2020-09-17

[MPI] グリホサート

Glyphosate

Last reviewed: 24 Aug 2020

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-safety-for-consumers/whats-in-our-food/safe-levels-of-contaminants-in-food/agricultural-compounds-and-residues/glyphosate/

ニュージーランドの食品安全規制機関として、ニュージーランドの食品安全局の第一の優先事項は消費者の健康と福祉である。除草剤のグリホサートの使用の監視と管理方法について調べよう。 

グリホサートの背景

グリホサートはニュージーランドを含め、世界で最も広く使用される除草剤である。

そのままにしておくと、農場、果樹園及び庭園の生産物に影響を与えることになるさまざまな雑草を除草する。

この除草剤は、最もよく知られているブランドのRoundupなどで約90製品で使用されている。

蜂蜜のグリホサート検査

ニュージーランド食品安全は2017/2018年 及び2018/2019年のグリホサート残留に対する蜂蜜サンプルのターゲット調査を実施した。販売されている蜂蜜から採取したサンプルはすべてにおいて規制値を超えたグリホサート残留はなく、食品安全の懸念はなかった。

新鮮な蜂蜜の少数が規制値を超えたグリホサート残留を示し、これらのサンプルに関連する食品安全性の懸念はなかった。

これは、グリホサート残留値0.1 mg/kg(ニュージーランドのMRL設定値)の含まれた蜂蜜を食べている5歳児は、世界保健機関のグリホサート許容一日摂取量に達するには、生涯にわたっておおよそ毎日約230kgの蜂蜜を食べる必要がある。

これらの調査結果は残留濃度と検出頻度は海外の他の報告書と研究で発表された物と比較し、同等あるいはより低いということを示す。

蜂蜜の残留農薬成分結果:

https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/39578-new-zealand-national-chemical-residues-programme-report-results-for-agricultural-compound-residues-in-honey

ニュージーランド食品安全レター - ニュージーランド蜂蜜の安全性を確定する検査:

https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/41725-glyphosate-in-honey-nzfs-assurance

ニュージーランドのグリホサートに関する認可された使用

ニュージーランドではグリホサート製品の焦点は雑草管理のためである。「ラウンドアップレディ」耐性農作物(つまり、グリホサートに耐性を持つよう品種改良されたあるいは遺伝子組み換えされた作物)はない。

登録グリホサート製品のリストとその認可表示のACVM登録:

https://eatsafe.nzfsa.govt.nz/web/public/acvm-register

規制、監視及び検査

ニュージーランド食品安全は、最大残留基準値(MRL)を設定し、また調査と検査を実施することで規則を介してグリホサートの使用を監視し、管理する。

グリホサート使用の規制管理

農作物に使用されるグリホサート製品は、農薬及び動物用医薬品(ACVM)法のもと登録が必要である。これには化学性質の完全な科学評価、製造情報及び動植物の安全性及び食品中の残留農薬を含む。ラベルのような管理がACVM法(農薬及び動物用医薬品法)のもと、リスクを管理するために、製品に表示される。この規制制度は海外の適正規範を模範としている。

最大残留基準値(MRL)の設定

ニュージーランド食品安全は食品中の除草剤を含め農薬に対する最大残留基準(MRLs)を設定する。

残留農薬成分に対するMRLs:https://www.mpi.govt.nz/processing/agricultural-compounds-and-vet-medicines/maximum-residue-levels-for-agricultural-compounds/

監視、調査及び検査

ニュージーランド食品安全は化学残留を監視し、定期的な調査を実施する。また、食事暴露作物、適正農業規範あるいは取引懸念を標的に定期的に検査する。以下を検査した:

・2014/2015年に生の牛乳だけでなく、販売業者の加工した新鮮な牛乳とクリームの検査‐残留は検出されなかった

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-safety-for-consumers/whats-in-our-food/safe-levels-of-contaminants-in-food/agricultural-compounds-and-residues/glyphosate/#milk

・2015/2016年のエンドウ豆の検査‐残留は検出されなかった

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-safety-for-consumers/whats-in-our-food/safe-levels-of-contaminants-in-food/agricultural-compounds-and-residues/glyphosate/#pea

・2015/2016年の小麦の検査‐食品安全性の懸念レベルは検出されなかった

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-safety-for-consumers/whats-in-our-food/safe-levels-of-contaminants-in-food/agricultural-compounds-and-residues/glyphosate/#pea

・2017/2018年と2018/2019年の蜂蜜の検査‐食品安全性の懸念レベルは検出されなかった

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-safety-for-consumers/whats-in-our-food/safe-levels-of-contaminants-in-food/agricultural-compounds-and-residues/glyphosate/#honey

EPAが設定したグリホサートに関するその他の規則

環境保護局(ニュージーランドEPA)は、環境、健康と安全性のために、グリホサートのようなハザードとなる物質の製造、輸入、使用、保管及び輸送を規制する。ニュージーランドEPAはニュージーランドでのグリホサートの使用を許可した。

グリホサートに関するEPAの情報:

https://epa.govt.nz/assets/Uploads/Documents/Everyday-Environment/Publications/About-Glyphosate-information-sheet.pdf

ニュージーランドの牛乳にはグリホサートは検出されなかった

検査では、ニュージーランドの牛乳にはグリホサートは検出されなかった。

ニュージーランド食品安全は、ニュージーランドの牛乳にグリホサートの残留がある可能性について懸念する団体により2015年に働きかけがあった。ニュージーランド食品安全はもっている情報に基づき、グリホサートの残留はありそうにないと考えた。さらに、もし、グリホサートの残留が検出されても、食品安全性の懸念になることはほぼありそうにないとした。

働きかけがあり、予防措置として、我々は積極的に、販売店の牛乳とクリーム及び未加工の生の牛乳の中のグリホサートとその代謝産物の集中的な検査プログラムを実施した。

これらの検査において発見された残留物はなかった。実施された検査は認可された検査方法を使用し正式認可のある研究所で行われた。

この集中的な検査プログラムのすべての結果は、ニュージーランド政府の全国化学汚染物質プログラムに従い実施されたこれまでの牛乳に対するグリホサートの検査と一致している。この結果により、牛乳のグリホサート残留がその使用からは予期されないという我々の評価を再確認した。このすべての情報に基づき、消費者は食品安全の懸念はないと確信を持つべきである。

  • 全国化学汚染物質プログラム–加工新鮮牛乳調査2015 [PDF, 130 KB]

https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/26419-national-chemical-contaminants-programme-processed-fresh-milk-survey-2015

エンドウ豆と小麦のグリホサート調査

食品残留調査プログラム(FRSP)は、植物由来の食品に対し、病気を管理するために農場で定期的に使用される農薬残留成分を定期的に調査する。調査プログラムの目的はニュージーランドの生産者や輸入業者が適正農業規範に従っているか確認するためである。適正農業規範とはその目的を達成するために、業者が最小限の量の農薬を使用するということである。

残留濃度は食品安全性を保証しながら、適正農業規範を執行するためにある、MRL(最大残留基準)に比較し検査される。

2015/2016年の調査結果

ニュージーランド食品安全は2015/2016年の調査においてエンドウ豆と小麦のグリホサート残留を検査した。60のエンドウ豆のサンプルにおいてグリホサート残留は検出されなかった。グリホサート残留は小麦のサンプル60のうち26に検出された。これらのサンプルのうち20がMRL(最大残留基準値)0.1 mg/kgを超過したグリホサートが含まれていた。

結果は評価され、食品安全性の懸念はないと示された。最も高濃度検出(5.9 mg/kg)でも、世界保健機関のグリホサート許容一日摂取量に到達するには、平均的な成人が生涯、毎日小麦由来の製品を14kg消費しなければならない。

追加調査

小麦のサンプルの濃度は予期されたものより高く思われるため、ニュージーランド食品安全は原因の調査を開始した。高い残留濃度であった理由ははっきりしていない。しかし、穀物における収穫前の雑草管理のためにグリホサートを使用するすべての使用者が、ラベルにある使用方法をはっきりわかっていないということは確認した。

結果として、ニュージーランド食品安全は、穀物の収穫前雑草管理用の表示文書を明確に一貫したものへと見直した。これは穀物の雑草管理に使用される場合のグリホサートの残留情報の見直しを含む。

2015/16年食品残留調査プログラム(FRSP)報告書[PDF, 447 KB]

https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/19922-the-20152016-report-on-pesticides-in-fresh-and-frozen-produce-a-survey-under-the-food-residues-surveillance-programme-frsp

海外レビュー

ニュージーランド食品安全は主要な海外の食品安全機関からのグリホサートに関する研究や意見に応じ、見直し対応をする。

・国際連合食糧農業機関/世界保健機関 

  国際連合食糧農業機関/世界保健機関 は、2004年の残留農薬に関する共同会議(JMPR)にてグリホサートの毒性と食事上のリスクの詳細をレビューした。グリホサートの毒性は非常に低いと結論付けた。

2015年の国際がん研究機関の報告書の知見を含め、2016年に再度グリホサートをレビューした。消費者の食事による暴露の健康リスクは非常に低いと結論付けた。

ニュージーランド食品安全はニュージーランド及び海外の消費者に対するグリホサートの食事によるリスクの評価の中のJMPR(残留農薬に関する共同会議)の両方の報告書の結論に意見が一致した。

2016 JMPR 報告書

http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/255000/1/9789241655323-eng.pdf

2004 JMPR 報告書 – Inchem ウェブサイト

http://www.inchem.org/documents/jmpr/jmpmono/v2004pr01.pdf

・国際がん研究機関(IARC)

国際がん研究機関(IARC)は2015年3月にグリホサートはおそらくヒトに対して発がん性があると決定したと発表した。

ニュージーランド食品安全は2015年7月にIARCの報告書をレビューし、IARCはハザード評価を行ったが、リスク評価ではないと結論付けた。

これはIARCが、グリホサート暴露がいかなる状況でもがんにつながる可能性があるかどうか、その状況が現実的であるかどうかを調べたということを意味する。

例えば、求められる服用量が、ヒトが暴露する可能性があると信じられる服用量であるかどうかである。

ニュージーランド食品安全の見解は、IARCデータがグリホサート使用者(例、農家、家庭菜園者)に対する信頼できるリスクを示しておらず、あるいはニュージーランド最大残留基準値に従ったグリホサート残留の製品を食べた人にとって信頼できるリスクを示していない、というものである。

IARCのグリホサートプレス発表

http://www.iarc.fr/en/media-centre/iarcnews/pdf/MonographVolume112.pdf

・欧州食品安全機関のレビュー 

欧州食品安全機関は2015年11月にグリホサートのレビューを発表した。EFSAはそのレビューの一環としてIARCの知見を調べた。

EFSAのレビューではグリホサートはヒトへの発がん性リスクは引き起こさない、また、グリホサートを含む農薬製品は欧州連合では引き続き登録できることになると決定した。

欧州食品安全機関のグリホサートサマリー

http://www.efsa.europa.eu/sites/default/files/corporate_publications/files/efsaexplainsglyphosate151112en.pdf

欧州食品安全機関の2015年11月グリホサートのプレス発表

http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/151112

・米国環境保護庁のレビュー

2019年4月、米国環境保護庁(US EPA)は、グリホサート暫定登録審査決定案を発表し意見募集した。この対策の一部として、US EPAはグリホサートが現在の表示方法にしたがって使用される場合、公衆衛生にいかなるリスクもなく、グリホサートは発がん性物質ではないということを発見している。

US EPAの科学者はグリホサートの入手可能なデータの独立的な評価を実施し、以下を発見した:

・グリホサートの現在の使用ではいかなるヒトの健康リスクもない:グリホサート製品は表示の使用方法に従い安全に使用することができる。現在の登録されている使用から子供あるいは成人にとってリスクはない。

・子供がよりグリホサートに対し敏感であるということは認められない:様々な数多くの研究を評価し、US EPAは子供がグリホサートによる子宮内暴露あるいは出生後暴露に対しより敏感であるという兆候はなかった。ヒトの健康リスク評価の一環として、US EPAは乳幼児、子供、出産可能年齢の女性を含めたすべての人を評価し、グリホサート残留のある食品を摂取後の懸念リスクはないと発見した。US EPAはグリホサートで処理された居住地域に入るあるいは遊ぶ子供の懸念リスクもないことを発見した。

・グリホサートががんを引き起こすエビデンスはない:US EPAは、グリホサートはヒトにとって 発がん性はありそうにないと結論付けた。US EPAは国際がん研究機関(IARC)よりもより有意に広大なかつ現実的なデータセットを考慮した。US EPAのデータベースはグリホサートの登録を支援するために提出された研究、公開文献でUS EPAが確認した研究を含む。米国環境保護庁のがん分類は、カナダ保健省病害虫管理規制局、オーストラリア農薬・動物用医薬品局、欧州食品安全機関、欧州化学物質庁、ドイツ労働安全衛生研究所、ニュージーランド環境保護局、及び日本食品安全委員会を含む海外の専門家パネルや規制機関と一致している。

・グリホサートはが外因性内分泌かく乱化学物質であるという兆候はない:グリホサートはUS EPAの内分泌かく乱化学物質スクリーニングプログラムの下、第一段階のスクリーニングTier Iが行われた。入手可能なすべての情報に基づき、根拠の重み付けアプローチを用い、現存するデータは、グリホサートにはエストロゲン、アンドロゲンあるいは甲状腺信号経路に相互作用する可能性があるということは示さないという結論を出した。スクリーニングプログラムでは、グリホサートの追加検査の必要性を示さなかった。

グリホサートは広く使われているため、微量の残留が新鮮な果物、野菜、シリアル、及び他の食品や飲料にみられる可能性がある。しかし、これらは微量で消費者にとって懸念はない。

US EPAウェブサイトのグリホサート情報

https://www.epa.gov/ingredients-used-pesticide-products/glyphosate

 

詳細

グリホサートの規則と監視[PDF, 315 KB]

https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/10538-regulation-and-monitoring-of-glyphosate

食品残留調査プログラム

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-monitoring-and-surveillance/food-residues-survey-programme/

国内化学汚染物質プログラム

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-monitoring-and-surveillance/monitoring-programmes-under-the-animal-products-act/national-chemical-contaminants-programme/

国内化学物質残留プログラム

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-monitoring-and-surveillance/monitoring-programmes-under-the-animal-products-act/national-chemical-residues-programme/

MPI食品監視プラグラム

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-monitoring-and-surveillance/

ACVM 法1997 – ニュージーランド法律ウェブサイト

http://www.legislation.govt.nz/act/public/1997/0087/latest/DLM414577.html

 

[HK] 菜心サンプルから基準値超過の残留農薬が検出された

Pesticide residue exceeds legal limit in Choisum sample

Wednesday September 16, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200916_8129.html

菜心から7.3ppmのアセタミプリドが検出された。

 

[FSS]学生にとって最も重要な食品安全の注意事項

Top food safety tips for students

16 September 2020

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/top-food-safety-tips-for-students

初めて一人暮らしをする学生向けの食品衛生上の注意事項。スーパーで使える商品券のくじ付き

 

[ヘルスカナダ] 助言:未承認の製品は深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある

(September 16, 2020: Part 1/2)

Unauthorized products may pose serious health risks (September 16, 2020: Part 1/2) September 16, 2020

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2020/73915a-eng.php

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2020/73935a-eng.php

ヘルスカナダは精力剤、減量用、活力剤あるいは「ポッパーズ」として販売されている未承認の健康製品には危険な成分が含まれている可能性があり、深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある健康製品に関して市民に助言し、情報を更新している。掲載の製品はベタメタゾンジプロピオン酸エステル、クロベタゾールプロピオン酸エステル、カルダリン、ダポキセチン、L-ドパ、硫酸ネオマイシン、ラウオルフィア、選択的アンドロゲン受容体、シルデナフィル、タダラフィル、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンK、ヨヒンビンを含む。製品写真あり。

 

[FSAI] HiPPは効果のない HiPP Anti-Reflux調製粉乳の一部を回収措置

HiPP Recalls an Ineffective Batch of HiPP Anti-Reflux Formula

Monday, 14 September 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/HiPP_reflux.html

HiPP UK Ltdはとろみが十分でなく、乳幼児の逆流や吐き戻しに効果がないため、Anti-Reflux 調製粉乳を一部回収措置

 

[FDA]警告文書

- GMS International Foods Inc.

August 27, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/gms-international-foods-inc-609156-08272020

FSVP違反の問題。

 

[FDA]FDAはイリノイ州拠点の食品製造業者の度重なる食品安全違反に対し、農産物安全規則に従い、初めて禁止命令を発する

FDA issues first injunction under Produce Safety Rule to Illinois-based food manufacturer for repeated food safety violations

09/15/2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-issues-first-injunction-under-produce-safety-rule-illinois-based-food-manufacturer-repeated-food

FDAはイリノイ州拠点のスプラウト及び大豆製品の食品製造業者Fortune Food Product, Inc.は法令に従い、是正措置を講じるまで生産を中止することに同意したと発表した。

 

[ODS] ファクトシート更新

-ビタミンD

Vitamin D

Fact Sheet for Health Professionals

September 11, 2020

https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/

ビタミンDファクトシートを包括的にレビューし、広範囲に改訂。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/#change

 

[ODS] ODSは25周年を迎える

ODS Marks Its 25th Anniversary

https://ods.od.nih.gov/About/ODS25thanniversary.aspx

ODSは25周年を迎え、ダイエタリーサプリメントに関する知識と理解を強化するために、今後もシンポジウムやイベントを行っていく。

  

[FAO]Google とFAOは全ての人向けの新しいビッグデータツールを発表

Google and FAO launch new Big Data tool for all

16 September 2020

http://www.fao.org/news/story/en/item/1307921/icode/

Earth Mapは気候や環境に関する重要な傾向を示す地図と統計を提供

http://www.fao.org/earthmap.org

 

論文

-研究が栄養表示Nutri-Scoreを使うことがより健康的な食品選択を促すことを支持

Study supports use of the nutrition label Nutri-Score to encourage healthier food choices

16-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/b-ssu091420.php

BMJに発表。スコアの低い食品を多く食べることと全原因およびがん、心臓・肺・消化器系疾患による死亡率の高さと関連する。EPIC研究参加者の501594人の食事をFSAの栄養プロファイリングシステムでスコア計算したもの

(食生活が良好な人がスコアが高いだろうというだけのような。ラベルの消費者の購入行動への影響はわからないのでは)

 

-プラスチックの残存性

The persistence of plastic

16-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/uoc--tpo091620.php

PLOS ONEに発表されたカリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究で、我々が洗濯で環境に放出している合成マイクロ繊維の量が海や川や湖で巻き上げられている量と同程度でまもなくそれを超えるだろうことを発見した

1950年から2016年の間に衣類の洗濯で560万トンの合成微小繊維が排出されそのうち290万トンは水系に2.5万トンは地上に(そのうち60万トンが埋め立て)排出されたと推定

(あまり洗濯するな、だそうです。アメリカの洗濯機って糸くず取りネットが標準装備でないらしいんだけど?ゴミ燃やさない国なので日本は参考にできない)

 

-コクラン迅速レビューはCOVID-19のスクリーニングの有効性を探る

Cochrane Rapid Review investigates the effectiveness of screening for COVID-19

Tuesday, September 15, 2020

https://www.cochrane.org/news/cochrane-rapid-review-investigates-effectiveness-screening-covid-19

スクリーニングは症状のない人の病気を同定することを目指す。COVID-19ウイルスを持っている人は一見健康そうあるいは軽い症状しかない場合がある。感染者を見つけて他人から離し適切なケアを求めさせるのが重要である。間違った同定は不必要な隔離とさらなる検査につながる。感染しているのに感染していないと判断することはウイルスを拡散させる可能性がある。

COVID-19のスクリーニングには体温チェック、旅行や接触についての質問、迅速検査などが含まれる。

このレビューでは22の研究を同定した。ほとんどの研究は欠点があり知見への信頼性は限定的である。

結論として、健康そうな人の一時スクリーニングは感染者を見逃す可能性が高い。複数の方法の組み合わせが有用かどうかはわからない。

感染者が増えるとスクリーニングで見つかる人は増えるだろう。しかしながらスクリーニングでは見逃しがあるため、公衆衛生対策を続けることが極めて重要なままである。

 

-オーストラリアでは全てのものがあなたを殺したがっている、木さえも

Everything in Australia wants to kill you, even our trees

By Olivana Lathouris Sep 17, 2020

https://www.9news.com.au/national/australian-stinging-tree-has-poison-similar-to-scorpions-and-spiders-study-university-of-queensland-finds/59942272-0ffb-43ca-8353-d2316e6a5c81

オーストラリアには世界で最も有毒な蛇25種類、おそろしいい毒蜘蛛、ホオジロザメがいるが、新しい研究によると地元の植物も殺人能力がある。世界で最も有毒な植物のひとつ、Gympie-Gympie刺す木が、蛇や蜘蛛や蠍と同じ毒をもつことを研究者が明らかにした。Science Advances

クイーンズランド大学分子生命科学研究所のIrina Vetter准教授らが新しい種類の毒素を発見し、木にちなんで'gympietides(ギンピーチド?)'と名付けた。

この木は約5mmの針のような毛状突起に覆われているが、皮膚に触れると皮下注射のように毒素を注入する。その痛みは極めて特徴的に長く続く(時に数ヶ月)

毒素は全く新しいものだがその三次元構造はイモガイ毒素とよく似ていて作用は同じ

写真はこっちのほうが痛そう

https://www.abc.net.au/news/2020-09-17/stinging-tree-toxins-similar-cone-snail-venom-queensland/12669088

 

Native stinging tree toxins match the pain of spiders and scorpions

16-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/uoq-nst091420.php

 

その他

-Natureニュース特集

迅速コロナウイルス検査:できることとできないこと

Fast coronavirus tests: what they can and can't do

16 SEPTEMBER 2020  Giorgia Guglielmi

https://www.nature.com/articles/d41586-020-02661-2

迅速抗原検査は数分以内感染しているかどうかわかるようにデザインされている。それはゲームチェンジャーになるか?

(PCR含む検査についてのあれこれ)

最後のみ

たとえ検査で陰性であっても、人々は手を洗いマスクをし大人数で集まることを避け続けなければならない。検査はこのウイルスをコントロールするために行わなければならない基本的対策の代わりにはならない。

(「検査陰性だから安心」、というのが一番やってはいけないことなので、「安心のための検査」というのは存在しない、なのにそれが求められる)

 

-Scienceニュース

トルコの科学者と医師がCOVID-19政策を批判して犯罪捜査に直面

Turkish scientists and physicians face criminal investigations after criticizing COVID-19 policies

By Kristen McTighe Sep. 16, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/09/turkish-scientists-and-physicians-face-criminal-investigations-after-criticizing-covid

トルコUludağ大学の著名な公衆衛生専門家Kayıhan Palaは4月に自分が刑事告発されていることを知ってショックを受けた。Palaはトルコ医師会のCOVID-19モニタリンググループメンバーで、地元ウェブサイトでインタビューを受けコロナウイルスの患者や死亡者は政府が発表しているより多いだろうことを示す研究をシェアした。Bursa地方知事の告発によると彼を「公衆にデマを伝え」「パニックをおこした」と非難している。

健康危機について話すのが仕事だとPalaはその告訴の却下を求めたが、検察当局は大学に調査を求めた。9月1日になってようやく大学がPalaは職務に従ったと結論した。

しかしこれは珍しいことではない。トルコ当局は危機についての情報をコントロールし批判を抑えるために裁判を使った嫌がらせや監督者による調査を使う。3月から、医師会リーダーを始め政府の方針や情報について伝統メディアやソーシャルメディアで議論した医師らを捜査対象にしてきた。

(以下詳細データは公表されず研究には事前認可が必要でメディアはほぼ政府支持で批判ができないトルコの状況について)

 

ハンセン病からCOVID-19まで、如何に烙印が流行との戦いを困難にするか

From leprosy to COVID-19, how stigma makes it harder to fight epidemics

By Vaishnavi ChandrashekharSep. 16, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/09/leprosy-covid-19-how-stigma-makes-it-harder-fight-epidemics

インド、ムンバイから

4月末に歯科医Azmera Shaikhは新型コロナウルス陽性になり熱が出て痛く、同じく検査陽性の母親と一緒にアパートを出て救急車に乗ろうとしたときに、何十人もの近所の人が手に携帯電話を持って並んでいるのに驚いた。彼女たちの病院への出発の写真や動画がWhatsAppとFacebookに出回った。「私たちは娯楽だった。私たちはこの町の物笑いの種だった」Shaikhはいう。

ShaikhはNPOの医師団体のメンバーとして東ムンバイのスラムで働いていてパンデミックによる恐怖と不信を見てきた。スラムでは感染したと見なされるおそれから検査キャンプを作ることを認められないこともあった。しかし彼女は自分の住居の教育レベルの高い中流階級の人達も同じだとは思わなかった。彼女の家族が隔離されて買い物やゴミ捨てが難しくなった時、近所の誰も助けてくれなかった。そのことが「病気そのものよりもトラウマになっている」とShaikhは言う。

同様のことが世界中で起こっている。インドチェンナイの医師の中には検査陽性だった場合のトラブルを理由に検査を避けている。検査が必要だと理解していてもスティグマがそれを阻害する。こうした反応は疫病の歴史で何度も繰り返されてきた。

(以下ハンセン病、HIV、チフスのメアリー等の歴史略)

Shaikhは、課題は、人々が「我々はCOVID-19患者とではなく、COVID-19と戦わなければならない」ことを理解するのを助けることである、という。

 

-ゲノム編集した葉枯れ病耐性コメがUSDAとコロンビアの規制機関に認められた

Gene-edited, blight-resistant rice approved by USDA, Colombian regulators

Ximena Gonzalez | Agronegocios | September 17, 2020

https://geneticliteracyproject.org/2020/09/17/gene-edited-blight-resistant-rice-approved-by-usda-colombian-regulators/

(スペイン語の記事の英語翻訳)

Instituto Colombiano Agropecuario (ICA)とUSDAがゲノム編集コメはGMOではなく、通常の植物として規制されると結論した

Xanthomonas oryzae耐性

 

(これのことかな

Re: Confirmation of the regulatory status of genome edited rice with resistance to bacterial blight

https://www.aphis.usda.gov/biotechnology/downloads/reg_loi/20-143-01_air_response_signed.pdf

USDAがGMOでないと判断したものは結構たくさんある

https://www.aphis.usda.gov/aphis/ourfocus/biotechnology/am-i-regulated/Regulated_Article_Letters_of_Inquiry)

 

-スウェーデンはコロナウイルス感染は低いままで欧州の急増を回避している

Sweden spared European surge as coronavirus infections stay low

Wed 16 Sep 2020

https://www.theguardian.com/world/2020/sep/15/sweden-records-its-fewest-daily-covid-19-cases-since-march

主任疫学者はこれを「持続可能な」アプローチのおかげだという

(ずっと非難されてきたスウェーデン、ここしばらく評価が上昇し続けている。ただしオーストラリアとニュージーランドの人ははやたら貶している。どちらも「科学」を標榜している。)

 

-Covidの撹乱で英国の数千人の脳卒中患者が障害を負ったままに

Covid disruption leaves thousands of UK stroke patients disabled

Thu 17 Sep 2020

https://www.theguardian.com/society/2020/sep/17/covid-disruption-leaves-thousands-of-uk-stroke-patients-disabled

NHSの治療がパンデミック中に中断されたために、何千人もの脳卒中患者が避けられたはずの障害を負った、報告書が主張する。

脳卒中になった患者が血栓溶解薬や手術を受けることが困難になり、リハビリも中止された、と脳卒中協会が言う。

脳卒中専門医は4月に脳卒中で病院に来る人が13%減り、パンデミック中に自宅で脳卒中で死亡する人がいつもより52%多かったという。