すことはなかった。

(肥満になっている時点で「健康的な食」ではない、のだけれど。スウェーデンは地中海ではないだろうし食事を部分でしか考えないのだろうか。著者の所属は外科で雑誌は医学)

 

-コーヒーは転移性大腸がん患者の生存率改善と関連

Coffee associated with improved survival in metastatic colorectal cancer patients

17-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/dci-caw091620.php

JAMA Oncologyに発表された1171人のがん患者の観察研究。コーヒーを多く飲むことを薦めるには時期尚早だが、コーヒーを飲むことは害にはならないことを示唆する

 

-DIY COVID-19ワクチンには公衆衛生上の問題がいっぱい

Do-it-yourself COVID-19 vaccines fraught with public health problems

17-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/uoia-dcv091620.php

善意の「市民科学者」が手作りCOVID-19ワクチンで自分たちを守っていると信じているかもしれないが、そのようなDIY医療を自分の身体で実験するのは法的、倫理的、公衆衛生上の問題が多数ある。Science

 

-世界市民がゲノム編集を慎重に検討

Global citizen deliberation on genome editing

John S. Dryzek et al.,

Science  18 Sep 2020:Vol. 369, Issue 6510, pp. 1435-1437

ゲノム編集技術は可能性とリスクと倫理的課題をもつ。そのような技術のガバナンスや規制が国際的に一貫していない。各国の選択の影響は国内に留まらない。例えば完璧な人間を作るために遺伝子を編集したいと思う人は統治能力のない国に行くだろう。世界市民議会が必要である。それは既存の主に豊かな国の自称代表者NGOではなく、多様な集団からの無作為抽出のほうがいい。

 

-科学者がプラスチック汚染に警鐘を鳴らす

Scientists sound alarm on plastic pollution

17-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/asu-ssa091720.php

2018年1月に中国が西洋諸国のリサイクル可能プラスチックゴミの受け入れをやめてから、英国、欧州、北米でプラスチックゴミが積み上がった。他の東側諸国もプラスチックゴミの輸入を禁止し始め、世界中の政府がこの問題の解決法を急いで探している。

今週Scienceに発表された新しい研究で、プラスチックゴミの増加量は削減量を上回って増え続けていること、2030年までには6倍以上になるだろうことを示した

 

-生物多様性の減少を逆転させるためには食糧生産のために土地を開拓することを抑制することが必須

Curbing land clearing for food production is vital to reverse biodiversity declines

17-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/icft-clc091720.php

生物多様性損失の主要な原因は人々を食べさせるための土地の利用である;新しい研究は2050年までに生物多様性の損失を逆転させるにはこの関係を変えることが必要(そして可能)なことを示す。

Nature

(農業分野で単位面積あたりの収量を増やし、人の方は食生活を変える、で可能だと)

 

その他

-SMC UK

英国医師会年次代議員会合で医師が「ほぼ根絶」COVID-19方針を求めたことへの専門家の反応

expert reaction to doctors at BMA Annual Representative Meeting calling for ‘near-elimination’ COVID-19 policy

SEPTEMBER 17, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-doctors-at-bma-annual-representative-meeting-calling-for-near-elimination-covid-19-policy/

エジンバラ大学感染症疫学教授Mark Woolhouse教授

ここ数ヶ月、ほぼ根絶という考えは疫学と公衆衛生コミュニティーで熱心に議論されている。現実的には3月に既にモデル化されたロックダウン-開放-ロックダウンサイクルとあまり変わらない。違うのはロックダウンをより厳しくより長くして感染者数をごく僅かにするところだ。開放期により厳しい制限をすれば緩和が長くできると主張されている。このトレードオフの評価は簡単ではない。ロックダウンが引き起こす多様な害についての根拠が蓄積してきているので、そのほうが「良い」かどうかは明確とは言えない。

BMAは声明でさらなるロックダウンの必要性を強調していない。しかしニュージーランドや他の地域で見られたように、根絶を達成しそれを維持するには何週間も、何ヶ月にもわたる厳格なロックダウンが必要だろう。得られる僅かなメリットに対してその膨大なコストが正当化できるかは議論の余地がある

Leeds大学医学部准教授Stephen Griffin博士

BMAの呼びかけは独立SAGEの意見を反映したもので私は心から支持する。島国だから達成できるがそれには明確なメッセージと政府の相当な投資と社会の大部分の努力が必要である

Reading大学細胞微生物学准教授Simon Clarke博士

BMAの呼びかけはとても魅力的がどうやって達成するかは注意深く検討する必要がある。厳しい制限と強権的検査による感染者の大規模な隔離が必要だが、一般の人達がほんとうにそうしたいのか確信が持てない

(英国も結構迷走してる。)

 

-我々は誰を信用する?

マクギル大学科学と社会研究室Trottier公共科学シンポジウム

Trottier Symposium: "In Whom Do We Trust?"

https://www.mcgill.ca/oss/events-0/trottier2020

今年は誰でもどこからでも参加できる

パンデミックの時代、インフォデミックの時代である。我々は絶え間ない情報の津波に襲われているが、その情報の信頼性はしばしば疑問である。議論の多い問題や医学、栄養、環境上の懸念に関するものでは、必要な背景知識を欠くブロガーや政治家がまるで科学の専門家のように議論に参加する。残念ながら傍目にはこれらの意見がしばしば等価とみなされる。

健康や社会の問題の深刻さに直面し、我々が頼りとする情報の信頼性を判断することがますます重要になっているがそのような判断は簡単ではない。今年のシンポジウムのテーマは「我々は誰を信用する?」である

・Britt Hermes ニセ医者。現実的な害。もとナチュロパス「ドクター」の告白

・Brendan Nyhan フェイクニュースの消費者:何故人々はオンラインの信頼できない情報を読むのか

・Anthony Warner 飢餓を終わらせる-世界を破壊することなく食べさせるための探求

・Wendy Zukerman パンデミック中のサイエンスジャーナリズム:事実と恐怖の最新情報を常に把握する方法

 

-中国の工場からリークした細菌アウトブレイクで数千人感染

Bacterial outbreak infects thousands after factory leak in China

September 17, 2020

https://edition.cnn.com/2020/09/17/asia/china-brucellosis-outbreak-intl-hnk/index.html

昨年バイオ医薬品会社から漏れて引き起こされたアウトブレイクで3245人がフルセラ症になったことを確認した。さらに1401人が確定待ち。蘭州市。動物用ブルセラワクチンを作っていたZhongmu Lanzhouバイオ医薬品工場が、期限切れの殺菌剤を使ったため排気ガスに生きた細菌が含まれた。最初のアウトブレイクが起きたのは風下のLanzhou獣医学研究所

(こういうのがあるから陰謀論が勢いづく)

 

-ドリーマー病:如何にしてアグロエコロジーが何百万人を飢えさせるか

The Dreamer’s Disease: How Agroecology will Starve Millions

Posted by RISKMONGER on SEPTEMBER 16, 2020

https://risk-monger.com/2020/09/16/the-dreamers-disease-how-agroecology-will-starve-millions/

「世界は日光と蝶とバラと虹でできている。父なる金儲けが母なる自然を痛めつけるのを止めさせることができれば、世界は夢みた、有害なものは無い、愛に満ちた、平和で希望と幸福に溢れる素晴らしいものになる」

アグロエコロジーイデオロギーを支えているのはこのドリーマー病である。我々がやるべきことは悪しき人間を排除することで、そうすれば自然が必要なものを全て与えてくれる。この夢想は自然が良いもので人間がやることは自然破壊だけだという信仰のもとに築かれている。

アグロエコロジーとは何か?

自称アグロエコロジー科学の権威であるIPES-Foodによると、産業としての農業に対比される代替食品農業パラダイムである

慣行栽培農家はアグロエコロジストになれるか?

IPES-Foodによるとノーである

アグロエコロジーは単なる社会正義の概念か?

FAOのパンフレットにはアグロエコロジーは女性や若者や先住民の権利に重きを置くとある。つまり農業についてというより社会正義の問題である。しかしFAOはアグロエコロジーを農業システムの変革ツールとして推進したい。ウガンダの農業アドバイザーNassib Mugwanyaはアグロエコロジーはアフリカの農家を貧困のままに縛り付けるだけだという

アグロエコロジーの社会的コスト

農業の収量や条件を改善しないのに小規模農家の社会正義を提供できるのか?ノー。おそらく最大の社会不正義は貧困だから

詐欺師と踊る

アグロエコロジーは科学か?

ノー

アグロエコロジーは世界を食べさせるか?

ノー

歴史は繰り返す

ソビエトのTrofim Lysenkoを想起させる