[Defra]政府は2021年からの持続可能な農業への道のりを発表
Government unveils path to sustainable farming from 2021
30 November 2020
https://www.gov.uk/government/news/government-unveils-path-to-sustainable-farming-from-2021
より良い、より公平な農業システムへのロードマップ
(EUの方針に縛られることがなくなったので新しい技術も使える)
[DHSC]食品と飼料の安全性と衛生:暫定共通枠組み
Food and feed safety and hygiene: provisional common framework
27 November 2020
移行期間が終わった後、英国政府と地方分権政府の食品と飼料の重要な政策分野での共同作業のやりかたについて定めた
[RIVM]COVID-19の帰結は脆弱集団により大きくより長く影響する
COVID-19 consequences impact vulnerable groups more in the long term
12/01/2020
https://www.rivm.nl/en/news/covid-19-consequences-impact-vulnerable-groups-more-in-long-term
コロナ危機の影響は、社会における脆弱集団、教育レベルの低い成人や若者、高齢者、持病のある人のような、により大きな影響を与える。それは直接影響のみではなく、間接的な、将来の帰結も、である。
新型コロナウイルスの直接的影響はオランダでも他の国同様膨大で、COVID-19による死亡はおそらく2020年の死因トップ3に入るだろう。通常の季節性インフルエンザの5倍の疾病負担である。実施された対策がなければ、もっと大きかっただろう。第二波はこの数字にはまだ繁栄されていないことに注意すべきである。さらにCOVID-19患者の長期影響はまだわかっていない。またCOVID-19の間接的影響も相当である:コロナウイルス対策のために通常の医療へのアクセスが一時的に制限され、ライフスタイルが変わり、社会生活が貧弱になった。
RIVMはPublic Health Foresight Study特別号に、コロナウイルスパンデミックがオランダの公衆衛生を最終的にどう変えるかを記述した知見を発表した。
人々の生活はより不健康になった
この研究によるとコロナ危機により不健康な生活になった人が増えた。喫煙者は喫煙量が増え、過体重の人が増えた。また予定されていた医療が遅れたために疾病負担が増えた。精神衛生への負荷もかかった。1/3の人が意気消沈し、1/3の人がストレスや不安が増えた。
教育レベルの低い人への影響がより厳しい
RIVMはコロナ危機が教育レベルの低い個人により厳しく影響したと結論した。彼らは慢性疾患をもっている可能性が高く病気が重症化するリスクが高い。さらに自宅から働く機会が少なく、仕事はしばしば不安定である。それにより精神衛生にも大きな影響を与えた。精神衛生への負荷は青少年や若者や高齢者などの他の集団にもかかっている。パンデミックは世代間の格差を悪化させた。若者は高齢者を守るためのコロナウイルス対策によって自由が制限されたと感じている。
将来の公衆衛生の課題はますます喫緊のものになった
心血管系疾患とがん、高齢者の認知症、若者の精神衛生はコロナウイルスパンデミック前からオランダの公衆衛生の大きな課題だった。それらへの対策はますます急を要するものになった。
対策のより広範な検討の必要性
コロナウイルスパンデミック初期にはCOVID-19患者とその治療に強く集中したのはしかたがなかった。まもなく対策の経済的帰結が注目されるようになった。しかしその初期に、他の重要な側面がはるかに注目されなかった:認識されている健康、孤独、自己管理、生活の質、意味があるという感覚。将来の対策にはこうした健康上の観点も考慮することが重要である。
COVID-19の間接的な正の影響
RIVMは同時にポジティブな影響についても概要を記した。例えばデジタル技術の応用が大きく前進した。
将来により良く備える
以下を要請
・統合的予防へのより大きなコミットメント 個人のライフスタイルだけではなく物理的生活環境や社会問題も
・感染症同様慢性疾患も考慮
・精神衛生への知見を増やす
・より強力な領域間協調
本文はオランダ語
[RIVM]新たに報告されたCOVID-19感染数は僅かしか減らない
Only minor decrease in number of newly reported COVID-19 infections
12/01/2020
https://www.rivm.nl/en/news/Only-minor-decrease-in-number-newly-reported-COVID-19-infections
2週間前の36931にたいして33949
感染が起こっている状況は半分以上が家庭内。次いで親しい友人や親族の訪問。
[CDC]世界AIDSデー2020に、Robert R. Redfield CDC長官からの声明
Media Statement from CDC Director Robert R. Redfield, M.D., in Observance of World AIDS Day 2020
TUESDAY, DECEMBER 1, 2020
https://www.cdc.gov/media/releases/2020/s1201-World-AIDS-Day.html
(AIDSの初期の騒動を覚えている人はどのくらいいるだろうか?今でも全く封じ込めなんかできてないし国内増えてるのに忘れ去られているような)
[FSA]FSAブログ
食品衛生格付け計画10年の個人的ハイライト
Personal highlights from 10 years of the Food Hygiene Rating Scheme
1 December 2020 Catriona Stewart
https://food.blog.gov.uk/2020/12/01/launch-the-food-hygiene-rating-scheme/
FSAの法令遵守&基準部長のCatriona Stewartが食品衛生格付け計画の開始を振り返る
私はFHRSが始まって10年も経ったなんて信じられない。この計画はあなたが食品を買ったり食べたりする場所の衛生について0-5のスケールですぐにわかるようにする。
(以下略。)
[FTC]FTCはA.S. Research, LLC社から詐欺的に宣伝されていた関節炎と関節痛緩和サプリメントSynoviaを購入した消費者に約$775,000を返金
FTC Returns Almost $775,000 to Consumers Who Purchased Deceptively Advertised Arthritis and Joint Pain Relief Supplement Synovia from A.S. Research, LLC
December 1, 2020
FTCは13221人の消費者に総額$775,000の小切手を送っている。
[ASA]ASA裁定
-ASA Ruling on Geraint Christopher t/a Hemp in Avalon
02 December 2020
https://www.asa.org.uk/rulings/geraint-christopher-g20-1082740-geraint-christopher.html
大麻関連商品を販売する店の広告に「マスク無し歓迎」や「マスクは危険」といった表現があり無責任で有害だという苦情が寄せられた。ASAはHemp in Avalonがフェイスマスクは有害だという意見であることは理解したが2020年7月24日からイングランドでは法律により公共の場でのマスク着用が要求されている。この広告は人々に法を破ることをすすめるものであり無責任で有害だと結論
-ASA Ruling on SCA Investments Ltd t/a Gousto
02 December 2020
https://www.asa.org.uk/rulings/sca-investments-ltd-a20-1072977-sca-investments-ltd.html
ミールキット配達サービスのウェブサイトで、配達用の箱の「100%プラスチックフリー」と、「100%リサイクル可能」という主張について、誤解を招くものであると判断された。消費者は保冷剤のプラスチック小袋込みで容器だとみなす可能性が高いこととリサイクルされているかどうかの根拠がない。
論文
-青少年と若年成人のがんが増加している
Cancer cases are rising in adolescents and young adults
1-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/ps-cca113020.php
過去40年の間に青少年と若年成人のがんが30%増加した。最も大きく増加したのは腎臓がんである。JAMA Network Openに発表されたアメリカの19-39才の1973年から2015年の間のデータ。他に甲状腺と消化管のがんが増加
-臨床検査の結果は「肥満パラドックス」を説明しないがバイアスは説明するかもしれない
Lab results don't explain 'obesity paradox,' but bias may
1-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/mcog-lrd113020.php
「肥満パラドックス」は、肥満のヒトは糖尿病や高血圧などの健康問題リスクが高いものの病気になると痩せたヒトよりうまくつきあっているように見えることをいう。The Journal of Applied Laboratory Medicineに発表された研究で、肥満のヒトの臨床検査結果が悪いから早めに集中治療になるのではないかと仮説をたてたが検査結果にあまり差は無かった。そのため肥満のヒトは検査結果にかかわらず、無意識のバイアスによって早めに集中治療になる可能性を示唆した。
-アルコールベースのハンドサニタイザーを飲み込むことは死ぬこともある、検視官の報告書の解析は警告する
Swallowing alcohol-based hand sanitizer can kill, warns analysis of coroners' reports
1-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/b-sah113020.php
BMJ Evidence Based Medicineに発表された二件の死亡の解析。
英国だけでアルコールベースのハンドサニタイザー中毒は2019年から2020年の間に61%増加(155件から398件に)した。パンデミック前に報告された2件の死亡について記述。
-漂白剤代用品のCOVID-19表面消毒剤は室内空気を汚染するかもしれない:サスカチュワン大学の研究
Bleach-alternative COVID-19 surface disinfectants may pollute indoor air: USask research
1-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/uos-bcs120120.php
過酸化水素をベースにした消毒剤を使って床にモップがけすると空気中の過酸化水素濃度を600ppm以上に上げる。Environmental Science & Technology
(掃除するときは換気)
-テロメアが短くなることはがんを予防する
Telomere shortening protects against cancer
1-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/ru-tsp120120.php
eLifeに発表された培養細胞とヒトでの研究。テロメアが長すぎるとがんになるリスクが高いことを示唆
(老化の指標と言われるものががん抑制と関連し、若さの指標が発がん促進と関連することは珍しくない。生き物はそういうものだから。問題は「健康産業」が都合の良い部分だけを宣伝すること)
その他
-Scienceニュース
科学者は期限が迫る中、英国の合意無きEU離脱を恐れる
Scientists fear no-deal Brexit as deadline looms
By Cathleen O’GradyDec. 1, 2020
https://www.sciencemag.org/news/2020/12/scientists-fear-no-deal-brexit-deadline-looms
2021年1月1日が迫る
-シンガポールが実験室で培養した「チキン」肉を認可
Singapore approves lab-grown 'chicken' meat
https://www.bbc.com/news/business-55155741
シンガポールは世界で初めて動物の屠殺由来でない「クリーンミート」を規制認可した。
この決定によりサンフランシスコの新興企業Eat Justが培養鶏肉を販売する道が拓けた。最初はナゲットに使われるだろうが、いつ販売するかは明らかにしていない。
Beyond MeatやImpossible Foodsのような植物ベースの代用肉はますます見かけることが増えているがEat Justの製品は植物ではない。実験室で培養した筋細胞である。
過去10年の間に多くの新興企業が培養肉の市販を目指してきた。そのうち最大の二つはイスラエルのFuture Meat TechnologiesとBill Gatesが支援するMemphis Meatsである。
シンガポールのShiok Meatsは実験室で培養した甲殻類の肉で作業している。多くが環境にメリットがあると宣伝するが科学者の中には状況によって気候により悪いと言う人もいる。
今後の課題
値段。Eat Justは以前培養肉チキンナゲットは1つ50ドルで売ると言っていた。それより価格は下がったがそれでも高い。もう一つは消費者の反応。
シンガポール食品局は専門家ワーキンググループがEat Justの製造管理と安全性データをレビューしたという。「新規食品」の規制枠組みで安全性を管理している。
-SMC UK
ZOE COVID症状研究アプリからのビタミンサプリメントとCOVID-19検査陽性可能性を調べたプレプリントへの専門家の反応
expert reaction to preprint from the ZOE COVID Symptom Study app looking at vitamin supplements and likelihood of reporting a positive COVID-19 test
DECEMBER 1, 2020
medRxivに投稿された、ピアレビューされていない未発表プレプリントが、ZOE COVID症状研究アプリのデータを使ってダイエタリーサプリメントとCOVID-19検査陽性可能性を調べた
ロンドン大学クィーン・メアリー校呼吸疫学教授Seif Shaheen教授
このピアレビューされていない観察研究は多様なダイエタリーサプリメントの使用が女性のCOVID-19検査陽性リスクの低さと関連するが男性では関連しないと報告する。大きな懸念はこの知見に社会経済状態による交絡がある可能性があることである。地位の高い人の方がサプリメントを摂る可能性が高く同時に感染可能性が低いからである。著者は地域ベースの粗い調整しかしていないのでこの研究の根拠は非常に弱い。
サウサンプトン大学生態学教授で健康なヒトと環境のために英国フードシステムを転換するプロジェクト長Guy Poppy教授
これはZOE COVID症状アプリの興味深い知見の一つだが、このデータから真に推察できることには注意が必要である。はっきりしているのはフードシステムと食生活がCOVIDを含む多くの病気に重要であることで、英国のフードシステムの転換が必要だということである。サプリメントに役割があるかもしれないが本当に注目すべきは多様な野菜と果物を豊富に含む食生活の保障である。
グラスゴー大学代謝医学教授Naveed Sattar教授
興味深いが研究の方法からこれらのデータはサプリメントを摂ることが感染予防になるかどうかを言うことはできない。サプリメントではなく健康意識の高さが女性の感染しにくさと関連する可能性がある。男性で関連がないことが交絡を示唆する。RCTの結果が出るまで待とう。それまではサプリメントで偽りの安心感を得るのではなく、効果があることがわかっている行動を続けよう。